JP2019015926A - 偏光フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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亘 大橋
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Abstract

【課題】高温下での収縮力及び収縮率が小さく、光学性能に優れた偏光フィルムを提供すること。【解決手段】ポリビニルアルコール(A)と、下記式(I)で表されるジボロン酸及び水の存在下で該ジボロン酸に転化し得る化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のホウ素含有化合物(B)とを含む偏光フィルムであって、該偏光フィルム中のホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、3質量部を超え8質量部以下である偏光フィルム。[式(1)中、R1は炭素数が1〜20の2価の有機基であり、R1と2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっている。]【選択図】図1

Description

本発明は、高温下での収縮力及び収縮率が小さく、光学性能に優れた偏光フィルム及びその製造方法に関する。
光の透過及び遮蔽機能を有する偏光板は、光の偏光状態を変化させる液晶と共に液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。多くの偏光板は偏光フィルムの退色を防止したり、偏光フィルムの収縮を防いだりするため、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護膜が貼り合わされた構造を有しており、偏光板を構成する偏光フィルムとしてはポリビニルアルコールフィルム(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と称することがある)を一軸延伸してなるマトリックスにヨウ素系色素(I やI 等)が吸着しているものが主流となっている。
LCDは、電卓及び腕時計などの小型機器、スマートフォン、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、屋内外で用いられる計測機器などの広範囲で用いられており、近年、これらの機器は薄型・軽量化が要求されている。これに伴い、LCDに用いられるガラスの大型化や薄型化が進行しており、近年、LCDパネルの反りの発生が問題となっている。LCDパネルの反りの主な要因は高温下で発生する偏光フィルムの収縮であると言われており、高温下での収縮力及び収縮率が小さいヨウ素系偏光フィルムが求められている。
特許文献1には、PVAフィルムのホウ素含有量を少なくするとともに、ホウ酸処理工程と水洗工程との間でPVAフィルムを乾燥する工程を設けることによって、高温下での収縮力が小さく色調が良好な偏光フィルムが得られることが記載されている。しかしながら、偏光フィルム中のホウ酸量を少なくしても、光学性能を維持しながら収縮力及び収縮率を十分に低下させることは困難であった。
特許文献2には、ホウ酸を含む水溶液と多価カルボン酸を含む水溶液の両方にPVAフィルムを浸漬することによって、高温下での寸法安定性に優れた偏光フィルムが得られることが記載されている。しかしながら、この方法によって偏光フィルムを製造した場合、偏光フィルムに着色が発生する、偏光フィルムの色相が悪化するなどの問題が避けられなかった。
特開2013−148806号公報 特開2011−257756号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高温下での収縮力及び収縮率が小さく、光学性能に優れた偏光フィルムを提供することを目的とするものである。
上記課題は、ポリビニルアルコール(A)と、下記式(I)で表されるジボロン酸及び水の存在下で該ジボロン酸に転化し得る化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のホウ素含有化合物(B)とを含む偏光フィルムであって、該偏光フィルム中のホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、3質量部を超え8質量部以下である偏光フィルムを提供することによって解決される。
Figure 2019015926
[式(I)中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機基であり、Rと2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっている。]
このときRが、炭化水素基であることが好ましく、炭素数2〜4の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
また上記課題は、ポリビニルアルコールフィルムを二色性色素で染色する染色処理、及び該フィルムを一軸延伸する延伸処理を含む偏光フィルムの製造方法において、該フィルムをホウ素含有化合物(B)の水溶液に浸漬する処理を有することを特徴とする、上記偏光フィルムの製造方法を提供することによっても解決される。
本発明の偏光フィルムは、高温下での収縮力及び収縮率が小さく、光学性能に優れている。したがって、本発明の偏光フィルムを用いたLCDパネルは、高温下での使用時にも、高画質を維持しながらパネルの反りを効果的に抑制することができる。また、本発明の製造方法によれば、そのような偏光フィルムを製造することができる。
実施例3で得られた偏光フィルムのH−NMRチャート
本発明の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール(A)と、下記式(I)で表されるジボロン酸及び水の存在下で該ジボロン酸に転化し得る化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のホウ素含有化合物(B)とを含む偏光フィルムであって、該偏光フィルム中のホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、3質量部を超え8質量部以下である偏光フィルムである。ポリビニルアルコールをホウ素含有化合物(B)で架橋することによって、光学性能を維持しながら高温下での収縮力及び収縮率を低減することができる。ここで、式(I)中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機基であり、Rと2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっている。
Figure 2019015926
ジボロン酸は、上記式(I)で表される化合物であり、1分子中にボロン酸基[−B(OH)]を2個有する。当該ボロン酸基は、2つの水酸基が結合したホウ素原子が、炭素原子に結合した構造を有していて、式(I)で表される化合物においては、Rと2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっている。ホウ酸[B(OH)]においてはホウ素原子が3つの水酸基と結合しているのに対し、ボロン酸基はホウ素−炭素結合を有する点で相違する。そして、ボロン酸基の水酸基はホウ酸の水酸基と異なり熱で脱水しないため、熱に対して安定である。水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基としては、以下に説明するボロン酸エステル基が代表的なものとして挙げられるが、これに限定されるものではない。
ジボロン酸に含まれるボロン酸基中の水酸基は、ホウ酸中の水酸基と同様に、アルコールとエステルを形成することができる。下記構造式(II)が、ジボロン酸に対して1分子のアルコール(R−OH)が反応したジボロン酸モノエステルである。ここで、ボロン酸基がPVAの水酸基と結合する場合には、構造式(II)中のRはPVA鎖であり、PVA鎖にホウ素原子を介して炭素含有基が結合することになる。
Figure 2019015926
下記構造式(III)が、ジボロン酸に対して2分子のアルコール(R−OH)が反応したジボロン酸ジエステルの例である。ここで、ボロン酸基がPVAの水酸基と結合する場合には、構造式(III)中の2つのRはいずれもPVA鎖である。
Figure 2019015926
ジボロン酸はPVAの水酸基と反応してエステルを形成することが可能な水酸基を4つ有しており、PVA鎖がより効果的に架橋されることになる。その結果、偏光フィルムの高温下における寸法安定性が効果的に向上し、偏光フィルムの高温下での収縮力及び収縮率が効果的に小さくなる。これにより、偏光フィルムを用いたLCDパネルの高温下での反りを効果的に抑制できる。
上記式(I)中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機基である。Rが適当な長さであることによって効率的にPVA鎖を架橋させることができる。Rの炭素数は、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。また、Rの炭素数は2以上であることが好ましい。Rは、2価の有機基であって、Rと2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっていればよい。Rは、炭化水素基であってもよいし、酸素、窒素、硫黄、ハロゲンなどのヘテロ原子を含んでいても構わない。入手のしやすさなどを考慮すれば、Rが炭化水素基であることが好ましい。このとき、Rは、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよいが、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。脂肪族炭化水素基としては、分岐を有さない直鎖脂肪族炭化水素基であることが好ましい。これにより、偏光フィルムへの吸着性が良好となって、収縮力及び収縮率を小さくする効果が高くなる。また、耐久性の観点から飽和脂肪族炭化水素基であることも好ましい。具体的なジボロン酸としては、1,2−エタンジボロン酸、1,3−プロパンジボロン酸、1,4−ブタンジボロン酸が、特に好ましいものとして挙げられる。
本発明の偏光フィルム中のホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量は、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、3質量部を超え8質量部以下である。ホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が3質量部以下の場合、PVAの架橋量が少なく、高温下で収縮力及び収縮率を小さくする効果が不十分である。一方、ホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が8質量部を超えると、フィルムが硬くなりすぎて取り扱い性が低下する上に、長い処理時間が必要になるなど生産性が低下するおそれもある。ホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量は、7.5質量部以下であることがより好ましく、7質量部以下であることがさらに好ましい。ホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量は、1H−NMR測定により得ることができる。
本発明の偏光フィルムが、ホウ素含有化合物(B)以外の他のホウ素含有化合物に由来するホウ素元素を含有してもよい。当該他のホウ素含有化合物は、ビニルアルコールの水酸基と反応し得るものであればよく、特に限定されない。ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル、モノボロン酸、モノボロン酸エステル、トリボロン酸、トリボロン酸エステルなどが例示される。これらの中でも、ホウ酸を用いた時には、偏光フィルムを製造する際に延伸性が向上して好ましい場合がある。このとき、偏光フィルム中のホウ酸由来のホウ素元素含有量が0.2質量%以上であることが好ましい。一方、ホウ酸由来のホウ素元素含有量が多すぎる場合には、ホウ素含有化合物(B)をフィルム中に含ませることのできる量が少なくなり、結果として収縮力又は収縮率が大きくなりやすく、当該含有量は、好適には5質量%以下であり、より好適には4質量%以下である。このとき、偏光フィルム中のホウ素元素含有量を測定する際には、偏光フィルム中の水分量を一定にするために、23℃/50%RHで16時間調湿した偏光フィルムを測定する。
また、偏光フィルム中の全ホウ素元素含有量が8質量%以下であることが好ましい。ここで、全ホウ素元素含有量とは、ホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量と他のホウ素含有化合物由来のホウ素元素含有量を含む全てのホウ素元素の含有量を合計した量である。偏光フィルム中の全ホウ素元素含有量は、ICP発光分析などにより求めることができる。このとき、偏光フィルム中の水分量を一定にするために、23℃/50%RHで16時間調湿した偏光フィルムを測定する。
本発明の偏光フィルムに含まれるPVAの重合度は、1,500〜6,000の範囲内であることが好ましく、1,800〜5,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜4,000の範囲内であることがさらに好ましい。当該重合度が1,500以上であることにより、フィルムを一軸延伸して得られる偏光フィルムの耐久性を向上させることができる。一方、当該重合度が6,000以下であることにより、製造コストの上昇や、製膜時における工程通過性の不良などを抑制することができる。なお、本明細書におけるPVAの重合度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
本発明の偏光フィルムに含まれるPVAのけん化度は、フィルムを一軸延伸して得られる偏光フィルムの耐水性の点から、95モル%以上であることが好ましく、96モル%以上であることがより好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。なお、本明細書におけるPVAのけん化度とは、PVAが有する、けん化によってビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して、当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。当該けん化度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。
本発明で用いられるPVAの製造方法は特に限定されない。例えば、ビニルエステル単量体を重合して得られた、ポリビニルエステルのビニルエステル単位をビニルアルコール単位に変換する方法が挙げられる。PVAの製造に用いられるビニルエステル単量体は特に限定されないが、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。経済的観点からは酢酸ビニルが好ましい。
また、本発明で用いられるPVAは、ビニルエステル単量体とそれと共重合可能な他の単量体とを共重合して得られるビニルエステル共重合体のビニルエステル単位をビニルアルコール単位に変換したものであってもよい。ビニルエステル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィン;(メタ)アクリル酸またはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;不飽和スルホン酸などを挙げることができる。上記のビニルエステル共重合体は、前記した他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。当該他の単量体は、ビニルエステル単量体を重合反応に供する際にこれを反応容器内に予め存在させておいたり、あるいは、重合反応の進行中に反応容器内にこれを添加したりするなどして使用することができる。偏光性能の観点からは、他の単量体に由来する単位の含有量は、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、2モル%以下であることがさらに好ましい。
上記のビニルエステル単量体と共重合可能な単量体のうち、延伸性が向上すると共により高い温度で延伸することができ、偏光フィルム製造時に延伸切れ等のトラブルの発生が低減されて偏光フィルムの生産性がより一層向上することから、エチレンが好ましい。PVAがエチレン単位を含む場合、エチレン単位の含有率は、上記のような延伸性や延伸可能温度などの観点から、PVAを構成する全構造単位のモル数に対して、1〜10モル%が好ましく、2〜6モル%がより好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムには、上記のPVAの他に可塑剤を含むことができる。好ましい可塑剤としては多価アルコールが挙げられ、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。さらに、これらの可塑剤の1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、延伸性の向上効果の点からグリセリンが好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムにおける可塑剤の含有量は、PVA100質量部に対して、1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、3〜17質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜15質量部の範囲内であることがさらに好ましい。当該含有量が1質量部以上であることによりフィルムの延伸性がより向上する。一方、当該含有量が20質量部以下であることにより、フィルムが柔軟になり過ぎて取り扱い性が低下するのを抑制することができる。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムには、さらに、充填剤、銅化合物などの加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、架橋剤、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤などの添加剤を、必要に応じて適宜配合できる。これらの添加剤の含有量は、通常10質量%以下であり、好適には5質量%以下である。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの膨潤度は、160〜240%の範囲内であることが好ましく、170〜230%の範囲内であることがより好ましく、180〜220%の範囲内であることが特に好ましい。膨潤度が160%以上であることにより極度に結晶化が進行するのを抑制することができて、安定して高倍率まで延伸することができる。一方、膨潤度が240%以下であることにより、延伸時の溶解が抑制され、より高温の条件下でも延伸することが可能となる。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの厚みは特に制限されないが、一般的には1〜100μm、さらには5〜60μm、特に10〜45μm程度であることが好ましい。当該厚みが薄すぎると、偏光フィルムを製造するための一軸延伸処理時に、延伸切れが発生しやすくなる傾向がある。また、当該厚みが厚すぎると、偏光フィルムを製造するための一軸延伸処理時に延伸斑が発生しやすくなる。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの幅は特に制限されず、製造される偏光フィルムの用途などに応じて決めることができる。近年、液晶テレビや液晶モニターの大画面化が進行している点から偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの幅を3m以上にすると、これらの用途に好適である。一方、偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの幅があまりに大きすぎると実用化されている装置で偏光フィルムを製造する場合に一軸延伸を均一に行うことが困難になりやすいので、偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの幅は10m以下であることが好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの製造方法は特に限定されず、製膜後のフィルムの厚み及び幅がより均一になる製造方法を好ましく採用することができ、例えば、上記したPVA、及び必要に応じてさらに、上記した可塑剤、添加剤、及び後述する界面活性剤などのうちの1種または2種以上が液体媒体中に溶解した製膜原液や、PVA、及び必要に応じてさらに、可塑剤、添加剤、界面活性剤、及び液体媒体などのうちの1種または2種以上を含み、PVAが溶融している製膜原液を用いて製造することができる。当該製膜原液が可塑剤、添加剤、及び界面活性剤の少なくとも1種を含有する場合には、それらの成分が均一に混合されていることが好ましい。
製膜原液の調製に使用される上記液体媒体としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、環境に与える負荷や回収性の点から水が好ましい。
製膜原液の揮発分率(製膜時に揮発や蒸発によって除去される液体媒体などの揮発性成分の製膜原液中における含有割合)は、製膜方法、製膜条件などによっても異なるが、一般的には、50〜95質量%の範囲内であることが好ましく、55〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。製膜原液の揮発分率が50質量%以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなり過ぎず、製膜原液調製時の濾過や脱泡が円滑に行われ、異物や欠点の少ないフィルムの製造が容易になる。一方、製膜原液の揮発分率が95質量%以下であることにより、製膜原液の濃度が低くなり過ぎず、工業的なフィルムの製造が容易になる。
製膜原液は界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含むことにより、製膜性が向上してフィルムの厚み斑の発生が抑制されると共に、製膜に使用する金属ロールやベルトからのフィルムの剥離が容易になる。界面活性剤を含む製膜原液からPVAフィルムを製造した場合には、当該フィルム中には界面活性剤が含有され得る。上記の界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトからの剥離性の観点などから、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが好適である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好適である。
これらの界面活性剤は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
製膜原液が界面活性剤を含む場合、その含有量は、製膜原液に含まれるPVA100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.3質量部の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.2質量部の範囲内であることが特に好ましい。当該含有量が0.01質量部以上であることにより製膜性及び剥離性がより向上する。一方、当該含有量が0.5質量部以下であることにより、界面活性剤がPVAフィルムの表面にブリードアウトしてブロッキングが生じ、取り扱い性が低下することを抑制することができる。
上記した製膜原液を用いてPVAフィルムを製膜する際の製膜方法としては、例えば、キャスト製膜法、押出製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法などが挙げられる。これらの製膜方法は1種のみを採用しても2種以上を組み合わせて採用してもよい。これらの製膜方法の中でもキャスト製膜法、押出製膜法が、厚み及び幅が均一で物性の良好な偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムが得られることから好ましい。製膜されたPVAフィルムには必要に応じて乾燥や熱処理を行うことができる。
本発明の偏光フィルムの製造に用いるPVAフィルムの具体的な製造方法の例としては、例えば、T型スリットダイ、ホッパープレート、I−ダイ、リップコーターダイ等を用いて、上記の製膜原液を最上流側に位置する回転する加熱した第1ロール(あるいはベルト)の周面上に均一に吐出または流延し、この第1ロール(あるいはベルト)の周面上に吐出または流延された膜の一方の面から揮発性成分を蒸発させて乾燥し、続いてその下流側に配置した1個または複数個の回転する加熱したロールの周面上でさらに乾燥するか、または熱風乾燥装置の中を通過させてさらに乾燥した後、巻き取り装置により巻き取る方法を工業的に好ましく採用することができる。加熱したロールによる乾燥と熱風乾燥装置による乾燥とは、適宜組み合わせて実施してもよい。
本発明の偏光フィルムを製造する際の方法は特に制限されない。好適な製造方法は、PVAフィルムを二色性色素で染色する染色処理、及び該フィルムを一軸延伸する延伸処理を含む偏光フィルムの製造方法において、該フィルムをホウ素含有化合物(B)の水溶液に浸漬する処理を有する偏光フィルムの製造方法である。PVAフィルムに対して、染色処理、一軸延伸処理、及び必要に応じてさらに、膨潤処理、ホウ酸架橋処理、固定処理、洗浄処理、乾燥処理、熱処理などを施す方法が挙げられる。この場合、膨潤処理、染色処理、ホウ酸架橋処理、一軸延伸処理、固定処理などの各処理の順序は特に制限されず、1つまたは2つ以上の処理を同時に行うこともできる。また、各処理の1つまたは2つ以上を2回またはそれ以上行うこともできる。
膨潤処理は、PVAフィルムを水に浸漬することにより行うことができる。フィルムを浸漬する水の温度としては、20〜40℃の範囲内であることが好ましく、22〜38℃の範囲内であることがより好ましく、25〜35℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、水に浸漬する時間としては、例えば、0.1〜5分間の範囲内であることが好ましく、0.2〜3分間の範囲内であることがより好ましい。なお、フィルムを浸漬する水は純水に限定されず、各種成分が溶解した水溶液であってもよいし、水と親水性媒体との混合物であってもよい。
染色処理は、PVAフィルムに対して二色性色素を接触させることにより行うことができる。二色性色素としてはヨウ素系色素を用いるのが一般的である。染色処理の時期としては、一軸延伸処理前、一軸延伸処理時、一軸延伸処理後のいずれの段階であってもよい。染色処理はPVAフィルムを染色浴としてヨウ素−ヨウ化カリウムを含有する溶液(特に水溶液)中に浸漬させることによって行うのが一般的である。染色浴におけるヨウ素の濃度は0.01〜0.5質量%の範囲内であることが好ましく、ヨウ化カリウムの濃度は0.01〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、染色浴の温度は20〜50℃、特に25〜40℃とすることが好ましい。好適な染色時間は0.2〜5分である。
PVAフィルムに対してホウ酸架橋処理を施すこともできる。この場合、高温で湿式延伸する際にPVAが水へ溶出するのをより効果的に防止することができる。この観点からホウ酸架橋処理は一軸延伸処理の前に行うことが好ましい。ホウ酸架橋処理は、ホウ酸架橋剤を含む水溶液にPVAフィルムを浸漬することにより行うことができる。当該ホウ酸架橋剤としては、ホウ酸、ホウ砂等のホウ酸塩などのホウ素含有無機化合物の1種または2種以上を使用することができる。ホウ酸架橋剤を含む水溶液におけるホウ酸架橋剤の濃度は0.1〜6質量%の範囲内であることが好ましい。ホウ酸架橋剤の濃度は0.2質量%以上であることがより好ましい。また、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。ホウ酸架橋剤の濃度が上記範囲内にあることで延伸性を改善できる場合がある。ホウ酸架橋剤の濃度が高すぎる場合には、後の工程でホウ素含有化合物(B)を含有させることが困難になることがあるので、当該濃度は高すぎない方がよい。ホウ酸架橋剤を含む水溶液はヨウ化カリウム等の助剤を含有してもよい。ホウ酸架橋剤を含む水溶液の温度は、20〜50℃の範囲内、特に25〜40℃の範囲内とすることが好ましい。
一軸延伸処理は、湿式延伸法または乾式延伸法のいずれで行ってもよい。湿式延伸法の場合には、水溶液中で延伸する。上記した染色浴中やホウ酸水溶液中などで延伸することもできる。また乾式延伸法の場合は、室温のまま一軸延伸処理を行ってもよいし、加熱しながら一軸延伸処理を行ってもよいし、吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で一軸延伸処理を行うこともできる。これらの中でも、湿式延伸法が好ましく、染色浴中で一軸延伸処理を行うことがより好ましい。一軸延伸処理における延伸温度は、30〜90℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましく、40〜70℃の範囲内であることが特に好ましい。また、一軸延伸処理における延伸倍率(原料のPVAフィルムからの全延伸倍率)は、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から5倍以上であることが好ましく、5.5倍以上であることがより好ましい。延伸倍率の上限は特に制限されないが、延伸倍率は8倍以下であることが好ましい。
長尺のPVAフィルムに一軸延伸処理を行う場合における一軸延伸処理の方向に特に制限はなく、長尺方向への一軸延伸処理や横一軸延伸処理や、いわゆる斜め延伸処理を採用することができるが、偏光性能に優れる偏光フィルムが得られることから長尺方向への一軸延伸処理が好ましい。長尺方向への一軸延伸処理は、互いに平行な複数のロールを備える延伸装置を使用して、各ロール間の周速を変えることにより行うことができる。一方、横一軸延伸処理はテンター型延伸機を用いて行うことができる。
偏光フィルムの製造にあたっては、PVAフィルムへの二色性色素(ヨウ素系色素等)の吸着を強固にするために一軸延伸処理の後に固定処理を行うことが好ましい。固定処理に使用する固定処理浴としては、好適にはホウ素含有化合物(B)を含む水溶液を使用することができる。また、必要に応じて、固定処理浴中にホウ酸、ヨウ素化合物、金属化合物などを添加してもよい。固定処理浴の温度は、10〜80℃であることが好ましい。
ホウ素含有化合物(B)は、染色処理、ホウ酸架橋処理、一軸延伸処理、固定処理のいずれの工程で偏光フィルムに吸着させてもよいが、一軸延伸処理後の固定処理時に吸着させることが一軸延伸処理時の切断に影響を与えない点から特に好ましい。また、ホウ素含有化合物(B)は一種類だけでなく、二種類以上を混合して用いても良い。ホウ素含有化合物(B)の水溶液濃度は、0.05〜15質量%が好ましい。水溶液中のホウ素含有化合物(B)の濃度が0.05質量%よりも低い場合は吸着が遅くなることがあり、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。一方、水溶液中のホウ素含有化合物(B)の濃度が15質量%よりも高い場合は偏光フィルム表面にジボロン酸の析出物が生じることがあり、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。また、ホウ素含有化合物(B)を含む水溶液は偏光性能向上の点からヨウ化カリウム等の助剤を含有することが好ましい。また、当該水溶液の温度は10〜80℃であることが好ましい。温度が低すぎると処理浴中でジボロン酸が析出することがある。水溶液の温度は、より好適には15℃以上であり、さらに好適には20℃以上である。一方、温度が高すぎると比較的温和な条件で工業的に容易に製造することが困難となる。水溶液の温度は、より好適には70℃以下であり、さらに好適には60℃以下である。
固定処理時にホウ素含有化合物(B)を偏光フィルムに吸着させる場合の好適な製造方法は、膨潤処理、一軸延伸処理、固定処理をこの順番に施すもの、膨潤処理、ホウ酸架橋処理、一軸延伸処理、固定処理をこの順番に施すもの、もしくは膨潤処理、一軸延伸処理、固定処理、ホウ酸架橋処理をこの順に施すものである。この後、さらに必要に応じて洗浄処理、乾燥処理及び熱処理から選択される1つ以上の処理を施してもよい。
洗浄処理は、蒸留水、純水、水溶液等にフィルムを浸漬して行われることが一般的である。このとき、偏光性能向上の点からヨウ化カリウム等のヨウ化物を助剤として含有する水溶液を用いることが好ましく、当該ヨウ化物の濃度は0.5〜10質量%とすることが好ましい。また、洗浄処理における水溶液の温度は一般的に5〜50℃であり、10〜45℃が好ましく、15〜40℃がさらに好ましい。経済的な観点から水溶液の温度が低すぎることは好ましくなく、水溶液の温度が高すぎると偏光性能が低下することがある。
乾燥処理の条件は特に制限されないが、30〜150℃の範囲内、特に50〜130℃の範囲内の温度で乾燥を行うことが好ましい。30〜150℃の範囲内の温度で乾燥することで寸法安定性に優れる偏光フィルムが得られやすい。
乾燥処理の後に熱処理を行うことで、さらに寸法安定性に優れた偏光フィルムを得ることができる。ここで熱処理とは、乾燥処理後の水分率が5%以下の偏光フィルムをさらに加熱し、偏光フィルムの寸法安定性を向上させる処理のことである。熱処理の条件は特に制限されないが、60℃〜150℃の範囲内、特に70℃〜150℃の範囲内で熱処理することが好ましい。60℃よりも低温で熱処理を行うと熱処理による寸法安定化効果が不十分であり、150℃よりも高温で熱処理を行うと、偏光フィルムに赤変が激しく生じることがある。
以上のようにして得られた偏光フィルムは、通常、その両面または片面に、光学的に透明で且つ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせて偏光板にして使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系接着剤やUV硬化接着剤などを挙げることができる。
上記のようにして得られた偏光板を、位相差フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルム等と貼り合わせてもよい。また、偏光板にアクリル系等の粘着剤をコートした後、ガラス基板と貼り合わせてLCDの部品として使用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において採用された測定及び評価の方法を以下に示す。
[PVA(A)100質量部に対するホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量の測定]
23℃/50%RHで16時間調湿した偏光フィルムを重水で0.003質量%になるように溶解した後、0.15質量%になるように、ロータリーエバポレーターで濃縮した溶液を1H−NMRの測定サンプルとした。H−NMR(日本電子株式会社製JNM−AL400:400MHz)測定は80℃で行い、ALICE2(日本電子株式会社製)を用いて以下の方法で解析した。測定して得られたH−NMRチャートについて、ベースラインが滑らかになるように位相を調整した後、アベレージポイントを20に設定して自動でベースラインの補正を行った。次に、測定溶媒である重水のピークが4.65ppmの位置になるように、リファレンスとして自動で設定した。その後、図1のようにホウ素含有化合物(B)に含まれる炭化水素基の水素ピークを積分して、そのピーク面積(面積A)を求めた。このとき、PVA由来の水素ピークと重なっていないボロン酸に含まれる炭化水素基の水素ピーク面積を足し合わせたもの(面積B)をピーク面積の基準にし、ホウ素含有化合物(B)の該当する炭化水素基の水素数と面積Bの値が同じになるように設定した。次に1.7ppm〜2.4ppmの範囲の水素ピークを、PVAのメチレン基由来の水素ピークと、PVAのメチレン基由来の水素ピークと重なっているボロン酸に含まれる炭化水素基の水素ピークの合計と見なしてピーク面積(面積C)を求めた。その後、PVA由来のメチレン基の水素ピークと重なっているホウ素含有化合物(B)の炭化水素基の水素数を面積Cから差し引いた面積Dを算出した。これらの方法で求めた値を下記式(1)に代入してポリビニルアルコール100質量部に対するホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量を算出した。なお、下記式(1)のX、YはそれぞれPVAのピークと重なっていないホウ素含有化合物(B)に含まれる炭化水素基の水素数と、ホウ素含有化合物(B)の1分子当たりのホウ素数である。なお、式(1)は、変性されていないPVAを用いた時に用いられる式であり、変性されたPVAを原料として用いるときには、式(1)を適宜変形する必要がある。
PVA100質量部に対するホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量(質量部) = {(面積B/X)/(面積D/2)}×{(10.811×Y)/44.0526}×100 (1)
10.811はホウ素の原子量、44.0526は変性のないPVAの繰り返し単位1モルあたりの分子量である。なお、図1のH−NMRチャートは実施例3の偏光フィルムを測定したものである。
[偏光フィルム中の全ホウ素元素含有量の算出]
23℃/50%RHで16時間調湿した偏光フィルムの質量(E(g))を測定し、偏光フィルムが0.005質量%になるように蒸留水20mLに溶解した。偏光フィルムを溶解した水溶液を測定サンプルとし、その質量(F(g))を測定した。その後、島津製作所製マルチ形ICP発光分析装置(ICP)を用いて測定サンプルのホウ素濃度(G(ppm))を測定した。その後、下記式(2)に値を代入して算出した値を偏光フィルム中のホウ素の質量%とした。
偏光フィルム中の全ホウ素元素含有量(質量%)
=[(G×10−6×F)/E]×100 (2)
[650nmにおける二色性比(DC)]
偏光フィルムの各波長における二色性比は、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて測定した。得られた偏光フィルムの中央部から、偏光フィルムの延伸方向に4cm、幅方向に2cmのサンプルを1枚採取し、波長380nm〜780nmの範囲においてMD透過率とTD透過率を求め、下記式(3)に基づいて各波長における二色性比を算出した。ここで、「MD透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光板サンプルの透過軸を平行にしたときの透過率を示す。また、「TD透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光板サンプルの透過軸を直交にしたときの透過率を示す。ヨウ素錯体のピーク吸収波長である650nmの二色性比を光学性能の指標として得た。
DC={log10(TD透過率/100)}/{log10(MD透過率/100)} (3)
[偏光フィルムの収縮力]
収縮力は島津製作所製の恒温槽付きオートグラフ「AG−X」とビデオ式伸び計「TR ViewX120S」を用いて測定した。測定には20℃/20%RHで18時間調湿した偏光フィルムを使用した。オートグラフ「AG−X」の恒温槽を20℃にした後、偏光フィルム(長さ方向15cm、幅方向1.5cm)をチャック(チャック間隔5cm)に取り付け、引張り開始と同時に、80℃へ恒温槽の昇温を開始した。偏光フィルムを1mm/minの速さで引張り、張力が2Nに到達した時点で引張りを停止し、その状態で4時間後までの張力を測定した。このとき、熱膨張によってチャック間の距離が変わるため、チャックに標線シールを貼り、ビデオ式伸び計「TR ViewX120S」を用いてチャックに貼り付けた標線シールが動いた分だけチャック間の距離を修正できるようにして測定を行った。なお、測定初期(測定開始10分以内)に張力の極小値が生じるため、4時間後の張力の測定値から張力の極小値を差し引き、その差を偏光フィルムの収縮力とした。
[偏光フィルムの収縮率]
収縮率はTA Instruments製 熱機械測定装置(Q400)を用いて測定した。測定には20℃、20%RHで18時間調湿した偏光フィルムを使用した。偏光フィルムを長さ方向3cm、幅方向0.3cmに裁断した測定サンプルを、チャック間が約2cmとなるように装置に取り付けた。装置内を20℃から80℃まで10℃/minで昇温させた後、80℃で4時間保持することにより偏光フィルムの加熱を行い、収縮率を下記式(4)により算出した。なお、サンプル取り付けてから測定終了までの間0.098(N)の一定荷重を印加した。
収縮率(%)=100×(x−y)/x (4)
x:加熱前のチャック間距離(cm)
y:加熱後のチャック間距離(cm)
[PVAフィルムの膨潤度]
PVAフィルムを5cm×10cmにカットし、30℃の蒸留水1000mLに30分間浸漬した。その後、PVAフィルムを取り出し、ろ紙でPVAフィルム表面の水分をふき取り、浸漬後のPVAフィルム質量(質量H)を測定した。その後、105℃の乾燥機にPVAフィルムを入れ、16時間乾燥させた後、乾燥後のPVAフィルム質量(質量I)を測定した。PVAフィルムの膨潤度は下記式(5)に質量Hと質量Iの値を代入して算出した。
膨潤度(%)=(質量H/質量I) ×100 (5)
[実施例1]
PVA(けん化度99.9モル%、重合度2400)100質量部、可塑剤としてグリセリン10質量部、及び界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.1質量部を含み、PVAの含有率が10質量%である水溶液を製膜原液として用いて、これを80℃の金属ロール上で乾燥し、得られたフィルムを熱風乾燥機中で120℃の温度で10分間熱処理をすることにより膨潤度を200%に調整して、厚みが30μmのPVAフィルムを製造した。
こうして得られたPVAフィルムの幅方向中央部から、幅5cm×長さ5cmの範囲が一軸延伸できるように幅5cm×長さ9cmのサンプルをカットした。このサンプルを30℃の純水に30秒間浸漬しつつ1.1倍に長さ方向に一軸延伸して、膨潤処理した。続いてヨウ素とヨウ化カリウムを質量比1:10で含有する水溶液(ヨウ素0.035質量%及びヨウ化カリウム0.35質量%を含有する水溶液)からなる染色処理浴(温度50℃)に190秒間浸漬しつつ5.5倍(全体で6倍)に長さ方向に一軸延伸してヨウ素を吸着させた。その後、1,2−エタンジボロン酸を0.5質量%の割合で含有する水溶液(固定処理浴)(温度30℃)に300秒間浸漬した。最後に60℃で4分間乾燥して偏光フィルムを製造した。乾燥後の偏光フィルムにおける650nmでのlog10(TD透過率/100)は3.9であった。
得られた偏光フィルムのH−NMRを測定して、解析したところ、1.1〜1.3ppmにPVA由来の水素ピークと重ならない1,2−エタンジボロン酸の水素ピークが現れたため、このピーク面積(面積B)を4と設定した。次に1.7〜2.4ppmの範囲にピークが現れるPVAのメチレン基の水素のピーク面積(面積C)を算出した。PVAのメチレン基の水素ピークと1,2−エタンジボロン酸の水素ピークが重ならなかったため面積C=面積Dとして、これらの値を前記式(1)に代入したところ、ポリビニルアルコール100質量部に対するジボロン酸由来のホウ素元素含有量は4質量部であった。
さらに同様の作製方法で製造した偏光フィルムの光学特性、収縮力及び収縮率を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
[実施例2]
固定処理浴に浸漬する時間を300秒から600秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
固定処理浴に1,4−ブタンジボロン酸を0.5質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
固定処理浴に浸漬する時間を300秒から600秒に変更したこと以外は、実施例3と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
固定処理浴に1.4−ブタンジボロン酸を0.1質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
固定処理浴にホウ酸を4質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
固定処理浴にホウ酸を1.0質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]
固定処理浴にホウ酸を0.5質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例5]
固定処理浴にn−ブチルボロン酸を1.0質量%の割合で含有する水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。なお、n−ブチルボロン酸由来のホウ素元素含有量は、「PVA(A)100質量部に対するホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量の測定」と同様の方法で算出した。
[比較例6]
固定処理浴に1,2−エタンジボロン酸を含有しない水溶液(温度30℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製して、各測定及び各評価を行った。結果を表1に示した。
なお、実施例2〜4及び比較例1〜6では、ヨウ素とヨウ化カリウムを質量比1:10で含有する水溶液(染色処理浴)(温度50℃)に190秒間浸漬しつつ5.5倍(全体で6倍)に長さ方向に一軸延伸してヨウ素を吸着させた。このとき、染色処理浴のヨウ素やヨウ化カリウム濃度は、乾燥後の偏光フィルムにおける650nmでのlog10(TD透過率/100)が3.6から4.2になるように調整した。
Figure 2019015926
以上の結果から明らかなように、本発明の規定を満たす実施例1〜4の偏光フィルムは高温下での収縮力及び収縮率が小さく、光学性能が優れていることがわかる。
1 測定溶媒である重水由来の水素ピーク
2 PVAのメチン基由来の水素ピーク
3 PVAのメチレン基由来の水素ピーク
4 PVA由来の水素ピークと重なる、ボロン酸に含まれる炭化水素基由来の水素ピーク
5 PVA由来の水素ピークと重ならない、ボロン酸に含まれる炭化水素基由来の水素ピーク

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール(A)と、下記式(I)で表されるジボロン酸及び水の存在下で該ジボロン酸に転化し得る化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のホウ素含有化合物(B)とを含む偏光フィルムであって、該偏光フィルム中のホウ素含有化合物(B)由来のホウ素元素含有量が、ポリビニルアルコール(A)100質量部に対して、3質量部を超え8質量部以下である偏光フィルム。
    Figure 2019015926
    [式(1)中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機基であり、Rと2つのボロン酸基とがホウ素−炭素結合で繋がっている。]
  2. が炭化水素基である、請求項1に記載の偏光フィルム。
  3. が炭素数2〜4の脂肪族炭化水素基である、請求項2に記載の偏光フィルム。
  4. ポリビニルアルコールフィルムを二色性色素で染色する染色処理、及び該フィルムを一軸延伸する延伸処理を含む偏光フィルムの製造方法において、該フィルムをホウ素含有化合物(B)の水溶液に浸漬する処理を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
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