JP2008138572A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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利之 中村
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友寿 松井
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Abstract

【課題】動作圧力の高い二酸化炭素を作動冷媒として用い、信頼性及びエネルギー効率を向上させたスクロール式流体機械を提供する。
【解決手段】スクロール圧縮機100は、ラップ部62を立設した固定スクロール60と、ラップ部52が固定スクロール60のラップ部62と噛み合わされて圧縮室21を形成するとともに固定スクロール60に対して相対回転される旋回スクロール50と、固定スクロール60と旋回スクロール50との相対回転を阻止するためのオルダムリング80と、旋回スクロール50を回転駆動し、内部に油流路42が形成されたクランクシャフト40とを備え、旋回スクロール50のラップ部52が形成された面には、油供給孔58をラップ部52よりも外周側に設け、旋回スクロール50の内部には、旋回スクロールボス部53と油供給孔58とを連通する径方向流路59を設けたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、スクロール式流体機械に関し、特に二酸化炭素(CO2 )を冷媒に使用したスクロール式流体機械に関するものである。
近年、脱フロン化の流れを受けて自然冷媒を用いた冷凍サイクル装置の開発が盛んに進められている。中でも、二酸化炭素(CO2 )を冷媒とした冷凍サイクル装置の普及は年々増加傾向にある。また、その用途も家庭用給湯を目的としたヒートポンプ式給湯機を始め、カーエアコンや空気調和装置、冷凍機、冷蔵庫等に広がりつつある。二酸化炭素は、オゾン破壊係数が0、地球温暖化係数が1という特性を有しており、二酸化炭素を冷媒として用いれば環境への負荷を小さくできるという利点がある。
HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒は、オゾン破壊係数が0、地球温暖化係数が1000〜2000という特性を有していることからも、二酸化炭素がいかに環境への負荷が小さいかが容易に理解できる。また、二酸化炭素は、毒性が無く、可燃性も無いという点で安全性に優れている。さらに、二酸化炭素は、入手が容易であり、比較的安価であるという利点も有している。ただし、二酸化炭素を冷媒として用いる場合には、フロンガスを用いた場合よりも動作圧力が高くなる。たとえば、HFC冷媒の一つであるR410冷媒では4MPa程度の動作圧力に対し、二酸化炭素では12MPa程度の高い動作圧力になる。
このような性質を有する二酸化炭素を冷媒として用いた圧縮機が種々提案されている。そのようなものとして、「ケーシング内に、固定側端板の一面側に渦巻状突起が設けられた固定スクロールと、旋回側端板の一面側に渦巻状突起が設けられかつこの渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻状突起と組み合わされて渦巻状の圧縮室を形成するとともに前記固定スクロールに対して相対的に旋回するように駆動される旋回スクロールと、前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられて前記旋回スクロール及び前記固定スクロールの相対回転を阻止するための機構とを備えている」スクロール圧縮機が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
このスクロール圧縮機は、固定スクロール及び旋回スクロールの相対回転を阻止するための機構としてオルダムリングを適用している。このオルダムリングには突起部が形成されており、固定スクロール及び旋回スクロールの渦巻状突起(ラップ)側の表面にはオルダムリングの突起部を収容するための溝が渦巻状突起よりも外周側に2つずつ形成されている。固定スクロールの2つの溝は、対向する位置に形成されている。また、旋回スクロールの2つの溝は、固定スクロールの2つの溝を結ぶ直線と直交する直線上であって、対向する位置に形成されている。
したがって、オルダムリングは、旋回スクロールの溝により所定方向に往復運動することができ、かつ、固定スクロールの溝により旋回スクロールの溝で往復運動可能な所定方向とは直交する方向に往復運動することができるようになっている。すなわち、固定スクロールと旋回スクロールとの間にオルダムリングを配設することによって、旋回スクロールの自転運動を阻止しつつ、公転運動を可能としているのである。そして、旋回スクロールとオルダムリングとの間に吸入ガスの含有油分を給油して潤滑するようになっている。
特開2000−352385号公報(第4頁、第2図)
上記のスクロール圧縮機のように旋回スクロールの自転防止機能を持たせたオルダムリングを旋回スクロール背面に設けた場合、固定スクロールと旋回スクロールとの噛み合い誤差のばらつきによって、固定スクロールと旋回スクロールとの位相ずれが生じ易く、組立精度が低下してしまうという課題があった。また、作動冷媒に動作圧力の高い二酸化炭素を用いた場合、オルダムリング突起部に作用する荷重が増大し、従来冷媒と比べてオルダムリング突起部に異常磨耗が生じてしまう可能性が高くなるといった技術的な課題もあった。
さらに、長期にわたる運転停止後において、高負荷条件でスクロール圧縮機を起動した直後では、オルダムリング突起部への給油が遅れ、摩擦係数が過大になりオルダムリング突起部が旋回スクロールの溝に凝着してしまうといった課題があった。一方、オルダムリングを固定スクロールと旋回スクロールとの間に配設しても、オルダムリング自重を旋回スクロールのラップ側の表面で受けるため、給油が遅れたり、給油が不足したりした場合、この部分での摩擦係数が増大し、それに伴ってスクロール圧縮機の入力も増大してしまうといった課題があった。すなわち、オルダムリングが疲労破壊したり、スクロール圧縮機の入力が増大したりすることで、スクロール圧縮機の信頼性が著しく低下してしまうことになるのである。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、動作圧力の高い二酸化炭素を作動冷媒として用いるとともに、信頼性及びエネルギー効率を向上させたスクロール式流体機械を提供するものである。
本発明に係るスクロール式流体機械は、鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設した固定スクロールと、鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設し、この渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻状突起と噛み合わされて密閉した圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間に配設されて前記旋回スクロールの自転運動を阻止するためのオルダムリングと、冷凍機油が貯留された油だめに連通した油流路が内部に形成され、前記旋回スクロールの鏡板の他方の面を支持するクランクシャフトとを備え、前記旋回スクロールの他方の面には、前記クランクシャフトの上端部を嵌合する旋回スクロールボス部を設け、前記旋回スクロールの一方の面には、前記渦巻状突起よりも外周側に油供給孔を設け、前記旋回スクロールの内部には、前記旋回スクロールボス部と前記油供給孔とを連通して前記油流路からの冷凍機油が流れる径方向流路を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係るスクロール式流体機械は、鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設した固定スクロールと、鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設し、この渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻状突起と噛み合わされて密閉した圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間に配設されて前記旋回スクロールの自転運動を阻止するためのオルダムリング突起部が形成されたオルダムリングと、冷凍機油が貯留された油だめに連通した油流路が内部に形成され、前記旋回スクロールの鏡板の他方の面を支持するクランクシャフトとを備え、前記旋回スクロールの他方の面には、前記クランクシャフトの上端部を嵌合する旋回スクロールボス部を設け、前記旋回スクロールの一方の面には、前記オルダムリング突起部を収容するための溝を設け、前記旋回スクロールの内部には、前記旋回スクロールボス部と前記旋回スクロールに形成した前記溝とを連通して前記油流路からの冷凍機油が流れる径方向流路を設けたことを特徴とする。
本発明に係るスクロール式流体機械は、旋回スクロールの渦巻状突起が形成された面(一方の面)には、渦巻状突起よりも外周側に油供給孔を設け、旋回スクロールの内部には、旋回スクロールボス部と油供給孔とを連通する径方向流路を設けたことを特徴とするので、スクロール式流体機械の起動直後にクランクシャフト下方に貯留されている冷凍機油が上方端面まで流入し、旋回スクロールの鏡板内部の径方向流路を流れ、オルダムリングと旋回スクロールとの摺動部へ直接給油することができる。
そのため、過負荷条件での起動直後においても、確実に摺動部へ給油でき、異常磨耗や凝着を防止でき、スクロール式流体機械の信頼性を高めることができる。また、旋回スクロールの旋回運動による給油作用によって、旋回スクロールラップ側鏡板面とオルダムリングとの摺動部の摩擦係数を適正化し、スクロール式流体機械への入力を低減することができる。
本発明に係るスクロール式流体機械は、旋回スクロールの内部には、旋回スクロールボス部と旋回スクロールに形成した溝とを連通する径方向流路を設けたことを特徴とするので、スクロール式流体機械の起動直後にクランクシャフト下方に貯留されている冷凍機油が上方端面まで流入し、旋回スクロールの鏡板内部の径方向流路を流れ、オルダムリングと旋回スクロールとの摺動部へ直接給油することができる。
そのため、過負荷条件での起動直後においても、確実に摺動部へ給油でき、異常磨耗や凝着を防止でき、スクロール式流体機械の信頼性を高めることができる。また、旋回スクロールの旋回運動による給油作用によって、旋回スクロールラップ側鏡板面とオルダムリングとの摺動部の摩擦係数を適正化し、スクロール式流体機械への入力を低減することができる。さらに、溝を油供給孔として代用するので、スクロール式流体機械の製造に要する手間及び費用を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機100の断面構成を示す縦断面図である。図2は、スクロール圧縮機100の要部を拡大した状態を示す拡大縦断面図である。図1及び図2に基づいて、スクロール圧縮機100の構成について説明する。このスクロール圧縮機100は、スクロール式流体機械の代表として、二酸化炭素(CO2 )冷媒を圧縮するスクロール圧縮機を表している。
このスクロール圧縮機100は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和器、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)を構成する冷凍機器の1つとして冷凍サイクル内に搭載されるものである。つまり、スクロール圧縮機100は、冷凍サイクルを循環するCO2 冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
このスクロール圧縮機100は、圧縮部20と駆動部30とに大きく分類することができる。この圧縮部20及び駆動部30は、密閉容器(シェル)10内に収納されている。この密閉容器10は、圧力容器となっている。図1に示すように、圧縮部20が密閉容器10の上側に配置され、駆動部30が密閉容器10の下側に配置されて収納されているものとする。この密閉容器10の底部は、冷凍機油1を貯留する油だめ11となっている。また、密閉容器10には、CO2 冷媒ガスを吸入するための吸入側配管12と、CO2 冷媒ガスを吐出するための吐出側配管13とが連接されている。
圧縮部20は、吸入側配管12から吸入したCO2 冷媒ガスを圧縮して密閉容器10内の吐出空間15に排出する機能を果たすようになっている。この吐出空間15に排出されたCO2 冷媒ガスは、吐出側配管13からスクロール圧縮機100の外部に吐出されるようになっている。駆動部30は、圧縮部20でCO2 冷媒ガスを圧縮するために、圧縮部20を構成する旋回スクロール50を駆動する機能を果たすようになっている。つまり、駆動部30が旋回スクロール50を駆動することによって、圧縮部20でCO2 冷媒ガスを圧縮するようになっているのである。
圧縮部20は、旋回スクロール50と、固定スクロール60と、フレーム70とで構成されている。旋回スクロール50はフレーム70の下側に、固定スクロール60はフレーム70の上側にそれぞれ収納されるようになっている。旋回スクロール50及び固定スクロール60は、鏡板51及び鏡板61と、その鏡板51及び鏡板61の一方の面に形成されている実質的に同一形状の渦巻状突起であるラップ部52及びラップ部62とで構成されている。これら2つの旋回スクロール50及び固定スクロール60は、ラップ部52とラップ部62とを互いに噛み合わせるようにして装着されている。そして、ラップ部52とラップ部62との間には、相対的に容積が変化する圧縮室21が形成されるようになっている。
固定スクロール60は、外周部をフレーム70に図示省略のボルト等によって締結されて固定されている。固定スクロール60の中央部には圧縮されて高圧となったCO2 冷媒ガスを吐出する吐出ポート63が形成されている。そして、圧縮された高圧のCO2 冷媒ガスは、固定スクロール60の上部に設けられている吐出空間15に排出されるようになっている。なお、固定スクロール60をボルト等で固定する場合に限定するものではなく、固定スクロール60がフレーム70に固定されていればよい。
旋回スクロール50は、固定スクロール60に対して自転運動することなく旋回運動を行うようになっている。また、旋回スクロール50のラップ部52が形成されている面とは反対側の面(図面下側のスラスト面55)の中心部には、中空円筒の旋回スクロールボス部53が形成されている。この旋回スクロールボス部53にクランクシャフト40の上端部に設けられた偏心ピン部41が回転自在に係合されている。この偏心ピン部41が旋回スクロールを偏心支持するようになっている。また、旋回スクロール50の下面側には、フレーム70(正確にはスラスト軸受部材75)と摺動可能なスラスト面55が形成されている(図3参照)。
フレーム70は、旋回スクロール50及び固定スクロール60を収納し、密閉容器10内に固着されるようになっている。このフレーム70には、旋回スクロール50の下面側の面から軸方向下側に貫通する排油穴71が形成されており、圧縮部20で使用された冷凍機油1を油だめ11に戻すようになっている。図1では、排油穴71が1つだけ形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、排油穴71を2つ以上形成してもよい。
密閉容器10と圧縮部20とは連通しているので、吸入側配管12から密閉容器10内に吸入されたCO2 冷媒ガスは圧縮部20に導通するようになっている。たとえば、フレーム70の外周面は、焼きばめや溶接等によって密閉容器10に固着されているものの、切り欠きや連通孔等を形成することによって、吸入側配管12からのCO2 冷媒ガスを圧縮部20へ導通するようにしてもよい。また、フレーム70の下方には、駆動部30(特にクランクシャフト40)を軸支するための軸受部72が形成されている。
駆動部30は、クランクシャフト40と、クランクシャフト40に固定されたロータ(回転子)31と、密閉容器10に固定されたステータ(固定子)32とで構成されている。なお、ロータ31とステータ32とで電動機を構成している。ロータ31は、ステータ32への通電が開始することにより回転駆動するようになっている。また、ステータ32の外周面は焼きばめ等により密閉容器10に固定されている。
クランクシャフト40の上端部は、旋回スクロール50の旋回スクロールボス部53と回転自在に係合する偏心ピン部41が形成されている。また、クランクシャフト40の内部には、上端面まで連通している油流路42が形成されている。この油流路42は、油だめ11に貯留してある冷凍機油1の流路である。油だめ11に溜まっている冷凍機油1を油流路42で吸い上げて圧縮部20に給油するようになっている。
この油流路42は、フレーム70の軸受部72に給油するために、この軸受部72の高さ位置で分岐し、分岐流路44を形成している。また、この油流路42は、旋回スクロールボス部53に給油するために、この旋回スクロールボス部53の高さ位置で分岐し、分岐流路45を形成している。なお、図2では、分岐流路44及び分岐流路45をクランクシャフト40に1つずつ形成した場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、分岐流路44及び分岐流路45を2つ以上ずつ形成してもよい。なお、冷凍機油1の種類を特に限定するものではなく、圧縮部20の潤滑油として使用できるものであればよい。
また、旋回スクロール50と固定スクロール60との間には、旋回スクロール50の自転運動を阻止するためのオルダムリング80が配設されている(図3で詳細に説明するものとする)。以上のように、スクロール圧縮機100は、密閉容器10内の上部に圧縮部20を、下部に駆動部30を配置し、圧縮部20をクランクシャフト40を介して駆動部30により回転駆動するようになっている。なお、スクロール圧縮機100は、密閉容器10内は圧縮されたCO2 吐出ガス雰囲気となるように高圧シェルタイプであってもよい。
図3は、圧縮部20を分解した状態を示す分解図である。図3に基づいて、スクロール圧縮機100の要部である圧縮部20について詳細に説明する。オルダムリング80は、リング部83と、旋回スクロール50側の2つのオルダムリング突起部81と、固定スクロール60側の2つのオルダムリング突起部82とで構成されている。このオルダムリング80は、旋回スクロール50と固定スクロール60との間に配設され、旋回スクロール50の自転運動を阻止するとともに、旋回運動を可能とする機能を果たすようになっている。つまり、オルダムリング80は、旋回スクロール50の自転防止機構として機能するのである。
オルダムリング突起部81は、オルダムリング80のリング部83の旋回スクロール50側に設けられており、オルダムリング80の中心に関して対称位置に対向配置されている。また、オルダムリング突起部82は、オルダムリング80のリング部83の固定スクロール60側に設けられており、オルダムリング80の中心に関して対称位置に対向配置されている。つまり、各オルダムリング突起部は、90度の位相差をもって配置されているのである。
そして、旋回スクロール50には、オルダムリング80のオルダムリング突起部81を収容するための2つの溝56が形成されている。この2つの溝56は、鏡板51のラップ部52側であって、ラップ部52よりも外周側に形成されている。また、固定スクロール60には、オルダムリング80のオルダムリング突起部82を収容するための2つの溝66が形成されている。この2つの溝66は、鏡板61のラップ部62側であって、ラップ部62よりも外周側に形成されている。
旋回スクロール50の2つの溝56は、オルダムリング突起部81に対応する位置、つまりオルダムリング80(または旋回スクロール50)の中心に関して対称位置に対向配置されている。また、固定スクロール60の2つの溝66は、オルダムリング突起部82に対応する位置、つまりオルダムリング80(または固定スクロール60)の中心に関して対称位置に対向配置されている。つまり、旋回スクロール50の2つの溝56は、固定スクロール60の2つの溝66とを結ぶ直線と直交する直線上の対向する位置に形成されているのである。
オルダムリング80は、オルダムリング80の2つのオルダムリング突起部81が、旋回スクロール50の2つの溝56に収容(係合)されることによって所定方向(2つの溝56を結ぶ直線方向)に往復運動(摺動)することができるようになっている。また、オルダムリング80は、オルダムリング80の2つのオルダムリング突起部82が、固定スクロール60の2つの溝66に収容(係合)されることによって所定方向(2つの溝66を結ぶ直線方向、つまり2つの溝56を結ぶ直線方向と直交する直線方向)に往復運動(摺動)することができるようになっている。
すなわち、オルダムリング80は、各オルダムリング突起部とそれを収容する各溝とによって、前後左右に往復運動することができるようになっているのである。したがって、固定スクロール60と旋回スクロール50との間にオルダムリング80を配設することによって、旋回スクロール50の自転運動を阻止しつつ、旋回運動を可能としているのである。また、旋回スクロール50の下側には、鏡板51のラップ部52の反対側表面(スラスト面55)と摺接するスラスト軸受部材75が配置されている。
このスラスト軸受部材75は、フレーム70の旋回スクロールボス部53の部分を除いた内周側の下端面74に固定されるようになっている。そして、このフレーム70は、上述したように密閉容器10内に固定されるようになっている。
ここで、実施の形態1の特徴事項である旋回スクロール50の詳細な構成について説明する。図4は、旋回スクロール50の断面構成を示す断面図である。図4(a)が旋回スクロール50の横断面図を、図4(b)が旋回スクロール50の縦断面図をそれぞれ示している。この図4に示すように、旋回スクロール50のラップ部52側の表面には、2つの油供給孔58が形成されている。この2つの油供給孔58は、固定スクロール60のラップ部62側の表面に設けた2つの溝66と対向する位置にそれぞれ形成されている。つまり、この2つの油供給孔58は、鏡板51のラップ部52側であって、ラップ部52よりも外周側で2つの溝66との対向位置に形成されているのである。
また、旋回スクロール50の鏡板51内部には、旋回スクロールボス部53の内周と2つの油供給孔58とを連通させる径方向流路59が形成されている。なお、径方向流路59の鏡板51の外周端面部には、径方向流路59を封鎖するための封止部材90が設けられている。すなわち、旋回スクロールボス部53の内周と鏡板51のラップ部52側表面とを、径方向流路59と油供給孔58とを介して連通させ、冷凍機油1の流路を構成しているのである。
したがって、クランクシャフト40の油流路42を通って汲み上げられた冷凍機油1は、径方向流路59内を流れて、2つの油供給孔58から旋回スクロール50のラップ部52側表面に直接給油されることになる。旋回スクロール50は、前後左右に公転運動を行なうので、旋回スクロール50のラップ部52側表面に給油された冷凍機油1は、旋回スクロール50のラップ部52側表面だけでなく、2つの溝56の内部にも給油されることになる。すなわち、旋回スクロール50とオルダムリング80との間全体に冷凍機油1が給油されることになり、旋回スクロール50とオルダムリング80とを十分に潤滑することができるのである。
このように、旋回スクロール50とオルダムリング80との間に冷凍機油1を直接給油するので、オルダムリング50を旋回スクロール50と固定スクロール60との間に設けたとしても、固定スクロール60と旋回スクロール50との噛み合い誤差のばらつきによって生じてしまう固定スクロール60と旋回スクロール50との位相ずれを低減することができる。また、CO2 冷媒ガスを用いたとしても、冷凍機油1を十分に供給することが可能なので、2つのオルダムリング突起部81に作用する摩擦を低減するとともに、異常磨耗の発生も低減することができる。
さらに、長期にわたる運転停止後において、高負荷条件でスクロール圧縮機100を起動させた直後であっても、オルダムリング突起部81へ十分な量の冷凍機油1を供給でき、摩擦係数を減少させてオルダムリング突起部81が旋回スクロール50の溝56に凝着してしまうのを防止することができる。したがって、冷凍機油1を十分に供給することによって、オルダムリング80の疲労破壊の低減、及び、スクロール圧縮機100の入力の減少ができ、スクロール圧縮機100の信頼性が向上することになるのである。
ここで、スクロール圧縮機100の動作について説明する。
電動機を構成するロータ31は、ステータ32が発生する回転磁界からの回転力を受けて回転する。それに伴って、ロータ31に固定されたクランクシャフト40が回転駆動する。旋回スクロール50は、クランクシャフト40の偏心ピン部41に係合されており、旋回スクロール50の自転回転運動がオルダムリング80の自転防止機構によって旋回運動に変換される。このクランクシャフト40の回転駆動によって、密閉容器10内のCO2 冷媒ガスが固定スクロール60のラップ部62と旋回スクロール50のラップ部52とにより形成される圧縮室21内へ流れ、吸入過程が開始する。
圧縮室21内にCO2 冷媒ガスが吸入されると、偏心させられた旋回スクロール50の旋回運動で、圧縮室21の容積を減少させる圧縮過程へと移行する。なお、冷凍サイクルを循環してきた低圧状態のCO2 冷媒は、吸入側配管12からスクロール圧縮機100の密閉容器10内に流入するようになっている。この圧縮過程では、圧縮室21内のCO2 冷媒の圧力が上昇する。そして、このガス圧の作用によって、旋回スクロール50のスラスト面55は、スラスト軸受部材75に押し付けられて摺動する。
また、オルダムリング80は、旋回スクロール50に作用する旋回スクロール50の回転方向と反対方向に加わるガス荷重を2つのオルダムリング突起部81で受けるため、旋回スクロール50側のオルダムリング突起81、固定スクロール60側のオルダムリング突起部82が収容されているそれぞれの溝(旋回スクロール50の2つの溝56、固定スクロール60の2つの溝66)内で摺動する。
作動冷媒に二酸化炭素を用いているので、動作圧及びスラスト軸受部材75で受ける荷重(以後、スラスト荷重と称する)が高くなるが、オルダムリング80を固定スクロール60と旋回スクロール50との間に配設しているため、スラスト面55側を有効利用できる。つまり、旋回スクロール50のスラスト面55側にオルダムリング80を配設するものに比べて、圧縮部20の強度を確保しつつ、オルダムリング80の厚さの分だけ圧縮部20の小型化、コンパクト化が可能になるのである。そして、圧縮室21で圧縮されたCO2 冷媒ガスは、吐出過程に移行する。つまり、CO2 冷媒ガスは、固定スクロール60の吐出ポート63から吐出空間15に排出され、吐出側配管13からスクロール圧縮機100の外部へと吐出されるのである。
次に、冷凍機油1の流れについて説明する。
密閉容器10の油だめ11に貯留されている冷凍機油1は、クランクシャフト40の油流路42内を導通し、フレーム70の軸受部72の高さ位置でクランクシャフト40の径方向に設けられた分岐流路44と、クランクシャフト40の上端面側とに分流する。分岐流路44に流入した冷凍機油1は、フレーム70の軸受部72に給油され、クランクシャフト40と軸受部72とを潤滑する。
クランクシャフト40の上端面側に流入した冷凍機油1は、旋回スクロールボス部52の高さ位置でクランクシャフト40の径方向に設けられた分岐流路45と、クランクシャフト40の上端面側とに分流する。分岐流路45に流入した冷凍機油1は、偏心ピン部41と旋回スクロールボス軸受部57とを潤滑し、旋回スクロール軸受部57の下方からフレーム70の内周を流れて、フレーム70の下端面74へと流れる。なお、スラスト軸受部材75に図示省略の鉛直方向の貫通孔を形成しておけば、この貫通孔を冷凍機油1が下側から上側へと流れて旋回スクロール50のスラスト面55とスラスト軸受部材75との摺動部を潤滑することができる。
クランクシャフト40の上端面側へ流入した冷凍機油1は、旋回スクロール50の鏡板51内に形成された径方向流路59内へと流れ、旋回スクロール50のラップ部52側に形成された2つの油供給孔58から固定スクロール60の2つの溝66に向けて噴射され直接給油されることになる。また、2つの油供給孔58から噴射された一部の冷凍機油1は、旋回スクロール50の旋回運動によって、旋回スクロール50のラップ部52側表面の外周へも流れて、旋回スクロール50とオルダムリング80のリング部83との摺動部をも潤滑することが可能になっている。
旋回スクロール50を以上のような構成とすることによって、CO2 のような動作圧の高い冷媒を用いた場合であっても、旋回スクロール50のスラスト面55を有効利用し、スラスト荷重の面圧を低減できるとともに、各オルダムリング突起部を収容する各溝に吸入ガスに含まれる冷凍機油1のみならず、冷凍機油1を直接噴射給油し、確実に潤滑できるため、スクロール圧縮機100の信頼性を高めることができる。また、旋回スクロール50とオルダムリング80との間にも冷凍機油1を給油することが可能なので、旋回スクロール50とオルダムリング80との間における摩擦係数を低減でき、スクロール圧縮機100への入力を低減することができる。
この実施の形態1では、旋回スクロール50に2つの油供給孔58が形成されている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、旋回スクロール50に3つ以上の油供給孔58を形成してもよい。また、径方向流路59の流路途中に複数の油供給孔58を形成してもよい。さらに、旋回スクロール50に1つの径方向流路59が形成されている場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、2以上の径方向流路59を形成してもよい。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の特徴事項である旋回スクロール50aの詳細な構成について説明する。図5は、旋回スクロール50aの断面構成を示す断面図である。図5(a)が旋回スクロール50aの横断面図を、図5(b)が旋回スクロール50aの縦断面図をそれぞれ示している。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
この図5に示すように、旋回スクロール50aのラップ部52側の表面には、実施の形態1の旋回スクロール50のような油供給孔58を形成していない。ただし、旋回スクロール50aの鏡板51内部には、旋回スクロールボス部53の内周と溝56とを連通させる径方向流路59aを形成している。すなわち、旋回スクロール50aに形成されているオルダムリング突起部81を収容するための溝56を実施の形態1に係る油供給孔58の代用としているのである。また、旋回スクロールボス部53の内周と鏡板51のラップ部52側表面とを、径方向流路59a及び溝56とを介して連通させ、冷凍機油1の流路を構成しているのである。
ここで、冷凍機油1の流れについて説明する。なお、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。クランクシャフト40の上端面側へ流入した冷凍機油1は、旋回スクロール50aの鏡板51内に形成された径方向流路59a内へと流れ、旋回スクロール50aのラップ部52側に形成された2つの溝56に直接給油される。また、溝56に噴射された一部の冷凍機油1は、旋回スクロール50aの旋回運動によって、旋回スクロール50aのラップ部52側表面の外周へも流れて、旋回スクロール50aとオルダムリング80のリング部83との摺動部をも潤滑することが可能になっている。
旋回スクロール50aを以上のような構成とすることによって、CO2 のような動作圧の高い冷媒を用いた場合であっても、旋回スクロール50aのスラスト面55を有効利用し、スラスト荷重の面圧を低減できるとともに、各オルダムリング突起部を収容する各溝に吸入ガスに含まれる冷凍機油1のみならず、冷凍機油1を直接噴射給油し、確実に潤滑できるため、スクロール圧縮機100の信頼性を高めることができる。また、旋回スクロール50aとオルダムリング80との間にも冷凍機油1を給油することが可能なので、旋回スクロール50aとオルダムリング80との間における摩擦係数を低減でき、スクロール圧縮機100への入力を低減することができる。
さらに、この実施の形態2では、2つの溝56を実施の形態1に係る2つの油供給孔58の代用としているので、旋回スクロール50aの製造工程に要する手間を低減することができる。なお、径方向流路59aの鏡板51の外周端面部には、実施の形態1のように径方向流路59aを封鎖するための封止部材90を設けなくてよい。それは、封止部材90を設けなくても、径方向流路59aを流れる冷凍機油1は、2つの溝56に必ず到達するからである。
この実施の形態2では、旋回スクロール50aに形成した2つの溝56を利用した場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、旋回スクロール50aに3つ以上の溝56を形成してもよい。このとき、オルダムリング80のオルダムリング突起部81も溝56の個数に対応させるとよい。また、旋回スクロール50aに1つの径方向流路59aが形成されている場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、2以上の径方向流路59aを形成してもよい。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3の特徴事項である旋回スクロール50bの詳細な構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機200の断面構成を示す縦断面図である。なお、実施の形態3では実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
実施の形態3に係るスクロール圧縮機200の基本的な構成及び動作については、実施の形態1及び実施の形態2に係るスクロール圧縮機100と同様である。実施の形態1及び実施の形態2では、旋回スクロール50及び旋回スクロール50aの自転を阻止するためのオルダムリング80を旋回スクロール50及び旋回スクロール50aと固定スクロール60との間に配設した場合を例に説明したが、この実施の形態3では、オルダムリング80を旋回スクロール50bの下面側に配設した場合を例に示している。
ここで、実施の形態3の特徴事項である旋回スクロール50bの詳細な構成について説明する。図7は、旋回スクロール50bの断面構成を示す断面図である。図7(a)が旋回スクロール50bの横断面図を、図7(b)が旋回スクロール50bの縦断面図をそれぞれ示している。この図7に示すように、旋回スクロール50bのラップ部52側の表面には、実施の形態1に係る油供給孔58や実施の形態2に係る溝56が形成されていない。ただし、旋回スクロール50bのスラスト面55に2つの溝56を形成している。つまり、オルダムリング80が旋回スクロール50bの下側に配置されるので、オルダムリング突起部81を収容する溝を旋回スクロール50bのスラスト面55に形成しているのである。
そして、2つの溝56にオルダムリング80の各オルダムリング突起部を収容することによって、旋回スクロール50bの自転を阻止するようになっているのである。したがって、この溝56に冷凍機油1を十分な給油をすることが望ましい。そこで、旋回スクロール50bの鏡板51内部には、旋回スクロールボス部53の内周と2つの溝56とを連通させる径方向流路59bを形成している。すなわち、旋回スクロールボス部53の内周と鏡板51のラップ部52側表面とを、径方向流路59b及び溝56cを介して連通させ、冷凍機油1の流路を構成しているのである。
ここで、冷凍機油1の流れについて説明する。なお、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明するものとする。クランクシャフト40の上端面側へ流入した冷凍機油1は、旋回スクロール50bの鏡板51内に形成された径方向流路59b内へと流れ、旋回スクロール50bのスラスト面55側に形成された2つの溝56に直接給油される。また、溝56に噴射された一部の冷凍機油1は、旋回スクロール50bとオルダムリング80のリング部83との摺動部をも潤滑することが可能になっている。
旋回スクロール50bを以上のような構成とすることによって、長期にわたる運転停止後において、高負荷条件でスクロール圧縮機200を起動させた直後であっても、各オルダムリング突起部へ十分な量の冷凍機油1を供給でき、摩擦係数を低減させて各オルダムリング突起部が旋回スクロール50bの溝56に凝着してしまうのを防止することができる。したがって、冷凍機油1を十分に供給することによって、オルダムリング80の疲労破壊の防止、及び、スクロール圧縮機200の入力の低減ができ、スクロール圧縮機200の信頼性が向上することになるのである。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4の特徴事項である旋回スクロール50cの詳細な構成について説明する。図8は、旋回スクロール50cの断面構成を示す断面図である。図8(a)が旋回スクロール50cの横断面図を、図8(b)が旋回スクロール50cの縦断面図をそれぞれ示している。なお、実施の形態4では実施の形態1〜実施の形態3との相違点を中心に説明し、実施の形態1〜実施の形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
この図8に示すように、旋回スクロール50cのスラスト面55には、2つの油供給孔58cが形成されている。この2つの油供給孔58cは、実施の形態3に係る溝56と位相が異なる位置に形成されている。また、旋回スクロール50cの鏡板51内部には、旋回スクロールボス部53の内周と油供給孔58とを連通させる径方向流路59cが形成されている。なお、径方向流路59cの鏡板51の外周端面部には、径方向流路59cを封鎖するための封止部材90cが設けられている。
2つの油供給孔58cは、旋回スクロール50cのスラスト面55に形成されている2つの溝56とを結ぶ直線と直交する直線上の位置に形成されている。つまり、径方向流路59cが、2つの溝56とを結ぶ直線と直交しているのである。したがって、旋回スクロールボス部53の内周と鏡板51のラップ部52側表面とを、径方向流路59cと油供給孔58cとを介して連通させ、冷凍機油1の流路を構成しているのである。
ここで、冷凍機油1の流れについて説明する。なお、実施の形態3との相違点を中心に説明するものとする。クランクシャフト40の上端面側へ流入した冷凍機油1は、旋回スクロール50cの鏡板51内に形成された径方向流路59c内へと流れ、旋回スクロール50cのスラスト面55側に形成された2つの油供給孔58cに直接給油される。また、油供給孔58cに噴射された一部の冷凍機油1は、旋回スクロール50cの旋回運動によって、旋回スクロール50cのスラスト面55の外周へも流れて、旋回スクロール50cとオルダムリング80のリング部83との摺動部をも潤滑することが可能になっている。
旋回スクロール50cを以上のような構成とすることによって、長期にわたる運転停止後において、高負荷条件でスクロール圧縮機200を起動させた直後であっても、各オルダムリング突起部へ十分な量の冷凍機油1を供給でき、摩擦係数を低減させて各オルダムリング突起部が旋回スクロール50bの溝56cに凝着してしまうのを防止することができる。したがって、冷凍機油1を十分に供給することによって、オルダムリングの疲労破壊の防止、及び、スクロール圧縮機200の入力の低減ができ、スクロール圧縮機200の信頼性が向上することになるのである。
実施の形態1〜実施の形態4では、径方向流路59〜径方向流路59cを鏡板51内に1本だけ形成した場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、径方向流路59〜径方向流路59cを2本以上形成してもよい。また、実施の形態1に係る旋回スクロール50の特徴事項と実施の形態2に係る旋回スクロール50aの特徴事項とを組み合わせて冷凍機油1の直接給油を行なうようにしてもよい。さらに、実施の形態3に係る旋回スクロール50bの特徴事項と実施の形態4に係る旋回スクロール50cの特徴事項とを組み合わせて冷凍機油1の直接給油を行なうようにしてもよい。なお、本発明の実施の形態に係るスクロール式流体機械としては、スクロール圧縮機だけでなく、ポンプ等の流体機械にも適用することができる。
実施の形態1に係るスクロール圧縮機の断面構成を示す縦断面図である。 スクロール圧縮機の要部を拡大した状態を示す拡大縦断面図である。 圧縮部を分解した状態を示す分解図である。 旋回スクロールの断面構成を示す断面図である。 旋回スクロールの断面構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機の断面構成を示す縦断面図である。 旋回スクロールの断面構成を示す断面図である。 旋回スクロールの断面構成を示す断面図である。
符号の説明
1 冷凍機油、10 密閉容器、11 油だめ、12 吸入側配管、13 吐出側配管、15 吐出空間、20 圧縮部、21 圧縮室、30 駆動部、31 ロータ、32 ステータ、40 クランクシャフト、41 偏心ピン部、42 油流路、44 分岐流路、45 分岐流路、50 旋回スクロール、50a 旋回スクロール、50b 旋回スクロール、50c 旋回スクロール、51 鏡板、52 ラップ部、53 旋回スクロールボス部、55 スラスト面、56 溝、56c 溝、57 旋回スクロール軸受部、58 油供給孔、58c 油供給孔、59 径方向流路、59a 径方向流路、59b 径方向流路、59c 径方向流路、60 固定スクロール、61 鏡板、62 ラップ部、63 吐出ポート、70 フレーム、71 排油穴、72 軸受部、74 下端面、75 スラスト軸受部材、80 オルダムリング、81 オルダムリング突起部、82 オルダムリング突起部、83 リング部、90 封止部材、90c 封止部材、100 スクロール圧縮機、200 スクロール圧縮機。

Claims (6)

  1. 鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設した固定スクロールと、
    鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設し、この渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻状突起と噛み合わされて密閉した圧縮室を形成する旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間に配設されて前記旋回スクロールの自転運動を阻止するためのオルダムリングと、
    冷凍機油が貯留された油だめに連通した油流路が内部に形成され、前記旋回スクロールの鏡板の他方の面を支持するクランクシャフトとを備え、
    前記旋回スクロールの他方の面には、前記クランクシャフトの上端部を嵌合する旋回スクロールボス部を設け、
    前記旋回スクロールの一方の面には、前記渦巻状突起よりも外周側に油供給孔を設け、
    前記旋回スクロールの内部には、前記旋回スクロールボス部と前記油供給孔とを連通して前記油流路からの冷凍機油が流れる径方向流路を設けた
    ことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記径方向流路が前記旋回スクロールの外周端面に貫通形成されており、
    前記径方向流路の端部に封止部材を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記オルダムリングには、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールと係合するためのオルダムリング突起部を設け、
    前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの渦巻状突起が形成された面には、前記オルダムリング突起部を収容するための溝を設け、
    前記油供給孔を前記固定スクロールに形成した前記溝と対向する位置に設けた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設した固定スクロールと、
    鏡板の一方の面に渦巻状突起を立設し、この渦巻状突起が前記固定スクロールの前記渦巻状突起と噛み合わされて密閉した圧縮室を形成する旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間に配設されて前記旋回スクロールの自転運動を阻止するためのオルダムリング突起部が形成されたオルダムリングと、
    冷凍機油が貯留された油だめに連通した油流路が内部に形成され、前記旋回スクロールの鏡板の他方の面を支持するクランクシャフトとを備え、
    前記旋回スクロールの他方の面には、前記クランクシャフトの上端部を嵌合する旋回スクロールボス部を設け、
    前記旋回スクロールの一方の面には、前記オルダムリング突起部を収容するための溝を設け、
    前記旋回スクロールの内部には、前記旋回スクロールボス部と前記旋回スクロールに形成した前記溝とを連通して前記油流路からの冷凍機油が流れる径方向流路を設けた
    ことを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. 前記オルダムリングの前記固定スクロール側には2つのオルダムリング突起部を前記オルダムリングの直径を形成する直線上に設け、
    前記オルダムリングの前記旋回スクロール側には2つのオルダムリング突起部を前記オルダムリングの直径を形成する直線上に設け、
    各オルダムリング突起部を90度の位相差となるように配置した
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 作動冷媒として二酸化炭素を用いた
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスクロール式流体機械。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102062097A (zh) * 2011-01-26 2011-05-18 西安交通大学 一种用于涡旋压缩机的防自转机构
CN102062098A (zh) * 2011-01-26 2011-05-18 西安交通大学 一种用于涡旋压缩机的平面十字滑环
CN102094826A (zh) * 2011-01-26 2011-06-15 西安交通大学 一种涡旋压缩机的平面十字联轴节
JP2012047082A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Hitachi Appliances Inc スクロール圧縮機

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