JP6006273B2 - 粘着剤組成物およびこれを用いた光学部材 - Google Patents
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本発明で用いられる(メタ)アクリル系共重合体(以下、単に「成分(A)」とも称する)は、(a−1)カルボキシル基含有モノマー 0〜9質量部、(a−2)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー 0〜1.8質量部、および(a−3)(メタ)アクリル酸エステルモノマー 99.9〜89.2質量部(ただし、カルボキシル基含有モノマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーとの合計量は0質量部ではない)からなる。そして、該(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量は100万〜200万である。
本発明に係るカルボキシル基含有モノマー(以下、単に「成分(a−1)」とも称する)は、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和モノマーである。カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、以下に制限されないが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、およびオレイン酸などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明に係るヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー(以下、単に「成分(a−2)」とも称する)は、分子中にヒドロキシ基を有するアクリル系モノマーである。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、以下に制限されないが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等が挙げられ、さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(以下、単に「成分(a−3)」とも称する)は、分子中にヒドロキシ基を有さない(メタ)アクリル酸のエステルである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、以下に制限されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記成分(A)に加えて、本発明の粘着剤組成物は、カルボジイミド系架橋剤(以下、単に「成分(B)」とも称する)を含む。カルボジイミド系架橋剤は、上記の(メタ)アクリル系共重合体(A)中のヒドロキシ基および/またはカルボキシル基と反応・結合し、架橋構造を形成する。
上記成分(A)および(B)に加えて、本発明の粘着剤組成物は、イソシアネート系架橋剤(C)(以下、単に「成分(C)」とも称する)を含むことが好ましい。イソシアネート系架橋剤(C)を添加することにより、得られる粘着層の耐光漏れ性および耐久性がより向上する。
重合体溶液 約1gを、精秤したガラス皿に精秤する。105℃で1時間乾燥した後室温に戻し、ガラス皿と残存固形分との合計の質量を精秤する。ガラス皿の質量をX、乾燥する前のガラス皿とポリマー溶液との合計の質量をY、ガラス皿と残存固形分との合計の質量Zとして、下記数式1により固形分を算出した。
ガラス瓶に入れたポリマー溶液を25℃に温調し、B型粘度計により測定した。
下記表1の測定方法・測定条件により測定した。
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、n−ブチルアクリレート(株式会社日本触媒製)99質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社日本触媒製)1質量部、および酢酸エチル120質量部を投入した。次いで、窒素置換を行いながら65℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.04質量部を加え、65℃を維持しつつ6時間重合を行った。重合反応終了後、酢酸エチル 280質量部を加えて希釈を行い、重合体(サンプル名:A−1)の溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分は20質量%、粘度は4500mPa・sであった。また、得られた重合体(A−1)の重量平均分子量は160万であった。
合成例1において、単量体成分の組成を、表1に示されるような組成に変更したことを除いては、合成例1と同様の操作を行なうことによって、重合体(A−2)〜(A−18)の溶液を得た。また、得られた重合体(A−2)〜(A−18)溶液の固形分および粘度、ならびに重合体(A−2)〜(A−18)の重量平均分子量を測定した。その結果を下記表2に示す。なお、下記表2において、「BA」は、ブチルアクリレートであり;「2EHA」は、2−エチルヘキシルアクリレートであり;「HEA」は、2−ヒドロキシエチルアクリレートであり;「4HBA」は、4−ヒドロキシブチルアクリレートであり;「HEAA」は、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミドであり;「AA」は、アクリル酸である。
上記合成例1で得られた重合体溶液を500質量部(重合体の固形分として100質量部)、カルボジイミド系架橋剤(B)であるカルボジライト(登録商標) V−01(日清紡ケミカル株式会社製、試料名 B−1) 1質量部、イソシアネート系架橋剤(C)であるコロネート(登録商標)L(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物、日本ポリウレタン工業株式会社製、試料名 C−1) 0.2質量部、およびシランカップリング剤であるKBM−403(3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、信越化学工業株式会社製) 0.1質量部を室温(25℃)で10分間混合し、粘着剤組成物が溶解している溶液を得た。
下記表2に示すような組成比で、上記合成例で合成した重合体、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤以外の他の架橋剤、およびシランカップリング剤を使用したことを除いては、実施例1と同様にして、粘着剤組成物が溶解している溶液の調製および粘着剤層付き偏光板の作製を行った。なお、カルボジイミド系架橋剤B−2およびB−3、ならびに他の架橋剤D−1の詳細は下記表3の通りである。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した各表面保護フィルムの粘着層面をアルミホイルに貼り合わせて、60℃、90%RHの雰囲気下で2日間放置し、そのときの腐食性を観察した。なお、下記表4中、「○」は変化なしを、「×」は白化したことを、それぞれ表す。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した粘着剤層を有する偏光板を、120mm(偏光板MD方向)×60mm、および120mm(偏光板TD方向)×60mmに裁断し、それぞれガラス板の各面に重なり合うように貼り合わせし、50℃、0.49MPa(5kg/cm2)の条件で20分間オートクレーブ処理を行った。その後、80℃雰囲気下で120時間および500時間放置した後の外観を観察した。下記表4中、「◎」は120時間後および500時間後に光漏れが観察されなかったことを、「○」は120時間後に光漏れが観察されなかったことを、「×」は光漏れが観察されたことを、それぞれ表す。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した粘着剤層を有する偏光板を、120mm(偏光板MD方向)×60mmに裁断し、ガラス板に貼り合わせし、50℃、0.49MPa(5kg/cm2)の条件で20分間オートクレーブ処理を行った。その後、100℃雰囲気下または80℃、90%RHの雰囲気下で120時間放置した後の外観を観察した。下記表4中、「○」は発泡、浮き、剥がれが観察されなかったことを、「×」は発泡、浮き、剥がれが観察されたことを、それぞれ表す。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した粘着剤層を有する偏光板を25mm幅に裁断し、ガラス板に貼り合わせ、50℃、0.49MPa(5kg/cm2)の条件下で20分間オートクレーブ処理を行った。引っ張り試験機を用いて、23℃、50%RHの雰囲気下で剥離角90度、剥離速度0.3m/分で、JIS Z0237(2000年)に記載の粘着テープ・粘着シート試験方法に準じて粘着力の測定を行った。
上記4.粘着力の測定時に密着性を観察した。下記表4中、「○」は粘着剤が基材からまったく剥がれなかったことを、「×」は粘着剤が基材から剥がれたことを、それぞれ表す。
上記4.粘着力の測定前後のガラス板面の接触角を測定した。下記表4中、「○」は粘着力測定前後のガラス面の接触角に変化がなかったことを、「×」は粘着力測定前後のガラス面の接触角に変化があったことを、それぞれ表す。
23℃、50%RHの雰囲気下で7日間放置した粘着剤層を有する偏光板を120mm(偏光板MD方向)×60mmに裁断し、ガラス板に貼り合わせし、50℃、0.49MPa(5kg/cm2)の条件下で20分間オートクレーブ処理を行った。その後、−40℃雰囲気下で120時間放置した後の外観を観察した。下記表4中、「○」は発泡、浮き、剥がれ、再結晶物が観察されなかったことを、「×」は発泡、浮き、剥がれ、再結晶物が観察されたことを、それぞれ表す。
上記4.粘着力の測定時に、剥離状態を観察した。下記表4中、「○」は界面破壊が観察されたことを、「×」はガラス板(被着体)に粘着剤が転着および/または凝集破壊が観察されたことを、それぞれ表す。
各実施例、比較例で作製した粘着剤層を有する偏光板の代わりに、剥離処理したポリエステルフィルムを使用して、塗工7日後におけるゲル分率を測定した。ゲル分率は、23℃、50%RHの雰囲気下で放置した粘着剤組成物約0.1gを秤量して、重量W1(g)を測定した。これをサンプル瓶に採取し、酢酸エチルを約30g加えて24時間放置した。所定時間経過後の該サンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網(膜の重量をW2(g))にてろ別し、金網および残留物を90℃で1時間乾燥させた全体の重量W3(g)を測定した。ゲル分率は、これらの測定値から下記数式2により算出した。
Claims (1)
- 0〜9質量部のカルボキシル基含有モノマー、0〜1.8質量部のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーおよび99.9〜89.2質量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーからなり(ただし、カルボキシル基含有モノマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーとの合計量は0質量部ではない)、重量平均分子量が100万〜200万である(メタ)アクリル系共重合体 100質量部;
カルボジイミド系架橋剤 0.05〜5質量部;ならびに
イソシアネート系架橋剤 0.05〜5質量部;
を含み、塗工7日後のゲル分率が77〜93%である、粘着剤組成物。
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