JP2018531982A - 呼吸器疾患の処置のためのjakキナーゼ阻害剤化合物 - Google Patents

呼吸器疾患の処置のためのjakキナーゼ阻害剤化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、JAKキナーゼ阻害剤として有用である、式(I)
Figure 2018531982

であり、変数は明細書中に定義される)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。本発明は、そのような化合物を含む薬学的組成物、呼吸器を処置するためにそのような化合物を使用する方法、ならびにそのような化合物の調製に有用なプロセスおよび中間体も提供する。本発明は、医学的治療において使用するための本明細書中に記載されるような本発明の化合物、ならびに哺乳動物の呼吸器疾患を処置するための製剤または薬の製造における本発明の化合物の使用も提供する。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、JAKキナーゼ阻害剤として有用なジアミノ化合物に関する。本発明は、そのような化合物を含む薬学的組成物、呼吸器疾患を処置するためにそのような化合物を使用する方法、ならびにそのような化合物の調製に有用なプロセスおよび中間体にも関する。
技術水準
喘息は、予防法または治療法が存在しない気道の慢性疾患である。この疾患は、気道の炎症、線維症、反応性亢進およびリモデリングを特徴とし、これらのすべてが、気流の制限に関与する。世界中の推定3億人が、喘息に罹患しており、喘息を有する人の数は、2025年までに1億人超増加すると推定されている。米国では、喘息は、人口の約6%〜8%を苦しめており、米国における最も一般的な慢性疾患の1つになっている。ほとんどの患者が、ロイコトリエン修飾因子および/または長時間作用性のベータアゴニストと併用され得る吸入コルチコステロイドを使用することによって喘息症状の制御を達成できるが、従来の治療によって制御されない疾患である重度の喘息を有する患者のサブセットが未だに存在する。重度の持続性の喘息は、高用量の吸入コルチコステロイドで制御されないままの疾患と定義される。重度の喘息患者は、全喘息罹患者のおよそ5%を占めると推定されているが、それらの患者は、病的状態および死亡の高リスクを有し、喘息患者間の医療財源利用の不均衡な配分の原因となっている。これらの患者を処置するための新規治療法が必要とされている。
サイトカインは、細胞間のシグナル伝達分子であり、それらには、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンフォカインおよび腫瘍壊死因子が含まれる。サイトカインは、正常な細胞の成長および免疫調節にとって欠かせないが、免疫によって媒介される疾患も生じさせ、悪性細胞の成長にも寄与する。高レベルの多くのサイトカインが、喘息炎症の病態に関わっている。例えば、インターロイキン(IL)−5および13を標的とした抗体ベースの治療法は、重度の喘息患者のサブセットにおいて臨床的有用性を提供すると示されている。喘息炎症に関わっているサイトカインのうち、多くが、シグナル伝達性転写活性化因子(STAT)ファミリーの転写因子を通じてシグナル伝達するチロシンキナーゼのJanusファミリー(JAK)に依存するシグナル伝達経路を通じて作用する。JAK−STAT経路を通じてシグナル伝達し、喘息炎症に関わるサイトカインとしては、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−11、IL−13、IL−23、IL−31、IL−27、胸腺間質リンホポエチン(TSLP)、インターフェロン−γ(IFNγ)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)が挙げられる。
JAKファミリーは、4つのメンバー、JAK1、JAK2、JAK3およびチロシンキナーゼ2(TYK2)を含む。サイトカインがJAK依存性サイトカインレセプターに結合すると、レセプターの二量体化が誘導され、それによって、そのJAKキナーゼ上のチロシン残基がリン酸化され、JAKの活性化がもたらされる。そして、リン酸化されたJAKは、様々なSTATタンパク質に結合してリン酸化し、そのタンパク質が二量体化し、細胞核に内部移行し、遺伝子転写を直接調節して、数ある作用の中でも、炎症性疾患に関連する下流の作用をもたらす。これらのJAKは、通常、サイトカインレセプターと2つ一組でホモ二量体またはヘテロ二量体として会合する。特定のサイトカインが、特定のJAK対形成に関連する。JAKファミリーの4つのメンバーの各々が、喘息炎症に関連するサイトカインの少なくとも1つのシグナル伝達に関わっている。その結果、JAKファミリーの全メンバーに対して総活性(pan−activity)を有する化学的阻害剤が、重度の喘息に関与する広範囲の炎症促進性経路を調節することができるだろう。
しかしながら、そのような阻害剤の広範な抗炎症作用は、正常な免疫細胞の機能を抑制し得るので、感染のリスクを高める可能性がある。感染リスク増大の証拠が、関節リウマチの処置のために経口投与されるJAK阻害剤であるトファシチニブを用いたとき観測された。喘息では、炎症は、気道に限局される。気道の炎症は、喘息に加えて他の呼吸器疾患にも特徴的である。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫および閉塞性細気管支炎も、気道の疾患であり、それらの病態生理学は、JAKシグナル伝達サイトカインに関係していると考えられている。吸入による肺へのJAK阻害剤の局所投与は、強力な抗サイトカイン剤を作用部位に直接送達することによって、治療的に効果的である可能性を提供し、全身曝露を制限し、ゆえに有害な全身免疫抑制の可能性を制限する。呼吸器疾患を処置するために肺に局所投与するのに適した強力なJAK阻害剤が依然として必要とされている。
発明の概要
1つの態様において、本発明は、JAKキナーゼ阻害剤としての活性を有する新規化合物を提供する。
したがって、本発明は、式(I)の化合物:
Figure 2018531982
(式中、
Xは、式(II)の基:
Figure 2018531982
であり、
nは0または1であり;
は、水素またはC1−3アルキルであり;
は、水素またはC1−3アルキルであり;
は、水素またはC1−3アルキルであるか;
またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンを形成するか;
またはnが1であるとき、Rは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、ここで、C1−3アルキルは、−OHで必要に応じて置換され;
は、水素またはC1−3アルキルであり;
は、水素、C1−3アルキル、−C(O)OC1−3アルキルおよびフェニルから選択されるか;
またはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成し;
は、水素またはC1−3アルキルであり;
は、水素またはC1−3アルキルであるか、
あるいはnが0であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成するか、またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成するか;
あるいはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキルまたはRで必要に応じて置換されるCアルキレンを形成するか、またはRおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンまたは−O−Cアルキレンを形成し;
は、
(a)水素、
(b)−CN、フェニルまたはC3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル;
(c)C2−6アルキル(ここで、C2−6アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、ハロから選択される1つまたは2つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってC2−3アルキレンを形成する);
(d)C3−6シクロアルキル(ここで、C3−6シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
(e)オキセタニル、
(f)テトラヒドロピラニル、
(g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド、および
(h)フェニル
から選択されるか、
またはRおよびRは、一体となって、C3−5アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成し;ここで、C3−5アルキレンは、1つまたは2つのRで必要に応じて置換され;
は、−OH、−CN、−OC1−3アルキル、ハロ、フェニルおよびC1−3アルキル(ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは−OHで必要に応じて置換される)から選択されるか、または
2つの置換基Rは、一体となって、C1−5アルキレンまたは−CHOCH−を形成するか、
またはnが1であり、RおよびRが一体となってCアルキレンを形成するとき、RおよびCアルキレン上の置換基Rは、一体となって、Cアルキレンを形成するが;
但し、同じ炭素原子上の2つの置換基Rは、両方ともがフルオロであることはなく、
が、窒素原子に隣接する炭素原子に結合しているとき、Rは、−OHでも、−OC1−3アルキルでも、ハロでもない)
またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
本明細書中以後において使用されるとき、句「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を意味し;すなわち、この句は、別段示されない限り、遊離塩基の形態または薬学的に許容され得る塩の形態の式(I)の化合物を意味する。
本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物も提供する。
別の態様において、本発明は、式(I)の特定の化合物を結晶性遊離塩基水和物として提供する。5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物は、約206℃〜約216℃、代表的には約209℃〜約214℃の範囲内に融解温度を有し、約245℃において分解を開始し、室温において約5%〜約90%の相対湿度の範囲に曝露されたとき、約0.12%未満の重量変化を示すと見出されている。
本発明は、哺乳動物の呼吸器疾患、特に、喘息を処置する方法であって、この方法が、治療有効量の本発明の化合物または薬学的組成物をその哺乳動物に投与する工程を含む、方法も提供する。別個の異なる態様では、本発明は、本発明の化合物の調製に有用な本明細書中に記載される合成プロセスおよび中間体も提供する。
本発明は、医学的治療において使用するための本明細書中に記載されるような本発明の化合物、ならびに哺乳動物の呼吸器疾患を処置するための製剤または薬の製造における本発明の化合物の使用も提供する。
本発明の様々な態様が、添付の図面を参照することにより例証される。
図1は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物の粉末X線回折(PXRD)パターンを示している。 図2は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示している。 図3は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物の熱重量分析(TGA)プロットを示している。 図4は、約25℃の温度において観測された5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物の動的水分吸着(dynamic moisture sorption)(DMS)の等温線を示している。
発明の詳細な説明
数ある態様の中でも、本発明は、式(I)のJAKキナーゼ阻害剤、それらの薬学的に許容され得る塩およびそれらを調製するための中間体を提供する。以下の置換基および値は、本発明の様々な態様の代表例を提供することを意図している。これらの代表的な値は、そのような態様をさらに定義することを意図しているのであって、他の値を排除することまたは本発明の範囲を限定することを意図しているのではない。
特定の態様において、Xは、式(II)の基:
Figure 2018531982
である。
別の特定の態様では、Xは、
Figure 2018531982
から選択され、式中、変数R、R、R、RおよびRは、式(I)におけるのと同様に定義されるか、または本明細書以後のように定義され、Rは、水素またはC1−3アルキルであり、R3aは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、ここで、C1−3アルキルは、−OHで必要に応じて置換される。別の態様において、R3aは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択される。
なおも別の態様において、Xは、
Figure 2018531982
から選択され、式中、変数R3a、RおよびRは、すぐ上に記載されたように定義されるか、または特に、R3aは、ハロであり、
Figure 2018531982
のピロリジン環は、C1−3アルキルで必要に応じて置換される。
なおも別の態様において、Xは、
Figure 2018531982
から選択され、式中、
は、C1−3アルキルであり;
は、水素、メチル、C2−4アルキル、C3−4シクロアルキルおよび
Figure 2018531982
から選択される。
特定の態様において、nは0または1である。別の特定の態様では、nは0である。なおも別の特定の態様では、nは1である。
特定の態様において、Rは、水素またはC1−3アルキルである。別の特定の態様では、Rは、水素である。
特定の態様において、Rは、水素またはC1−3アルキルである。別の特定の態様では、Rは、水素である。
特定の態様において、Rは、水素またはC1−3アルキルであるか;またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンを形成するか;またはnが1であるとき、Rは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、ここで、C1−3アルキルは、−OHで必要に応じて置換される。
別の特定の態様では、Rは、水素またはC1−3アルキルであるか;またはnが1であるとき、Rは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択される。
特定の態様において、RおよびRは、一体となって、Cアルキレンを形成する。
の特定の値としては、水素、−CH、−OH、−CHOHおよびフルオロが挙げられる。
特定の態様において、Rは、水素またはC1−3アルキルである。別の特定の態様では、Rは、水素である。
特定の態様において、Rは、水素、C1−3アルキル、−C(O)OC1−3アルキルおよびフェニルから選択されるか、またはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成する。
別の特定の態様では、RおよびRは、一体となって、Cアルキレンを形成する。
別の特定の態様では、Rは、水素またはC1−3アルキルである。なおも別の特定の態様では、Rは、水素である。
特定の態様において、Rは、水素またはC1−3アルキルである。別の特定の態様では、Rは、水素である。
特定の態様において、Rは、水素もしくはC1−3アルキルである、あるいは、nが0であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成する、またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンもしくはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成する;あるいはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキルで必要に応じて置換されるCアルキレンを形成する、またはRおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンもしくは−O−Cアルキレンを形成する。別の特定の態様では、nが1であるとき、RおよびRは、一体となって、−O−Cアルキレンを形成する。
別の特定の態様では、Rは、水素またはC1−3アルキルである。
特定の態様において、Rは、(a)水素、(b)−CN、フェニルまたはC3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル;(c)C2−6アルキル(ここで、C2−6アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、ハロから選択される1つまたは2つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってC2−3アルキレンを形成する);(d)C3−6シクロアルキル(ここで、C3−6シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、(e)オキセタニル、(f)テトラヒドロピラニル、(g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド、および(h)フェニルから選択されるか;またはRおよびRは、一体となって、C3−5アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成する。
別の特定の態様では、Rは、(a)水素、(b)C3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル;(c)C2−4アルキル(ここで、C2−4アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、C3−4シクロアルキルおよびハロから選択される1つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってCアルキレンを形成する);(d)C3−4シクロアルキル(ここで、C3−4シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される);(e)オキセタニル;(f)テトラヒドロピラニル;および(g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシドから選択される。
の特定の値としては、水素、−CH、−C、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、−CH(CH)C、−(CHCN、−CHCHF、−CHイソプロピル −CHシクロプロピル、−(CHOH、(CH2−3OCH、−(CH2−3SCH、−(CHCH(CH)SCH、テトラヒドロピラン−4−イル、ピリジン−4−イル、
Figure 2018531982
が挙げられる。
他の特定の態様において、Rは、水素、メチル、C2−4アルキル、C3−4シクロアルキル、および
Figure 2018531982
から、ならびに水素、メチル、C2−4アルキルおよび
Figure 2018531982
から選択される。
なおも別の特定の態様では、Rは、水素、メチル、C2−4アルキルおよびC3−4シクロアルキルから、または水素、メチル、C2−4アルキルおよびCシクロアルキルから選択される。
ある特定の態様において、本発明は、式(III)の化合物:
Figure 2018531982
(式中、変数Rは、本明細書中で定義されるとおりである)を提供する。
別の態様において、本発明は、式(IV)の化合物:
Figure 2018531982
(式中、変数Rは、本明細書中で定義されるとおりである)を提供する。
なおも別の態様において、本発明は、式(V)の化合物:
Figure 2018531982
(式中、変数RおよびRは、本明細書中で定義されるとおりである)を提供する。
別の態様において、本発明は、以下の化合物
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
4−(3−(5−(1−(sec−ブチル)アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
4−(3−(5−(1−シクロプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
4−(3−(5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−((3−メトキシシクロブチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
5−エチル−4−(3−(5−(2−(エチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−2−フルオロフェノール、
4−(3−(5−(2−(sec−ブチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
4−(3−(5−(3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロプロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
(R)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される化合物を提供する。
1つの態様において、本発明は、下記の実施例1〜18および表1〜19の化合物を提供する。
特定の態様において、本発明は、式(I)に含まれない、表3に開示されている化合物3−19、3−28および3−29を提供する。
化学構造は、本明細書中で、ChemDrawソフトウェア(PerkinElmer,Inc.,Cambridge,MA)に実装されているようなIUPACの慣例に従って命名される。例えば、実施例1の化合物:
Figure 2018531982
は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールと名付けられる。
さらに、式(I)の構造におけるテトラヒドロイミダゾピリジン部分のイミダゾ部分は、実施例1の化合物のフラグメントに対して下記に示される互変異性体として存在する。
Figure 2018531982
IUPACの慣例によると、これらの表示は、イミダゾール部分の原子の異なるナンバリングを生じさせる。
Figure 2018531982
構造は、ある特定の形態として示されているかまたは命名されているが、本発明は、それらの互変異性体も含むことが理解される。
本発明の化合物は、1つまたはそれより多くのキラル中心を含み得るので、そのような化合物(およびそれらの中間体)は、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー);立体異性体富化混合物などとして存在し得る。キラル中心に明確な立体化学なしに本明細書中に示されているまたは命名されているキラル化合物は、別段示されない限り、未確定の立体中心において存在し得る任意のまたはすべての立体異性体バリエーションを含むことを意図されている。特定の立体異性体の描写または呼称は、別段示されない限り、少量の他の立体異性体も存在し得ることの理解とともに、示されている立体中心が、指定の立体化学を有することを意味しているが、但し、描写されたまたは命名された化合物の有用性は、別の立体異性体の存在によって排除されない。
式(I)の化合物は、いくつかの塩基性基(例えば、アミノ基)も含むので、そのような化合物は、遊離塩基として、または様々な塩の形態(例えば、モノプロトン化塩の形態、ジプロトン化塩の形態、トリプロトン化塩の形態またはそれらの混合物)で存在し得る。別段示されない限り、そのような形態のすべてが、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、同位体で標識された式(I)の化合物、すなわち、原子が、同じ原子番号を有するが自然界で優勢である原子質量とは異なる原子質量を有する原子で置き換えられているかまたは富化されている式(I)の化合物も含む。式(I)の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、36Clおよび18Fが挙げられるが、これらに限定されない。トリチウムまたは炭素−14に富化した式(I)の化合物が特に興味深く、それらの化合物は、例えば、組織分布研究において使用され得る。また、特に代謝部位においてジュウテリウムに富化した式(I)の化合物も特に興味深く、それらの化合物は、より高い代謝的安定性を有すると予想される。さらに、陽電子放出同位体(例えば、11C、18F、15Oおよび13N)に富化した式(I)の化合物も特に興味深く、それらの化合物は、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)研究において使用され得る。
定義
様々な態様および実施形態を含む本発明を説明する際、以下の用語は、別段示されない限り、以下の意味を有する。
用語「アルキル」は、直鎖もしくは分枝鎖またはそれらの組み合わせであり得る一価の飽和炭化水素基を意味する。別段定義されない限り、そのようなアルキル基は、代表的には、1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(n−Pr)または(nPr)、イソプロピル(i−Pr)または(iPr)、n−ブチル(n−Bu)または(nBu)、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(t−Bu)または(tBu)、n−ペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルペンチル、2−プロピルペンチルなどが挙げられる。
用語「アルキレン」は、直鎖もしくは分枝鎖またはそれらの組み合わせであり得る二価の飽和炭化水素基を意味する。別段定義されない限り、そのようなアルキル基は、代表的には、1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキレン基の例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−などが挙げられる。
具体的な数の炭素原子が、特定の用語に対して意図されているとき、炭素原子の数は、その用語の前に示される。例えば、用語「C1−3アルキル」は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、ここで、それらの炭素原子は、直鎖または分枝鎖の配置を含む化学的に許容され得る任意の配置で存在する。
用語「シクロアルキル」は、単環式または多環式であり得る一価の飽和炭素環式基を意味する。別段定義されない限り、そのようなシクロアルキル基は、代表的には、3〜10個の炭素原子を含む。代表的なシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル(cPr)、シクロブチル(cBu)、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが挙げられる。
用語「複素環」、「複素環式」または「複素環式環」は、合計3〜10個の環原子を有する一価の飽和または部分不飽和の環式の非芳香族基を意味し、ここで、その環は、2〜9個の炭素環原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の環ヘテロ原子を含む。複素環式基は、単環式または多環式(すなわち、縮合または架橋)であり得る。代表的な複素環式基の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリル、インドリン−3−イル、2−イミダゾリニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、キヌクリジニル、7−アザノルボルナニル、ノルトロパニルなどが挙げられ、ここで、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素環原子に存在する。状況によって複素環式基の結合点が明らかである場合、そのような基は、代わりに、無価種、すなわち、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾール、テトラヒドロピランなどと称され得る。
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
用語「溶媒和物」は、溶質、すなわち、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の1つまたはそれより多くの分子、および溶媒の1つまたはそれより多くの分子によって形成される複合物または凝集物を意味する。そのような溶媒和物は、代表的には、実質的に固定のモル比の溶質および溶媒を有する結晶性固体である。代表的な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。溶媒が水であるとき、形成される溶媒和物は、特に、水和物と呼ばれる。
用語「治療有効量」は、処置を必要とする患者に投与されたとき、処置をもたらすのに十分な量を意味する。
用語「処置」は、本明細書中で使用されるとき、哺乳動物(特にヒト)などの患者における疾患、障害または病状(例えば、呼吸器疾患)の処置を意味し、それには、以下のうちの1つまたは複数のものが含まれる:
(a)疾患、障害または病状の発生を予防すること、すなわち、疾患もしくは病状の再発を予防すること、またはその疾患もしくは病状になりやすい患者の予防的処置;
(b)疾患、障害または病状を回復させること、すなわち、患者の疾患、障害もしくは病状を排除するかまたはそれらを後退させること(他の治療剤の効果を相殺することを含む);
(c)疾患、障害または病状を抑制すること、すなわち、患者の疾患、障害または病状の発症を遅延させるかまたは停止させること;または
(d)患者の疾患、障害または病状の症候を軽減すること。
用語「薬学的に許容され得る塩」は、患者または哺乳動物(例えば、ヒト)への投与が許容され得る塩(例えば、所与の投与レジメンについて許容され得る哺乳動物の安全性を有する塩)を意味する。代表的な薬学的に許容され得る塩としては、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エジシル酸(edisylic)、フマル酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucoronic)、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロチン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸およびキシナホ酸(xinafoic acid)などの塩が挙げられる。
用語「その塩」は、酸の水素がカチオン(例えば、金属カチオンまたは有機カチオンなど)によって置き換えられたときに形成される化合物を意味する。例えば、カチオンは、プロトン化型の式(I)の化合物、すなわち、1つまたはそれより多くのアミノ基が酸によってプロトン化されている形態であり得る。代表的には、塩は、薬学的に許容され得る塩であるが、これは、患者への投与が意図されていない中間体化合物の塩には求められない。
用語「アミノ保護基」は、アミノ窒素において望まれない反応を妨げるのに適した保護基を意味する。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル;アシル基、例えば、アルカノイル基(例えば、アセチルおよびトリ−フルオロアセチル);アルコキシカルボニル基(例えば、tertブトキシカルボニル(Boc));アリールメトキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc));アリールメチル基(例えば、ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチル);シリル基(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM));などが挙げられるが、これらに限定されない。数多くの保護基ならびにそれらの導入および除去は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New Yorkに記載されている。
一般的な合成手順
本発明の化合物およびそれらの中間体は、商業的に入手可能なまたは日常的に調製される出発物質および試薬を使用して、以下の一般的な方法および手順に従って調製され得る。以下のスキームにおいて使用される置換基および変数(例えば、R、R、R、Rなど)は、別段示されない限り、本明細書中の他の箇所に定義される意味と同じ意味を有する。さらに、酸性または塩基性の原子または官能基を有する化合物は、別段示されない限り、塩として使用され得るかまたは生成され得る(場合によっては、特定の反応において塩を使用するためには、その反応を行う前に、日常的な手順を使用して、その塩から非塩形態、例えば、遊離塩基に変換することが必要である)。
本発明の特定の実施形態が、以下の手順に示され得るかまたは記載され得るが、当業者は、本発明の他の実施形態または態様も、そのような手順を用いて、または当業者に公知の他の方法、試薬および出発物質を用いて、調製され得ることを認識する。特に、本発明の化合物は、反応体が異なる順序で混和されることにより最終生成物を生成する途中で異なる中間体が提供される種々のプロセス経路によって調製され得ることが認識される。
本発明の最終的な化合物を調製する一般的な方法は、スキーム1に示されるような重要な中間体1を利用する。変数R、R、RおよびRは、式(I)におけるのと同様に定義され、Rは、水素であり、Pgは、アミノ保護基、代表的にはBocを表し、R8aおよびR8bは、反応の完了時に基Rが形成されるように、すなわち、R8a−C(H)−R8bがRになるように、定義される。例えば、Rが、メチルであるとき、変数R8aおよびR8bは、R8a−C(=O)−R8bがホルムアルデヒドになるように、それぞれ水素である。イソプロピルとして定義されるRの場合、R8aおよびR8bは、R8a−C(=O)−R8bがアセトンになるように、それぞれメチルである。
スキーム1
Figure 2018531982
スキーム1において、中間体1は、アルデヒドまたはケトン2との反応によって還元的にN−アルキル化されて、保護された中間体3をもたらす。この反応は、代表的には、約2〜約4当量の還元剤の存在下の好適な不活性な希釈剤(例えば、ジクロロメタン、メタノール、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド)中、中間体1を約1〜約2当量の化合物2と接触させることによって行われる。必要に応じて、約2〜約3当量の酢酸が、この反応に含められ得る。この反応は、代表的には、約20℃〜約40℃の範囲内の温度において約2〜約48時間またはその反応が実質的に完了するまで行われる。代表的な還元剤としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
保護基は、代表的な条件下、中間体3から除去される。例えば、Boc基は、酸、代表的には、トリフルオロ酢酸または塩酸を含むジオキサンでの標準的な処理によって除去されて、中間体4をもたらし得、その中間体4は、第1の工程におけるのと同様の還元的アルキル化条件下、式R8a−C(=O)−R8bの化合物と反応して、最終的な化合物(I)’をもたらす。
式(II)の基が第三級窒素を含む化合物の場合、例えば、RおよびRが、一体となって、C3−5アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成する場合、最終的な化合物は、中間体1を中間体2’
Figure 2018531982
(ここで、式2の化合物のアミノ保護基Pgが、Rによって置換されている)と反応させることによって直接調製され得る。例えば、下記の実施例6および17において示されるように、式(IV)の最終的な化合物は、中間体1を式2”の化合物:
Figure 2018531982
と反応させることによって調製され得る。
中間体1を調製するための有用なプロセスが、スキーム2に示される。
スキーム2
Figure 2018531982
下記の調製9および10ならびにまた13および14に詳細に記載されるように、ブロモインダゾールアルデヒド5を、ベンジル保護されたイミン化合物6と反応させることにより、中間体7がもたらされる。この反応は、代表的には、重亜硫酸ナトリウムの存在下、約130℃〜約140℃の温度において約1〜約6時間またはこの反応が実質的に完了するまで行われる。生成物は、反応混合物からの沈殿、その後の遊離塩基化および再結晶により単離され得る。化合物7は、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)を用いて還元されることにより、化合物8がもたらされる。この反応は、メチルテトラヒドロフラン、メタノールおよび水から構成される希釈剤中で有利に行われる。
生成物8を遊離塩基または塩酸塩として単離することにより、優れた純度の生成物が得られる。中間体8は、代表的なSuzuki−Miyauraカップリング条件下で、保護されたフェニルトリフルオロボレート9と混和されることにより、中間体10がもたらされる。この反応は、代表的には、パラジウム触媒の存在下、高温で行われる。必要に応じて、このSuzukiカップリング反応は、調製16に記載されているように、ビス(ピナコラト)ホウ素と二フッ化水素カリウムとの反応によって調製されるさらなる作用物質を含めることによって促進される。最後に、中間体10のベンジル基が、代表的な条件下、例えば、パラジウム触媒の存在下の水素雰囲気中にて除去されることにより、中間体1がもたらされる。
スキーム2の第1の工程において使用されたイミン化合物6は、ピリジンジアミンを臭化ベンジルと反応させることによって好都合に調製され、臭化水素酸塩として供給される。調製8に記載されているように、トリフルオロホウ酸カリウム塩としてスキーム2に示されているSuzukiパートナー9は、臭化ベンジルとの反応によって4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロフェノールをベンジル保護し、そのベンジル保護されたフェノールをビス(ピナコラト)ジボロンと反応させることによりボロネートを調製し、続いてそれを二フッ化水素カリウムと反応させて中間体9を得ることによって、調製され得る。あるいは、ボロネート中間体を、トリフルオロボレート9の代わりに使用することができる。
したがって、ある方法の態様において、本発明は、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を調製するプロセスを提供し、そのプロセスは、(a)式1の化合物を式2の化合物と反応させることにより、式3の中間体を得る工程、(b)中間体3を脱保護することにより、中間体4を得る工程、および(c)中間体4をR8a−C(=O)−R8bと反応させることにより、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を得る工程を含む。本発明は、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を調製するプロセスをさらに提供し、そのプロセスは、式1の化合物を式2”の化合物と反応させることにより、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を得る工程を含む。
さらなる方法の態様において、本発明は、式1の化合物を調製するプロセスを提供し、そのプロセスは、(a)式8の化合物を式9の化合物と反応させることにより、式10の化合物を得る工程、および(b)式10の化合物を脱保護することにより、式1の化合物を得る工程を含む。
なおも別の態様において、本発明は、中間体1の調製において有用な式8の化合物およびその塩酸塩を提供する。
結晶形態
別の態様において、本発明は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物を提供する。
本発明の結晶性水和物は、実施例6の化合物の結晶性の遊離塩基である。1つの態様において、その結晶性水和物は、数あるピークの中でも、6.20±0.20、9.58±0.20、17.53±0.20、19.28±0.20および21.51±0.20の2θ値において有意な回折ピークを有する粉末X線回折(PXRD)パターンを特徴とする。その結晶性水和物は、10.34±0.20、11.54±0.20、12.77±0.20、13.01±0.20、16.94±0.20、20.61±0.20および22.10±0.20から選択される2θ値において、2つまたは2つ超のさらなる回折ピーク(3つまたは3つ超、および4つまたは4つ超のさらなる回折ピークを含む)を有するPXRDパターンをさらに特徴とし得る。別の態様において、その結晶性水和物は、6.20±0.20、9.58±0.20、10.34±0.20、11.54±0.20、12.77±0.20、13.01±0.20、16.94±0.20、17.53±0.20、19.28±0.20、20.61±0.20、21.51±0.20および22.10±0.20の2θ値において回折ピークを有するPXRDパターンを特徴とする。
粉末X線回折の分野で周知であるように、PXRDスペクトルのピーク位置は、相対的ピーク高さよりも、比較的、実験の詳細(例えば、サンプル調製および装置のジオメトリの詳細)に感受性でない。したがって、1つの態様において、結晶性水和物は、ピーク位置が、図1に示されるものと実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする。
別の態様では、上記結晶性水和物は、高温に曝露されたときの挙動によって特徴付けられる。図2に示されているように、10℃/分の加熱速度で記録された示差走査熱量測定(DSC)トレースは、約83℃から始まり、約128℃にピークを有する脱溶媒和吸熱、および約209℃〜約214℃を含む約206℃〜約216℃の範囲内において、融解転移として特定される吸熱熱流のピークを示す。図3の熱重量分析(TGA)トレースは、約112℃の温度における脱溶媒和開始および約250℃の温度における分解開始を示している。このTGAプロファイルは、水の損失として解釈され得、3.65%という一水和物での水の理論上の重量百分率に匹敵し得る、約3.86%の重量減少を190℃において示す。したがって、本発明の結晶性水和物は、一水和物であると考えられる。
本発明の結晶性水和物は、吸湿性が例外的に小さい傾向を有する可逆的な吸着/脱着プロファイルを有すると実証された。形態Iは、図4に示されているように、5%〜90%の相対湿度の湿度範囲において約0.12%未満の重量増加を示した。ヒステリシスは、吸着および脱着の2サイクルにおいて観測されなかった。本発明の結晶性水和物は、非吸湿性であると考えられる。
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物は、式1の中間体と1−メチルピペリジン−4−オンとの還元的N−アルキル化反応の反応生成物のスラリーのスラリー形態変換によって好都合に調製される。アンモニア水による還元的N−アルキル化反応の最初のクエンチの後、得られたスラリーは、プロトン性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはn−プロピルアルコールで希釈され、約40℃〜約60℃の温度にて約1〜約24時間または溶媒和物の形態への変換が完了するまで加熱される。熱い間に、水を貧溶媒(antisolvent)として加えることにより、反応生成物の溶媒和物を沈殿させて、それを、例えば約10℃まで冷却する。その沈殿物は、水とプロトン性溶媒との1:1混合物で洗浄される。代表的には、その溶媒和物は、還元的アルキル化反応を行った希釈剤、プロトン性溶媒および水を含む。
本発明の結晶性水和物へのスラリー形態変換は、有機溶媒とともに約1〜約30%v/vの水を含む希釈剤中で、上に記載されたように形成された溶媒和物のスラリーまたは非晶質の5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールのスラリーを形成することによって行われる。この形態変換に有用な有機溶媒としては、メタノール、テトラヒドロフラン、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、酢酸イソプロピルおよびアセトンが挙げられるが、これらに限定されない。この形態変換は、必要に応じて、加熱、例えば、約40℃〜約60℃における約1時間〜約2日間または形態変換が完了するまでの加熱を含む。実施例17に記載されているように、メタノールが、最初の工程におけるプロトン性溶媒として有用であるが、アセトンが、スラリー形態変換にとって特に有用である。
したがって、方法の態様において、本発明は、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物を調製する方法を提供し、その方法は、(a)メタノール、テトラヒドロフラン、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、酢酸イソプロピルおよびアセトンから選択される有機溶媒とともに約1〜約30%v/vの水を含む希釈剤中、溶媒和物または非晶質の形態の5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールのスラリーを形成する工程、(b)そのスラリーを約40℃〜約60℃の温度において約1時間〜約2日間加熱する工程、および(c)そのスラリーから結晶性水和物を単離する工程を含む。
薬学的組成物
本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容され得る塩は、通常、薬学的組成物または製剤の形態で使用される。そのような薬学的組成物は、吸入によって患者に有利に投与されてよい。加えて、薬学的組成物は、任意の許容され得る投与経路によって投与されてよく、その投与経路としては、経口、直腸、経鼻、局所(経皮を含む)および非経口的な投与形式が挙げられるがこれらに限定されない。
したがって、上記組成物の態様の1つにおいて、本発明は、薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤および式(I)の化合物を含む薬学的組成物に関し、ここで、上で定義されたように、「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を意味する。必要に応じて、そのような薬学的組成物は、所望であれば、他の治療剤および/または製剤化剤を含んでもよい。組成物およびその使用を論じる際、「本発明の化合物」は、本明細書中で「活性な作用物質」と称されることがある。本明細書中で使用されるとき、用語「本発明の化合物」は、式(I)によって包含されるすべての化合物、ならびに式(III)、(IV)および(V)において具体化される種ならびにそれらの薬学的に許容され得る塩を含むことを意図されている。
本発明の薬学的組成物は、通常、治療有効量の本発明の化合物を含む。しかしながら、薬学的組成物は、治療有効量より多い、すなわち、大量の組成物または治療有効量より少ない、すなわち、治療有効量を達成するための複数回投与のためにデザインされた個別の単位用量を含むことがあることを当業者は認識する。
代表的には、そのような薬学的組成物は、約0.01重量%〜約95重量%の活性な作用物質(例えば、約0.05重量%〜約30重量%、および約0.1重量%〜約10重量%の活性な作用物質が挙げられる)を含む。
任意の従来のキャリアまたは賦形剤を、本発明の薬学的組成物において使用してもよい。特定のキャリアもしくは賦形剤、またはキャリアもしくは賦形剤の組み合わせの選択は、特定の患者を処置するために用いられる投与様式、または病状もしくは疾患状態のタイプに依存する。この点において、特定の投与様式に対して好適な薬学的組成物の調製は、十分に薬学分野の当業者の技術の範囲内である。さらに、本発明の薬学的組成物において使用されるキャリアまたは賦形剤は、商業的に入手可能である。さらなる例証として、従来の製剤化の手法は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Maryland(2000);およびH.C.Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Maryland(1999)に記載されている。
薬学的に許容され得るキャリアとして機能し得る材料の代表例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロース(例えば、微結晶性セルロース)およびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ろう);油(例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および薬学的組成物において使用される他の無毒性の適合性物質。
薬学的組成物は、代表的には、活性な作用物質を薬学的に許容され得るキャリアおよび1つまたはそれより多くの任意選択の成分と十分かつ完全に混合または混和することによって調製される。次いで、得られた均一に混和された混合物は、従来の手順および器具を用いて、錠剤、カプセル剤、丸剤などに成形されてもよく、錠剤、カプセル剤、丸剤などの中に入れられてもよい。
1つの態様において、薬学的組成物は、吸入投与に適している。吸入投与用の薬学的組成物は、代表的には、エアロゾルまたは粉末の形態である。そのような組成物は、一般に、吸入送達デバイス(例えば、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量吸入器(MDI)、噴霧吸入器または同様の送達デバイス)を用いて投与される。
特定の実施形態において、薬学的組成物は、乾燥粉末吸入器を用いる吸入によって投与される。そのような乾燥粉末吸入器は、代表的には、薬学的組成物を、吸息の際に患者の気流中に分散している自由流動性粉末として投与する。自由流動性粉末組成物を得るために、本治療薬は、代表的には、好適な賦形剤(例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、デキストロース、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチド−co−グリコリド(PLGA)またはそれらの組み合わせ)を用いて製剤化される。代表的には、本治療薬は、微粒子化され、好適なキャリアと混和されることにより、吸入に適した組成物を形成する。
乾燥粉末吸入器において使用するための代表的な薬学的組成物は、ラクトースおよび本発明の化合物を微粒子化された形態で含む。そのような乾燥粉末組成物は、例えば、乾式粉砕されたラクトースを本治療薬と混和し、次いで、それらの構成要素を乾式混合することによって、作製され得る。次いで、その組成物は、代表的には、乾燥粉末ディスペンサー、または乾燥粉末送達デバイスと共に使用するための吸入カートリッジもしくはカプセル中に充填される。
吸入による治療薬の投与に適した乾燥粉末吸入送達デバイスは、当該分野において説明されており、そのようなデバイスの例は、商業的に入手可能である。例えば、代表的な乾燥粉末吸入送達デバイスまたは製品としては、Aeolizer(Novartis);Airmax(IVAX);ClickHaler(Innovata Biomed);Diskhaler(GlaxoSmithKline);Diskus/Accuhaler(GlaxoSmithKline);Ellipta(GlaxoSmithKline);Easyhaler(Orion Pharma);Eclipse(Aventis);FlowCaps(Hovione);Handihaler(Boehringer Ingelheim);Pulvinal(Chiesi);Rotahaler(GlaxoSmithKline);SkyeHaler/Certihaler(SkyePharma);Twisthaler(Schering−Plough);Turbuhaler(AstraZeneca);Ultrahaler(Aventis);などが挙げられる。
別の特定の実施形態において、薬学的組成物は、定量吸入器を用いて吸入によって投与される。そのような定量吸入器は、代表的には、圧縮された噴射剤ガスを用いて、ある測定された量の治療薬を排出する。したがって、定量吸入器を用いて投与される薬学的組成物は、代表的には、液化噴射剤における治療薬の溶液または懸濁液を含む。ヒドロフルオロアルカン(HFA)(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(HFA227));およびクロロフルオロカーボン(例えば、CClF)をはじめとする、任意の好適な液化噴射剤を使用してよい。特定の実施形態において、噴射剤は、ヒドロフルオロアルカンである。いくつかの実施形態において、ヒドロフルオロアルカン製剤は、共溶媒(例えば、エタノールまたはペンタン)および/または界面活性剤(例えば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、レシチンおよびグリセリン)を含む。
定量吸入器において使用するための代表的な薬学的組成物は、約0.01重量%〜約5重量%の本発明の化合物;約0重量%〜約20重量%のエタノール;および約0重量%〜約5重量%の界面活性剤を含み;残りは、HFA噴射剤である。そのような組成物は、代表的には、冷却されたまたは加圧されたヒドロフルオロアルカンを、上記治療薬、エタノール(存在する場合)および界面活性剤(存在する場合)を含む好適な容器に加えることによって調製される。懸濁液を調製するために、上記治療薬は、微粒子化され、次いで、噴射剤と混和される。次いで、その組成物は、エアロゾルキャニスター(これは通常、定量吸入器デバイスの一部を形成する)中に充填される。
吸入による治療薬の投与に適した定量吸入器デバイスは、当該分野において説明されており、そのようなデバイスの例は、商業的に入手可能である。例えば、代表的な定量吸入器デバイスまたは製品としては、AeroBid Inhaler System(Forest Pharmaceuticals);Atrovent Inhalation Aerosol(Boehringer Ingelheim);Flovent(GlaxoSmithKline);Maxair Inhaler(3M);Proventil Inhaler(Schering);Serevent Inhalation Aerosol(GlaxoSmithKline);などが挙げられる。
別の特定の態様において、薬学的組成物は、噴霧吸入器を用いて吸入によって投与される。そのような噴霧器デバイスは、代表的には、薬学的組成物が患者の気道中へ運ばれるミストとして噴霧されるようにする高速の空気流をもたらす。したがって、噴霧吸入器において使用するために製剤化されるとき、上記治療薬を、好適なキャリアに溶解させて、溶液を形成させることができる。あるいは、上記治療薬は、微粒子化されるかまたはナノ粉砕され、好適なキャリアと混和されて、懸濁液を形成し得る。
噴霧吸入器において使用するための代表的な薬学的組成物は、約0.05μg/mL〜約20mg/mLの本発明の化合物および噴霧製剤と適合する賦形剤を含む溶液または懸濁液を含む。1つの実施形態において、その溶液は、約3〜約8のpHを有する。
吸入による治療薬の投与に適した噴霧器デバイスは、当該分野で説明されており、そのようなデバイスの例が、商業的に入手可能である。例えば、代表的な噴霧器デバイスまたは製品としては、Respimat Softmist Inhalaler(Boehringer Ingelheim);AERx Pulmonary Delivery System(Aradigm Corp.);PARI LC Plus Reusable Nebulizer(Pari GmbH);などが挙げられる。
あるいは、なおも別の態様において、本発明の薬学的組成物は、経口投与が意図された剤形で調製され得る。経口投与に好適な薬学的組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、舐剤、カシェ剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤の形態であり得るか;または水性もしくは非水性液体の溶液、もしくは水性もしくは非水性液体の懸濁液として存在し得るか;または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンとして存在し得るか;またはエリキシル剤もしくはシロップ剤などとして存在し得;それらの各々は、所定の量の本発明の化合物を活性成分として含んでいる。
固形剤形での経口投与が意図されているとき、本発明の薬学的組成物は、通常、活性な作用物質および1つまたはそれより多くの薬学的に許容され得るキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸水素カルシウム)を含む。必要に応じてまたは代替的に、そのような固形剤形は、充填剤または増量剤、結合剤、保湿剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、滑沢剤、着色剤、および緩衝剤も含み得る。離型剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味料、香味料および香料、保存剤ならびに酸化防止剤も、本発明の薬学的組成物中に存在し得る。
代替の製剤としては、制御放出製剤、経口投与用の液体剤形、経皮パッチおよび非経口製剤も挙げられ得る。従来の賦形剤およびそのような代替の製剤の調製方法は、例えば、Remingtonによる前出の参考文献中に記載されている。
以下の非限定的な例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例証する。
乾燥粉末組成物
式(I)の微粒子化された化合物(1g)を、粉砕ラクトース(25g)と混和する。次いで、この混和された混合物を、1用量あたり約0.1mg〜約4mgの式Iの化合物を提供するのに十分な量で、剥離可能なブリスター包装の個々のブリスター中に入れる。それらのブリスターの内容物が、乾燥粉末吸入器を用いて投与される。
乾燥粉末組成物
式(I)の微粒子化された化合物(1g)を、粉砕ラクトース(20g)と混和することにより、1:20という化合物対粉砕ラクトースの重量比を有するバルク組成物を形成する。その混和された組成物は、1用量あたり約0.1mg〜約4mgの式Iの化合物を送達することができる乾燥粉末吸入デバイスに詰められる。
定量吸入器用組成物
式(I)の微粒子化された化合物(10g)を、レシチン(0.2g)を脱塩水(200mL)に溶解させることによって調製された溶液中に分散させる。得られた懸濁液を噴霧乾燥し、次いで、微粒子化することにより、約1.5μm未満の平均直径を有する粒子を含む微粒子化された組成物が形成される。次いで、その微粒子化された組成物は、定量吸入器によって投与されるとき、1用量あたり約0.1mg〜約4mgの式Iの化合物を提供するのに十分な量で、加圧された1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含む定量吸入器カートリッジ中に充填される。
噴霧器用組成物
式(I)の化合物(25mg)を、1.5〜2.5当量の塩酸を含む溶液に溶解させた後、pHを3.5〜5.5に調整するための水酸化ナトリウム、および3重量%のグリセロールを加える。すべての構成要素が溶解するまで、その溶液を十分撹拌する。その溶液は、1用量あたり約0.1mg〜約4mgの式Iの化合物を提供する噴霧器デバイスを用いて投与される。
有用性
本発明のJAK阻害剤は、気道の炎症性および線維性疾患の処置のためにデザインされた。特に、上記化合物は、全身曝露を制限しつつ、強力な抗サイトカイン剤を肺の中の呼吸器疾患の作用部位に直接送達できるようにデザインされた。
本発明の化合物は、JAKファミリーの酵素:JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2の強力な阻害剤であることが示された。さらに、前記化合物は、細胞アッセイにおいて、細胞傷害性を示さずに炎症促進性および線維化促進性(pro−fibrotic)サイトカインの強力な阻害を示した。JAK阻害剤の広範な抗炎症作用は、正常な免疫細胞の機能を抑制する可能性があり、感染リスクの上昇につながる恐れがあると認識されている。ゆえに、本発明の化合物は、肺から血漿への吸収を制限するように最適化されているので、免疫抑制のリスクが最小限に抑えられている。
下記の実験の項に記載されているように、代表的な化合物の吸収および分布を、前臨床アッセイにおいてプロファイルした。マウスにおいて試験された、選択された化合物は、肺組織における高濃度と血漿中への低吸収を同時に示した。マウスにおいて試験された化合物は、血漿中での曝露よりも1〜2桁大きい肺中での曝露を示した。前記化合物は、約5時間を超える肺内半減期によって証明されるように、有意なマウス肺内保持も示した。重要なことには、マウス肺における試験化合物の濃度は、JAK酵素阻害の予測される薬力学的作用と相関することが示された。本発明の化合物は、マウス肺組織において炎症促進性サイトカインIL−13の作用を阻害することが示された。詳細には、本発明の化合物は、肺組織において、IL−13によって誘導されるSTAT6のリン酸化の用量依存的および濃度依存的な阻害を示し、これは、インビボにおける局所的な肺内JAK標的の関与の証拠を提供する。この作用は、試験化合物の投与の4時間後に炎症促進性サイトカインIL−13を投与したとき観測され、これは、有意な肺内保持の証拠をさらに提供する。
試験された化合物は、細胞レベルにおける強力な阻害活性と肺組織における有意な保持の両方を示すことが実証された。本発明者らによる広範な調査は、細胞レベルにおいて強力な化合物または有意な肺内保持を示す化合物を特定することが可能である一方、望ましい両方の特徴を同時に示す化合物を発見することははるかに難しいことを明らかにした。
2つのアミノ窒素原子を含む本発明の化合物のジアミノ構造は、細胞効力と肺内保持の両方の基準を満たす際に重要であることが示された。下記のアッセイの項に記載されるように、式(II)の基における窒素原子が炭素原子で置き換えられている化合物は、両方の基準を満たさない。そのようなモノアミノ化合物は、細胞レベルにおいて、対応するジアミノ化合物よりも著しく低い効力であるだけでなく、薬力学的アッセイにおいて有意な阻害を示すこともなく、本発明の化合物が有意な肺内保持を示す同じアッセイ条件下の肺組織において高濃度を示すこともない。
さらに、本発明の化合物は、噴霧による投与用の製剤と適合するpH値において十分な溶解度を示すことが実証された。溶解度は、吸入による投与が意図された化合物の毒性試験にも関連し得る。溶解していない粒子状物質の吸入による投与は、毒性試験中の肺への有害作用に関連し得ることが観測された(Jonesら、Xenobiotica,2011,1−8)。本発明の化合物の溶解度は、吸入による毒性の評価も容易にし得る。
JAK阻害剤の抗炎症活性は、喘息の前臨床モデルにおいて確実に証明されている(Malaviyaら、Int Immunopharmacol,2010,10,829,−836;Matsunagaら、Biochem and Biophys Res Commun,2011,404,261−267;Kudlaczら、Eur J Pharmacol,2008,582,154−161)。したがって、本発明の化合物は、炎症性呼吸器障害、特に、喘息の処置に有用であると予想される。肺の炎症および線維症は、喘息に加えて、他の呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫および閉塞性細気管支炎)に特徴的である。ゆえに、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫および閉塞性細気管支炎の処置にも有用であると予想される。
ゆえに、1つの態様において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)の呼吸器疾患を処置する方法であって、その方法が、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容され得るキャリアおよび本発明の化合物を含む薬学的組成物をその哺乳動物に投与する工程を含む、方法を提供する。
1つの態様において、呼吸器疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫または閉塞性細気管支炎である。別の態様において、呼吸器疾患は、喘息または慢性閉塞性肺疾患である。
本発明はさらに、哺乳動物の喘息を処置する方法であって、その方法が、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容され得るキャリアおよび本発明の化合物を含む薬学的組成物をその哺乳動物に投与する工程を含む、方法を提供する。
本発明の化合物は、喘息を処置するために使用されるとき、通常、1日1回または1日あたり複数回で投与され得るが、他の投与形態を使用してもよい。1用量ごとに投与される活性な作用物質の量または1日ごとに投与される総量は、通常、処置される症状、選択される投与経路、投与される実際の化合物およびその相対的な活性、個別の患者の年齢、体重および反応、患者の症候の重症度などを含む関連する状況に照らして、医師によって決定される。
本発明の化合物は、以下の実施例に記載されるように、酵素結合アッセイにおいてJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2酵素の強力な阻害剤であること、細胞アッセイにおいて細胞傷害性なしに強力な機能活性を有すること、および前臨床モデルにおいてJAK阻害の薬力学的作用を発揮することが実証された。
以下の合成および生物学の実施例は、本発明を例証するために提供されるのであって、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。下記の実施例では、以下の省略形は、別段示されない限り、以下の意味を有する。下記に定義されない省略形は、それらの一般に認められている意味を有する。
ACN=アセトニトリル
CPME=シクロペンチルメチルエーテル
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAc=ジメチルアセトアミド
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc=酢酸エチル
h=時間
IPAc=酢酸イソプロピル
KOAc=酢酸カリウム
MeOH=メタノール
MeTHF=2−メチルテトラヒドロフラン
min=分
MTBE=メチルtert−ブチルエーテル
NMP=N−メチル−2−ピロリドン
Pd(amphos)Cl=ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)−ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)
Pd(dppf)Cl=ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)ジパラジウム(II)
Pd(PPh=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pd(t−BuP)=ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)
RT=室温
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
ビス(ピナコラト)ジボロン=4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル]
試薬および溶媒は、商業的供給業者(Aldrich、Fluka、Sigmaなど)から購入し、さらに精製せずに使用した。反応混合物の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分析用高速液体クロマトグラフィー(anal.HPLC)および質量分析法によってモニターした。反応混合物は、各反応において具体的に記載されるようにワークアップした。通常、それらは、抽出および他の精製方法(例えば、温度依存性および溶媒依存性の結晶化および沈殿)によって精製した。さらに、反応混合物は、代表的にはC18またはBDSカラムパッキングおよび従来の溶離剤を用いる、カラムクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって通例のように精製した。代表的な分取HPLC条件は、下記に記載される。
反応生成物の特徴付けは、質量分析法およびH−NMR分光法によって通例のように行った。NMR解析の場合、サンプルを重水素化溶媒(例えば、CDOD、CDClまたはd−DMSO)に溶解させ、標準的な観測条件下でVarian Gemini 2000装置(400MHz)を用いてH−NMRスペクトルを取得した。化合物の質量分析同定は、自動精製システムに連結された、Applied Biosystems(Foster City,CA)のモデルAPI 150 EX装置またはWaters(Milford,MA)の3100装置を用いるエレクトロスプレーイオン化法(ESMS)によって行った。
分取HPLC条件
カラム:C18、5μm. 21.2×150mmまたはC18、5μm 21×250またはC14 5μm 21×150mm
カラム温度:室温
流速:20.0mL/分
移動相:A=水+0.05%TFA
B=ACN+0.05%TFA、
注入体積:(100〜1500μL)
検出器の波長:214nm
粗化合物を約50mg/mLで1:1水:酢酸に溶解させた。4分間の分析スケールの試験ランを、2.1×50mm C18カラムを用いて行った後、15または20分間の分取スケールのランを、分析スケールの試験ランの%B保持に基づくグラジエントを伴う100μLの注入を用いて行った。正確なグラジエントは、サンプル依存的であった。近くを流れる(close running)不純物を含むサンプルは、最善の分離のために21×250mm C18カラムおよび/または21×150mm C14カラムを用いて調べた。所望の生成物を含む画分を質量分析によって特定した。
分析用HPLC条件
方法A
カラム:Advanced Material Technology HALO(登録商標) C18(2)、150×4.60nm、2.7ミクロン
カラム温度:30℃
流速:1.0mL/分
注入体積:5μL
サンプル調製:1:1ACN:水に溶解
移動相:A=水:ACN:TFA(98:2:0.1)
B=水:ACN:TFA(30:70:0.1)
検出器の波長:254nm
グラジエント:全22分(時間(分)/%B):0/30、15/100、18/100、20/30、22/30
方法B
カラム:Agilent Zorbax Bonus−RP C18、150×4.60nm、3.5ミクロン
カラム温度:40℃
流速:1.5mL/分
注入体積:5μL
サンプル調製:1:1ACN:1M HClに溶解
移動相:A=水:TFA(99.95:0.05)
B=ACN:TFA(99.95:0.05)
検出器の波長:254nmおよび214nm
グラジエント:全26分(時間(分)/%B):0/5、18/90、22/90、22.5/90、26/5
方法C
カラム:Agilent Poroshell 120 Bonus−RP、4.6×150mm、2.7μm
カラム温度:30℃
流速:1.5mL/分
注入体積:10μL
移動相:A=ACN:水:TFA(2:98:0.1)
B=ACN:水:TFA(90:10:0.1)
サンプル調製:移動相Bに溶解
検出器の波長:254nmおよび214nm
グラジエント:全60分(時間(分)/%B):0/0、50/100、55/100、55.1/0、60/0
調製1:1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロベンゼン
Figure 2018531982
(a)5−エチル−2−フルオロフェノール
化合物5−ブロモ−2−フルオロフェノール(80g,419mmol)を含む乾燥テトラヒドロフラン(800mL)の混合物を脱気し、窒素を3回パージし、Pd(t−BuP)(4.28g,8.38mmol)を加えた。ジエチル亜鉛(114g,921mmol)をその混合物に25℃で滴下し、その反応混合物を50℃において12時間、窒素下で撹拌し、ゆっくり氷水(1L)に注ぎ込んだ。EtOAc(350mL)を加え、その反応混合物を20分間撹拌し、濾過した。濾過ケークをEtOAcで洗浄した(3×500mL)。合わせた有機層をブライン(600mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題中間体(85g,粗)を黄色油状物として得た。
(b)2−(ベンジルオキシ)−4−エチル−1−フルオロベンゼン
前の工程の生成物(85g,606mmol)を含むACN(850mL)の溶液に、臭化ベンジル(124g,728mmol)およびKCO(126g,909mmol)を加えた。その反応混合物を25℃で12時間撹拌し、水(1L)に注ぎ込み、EtOAcで抽出した(4×500mL)。合わせた有機層をブライン(600mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題中間体(100g)を黄色油状物として得た。
(c)1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロベンゼン
前の工程の生成物(100g,434mmol)を含むACN(1.0L)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(85g,477mmol)を少しずつ加えた。その反応混合物を25℃で5時間撹拌し、水(1.3L)に注ぎ込み、EtOAcで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をブライン(800mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(83g)を黄色油状物として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 7.27-7.43 (m, 6H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 2.64 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.15 (t, J = 7.2 Hz, 1H).
調製2:2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
Figure 2018531982
調製1の化合物(83g,268mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(102g,402mmol)およびKOAc(79.0g,805mmol)を含むジオキサン(830mL)の混合物を脱気し、窒素を3回パージし、Pd(dppf)Cl(3.93g,5.37mmol)を加えた。その反応混合物を120℃において4時間、窒素下で撹拌した。その混合物を25℃に冷却し、水(1L)に注ぎ込み、EtOAcで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をブライン(800mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。その生成物をメタノール(200mL)で洗浄し、濾過し、濾過ケークを乾燥させることにより、表題化合物(65g)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm) 7.26-7.42 (m, 5H), 6.74 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 2.76 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.25 (s, 12 H), 1.06 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
調製3:1−ベンジル−4−イミノ−1,4−ジヒドロピリジン−3−アミン
Figure 2018531982
ピリジン−3,4−ジアミン(200g,1.8mol)を含むACN(17.0L)の溶液に、臭化ベンジル(306g,1.79mol)を加え、その反応混合物を15℃で12時間撹拌し、濾過し、濾過ケークを真空下で乾燥させることにより、表題化合物(250g)を白色固体として得た。1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz) δ (ppm) 8.02 (dd, J =7.2, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.34-7.41 (m, 5H), 6.79 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.62 (s, 2H), 5.36 (s, 2H).
調製4:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
(a)6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル−カルボアルデヒド
NaNO(704g,10.2mol)を含む水(1L)の溶液を、6−ブロモ−1H−インドール(400g,2.0mol)を含むアセトン(7L)の溶液に10℃で滴下した。その反応混合物を10℃で30分間撹拌し、激しく撹拌しながら内部温度を10〜25℃に維持しつつ、3M HCl水溶液(437mL)をゆっくり加えた。その溶液を20℃で3時間撹拌し、温度を35℃より低く維持しつつ、濃縮した。固体を濾過により収集した。濾過ケークを1:2石油エーテル:MTBE(800mL)で洗浄した。固体を濾過により収集し、真空下で乾燥させることにより、表題中間体(450g)を黒茶色固体として得た。1H NMR (CH3OD, 400 MHz) δ (ppm) 7.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.22 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H).
b)5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル−カルボアルデヒド(150.0g,666mmol,)および1−ベンジル−4−イミノ−1,4−ジヒドロピリジン−3−アミン(127.5g,639.9mmol)を含むDMF(750mL)の撹拌溶液に、NaHSO(83.2g,799.9mmol)を投入し、その反応混合物を140℃で6時間撹拌し、水(3.5L)に注ぎ込んだ。沈殿物を濾過し、水(1L)で洗浄することにより、表題化合物(180g)を黒茶色固体として得た。1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz) δ (ppm) 8.69 (s, 1H) 8.71 (d, J = 7.2 Hz, 1H) 8.37 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 8.07 (d, J = 6.4 Hz, 1H) 7.97 (s, 1H) 7.38-7.43(m, 3H) 7.50-7.54 (m, 4H) 5.87 (s, 2H).
調製5:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(23.0g,56.9mmol)を含むMeOH(200mL)およびTHF(1L)の溶液に、NaBH(12.9g,341.3mmol)を少しずつ加え、その反応混合物を50℃で2時間撹拌した。酢酸(10当量)を加え、その溶液を濃縮乾固させ、シリカゲルクロマトグラフィー(30gシリカ,0.1%TEAを含む0〜10%MeOH/DCM)によって精製することにより、表題化合物(6.0g)を得た。1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz) δ (ppm) 8.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.28 - 7.37 (m, 7H), 3.74 (s, 2H), 3.48 (br.s, 2H), 2.80 (s, 2H), 2.66 (s, 2H).
調製6:5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−カルボキシレート
2つの反応を並行して行った。5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(80g,196mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(128g,587.8mmol,135mL)およびTEA(79.3g,784mmol,109mL)を含むDCM(1L)の懸濁液を20℃で12時間撹拌した。その2つの反応懸濁液を合わせ、濃縮乾固させ、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc10:1〜0:1)によって精製することにより、表題中間体(170.0g)を得た。
(b)5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
2つの反応を並行して行った。前の工程の生成物(85g,140mmol)およびMeOH中4MのHCl(400mL)を含むDCM(400mL)の溶液を25℃で12時間撹拌した。その反応混合物を合わせ、濃縮乾固させ、DCM(250mL)を撹拌しながら加え、その反応混合物を30分間撹拌し、濾過した。濾過ケークをDCMで洗浄し(2×20mL)、乾燥させることにより、表題化合物(85g)をオフホワイトの固体として得た。
(c)5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
85個の反応を並行して行った。前の工程の生成物(1.0g,2.5mmol)、2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(873mg,2.5mmol)およびPd(PPh(227mg,196.μmol)を水(4mL)およびジオキサン(10mL)の混合物に溶解させた。その反応バイアルを2分間窒素でバブリングし、速やかに窒素下でNaCO(779mg,7.4mmol)を加えた。その反応混合物を130℃で1.5時間加熱した。85個の反応混合物を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(500mL)に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(150gシリカ,DCM:THF(6:1〜3:1)で溶出される)によって精製することにより、化合物表題化合物(50g)をオフホワイトの固体として得た。
調製7:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(44.5g,79.8mmol)、Pd(OH)/C(25g,2.7mmol,50%純度)およびTFA(44.5g,390mmol,28.9mL)を含むMeOH(500mL)の混合物を水素(50Psi)下で4時間撹拌し、濾過した。その濾液に、Pd(OH)/C(25g,2.7mmol,50%純度)を加え、得られた懸濁液を水素(50Psi)下、25℃で12時間撹拌した。その懸濁液を、5.5gスケールの前の反応からの懸濁液と合わせ、濾過した。濾過ケークを20:1MeOH:TFAで洗浄した(2×200mL)。合わせた濾液を濃縮し、その残渣にMeOH中4MのHCl(200mL)を撹拌しながら加えた。得られた懸濁液を濃縮し、MeOH(80mL)でスラリーにし、30分間撹拌した。白色固体が沈殿した。固体を濾過し、濾過ケークをMeOHで洗浄し(2×10mL)、真空下で乾燥させることにより、表題化合物のHCl塩(24.8g)をオフホワイトの固体として得た。C2120FNOの(m/z):[M+H]計算値378.17、実測値378.1。1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz) δ (ppm) 8.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.35 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 6.90 - 6.97 (m, 2H), 4.57 (s, 2H), 3.72 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.22 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.51 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.04 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
調製8:(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム
Figure 2018531982
(a)1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロベンゼン
4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロフェノール(50g,228mmol)およびDMF(200mL)の混合物に、炭酸カリウム(34.7g,251mmol)を室温にて加えた。その反応混合物を15分間撹拌し、臭化ベンジル(25.8mL,217mmol)を滴下し、その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、水(1L)に注ぎ込んだ。酢酸エチル(1L)を加え、相を分離し、有機層をブライン(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を除去することにより、粗表題中間体(71g)の濃厚な油状物を得た。HPLC方法A、保持時間17.37分。
(b)2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
前の工程の生成物(70g,226mmol)およびジオキサン(800mL)の混合物に窒素をパージし、次いで、ビス(ピナコラト)ジボロン(86g,340mmol)を加えた後、酢酸カリウム(66.7g,679mmol)を加えた。その反応混合物に窒素をパージし、Pd(dppf)Cl(3.31g,4.53mmol)を加え、その反応混合物を窒素下、120℃で4時間加熱し、室温に冷却し、一晩撹拌した。その反応混合物を回転蒸発によって濃縮し、水(800mL)と酢酸エチル(800mL)との間で分配した。有機層をブライン(800mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。粗生成物をDCM(400mL)に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(1kgシリカ,ヘキサン中20%酢酸エチル(2L)で溶出される)によって精製した。溶媒を回転蒸発によって除去することにより、表題中間体(81g)を淡黄色油状物として得た。
(c)(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム
前の工程の生成物(81g,227mmol)を、完全に溶解するまでアセトン(400mL)と混合し、メタノール(400mL)を加えた後、3M二フッ化水素カリウム水溶液(379mL,1137mmol)を加え、その反応混合物を室温にて撹拌した。溶媒のほとんどを回転蒸発によって除去した。水(500mL)を加え、得られた濃厚なスラリーを30分間撹拌し、濾過した。そのフラスコおよびケークを水で洗浄し(2×100mL)、固体を一晩乾燥させた。トルエン(400mL)を加え、そのうちの200mLを、50℃での回転蒸発によって除去した。その反応混合物を室温に冷却し、30分間撹拌し、濾過した。固体を乾燥させることにより、表題化合物(69.7g,205mmol,90%収率)を白色固体として得た。HPLC方法A、保持時間10.90分。
調製9:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
(a)1−ベンジル−4−イミノ−1,4−ジヒドロピリジン−3−アミン
ピリジン−3,4−ジアミン(700g,6.414mol)およびACN(15.5L)の混合物を、25℃から15℃までで80分間撹拌した。臭化ベンジル(763mL,6.414mol)を含むACN(1L)の溶液を10分間で加え、その反応混合物を25℃で1時間撹拌し、20℃で一晩撹拌した。その反応混合物を濾過した。その反応容器およびケークをACN(8L)で洗浄し、25℃に加温し、ACN(8L)で再度洗浄し、25℃に加温した。固体を、窒素下、3時間フィルター上で乾燥させ、50℃の真空下で2時間、次いで、室温にて一晩乾燥させることにより、表題中間体のHBR塩を得た(1659g,5.922mol,92%収率)。HPLC方法B、保持時間3.74分。
(b)5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
6−ブロモ−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(558g,2.480mol)、前の工程の生成物(746g,2.529mol)およびDMF(4.75L)の溶液を80分間撹拌し、重亜硫酸ナトリウム(261g,2.504mol)を混合しながら加えた。その反応混合物を135℃に加熱し、2時間維持し、約3時間かけて室温まで放冷し、2℃に冷却し、0〜5℃で1時間維持した。そのスラリーを、加圧フィルターで緩速濾過によって濾過した。その反応容器に、DMF(1L)を加え、その反応混合物を5℃に冷却した。ケークを洗浄し、この手順をさらなるDMF(4L)で繰り返した。ケークをACN(1L)で洗浄し、窒素下で乾燥させ、真空下で一晩乾燥させることにより、表題化合物(1080g,2.591mol,105%収率,97%純度)を淡黄色固体として得た。HPLC方法B、保持時間7.83分。
表題化合物(1000g,2.474mol)およびMeTHF(6L)の混合物を55℃に加熱し、1M水酸化ナトリウム(3.216L)を5分間で加えた。温度を45℃に低下させ、混合物を冷水酸化ナトリウム溶液で希釈した。層を分離させ、水層(aqueous later)を排出した。その混合物を室温に冷却し、次いで、5℃に冷却し、一晩維持した。その混合物を濾過し、その反応容器およびケークをMeTHF(1L)で洗浄した。得られたベージュから黄色の固体をフィルター上で3日間乾燥させることにより、表題化合物(700g,1.680mol,67.9%収率,97%純度)を薄黄色固体として得た。HPLC方法B、保持時間7.84分。
調製10:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
15Lフラスコに、5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(350g,866mmol)を加えた後、MeTHF(4L)、メタノール(2L)および水(1L)を加えた。そのスラリーを25℃で45分間撹拌し、NaBH(197g,5195mmol)を2つに分けて加えた。その反応混合物を25℃で18時間撹拌した。水(1L)を加えた後、20wt%塩化ナトリウム溶液(2L)を加え、その反応混合物を30分間撹拌し、層を分離させた。水層を排出し、NaOH(1.732L)を加え、その反応混合物を30分間撹拌し、層を分離させ、水層を排出した。
有機層を、同じスケールの第2のバッチの生成物と合わせ、55℃での回転蒸発によって約半分の体積まで濃縮した。層を静置させ、水層を排出した。有機層に、35℃でCPME中3MのHCl(1.732L)を加えた後、MeTHF(4L)およびMeOH(4L)を加え、その混合物を60℃に加熱して、濃厚なスラリーを形成し、それを5時間で25℃に冷却し、その温度で一晩維持した。そのスラリーを加圧フィルターに移し、湿潤ケークを55℃の2トレイドライヤーに移し、真空下で乾燥させ、窒素下で6時間乾燥させ、次いで、35℃で2日間乾燥させることにより、表題化合物の3HCl塩(609g,1153mmol,66.6%収率,98%純度)をとげ状の(bristle)黄/ベージュ色固体として得た。HPLC方法B、保持時間5.93分。
調製11:5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
5Lフラスコに、炭酸セシウム(123g,377mmol)および水(455mL)を22℃で撹拌しながら加えた後、5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン,3HCl(65g,126mmol)およびMeOH(1365mL)を加えた。そのスラリーを0.5時間加熱還流し、炭酸セシウム(127g,389mmol)を加えた後、(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム(52.8g,157mmol)を加えた。そのスラリーに窒素を3回パージし、ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(8.89g,12.56mmol)を加え、その反応混合物を42時間加熱還流した。さらなる(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム(5.28g,15.7mmol)および炭酸セシウム(16.4g,50.3mmol)を加え、その反応混合物をさらに18時間、撹拌しながら還流し、25℃に冷却した。
その反応混合物に、水中1MのHCl(502mL,502mmol)を加えた後、水(3L)を加えた。得られたスラリーを22℃で1時間撹拌し、濾過した。濾過ケークを水(1L)でリンスし、真空下および窒素下で乾燥させることにより、表題化合物の3HCl塩(88g,132mmol,105%収率)を得て、それを以下の工程で直接使用した。HPLC方法B、保持時間10.07分。
調製12:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(70.6g,127mmol)を含むEtOH(845mL)およびMeOH中1.25MのHCl(203mL,253mmol)の溶液を、50℃に加熱しながら窒素下で10分間撹拌し、次いで、直ちに10wt%Pd/C(8.45g)を加えた後、水素ガスを加えた。その反応混合物を水素(50Psi)下、50℃で3時間密封し、Celite(登録商標)で濾過し、169mLまで濃縮した。酢酸エチル(845mL)を加え、その反応混合物を169mLまで濃縮し、EtOAc(1521mL)を加え、その反応混合物を22℃で1時間撹拌し、0℃に冷却し、次いで、1時間維持し、濾過した。ケークをEtOAc(100mL)でリンスし、真空下および窒素下で乾燥させることにより、表題生成物の3HCl塩(52g,107mmol,70.5%収率)を得た。HPLC方法B、保持時間6.06分。
調製13:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
(a)5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
6−ブロモ−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(550g,2.444mol)、1−ベンジル−4−イミノ−1,4−ジヒドロピリジン−3−アミンHBr(721g,2.333mol)およびDMAc(2.65L)の溶液を60分間撹拌し、重亜硫酸ナトリウム(257g,2.468mol)を加えた。その反応混合物を135℃に加熱し、3時間維持し、20℃まで放冷し、20℃で一晩維持した。アセトニトリル(8L)を加え、その反応混合物を15℃で4時間撹拌した。そのスラリーを加圧フィルターで中程度の濾過速度において濾過した。その反応容器に、ACN(1L)を加えた。そのACN反応容器洗液でケークを洗浄し、窒素下で一晩乾燥させ、次いで、真空下、50℃で24時間乾燥させることにより、表題化合物のHBr塩(1264g,2.444mol,100%収率,94%純度)を高密度の湿ったベージュ/茶色固体として得た。HPLC方法B、保持時間8.77分。
前の工程の生成物(1264g,2.444mol)、MeTHF(6L)および水(2.75L)の混合物を65℃に加熱し、水酸化ナトリウム50wt%(254g,3.177mol)を5分間にわたって加え、その反応混合物を65℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、次いで、5℃に冷却し、2時間維持した。そのスラリーを濾過し、その反応容器およびケークをMeTHF(1L)で洗浄した。得られたベージュから黄色の固体をフィルター上で窒素下、3日間乾燥させることにより、表題化合物(475g,1.175mmol,48%収率)をベージュ/黄色固体として得た。母液(約8L)を約2Lまで濃縮したところ、固体が壊れ始めた。そのスラリーを50℃に加熱し、2時間維持し、2時間にわたって5℃に冷却し、一晩撹拌し、濾過した。ケークをMeTHF(100mL)で洗浄し、真空下、40℃で一晩乾燥させることにより、さらなる表題化合物(140g,0.346mol,14%収率)を得た。
前の工程の全生成物の混合物と、同じスケールの第2のバッチの生成物(1500g,3.710mol)およびMeTHF(4L)とを合わせたものを20℃で2時間撹拌し、濾過した。その反応容器およびケークをMeTHF(1.5L)で洗浄した。得られたベージュから黄色の固体を窒素下で3日間乾燥させることにより、表題化合物をベージュ黄色固体として得た(1325g,3.184mol,86%収率(全体で68%収率),97%純度)。HPLC方法B、保持時間8.77分
調製14:5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
15Lフラスコに、5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(440g,1.088mol)を加えた後、MeTHF(4.5L)、メタノール(2.25L)および水(1.125L)を加えた。そのスラリーを20℃に冷却し、1時間撹拌し、NaBH(247g,6.530mol)を加えた。その反応混合物を25℃で18時間撹拌した。水(1.125L)を加えた後、20wt%塩化ナトリウム溶液(1.125L)を加え、その混合物を30分間撹拌し、層を分離させた。水層を排出した。NaOH(522g)および水(5L)の予混合溶液を加え、その反応混合物を60分間撹拌し、層を分離させ、水層を排出した。同じスケールの2つのさらなるバッチを調製した。
1つのバッチからの有機層を、15Lジャケット付き反応容器内(ジャケットは50℃に設定され、内部温度は20℃)で減圧下濃縮した。さらなるバッチを1つずつ前記反応容器に加えて、濃縮して、約6Lの体積のスラリーを得た。そのスラリーを50℃に加熱し、IPAc(6L)を加え、その混合物を60℃で1.5時間維持し、20℃に10時間冷却し、60℃に50時間加熱し、5時間で20℃に冷却し、次いで、5℃に冷却し、3時間維持した。その混合物を濾過し、その反応容器およびケークを、5℃に予冷しておいたIPAc(1L)およびMeTHF(1L)の予混合溶液で洗浄した。固体をフィルター上の窒素下、40℃で3日間乾燥させることにより、表題化合物(1059g,2.589mol,79%収率)をオフホワイトの固体として得た。その材料を50〜60℃の真空オーブン内で8時間さらに乾燥させ、27℃で2日間乾燥させることにより、表題化合物(1043g,2.526mol,77%収率,99%純度)を得た。HPLC方法B、保持時間6.73分。
調製15:(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム
Figure 2018531982
(a)2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロベンゼン(520g,1682mmol)およびジオキサン(5193mL)の混合物に窒素をパージし、次いで、ビス(ピナコラト)ジボロン(641g,2523mmol)を加えた後、酢酸カリウム(495g,5046mmol)を加えた。その反応混合物に窒素をパージし、Pd(dppf)Cl(41.2g,50.5mmol)を加え、その反応混合物に窒素をパージし、窒素下、103℃で5時間加熱し、室温に冷却した。その反応混合物を真空蒸留によって濃縮し、酢酸エチル(5204mL)と水(5212mL)との間で分配した。その反応混合物をCeliteで濾過し、有機層をブライン(2606mL)で洗浄した後、真空蒸留によって溶媒を除去することにより、粗生成物を濃厚な黒色油状物として得た(約800g)。
粗生成物をDCM(1289mL)に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(予めヘキサン中でスラリーにした2627gのシリカ、ヘキサン中20%酢酸エチル(10.35L)で溶出される)によって精製した。溶媒を真空蒸留によって除去することにより、淡黄色油状物(600g)を得た。HPLC方法C、保持時間33.74分。
(b)(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)トリフルオロホウ酸カリウム
前の工程の生成物(200g,561mmol)を、完全に溶解するまでアセトン(1011mL)と混合し、メタノール(999mL)を加えた後、水(1310mL)に溶解させた3M二フッ化水素カリウム(307g,3930mmol)を加えた。その反応混合物を3.5時間撹拌した。有機溶媒のほとんどを真空蒸留によって除去した。水(759mL)を加え、得られた濃厚なスラリーを30分間撹拌し、濾過した。ケークを水(506mL)で洗浄し、固体をフィルター上で30分間乾燥させた。その固体をアセトン(1237mL)中でスラリーにし、1時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、固体をアセトン(247mL)で洗浄した。そのアセトン溶液を真空蒸留によって濃縮し、すべてのアセトンおよび水が蒸留されるまで、トルエン(2983mL)をゆっくり加えることによって、一定の体積(2L)を維持した。そのトルエン溶液を、回転蒸発によって、濃厚な黄色スラリーになるまで蒸留し、その最中に、生成物が白色固体として沈殿した。その混合物にさらなるトルエン(477mL)を加え、1時間撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、トルエン(179mL)でリンスし、真空下、50℃で24時間乾燥させることにより、表題化合物(104g,310mmol,55%収率)を自由流動性のふわふわしたわずかにオフホワイトの固体を得た。HPLC方法C、保持時間27.71分。
調製16:5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
Figure 2018531982
(a)5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
ビス(ピナコラト)ジボロン(250g,984mmol)およびIPA(1.88L)の混合物を溶解するまで撹拌し、次いで、二フッ化水素カリウム(538g,6.891mol)を含む水(2.31L)の溶液を10分間にわたって少しずつ加えた。その反応混合物を1時間撹拌し、濾過した。ゲル様固体を、混合物が透明のヒドロゲルを形成するまでおよびその後さらに45分間、水(1.33L)でスラリー化した。得られた固体/ゲルを濾過し、次いで、アセトン(1.08L)中で再度スラリー化し、濾過し、フィルター上で30分間風乾させ、一晩乾燥させることにより、ふわふわした白色固体(196.7g)を得た。
5Lフラスコに、5−ベンジル−2−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(135g,331mmol)、(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−トリフルオロホウ酸カリウム(133g,397mmol)および前の工程からの白色固体生成物(40.5g)を加えた後、MeTHF(1.23L)およびMeOH(1.75L)を加えた。得られたスラリーを窒素で3回脱気した。そのスラリーに、炭酸セシウム(431g,1.323mol)を含む水(1.35L)の脱気溶液を加えた。そのスラリーを2回脱気し、Pd(amphos)Cl(11.71g,16.53mmol)を加え、そのスラリーを再度2回脱気し、その反応混合物を67℃で一晩撹拌し、20℃に冷却した。層を分離し、MeTHF(550mL)で抽出し戻した。有機層を合わせ、固体が沈殿するまで回転蒸発によって濃縮した。MeTHF(700mL)を加え、その反応混合物を65℃で撹拌した。層を分離し、水相をMeTHF(135mL)で抽出し戻した。有機相を合わせ、約300mLまで濃縮したところ、濃厚な橙色スラリーが得られた。そのスラリーに、MeOH(270mL)を加えた後、20℃の1M HCl(1.325L)を高速撹拌しながら加えた。その反応混合物を5分間撹拌し、水(1L)を加え、得られたスラリーを1時間撹拌した。固体を濾過し、水(150mL)で洗浄し、フィルター上で10分間、そして窒素下、45℃で16時間乾燥させることにより、表題化合物の2HCl塩(221.1g,351mmol,92.2%純度)を淡黄色固体として得た。HPLC方法C、保持時間23.41分。
調製17:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
1Lフラスコに、5−ベンジル−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン,2HCl(40g,63.4mmol)を、エタノール(348mL)およびMeOH中1.25MのHCl(101mL)および水(17.14mL)中のスラリーとして加えた。その反応混合物を窒素で5分間脱気し、10wt%Pd/C、50wt%HO(4.05g,1.903mmol)を加えた。反応容器を密封し、Hでパージし、1〜2psiに加圧し、50℃に加温し、その反応混合物を一晩撹拌し、Celiteで濾過した。反応容器およびフィルターをメタノール(100mL)で洗浄した。
濾過された溶液を、98mmolスケールの第2のバッチの生成物と合わせ、390gに濃縮した。EtOAc(2.04L)を撹拌しながらゆっくり加え、次いで、その溶液を撹拌しながら5℃に冷却した。固体を濾過し、EtOAc(510mL)で洗浄し、窒素下、45℃で一晩乾燥させることにより、表題化合物の2HCl塩(58g,80%収率)をオフホワイトの固体として得た。HPLC方法C、保持時間12.83分。
実施例1:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
(a)4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールHCl(300mg,0.795mmol)、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(272mg,1.590mmol)および酢酸(0.137ml,2.385mmol)の混合物を含む、THF(6mL)およびDMF(2mL)の混合物を、40℃で30分間加熱した。その反応混合物を室温に冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(505mg,2.385mmol)で処理し、40℃で2時間加熱した。その反応混合物を、0.132mmolスケールの並行反応物と合わせ、濃縮した。得られた残渣をEtOAc(200mL)と飽和塩化アンモニウム(30mL)との間で分配した。有機層を水で洗浄し(2×20mL)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(24gシリカゲル,0〜15%MeOH/DCM)によって精製した。所望の画分を合わせ、濃縮することにより、柔らかい白色固体を得た。
その固体を、1,4−ジオキサン中4NのHCl(3.97mL)および水(1mL)で室温にて2時間処理し、濃縮し、フリーズドライすることにより、表題中間体のHCl塩(388mg,0.768mmol,83%収率)を白色固体として得た。C2425FNOの(m/z):[M+H]計算値433.21、実測値433。
(b)5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(259.4mg,0.513mmol)を含むMeOH(7ml)の溶液に室温で、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.076mL,1.026mmol)を加えた。その反応混合物を5分間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(129mg,2.053mmol)を加え、その混合物を一晩放置した。翌日、水素化ホウ素ナトリウム(194mg,5.13mmol)を室温にて加えた。1時間後、酢酸(5mL)および水(2mL)をゆっくり加えることによって、その反応物をクエンチした。その反応混合物を30分間撹拌し、濃縮し、さらなる水(3mL)を加えた。その反応混合物を濾過し、分取HPLCによって精製し、フリーズドライすることにより、表題化合物のTFA塩(132mg)を黄色がかった固体として得た。C2527FNOの(m/z):[M+H]+計算値447.22、実測値447。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.17 (dd, J = 8.5, 0.9 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 1.4, 0.8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.58 - 4.43 (m, 1H), 4.41 - 4.28 (m, 1H), 4.23 - 3.97 (m, 2H), 3.81 - 3.67 (m, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.97 - 2.88 (m, 4H), 2.53 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
実施例2:4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール(50mg、0.132mmol)およびtert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(68.0mg,0.397mmol)を含むメタノール(2mL)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(50.0mg,0.795mmol)を加え、その反応混合物を室温にて撹拌し、5mLの2:1酢酸:水(5mL)に溶解させ、分取HPLCによって精製した。生成物の画分を合わせ、溶媒を蒸発させた。その純粋な乾燥生成物に、ACN(1mL)およびジオキサン中4NのHCl(1mL)を加えた。その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(20mg)を得た。C2425FNOの(m/z):[M+H]計算値433.21、実測値433。
実施例3:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール(15mg,0.035mmol)およびアセトン(10.07mg,0.173mmol)を含むMeOH(2.0ml)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(17.44mg,0.277mmol)を加え、その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、真空下で濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(10.4mg)を得た。C2731FNOの(m/z):[M+H]計算値475.25、実測値475.1。
実施例4:4−(3−(5−(1−(sec−ブチル)アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
アセトンの代わりに試薬2−ブタノンを用いる、実施例3のプロセスと同様の、0.045mmolスケールのプロセスを用いて、表題化合物のTFA塩(10mg)を調製した。C2833FNOの(m/z):[M+H]計算値489.27、実測値489.2。
実施例5:4−(3−(5−(1−シクロプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール(349mg,0.807mmol)、[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]−トリメチルシラン(0.811mL,4.03mmol)および酢酸(0.185ml,3.23mmol)を含むメタノール(4.03mL)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(507mg,8.07mmol)を含むメタノール(4.03mL)を加えた。その反応混合物を65℃で2時間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、分取HPLCによって精製した。画分を合わせることにより、表題化合物のTFA塩(62mg)を得た。C2729FNOの(m/z):[M+H]計算値473.24、実測値473.2。
実施例6:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールHCl(0.80g,1.93mmol)、酢酸(0.33mL,5.80mmol)および1−メチルピペリジン−4−オン(0.29mL,2.32mmol)を含むDMF(30mL)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.229g,5.80mmol)を加えた。その反応混合物を室温にて48時間撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物(612mg)を得た。C2731FNOの(m/z):[M+H]計算値475.25、実測値475.1。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.19 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.75 - 3.61 (m, 2H), 3.53 - 3.37 (m, 4H), 3.22 - 3.08 (m, 1H), 3.07 - 3.00 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.52 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.43 - 2.30 (m, 3H), 2.19 - 2.01 (m, 3H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
実施例7:4−(3−(5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル(2−(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)エチル)カルバメート
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールHCl(600mg,1.45mmol)を含むDMF(20mL)の懸濁液に、tert−ブチル(2−オキソエチル)カルバメート(277mg,1.74mmol)および酢酸(0.25mg,4.35mmol)を加えた後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(922mg,4.35mmol)を小分けにして数分間にわたって加え、その反応混合物を室温にて96時間撹拌した。その反応混合物を回転蒸発によって濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題中間体のTFA塩(364mg)を得た。
(b)4−(3−(5−(2−アミノエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
前の工程の生成物(364mg,0.57mmol)に、ジオキサン中4MのHCl(3mL)および水(0.1mL)を加えた。その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、回転蒸発によって濃縮し、回転蒸発によってEtOAcと共に蒸発させ(3×5mL)、高真空下で乾燥させることにより、表題中間体のHCl塩(283mg)を得て、それを次の工程において直接使用した。
(c)4−(3−(5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
前の工程の生成物(283mg)を含むMeOH(11mL)の溶液に室温で、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.171mL,2.30mmol)を加えた。その反応混合物を5分間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(252mg,4.02mmol)を加えた。1時間15分後、水素化ホウ素ナトリウム(152mg,4.02mmol)を加えた。1時間後、その反応混合物を回転蒸発によって濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(141mg)を黄色粉末として得た。C2529FNOの(m/z):[M+H]計算値449.24、実測値449。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.16 (dd, J = 8.5, 0.9 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.4, 1.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.40 (dd, J = 6.5, 5.0 Hz, 2H), 3.12 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.06 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.98 - 2.86 (m, 8H), 2.52 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
実施例8:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−((3−メトキシシクロブチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル(2−(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)エチル)カルバメート
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールHCl(600mg,1.45mmol)を含むDMF(20mL)の懸濁液に、tert−ブチル(2−オキソエチル)カルバメート(277mg,1.74mmol)および酢酸(0.25mg,4.35mmol)を加えた後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(922mg,4.35mmol)を小分けにして数分間にわたって加え、その反応混合物を室温にて96時間撹拌した。その反応混合物を濃縮し、分取HPLC(10〜70%ACN/水)によって精製することにより、表題中間体のTFA塩(507mg)を得た。
(b)4−(3−(5−(2−アミノエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
前の工程の生成物(505mg,0.80mmol)をジオキサン(8mL)および水(1.6mL)に溶解させ、次いで、ジオキサン中4MのHCl(8mL,32mmol)を加えた。その反応混合物を室温にて20分間撹拌し、凍結し、凍結乾燥することにより、表題中間体のHCl塩を得て、それを次の工程において直接使用した。
(c)5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−((3−メトキシシクロブチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(393mg,0.80mmol)および酢酸(0.14mL,2.39mmol)をDMF(10mL)に溶解させ、次いで、3−メトキシシクロブタン−1−オン(0.094mL,0.88mmol)を加えた。その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(507mg,2.39mmol)を加えた。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製することにより、表題中間体のTFA塩(56mg)を得た。C2833FNの(m/z):[M+H]計算値505.26、実測値505.3。
実施例9:5−エチル−4−(3−(5−(2−(エチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル(2−(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)エチル)(メチル)カルバメート
酢酸(0.166mL,2.90mmol)、tert−ブチルメチル(2−オキソエチル)カルバメート(201mg,1.160mmol)および5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール,HCl(400mg,0.966mmol)をDMF(3.65mL)中で合わせた。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(615mg,2.90mmol)を5分間にわたって少しずつ加えた。その反応混合物を一晩撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈した。有機溶液を飽和NaHCOで洗浄した(2×20mL)。有機相を収集し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0%〜15%MeOH)によって精製した。純粋な画分を合わせ、濃縮することにより、表題中間体(491mg)を無色の非晶質固体として得た。C2935FNの(m/z):[M+H]計算値535.28、実測値536。
(b)5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(メチルアミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(0.491g,0.918mmol)をジオキサン(4.59mL)および水(4.59mL)に溶解させ、ジオキサン中4NのHCl(4.59mL,18.36mmol)を5分間にわたってゆっくり加えた。その反応混合物を1時間撹拌し、水(20mL)で希釈し、−78℃でフリーズドライし、凍結乾燥することにより、表題中間体の二HCL塩(413mg)を得た。
(c)5−エチル−4−(3−(5−(2−(エチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−2−フルオロフェノール
MeOH(1.971mL)に溶解させた、前の工程の生成物(0.2g,0.394mmol)に、アセトアルデヒド(0.11mL,1.971mmol)を加えた後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(248mg,3.94mmol)を加えた。その反応混合物を一晩撹拌し、2:1酢酸:水に溶解させ、シリンジ濾過し、分取HPLCによって精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥することにより、表題化合物のTFA塩(25mg)を得た。C2631FNの(m/z):[M+H]計算値436.28、実測値436.2。
実施例10:4−(3−(5−(2−(sec−ブチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
工程(c)においてアセトアルデヒドの代わりにブタン−2−オン(0.177mL,1.971mmol)を用いて、実施例9の一般的な手順に従って、表題化合物のTFA塩を調製した(66mg)。C2835FNの(m/z):[M+H]計算値491.29、実測値492。
実施例11:(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル(S)−2−((2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール(50mg,0.132mmol)および(S)−tert−ブチル2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート(34.3mg,0.172mmol)を含むメタノール(1.34mL)の懸濁液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(33.3mg,0.530mmol)を加え、その反応混合物を25℃で一晩撹拌した。さらなるシアノ水素化ホウ素ナトリウム(33.3mg,0.530mmol)を加え、その反応混合物を70℃で30分間加熱した。翌日、さらなる(S)−tert−ブチル2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート(34.3mg,0.172mmol)を2回に分けて加え、それぞれの添加の後に、70℃で1時間加熱した。その反応混合物を8:2DCM:メタノール(8mL)に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(100%DCM 15分、0〜5%DCM:メタノール,20分、5%DCM:メタノール,20分)によって精製した。画分を合わせ、濃縮することにより、表題中間体を白色ろう様固体(167mg)を得た。C3137FNの(m/z):[M+H]計算値561.29、実測値561.3。
(b)(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(ピロリジン−2−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(167mg,0.298mmol)に、DCM(14.9mL)を加えた後、TFA(14.9mL)を加え、その反応混合物を1時間撹拌し、濃縮し、8滴のメタノールを含む4:1水:酢酸(8mL)に溶解させ、分取HPLCによって精製した。画分を合わせ、濃縮することにより、表題中間体のTFA塩(70mg)をガラス状の白色固体を得た。C2629FNOの(m/z):[M+H]計算値461.24、実測値461.1。
(c)S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(70mg,0.152mmol)および37%ホルムアルデヒド水溶液(0.023mL,0.304mmol)を含むメタノール(15.2mL)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(38.2mg,0.608mmol)を加え、その反応混合物を25℃で一晩撹拌した。さらなるホルムアルデヒド(0.023mL,0.304mmol)を加え、その反応混合物を25℃で一晩撹拌し、濃縮した。メタノール(1.52mL)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(382mg,6.08mmol)を加え、その反応混合物を3時間撹拌し、さらなるシアノ水素化ホウ素ナトリウム(382mg,6.08mmol)を加え、その反応混合物を25℃で週末にわたって撹拌し、濃縮し、1:1酢酸:水(4mL)に溶解させ、濾過し、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(36.4mg)を得た。C2731FNOの(m/z):[M+H]計算値475.25、実測値475.2。
実施例12:4−(3−(5−(3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロプロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
Figure 2018531982
(a)tert−ブチル(3−(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)−2−フルオロプロピル)カルバメート
DIPEA(0.505mL,2.90mmol)および5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール,HCl(400mg,0.966mmol)を含むDMF(2.416mL)の溶液に、tert−ブチル(3−ブロモ−2−フルオロプロピル)カルバメート(248mg,0.966mmol)を含むDMF(2.416mL)の溶液を滴下した。その反応混合物を室温にて一晩撹拌した。さらなるtert−ブチル(3−ブロモ−2−フルオロプロピル)カルバメート(248mg,0.966mmol)を加え、その反応混合物を一晩撹拌し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH:DCM)によって精製することにより、表題中間体(286mg,0.518mmol,54%収率)を得た。C2934の(m/z):[M+H]計算値553.27、実測値553。
(b)4−(3−(5−(3−アミノ−2−フルオロプロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
前の工程の生成物(0.286g,0.518mmol)をジオキサン(2.15mL)および水(0.48mL)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(2.15mL,8.60mmol)を5分間にわたってゆっくり加え、その反応混合物を室温にて30分間撹拌し、凍結し、凍結乾燥することにより、表題中間体のHCl塩(261mg)を得た。C2426Oの(m/z):[M+H]計算値453.21、実測値453。
(c)4−(3−(5−(3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロプロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
前の工程の生成物(0.261g,0.497mmol)および37%ホルムアルデヒド水溶液(0.083mL,1.043mmol)を、MeOH(4.97mL)中で合わせた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.156g,2.484mmol)を加え、その反応混合物を室温にて数時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウムを加えた。その反応混合物を濃縮し、分取HPLCによって精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥することにより、表題化合物のTFA塩(30mg)を得た。C2630Oの(m/z):[M+H]計算値481.24、実測値481。
実施例13:(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールTFA(100mg,0.203mmol)およびtert−ブチル(R)−3−ホルミルモルホリン−4−カルボキシレート(285mg,1.325mmol)を含むMeOH(5mL)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(167mg,2.65mmol)を加え、その反応混合物を室温にて一晩撹拌した。
その反応混合物を濃縮し、TFA(3mL)を0℃において加えた。30分後、その反応混合物を濃縮し、分取HPLC(2〜70%ACN/水)によって精製することにより、表題化合物のTFA塩(55.2mg)を得た。C2629FNの(m/z):[M+H]計算値477.23、実測値477.1。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.16 (dd, J = 8.5, 0.9 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.04 (ddd, J = 15.8, 12.7, 3.4 Hz, 2H), 3.97 - 3.72 (m, 4H), 3.66 (td, J = 8.2, 7.3, 3.1 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 12.5, 9.1 Hz, 1H), 3.35 - 3.32 (m, 1H), 3.28 - 3.12 (m, 2H), 3.07 - 2.96 (m, 1H), 2.96 - 2.90 (m, 2H), 2.88 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.52 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
実施例14:(R)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
実施例13のプロセスと同様の、0.159mmolスケールのプロセスを用いて、表題化合物のTFA塩(29.1mg)を調製した。C2629FNの(m/z):[M+H]計算値477.23、実測値477.1
実施例15:(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
(a)4−(3−(5−(2,2−ジメトキシエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールHCl(200mg,0.483mmol)および2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(0.146mL,0.966mmol)を含むMeOH(4.83mL)の混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(121mg,1.933mmol)を加え、その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)によって精製することにより、表題中間体(210mg)を得た。C2528FNの(m/z):[M+H]計算値466.22、実測値466。
(b)2−(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)エタン−1,1−ジオール
前の工程の生成物(210mg,0.0.451mmol)をMeTHF(4mL)に溶解させ、水中3NのHCl(4mL,12mmol)を加えた。その反応混合物を4日間撹拌し、濃縮し、1:1酢酸:水に溶解させ、分取HPLCによって精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥することにより、表題中間体(150mg)を得た。C2324FNの(m/z):[M+H]計算値438.19、実測値438。
(c)(S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
前の工程の生成物(20mg,0.046mmol)および(S)−2−メチルピロリジン(19mg,0.229mmol)の混合物を含むMeOH(0.5mL)に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(28.7mg,0.457mmol)を含むMeOH(0.5mL)を加えた。その反応混合物を一晩撹拌し、2:1酢酸:水に溶解させ、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(6mg,0.0084mmol,18%収率)を得た。C2833FNOの(m/z):[M+H]計算値489.27、実測値489.2。
実施例16:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール(30mg,0.079mmol)を含むDMF(500μL)の溶液に、1−(2−ブロモエチル)ピロリジン(21.23mg,0.119mmol)およびDIPEA(69.2μL,0.397mmol)を加えた。その反応混合物にふたをかぶせ、室温にて1時間撹拌し、濃縮し、1:1酢酸:水に溶解させ、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(18mg,0.026mm,32%収率)を得た。C2731FNOの(m/z):[M+H]計算値475.25、実測値475.2。
同様の合成方法を用いて、表1〜19の化合物を調製した。以下の表において、すべてのカラムの空欄は、水素原子を示し、表の前にある構造の中の*は、キラル中心を示し、置換基の前の(R)または(S)の表記は、その置換基が結合している炭素原子の立体配置を表す。
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
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Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
Figure 2018531982
実施例17:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物
Figure 2018531982
3Lフラスコに、NMP(239mL)および5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール,2HCl(74.5g,165mmol)を撹拌しながら加えた後、NMP(74mL)を加えた。酢酸(31.3mL)を加え、その反応混合物を55℃に10分間加温し、次いで25℃に冷却した。1−メチルピペリジン−4−オン(61.0mL,496mmol)を一度に加え、その反応混合物を25℃で30分間撹拌し、15℃に冷却した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(98g,463mmol)を加え、5分後に外側のジャケットを20℃に設定した。3時間後、温度を25℃より低く維持しながら、水酸化アンモニウム(365mL,5790mmol)を45分間にわたって滴下した。その反応混合物を20℃で1.5時間撹拌したところ、オフホワイトのスラリーが形成された。メタノール(709mL)を加え、その反応混合物を55℃で一晩ゆっくり撹拌した。水(1.19L)を55℃で30分間にわたって加え、その混合物を10℃に冷却し、2時間撹拌し、濾過した。ケークを1:1MeOH:水(334mL)で洗浄し、フィルター上で20分間、そして窒素を抜き取りながら真空下45℃で乾燥させることにより、黄色固体(87g)を得た。
その固体に、55℃の5%水/アセトン(1.5L)をゆっくり撹拌しながら加え、その反応混合物を55℃で6時間加熱し、10℃に冷却し、濾過し、5%水/アセトン(450mL)で洗浄した。固体を、窒素を抜き取りながら真空下50℃で一晩乾燥させ、20時間、空気中で平衡にし、真空オーブン内で48時間乾燥させ、空気と平衡にすることにより、表題化合物(71.3g,91%収率)を自由流動性の薄黄色固体として得た。HPLC方法C、保持時間12.29分。
実施例18:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物
フラスコに、5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール(45.4g,95mmol)および水(450mL)および37%NHOH(11.25mL)を加え、そのスラリーを10分間撹拌し、濾過した。湿潤ケークを2Lフラスコに移し、2.5%水/アセトン(900mL)を加え、そのスラリーを一晩撹拌した。さらなる水(23mL)を加え、その混合物を48時間撹拌し、55℃に加温し、55℃で一晩撹拌した。さらなる水(69mL)を加え、スラリーを25℃で一晩撹拌し、55℃に加温した。3時間後、さらなる水(23mL)を加え、その混合物を室温に冷却し、濾過し、15%水/アセトン(250mL)で洗浄した。固体を50℃の真空オーブン内で一晩乾燥させることにより、表題化合物(32.4g,68.3mmol,72%収率,99/2%純度)を得た。HPLC方法C、保持時間12.27分。1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.24 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.39 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.4, 1.4 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.00 (dd, J = 10.0, 4.0 Hz, 4H), 2.81 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.68 - 2.57 (m, 1H), 2.53 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.18 - 2.06 (m, 2H), 1.99 (d, J = 11.9 Hz, 2H), 1.75 (td, J = 12.4, 3.7 Hz, 2H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
比較実施例C−1:5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(3−メチルシクロブチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
Figure 2018531982
5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールTFA(60mg,0.122mmol)および3−メチルシクロブタン−1−オン(51mg,0.610mmol)を含むMeOH(1.221mL)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(77mg,1.221mmol)を加え、その反応混合物を4時間撹拌した。その反応混合物を回転蒸発によって濃縮し、2:1酢酸:水(1.5mL)に溶解させ、分取HPLCによって精製することにより、表題化合物のTFA塩(40mg)を得た。C2628FNOの(m/z):[M+H]計算値446.23、実測値446.1。
3−メチルシクロブタン−1−オンの代わりに適切な試薬を用いる同様のプロセスを用いて、以下の比較化合物を調製した:
比較化合物C−2〜C−4
Figure 2018531982
実施例19〜21:本発明の固体形態の特性
実施例18の結晶性水和物5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールのサンプルを、粉末X線回折(PXRD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および動的水分吸着(DMS)によって解析した。
実施例19 粉末X線回折
図1の粉末X線回折パターンは、45kVの出力電圧および40mAの電流でCu−Kα線(λ=1.54051Å)を使用するBruker D8−AdvanceX線回折計を用いて得た。この装置を、サンプルにおいて強度が最大となるように入射スリット、発散スリットおよび散乱スリットを設定したBragg−Brentanoジオメトリで作動させた。計測のために、少量の粉末(5〜25mg)をサンプルホルダー上に静かに押し込んで、滑らかな表面を形成させ、X線曝露に供した。サンプルを、2°から40°(単位:2θ)まで0.02°の刻み幅および1工程あたり0.30°秒の走査速度での2θ−2θモードで走査した。データ取得を、Bruker DiffracSuite計測ソフトウェアによって制御し、Jadeソフトウェア(バージョン7.5.1)によって解析した。上記装置は、コランダム標準を用いて±0.02°2シータ角以内に較正した。観測されたPXRDの2シータピーク位置およびd間隔を表20に示す。
Figure 2018531982
実施例20:熱分析
示差走査熱量測定(DSC)を、Thermal Analystコントローラを備えたTA Instruments Model Q−100モジュールを用いて行った。データを収集し、TA Instruments Thermal Analysisソフトウェアを用いて解析した。各結晶形態のサンプルを、ふた付きのアルミニウムパンに正確に秤量した。5℃での5分間の等温平衡期間の後、サンプルを10℃/分の線形加熱勾配で0℃から250℃に加熱した。本発明の形態Iの結晶性遊離塩基の代表的なDSCサーモグラムを図2に示す。
熱重量分析(TGA)の計測は、高分解能を備えるTA Instruments Model Q−50モジュールを用いて行った。データを、TA Instruments Thermal Analystコントローラを用いて収集し、TA Instruments Universal Analysisソフトウェアを用いて解析した。秤量したサンプルを白金パン上に置き、周囲温度から300℃まで10℃の加熱速度で走査した。使用中、天秤および炉チャンバーに窒素流をパージした。本発明の形態Iの結晶性遊離塩基の代表的なTGAトレースを図3に示す。
実施例21:動的水分吸着の評価
動的水分吸着(DMS)の計測を、VTI大気微量天秤SGA−100システム(VTI Corp.,Hialeah,FL 33016)を使用して行った。秤量したサンプルを使用し、解析の開始時の湿度は、可能な限り最低の値(0%RHに近い値)であった。DMS解析は、120分間にわたる最初の乾燥工程(0%RH)の後、5%RH〜90%RHの湿度範囲にわたる5%RH/工程という走査速度での吸着および脱着の2サイクルからなった。DMSの実行は、25℃の等温で行われた。本発明の形態Iの結晶性遊離塩基の代表的なDMSトレースを図4に示す。
生物学的アッセイ
本発明の化合物を、以下の生物学的アッセイのうちの1つまたはそれより多くのアッセイにおいて特徴付けた。
アッセイ1:生化学的JAKおよびオフターゲットキナーゼアッセイ
4つのLanthaScreenJAK生化学的アッセイのパネル(JAK1、2、3およびTyk2)を、通常のキナーゼ反応緩衝液(50mM HEPES,pH7.5、0.01%Brij−35、10mM MgClおよび1mM EGTA)に含めた。組換えGSTタグ化JAK酵素およびGFPタグ化STAT1ペプチド基質をLife Technologiesから入手した。
段階希釈した化合物を、それらの4つのJAK酵素の各々および基質とともに、白色384ウェルマイクロプレート(Corning)において周囲温度で1時間プレインキュベートした。続いて、ATPを加えて、1%DMSOを含む10μLの総体積でキナーゼ反応を開始した。JAK1、2、3およびTyk2に対する最終的な酵素濃度は、それぞれ4.2nM、0.1nM、1nMおよび0.25nMであり、使用された対応するKm ATP濃度は、25μM、3μM、1.6μMおよび10μMであり、基質濃度は、4つすべてのアッセイについて200nMである。キナーゼ反応を周囲温度で1時間進めた後、TR−FRET希釈緩衝液(Life Technologies)中のEDTA(最終濃度10mM)およびTb−抗pSTAT1(pTyr701)抗体(Life Technologies,最終濃度2nM)の10μL調製物を加えた。そのプレートを周囲温度で1時間インキュベートした後、EnVisionリーダー(Perkin Elmer)において読み出した。発光シグナル比(Emission ratio signals)(520nm/495nm)を記録し、それを用いて、DMSOに基づくパーセント阻害値およびバックグラウンドコントロールを算出した。
用量反応解析の場合、パーセント阻害のデータを化合物の濃度に対してプロットし、Prismソフトウェア(GraphPad Software)を用いて、4パラメータのロバストな適合モデルからIC50値を決定した。結果は、pIC50(IC50の対数に負号をつけたもの)として表され、続いてCheng−Prusoff式を用いてpK(解離定数Kの対数に負号をつけたもの)に変換した。
4つのJAKアッセイの各々においてより高いpK値を有する試験化合物は、JAK活性のより大きな阻害を示す。このアッセイにおいて試験された本発明の化合物は、代表的には、約9〜約10.5のpK値を示した。
オフターゲットチロシンキナーゼアッセイのパネル(Flt3、RET、FGFR2、TrkAおよびpDGFRβ)を、同様の方法を用いて作製し、組換え酵素は、Life Technologiesから入手し、ビオチン化ペプチド基質は、AnaSpecにおいて合成された。すべてのアッセイを、100μMというATPの最終濃度を用いて周囲温度において行った。Eu−抗ホスホチロシン(pY20)抗体およびSureLight APC−SAを含む検出試薬は、Perkin Elmerから購入した。発光シグナル比(665nm/615nm)を記録し、それをデータ解析に使用し、最終的な結果は、pIC50として表した。
アッセイ2:細胞JAKI効力アッセイ
AlphaScreen JAKI細胞効力アッセイを、インターロイキン−13(IL−13,R&D Systems)によって誘導されたSTAT6のリン酸化をBEAS−2Bヒト肺上皮細胞(ATCC)において計測することによって、行った。抗STAT6抗体(Cell Signaling Technologies)をAlphaScreenアクセプタービーズ(Perkin Elmer)に結合体化し、抗pSTAT6(pTyr641)抗体(Cell Signaling Technologies)を、EZ−Link Sulfo−NHS−Biotin(Thermo Scientific)を用いてビオチン化した。
BEAS−2B細胞を、37℃の5%CO加湿恒温器内にて、10%FBS(Hyclone)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(Life Technologies)および2mM GlutaMAX(Life Technologies)が補充された50%DMEM/50%F−12培地(Life Technologies)中で生育した。アッセイの1日目に、細胞を、25μLの培地が入った、ポリ−D−リジンでコーティングされた白色384ウェルプレート(Corning)に7,500細胞/ウェルの密度で播種し、恒温器内で一晩接着させた。アッセイの2日目に、培地を除去し、試験化合物の用量反応物を含む12μLのアッセイ緩衝液(ハンクス平衡塩類溶液/HBSS、25mM HEPESおよび1mg/mlウシ血清アルブミン/BSA)と交換した。化合物をDMSOで段階希釈し、次いで、最終DMSO濃度が0.1%になるようにさらに培地で1000倍希釈した。細胞を37℃で1時間、試験化合物とインキュベートした後、刺激のために、予め加温した12μLのIL−13(アッセイ緩衝液中80ng/ml)を加えた。37℃で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液(化合物およびIL−13を含む)を除去し、10μLの細胞溶解緩衝液(25mM HEPES、0.1%SDS、1%NP−40、5mM MgCl2、1.3mM EDTA、1mM EGTA、ならびにRoche Diagnostics製のComplete Ultraミニプロテアーゼ阻害剤およびPhosSTOPによる補充)。プレートを周囲温度で30分間振盪した後、検出試薬を加えた。まず、ビオチン−抗pSTAT6および抗STAT6結合体化アクセプタービーズの混合物を加え、周囲温度で2時間インキュベートした後、ストレプトアビジン結合体化ドナービーズ(Perkin Elmer)を加えた。最低2時間のインキュベーションの後、アッセイプレートをEnVisionプレートリーダーにおいて読み出した。AlphaScreenルミネセンスシグナルを記録し、それを用いて、DMSOに基づくパーセント阻害値およびバックグラウンドコントロールを算出した。
用量反応解析の場合、パーセント阻害データを化合物の濃度に対してプロットし、Prismソフトウェアを用いて、4パラメータのロバストな適合モデルからIC50値を決定した。結果は、IC50値の対数に負号をつけたものであるpIC50として表した。
このアッセイにおいてより高いpIC50値を有する試験化合物は、IL−13によって誘導されるSTAT6のリン酸化のより大きな阻害を示す。このアッセイにおいて試験された本発明の化合物は、代表的には、約7.5〜約8.5のpIC50値を示した。
アッセイ3:細胞傷害性アッセイ
CellTiter−Glo発光細胞生存能/細胞傷害性アッセイを、通常の生育条件下のBEAS−2Bヒト肺上皮細胞(ATCC)において行った。
細胞を、37℃の5%CO加湿恒温器内にて、10%FBS(Hyclone)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(Life Technologies)および2mM GlutaMAX(Life Technologies)が補充された50%DMEM/50%F−12培地(Life Technologies)中で生育した。アッセイの1日目に、細胞を、25μLの培地が入った、白色384ウェル組織培養プレート(Corning)に500細胞/ウェルの密度で播種し、恒温器内で一晩接着させた。アッセイの2日目に、試験化合物の用量反応物を含む5μLの培地を加え、37℃で48時間インキュベートした。その後、30μlのCellTiter−Glo検出液(Promega)を加え、オービタルシェーカー上で5分間混合し、さらに10分間インキュベートした後、EnVisionリーダーにおいて読み出した。ルミネセンスシグナルを記録し、パーセントDMSOコントロール値を算出した。
用量反応解析の場合、パーセントDMSOコントロールデータを化合物の濃度に対してプロットして、各データポイントをつなぐ線によって用量反応曲線を作成した。各曲線が15%阻害閾値を横断する濃度をCC15と定義する。結果は、CC15値の対数に負号をつけたものであるpCC15として表した。
このアッセイにおいてより低いpCC15値を示す試験化合物は、細胞傷害性を引き起こす可能性がより低いと予想される。このアッセイにおいて試験された本発明の化合物は、代表的には、5未満から約6.6のpCC15値を示した。
インビトロアッセイの結果
実施例1〜16および表1〜19の化合物のすべてを、上に記載されたアッセイの1つまたは1つ超において試験した。以下の表において、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2酵素アッセイの場合、Aは、≧10のpK値(≦0.1nMのK)を表し、Bは、9〜10のpK値(1nM〜0.1nMのK)を表し、Cは、9〜9.5のpK値(1nM〜0.32nMのK)を表し、Dは、8.5〜9のpK値(32nM〜1nMのK)を表す。BEAS−2B細胞効力アッセイの場合、Aは、≧8のpIC50値(≦10nMのIC50)を表し、Bは、7.4〜8のpIC50値(40nM〜10nMのIC50)を表す。下記化合物を、上記インビトロアッセイの全てにおいて試験した。
Figure 2018531982
JAK1酵素の効力が、BEAS−2Bアッセイにおいて細胞効力を予測することが観測された。ゆえに、残りの化合物のすべてについて、JAK1酵素アッセイおよび細胞アッセイで試験したところ、8.5〜9のpK酵素値においてJAK阻害および6〜7.4の細胞効力を示した化合物3−32、4−8、4−16および8−11を除いて、化合物は、9〜10.5のpKi酵素値および7.4〜8.5のBEAS−2B pIC50値を示した。
アッセイ4:マウスの血漿および肺における薬物動態
試験化合物の血漿中レベルおよび肺内レベルならびにそれらの比を、以下のように測定した。Charles River LaboratoriesからのBALB/cマウスをこのアッセイに使用した。試験化合物を、pH4クエン酸緩衝液中の20%プロピレングリコールにおいて0.2mg/mLの濃度で個別に製剤化し、50uLの投与溶液を経口吸引によってマウスの気管に導入した。投与後の様々な時点(代表的には、0.167、2、6、24時間後)において、血液サンプルを心臓穿刺によって取り出し、そのままの肺をマウスから切除した。血液サンプルを4℃にておよそ12,000rpmで4分間遠心することにより(Eppendorf centrifuge,5804R)、血漿を収集した。肺をパッドで乾燥し、計量し、1:3の希釈度で滅菌水中にてホモジナイズした。試験化合物の血漿中レベルおよび肺内レベルを、試験マトリクスにおける検量線を構築する分析標準に対するLC−MS解析によって決定した。肺対血漿比を、μg hr/gを単位とする肺AUCとμg hr/mLを単位とする血漿AUCとの比として決定し、ここで、AUCは、慣例的に、試験化合物濃度対時間の曲線下面積として定義される。本発明の化合物は、マウスにおいて、血漿における曝露よりも1〜2桁大きい、肺における曝露を示した。このアッセイにおいてプロファイルされた化合物のすべてが、約5〜約12時間という半減期を示した。
アッセイ5:肺組織におけるIL−13によって誘導されるpSTAT6誘導のマウス(マウス)モデル
Il−13は、喘息の病態生理学の根底にある重要なサイトカインである(Kudlaczら、Eur.J.Pharmacol,2008,582,154−161)。IL−13は、キナーゼのJanusファミリー(JAK)のメンバーを活性化する細胞表面レセプターに結合し、次いで、そのメンバーは、STAT6をリン酸化し、続いて、さらなる転写経路を活性化する。記載されるモデルでは、ある用量のIL−13が、マウスの肺に局所的に送達されることにより、STAT6のリン酸化が誘導され(pSTAT6)、次いで、それが、評価項目として計測される。
Harlanからの成体のbalb/cマウスをこのアッセイにおいて使用した。研究の当日に、動物をイソフルランで軽く麻酔し、ビヒクルまたは試験化合物(0.5mg/mL、数回の呼吸で50μLの総体積)を経口吸引によって投与した。投与後に動物を横臥位にし、麻酔からの完全な回復についてモニターした後、ホームケージに戻した。4時間後、動物をもう一度、短時間麻酔し、経口吸引によってビヒクルまたはIL−13(0.03μgの総用量が送達され、50μLの総体積)でチャレンジした後、麻酔からの回復についてモニターし、ホームケージに戻した。ビヒクルまたはIL−13の投与から1時間後、抗pSTAT6 ELISA(ウサギmAb捕捉/コーティング抗体;マウスmAb検出/レポート抗体:抗pSTAT6−pY641;二次抗体:抗マウスIgG−HRP)を用いた両方のpSTAT6検出のために肺を収集し、上記アッセイ4において記載されたように、総薬物濃度について解析した。
本発明の選択された化合物を、このアッセイにおいて試験した。上記モデルにおける活性は、ビヒクルで処置されIL−13をチャレンジされたコントロール動物と比べて、5時間後に処置動物の肺に存在するpSTAT6のレベルの低下によって証明される。ビヒクルで処置され、IL−13をチャレンジされたコントロール動物と、ビヒクルで処置され、ビヒクルをチャレンジされたコントロール動物との違いは、任意の所与の実験における、それぞれ0%および100%の阻害作用を規定した。本発明の例示的な化合物を、このアッセイにおいて試験したところ、それらは、下に記述されるように、IL−13チャレンジの4時間後に、STAT6リン酸化の阻害を示した。化合物1−15および3−1は、このアッセイの条件下での例外と特筆された。
気道炎症におけるJAK−STAT経路の関連性を確認したので、IL13誘発pSTAT6マウスモデルにおいてインビボで標的の関与を示した化合物を、続いて試験したところ、アレルゲン誘発好酸球性炎症のマウスモデルにおいて有効であると立証された。
インビボアッセイの結果
本発明の選択された化合物を、薬物動態学的アッセイ(アッセイ4)と薬力学的アッセイ(アッセイ5)の両方において特徴付けた。薬物動態学的アッセイにおいて測定された試験化合物の肺内濃度と、投与後の同様の時点における薬力学的アッセイにおいて測定された試験化合物の肺内濃度との間には、良好な相関関係が観測された。薬力学的アッセイにおけるマウス肺での有意な化合物濃度の観測から、観測されたIL−13誘発pSTAT6誘導の阻害が、試験化合物の活性の結果であることが確認された。
以下の表において、肺への曝露と血漿への曝露との比(アッセイ4)については、Aは、>100の比を表し、Bは、50〜100の比を表し、Cは、10〜50の比を表す。IL−13誘発pSTAT6誘導のパーセント阻害(アッセイ5)については、Aは、>65%阻害を表し、Bは、50%〜65%阻害を表し、Cは、33%〜50%阻害を表す。
Figure 2018531982
アッセイ6:肺のAlternaria alternata誘発好酸球性炎症のマウスモデル
気道の好酸球増加は、ヒトの喘息の顕著な特徴である。Alternaria alternataは、ヒトにおける喘息を悪化させ得、マウスの肺において好酸球性炎症を誘導する、真菌の空気アレルゲンである(Havauxら、Clin Exp Immunol. 2005,139(2):179−88)。マウスでは、alternariaは、肺における組織常在性の2型生得的リンパ系細胞を間接的に活性化し、それは、(例えば、IL−2およびIL−7)に応答し、JAK依存性のサイトカイン(例えば、IL−5およびIL−13)を放出し、好酸球性炎症と連係することが証明されている(Bartemesら、J Immunol.2012,188(3):1503−13)。
Taconicからの7〜9週齢の雄性C57マウスをこの研究において使用した。研究の当日に、動物をイソフルランで軽く麻酔し、ビヒクルまたは試験化合物(0.1〜1.0mg/mL、数回の呼吸で50μLの総体積)を口腔咽頭吸引(oropharyngeal aspiration)によって投与した。投与後に動物を横臥位にし、麻酔からの完全な回復についてモニターした後、ホームケージに戻した。1時間後、動物をもう一度、短時間麻酔し、口腔咽頭吸引によってビヒクルまたはalternaria抽出物(合計200μgの抽出物が送達され、50μLの総体積)でチャレンジした後、麻酔からの回復についてモニターし、ホームケージに戻した。alternaria投与から48時間後、気管支肺胞洗浄液(BALF)を収集し、Advia 120 Hematology System(Siemens)を用いて、そのBALF中の好酸球を数えた。
本発明の選択された化合物を、このalternariaアッセイにおいて試験した。上記モデルにおける活性は、ビヒクルで処置され、alternariaをチャレンジされたコントロール動物と比べて、48時間後に処置動物のBALF中に存在する好酸球のレベルの低下によって証明される。データは、ビヒクルで処置され、alternariaをチャレンジされたBALF好酸球応答に対するパーセント阻害として表現される。パーセント阻害を計算するために、各条件に対するBALF好酸球の数を、ビヒクルで処置され、alternariaをチャレンジされた平均BALF好酸球に対するパーセントに変換し、100パーセントから減算する。本発明の例示的な化合物をこのアッセイにおいて試験したところ、それらは、下に記述されるように、alternariaチャレンジから48時間後にBALF好酸球数の阻害を示した。
インビボアッセイの結果
試験された化合物のすべてが、alternariaによって誘発されるBALF好酸球の、ある範囲の阻害(60%〜98%)を示した。以下の表は、ビヒクルで処置され、alternariaをチャレンジされた好酸球誘導レベルの統計学的に有意なパーセント阻害の最大値を反映している。
Figure 2018531982
比較化合物の特徴付け
比較化合物と本発明の化合物との対応を以下に説明する。
Figure 2018531982
比較化合物を、JAK1酵素アッセイ、BEAS−2B細胞アッセイおよびpSTAT6阻害薬力学的アッセイにおいて特徴付けた。比較化合物C−1、C−2、C−3およびC−4は、酵素アッセイでは本発明の対応する化合物よりもそれぞれ2分の1倍、3分の1倍、6分の1倍および2.5分の1倍の効力であり、BEAS−2B細胞アッセイでは本発明の対応する化合物よりもそれぞれ6分の1倍、6分の1倍、3分の1倍および6分の1倍の効力であった。比較化合物は、薬力学的アッセイにおいてpSTAT6阻害を示さなかった。また、そのアッセイにおいて、それらの化合物は、有意な肺内濃度を示さなかった。比較化合物C−1、C−2、C−3およびC−4に対して観測された肺内濃度は、本発明の対応する化合物に対して観測された濃度よりも、それぞれ36分の1倍、52分の1倍、13分の1倍および23分の1倍であった。
本発明は、その特定の態様または実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得るか、または等価物で置換され得ることを当業者は理解する。さらに、該当する特許法および規則が許す範囲で、本明細書に引用されたすべての刊行物、特許および特許出願は、各文書が個別に本明細書中で参照により引用される場合と同一程度に、そのすべてが参照により本明細書に援用される。

Claims (37)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、
    Xは、式(II)の基:
    Figure 2018531982
    であり、
    nは0または1であり;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素またはC1−3アルキルであるか;
    またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンを形成するか;
    またはnが1であるとき、Rは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、ここで、C1−3アルキルは、−OHで必要に応じて置換され;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素、C1−3アルキル、−C(O)OC1−3アルキルおよびフェニルから選択されるか;
    またはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成し;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素またはC1−3アルキルであるか、
    あるいはnが0であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンを形成するか、またはRおよびRは、一体となって、C2−4アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成するか;
    あるいはnが1であるとき、RおよびRは、一体となって、C1−3アルキルまたはRで必要に応じて置換されるCアルキレンを形成するか、またはRおよびRは、一体となって、C1−3アルキレンまたは−O−Cアルキレンを形成し;
    は、
    (a)水素、
    (b)−CN、フェニルまたはC3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル;
    (c)C2−6アルキル(ここで、C2−6アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、ハロから選択される1つまたは2つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってC2−3アルキレンを形成する);
    (d)C3−6シクロアルキル(ここで、C3−6シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
    (e)オキセタニル、
    (f)テトラヒドロピラニル、
    (g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド、および
    (h)フェニル
    から選択されるか、
    またはRおよびRは、一体となって、C3−5アルキレンまたはCアルキレン−O−Cアルキレンを形成し;ここで、C3−5アルキレンは、1つまたは2つのRで必要に応じて置換され;
    は、−OH、−CN、−OC1−3アルキル、ハロ、フェニル、および−OC1−3アルキルまたは−OHで必要に応じて置換されるC1−3アルキルから選択されるか、または
    2つの置換基Rは、一体となって、C1−5アルキレンまたは−CHOCH−を形成するか、
    またはnが1であり、RおよびRが一体となってCアルキレンを形成するとき、RおよびCアルキレン上の置換基Rは、一体となって、Cアルキレンを形成するが;
    但し、同じ炭素原子上の2つの置換基Rは、両方ともがフルオロであることはなく、
    が、窒素原子に隣接する炭素原子に結合しているとき、Rは、−OHでも、−OC1−3アルキルでも、ハロでもない)
    またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. Xが、
    Figure 2018531982
    (式中、
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    3aは、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、ここで、C1−3アルキルは、−OHで必要に応じて置換され;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素、C1−3アルキル、−C(O)OC1−3アルキルおよびフェニルから選択され;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、水素またはC1−3アルキルであり;
    は、
    (a)水素、
    (b)−CN、フェニルまたはC3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル;
    (c)C2−6アルキル(ここで、C2−6アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、ハロから選択される1つまたは2つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってC2−3アルキレンを形成する);
    (d)C3−6シクロアルキル(ここで、C3−6シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
    (e)オキセタニル、
    (f)テトラヒドロピラニル、
    (g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド、および
    (h)フェニル
    から選択される)
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 3aが、水素、−OH、−OC1−3アルキル、ハロ、−C(O)OC1−3アルキルおよびC1−3アルキルから選択され;
    が、
    (a)水素、
    (b)C3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル、
    (c)C2−4アルキル(ここで、C2−4アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、C3−4シクロアルキルおよびハロから選択される1つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってCアルキレンを形成する);
    (d)C3−4シクロアルキル(ここで、C3−4シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
    (e)オキセタニル、
    (f)テトラヒドロピラニル、および
    (g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド
    から選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. Xが、
    Figure 2018531982
    (式中、R3aは、ハロであり、
    Figure 2018531982
    のピロリジン環は、C1−3アルキルで必要に応じて置換される)
    から選択される、請求項2に記載の化合物。
  5. が、
    (a)水素、
    (b)C3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル、
    (c)C2−4アルキル(ここで、C2−4アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、C3−4シクロアルキルおよびハロから選択される1つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってCアルキレンを形成する);
    (d)C3−4シクロアルキル(ここで、C3−4シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
    (e)オキセタニル、
    (f)テトラヒドロピラニル、および
    (g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド
    から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. が、水素、−CH、−C、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、−CH(CH)C、−(CHCN、−CHCHF −CHイソプロピル、−CHシクロプロピル、−(CHOH、(CH2−3OCH、−(CH2−3SCH、−(CHCH(CH)SCH、テトラヒドロピラン−4−イル、ピリジン−4−イル、
    Figure 2018531982
    から選択される、請求項5に記載の化合物。
  7. Xが、
    Figure 2018531982
    (式中、
    は、水素、メチル、C2−4アルキル、C3−4シクロアルキルおよび
    Figure 2018531982
    から選択される)から選択される、請求項5に記載の化合物。
  8. 前記式(I)の化合物が、式(III)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、Rは、
    (a)水素、
    (b)C3−6シクロアルキルで必要に応じて置換されるメチル、
    (c)C2−4アルキル(ここで、C2−4アルキルは、−OH、−OC1−3アルキル、−CN、−SC1−3アルキル、C3−4シクロアルキルおよびハロから選択される1つの置換基で必要に応じて置換され、そして、必要に応じてさらに、単一の炭素原子上の2つの置換基が一体となってCアルキレンを形成する);
    (d)C3−4シクロアルキル(ここで、C3−4シクロアルキルは、−OH、−CN、−OC1−3アルキルまたはC1−3アルキルで必要に応じて置換され、ここで、C1−3アルキルは、−OC1−3アルキルまたは1つもしくは2つのハロで必要に応じて置換される)、
    (e)オキセタニル、
    (f)テトラヒドロピラニル、および
    (g)テトラヒドロチオフェニル1,1−ジオキシド
    から選択される)である、請求項1に記載の化合物。
  9. が、水素、−CH、−C、イソプロピル、シクロプロピル、−CH(CH)C、−(CHCN、−CHCHF、−CHイソプロピル、−CHシクロプロピル、−(CHOH、(CH2−3OCH、−(CHSCH、−(CHCH(CH)SCH
    Figure 2018531982
    から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. が、水素、メチル、C2−4アルキルおよびCシクロアルキルから選択される、請求項8に記載の化合物。
  11. 前記式(I)の化合物が、式(IV)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、Rは、水素、メチル、C2−4アルキルおよびC3−4シクロアルキルから選択される)である、請求項1に記載の化合物。
  12. 前記式(I)の化合物が、式(V)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、Rは、水素またはC1−3アルキルであり、Rは、メチル、C2−4アルキルまたは
    Figure 2018531982
    である)である、請求項1に記載の化合物。
  13. 前記式(I)の化合物が、
    5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    4−(3−(5−(アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    4−(3−(5−(1−(sec−ブチル)アゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    4−(3−(5−(1−シクロプロピルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    4−(3−(5−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−((3−メトキシシクロブチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    5−エチル−4−(3−(5−(2−(エチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−2−フルオロフェノール、
    4−(3−(5−(2−(sec−ブチル(メチル)アミノ)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    (S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    4−(3−(5−(3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロプロピル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−5−エチル−2−フルオロフェノール、
    (S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    (R)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(モルホリン−3−イルメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    (S)−5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール、
    およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
  14. 以下の式の5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルアゼチジン−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
    Figure 2018531982
    またはその薬学的に許容され得る塩。
  15. 以下の式の5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール
    Figure 2018531982
    またはその薬学的に許容され得る塩。
  16. 5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノール。
  17. 5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物であって、ここで、該結晶形態は、6.20±0.20、9.58±0.20、17.53±0.20、19.28±0.20および21.51±0.2の2θ値に回折ピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とする、結晶性水和物。
  18. 前記粉末X線回折パターンが、10.34±0.20、11.54±0.20、12.77±0.20、13.01±0.20、16.94±0.20、20.61±0.20および22.10±0.20から選択される2θ値において2つまたは2つ超のさらなる回折ピークを有することをさらに特徴とする、請求項17に記載の結晶性水和物。
  19. 前記結晶形態が、ピーク位置が図1に示されているパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項17に記載の結晶性水和物。
  20. 前記結晶形態が、約206℃〜約216℃の温度において吸熱熱流の最大値を示す、10℃/分の加熱速度で記録された示差走査熱量測定トレースを特徴とする、請求項17に記載の結晶性水和物。
  21. 前記結晶形態が、図2に示されている示差走査熱量測定トレースと実質的に一致する示差走査熱量測定トレースを特徴とする、請求項20に記載の結晶性水和物。
  22. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む、薬学的組成物。
  23. 式(I’)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、R、R、R、R、R、R、Rおよびnは、請求項1におけるのと同様に定義される)またはその薬学的に許容され得る塩を調製するプロセスであって、該プロセスは、
    (a)式1の化合物:
    Figure 2018531982
    を式2の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、Pgは、アミノ保護基である)と反応させて、式3の中間体:
    Figure 2018531982
    を得る工程;
    (b)中間体3を脱保護して、中間体4:
    Figure 2018531982
    を得る工程;
    および(c)中間体4をR8a−C(=O)−R8b(式中、R8aおよびR8bは、R8a−C(H)−R8bがRになるように定義される)と反応させて、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を得る工程
    を含む、プロセス。
  24. 式(IV)の化合物:
    Figure 2018531982
    (式中、Rは、水素、メチル、C2−4アルキルおよびC3−4シクロアルキルから選択される)を調製するプロセスであって、該プロセスは、式1の化合物:
    Figure 2018531982
    を式2”の化合物:
    Figure 2018531982
    と反応させて、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を得る工程を含む、プロセス。
  25. 式1の化合物:
    Figure 2018531982
    を調製するプロセスであって、該プロセスは、
    (a)式8の化合物;
    Figure 2018531982
    (式中、Bnは、ベンジル保護基を表す)を式9の化合物:
    Figure 2018531982
    と反応させて、式10の化合物:
    Figure 2018531982
    を形成する工程、
    および(b)該式10の化合物を脱保護して、式1の化合物またはその塩を得る工程
    を含む、プロセス。
  26. 式8の化合物:
    Figure 2018531982
    またはその塩。
  27. 前記化合物が、前記式8の化合物の塩酸塩である、請求項26に記載の化合物。
  28. 5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールの結晶性水和物を調製する方法であって、該方法は、
    (a)メタノール、テトラヒドロフラン、tert−ブチルアルコール、アセトニトリル、酢酸イソプロピルおよびアセトンから選択される有機溶媒とともに約1〜約30%v/vの水を含む希釈剤中で、溶媒和物または非晶質の形態の5−エチル−2−フルオロ−4−(3−(5−(1−メチルピペリジン−4−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)フェノールのスラリーを形成する工程;
    (b)該スラリーを約40℃〜約60℃の温度で約1時間〜約2日間加熱する工程;および
    (c)該スラリーから該結晶性水和物を単離する工程
    を含む、方法。
  29. 哺乳動物における呼吸器疾患の処置において使用するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  30. 前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫または閉塞性細気管支炎である、請求項29に記載の化合物。
  31. 前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項30に記載の化合物。
  32. 哺乳動物における呼吸器疾患を処置するための薬を製造するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  33. 前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫または閉塞性細気管支炎である、請求項32に記載の使用。
  34. 前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項33に記載の使用。
  35. 哺乳動物における呼吸器疾患を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物を該哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
  36. 前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、気管支炎、気腫または閉塞性細気管支炎である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項36に記載の方法。
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