JP2004354459A - ベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置 - Google Patents

ベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置 Download PDF

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Abstract

【解決課題】定着ベルト等のベルト状部材の端部から液状潤滑剤が漏れるのを防止することができるのは勿論のこと、当該定着ベルトの端部から液状潤滑剤を効果的に回収して、漏れが防止された液状潤滑剤を、定着ベルト内面の潤滑性に寄与させることができ、良好な定着性能を長期にわたって維持することが可能なベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置を提供することを課題とす る。
【解決手段】回転自在に設けられるベルト状部材と、前記ベルト状部材の両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記ベルト状部材の内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備えたベルト状部材の潤滑装置において、前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置に関し、特に、記録媒体上のトナー像を加熱定着する定着装置及び当該定着装置などに好適に使用されるベルト状部材の潤滑装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特開平11−45018号公報
【特許文献2】特開2002−357968号公報
【0003】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着装置としては、内部に加熱源を有する加熱ロールに定着ベルトを圧接し、これら加熱ロールと定着ベルトとの間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録用紙を通過させることにより、未定着トナー像を熱及び圧力によって記録用紙上に定着させるように構成したものがある。
【0004】
かかる定着装置では、定着ベルトの内部に圧接部材を設けて、当該圧接部材によって定着ベルトを加熱ロールに圧接させるものであるため、定着ベルトと圧接部材との摩擦が過大であると、定着ベルトがスムーズに走行せず、定着不良や紙しわの原因となる。
【0005】
そこで、上記定着装置では、定着ベルト内面の潤滑を目的として、当該定着ベルトの内面に液体潤滑剤を塗布するように構成したものが、特開平11−45018号公報等に開示されている。
【0006】
しかし、この定着装置では、定着ベルトの回転中に、当該定着ベルトの端部から液体潤滑剤が漏れると、潤滑性能が低下して、定着ベルトや圧接部材の寿命や性能の低下が起こることがあるため、液状潤滑剤の漏れ防止手段を設ける必要がある。
【0007】
このように、かかる液状潤滑剤の漏れ防止手段を設けた定着装置としては、例えば、特開2002−357968号公報等に開示されたものがある。
【0008】
この特開2002−357968号公報に係る定着装置は、互いに圧接するように配設され、少なくとも一方がベルト状の部材からなる加熱部材及び加圧部材と、前記加熱部材及び加圧部材のうち、ベルト状に形成される部材の両端部を回転自在に支持するベルトガイド部材と、前記ベルト状部材の内部に配設されて当該ベルト状部材を他方の部材の表面に圧接させる圧接部材と、前記ベルト状部材の内面にオイルを供給するオイル供給部材とを備え、前記加熱部材及び加圧部材の間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体を通過させることにより定着を行なう定着装置において、前記ベルトガイド部材の外周面とベルト状部材の内周面の少なくとも一方に、オイルの漏れを防止するオイル漏れ防止手段を設けるように構成したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開2002−357968号公報に係る定着装置の場合には、ベルトガイド部材の外周面とベルト状部材の内周面の少なくとも一方に、オイルの漏れを防止するオイル漏れ防止手段を設けるように構成したものであるが、このオイル漏れ防止手段を設けることによって、オイル等の液状潤滑剤の漏れを防止することができても、オイル等の液状潤滑剤が定着ベルトの端部に留まるのみ で、定着ベルト内面の摺動部に戻って潤滑作用に寄与しなければ、潤滑性能の低下につながるという問題点を有している。
【0010】
また、上記特開2002−357968号公報に係る定着装置の場合には、オイル漏れ防止手段として、ベルトガイド部材の表面に、単に溝部を設けたのみでは、定着ベルトの端部から漏れるオイル等の液状潤滑剤を効果的に回収することが困難であるという問題点を有している。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着ベルト等のベルト状部材の端部から液状潤滑剤が漏れるのを防止することができるのは勿論のこと、当該定着ベルトの端部から液状潤滑剤を効果的に回収して、漏れが防止された液状潤滑剤を、定着ベルト内面の潤滑性に寄与させることができ、良好な定着性能を長期にわたって維持することが可能なベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、回転自在に設けられるベルト状部材と、前記ベルト状部材の両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記ベルト状部材の内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備えたベルト状部材の潤滑装置において、前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けたことを特徴とするベルト状部材の潤滑装置である。
なお、上記ベルト状部材としては、例えば、定着装置の定着ベルトが用いられるが、これに限定されるものではなく、他のベルト状部材であっても勿論良い。
【0013】
また、請求項2に記載された発明は、前記再循環手段が、前記ベルト支持部材の外周面において、ベルト状部材の端部よりも内側に少なくとも1箇所以上設けられた溝からなることを特徴とする請求項1記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0014】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記再循環手段を構成する溝は、前記ベルト状部材と接触するエッジ部が、R1.0mm又はC1.0mm以下に設定されていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0015】
又、請求項4に記載された発明は、前記再循環手段を構成する溝が、前記ベルト状部材の軸方向内側、及び当該ベルト状部材の回転方向下流側に向けて傾斜した状態で設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0016】
更に、請求項5に記載された発明は、前記ベルト支持部材と、当該ベルト支持部材が取り付けられる部材との境界部に、液状潤滑剤を滞留させる溝が全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0017】
また、請求項6に記載された発明は、前記ベルト支持部材と、当該ベルト支持部材が取り付けられる部材との境界部に設けられる溝が、再循環用の溝に連通しているとともに、ベルト状部材の軸方向内側に向けて低くなるように傾斜した状態で設けられていることを特徴とする請求項5記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0018】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記再循環手段を構成する溝が、前記ベルト支持部材の外周面において、ニップ部を通過したベルト状部材が、最初にベルト支持部材に接触する位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置である。
【0019】
又、請求項8に記載された発明は、互いに圧接するように配設され、少なくとも一方がベルト状の部材からなる加熱部材及び加圧部材と、前記加熱部材及び加圧部材のうち、ベルト状に形成される部材の両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記ベルト状部材の内部に配設されて当該ベルト状部材を他方の部材の表面に圧接させる圧接部材と、前記ベルト状部材の内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備え、前記加熱部材及び加圧部材の間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体を通過させることにより定着を行なう定着装置において、前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けたことを特徴とする定着装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示すものである。
なお、このタンデム型のフルカラープリンタは、小型のフルカラープリンタとしての特徴を有するものであり、しかも、フルカラーの画像を高い生産性(例えば、A4サイズで24枚/分)でプリントすることが可能となっている。
【0022】
図2において、01はタンデム型のフルカラープリンタの本体を示すものであ り、このプリンタ本体01の内部には、大別して、フルカラーの画像形成を行うプリントヘッドデバイス(Print Head Device )02と、このプリントヘッドデバイス02の像担持体としての4つの感光体ドラム11, 12, 13, 14に画像露光を施す露光装置としてのROS(Raster Output Scanner )03と、上記プリントヘッドデバイス02の各色の現像装置41, 42, 43, 44に対応する色のトナーを供給する4つのトナーボックス04Y,04M,04C,04K と、上記プリントヘッドデバイス02に記録媒体としての記録用紙Pを供給する給紙カセット05と、上記プリントヘッドデバイス02からトナー像が転写された記録用紙Pに対して、定着処理を施す定着装置70と、この定着装置70によって片面に画像が定着された記録用紙Pを、表裏を反転した状態で、再度プリントヘッドデバイス02の転写部へと搬送する両面用搬送経路07と、プリンタ本体01の外部から所望の記録用紙Pを給紙する手差し給紙手段08と、プリンタの動作を制御するコントローラ09と、画像信号に対して画像処理を施す画像処理回路や高圧電源回路等からなる電気回路10とが設けられている。なお、図2中、Tは画像が形成された記録用紙Pを排出する排出トイレを示すものであり、この排出トイレT は、プリンタ本体01の上部に一体的に配置されている。
【0023】
上記プリンタ本体01の内部に配設される種々の部材のうち、露光装置としてのROS03は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した画像データに基づいて点灯駆動される4つの半導体レーザや、これら4つの半導体レーザから出射される4本のレーザ光を、偏向走査するためのポリゴンミラーやf−θレンズ、あるいは複数枚の反射ミラーなどから構成されている。
【0024】
図3はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型フルカラープリンタのプリントヘッドデバイスを示すものである。尚、図3中の矢印は、各回転部材の回転方向を示している。
【0025】
このプリントヘッドデバイス02は、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各感光体ドラム(像担持体)1 1, 12, 13, 14 を有する画像形成ユニット1, 2, 3, 4と、これら感光体ドラム1 1,12, 13, 14に接触する一次帯電用の帯電ロール(接触型帯電装置)21, 22, 2 3,24と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31, 32, 33, 34を照射するROS(露光装置)03(図2参照)と、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14上に形成された静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーで現像する現像装置41, 42, 43, 44と、上記4つの感光体ドラム11, 12, 13, 14のうちの2つの感光体ドラム11, 12に接触する第1の一次中間転写ドラム(中間転写体)51及び他の2つの感光体ドラム13, 14に接触する第2の一次中間転写ドラム(中間転写体)52と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52に接触する二次中間転写ドラム(中間転写体)53と、この二次中間転写ドラム53に接触する最終転写ロール(転写部材)60とで、その主要部が構成されている。
【0026】
感光体ドラム11, 12, 13, 14は、共通の接平面M を有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が該感光体ドラム11, 12, 13, 14軸に対し平行かつ所定の対称面を境界とした面対称の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、該感光体ドラム11, 12, 13, 14と回転軸が平行であるように配置されている。
【0027】
各色毎の画像情報に応じた信号は、電気回路10(図2参照)に配設された画像処理回路によりラスタライジングされてROS03に入力される。このROS03では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31, 32, 33, 34が変調され、対応する色の感光体ドラム11, 12, 13, 14に照射される。
【0028】
上記各感光体ドラム11, 12, 13, 14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14としては、例えば、直径20mmのOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム11, 12, 13, 14は、例えば、151mm/secの回転速度で回転駆動される。上記感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面は、図3に示すように、接触型帯電装置としての帯電ロール21, 22, 23, 24に、約−840VのDC電圧を印加することによって、例えば約−300V程度に帯電される。なお、上記接触型の帯電装置としては、ロールタイプのもの、フィルムタイプのもの、ブラシタイプのもの等が挙げられるが、どのタイプのものを用いても良い。この実施の形態では、近年、電子写真装置で一般に使用されている帯電ロールを採用している。また、感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面を帯電させるために、この実施の形態では、DCのみ印加の帯電方式をとっているが、AC+DC印加の帯電方式を用いても良い。
【0029】
その後、感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面には、露光装置としてのROS03によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応したレーザ光31, 32, 33, 34が照射され、各色毎の入力画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム11, 12, 13, 14は、ROS03で静電潜像が書き込まれた際に、その画像露光部の表面電位は−60 V以下程度にまで除電される。
【0030】
また、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像装置41, 42, 43, 44によって現像され、感光体ドラム11, 12,13, 14 上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として可視化される。
【0031】
この実施の形態では、現像装置41, 42, 43, 44として、磁気ブラシ接触型の二成分現像方式を採用しているが、この発明の適用範囲はこの現像方式に限定されるものではなく、非接触型の現像方式においてもこの発明を充分に適用することができることは勿論である。
【0032】
現像装置41, 42, 43, 44には、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナーと、キャリアからなる現像剤が充填されている。これらの現像装置41, 42, 43, 44には、図2に示すよう に、対応する色のトナーボックス04Y,04M,04C,04K からトナーが補給されると、この補給されたトナーは、オーガー404 で充分にキャリアと攪拌されて摩擦帯電される。現像ロール401 の内部には、複数の磁極を所定の角度に配置したマグネットロール(不図示)が固定した状態で配置されている。この現像ロール401 に現像剤を搬送するパドル403 によって、当該現像ロール401 の表面近傍に搬送された現像剤は、現像剤量規制部材402 によって現像部に搬送される量が規制される。この実施の形態では、上記現像剤の量は、30〜50g/mであり、また、このとき現像ロール401 上に存在するトナーの帯電量は、概ね−20 〜35μC/g 程度である。
【0033】
上記現像ロール401 上に供給されたトナーは、マグネットロールの磁力によって、キャリアとトナーで構成された磁気ブラシ状となっており、この磁気ブラシが感光体ドラム11, 12, 13, 14と接触している。この現像ロール401 にAC+DCの現像バイアス電圧を印加して、現像ロール401 上のトナーを感光体ドラム11, 1 2, 13, 14 上に形成された静電潜像に現像することにより、トナー像が形成される。この実施の形態では、例えば、現像バイアス電圧のAC成分が4 kHz、1.5 kVppで、DC成分が−230V程度に設定されている。
【0034】
この実施の形態では、上記現像装置41, 42, 43, 44において、トナーとして略球形状のトナーである所謂”球形トナー”であって、その平均粒径が3〜10μm程度のものが使用され、例えば、ブラック色のトナーの平均粒径は8μm、カラートナーの平均粒径は7μmに設定される。
【0035】
次に、上記各感光体ドラム11, 12, 13, 14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に二次転写される。感光体ドラム11, 12上に形成されたイエロー(Y)およびマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13, 14上に形成されたシアン(C)、ブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。従って、第1の一次中間転写ドラム51上には、感光体ドラム11または12のどちらから転写された単色像と、感光体ドラム11及び12の両方から転写された2色のトナー像が重ね合わされた二重色像が形成されることになる。また、第2の一次中間転写ドラム52上にも、感光体ドラム13,14 から同様な単色像と二重色像が形成される。
【0036】
上記第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 上に感光体ドラム11,12,13,14 からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500 V程度である。この表面電位は、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。この雰囲気温度や湿度は、雰囲気温度や湿度によって抵抗値が変化する特性を持った部材の抵抗値を検知することで簡易的に知ることが可能である。上述のように、トナーの帯電量が−20 〜35μC/g の範囲内にあ り、常温常湿環境下にある場合には、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位は、+380V程度が望ましい。
【0037】
この実施の形態で用いる第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52は、例えば、外径が42mmに形成され、抵抗値は10Ω程度に設定される。第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52は、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1 〜10mm程度に設けられている。更に、第1、第2の中間転写ドラム51, 52の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3 〜100 μmの高離型層(R=10〜10Ω)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されてい る。ここで重要なのは、抵抗値と表面の離型性であり、高離型層の抵抗値がR=10〜10Ω程度であり、高離型性を有する材料であれば、特に材料は限定されない。
【0038】
このように第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52上に形成された単色又は二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に3次転写される。従っ て、二次中間転写ドラム53上には、単色像からイエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)色の四重色像までの最終的なトナー像が形成されることになる。
【0039】
この二次中間転写ドラム53上へ第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度であ る。この表面電位は、感光体ドラム11, 12, 13, 14から第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52へ転写するときと同様に、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。また、転写に必要なのは、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20 〜35μC/g の範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望まし い。
【0040】
この実施の形態で用いる二次中間転写ドラム53は、例えば、外径が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と同じ42mmに形成され、抵抗値は1011Ω程度に設定される。また、上記二次中間転写ドラム53も第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52と同様、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1 〜10mm程度に設けられている。更に、二次中間転写ドラム53の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3 〜100 μmの高離型層として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。ここで、二次中間転写ドラム53の抵抗値 は、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 よりも高く設定する必要がある。そうしないと、二次中間転写ドラム53が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 を帯電してしまい、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位の制御が難しくなる。このような条件を満たす材料であれば、特に材料は限定されない。
【0041】
次に、上記二次中間転写ドラム53上に形成された単色像から四重色像までの最終的なトナー像は、最終転写ロール60によって、用紙搬送路を通る用紙Pに3次転写される。この用紙Pは、不図示の紙送り工程を経て用紙搬送ロール90を通過し、二次中間転写ドラム53と最終転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、用紙上に形成された最終的なトナー像は、定着装置70によって定着され、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0042】
ところで、この実施の形態に係る定着装置は、内部に加熱源を有する加熱ロールと、無端ベルト状に形成された定着ベルトと、前記定着ベルトの両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記定着ベルトの内部に配設されて当該定着ベルトを加熱ロールの表面に圧接させる圧接部材と、前記定着ベルトの内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備え、前記加熱ロールと定着ベルトの間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体を通過させることにより定着を行なう定着装置において、前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けるように構成されている。
【0043】
図4はこの実施の形態に係る定着装置の外観を示す斜視図、図5はこの実施の形態に係る定着装置を示す断面図である。なお、実際には、定着ベルト703 と圧接部材705 との間に、フィルム状のシート部材719 が介在されており、このシート部材719 の長さは、ニップヘッド部材709 とパッド部材710 を覆える長さであり、円筒状部材711 面を覆うほど長くない。このシート部材719 は、定着ベルト703 内面とニップヘッド部材709 及びパッド部材710 の摺動性を高める目的で配置されている。
【0044】
この実施の形態に係る定着装置70は、図5に示すように、内部に加熱源701 を有する加熱ロール702 と、無端のベルト状部材としての定着ベルト703 と、前記定着ベルト703 が回転自在となるように当該定着ベルト703 の両端を支持するベルト支持部材704 と、前記定着ベルト703 の内部に配設され、前記加熱ロール702 の表面に定着ベルト703 を圧接させる圧接部材705 と、前記定着ベルト703 の内面にオイル等の液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材としてのフェルト部材706 とを備えるように構成されている。なお、図5中、750 は定着装置70の出口ロールを示している。
【0045】
上記加熱ロール702 は、鉄やステンレス等からなる薄肉円筒状の芯金と、当該芯金の表面に被覆されたシリコンゴム等からなる肉厚0.65mm程度の弾性層と、当該弾性層の表面の被覆されたPFA等からなる肉厚30μm程度の離型層とから構成されている。また、上記加熱ロール702 の内部には、加熱源として650Wのハロゲンランプ701 が配設されている。
【0046】
また、上記定着ベルト703 は、ポリイミド等の合成樹脂によって、外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA等からなる離型層が設けられる。
【0047】
さらに、上記ベルト支持部材704 は、図6に示すように、圧接部材705 に一体的に組み付けられるように構成されている。
【0048】
この圧接部材705 は、図6及び図7に示すように、合成樹脂製のベルトハウジング707 と、当該ベルトハウジング707 に嵌合状態に装着される断面略コ字形状の金属製のベルトフレーム708 と、定着ベルト703 を加熱ロール702 に圧接させるためのニップヘッド部材709 と、当該ニップヘッド部材709 に装着されるパッド部材710 とから、主に構成されている。
【0049】
また、上記ベルト支持部材704 は、図6及び図7に示すように、ベルトフレーム708 の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aに嵌合された状態で、ベルトハウジング707 の両端部に装着されるようになっている。
【0050】
これら左右両端のベルト支持部材704 は、図8及び図9に示すように、定着ベルト703 の両端部に挿入される円筒状部711 と、当該円筒状部711 の反対側に設けられ、ベルトガイド部材704 を後述する加圧手段に取り付けるための取付部712 と、これら円筒状部711 と取付部712 との間に設けられた2つのフランジ部713 、714 とから構成されている。なお、図7に示すように、左右両端のベルト支持部材704 は、左右対称となる形状に形成されており、図8は左側のベルト支持部材704 を、図9は左側のベルト支持部材704 をそれぞれ示している。上記ベルト支持部材704 の円筒状部711 は、その上端部711aが平坦に形成されており、定着ベルト703 が加熱ロール702 に圧接した際に、定着ベルト703 が撓んで所定幅のニップ部を形成することが可能となっている。また、上記ベルト支持部材704 の内部には、断面略コ字形状に形成されたベルトフレーム708 と、当該ベルトフレーム708 の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aとに嵌合する上向きの断面略コ字形状の凹溝715 が設けられている。さらに、上記ベルト支持部材704 には、図8及び図9に示すように、フランジ部713 とフランジ部714 との間に、加圧部材としてのアーム717 と嵌合するための凹溝716 が設けられている。な お、図8及び図9中、760 、761 はベルト支持部材704 をベルトハウジング707 に取り付けるため突起をそれぞれ示すものである。
【0051】
また、上記液状潤滑剤供給部材としてのフェルト部材706 は、例えば、ノーメックス(商品名)からなり、当該フェルト部材706 には、粘度300csのアミノSiオイル等からなる液状潤滑剤としてのオイルが、2.0g程度含浸されている。このフェルト部材706 は、図5及び図7に示すように、ベルトフレーム708 の背面側に接着等の手段によって固定した状態で取り付けられている。
【0052】
さらに、上記圧接部材705 は、図10に示すように、ベルトガイド部材704 を介して、アーム部材717 に取り付けられており、このアーム部材717 は、コイルスプリング718 によって圧接部材705 を加熱ロール702 に所定の圧力で圧接させるように構成されている。なお、図7及び図10中、719 は定着ベルト703 と圧接部材705 との間に介在される合成樹脂製のフィルム状のシート部材を示しており、やはり、定着ベルト703 と圧接部材705 との間の摩擦を低減するものであるが、必ずしも設けなくとも良い。
【0053】
ところで、この実施の形態では、前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けるように構成されている。
【0054】
また、この実施の形態では、前記再循環手段が、前記ベルト支持部材の外周面において、ベルト状部材の端部よりも内側に少なくとも1箇所以上設けられた溝からなるように構成されている。
【0055】
さらに、この実施の形態では、前記再循環手段を構成する溝は、前記ベルト状部材と接触するエッジ部が、R1.0mm又はC1.0mm以下に設定されるように構成されている。
【0056】
即ち、上記ベルト支持部材704 には、図1に示すように、その円筒状部711 の外周面に、再循環手段としての溝720 が形成されている。この再循環用の溝720 は、ベルト支持部材704 の円筒状部711 の外周面において、定着ベルト702 の端部より軸方向の内側に配設されている。上記定着ベルト703 の端部と、溝720 の端部との距離は、少なくとも1.5mm程度に設定されている。この1.5mm程度に設定する効果は、オイルの漏れ防止を確実にするためである。溝720 の端部が定着ベルト703 の端部に近すぎると、漏れる虞れがあるため、1.5mm程度に設定されている。なお、上記溝720 の端部が定着ベルト703 の端部から1.5mmよりも大きく離れすぎると、円筒状部711 にかかる溝720 の幅が狭くなるとともに、溝720 がない円筒状部711 の面は、オイルが行かなくなるため、潤滑効果が下げる虞れがあり、1.5mm程度に設定するのが望ましい。また、上記溝720 の底面721 は、定着ベルト703 の軸方向内側が低くなるように、例えば、3度以上、望ましくは5度程度傾斜するように形成されている。このように、上記溝720 の底面721 を定着ベルト703 の軸方向内側が低くなるように傾斜させることにより、オイルを定着ベルト703 の軸方向内側に戻し、再循環させる効果が高まる。さらに、上記溝720 は、図11に示すように、定着ベルト703 と接触するエッジ部722 が、曲率半径R1.0mm又は45度のカット幅C1.0mm以下に設定されている。上記溝720 のエッジ部722 は、その曲率半径R1.0mm又は45度のカット幅C1.0mmを越えると、定着ベルト702 の内面に塗布されたオイルを掻き取る効果が十分得られない。
【0057】
さらに、上記溝720 は、図12に示すように、ベルト支持部材704 の円筒状部711 の外周面において、ニップ部を通過した定着ベルト703 が、最初にベルト支持部材704 と接触する位置に設けられている。このように、定着ベルト703 がベルト支持部材704 の円筒状部711 から離れて、当該定着ベルト703 が最初にベルト支持部材704 と接触する位置に溝720 を設けることによって、定着ベルト703 がベルト支持部材704 の円筒状部711 から離れると、定着ベルト703 の裏面にオイルが溜まり易く、この定着ベルト703 の裏面に溜まったオイルを、溝720 によって効果的に回収することができる。
【0058】
また、上記ベルト支持部材704 の円筒状部711 には、図1に示すように、その軸方向の内側端部に、軸方向の内側に向けて直径が小さくなるように傾斜した溝723 が、全周にわたって設けられている。この全周溝723 は、図1に示すよう に、再循環用の溝720 と連通している。そして、上記ベルト支持部材704 の円筒状部711 には、その軸方向の内側端に、フランジ部724 が形成されている。な お、上記溝723 は、必ずしもベルト支持部材704 に設けずに、当該ベルト支持部材704 が取り付けられるベルトハウジング707 側に設けるように構成しても良 い。
【0059】
そして、上記定着装置70では、図12に示すように、定着ベルト703 の内面にフェルト部材706 によってオイル750 が塗布されると、この定着ベルト703 の内面に塗布されたオイル750 は、当該定着ベルト703 内面の全周及び軸方向の全長にわたって薄い膜状に広がり、定着ベルト703 と圧接部材705 との間の潤滑作用を発揮するようになっている。その際、上記定着ベルト703 の内面に塗布されたオイルは、当該定着ベルト703 内面の軸方向の両端部に移動するが、この定着ベルト703 内面の軸方向の両端部に移動したオイル750 は、ベルト支持部材704 の円筒状部711 に設けられた溝720 によって回収される。
【0060】
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、定着ベルトの端部から液状潤滑剤が漏れるのを防止することができるのは勿論のこと、当該定着ベルトの端部から液状潤滑剤を効果的に回収して、漏れが防止された液状潤滑剤を、定着ベルト内面の潤滑性に寄与させることができ、良好な定着性能を長期にわたって維持することが可能となっている。
【0061】
すなわち、この実施の形態に係る定着装置70では、図5に示すように、内部に加熱源701 を有する加熱ロール702 と、無端ベルト状に形成された定着ベルト703 と、前記定着ベルト703 が回転自在となるように当該定着ベルト703 の両端を支持するベルト支持部材704 と、前記定着ベルト703 の内部に配設され、前記加熱ロール702 の表面に定着ベルト703 を圧接させる圧接部材705 と、前記定着ベルト703 の内面にオイルを供給するフェルト部材706 とを備え、前記加熱ロール702 と定着ベルト703 の間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体P を通過させることにより定着を行なうようになっている。なお、実際には、定着ベルト703 と圧接部材705 との間に、フィルム状のシート部材719 が介在されており、このシート部材719 の長さは、ニップヘッド部材709 とパッド部材710 を覆える長さであり、円筒状部材711 面を覆うほど長くない。このシート部材719 は、定着ベルト703 内面とニップヘッド部材709 及びパッド部材710 の摺動性を高める目的で配置されている。
【0062】
その際、上記定着装置70では、加熱ロール702 に定着ベルト703 を圧接部材705 によって圧接させており、定着ベルト703 と圧接部材705 との摩擦を低減するために、定着ベルト703 の内面にフェルト部材706 によってオイル750 を塗布するように構成されている。
【0063】
そのため、上記定着装置70を長期間使用していると、定着ベルト703 の内面に供給されたオイル750 が、徐々に定着ベルト703 の端部に移動し、当該定着ベルト703 の端部に位置するベルト支持部材704 との隙間から漏れようとする。
【0064】
ところが、上記ベルト支持部材704 には、図1に示すように、その円筒状部711 の外周面に、再循環手段としての溝720 が設けられているため、定着ベルト703 が所定の方向に回転すると、当該定着ベルト703 の内面に塗布されたオイル750 が、図13に示すように、溝720 のエッジ部722 によって掻き取られ、定着ベルト703 の端部からオイル750 が漏れるのを防止するようになっている。
【0065】
上記溝720 のエッジ部722 によって掻き取られたオイル750 は、図13に示すように、溝720 の内部に流入して、当該溝720 の底部721 の傾斜に応じて、定着ベルト703 の軸方向の内側に向けて移動する。そして、上記溝720 の内部に溜まったオイル750 が所定量に達すると、このオイル750 は、ベルト支持部材704 の円筒状部711 に全周にわたって設けられた溝723 に流入する。また、上記溝723 は、定着ベルト703 の軸方向の内側に向けて傾斜するように形成されているた め、当該溝723 内に流入したオイル750 の量が徐々に増加すると、オイル750 は、溝723 の斜面に沿って浅いところまで液面が上昇する。すると、溝723 内に溜まったオイル750 は、溝723 の斜面に沿った浅い部分によって、定着ベルト703 の内面に再度塗布されることになる。
【0066】
そのため、上記定着装置70では、図13に示すように、ベルト支持部材704 の円筒状部711 に設けられた溝720 によって回収されたオイル750 が、再度定着ベルト703 の両端部近傍の内面に塗布されるとともに、溝720 によって再度掻き取られて再循環するようになっている。
【0067】
したがって、上記定着装置70では、定着ベルト703 の端部からオイル750 が漏れるのを防止することができるのは勿論のこと、当該定着ベルト703 の端部からオイル750 を効果的に回収して、漏れが防止されたオイル750 を、定着ベルト703 の内面に塗布して、定着ベルト703 内面の潤滑性に再度寄与させることがで き、良好な定着性能を長期にわたって維持することが可能となっている。
【0068】
実施の形態2
図14はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、ベルト支持部材704 に設けられる溝720 が、定着ベルト703 の回転方向下流側に向けて傾斜した状態で設けられている。
【0069】
この場合には、定着ベルト703 の回転方向下流側に向けて傾斜した状態で設けられた溝720 によって、より一層効果的にオイル750 を回収することが可能となる。
【0070】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、定着ベルト等のベルト状部材の端部から液状潤滑剤が漏れるのを防止することができるのは勿論のこと、当該定着ベルトの端部から液状潤滑剤を効果的に回収して、漏れが防止された液状潤滑剤を、定着ベルト内面の潤滑性に寄与させることができ、良好な定着性能を長期にわたって維持することが可能なベルト状部材の潤滑装置及びこれを用いた定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を示す外観斜視図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧部材を示す外観斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧部材を示す分解斜視図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る定着装置のベルト支持部材を示す構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る定着装置のベルト支持部材を示す構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧機構を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の作用を示す説明図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態2に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
70:定着装置、701:加熱源、702:加熱ロール、703:定着ベルト(ベルト状部材)、704:ベルト支持部材、711:円筒状部、720:溝 (再循環手段)。

Claims (8)

  1. 回転自在に設けられるベルト状部材と、前記ベルト状部材の両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記ベルト状部材の内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備えたベルト状部材の潤滑装置において、
    前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けたことを特徴とするベルト状部材の潤滑装置。
  2. 前記再循環手段は、前記ベルト支持部材の外周面において、ベルト状部材の端部よりも内側に少なくとも1箇所以上設けられた溝からなることを特徴とする請求項1記載のベルト状部材の潤滑装置。
  3. 前記再循環手段を構成する溝は、前記ベルト状部材と接触するエッジ部が、R1.0mm又はC1.0mm以下に設定されていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置。
  4. 前記再循環手段を構成する溝は、前記ベルト状部材の軸方向内側、及び当該ベルト状部材の回転方向下流側に向けて傾斜した状態で設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置。
  5. 前記ベルト支持部材と、当該ベルト支持部材が取り付けられる部材との境界部に、液状潤滑剤を滞留させる溝が全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置。
  6. 前記ベルト支持部材と、当該ベルト支持部材が取り付けられる部材との境界部に設けられる溝は、再循環用の溝に連通しているとともに、ベルト状部材の軸方向内側に向けて低くなるように傾斜した状態で設けられていることを特徴とする請求項5記載のベルト状部材の潤滑装置。
  7. 前記再循環手段を構成する溝は、前記ベルト支持部材の外周面において、ニップ部を通過したベルト状部材が、最初にベルト支持部材に接触する位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載のベルト状部材の潤滑装置。
  8. 互いに圧接するように配設され、少なくとも一方がベルト状の部材からなる加熱部材及び加圧部材と、前記加熱部材及び加圧部材のうち、ベルト状に形成される部材の両端部を回転自在に支持するベルト支持部材と、前記ベルト状部材の内部に配設されて当該ベルト状部材を他方の部材の表面に圧接させる圧接部材と、前記ベルト状部材の内面に液状潤滑剤を供給する液状潤滑剤供給部材とを備え、前記加熱部材及び加圧部材の間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体を通過させることにより定着を行なう定着装置において、
    前記ベルト支持部材に、液状潤滑剤の漏れを防止しつつ、当該液状潤滑剤をベルト状部材の内面に再循環させる再循環手段を設けたことを特徴とする定着装 置。
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