JP2019027412A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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裕文 吉田
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
啓晶 中井
Hiroaki Nakai
啓晶 中井
護 西部
Mamoru Nishibe
護 西部
淳 作田
Atsushi Sakuta
作田  淳
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Abstract

【課題】性能の平均値を悪化させることなく性能バラツキを抑制して安定化させることができ、安定的に高い性能を維持することが可能な圧縮機を提供する。【解決手段】吐出冷媒が保有する熱の密閉容器1外部への放熱を抑制する断熱手段18を備え、オイルの40℃での動粘度は45mm2/s以下とすることにより、放熱抑制によってオイル温度を上昇させて運転中のオイル実粘度のバラツキを抑え、その結果、性能バラツキを抑制して安定化を図ることができるとともに、オイルの粘度グレードを比較的低くすることで運転中のオイル実粘度を従来同等に維持して性能の悪化を防止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
従来の空気調和機等の冷凍サイクルに使用される密閉型圧縮機は、例えば、図6に示される構成になっている。
図6は、従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。図7は、特許文献1のスクロール圧縮機における圧縮機構部の断面図である。
即ち、両端が閉鎖された筒状の密閉容器101の内側に、電動機102と圧縮機構部103とが内蔵されている。
圧縮機構部103は、主にクランク軸104、主軸受105および圧縮要素106で構成される。
電動機102は、密閉容器101の内壁面側に固定された固定子102aと、この固定子102aの内側に回転自在に支持された回転子102bとからなり、この回転子102bには、クランク軸104が貫通状態に結合されている。
密閉容器101下部に収容されたオイルは、圧縮機構部103の各摺動部に供給された後、圧縮要素106にて圧縮されたガスの流れに乗り、密閉容器101上部に設けられた吐出管107より圧縮機外部へ流出するまでの間に気液分離されて、下部オイル溜まりへと再循環されるようになっている。
圧縮機構部103は、渦巻きラップ108a、109aを形成した固定スクロール108と旋回スクロール109をかみ合わせ複数の圧縮室を形成し、旋回スクロール109背面に形成された背圧室110に一定圧を印加することで固定スクロールラップ端面108bと旋回スクロール底面109bとがスラスト摺動し、旋回スクロール109に偏心部を有するクランク軸104を連結させ、オルダムリング111を用いて自転を防止し、旋回運動をさせることで、中心に向かって容積を減少させながらガスを圧縮する。
圧縮機にとって、性能を向上させて消費電力を低減させることが重要であることは当然であるが、その高い性能を安定的に発揮させることも重要である。
性能のバラツキを抑制して安定化させることにより、量産時の品質ロスを抑えてコストを低減することができるだけでなく、圧縮機を搭載したシステムの制御性が向上し、制御性確保のための不要な投資も抑制することができる。
圧縮機の性能バラツキを抑制する方法としては、旋回スクロールラップ上面と固定スクロールラップ底面等との接触を防止して、圧縮機の性能を安定させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されている密閉型スクロール圧縮機は、図7に示すとおり、旋回スクロール201のラップ支持円板201aに立設したラップ201bの上面201cと固定スクロール202のラップ202aの底面202bとの隙間δak(=Hk−Hso)を一様に設け、旋回スクロールラップ支持円板201aの外周のスラスト摺動面201dが固定スクロール202の外周面202cと接触摺動するようになっている。
そして、旋回スクロールラップ201bの底面201eにスラスト摺動面201dに対して微小な段差を一様に設け、固定スクロールラップ202aの端面202dと旋回スクロールラップ201bの底面201eとの隙間をδasとし、δak>δasに設定してある。
これにより、固定スクロール202の圧力変形による固定スクロールラップ端面202dと旋回スクロールラップ底面201eとの接触摺動を確実に防止するとともに、結果として、旋回スクロールラップ上面201cと固定スクロールラップ底面202bとの接触も防止するため、安定的に圧縮機の性能を発揮することが可能である。
特開平6−317269号公報
しかしながら、前記従来の構成では、軸方向の隙間であるδakとδasをスクロールラップの中心側から外周側まで一様に設けているため、圧力変形の小さい外周部で隙間が大きくなり、圧縮機の性能が悪化するという課題がある。すなわち、性能バラツキは小さくなるが、性能の平均値は低下するということである。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、性能の悪化を防止しながら性能バラツキを小さく抑えた、安定して高効率を発揮できる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に、低圧の吸入冷媒を圧縮して高圧の吐出冷媒として吐出する圧縮機構と、圧縮機構を駆動するための電動機と、圧縮機構の潤滑に供されるオイルを貯留するオイル溜りとを備え、オイル溜りは吐出冷媒の雰囲気にある密閉型圧縮機であって、吐出冷媒が保有する熱の密閉容器外部への放熱を抑制する断熱手段を備え、オイルの40℃での動粘度は45mm/s以下としたものである。
従来の構成では、性能バラツキを小さくして安定的に圧縮機の性能を発揮できるものの、性能の平均値は悪化していたものが、本構成によれば、密閉容器外部への放熱を抑制することでオイル温度を上昇させて運転中のオイル実粘度のバラツキを抑えた結果、性能バラツキを抑制して安定化を図ることができるとともに、オイルの40℃での動粘度は45mm/s以下とすることで運転中のオイル実粘度を従来同等に維持して性能の悪化を防止することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、性能の平均値を悪化させることなく性能バラツキを抑制して安定化させることができ、安定的に高い性能を維持することが可能である。
本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における吐出温度に対するオイル粘度変化のグラフ 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態3における空気調和機の除霜時の動作および冷媒の流れを示す模式図 本発明の実施の形態4における空気調和機の暖房時の動作および冷媒の流れを示す模式図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 特許文献1のスクロール圧縮機における圧縮機構部の断面図
第1の発明は、密閉容器内に、低圧の吸入冷媒を圧縮して高圧の吐出冷媒として吐出する圧縮機構と、圧縮機構を駆動するための電動機と、圧縮機構の潤滑に供されるオイルを貯留するオイル溜りとを備え、オイル溜りは吐出冷媒の雰囲気にある密閉型圧縮機であって、吐出冷媒が保有する熱の密閉容器外部への放熱を抑制する断熱手段を備え、オイルの40℃での動粘度は45mm/s以下としたものである。
これにより、放熱抑制によってオイル温度を上昇させて運転中のオイル実粘度のバラツキを抑え、その結果、性能バラツキを抑制して安定化を図ることができるとともに、オイルの粘度グレードを比較的低くすることで運転中のオイル実粘度を従来同等に維持して性能の悪化を防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の密閉型圧縮機において、断熱手段は密閉容器の内外を断熱する構造としてある。
これにより、密閉容器から外部への放熱を直接抑制するので、密閉容器内部の熱をより確実に断熱することが可能である。
第3の発明は、特に、第2の発明の密閉型圧縮機において、密閉容器は密閉容器の外周に0.05mK/W以上の熱抵抗値を有する断熱材を巻いた構成としてある。
これにより、一般的に密閉容器の外周に巻かれる防音材よりも密閉容器内外の断熱性を向上させることができ、密閉容器内部の熱をさらに確実に断熱することが可能である。
第4の発明は、特に、第2の発明の密閉型圧縮機において、密閉容器の外周に蓄熱材が充填された蓄熱槽を配置した構成としてある。
これにより、蓄熱槽が断熱材の役割を果たし、密閉容器内部の熱を確実に断熱することが可能である。また、空気調和機や給湯機に用いれば、暖房運転における除霜運転時において、暖房運転を維持しながら、圧縮機の吐出ガスを直接室外熱交換器に流入させることで除霜するとともに、除霜後の凝縮液を蓄熱槽に蓄熱された圧縮機の廃熱で加熱することにより、除霜運転時の暖房感を維持しながら、圧縮機に液冷媒が吸入されるのを防止して信頼性を確保することが可能である。
第5の発明は、特に、第4の発明の密閉型圧縮機において、蓄熱槽の外周に更に断熱材または防音材を巻いた構成としてある。
これにより、蓄熱槽との二重の断熱により、密閉容器内部の熱をさらに確実に断熱することが可能である。また、蓄熱槽に蓄熱された廃熱を除霜運転により一層有効活用することが可能である。
第6の発明は、特に、第1の発明の密閉型圧縮機において、圧縮機が空気調和機、給湯機またはそれに類する機械に設置され、圧縮機が設置された機械室の内外を断熱することで断熱手段としたものである。
これにより、密閉容器内部の熱を機械室内部に留めておくことができ、暖房運転時の機械室外部の低温雰囲気への放熱を抑制できるため、結果的に密閉容器内部の熱を断熱することが可能である。加えて、圧縮機の吐出管から繋がる吐出配管を流れる吐出ガスの熱も断熱することができるため、吐出ガスをより高温に維持して暖房能力を向上させることも可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態を説明する図において、それぞれ同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。
図1において、密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する吐出圧力雰囲気となり、その中央部に電動機3、下部に圧縮機構部4が収納され、電動機3の鉛直方向のクランク軸5で圧縮機構部4が駆動されるようになっている。
この圧縮機構部4は、シリンダ6とローリングピストン7、ベーン8を上軸受9と下軸受10で挟み込むことで吸入室11と圧縮室12を形成して圧縮動作を行うように構成されている。シリンダ6内には、クランク軸5と一体的に構成されたクランク軸偏芯部13が収納されており、このクランク軸偏芯部13にローリングピストン7が回転自在に装着されている。シリンダ6には、ベーン8がローリングピストン7に当接して設けられ、吸入室11と圧縮室12とを仕切っている。
また、シリンダ6には、吸入室11と隣接して吸入穴14が設けられている。吸入穴14には吸入ライナー15が圧入され、密閉容器1内部の高温高圧の吐出ガスと吸入穴14内部の低温低圧の吸入ガスを仕切っている。吸入ライナー15には、圧縮機の液圧縮を防止するためにアキュームレータ16が挿入され、密閉容器1に固定された吸入外管17とともにロー付けまたは溶接されて接続されており、圧縮機に吸入される作動流体を気液分離している。
また、密閉容器1の下部には、オイルが貯留されており、圧縮機構部4は、常にオイルに浸漬した状態にある。クランク軸5で吸い上げたオイルは、クランク軸偏心部13に設けられた図示されない給油穴を通ってクランク軸偏心部13の摺動部を潤滑しながらローリングピストン7内周部へ達した後、一方は、上軸受9および下軸受10のジャーナル軸受摺動部を潤滑して圧縮機構部4外に排出され、もう一方は、ローリングピストン7と上軸受9および下軸受10との摺動部を潤滑しながら吸入室11および圧縮室12へと供給される。また、ベーン8背面から供給されたオイルは、ベーン8の摺動部を潤滑後、吸入室11および圧縮室12へと供給される。
更に、本実施の形態の圧縮機の密閉容器1は、その外周には、断熱材18が円筒状に巻かれ、密閉容器1内外を断熱している。
以上のように構成されたロータリ圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電動機3が付勢され、そのクランク軸5が回転すると、クランク軸偏芯部13がシリンダ6内において偏芯回転し、ローリングピストン7がベーン8に当接しながら回転運動し、作動流体の吸入、圧縮が繰り返される。
このように吸入、圧縮が繰り返されて動作する圧縮機に使用されるオイルは、40℃での動粘度を代表値とする粘度グレードによって分類されるが、圧力が上昇すると作動流体がオイルに溶解し、オイル粘度が低下する性質を持つ。
また、図2に示す一定の吐出圧力下での吐出温度Tdに対するオイル粘度μ変化のグラフのとおり、同じ圧力でも、吐出温度Tdの低下に伴って作動流体の溶解量が多くなるためオイル粘度μは低下し、吐出温度Tdが低いほどオイル粘度μの変化率が大きくなる。
摺動部がオイルによって良好に潤滑されている場合、一般的にオイル粘度μと摺動部の機械損失は比例関係にあり、オイル粘度μが低い方が圧縮機の性能が高くなることが多い。一方、摺動部が良好に潤滑され、異常磨耗や焼き付き等が発生しない信頼性の高い圧縮機を実現するためには、一般的にオイル粘度μを高めにする必要がある。すなわち、圧縮機の高い性能と高い信頼性を両立する最適なオイル粘度μが存在する。
従来の圧縮機は、空気調和機の冷暖房能力が発揮できる吐出温度Td1において、圧縮機の性能と信頼性を両立する最適なオイル粘度μ1となるように、オイルの粘度グレードAを選定している。
しかし、実際の運転状態では、周囲の環境や機器の個体差等により、圧縮機の吐出温度Td1に一定のバラツキσTd1が生じ、吐出ガス雰囲気にある粘度グレードAのオイルの温度にも同程度のバラツキが生じる。その結果、オイル粘度μ1にはσμ1のバラツキが生じ、そのバラツキに伴って圧縮機の性能にバラツキが発生してしまう。
本実施の形態1では、断熱材18によって密閉容器1内部の吐出ガスの温度TdをTd1からTd2まで高めることができるため、吐出温度Tdに対するオイル粘度μの変化率が小さい範囲にオイル粘度μが移行し、同程度の吐出温度バラツキσTd1に対してオイル粘度μのバラツキがσμ2まで低減される。したがって、オイル粘度μの影響を直接的に受ける圧縮機の性能のバラツキも低減することができる。
ところが、吐出温度Tdの上昇により、オイル粘度μ自体はμ1からμ2まで増加してしまうため、性能の平均値は悪化する。そこで、粘度グレードAのときのオイル粘度μ1と同程度となるまでオイルの粘度グレードを下げて、40℃での動粘度45mm/s(VG45)以下の粘度グレードBとすることにより、圧縮機の性能の平均値を従来同等としながら、性能バラツキを従来よりも低減させて安定化を図ることが可能となる。なお、圧縮機の信頼性確保のため、VG10以上が望ましい。
なお、従来の圧縮機において騒音を低減するために密閉容器1外周に巻かれる一般的な防音材でも一定の断熱性能を備えており、小さいながらも同様の効果が得られるが、断熱材18を使用することで確実に所定の効果を得ることができる。断熱性能を備えていれば防音材を使用してもよく、断熱性能の指標である熱抵抗値は、0.05mK/W以上あることが望ましい。
また、本実施の形態1では、断熱材18を円筒状に巻き、その上下端面は開放されているが、上側と下側の両方または一方を閉塞させることで断熱材18内部の対流が抑制され、より大きな断熱効果を得ることができ、吐出温度Tdをより高く維持してさらに性能バラツキを低減することが可能である。
密閉容器1表面に発泡剤等を吹き付けたり断熱塗料を塗布したりすることでも、断熱材18と同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図3において、鉄製の密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する吐出圧力雰囲気となり、その中央部に電動機3、上部に圧縮機構部4が配置され、電動機3の回転子3aに固定されたクランク軸5の一端を支承する圧縮機構部4の本体フレーム19が密閉容器1に固定されており、その本体フレーム19に固定スクロール20が取り付けられている。
クランク軸5に設けられた主軸方向の油通路21は、その一端が給油ポンプ装置22に通じ、他端が最終的に旋回スクロール23の偏心軸受24に通じている。固定スクロール20と噛み合って圧縮室12を形成する旋回スクロール23は、渦巻き状の旋回スクロールラップ23aと偏心軸受24とを直立させたラップ支持円板23bとからなり、固定スクロール20と本体フレーム19との間に配置されている。
固定スクロール20は、鏡板20aと渦巻き状の固定スクロールラップ20bとからなり、固定スクロールラップ20bの中央部に吐出穴25、外周部に吸入ライナー15に繋がる吸入穴14が配置されている。
クランク軸5の主軸26から偏心してクランク軸5の上端部に配置された偏心軸27は、旋回スクロール23の偏心軸受24と係合摺動すべく構成されている。主軸26は、本体フレーム19の主軸受28と係合摺動し、本体フレーム19には、主軸受28と同心の環状シール部材29が遊合状態で装着されている。環状シール部材29は、その内側の概ね吐出圧力雰囲気の背面室30と外側の中間圧力雰囲気の背圧室31とを仕切っている。
給油ポンプ装置22によって吸い上げられたオイルは、クランク軸5の油通路21を通り旋回スクロール23と偏心軸27との間に形成された内部空間32へ導かれ、一方は旋回スクロール23のラップ支持円板23bの背面に設けられた絞り部33を経由して固定スクロール20と本体フレーム19とによって囲まれて形成される背圧室31へと通じ、背圧調整弁34、オイル供給通路34aを通って圧縮室12へと導かれる。背圧調整弁34は、吸入圧力よりも高めの中間圧力を維持して旋回スクロール23を固定スクロール20に押さえつける機能を持ち、旋回スクロールラップ支持円板23bと固定スクロールラップ20b端面および鏡板20aとでスラスト軸受を形成する。もう一方は偏心軸受24、背面室30、主軸受28を通り圧縮機構部4外部へ排出される。
吐出穴25の出口側を開閉する逆止弁装置35が固定スクロール20の鏡板20aの反ラップ側平面上に取り付けられており、その逆止弁装置35は薄鋼板製のリード弁35aと弁押さえ35bとからなる。
クランク軸5の下端は密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受け36により軸受けされ、安定に回転することができる。副軸受け36はジャーナル軸受け構成となっており、給油ポンプ装置22によって吸い上げられたオイルの一部が副軸受け36へと供給される。
逆止弁装置35下流側の吐出室37は、固定スクロール20と隔離部材38との間に形成され、隔離部材38によって吐出管2に連通する圧縮機構部4の上部空間39と隔離されている。
ここで、上記密閉容器1の外周には、実施の形態1の場合と同様、断熱材18が円筒状に巻かれ、密閉容器1内外を断熱している。
本実施の形態2でも、実施の形態1と同様、断熱材18によって密閉容器1内部の吐出ガスの温度Tdを高く維持して圧縮機の性能のバラツキを低減するとともに、オイルの粘度グレードを下げて、圧縮機の性能の平均値の悪化を防止することができる。
また、スクロール圧縮方式は、複数の圧縮室12を持ち、吸入から吐出までのクランク角を360度以上確保することができるため、一つの圧縮室12がクランク角360度分で吸入から吐出まで行うロータリ圧縮方式と比較して、圧縮室12間の圧力差が小さく、漏れ損失を抑制できることから、高圧縮比の運転条件でより高い性能を発揮できるという特徴があるが、逆に、低損失であるために吐出温度Tdが低くなる傾向があり、性能バラツキの悪化に影響を与えやすい。したがって、スクロール圧縮機に本発明を適用するとより効果的である。
加えて、吐出ガスが吐出穴25から上部空間39に直接放出されて吐出管2から密閉容器1外部へ流出する構成のスクロール圧縮機では、高温の吐出ガスが下部に貯留されたオイルと接触する機会がほとんどなく、オイルの温度が比較的低くなるため、さらに性能バラツキの悪化に影響を与えやすく、本発明の構成はより一層効果的である。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における空気調和機の除霜時の動作および冷媒の流れを示す模式図である。
図4において、空気調和機は冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成され、室内機の内部には室内熱交換器40が設けられ、室外機の内部には圧縮機41と膨張弁42、室外熱交換器43とが設けられ、図4では暖房運転時のサイクルを説明するため、冷房と暖房を切り替える四方弁は記載を省略している。
圧縮機41の周囲には蓄熱槽44が設けられ、蓄熱槽44の内部には蓄熱熱交換器45が設けられるとともに、蓄熱熱交換器45と熱交換するための蓄熱材46が充填されている。蓄熱熱交換器45は室内熱交換器40と膨張弁42との間と、室外熱交換器43と圧縮機41との間に、暖房運転時のメインサイクルに並列して接続され、上流側に第一電磁弁47を設けている。圧縮機41と室内熱交換器40との間と、膨張弁42と室外熱交換器43との間は、第二電磁弁48を介して接続されている。
通常の暖房運転は、第一電磁弁47と第二電磁弁48が閉じた状態で、黒矢印で示すとおり、圧縮機41から吐出された吐出ガスが室内熱交換器40で液化され、膨張弁42を通って室外熱交換器43でガス化されて圧縮機41に吸入されるメインサイクルで運転される。この通常の暖房運転の流れに対し、除霜運転に切り替わると、第一電磁弁47と第二電磁弁48が開き、白矢印の流れも加わる。圧縮機41から吐出された吐出ガスの一部は、第二電磁弁48を通り、メインサイクルの冷媒と合流して着霜した室外熱交換器43を加熱して除霜し、凝縮して液化した後、圧縮機41に吸入される。膨張弁42の手前で分流した液冷媒の一部は、第一電磁弁47を経て、蓄熱熱交換器45で蓄熱材46から吸熱してガス化し、圧縮機41の手前でメインサイクルに合流して圧縮機41に吸入される。
このようなサイクル構成とすることにより、暖房運転を継続しながら室外熱交換器43の除霜を行うことができ、暖房感を損なうことがない。また、室外熱交換器43からの液冷媒と蓄熱熱交換器45からの高温のガス冷媒とが混合されることで、圧縮機41が液冷媒を吸入することを防止し、圧縮機41の信頼性を確保することができる。
この構成では、圧縮機41の密閉容器1の外周を囲むように蓄熱槽44が配置されているため、通常の暖房が安定的に運転されているときには、蓄熱槽44が断熱材の役割を果たし、密閉容器内部の熱を確実に断熱するようになり、実施の形態1および2と同様の効果を得ることが可能である。加えて、蓄熱槽44を断熱材18で覆うことにより、さらに断熱効果が向上し、より大きな効果を得ることが可能である。防音材には一定の断熱性能を備えていることから、蓄熱槽44の周囲を防音材で覆うことによっても、同様の効果は得られる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における空気調和機の暖房時の動作および冷媒の流れを示す模式図である。
図5において、空気調和機は冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成され、室内機の内部には室内熱交換器40が設けられ、室外機の内部には圧縮機41と膨張弁42、室外熱交換器43とが設けられ、暖房運転時のサイクルを説明するため、冷房と暖房を切り替える四方弁は記載を省略している。圧縮機41から吐出された吐出ガスは、室内熱交換器40で液化され、膨張弁42を通って室外熱交換器43でガス化されて圧縮機41に吸入されるサイクルで運転される。
圧縮機41や膨張弁42、冷媒流路配管は室外機熱交換器43と隔離された機械室50に収納されており、機械室50の内外は断熱材18によって断熱されている。
したがって、機械室全体が圧縮機41の保持する熱を断熱し、結果として、圧縮機41の密閉容器1外部への放熱を抑制することで、実施の形態1および2と同様の効果を得ることが可能である。
また、圧縮機41から室内熱交換器40までの吐出配管のうち、機械室50に収納された部分も断熱されるため、室内熱交換器40に流入する吐出ガスをより高温に維持して暖房能力を向上させることが可能である。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、性能の平均値を悪化させることなく性能バラツキを抑制して安定化させることができ、安定的に高い性能を維持することが可能であり、HFC系冷媒やHCFC系冷媒、HC系冷媒、HFO系冷媒を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機のほかに、自然冷媒の二酸化炭素を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
1 密閉容器
3 電動機
4 圧縮機構部
18 断熱材
44 蓄熱槽
46 蓄熱材

Claims (6)

  1. 密閉容器内に、低圧の吸入冷媒を圧縮して高圧の吐出冷媒として吐出する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動するための電動機と、
    前記圧縮機構の潤滑に供されるオイルを貯留するオイル溜りとを備え、
    前記オイル溜りは吐出冷媒の雰囲気にある密閉型圧縮機であって、
    吐出冷媒が保有する熱の前記密閉容器外部への放熱を抑制する断熱手段を備えるとともに、
    前記オイルの40℃での動粘度は45mm/s以下である密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器の内外を断熱することが断熱手段となる請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器の外周に0.05mK/W以上の熱抵抗値を有する断熱材を巻いた請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 密閉容器の外周に蓄熱材が充填された蓄熱槽を配置した請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  5. 蓄熱槽の外周に更に断熱材または防音材を巻いた請求項4に記載の密閉型圧縮機。
  6. 圧縮機が空気調和機、給湯機またはそれに類する機械に設置され、圧縮機が設置された機械室の内外を断熱することが断熱手段となる請求項1に記載の密閉型圧縮機。
JP2017150379A 2017-08-03 2017-08-03 密閉型圧縮機 Pending JP2019027412A (ja)

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