JP2018529623A - 合成無機化合物その化合物を含む組成物およびその化合物の製造方法 - Google Patents

合成無機化合物その化合物を含む組成物およびその化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式A(SiGe1−x10(OH)を有する合成雲母と称される無機化合物に関し、Aは少なくとも1種の一価の金属元素の層間カチオンを表し、Aは式Liw(1)Naw(2)w(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、それぞれのw(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そしてw(i)の合計は1であり、tは[0.3;1]の範囲の実数であり、xは[0;1]の範囲の実数であり、Mは式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Crを有する少なくとも1種の二価の金属を表し、式(A)と同様に、それぞれのy(i)は[0;1]の範囲の実数を表し、そしてzは[2.50;2.85]の範囲の実数である。また、本発明は、そのような化合物を含む組成物およびそのような化合物の調製方法に関する。

Description

本発明は、合成無機化合物、合成雲母と称されるもの、および少なくとも1種のそのような合成無機化合物を含む組成物に関する。
また、本発明は、そのような合成無機化合物を調製するための方法に関する。
多くの無機物、例えばホウ酸塩またはケイ酸塩が、種々の工業分野において用いられている。フィロケイ酸塩は、例えば、多くの産業部門、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、化粧品、塗料またはワニスにおいて、粒子の形態で用いられている。フィロケイ酸塩、例えば雲母は、特に不活性充填剤(特には、それらの化学的安定性およびそれらの断熱特性のために)、または機能性充填剤(例えば、特定の材料の機械的性質を高めるために)として、組成物中に混合することによって用いられる。雲母は、例えば、ポリマー樹脂中に、特にはシートまたは帯状のひもの形態で、高電圧モータおよび交流発電機の銅製棒の電気および熱絶縁材として、高い安全性の要求を備えた装置(例えば、トンネル、船舶、空港、病院など)に設備されることが意図された電気ケーブルにおいて、加熱板または器具(例えば、ヘアドライヤー、マイクロ波加熱炉、トースタなど)のための保護材に、あるいは、自動車用シールあるいはいずれかの種類の絶縁部品に、用いられている。また、雲母は、粉末の形態で(他の材料中に混合されないで)、そして特にはフレークの形態で、それらの耐火性、それらの化学的な不活性、およびそれらの遮音性のために用いられることができる。
本明細書をとおして、用語「非膨張」は、その回折線(001)がエチレングリコールまたはグリコールとの接触を含む処理によって影響されない、すなわち、回折線(001)(X線)に対応する原子間距離が、フィロケイ酸塩をエチレングリコールまたはグリコールと接触させた後に増加しない、いずれかのフィロケイ酸塩もしくは無機粒子を表すために用いられている。
雲母は、フィロケイ酸塩の分類に属している。フィロケイ酸塩は、結晶構造の元素層の規則的な積層によって構成されており、その数は、数単位から数千単位まで変化する。フィロケイ酸塩(層状ケイ酸塩)の間で、特にタルク、雲母およびモンモリロナイトを含む群は、それぞれの元素層が、八面体の層の各々の面に位置する2つの四面体の層の結合で構成されていることで特徴付けられる。2:1フィロケイ酸塩の八面体層が、O2−およびOHイオンの2つの面(2/1のO2−/OHのモル比で)で形成されている。この中間層のいずれかの面に、四面体の2次元の網目構造があり、それらの頂点の1つは、八面体層の酸素によって占有されており、一方で、他の3つは、実質的に同じ平面にある酸素によって占有されている。
この群は、2:1フィロケイ酸塩に相当する。それらの構造に鑑みて、2:1フィロケイ酸塩はまた、T.O.T.(四面体−八面体−四面体)とも表される。雲母は、特には、元素層の間に位置する、空間、いわゆる層間空間中の層間カチオンの存在によって特徴付けられる。スメクタイトとは異なり、雲母は、非膨張性と言われており、そして相関空間中の水分子の不在によって特徴付けられ、水分子は、特に無機物の膨張性を導く。
Riederらの「Nomenclature of Micas」(The Canadian Mineralogist、1998年、第36巻、p.41-48)の表題の科学出版物で規定されているように、雲母の単純化された式は、
Figure 2018529623
であり、式中、Iは、層間カチオン(通常は例えば、K、NaまたはCa)を表し、Mは通常はLi、Fe、Mg、AlまたはTiから選択され、□は空位を表し、Tは通常はAl、Fe(三価)またはSiから選択され、一方Aは通常は特にFおよびOHから選択される。
従って、雲母は、四面体サイト(Riederらの一般式中のT)中にケイ素、アルミニウムまたは鉄を、そして八面体サイト(Riederらの一般式中のM)中にリチウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムまたはチタンを含む多くの化学元素を通常含んでいる。
また、雲母は、9.80Å〜10.30Åの範囲の距離に位置する、面(001)に特有な、X線回折線によって特徴付けられる。
一方で、天然由来の雲母は、多くの化学元素を、種々の比率で含んでおり、そしてその性質は制御することはできない。しかしながら、多くの用途では、雲母中に存在する化学元素の性質、特には八面体サイトおよび四面体サイト中に存在する元素の化学的性質、を制御できることは有用である可能性がある。
また、Choi Jらの科学出版物「Hydrothermal synthesis of Mn-Mica」(Applied Clay Science、2009年、第46巻、p.69-72)から、特にマンガンおよびアルミニウムを含む合成雲母が知られている。しかしながら、この出版物に従って得られる化合物は、少なくともアルミニウム、マンガンおよびケイ素を含む特別な化学式の雲母に限定される。
また、スメクタイトの群に属する、ヘクトライトを調製する方法が知られている。
「The clay science society of Japan NIII- Electronic Library Service」(1987年12月31、XP055284543、インターネット:http://www.ci.nii.ac.jp/els/110003709495.pdf ?.から引用)の表題の科学出版物には、塩化マグネシウム、ケイ酸ナトリウムおよび硝酸を含む溶液から、次いで水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを加え、次いで125℃〜300℃の範囲で1〜24時間水熱処理する、ヘクトライトの合成方法が記載されている。
W. T. Granquistらの科学出版物「A study of the synthesis of hectorite」(1959年12月31、XP055284386、インターネット:http://www.clays.org/journal/archive/volume 8/8-1-150.pdfから引用)には、塩化マグネシウムおよび四塩化ケイ素から調製されたシリカゲルの溶液からのヘクトライトの合成方法が記載されている。また、この出版物には、塩化マグネシウムを、ケイ酸カリウム溶液に沸騰させながら加える方法に言及されている。
米国特許第3666407号明細書には、炭酸リチウムおよびタルクを焼成し、そして185℃の水準の温度での水熱処理の前にケイ酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムと混合することによる、ヘクトライトの合成方法が開示されている。
国際公開第2014/164632号には、亜鉛を含むヘクトライトの合成方法が開示されており、ここではケイ素源は、特には、シリカ、コロイド状シリカ、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、カオリンおよびタルクから選択することができる。また、国際公開第2014/164632号には、水熱処理が125℃〜250℃の範囲で行われることが示されている。
しかしながら、これらの方法のいずれも、雲母の群に属する化合物を調製することを可能にしてはいない。
これに関連して、本発明は、新規な化合物であって、天然雲母と同様だが、しかしながらそれを構成する化学元素の性質が制御されている新規な化合物を提供することを目的としている。
本発明は、特に、低コストで合成的に得ることができる新規な化合物を提供することを目的としている。
また、本発明は、雲母の一般式に相当するが、しかしながら特定の化学元素、例えばアルミニウム(Al)またはフッ素(F)を有していない新規な化合物を提供することを目的としている。
また、本発明は、高純度を有する、雲母の一般式に相当する新規な化合物を提供することを目的としている。
また、本発明は、雲母の一般式に相当し、そして天然雲母の構造的特徴に非常に近い構造的特徴を有し、特にX線回折による、9.80Å〜10.70Åの範囲の距離に位置する面(001)を有する、新規な化合物を提供することを目的としている。
また、本発明は、雲母の一般式に相当し、ナノメートルサイズの粒子の形態であることができる、新規な化合物を提供することを目的としている。
また、本発明は、そのような化合物の調製方法であって、その実施が単純で、そして迅速であり、そして工業的規模の生産の制約に耐えられる方法を提供することを目的としている。
本発明の目的は、層状構造、微細粒子径および低分散(dispersion)、ならびに天然鉱物、特には天然フィロケイ酸塩および天然雲母、の結晶構造に近い結晶構造を有する、高純度の合成無機粒子の調製方法を提供することである。
また、本発明は、特に、天然雲母の代わりに、種々の用途に用いることができる合成化合物を調製する方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明は、下記の式に相当する、合成雲母として知られている、合成無機化合物に関する。
Figure 2018529623
式中、
Aは、金属元素の少なくとも1種の一価の層間カチオン(A)を表し、Aは、式Liw(1)Naw(2)W(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、Liはリチウムを表し、Naはナトリウムを表し、Kはカリウムを表し、Rbはルビジウムを表し、Csはセシウムを表し、そしてそれぞれのw(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
tは、[0.3;1]の範囲の実数であり、
Siはケイ素を表し、
Geはゲルマニウムを表し、
xは[0;1]の範囲の実数であり、
Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属を表し、Mgはマグネシウムを表し、Coはコバルトを表し、Znは亜鉛を表し、Cuは銅を表し、Mnはマンガンを表し、Feは鉄を表し、Niはニッケルを表し、そしてCrはクロムを表し、それぞれのy(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
zは[2.50;2.85]の範囲の実数であり、
t+2zは[5.3;6.0]の範囲の実数であり、
Oは酸素を表し、そして、
Hは水素を表す。
実際に、本発明者らは、驚くべきことに、式(I)に従う化合物を合成することが可能であり、そしてそれは、従って、雲母の一般式に、アルミニウムの存在を必要とせずに、合致することを見出した。実際に、本発明による化合物は、四面体サイト中に電荷欠陥を有せず、その中にはケイ素および/またはゲルマニウム原子が位置していると考えられる。極めて驚くべきことには、そのような化合物は、八面体由来の電荷欠陥で得ることができる(八面体サイトはMによって占有されている)。
本発明による化合物は、フィロケイ酸塩の群に属している。特に、本発明による化合物は、雲母族の結晶構造に合致する結晶構造を有している。実際に、本発明による化合物は、天然雲母の結晶特性に非常に近い結晶特性を有している。有利には、本発明による化合物は、X線回折中において、9.70Å〜10.70Åの範囲、そして特には9・70Å〜10.30Åの範囲の距離に位置する面(001)に特徴的な少なくとも1つの回折線を有している。特に、そして有利には、本発明による化合物は、X線回折において、9.80Å〜10.30Åの範囲の距離に位置する面(001)に特徴付けられる少なくとも1つの回折線を有している。この回折線は、本発明による化合物を、500℃〜600℃の範囲の温度で加熱(例えば1〜6時間)した後に保持される。そのような回折線は、雲母の特徴であり、そして加熱(または無水の熱処理)の後のその保持は、本発明による化合物が、天然雲母の物理的および構造的性質に非常に類似した物理的および構造的性質を有していることを示している。
他方で、有利には、そして本発明によって、前記の化合物は、エチレングリコールまたはグリコールの存在下で膨張しない。本発明による化合物は、従って、雲母と同様に、そしてスメクタイトとは異なり、非膨張性である。
また、雲母は、高い熱安定性によっても特徴付けられる。本発明による化合物もまた、特に650℃までの、高い熱安定性を(特に、熱重量分析(TGA)によって、熱示差分析(TDA)によって、または示差走査熱量分析(DSC)によって立証できるように、層間水の流出なしに)有している。特に、そして有利には、本発明による化合物は、500℃まで熱的に安定である(特に、空気中で)。特に、本発明による化合物の層構造は、700℃まで、そして特には600℃まで維持される。
本発明による化合物のそれらの特徴および性質の全て、すなわち9.70Å〜10.30Åの範囲の距離に位置する面(001)に特徴的な回折線の、特には加熱の後に保持される、存在、それらが、特にエチレングリコールまたはグリコール中で、膨張しないこと、ならびにこれらの化合物の熱的安定性は、それらが、雲母族の物理的および構造的性質に相応する物理的および構造的性質を有していることを示している。
本発明による化合物の有利な変形では、tは、[0.8;1]の範囲の実数であり、zは[2.5;2.6]の範囲の実数である。
更に、本発明による化合物の有利な変形では、式(I)は、t+2z=6となるものである。
一方で、式(I)によれば、本発明による化合物は、四面体サイトに、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を、または、同時に、ケイ素原子およびゲルマニウム原子を、(SiGe1−x)においてxが0から1に変化するように、可変の比率で含むことができる。xが1に等しい場合には、本発明による化合物は、Geを含まない。
式(I)に基づいて、本発明による化合物は、八面体サイトに式Mの二価の金属を含むことができる。従って、Mは、マグナシウム、コバルト、亜鉛、銅、マンガン、鉄、ニッケルおよびクロムからなる群から選択されることができる。本発明による化合物の特に有利な変形では、Mは、専らマグネシウムである(M=Mg)。この場合には、本発明による化合物は下記の式(II)を有している。
Figure 2018529623
有利には、本発明による式(II)の化合物の粒子は、色が白色である。M金属としてマグネシウム以外の少なくとも1種の他の金属を含む本発明による化合物の粒子は、他の色を有することができる(桃色、緑色、茶色、ベージュなど)。
本発明による化合物の他の有利な変形では、Mはマグネシウムおよび少なくとも1種の他の金属、例えばMnもしくはNiを含んでいる。
特には、本発明による化合物の他の態様では、y(3)は1とは異なる。より詳細には、本発明による変形では、前記化合物は亜鉛を含まず、そしてy(3)は0に等しい。
特には、本発明による化合物の他の態様では、y(6)は1とは異なる。より詳細には、本発明による化合物の他の態様では、前記化合物は、鉄を含まず、そしてy(6)は0に等しい。実際に、幾つかの用途では、鉄を含まないか、または鉄の含有量が限定されている化合物を有することが有利である可能性がある。
有利には、そして本発明により、式(I)において、Aは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)およびセシウム(Cs)(従って、それぞれ、w(1)=1、w(2)=1、w(3)=1、w(4)=1またはw(5)=1)からなる群から選択される少なくとも1種の化学元素を表す。
本発明による化合物の式(I)では、Aは、その化合物の層間空間(層の間)に配置された金属カチオンを表し、それぞれの層は、四面体層、八面体層および第2の四面体層の配列を含んでいる(すなわち、TOT型の構造、Tは四面体層を表し、そしてOは八面体層を表す)。従って、有利には、本発明による化合物は、互いに重ね合わさり、そして層間空間と称される、少なくとも1つの空間によって互いに分離されている層で形成された一体構造によって構成されており、それぞれのカチオンAが、この層間空間中に配置されている。
特には、有利には、そして本発明によれば、Aは交換可能でない層間カチオンであり、すなわち、それは、合成雲母の構造と、安定して、そして恒久的に結合されている。このことは、特には、Aは、その化合物が、例えば、水中に懸濁された場合に、その化合物と結合されたままであることを意味している。
本発明による化合物の特に有利な変形によれば、式(I)において、Aは、カリウムを表す。この場合には、この化合物は下記の式(III)を有している。
Figure 2018529623
式(I)に基づいて、本発明による化合物は、Aの化学量論比に関連して、0.30〜1(包括的な値)の範囲、そして特には0.80〜1(包括的な値)の範囲の化学量論係数tを有しており、そして化学量論係数tは、その化学量論係数がzである金属Mの化学量論比に関連する。本発明による化合物の有利な変形では、前記化合物は、t=1およびz=2.5であり、そして下記の式(IV)を有するものである。
Figure 2018529623
上記の式(IV)において、Aがカリウムであり、ゲルマニウムはケイ素を全く置き換えず、そしてMがマグネシウムである場合には、本発明による化合物は下記の式(V)を有している。
Figure 2018529623
本発明による化合物の他の有利な変形では、前記化合物は、t=0.8そしてz=2.6、そして下記の式(VI)を有するものである。
Figure 2018529623
上記の式(VI)において、Aがカルシウムであり、ゲルマニウムがケイ素を全く置き換えておらず、そしてMがマグネシウムである場合には、本発明によるこの化合物は、下記の式(VII)を有している。
Figure 2018529623
また、本発明は、本発明による少なくとも1種の化合物を含む組成物に関する。
また、本発明は、下記の式(I)に相当する、合成雲母と称される、少なくとも1種の合成無機化合物を含む組成物に関する。
Figure 2018529623
式中、
Aは、金属元素の少なくとも1つの一価のカチオン(A)を表し、Aは、式Liw(1)Naw(2)W(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、Liはリチウムを表し、Naはナトリウムを表し、Kはカリウムを表し、Rbはルビジウムを表し、Csはセシウムを表し、そしてそれぞれのw(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
tは、[0.3;1]の範囲の実数であり、
Siはケイ素を意味し、
Geはゲルマニウムを表し、
xは[0;1]の範囲の実数であり、
Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属を表し、Mgはマグネシウムを表し、Coはコバルトを表し、Znは亜鉛を表し、Cuは銅を表し、Mnはマンガンを表し、Feは鉄を表し、Niはニッケルを表し、そしてCrはクロムを表し、それぞれのy(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
zは[2.50;2.85]の範囲の実数であり、
t+2zは[5.3;6.0]の範囲の実数であり、
Oは酸素を表し、そして
Hは水素を表す。
有利には、本発明による化合物および組成物は、鉄、亜鉛およびマンガンから選択された少なくとも1種の元素を含まない。特に、そして有利には、本発明による組成物は、鉄を含まない。
一方で、本発明による化合物はアルミニウムおよびフッ素含まないことに注意しなければならない。特に、そして有利には、本発明による組成物はまた、アルミニウムおよびフッ素から選択される少なくとも1種の元素を含まない。そのような組成物は、特定の用途、例えば、化粧品用途(特には、アルミニウムに関して)において特に有利である可能性がある。
特に、そして有利には、本発明による組成物は、アルミニウムを含まない。
特に、そして有利には、本発明による組成物は、フッ素を含まない。
有利には、本発明による組成物は、特に、それが本発明による、そして式(I)に相当する合成雲母粒子であって、Mがマグネシウムおよび/または亜鉛を表す合成雲母粒子を含む場合には、色が白色である。また、本発明による組成物は、特には、それが、本発明による、そして式(I)に相当する合成雲母粒子であって、y(1)が1とは異なり、Mがマグネシウムおよび/または亜鉛以外の金属を表すか、あるいはマグネシウムおよび/または亜鉛およびMによって規定される少なくとも1種の他の金属を含む合成雲母粒子を含む場合には、着色されている可能性がある。
本明細書をとおして、用語、粒子の「厚さ」は、粒子の最も小さい寸法、すなわち、その粒子の結晶格子の方向cにおける粒子のサイズ、を表す。
本明細書をとおして、粒子の「最大寸法」は、その粒子の結晶格子の面(a,b)における粒子の最大の寸法を表している。
粒子の厚さおよび最大寸法は、走査型電子顕微鏡(SEM)による、または透過型電子顕微鏡(TEM)による観察によって、測定される。
有利には、本発明による組成物は、500nm未満の平均サイズ、特には、10nm〜400nmの範囲の平均サイズ(例えば、電子顕微鏡によって観察された)を有する化合物の粒子を含んでいる。
有利には、本発明による組成物は、1nm〜60nmの範囲、特には2nm〜50nmの範囲、例えば10nmの水準、の厚さを有する化合物の粒子を含んでいる。有利には、本発明による組成物は、10nm〜600nmの範囲、特には20nm〜500nmの範囲、およびより好ましくは20nm〜300nmの範囲、の最大寸法を有する化合物の粒子を含んでいる。
また、本発明は、下記の式(I)の化合物を調製する方法に関する。
Figure 2018529623
式中、
Aは、金属元素の少なくとも1種の一価の層間カチオン(A)を表し、Aは式Liw(1)Naw(2)w(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、Liはリチウムを表し、Naはナトリウムを表し、Kはカリウムを表し、Rbはルビジウムを表し、Csはセリウムを表し、そしてそれぞれのw(i)は[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
tは[0.3;1]の範囲の実数であり、
Siはケイ素を表し、
Geはゲルマニウムを表し、
xは[0;1]の範囲の実数であり、
Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属を表し、Mgはマグネシウムを表し、Coはコバルトを表し、Znは亜鉛を表し、Cuは銅を表し、Mnはマンガンを表し、Feは鉄を表し、Niはニッケルを表し、そしてCrはクロムを表し、それぞれのy(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
であり、
zは[2.50;2.85]の範囲の実数であり、
t+2zは[5.3;6.0]の範囲の実数であり、
Oは酸素を表し、そして、
Hは水素を表し、
本方法では、
式(I)の化合物の前駆体ゲルは、以下のものの間の共沈反応によって調製される。
・ケイ素およびゲルマニウムからなる群から選択される少なくとも1種の化学元素の少なくとも1つの供給源、ケイ素およびゲルマニウムからなる群から選択されるこの化学元素のこの供給源は、メタケイ酸カリウムおよびメタゲルマニウム酸カリウムからなる群から選択される、
・二価の金属Mの少なくとも1種の金属塩、
・前記前駆体ゲルの調製の間のモル比(SiGe1−x)/Mは[2/1.425;1.6]の範囲である。
少なくとも1種の、式AOHの水酸化物が、前記前駆体ゲルに加えられて、モル比A/Mは少なくともt/zに等しい。
溶媒熱処理が、300℃〜600℃の範囲(包括的な値)の温度で前記前駆体に実施される。
実際に、本発明者らは、モルでの(SiGe1−x)/MおよびA/Mに関して、式(I)の化合物の化学量論的比率を考慮しながら、上記試薬を接触させることにより、前駆体ゲルが得られ、溶媒熱処理の後に、八面体の電荷欠損を有するが、しかしながら、特には層間距離に関して、合成雲母に構造的に相当する式(I)の化合物を得ることを可能にすることを、大きな驚きをもって見出した。このことは、そして特にはこの方法の簡単さは、それが、合成雲母(すなわち、非膨張性の合成無機物、そしてスメクタイトに近い族に属する膨張性の合成無機物ではない)を得ることを可能にすることは、なお更に驚くべきことである。実際に、非膨張性の合成無機物、例えば四面体の電荷欠陥を有する雲母(アルミニウムを含む)の合成は、通常は非常に高い圧力および温度を必要とし、一方で、八面体の欠陥を有するフィロケイ酸塩化合物、例えばスメクタイトを調製することはより容易である。
更に、前駆体ゲルに加えられる式AOHの水酸化物もまた、溶媒熱処理が行われる液体媒質との反応によって少なくとも1種の式AOHの水酸化物を生成するために好適ないずれかの化合物からもたらすことができることに注目しなければならない。式AOHの水酸化物は、例えば、溶媒熱処理媒質中へのアルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムまたはカリウムを含む)、例えばカリウムエトキシドの添加によって部分的には生成させることができる。
有利には、そして本発明によれば、前駆体ゲルの調製の間に、少なくとも1種の酸、特には、無機酸、カルボン酸(例えば、酢酸)およびスルホン酸(RSOH、Rは有機基である)からなる群から選択される酸が加えられる。用いられる酸は、例えば、硫酸(HSO)であることができる。特に、有利には、そして本発明によれば、前駆体ゲルの調製の間に、少なくとも1種の酸が加えられ、それによって酸に由来するアニオン(例えば、硫酸の場合には、SO 2−)のモル数および金属Mの金属塩から誘導されるアニオンのモル数の合計は、ケイ素およびゲルマニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素の供給源からのカリウムのモル数と少なくとも等しいか、または若干少ない。
有利には、そして本発明によれば、溶媒熱処理の前に、そして前駆体ゲルの沈殿に続いて、前駆体ゲルはすすぎ流体で、特にはいずれの反応性種(前駆体ゲル調製のための出発物)も含まない、特にはAおよびMを含まない、すすぎ流体で、で洗浄される。特に、前駆体ゲルは、水、あるいはエタノールで、洗浄される。そのような洗浄によって、前駆体ゲルの共沈殿反応の副生成物として形成された塩は除去される。
有利には、そして本発明によれば、溶媒熱処理は、連続的に、特には連続式反応器を用いることによって行われる。
いずれかの既知の連続式反応器を、本発明による方法に用いることができる。従って、有利には、そして本発明によれば、連続式反応器は、一定の体積の連続式反応器である。本発明による方法の特に有利な変形では、ピストン反応器(またはピストン型流通反応器)からなる群から選択される連続式反応器が用いられる。それは、例えば、管型反応器であることができ、その中では、反応媒体の流れは、層流、乱流または中間的形態で行われる。更に、本発明による方法で接触される種々の組成物および/または液体媒体の導入ならびに接触させることに関して、いずれかの連続並流または向流反応器を用いることが可能である。
反応媒体の溶媒熱処理は、特に、溶媒熱処理の温度および継続時間の関数として、合成粒子を得るために好適な圧力で、反応器の溶媒熱処理区域において行われる。有利には、そして本発明によれば、溶媒熱処理は、2MPa〜50MPaの範囲、特に8MPa〜40MPaの範囲、および特には22MPa〜30MPaの範囲の圧力で行われる。特には、溶媒が水である場合には、それは、溶媒熱処理が行われる温度での、飽和蒸気圧である。
本発明による方法の特に有利な変形では、溶媒熱処理は、水性媒体で行われる。従って、それは水熱処理である。水は、単独の溶媒、または希釈剤として、またはいずれかの他の流体と混合されて用いることができる。
また、本発明による方法は、溶媒熱処理の後に、溶媒熱処理の後に得られた合成雲母が無水熱処理に付される工程を含むことができる。有利には、そして本発明によれば、溶媒熱処理の後に、無水熱処理は、500℃〜600℃の範囲、例えば550℃の温度で行われる。そのような無水熱処理の継続時間は、例えば、30分間〜24時間、特には45分間〜12時間の範囲である可能性がある。そのような無水熱処理によって、本発明による方法によって得られる組成物中の式(I)の化合物の比率を増加することを可能にすることができる。また、そのような無水熱処理は、得られた化合物の結晶性を増加することを可能にすることができる。特には、有利には、そして本発明によれば、そのような無水熱処理の最後に、少なくとも90質量%の、そしてより好ましくは少なくとも95質量%の、本発明による式(I)の化合物の粒子を含む組成物が得られる。
また、本発明は、上記の、または下記の特徴の全てもしくは幾つかの組み合わせによって特徴付けられる化合物、組成物および方法に関する。
本発明の他の目的、特徴および利点は、限定するものではない例によって与えられ、そして添付の図面を参照する好ましい態様の1つの以下の記載を読むことによって明らかとなるであろう。
図1は、本発明による方法を実施することを可能にする装置の概略図を示しており、そこでは溶媒熱処理が連続的に行われる。
図2は、300℃での24時間の水熱処理の後に得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図3は、300℃での24時間の水熱処理の後に得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物の熱重量分析(TGA)によって、および示差熱分析(TDA)によって得られた温度記録図を表している。
図4は、300℃での24時間の水熱処理、次いで550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図5は、300℃での24時間の水熱処理、次いで550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物の熱重量分析(TGA)によって、および示差熱分析(TDA)によって得られた温度記録図を表している。
図6は、300℃での24時間の水熱処理の後に得られた式K0.3SiNi1.3510(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図7は、300℃での24時間の水熱処理、次いで550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた式K0.3SiNi1.3510(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図8は、300℃での24時間の水熱処理の後に得られた式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図9は、300℃での24時間の水熱処理、次いで550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図10は、300℃での24時間の水熱処理の後に得られた式KSiMg2.510(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
図9は、300℃での24時間の水熱処理、次いで550℃で4時間の無水熱処理の後に得られた式KSiMg2.510(OH)の化合物を含む組成物のX線回折図を表している。
A 本発明による化合物および組成物の調製のための一般的な手順
1/− 式(I)の化合物の前駆体ゲルの調製
式(I)の化合物の前駆体ゲルは、反応物として、メタケイ酸カリウムおよびメタゲルマニウム酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素源および/または少なくとも1種のゲルマニウム源、ならびに二価の金属Mの少なくとも1種の金属塩、Mは式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属、Mgはマグネシウムを示し、Coはコバルトを示し、Znは亜鉛を示し、Cuは銅を示し、Mnはマンガンを示し、Feは鉄を示し、Niはニッケルを示し、そしてCrはクロムを示し、そしてそれぞれのy(i)は[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
Figure 2018529623
である、を含む共沈反応によって調製することができる。
この共沈反応は、本発明による化合物の式(I)に相当する合成雲母の化学量論組成を示す前駆体ゲルを得ることを可能にする。
前駆体ゲルは、以下の1〜3から行われる共沈反応によって調製される。
1.二価の金属Mの少なくとも1種の金属塩が溶解された水溶液、例えば、金属硫酸塩の水溶液
2.硫酸(HSO)の溶液、および、
3.メタケイ酸カリウムの水溶液、またはメタゲルマニウム酸カリウムの水溶液、またはそれらの2種の溶液のモル比x/(1−x)の混合物
この前駆体ゲルの調製の間のモル比(SiGe1−x)/Mは、[2/1.425;1.6]、そして、特には、[2/1.3;1.6]の範囲である。
この前駆体ゲルの調製は、以下の手順に従って行われる。
1.少なくとも1種の金属塩を含む溶液が、硫酸溶液と混合される。
2.メタケイ酸カリウムおよび/またはメタゲルマニウム酸カリウムの水溶液が、次いでそれに加えられて、そして前駆体ゲルが即座に形成される。
結果として得られる、前駆体ゲルを含む懸濁液は、室温で(例えば22.5℃で)5〜30分間撹拌されることができ、そして次いで数サイクルの洗浄および遠心分離に付されれるか、あるいは直接にそれらの洗浄サイクルおよび遠心分離に付されることができる。
また、前駆体ゲルは、遠心分離(例えば、3000〜1500rpmの範囲、5〜60分間)および上澄み液(硫酸カリウム溶液)の除去、および脱塩水での洗浄(例えば、3回の洗浄および引き続いた遠心分離)の後に回収することができる。
洗浄され、そして硫酸カリウムを含む溶液から分離された前駆体ゲルは、次いで、最後の遠心分離の最後に実施されるか、またはおそらくは乾燥(例えば、オーブン中で、または凍結乾燥によって)された後に実施される、溶媒熱処理に付される。
式AOHの少なくとも1種の水酸化物が、次いで前駆体ゲルに加えられて、それによってモル比A/Mは少なくともt/zに等しい。
前駆体ゲルおよび水酸化物AOHの懸濁液が、そのように得られる。
2/− 前駆体ゲルの溶媒熱処理
前もって(式AOHの水酸化物の添加の後に)得られた前駆体ゲルは、特には300℃〜600℃の範囲の温度で溶媒熱処理に付される。
本発明による方法の第1の変形では、前駆体ゲルの溶媒熱処理は、密閉された反応器中で実施される。
それを行うために、溶媒熱処理の全体の進行の間に、前駆体ゲルは、所定の反応温度(300℃〜600℃の範囲に定められた)のオーブン内部に配置された、反応器/オートクレーブ中に配置される。
前もって、液体/固体比は、2〜80の範囲、特には5〜50の範囲の値(液体の量はcmで表され、そして固体の量はグラムで表され、そして乾燥ゲルのみの量を表す)に調整することができる。
特には、反応器またはオートクレーブを、溶媒熱処理の温度および圧力の条件下に、式AOHの水酸化物が前駆体ゲルに加えられた後に、6時間未満、特には3時間未満、そして特には1時間未満、置くことが好ましい。
水熱処理の間、前駆体ゲルは徐々にゼラチン状の軟度(consistance)を獲得する。溶媒熱処理の最後に得られる組成物は、X線回折で観察可能な結晶性を有しており、この結晶性は溶媒熱処理の継続時間と共に増加し、そして特性線の迅速な出現を備えた対応する回折図をもたらし、特性線は、緻密化され、そして処理の間に迅速に強まる。
この溶媒熱処理の最後に、本発明による化合物の式(I)による合成雲母の無機粒子を、溶液、特には水溶液中の懸濁物として含む組成物が、得られる。この溶媒熱処理の最後に、反応器中にはいっている組成物は、遠心分離(3000rpm〜15000rpmの範囲、5〜60分間)によって、そして次いで上澄みの除去によって回収される。
最後の遠心分離の後に回収された無機粒子を含む組成物は、次いで、
60℃〜130℃の範囲の温度のオーブン中に1〜24時間、または、
例えば、CHRIST ALPHA(商標)1-2 LD Plusの凍結乾燥機中での、48〜72時間の凍結乾燥によって、或いは、
噴霧化によって、
乾燥されることができる。
本発明の方法の第2の変形では、前駆体ゲルの溶媒熱処理は、連続式で行われる。
溶媒熱処理が連続式で行われる本発明による方法では、本発明による化合物の無機粒子の調製のための反応器15は、連続的に用いられ(図1に示されているように)、
前駆体ゲルを含む第1の水溶液20が導入される導管の第1の部分11、
式AOH(例えば、KOH)の少なくとも1種の水酸化物を含む第2の水溶液21が導入される第2の導管部分12、
第1の導管部分11と第2の導管部分12との後に配置され、そして反応チャンバ16の入口9へと延在する第3の導管部分13、第1の導管部分11と第2の導管部分12は点17で結合し、そこから第3の導管部分が始まる、
入口9から反応チャンバ16中に、そして第3の導管部分13の後に延在する反応導管14、
を含んでいる。
蠕動ポンプ18で、第1の導管部分11に、撹拌されているタンク30中に容れられた第1の水溶液20が、連続的に供給される。第2の蠕動ポンプ19で、第2の導管部分12に、撹拌されているタンク31中に容れられた第2の水溶液21が、連続的に供給される。
あるいは、式AOHの水酸化物はまた、容器30中の前駆体ゲルに加えることもでき、水で前駆体ゲルの希釈の調整を可能とし、前駆体ゲルは容器31に移すことができる。
反応導管14内の温度を制御する目的で、反応チャンバ16は、セラミック材料の抵抗器を含む加熱筒を有するオーブンである。反応導管14は、それが反応チャンバ16の出口を構成する出口8を通して加熱筒を出るまで、加熱筒の内部で複数回巻かれている概括的にコイルの形状である。
第3の導管部分13の内部の混合物は、周囲温度に近い。第3の導管部分13は任意であり、そして点17と入口9は結合されて一体となっていてもよい。図1に示された態様では、第3の導管部分13は、例えば、10cm〜20cmの範囲の長さを有している。
本発明による方法によって合成無機粒子の調製に用いられる装置の全滞留時間は、30分間未満、そして特には15分間未満、または更には5分間未満、または1分間の水準である。
更に、例えば溶媒熱処理区域の前に配置された入口4、5を用いて、他の溶媒を導入し、そして、特には、溶媒の量をこの装置の異なる水準に調整することが可能であり、入口4は点17の前に配置されており、一方入口6は溶媒熱処理区域の水準に配置されており、一方入口7は、溶媒熱処理の出口の後で、そして得られる懸濁液の出口の前に配置されている。
圧力調整器2が、反応チャンバ16の下流に、反応導管14と反応容器16から容器25へと延在する第5の導管部分10と連絡して配置されており、容器25に、得られた無機粒子を含む懸濁液が回収される。
第5の導管部分10に挿入された弁32を閉鎖することで、導管14の出口8で得られた懸濁液を、この懸濁液が、粒子を保持し、そしてその回収を可能とさせるように適用された多孔質の焼結体34を通過させるように配置された反応回路33中で循環させることが可能となる。この多孔質の焼結体34は、反応器を離れる懸濁液を冷却するように、氷容器35中に浸漬される。この場合には、枝分かれ回路33に配置された弁36および37は、開かれる。この多孔質の焼結体34は、合成された無機粒子を、それらを、それらを含む液体媒質から分離することによって保持するように選択される。焼結された材料は、例えば、316Lステンレス鋼で、50μmの開孔度で作られる。多孔質の焼結体34が無機粒子で閉塞した場合には、懸濁液を容器25中に直接回収するために、弁32を開け、そして弁36および37を閉じれば十分であり、この懸濁液は、それを氷容器35を通過させることによって冷却され、次いで、無機粒子を回収するために数回洗浄および遠心分離され、無機粒子は次いで、例えばオーブン中で乾燥されることができる。他の変形(示されてはいない)では、幾つかの焼結体を並行して与えることもまたもちろん可能であり、このことで、得られた懸濁液が反応導管14の出口に、そして、前の焼結体が無機粒子によって閉塞されると直ぐに他の焼結体に、向かって導かれることを可能にする。
あるいは、前駆体ゲルおよび式AOHの水酸化物を含む溶液が最初に調製される場合には、同じ、そして単に一部の導管が、第1の導管部分11および第2の導管部分12に置き換わる。他の変形では、タンク30が前駆体ゲルを含む溶液を含み、そしてタンク31が式AOHの水酸化物を含むこともまた可能である。
それぞれの場合において、反応媒体の、反応導管14中での、そして前駆体ゲル組成物を反応チャンバ16の入口9へと供給する全ての導管中での連続的な循環を可能にするために、導管のそれぞれの部分中に、そして反応導管14中に導入される前駆体の希釈を制御することが重要である。反応チャンバ16の入口で導入される前駆体ゲル組成物中の前駆体ゲルの濃度は、有利には、10−3モル/L〜数モル/L、例えば0.01モル/Lの水準である。この濃度は、合成無機粒子、例えば従来技術のフィロケイ酸塩を調製するための方法で用いられる濃度よりも遥かに低いことに注意しなければならない。
本能導管14中で行われる溶媒熱処理は、特には、超臨界条件または臨界未満の条件下で、そして特には、均質臨界未満条件下で行われることができる溶媒熱処理である。従って、この溶媒熱処理が行われる温度および圧力を、反応器入口で導入される前駆体ゲル組成物、そして特にはそれが含んでいる溶媒が、超臨界条件下、または均質臨界未満条件下、すなわち溶媒の気液平衡曲線より上であるように、溶媒が液体状態で存在し、そして液体−気体混合物または気体のみの形態で存在しないように、選択することが可能である。
この溶媒熱処理の最後に、溶液、特には水溶液中に無機粒子を含む懸濁液が得られる。この溶媒熱処理の最後に、得られた懸濁液がろ過によって、例えばセラミック焼結体を用いて、或いは遠心分離によって(3000〜15000rpmの範囲、5〜60分間)次いで上澄みの除去で、回収される。
回収された無機粒子を含む組成物は、随意選択的に水で、特には蒸留水もしくは浸透水で、例えば1回もしくは2回の洗浄/遠心分離サイクルを行うことによって、洗浄することができる。
最後の遠心分離の後に回収された無機粒子を含む組成物は、次いで、
60℃〜130℃の範囲の温度のオーブン中で、1〜24時間に亘って、または、
例えば、CHRIST ALPHA(商標)1-2 LD Plus凍結乾燥機中で、48時間〜72時間の凍結乾燥によって、
マイクロ波の照射によって、
噴霧によって、
あるいは、いずれかの他の粉末乾燥技術によって、
乾燥されることができる。
従って、本発明者らは、超臨界条件下での極めて短時間(1分間未満)の溶媒熱処理のみで、初期のゲルの、結晶化された、そして熱的に安定な材料への変換を可能にするのに十分であるのみならず、得られた合成無機粒子が、天然雲母に匹敵する結晶性を有することを見出すことができた。
本発明による方法によって得られる組成物中に含まれる無機粒子は、溶媒熱処理の極めて短い継続時間に対して、純度、結晶性、および熱安定性の点で優れた特性を有している。
B 分析および構造的な特性決定
1.X線回折分析
図2、4および6〜11に、X線回折図が示されており、それぞれには、信号(秒当たりのストローク数)の相対強度が、格子間オームストロング間隔の関数として、示されている。
本発明による化合物は、X線回折において、それは9.80Å〜10.20Åの範囲の距離に位置する面(001)の特徴である、少なくとも1つの回折線を有している。そのような回線線は雲母の特徴である。
図2、4および6〜11はそれぞれ、以下のものについて、X線回折で行われた解析の結果を示している。
・ 300℃で24時間の水熱処理の後に得られた、式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図2)、
・ 300℃での24時間の水熱処理、それに続く550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた、式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図4)、
・ 300℃で24時間の水熱処理の後に得られた、式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図6)、
・ 300℃での24時間の水熱処理、それに続く550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた、式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図7)、
・ 300℃での24時間の水熱処理の後に得られた、式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図8)、
・ 300℃での24時間の水熱処理、それに続く550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた、式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図9)、
・ 300℃での24時間の水熱処理の後に得られた、式KSiMg2.510(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図10)、
・ 300℃での24時間の水熱処理、それに続く550℃で5時間の無水熱処理の後に得られた、式KSiMg2.510(OH)の化合物を含む合成雲母組成物(図11)。
図2に示された回折図RXは、INEL(Artenay、仏国)によって市販されているCPS 120装置で記録された。これは、120°の角度範囲に亘って、実時間での検出を可能とする、湾曲検出器の回折計である。用いられた加速電圧は40kVであり、そして強度は、25mAである。構造的間隔を与えるブラッグの関係は、dhk1=0.89449/sinθ(コバルト対陰極の使用で)である。
図4および図6〜11に示されたX線回折図は、Panalytical(商標)(オランダ)によって市販されているPanalytical MPDPro(商標)回折計で記録された。これは、高速線形検出器を備えたシータ/シータ多重配位回折計(透過、反射、可変温度)である。構造的間隔を与えるブラッグの関係は、dhk1=0.7703/sinθ(銅対陰極の使用で)である。
2.熱的解析
図3および5には、300℃で24時間の水熱処理、そして同じ組成物を更に550℃で5時間の無水熱処理に付した後に得られた、本発明による化合物(AlSi(OH))を含む組成物の、熱重量分析(TGA)によって(曲線48および57)、および示差熱分析(TDA)によって(曲線49および58)得られた曲線を示している。
図3および5では、曲線49および58(示差熱分析、図3および5中の実線)が、分析された組成物の試料によって放出または吸収された熱(温度記録図の左側に位置するy軸上にmWで)を、温度(0℃〜1000℃)の関数として表している。図3では、曲線48および57(熱重量分析、図3および5中の破線)は、分析された組成物試料の質量変動(温度記録図の右側に位置する縦軸上に%で)を、温度(0℃〜1000℃)の関数として表している。
得られたこれらの温度記録図は、雲母の特徴であり、550℃で開始する脱ヒドロキシル化、および約800℃での相転移を有している。脱ヒドロキシル化温度は、天然雲母のものよりも若干低く、このことは得られた粒子のより小さな大きさによって説明される。
ATDおよびATG分析は、PERKIN ELMER(商標)(米国)によって市販されているDiamond TG/TDA(商標)熱天秤で、空気中で30℃〜1000℃の範囲の温度範囲で、そして10℃/分の加熱速度で、行われた。
3.粒子径の顕微鏡観察および評価
本発明による組成物を構成することができる粉末の顕著な微細さを鑑みて、それらを構成する無機粒子のサイズおよび粒子径分布は、走査型電子顕微鏡および電界効果および透過型電子顕微鏡を用いた観察によって評価された。
一次粒子の平均サイズは、10nm〜400nmの範囲で変化することを理解することができる。特に、これらの粒子は、1nm〜60nmの範囲の厚さ、および10nm〜500nmの範囲の最大寸法を有している。
更に、本発明による方法によって調製された合成雲母粒子は、真珠光沢効果を有していることが観察され、このことは、多くの工業分野において興味を持たれる可能性がある。
以下の例は、本発明による調製方法およびそのように得られた化合物の構造的特徴を示している。
例1 本発明による無機粒子を含む組成物の調製
300mLの、硫酸マグネシウム(33.27gまたは0.135モル)および硫酸(120gの0.5M溶液)の水溶液が調製される。
次いで、メタケイ酸カリウムの溶液が、150mLの脱塩水中に52%の固形分を含む、59.35g(すなわち、0.2モル)の、メタケイ酸カリウム(KSiO)の水溶液を希釈することによって調製される。このメタケイ酸カリウム溶液が、前の溶液に加えられ、そして白色の沈殿が即座に形成される。
結果として得られる懸濁液は、5分間撹拌される。次いで、蒸留水での、そして8000rpmで、遠心分離が繰り返されるそれぞれの回に10分間の遠心分離で3回の洗浄サイクルが行われる。それぞれの遠心分離の後の上澄み溶液の除去をともなうこれらの連続的な洗浄で、前駆体ゲルの沈殿反応の間に形成される硫酸カリウムを除去することが可能となる。最後に、回収された白色の沈殿は、脱塩水中に懸濁されて、500mLの最終的な体積となり、そして白色を有する前駆体ゲルの均一な懸濁液が得られるまで、磁気撹拌しながら、10分間に亘って超音波に掛けられる。
前もって30mLの脱塩水中に希釈された、988mgの、式KOHの水和された水酸化カリウム(85%の水酸化カリウムおよび15%の水、すなわち0.015モルの純粋な水酸化カリウムが加えられる)が、次いで、前駆体ゲルに加えられ、そして得られた懸濁液は、磁気式で室温(22.5℃)で5分間撹拌される。
オーブン中に置かれた密閉されたチタン製の反応器中に置かれた前駆体ゲルが、次いで反応器中で、水の飽和蒸気圧の下で、300℃の温度で24時間に亘って水熱処理に付される。
室温に冷却した後に、反応器が開けられ、そして得られた懸濁液は遠心分離される。遠心分離の後に、少なくとも80質量%の式K0.3SiMg2.710(OH)の化合物の粒子を含む組成物が得られる。
遠心分離の後に回収された粒子の組成物は、オーブン中で120℃で12時間乾燥され、そして次いで乳鉢中で粉砕される。結果として得られる組成物は、白色の粉末の形態である。
そのように得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の粒子の組成物のX線回折図が図2に示されている。この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
10.15Åの距離に位置する面(001)(線40)
5.03Åの距離に位置する面(002)(線41)
4.53Åの距離に面(020)(線42)
3.34Åの距離に位置する面(003)および(022)(線43)
2.60Åの距離に位置する面(131)(線44)
2.01Åの距離に位置する面(005)(線45)
1.52Åの距離に位置する面(060)(線46)
そのように得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の粒子の組成物のTGA−TDAによって得られた曲線48および49が図3に示されている。そのような温度記録図は、雲母の特徴であり、550℃からの脱ヒドロキシル化および800℃での相転移を備えている。それらの転移温度は、得られた粒子のサイズがより小さいために、天然雲母よりも若干低い。
次いで、この組成物は、オーブン中で550℃で5時間に亘って無水熱処理に付される。この無水熱処理の後に得られた組成物は、白色のままである。
550℃での無水熱処理の後に得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の粒子の組成物のX線回折図が図4に示されている。無水熱処理の後の、この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
10.24Åの距離に位置する面(001)(線50)
5.02Åの距離に位置する面(002)(線51)
4.56Åの距離に面(020)(線52)
3.37Åの距離に位置する面(003)および(022)(線53)
2.60Åの距離に位置する面(131)(線54)
2.02Åの距離に位置する面(005)(線55)
1.52Åの距離に位置する面(060)(線56)
図2と比較して図4から理解することができるように、そのような無水熱処理は、得られた組成物中の式K0.3SiMg2.710(OH)の合成無機粒子の比率を増加させることを可能にする。特に、図2中で面(001)に対応するピークの基底部に最初に存在するショルダが、図4では消失していたことを観察することができる。
そのような無水熱処理の後に、そのように得られた式K0.3SiMg2.710(OH)の粒子の組成物のTGA−TDAによって得られた曲線57および58が、図5に示されている。図3のように、そのような温度記録図は、雲母の特徴であり、550℃からの脱ヒドロキシル化および800℃での相転移を有している。それらの転移温度は、得られた粒子のサイズがより小さいために、天然雲母よりも若干低い。
図3および5では、曲線49および58(示差熱分析、実線)が、分析された組成物試料によって放出または吸収された熱を(温度記録図の左側に位置する縦軸上にmWで)、温度の関数として表している。図3には、曲線48および57(熱重量分析、破線)は、分析された組成物試料の質量変化を(温度記録図の右側に位置する縦軸上に%で)、温度の関数として表している。
例2 本発明による無機粒子を含む組成物の調製
300mLの、硫酸マグネシウム(16.64gまたは0.0675モル)、硫酸ニッケル(17.74gまたは0.0675モル)および硫酸(120gの0.5M溶液)の水溶液が調製される。
次いで、メタケイ酸カリウムの溶液が、59.35g(0.2モル)の、脱塩水の150mL中の52%固形分のメタケイ酸カリウムの第1の水溶液を希釈することによって調製される。メタケイ酸カリウムのこの溶液は、先の溶液に加えられ、そして緑色の沈殿が即座に形成される。
結果として得られる懸濁液は、5分間撹拌される。次いで、蒸留水での、そして8000rpmで、遠心分離が繰り返されるそれぞれの回に10分間の遠心分離での、3回の洗浄サイクルが行われる。それぞれの遠心分離の後の上澄み溶液の除去をともなうこれらの連続的な洗浄で、前駆体ゲルの沈殿反応の間に形成される硫酸カリウムを除去することが可能となる。最後に、回収された緑色の沈殿は、脱塩水中に懸濁されて、500mLの最終的な体積となり、そして緑色の前駆体ゲルの均一な懸濁液が得られるまで、磁気撹拌しながら、10分間に亘って超音波に掛けられる。
前もって30mLの脱塩水中に希釈された、988mgの水和された水酸化カリウム(85%の水酸化カリウムおよび15%の水、すなわち0.015モルの純粋な水酸化カリウムが加えられる)が、次いで、前駆体ゲルに加えられ、そして得られた懸濁液は、室温(22.5℃)で磁気式で5分間撹拌される。
オーブン中に置かれた密閉されたチタン製の反応器中に置かれた前駆体ゲルが、次いで反応器中で、水の飽和蒸気圧の下で、300℃の温度で24時間に亘って水熱処理に付される。
室温に冷却した後に、反応器が開けられ、そして結果として得られた懸濁液は遠心分離される。遠心分離の後に、少なくとも80質量%の式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の化合物の粒子を含む組成物が回収される。
遠心分離の後に回収された粒子の組成物は、オーブン中で120℃で12時間乾燥され、そして次いで乳鉢中で粉砕される。乾燥の後に得られる粒子組成物は、緑色の粉末の形態である。
そのように得られた式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の粒子の組成物のX線回折図が図6に示されている。この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
9.70Åの距離に位置する面(001)(線60)
4.48Åの距離に位置する面(020)(線61)
3.27Åの距離に位置する面(003)および(022)(線62)
2.58Åの距離に位置する面(131)(線63)
1.51Åの距離に位置する面(060)(線64)
次いで、この組成物は、オーブン中で550℃で5時間に亘って無水熱処理に付される。
550℃での無水熱処理の後に得られた式K0.3SiNi1.35Mg1.3510(OH)の化合物の粒子の組成物のX線回折図が図7に示されている。この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
9.95Åの距離に位置する面(001)(線65)
4.48Åの距離に位置する面(020)(線66)
3.27Åの距離に位置する面(003)および(022)(線67)
2.58Åの距離に位置する面(131)(線68)
1.51Åの距離に位置する面(060)(線69)
図6と比較して図7から理解できるように、そのような無水熱処理は、得られた組成物の粒子の結晶性を増加させることを可能にする。特に、面(001)に対応するピークが、強度が増加し、そしてより鋭くなっていることを理解することができる。
例3 本発明による無機粒子を含む組成物の調製
300mLの,硫酸マグネシウム(33.27gまたは0.135モル)および硫酸(120gの0.5M溶液)の水溶液が調製される。
次いで、150mLの脱塩水中に52%の固形分を含む、59.35g(すなわち0.2モル)のメタケイ酸カリウムの水溶液を希釈することによって、メタケイ酸カリウム溶液が調製される。メタケイ酸カリウムのこの溶液は、先の溶液に加えられ、そして白色の沈殿が即座に形成される。
結果として得れる懸濁液は、5分間撹拌される。次いで、蒸留水での、そして8000rpmで、それぞれの繰り返される遠心分離について10分間の遠心分離での、3回の洗浄サイクルが行われる。それぞれの遠心分離の後の上澄み溶液の除去をともなうこれらの連続的な洗浄で、前駆体ゲルの沈殿反応の間に形成される硫酸カリウムを除去することが可能となる。最後に、回収された沈殿は、脱塩水中に懸濁されて500mLの最終的な体積となり、そして磁気撹拌しながら、白色の前駆体ゲルの均一な懸濁液が得られるまで、10分間に亘って超音波に掛けられる。
30mLの脱塩水中に前もって希釈された、629mgの水酸化リチウム(LiOH)(すなわち、0.015モルのLiOH)が、次いで、前駆体ゲルに加えられ、そして得られた懸濁液は、磁気式で室温(22.5℃)で5分間撹拌される。
オーブン中に置かれた密閉されたチタン製の反応器中に置かれた前駆体ゲルが、次いで反応器中で、水の飽和蒸気圧の下で、300℃の温度で24時間に亘って水熱処理に付される。
室温に冷却した後に、反応器が開けられ、そして得られた懸濁液は遠心分離される。遠心分離の後に、少なくとも80質量%の式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物の粒子を含む組成物が得られる。
遠心分離の後に回収された粒子の組成物は、オーブン中で120℃で12時間乾燥され、そして次いで乳鉢中で粉砕される。乾燥の後に得られる粒子組成物は、白色の粉末の形態である。
そのように得られた式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物の粒子の組成物のX線回折図が図8に示されている。この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
10.28Åの距離に位置する面(001)(線70)
4.94Åの距離に位置する面(002)(線71)
4.48Åの距離に位置する面(020)(線72)
3.30Åの距離に位置する面(003)および(022)(線73)
2.60Åの距離に位置する面(131)(線74)
1.51Åの距離に位置する面(060)(線75)
次いで、この組成物は、オーブン中で550℃で5時間に亘って無水熱処理に付される。
そのようにして550℃での無水熱処理の後に得られた式Li0.3SiMg2.710(OH)の化合物の粒子の組成物のX線回折図が図9に示されている。この組成物のX線回折図は、無水熱処理の後で、以下の特徴的な回折線を有している。
10.12Åの距離に位置する面(001)(線76)
4.95Åの距離に位置する面(002)(線77)
4.50Åの距離に位置する面(020)(線78)
3.30Åの距離に位置する面(003)および(022)(線79)
2.59Åの距離に位置する面(131)(線80)
1.52Åの距離に位置する面(060)(線81)
図8と比較して図9から理解できるように、そのような無水熱処理は、得られた組成物の粒子の結晶性を増加させることを可能にする。特に、面(001)に対応するピークが、強度が増加し、そしてより鋭くなっていることを理解することができる。
例4 本発明による無機粒子を含む組成物の調製
300mLの,硫酸マグネシウム(30.81gまたは0.125モル)および硫酸(120gの0.5M溶液)の水溶液が調製される。
次いで、150mLの脱塩水中に52%の固形分を含む、59.35g(すなわち0.2モル)のメタケイ酸カリウム(KSiO)の水溶液を希釈することによって、メタケイ酸カリウム溶液が調製される。メタケイ酸カリウムのこの溶液は、先の溶液に加えられ、そして白色の沈殿が即座に形成される。
結果として得られる懸濁液は、5分間撹拌される。次いで、蒸留水での、そして8000rpmで、それぞれの繰り返される遠心分離について10分間の遠心分離での、3回の洗浄サイクルが行われる。それぞれの遠心分離の後の上澄み溶液の除去をともなうこれらの連続的な洗浄で、前駆体ゲルの沈殿反応の間に形成される硫酸カリウムを除去することが可能となる。最後に、回収された白色の沈殿は、脱塩水中に懸濁されて500mLの最終的な体積となり、そして磁気撹拌しながら、白色の前駆体ゲルの均一な懸濁液が得られるまで、10分間に亘って超音波に掛けられる。
30mLの脱塩水中に前もって希釈された、3.42gの式KOHの水酸化カリウム(85%の水酸化カリウムおよび15%の水、すなわち0.052モルの純粋な水酸化カリウムが加えられる)が、次いで、前駆体ゲルに加えられ、そして得られた懸濁液は、室温(22.5℃)で磁気式で5分間撹拌される。
オーブン中に置かれた密閉されたチタン製の反応器中に置かれた前駆体ゲルが、次いで反応器中で、水の飽和蒸気圧の下で、300℃の温度で24時間に亘って水熱処理に付される。
室温に冷却した後に、反応器が開けられ、そして結果として得られた懸濁液は遠心分離される。遠心分離の後に、少なくとも80質量%の式KSiMg2.710(OH)の化合物の粒子を含む組成物が回収される。
遠心分離の後に回収された粒子の組成物は、オーブン中で120℃で12時間乾燥され、そして次いで乳鉢中で粉砕される。結果として得られる組成物は、白色の粉末の形態である。
そのように得られた式KSiMg2.710(OH)の化合物の粒子の組成物のX線回折図が図10に示されている。この組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
10.14Åの距離に位置する面(001)(線85)
5.04Åの距離に位置する面(002)(線86)
4.51Åの距離に位置する面(020)(線87)
3.33Åの距離に位置する面(003)(線88)
2.30Åの距離に位置する面(131)(線89)
1.52Åの距離に位置する面(060)(線90)
次いで、この組成物は、オーブン中で550℃で4時間に亘って無水熱処理に付される。無水熱処理の後に得られた組成物は、白色のままである。
550℃での無水熱処理の後に得られた式KSiMg2.710(OH)の化合物の粒子の組成物のX線回折図が図11に示されている。この組成物のX線回折図は、無水熱処理の後で、以下の特徴的な回折線を有している。
10.12Åの距離に位置する面(001)(線91)
5.09Åの距離に位置する面(002)(線92)
4.52Åの距離に位置する面(020)(線93)
3.40Åの距離に位置する面(003)(線94)
2.60Åの距離に位置する面(131)(線95)
1.52Åの距離に位置する面(060)(線96)
図10と比較して図11から理解できるように、そのような無水熱処理は、得られた組成物の粒子の結晶性を増加させることを可能にする。特に、面(001)に対応するピークが、強度が増加し、そしてより鋭くなっていることを理解することができる。
例5 本発明による合成無機粒子を含む組成物の連続的調製
300mLの、硫酸マグネシウム(33.27gまたは0.135モル)および硫酸(120gの0.5M溶液)の水溶液が調製される。
次いで、150mLの脱塩水中に52%の固形分を含む、59.35g(すなわち0.2モル)のメタケイ酸カリウム(KSiO)の水溶液を希釈することによって、メタケイ酸カリウム溶液が調製される。メタケイ酸カリウムのこの溶液は、先の溶液に加えられ、そして白色の沈殿が即座に形成される。メタケイ酸カリウムのこの溶液は、先の溶液に加えられ、そして白色の沈殿が即座に形成される。
結果として得られる懸濁液は、5分間撹拌される。次いで、蒸留水での、そして8000rpmで、それぞれの繰り返される遠心分離について10分間の遠心分離での、3回の洗浄サイクルが行われる。それぞれの遠心分離の後の上澄み溶液の除去をともなうこれらの連続的な洗浄で、前駆体ゲルの沈殿反応の間に形成される硫酸カリウムを除去することが可能となる。最後に、回収された沈殿は、脱塩水中に懸濁されて500mLの最終的な体積となり、そして磁気撹拌しながら、白色の前駆体ゲルの均一な懸濁液が得られるまで、10分間に亘って超音波に掛けられる。
前もって30mLの脱塩水中に希釈された、988mgの、水和された水酸化カリウム(85%の水酸化カリウムおよび15%の水、すなわち0.015モルの純粋な水酸化カリウムが加えられる)が、次いで、前駆体ゲルに加えられ、そして得られた懸濁液は、室温(22.5℃)で磁気式で5分間撹拌される。
300mLの純粋中に希釈された前駆体ゲルは、次いでタンク30中に容れられる(図1を参照)。導管20の部分13中の前駆体ゲルの希釈を、必要に応じて、調整することを可能とする純水が、タンク31中に容れられる。
蠕動ポンプ18、19によって、これらの2種の溶液を別々に、1/8インチ(3.175mm)の外径および1.57mmの内径を有する鋼製導管を経由して、そして、それぞれ2mL/分の流量で、すなわち前駆体ゲルを含む溶液と純水との混合が連続的に起こり、反応導管14の入口9の前数センチメートル前である点17で、4mL/分の合計流量で、移動することが可能となる。チャンバ16中の温度は400℃であり、そして反応導管14中の圧力は、22.1MPa超(25MPaの水準の)に維持されており(圧力調節器2によって)、それによって筐体16内の反応導管14内部で循環する反応媒体は、水の臨界点(374℃、221バール)より上の条件下にある。
従って、前駆体ゲルは、反応チャンバ16中で水熱処理を受け、それによってこの前駆体ゲルを式K0.3SiMg2.710(OH)の合成無機粒子の懸濁液に転換することが可能となる。反応導管14中の入口9と出口8との間の滞留時間は、40秒間である。
冷却の後に、反応器15の出口8に存在する懸濁液は、式K0.3SiMg2.710(OH)の合成無機粒子のコロイド状懸濁液である。それは白色の乳状の組成物の外観を有しており、それは数十分で衰退する。この懸濁液は、遠心分離サイクルに付される(8000rpmで10分間)。遠心分離後、一方で、式KSiMg2.710(OH)の合成無機粒子を含む組成物が、そして他方では、上澄みの水溶液が得られる。
遠心分離の後に回収された粒子の組成物は、オーブン中で乾燥され(120℃で12時間)、そして次いで乳鉢で粉砕される。結果として得られる組成物は、白色粉末の形態である。
式K0.3SiMg2.710(OH)の粒子の組成物のX線回折図は、以下の特徴的な回折線を有している。
10.65Åの距離に位置する面(001)
5.06Åの距離に位置する面(002)
4.55Åの距離に位置する面(020)
3.35Åの距離に位置する面(003)および(022)
2.62Åの距離に位置する面(131)
1.53Åの距離に位置する面(060)
本発明は多くの変形が対象となる可能性がある。特に、例示された、そして式(I)に相当する化合物の他の化合物を、用いられる金属塩および水酸化物の性質を変えることによって、あるいはまた、前駆体ゲルの調製の間に、ケイ素源に加えてゲルマニウム源を用いることによって、調製することが可能である。

Claims (15)

  1. 下記の式(I)、
    Figure 2018529623
    式中、
    Aは、少なくとも1種の、金属元素の一価の層間のカチオンであり、Aは、式Liw(1)Naw(2)W(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、Liはリチウムを表し、Naはナトリウムを表し、Kはカリウムを表し、Rbはルビジウムを表し、Csはセシウムを表し、そしてそれぞれのw(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
    Figure 2018529623
    であり、
    tは、[0.3;1]の範囲の実数であり、
    Siはケイ素を表し、
    Geはゲルマニウムを表し、
    xは[0;1]の範囲の実数であり、
    Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属を表し、Mgはマグネシウムを表し、Coはコバルトを表し、Znは亜鉛を表し、Cuは銅を表し、Mnはマンガンを表し、Feは鉄を表し、Niはニッケルを表し、そしてCrはクロムを表し、それぞれのy(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
    Figure 2018529623
    であり、
    zは[2.50;2.85]の範囲の実数であり、
    t+2zは[5.3;6.0]の範囲の実数であり、
    Oは酸素を表し、そして、
    Hは水素を表す、
    に相当する合成雲母と称される合成無機化合物。
  2. y(3)が1ではない、請求項1記載の化合物。
  3. 式(I)において、Aがカリウムを表す、請求項1または2記載の化合物。
  4. 前記化合物が、X線回折図において、9.70Å〜10.70Åの範囲の距離に位置する面(001)に特徴的な少なくとも1つの回折線を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
  5. 前記化合物が、相間空間と称される、少なくとも1つの空間によって互いに分離された層で形成される固体構造によって構成されており、それぞれのカチオンAが、前記相間空間に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
  6. 少なくとも1種の、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物を含んでなる組成物。
  7. 前記組成物が、鉄を含まない、請求項6記載の組成物。
  8. 前記組成物が、アルミニウムを含まない、請求項6または7記載の組成物。
  9. 前記組成物が、フッ素を含まない、請求項6〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 前記組成物が、電子顕微鏡による観察で10nm〜400nmの範囲の平均粒径を有する、前記化合物の粒子を含む、請求項6〜9のいずれか1項記載の組成物。
  11. 以下の式の化合物、
    Figure 2018529623
    式中、
    Aは、少なくとも1種の、金属元素の一価の層間のカチオンであり、Aは、式Liw(1)Naw(2)W(3)Rbw(4)Csw(5)を有し、Liはリチウムを表し、Naはナトリウムを表し、Kはカリウムを表し、Rbはルビジウムを表し、Csはセシウムを表し、そしてそれぞれのw(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
    Figure 2018529623
    であり、
    tは、[0.3;1]の範囲の実数であり、
    Siはケイ素を表し、
    Geはゲルマニウムを表し、
    xは[0;1]の範囲の実数であり、
    Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1種の二価の金属を表し、Mgはマグネシウムを表し、Coはコバルトを表し、Znは亜鉛を表し、Cuは銅を表し、Mnはマンガンを表し、Feは鉄を表し、Niはニッケルを表し、そしてCrはクロムを表し、それぞれのy(i)は、[0;1]の範囲の実数を表し、そして、
    Figure 2018529623
    であり、
    zは[2.50;2.85]の範囲の実数であり、
    t+2zは[5.3;6.0]の範囲の実数であり、
    Oは酸素を表し、そして、
    Hは水素を表す、
    の調製方法であって、
    前記方法では、
    式(I)の前記化合物の前駆体ゲルが、
    ・ケイ素およびゲルマニウムからなる群から選択される少なくとも1種の化学元素の少なくとも1種の供給源、ケイ素およびゲルマニウムからなる群から選択される化学元素の前記供給源は、メタケイ酸カリウムおよびメタゲルマニウム酸カリウムからなる群から選択される、
    ・前記二価の金属Mの少なくとも1種の金属塩、
    の間の共沈反応であって、
    ・前記前駆体ゲルの調製の間のモル比(SiGe1−x)/Mは、[2/1.425;1.6]の範囲である、
    共沈反応によって調製され、
    少なくとも1種の、式AOHの水酸化物が、前記前駆体ゲルに加えられ、それによってA/Mのモル比が、少なくともt/zに等しく、
    前記前駆体ゲルの溶媒熱処理が、300℃〜600℃の範囲の温度で行われる、
    方法。
  12. 前記溶媒熱処理の前に、そして前記前駆体ゲルの沈殿に続いて、前記前駆体ゲルがすすぎ液で、特には水で、洗浄される、請求項11記載の方法。
  13. 前記溶媒熱処理が、連続的に行われる、請求項11または12記載の方法。
  14. 前記溶媒熱処理が、水性媒体中で行われる、請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
  15. 前記溶媒熱処理の後に、無水熱処理が、500℃〜600℃の範囲の温度で行われる、請求項11〜14のいずれか1項記載の方法。
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