JP2019008159A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されて、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって、定着ベルトも加圧ローラの回転にともない従動回転(連れ回り)することになる。
そして、ヒータによって定着ベルトが直接的に加熱されて、ニップ部に向けて搬送されるシート上のトナー像が、ニップ部にて熱と圧力とを受けてシート上に定着されることになる。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び1次転写ローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写ローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
定着装置20は、シートP(未定着状態のトナーが担持されたシートである。)を加熱しながら搬送する装置である。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、ニップ部形成部材26、補強部材23、加熱手段(加熱源)としてのヒータ25、反射板27、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度検知手段としての温度検知センサ40、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、一対のガイド部材29、等で構成される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルフォン)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側(内周面側)において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成している。すなわち、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように設置されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、シートPが搬送されるニップ部が形成される。
詳しくは、加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又は、カーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、制御部により出力制御されたヒータ25の輻射熱によって、定着ベルト21においてニップとは異なる加熱領域(ヒータ25に対向する領域である。)が主として加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーモパイル、サーミスタ等の温度検知センサ40(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に2本のヒータ25を設置したが、定着ベルト21の内周面側に1本又は3本以上のヒータを設置することもできる。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
詳しくは、2つのガイド部材29は、耐熱性があり機械的強度の高いガラス繊維を含有する樹脂材料などで形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の側板43にそれぞれ嵌め込まれている。ガイド部材29には、定着ベルト21の略円筒の姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部29aや、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部29cや、潤滑剤を保持可能に形成された潤滑剤保持部29b、等が設けられている。
ガイド部材29は、ニップ部形成部材26によるニップ部の形成を妨げないように、ニップ部を除く周方向の範囲であって、幅方向両端に配置されている。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。
なお、本実施の形態において、ガイド部材29には、ガイド部29aやストッパ部29cの他に、潤滑剤保持部29bが設けられているが、これについては、後で図5、図6等を用いて詳しく説明する。
図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26よりも長くなるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持されている。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
なお、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
加圧ローラ31の芯金32は、金属材料で形成された中空構造体である。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動モータ61の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転可能に支持されている。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状がシートPの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21とシートPとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出されたシートPを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、シート状部材22に含浸される潤滑剤としては、フッ素グリス、シリコーングリス、シリコーンオイル等を用いることができる。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転(連れ回り)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、シートP上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出されたシートPは、矢印Y11方向に搬送される。
先に図5等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20には、定着ベルト21の略筒状の姿勢を保持するためのガイド部材29が、幅方向両端部にそれぞれ配設されている。
図5、図6を参照して、ガイド部材29は、定着ベルト21の略筒状の姿勢が保持されるように定着ベルト21の幅方向両端部における内周面にそれぞれ当接してガイドするものである。
なお、図5、図6(A)では、理解を容易にするために、定着ベルト21とガイド部29aとが離間しているように図示しているが、実際には定着ベルト21とガイド部29aとはルーズに接触するように構成されている。
ガイド部材29のガイド部29a(及び、ストッパ部29c)は、定着ベルト21との摺接による摩擦抵抗を減ずるために、その表面に溝などの凹部は形成されていない。また、本実施の形態では、ガイド部29aと定着ベルト21との摺接による摩耗を減ずるために、ガイド部29aと定着ベルト21との間に潤滑剤が介在(塗布)されている。なお、ガイド部29aと定着ベルト21との間に介在される潤滑剤は、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に介在された潤滑剤と同じ種類(材質)のものである。
詳しくは、図6(A)、(B)に示すように、潤滑剤保持部29bは、ガイド部29aとの境界部分から幅方向中央部側(図6(A)の左方である。)に向けて定着ベルト21の内周面から離間する方向に傾斜するテーパ部に、潤滑剤が貯留された溝部29b1が形成されたものである。この溝部29b1は、テーパ部に周状に形成されたものであって、その深さや幅がほぼ均一になるように形成されている。
特に、潤滑剤保持部29bは、定着ベルト21の内周面に摺接していないため、溝部29b1によって定着ベルト21の内周面が傷ついたり摩耗したりすることはない。また、潤滑剤保持部29bの溝部29b1に貯留された潤滑剤は、その濃度(貯留量)が高まると、その高まった分の潤滑剤がガイド部29aと定着ベルト21との間に向けて押し出されるように供給されることになる。
これにより、経時においても、ガイド部29aと定着ベルト21との間に介在された潤滑剤が枯渇することなく、定着ベルト21とガイド部材29との摺接による摩耗を経時においても安定的に軽減することができる。
図7は、変形例1としてのガイド部材29を示す概略斜視図であって、本実施の形態における図6(B)に対応する図である。
図7に示すように、変形例1におけるガイド部材29の溝部は、テーパ部において周方向に複数分割して形成された複数の溝部29b2である。複数の溝部29b2には、それぞれ潤滑剤が貯留されている。そのため、複数の溝部29b2の個数を調整することで、潤滑剤保持部29bに保持する潤滑剤の量を微調整することができる。したがって、潤滑剤保持部29bにおいて潤滑剤を過不足なく保持することが可能になる。なお、変形例1では、潤滑剤保持部29bのテーパ部に複数の溝部29b2を形成したが、単数の溝部29b2を形成することもできる。
図8は、変形例2としてのガイド部材29と定着ベルト21とを示す概略拡大図であって、本実施の形態における図6(A)に対応する図である。
図8に示すように、変形例2におけるガイド部材29の潤滑剤保持部29bは、ガイド部29aとの境界部分から幅方向中央部側に向けて定着ベルト21の内周面から離間する方向に傾斜するテーパ部に、潤滑剤が含浸された繊維状部材29b3(例えば、布部材である。)が貼着されている。
このようにガイド部材29(潤滑剤保持部29b)を形成した場合にも、繊維状部材29b3に保持された潤滑剤がガイド部29aと定着ベルト21との間に積極的に供給されたり、ガイド部29aと定着ベルト21との間から幅方向中央部側に移動した潤滑剤を繊維状部材29b3で保持したりすることができる。特に、繊維状部材29b3を用いた場合には、潤滑剤を比較的大量に保持することができる。
これにより、経時においても、ガイド部29aと定着ベルト21との間に介在された潤滑剤が枯渇することなく、定着ベルト21とガイド部材29との摺接による摩耗を経時においても安定的に軽減することができる。
図9は、変形例3としてのガイド部材29と定着ベルト21とを示す概略拡大図であって、本実施の形態における図6(A)に対応する図である。
図9に示すように、変形例3におけるガイド部材29の潤滑剤保持部29bは、テーパ部に、潤滑剤が含浸された繊維状部材29b3と、溝部29b1と、が設けられている。
このように構成することにより、潤滑剤保持部29bにおいて潤滑剤をさらに大量に保持することができる。
これにより、定着ベルト21とガイド部材29との摺接による摩耗を経時においても安定的に軽減することができる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 シート状部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 ニップ部形成部材(固定部材)、
29 ガイド部材(フランジ)、
29a ガイド部、
29b 潤滑剤保持部、
29b1、29b2 溝部、
29b3 繊維状部材、
29c ストッパ部、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
P シート(記録媒体)。
Claims (7)
- 加熱手段によって加熱されて、所定の回転方向に回転する定着ベルトと、
前記定着ベルトに外接する加圧回転体と、
前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧回転体に圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、
前記定着ベルトの略筒状の姿勢が保持されるように前記定着ベルトの幅方向両端部における内周面にそれぞれ当接してガイドするガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記定着ベルトの内周面に接触するガイド部に隣接する位置に、前記定着ベルトの内周面に接触しないように形成されるとともに潤滑剤を保持可能に形成された潤滑剤保持部が設けられたことを特徴とする定着装置。 - 前記潤滑剤保持部は、前記ガイド部との境界部分から幅方向中央部側に向けて前記定着ベルトの内周面から離間する方向に傾斜するテーパ部に、潤滑剤が貯留された溝部が形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記溝部は、周状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記溝部は、周方向に複数分割して形成された複数の溝部であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤保持部は、前記ガイド部との境界部分から幅方向中央部側に向けて前記定着ベルトの内周面から離間する方向に傾斜するテーパ部に、潤滑剤が含浸された繊維状部材が貼着されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在され、
前記ガイド部と前記定着ベルトとの間に潤滑剤が介在されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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