JP2018521437A - ブロックチェーン技術を用いて証券取引を売買、決済、および清算するためのシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、分散型ブロックチェーン台帳を利用し、証券取引を実施する、証券売買システムに関する。ユーザは、ユーザが分散型ブロックチェーン台帳が管理されるコンピューティングノードのピアツーピアネットワークにアクセスすることを可能にする、暗号ウォレットを提供される。ネットワークを通して利用可能にされる証券は、直接、ブロックチェーン台帳自体に記憶されてもよい。スマート契約は、証券をユーザ間で譲渡し、全取引が適用可能な規制規則および他の制限に準拠することを検証するために利用されてもよい。

Description

（関連出願の相互参照）
本願は、２０１６年６月３０日に出願された米国特許出願第１５／１９８，１３６号に対する優先権を主張するものであり、該米国特許出願は、２０１５年７月９日に出願された米国仮出願第６２／１９０，５６７号の利益を主張するものである。両出願の内容は、それらの全体が参照により本明細書中に援用される。

本原理は、売買システムおよびプラットフォームを提供するための、より具体的には、仮想化データトークンおよびブロックチェーン技術を利用し、取引を促進する、証券、商品、および派生物（集合的に、本明細書では「証券」と称される）のための売買、決済、清算、および預託プラットフォームを提供するためのシステムおよび方法を対象とする。

現在、インターネットを経由して電子的に証券の売買、決済、および清算を可能にする、種々のオプションが、存在する。例えば、発行者が競売または販売のための証券製品を登載することを可能にする、いくつかのウェブサイトが存在する。これらのウェブサイト上に登載される証券は、従来の様式で購入されてもよい。例えば、投資者は、彼らが入札を提出する、または証券を購入することを可能にする、アカウントを作成してもよい。

これらの従来のシステムは、いくつかの欠点に悩まされる。１つの主な問題は、これらのシステムが、取引を迅速かつセキュアに処理するための技術的インフラストラクチャを欠いているため、非効率的であることである。代わりに、既存のシステムは、取引を断片化された様式で処理し、いくつかの異なる関係者の参与を要求する。例えば、取引所または他の組織が、最初に、新しい発行者または新規発行を審査することに責任を負い得る一方、売買プラットフォームは、新規発行を登載し、銀行機関または別個の決済会社は、取引を清算および決済することに責任を負う。取引の決済および清算は、通常、数日かかる遅いバックオフィスプロセスを通して行われる。取引の処理を妨げる別の障害は、投資者および発行者が、多くの場合、種々の基本契約書またはある取引のための他の文書のハードコピーを提出および法的に整えるように要求されることである。

従来の売買システムと関連付けられた別の問題は、証券製品の取引履歴に関する透明性の欠如である。例えば、特定の証券を以前に所有していた個人または実体を判定することは、困難または不可能である。これは、証券に関わる以前の取引と関連付けられた文書がリアルタイムで直ちにアクセスされることを可能にする、技術的インフラストラクチャが整っていない事実に起因する。

従来の売買、決済、および清算システムはまた、証券の効率的貸与および借入を促進しない。現在、証券の借入者は、担保を入れ、貸付期限にわたってその借入を保証しなければならない。証券の貸与者および借入者は、次いで、借入された証券を日々市場に出し、担保として差し出された担保の額が、貸付が貸し付けられた証券の価値を補償するために十分であることを保証することを確実にしなければならない。証券の貸与および借入はまた、任意の瞬間に、証券の貸与者が証券を回収する必要があり得るという事実によって複雑となる。

前述に照らして、資産および取引が、より透明性があり、かつアクセス可能様式を通して効率的に処理され、売買されることができる、包括的電子売買システムの必要性がある。さらに、そのような売買システムが、証券の電子取引を標準化し、証券と関連付けられた取引履歴の瞬時検証を可能にする、技術的フレームワークを提供する必要がある。

本発明は、分散型ブロックチェーン台帳を使用して、証券取引を発行、売買、決済、および清算するためのシステムならびに方法に関する。ユーザは、暗号または仮想ウォレットを提供される。暗号ウォレットは、ユーザが、分散型ブロックチェーン台帳が管理されるコンピューティングデバイスのピアツーピアネットワークにアクセスすることを可能にする。ネットワークを通して利用可能にされる証券は、直接、ブロックチェーン台帳自体上に埋め込まれる。埋め込まれた証券は、原本証券文書、証券規則のセット、および所有権情報を含んでもよい。スマート契約は、証券をユーザ間で譲渡し、全取引が適用可能な規制規則および他の制限に準拠することを検証するために利用されてもよい。

ある実施形態によると、ネットワークを経由して証券を管理するためのコンピュータ化システムが、開示される。本システムは、ピアツーピア通信ネットワークを経由して相互に通信する、複数のコンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイスはそれぞれ、プロセッサと、ピアツーピア通信ネットワーク上で生じる証券取引と関連付けられた情報を記録する、分散型データベースを含む、分散型ブロックチェーン台帳の少なくとも一部を記憶する、物理的記憶媒体とを含む。

記憶媒体はさらに、証券の仮想ポートフォリオをセキュアに記憶するための暗号化プロトコルを含む、暗号ウォレットを記憶してもよい。暗号ウォレットは、証券を発行するための第１のプロトコルのセットを含む。第１のプロトコルのセットは、１つまたはそれを上回るブロックを分散型ブロックチェーン台帳に付加するための一方向ハッシングアルゴリズムを利用することによって、発行されている証券を直接分散型ブロックチェーン台帳自体上に記憶するように構成される。１つまたはそれを上回るブロックは、少なくとも、発行されている証券と関連付けられた原本証券文書と、証券が適用される規制および制限を示す、証券規則のセットと、証券の１人またはそれを上回る所有者を識別する、所有権識別子とを含む。暗号ウォレットはさらに、証券の所有権をピアツーピア通信ネットワーク上の他のコンピューティングデバイス上に記憶される暗号ウォレットに譲渡するための第２のプロトコルのセットを含む。

ある実施形態によると、ネットワークを経由して証券を管理するための方法が、開示される。本方法は、複数のコンピューティングデバイスにピアツーピア通信ネットワークへのアクセスを提供するステップと、分散型ブロックチェーン台帳の少なくとも一部を複数のコンピューティングデバイス上に記憶するステップとを含む。分散型ブロックチェーン台帳は、ピアツーピア通信ネットワーク上で生じる証券取引と関連付けられた情報を記録する、分散型データベースを含む。

本方法はさらに、証券の仮想ポートフォリオをセキュアに管理するための暗号化プロトコルを含む、暗号ウォレットを記憶するステップを含む。暗号ウォレットはさらに、証券を発行するための第１のプロトコルのセットを含んでもよい。第１のプロトコルのセットは、１つまたはそれを上回るブロックを分散型ブロックチェーン台帳に付加するための一方向ハッシングアルゴリズムを利用することによって、発行されている証券を直接分散型ブロックチェーン台帳自体上に自体記憶するように構成される。１つまたはそれを上回るブロックは、少なくとも、発行されている証券と関連付けられた原本証券文書と、証券に適用される規制および制限を示す、証券規則のセットと、証券の１人またはそれを上回る所有者を識別する、所有権識別子とを含む。暗号ウォレットはさらに、証券の所有権をピアツーピア通信ネットワーク上の他のコンピューティングデバイス上に記憶される暗号ウォレットに譲渡するための第２のプロトコルのセットを含んでもよい。

これらおよび他の特徴ならびに利点は、付随の図面と併せて熟読される、以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。

本発明の原理は、例示であって、限定ではないことを意味し、同様の参照番号が、同様のまたは対応する部品を指すことが意図される、付随の図面の図に図示される。

図１は、本発明のある実施形態による、証券または他の資産を発行、管理、および交換するように構成される、システムのブロック図である。

図２は、本発明のある実施形態による、仮想証券証書の作成を図示する、略図である。

図３は、本発明のある実施形態による、証券の所有権を譲渡するための例示的方法を図示する、フロー図である。

図４は、本発明のある実施形態による、共同出資された投資基金を実装するための例示的方法を図示する、フロー図である。

図５は、本発明のある実施形態による、証券を管理するための例示的方法を図示する、フロー図である。

本発明は、証券と関連付けられた取引をセキュアに作成、売買、決済する、清算、および認証するために、特殊暗号およびトークン化プロトコルを利用する、技術的インフラストラクチャに関する。技術的インフラストラクチャは、ユーザ（例えば、発行者、投資者、管理者、または他のユーザ）によって動作されるコンピューティングデバイスを使用して、ネットワークを経由してアクセス可能である、ウェブベースまたはクラウドベースのプラットフォームを含んでもよい。ユーザは、暗号ウォレット（「仮想ウォレット」または「暗号ポートフォリオ」とも称され得る）をプラットフォームからダウンロードし、暗号ウォレットをコンピューティングデバイス上にインストールしてもよい。暗号ウォレットは、ユーザが、証券取引を促進するために種々の方法でブロックチェーン技術を利用する、分散型ピアツーピアネットワークにアクセスすることを可能にする。暗号ウォレットおよび／またはプラットフォームによって提供されるインターフェースは、ユーザが、売買関連機能（例えば、投資情報を閲覧し、証券を発行し、証券を売買する等）を行うことを可能にする。

ピアツーピアネットワークは、ネットワーク上のコンピューティングデバイス間に分散される、台帳（本明細書では、「ブロックチェーン台帳」または「権原チェーン台帳」とも称され得る）を含む、パブリックまたはプライベートブロックチェーンを利用してもよい。ある実施形態では、ネットワークは、暗号ウォレットをダウンロードし、プラットフォームに登録されたユーザに利用可能となる、プライベートの許可ベースのブロックチェーンを利用する。発行者または他のユーザが新しい証券を作成すると、証券およびその関連付けられたデータは、直接台帳自体上に記憶され、１つまたはそれを上回るエントリ（または「ブロック」）としてブロックチェーン上に表される。

概して、本技法は、権原の受益権がある所有権を有する任意の証書を作成または仮想化するために利用されることができ、証書は、ブロックチェーン上に記憶されることができる。ある実施形態では、スマート契約が、新しい発行者および新規発行されている新しい証券を掲載するために利用されてもよい。作成される証券毎に、ブロックチェーンは、証券自体を表すデータセットを含む、エントリを付加されてもよい。例示的データセットは、限定ではないが、証券のタイプを識別するデータ、発行者、証券と関連付けられた新規発行、証券に適用される規制規則、証券に適用される制限（例えば、ファーストリフューザルライト制限、適格投資家制限等）、証券に関する文書類、所有権データ、および他の関連情報を含む、証券に関連する任意のデータまたは情報を含んでもよい。ある実施形態では、証券と関連付けられたデータセット（関連ファイルまたは文書類を含む）の一部または全部は、サーバ上に記憶されてもよく、証券に対応するブロックチェーン内のエントリは、データがロック解除され、読み出されることを可能にする、鍵または暗号鍵を含んでもよい。いったん証券が作成されると、投資者は、システムにアクセスし、全利用可能な証券に関する包括的かつ詳細な情報を提供し、したがって、投資者に取引に関する決定を行うために必要な情報を提供する、「Ａｃｔｉｏｎａｂｌｅ Ｋｎｏｗｌｅｄｇｅ（ＴＭ）」を得ることができる。

ユーザの暗号ウォレットは、証券の売買および認証を促進するために、ブロックチェーン台帳を更新し、仮想化データトークンを暗号ウォレット間で交換するために採用される、特殊暗号およびトークン化プロトコルを含んでもよい。以下にさらに詳細に説明されるように、プラットフォームは、証券を、ブロックチェーン台帳上に記録される取引に基づいてユーザの暗号ウォレット間で交換されることができる仮想データトークン証書に変換する。ブロックチェーン台帳は、データトークンに関わる全取引を追跡および確証するためにリアルタイムで利用されることができる、監査証跡を提供する。証券の交換から生じた以前の取引を含む全取引が、ブロックチェーンによって提供される監査証跡を使用して、瞬時に自己検証され、したがって、高レベルの透明性および保護を全関与個人に提供することができる。

ある実施形態では、暗号ウォレットは、ブロックチェーン履歴を利用または分析し、ユーザの暗号ウォレット内に含まれるべきデータトークンを判定することができる。仮想データトークンは、証券の初期発行から開始し、証券が二次市場上で交換されるにつれて継続する、その寿命サイクル全体を通してトークンとともに移動する、埋め込まれたデータを含んでもよい。埋め込まれた情報の一部または全部はまた、ネットワークによって維持される、分散型ブロックチェーン台帳上に記録されてもよい。埋め込まれた情報は、証券に関わる任意の取引と関連付けられた任意のデータ、取引に対する任意の当事者、および／または資産自体についての任意のデータを含んでもよい。大量の文書（または非実践的に大量のデータ）を仮想データトークンの中に埋め込む代わりに、トークンは、文書（例えば、プラットフォームのクラウドベースの部分上に記憶されてもよい）をロック解除し、それにセキュアにアクセスするために使用される、鍵または暗号鍵を含んでもよい。本システムは、集中銀行機関が決済および清算機能を行うために要求されないため、迅速かつ効率的に取引を処理可能である。さらに、全取引に対する記録管理または監査プロセスが「非物質化される」（例えば、物理的紙または手書き署名の必要なく、電子的に実施および記憶される）ため、関連文書類の全てが、二次市場に即座に利用可能となる。

ある実施形態では、スマート契約が、限定ではないが、証券の所有権の譲渡、新しい証券の掲載および発行者の掲載、ならびに投資者の掲載を含む、種々の機能を行うために利用されてもよい。スマート契約は、ブロックチェーン台帳を利用し、これらの機能を実装することに関連する契約書の規約を促進、検証、実行、および施行する、１つまたはそれを上回るイベント駆動型プログラムおよびプロトコルを使用して実装されてもよい。スマート契約と関連付けられたプログラムおよびプロトコルは、暗号ウォレットの中に組み込まれる、または別様にプラットフォームを通して利用可能にされてもよい。

ある実施形態では、証券に関するブロックチェーン台帳内のエントリは、マスタアカウント（例えば、ファミリーオフィスアカウント）が許可を１つまたはそれを上回るサブアカウント（例えば、ファミリーオフィス内のサブアカウント）に提供することを可能にし、サブアカウントが、証券にアクセスする、それを販売する、または別様にそれを利用することを可能にする、情報を含んでもよい。証券に関するブロックチェーン内のエントリは、マスタアカウントを証券の所有者として識別してもよく、さらに、許可が付与されたサブアカウントを識別する、パラメータまたはフィールドを含んでもよい。マスタアカウントと関連付けられたユーザは、必要に応じて、許可を証券に付与する、またはそこから除去することができる。エントリは、システムが、常時、特定のアカウントが、証券にアクセスする、それを販売する、または別様にそれを利用する許可を有するかどうかを判定することができるように、許可が更新される度に、ブロックチェーンに付加されてもよい。

ある実施形態では、本システムは、複数の投資者または他のユーザからの投資をともに共同出資することによって、基金が作成されることを可能にする。基金に参加するために、各ユーザは、最初に、スマート契約を実行してもよい。いったん作成されると、基金は、資本を種々の方法で分配するために利用されてもよい。ある実施形態では、基金は、資本を借入を求めている個人に分配する。基金は、直接、ブロックチェーン上に表され、記憶されてもよい。全借入および／または返済取引は、ブロックチェーン上に記録されてもよい。

本開示は、主に、証券売買、決済、清算、および貸与の観点からプラットフォームを説明するが、本明細書に説明される原理は、任意のタイプの物理的またはデジタル資産を含む、任意のタイプの資産を交換するために利用されることができ、証券の交換または売買に限定されないことを認識されたい。

本明細書で議論される本発明の原理は、種々の利点を提供する。それらは、資産および取引が、迅速かつ効率的に、複数の関係者（例えば、取引所、決済会社等と関連付けられた）による行為を要求せずに、かつ文書のハードコピーを要求せずに、処理されることができる、包括的かつ自己管理式の電子売買システムを可能にする。ブロックチェーン対応技法は、証券がより透明かつアクセス可能な様式で交換されることを可能にする、技術的フレームワークを提供する。ブロックチェーン台帳は、全取引の記録を維持するため、本システムは、証券と関連付けられた取引履歴の瞬時検証を可能にし、したがって、相手方リスクを除去する。

これらの利点は、分散型データベースを維持するピアツーピアネットワーク内のノードまたはコンピューティングデバイスと通信するための新規プロトコルに依拠する、技術的フレームワークを使用して遂行される。プロトコルは、少なくとも部分的に、ブロックを分散型ブロックチェーンデータベースに付加することに先立って、ある取引アクティビティと関連してスマート契約を利用するように構成される、新しいタイプの暗号ウォレットの中に組み込まれる。暗号ウォレットはさらに、暗号化技法を使用して、ウォレット内に記憶される資産をセキュアに保護しながら、ハッシング技法を利用して、資産を直接ブロックチェーン台帳自体上に記憶する。本発明のこれらおよび他の技術的側面は、効率的、透明、かつ自己管理式であって、先行技術システムと関連付けられた短所を克服する、証券取引を管理するための技術的フレームワークを提供する。

本開示に説明される実施形態は、種々の方法で組み合わせられることができる。一実施形態に関して説明される任意の側面または特徴は、本開示に記載される任意の他の実施形態の中に組み込まれることができる。さらに、本明細書に説明される実施形態のいずれかは、ハードウェアベース、ソフトウェアベースであって、好ましくは、ハードウェアおよびソフトウェア要素の両方の混合物を備えてもよい。したがって、説明本明細書では、ある実施形態、特徴、またはコンポーネントをソフトウェアまたはハードウェア内に実装されるように説明し得るが、本願に説明される任意の実施形態、特徴、またはコンポーネントは、ハードウェアおよび／またはソフトウェア内に実装されてもよいことを認識されたい。

実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって、もしくはそれと併せて使用するためのプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品を含んでもよい。コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、もしくはそれと併せて使用するためのプログラムを記憶、通信、伝搬、またはトランスポートする、任意の装置を含んでもよい。媒体は、磁気、光学、電子、電磁、赤外線、または半導体システム（または装置もしくはデバイス）もしくは伝搬媒体であることができる。媒体は、半導体またはソリッドステートメモリ、磁気テープ、可撤性コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、読取専用メモリ（ＲＯＭ）、剛性磁気ディスク、および光ディスク等のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。

プログラムコードを記憶および／または実行するために好適なデータ処理システムは、直接またはシステムバスを通して間接的に、メモリ要素に結合される、少なくとも１つのプロセッサを含んでもよい。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行の際に採用されるローカルメモリと、大容量記憶装置と、少なくともいくつかのプログラムコードの一時的記憶装置を提供し、コードが実行の際に大容量記憶装置から読み出される回数を低減させる、キャッシュメモリとを含むことができる。入力／出力またはＩ／Ｏデバイス（限定ではないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス等を含む）が、直接または介在Ｉ／Ｏコントローラを通してのいずれかにおいて、システムに結合されてもよい。

ネットワークアダプタもまた、システムに結合され、データ処理システムが、介在プライベートもしくはパブリックネットワークを通して、他のデータ処理システムまたは遠隔プリンタもしくは記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。モデム、ケーブルモデム、およびＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）カードは、ネットワークアダプタの現在利用可能なタイプのうちのいくつかにすぎない。

ここで同様の数字が同一または類似要素を表す図面を参照すると、最初に、図１を参照すると、例示的システム１００が、証券または他の資産をネットワーク１９０を経由して管理および交換するために開示される。システム１００は、１つまたはそれを上回るサーバ１２０上にホストされる、証券プラットフォーム１５０を含む。ある実施形態では、プラットフォーム１５０は、発行者、投資者、管理者、または他のユーザ等のユーザ１０５によって動作されるコンピューティングデバイス１１０によって、ネットワーク１９０を経由してアクセスされ得る、ウェブベースまたはクラウドベースのプラットフォームを表してもよい。ネットワーク１９０は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット、ピアツーピアネットワーク、および／または他のネットワークを含むもの等、任意のタイプのネットワークであってもよい。コンピューティングデバイス１１０は、ユーザ１０５が、セキュアかつ信頼性のある様式でネットワーク１９０を横断して証券を発行し、証券を売買し、他の関連機能を行うことを可能にする、分散型ブロックチェーン台帳１７５および暗号ウォレット１２５を記憶する。

プラットフォーム１５０は、ユーザ１０５によって動作されるコンピューティングデバイス１１０と通信するように構成される、サーバ１２０または複数のサーバ１２０上にホストされてもよい。コンピューティングデバイス１１０は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルデバイス（例えば、スマートフォンまたは携帯情報端末）、タブレットデバイス、または他のタイプのコンピューティングデバイスを表してもよい。コンピューティングデバイス１１０およびサーバ１２０は、有線または無線リンクもしくはその２つの組み合わせを介して、通信するように構成されてもよい。それぞれ、１つまたはそれを上回るコンピュータ記憶デバイス（例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＰＲＯＭ、ＳＲＡＭ等）と、コンピュータプログラム命令を実行可能な１つまたはそれを上回る処理デバイス（例えば、中央処理ユニット）とを装備してもよい。コンピュータ記憶デバイスは、好ましくは、物理的非一過性媒体である。

プラットフォーム１５０およびシステム１００は、ウェブブラウザ、アプリケーションプログラミングインターフェース（「ＡＰＩ」）、第三者によって主催される注文管理システム（「ＯＭＳ」）もしくは実行管理システム（「ＥＭＳ」）、またはコンピューティングデバイス１１０上にインストールされる、クライアントアプリケーションを使用してアクセスされてもよい。ある実施形態では、システム１００またはプラットフォーム１５０のある側面は、証券を新規発行および譲渡するために利用されてもよい。他の実施形態では、システム１００またはプラットフォーム１５０のある側面は、証券取引を開始および処理することを補助するＯＭＳ、市場データを提供および／または予測するＥＭＳ、ならびに／もしくは顧客へのサービスの品質の確実にすることを補助する品質管理システムの中に組み込まれてもよい。

システム１００と相互作用する、発行者、投資者、および管理者等のユーザ１０５は、プラットフォーム１５０上にホストされ、ユーザ１０５が本明細書に説明される機能を行うことを補助する、暗号ウォレット１２５（または仮想ポートフォリオ）およびアカウントを提供されてもよい。発行者ユーザ１０５は、暗号ウォレット１２５および／またはアカウントを利用し、競売または販売のための証券を登載してもよい。投資者ユーザ１０５は、暗号ウォレット１２５および／またはアカウントを利用し、システム１００上で新規発行または売買されている証券をブラウズ、入札、購入、および／または販売することができる。管理者ユーザ１０５は、暗号ウォレット１２５および／またはアカウントを利用して、発行者および投資者への補助を提供し、ユーザ１０５間の証券の売買を促進することを補助することができる。発行者および投資者は、証券を販売または取得することを求めている個人または実体（例えば、金融機関、企業、政府、または他の組織）を表してもよく、管理者は、プラットフォーム１５０を動作、管理、および維持する企業または組織によって採用される、個人を表してもよい。

交換される証券は、一次市場上で新しく発行された証券、二次市場上で売買のために利用可能な既存の証券、または店頭市場（「ＯＴＣ」）における売買のために利用可能な未登録証券であってもよい。システム１００は、任意のタイプの証券の一次発行または二次売買を可能にするように構成されることができる。利用可能になり得る例示的証券として、限定ではないが、債務証券（例えば、紙幣、債券、および債務証書）、持分証券（例えば、普通株、優先株、およびリミテッドパートナーシップ持分）、および派生物（例えば、先渡取引、先物取引、オプション、ワラント、およびスワップ）が挙げられる。証券は、登録または未登録証券であってもよい。利用可能となる証券にかかわらず、プラットフォーム１５０および暗号ウォレット１２５は、好ましくは、全適用可能な政府の法律および規制に準拠する様式で構成される。

売買関連アクティビティ（例えば、証券の発行および取引の決済／清算等）を種々の異なる関係者と非効率的に行う、従来の証券売買システムとは対照的に、本明細書に説明されるシステム１００は、全新規発行および売買アクティビティが、コンピューティングデバイス１１０のブロックチェーンベースのピアツーピアネットワーク１９０を利用し、取引を実施する、単一システムを通して実施される、代替投資市場を提供する。システム１００は、証券の発行から開始し、証券の寿命サイクル全体を通して継続する、証券の交換と関連付けられた全アクティビティを管理するように構成される。これは、取引のリアルタイム決済および清算を可能にし、したがって、既存の市場と比較して非常に流動性である、代替投資市場を提供し、相手方リスクを除去する、分散型フレームワークに依拠する。システム１００のある実施形態はまた、証券の効率的借入および貸与を可能にするように構成されてもよい。

プラットフォーム１５０は、ブロックチェーンおよび仮想データトークン技術を利用して、証券取引を発行、売買、達成、決済、清算、および記録するための準拠フレームワークを提供する。ユーザ１０５が証券を登載または売買することを所望する度に、ユーザの暗号ウォレット１２５は、分散型ブロックチェーン台帳１７５が、ユーザのコンピューティングデバイス１１０上に記憶され、それによって維持される、ピアツーピアネットワーク１９０へのアクセスを提供することができる。ブロックチェーン台帳１７５は、証券を登載および作成する、証券の所有権を譲渡する、ユーザおよびアカウントが、証券を制御し、証券を共同出資し、資本を種々の方法で分配することを許可することを伴うものを含む、いくつかの異なる方法でシステム１１０上の取引を促進するために利用されてもよい。

暗号ウォレット１２５は、ソフトウェアおよび／またはハードウェア内に実装されてもよい。暗号ウォレットは、ある点においては、ＢｉｔＣｏｉｎ等の仮想通貨によって利用されるウォレットと同様に動作してもよい。しかしながら、仮想通貨の記憶に加え、システム１００によって利用される暗号ウォレット１２５は、加えて、証券および他の関連情報と関連付けられた仮想データトークンを作成、記憶、譲渡、および管理することができる、「暗号ポートフォリオ」を実装するように構成されてもよい。

暗号ウォレット１２５は、複雑な暗号法を利用して、ユーザ１０５の資産を保護し、さらに、データトークンを交換する、新しい証券新規発行を作成する、証券の所有権を譲渡する、投資を共同出資する、および／または任意の他の関連付けられたアクティビティ（例えば、暗号鍵を生成および利用する、ローカルならびにネットワークメッセージを生成する、台帳を更新する等）を行うためのプロトコルを実装する、コードまたは命令を含む。データトークンの交換または譲渡に関わる取引を実施するとき、プロトコルは、ブロックチェーン台帳１７５上の適切なブロックと関連付けられた必要情報を解読し、ブロックチェーン台帳１７５内に記憶される情報をチェックすることによって、販売者および購入者間の取引を確証することができる。暗号ウォレット１２５はまた、システム１００上に登載された資産を購入するために使用され得る、通貨または基金（例えば、暗号通貨または非暗号通貨および基金）を管理および譲渡するために使用されてもよい。

暗号ウォレット１２５は、ユーザ１０５が、種々の異なる機能を促進するためのスマート契約に携わることを可能にしてもよい。例えば、暗号ウォレット１２５は、ユーザ１０５が、証券の所有権を譲渡し、新しい証券を掲載することを可能にする、スマート契約を提供してもよい。スマート契約はまた、発行者および投資者を掲載するためにも利用されてもよい。暗号ウォレット１２５によって提案される各スマート契約は、これらの機能を行うための１つまたはそれを上回るイベント駆動型プログラムおよび関連付けられたプロトコルを含んでもよい。スマート契約は、ブロックチェーン台帳１７５を利用して、これらの機能を実装することに関連する契約書の規約を促進、検証、実行、および施行してもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、契約と関連付けられた任意のイベントおよび基準の履行または不履行を反映させるように付加されてもよい。

スマート契約は、反マネーロンダリング法、任意のブルースカイ法、金融取引業規制機構（ＦＩＮＲＡ）（例えば、顧客熟知規則）、証券取引委員会（ＳＥＣ）、銀行秘密法（ＢＳＡ）、国際要件、または他のタイプの規制措置と関連付けられた規則等、規制規則との準拠を確実にするための措置を伴って埋め込まれる、または構成されてもよい。スマート契約は、ファーストリフューザルライトと関連付けられた制限、適格投資家ステータス、転換社債、証券譲渡に関する時間制限、株式シリーズによって課される制限、または他のタイプの制限等、証券に課される制限との準拠を確実にするための措置を伴って埋め込まれる、または構成されてもよい。

証券資産の所有権を譲渡するためのスマート契約は、購入者（例えば、投資者ユーザ１０５）または譲渡契約を開始する販売者（例えば、別の投資者ユーザ１０５または発行者ユーザ１０５）によって開始されてもよい。情報が、集められ、当事者が取引を実施するために適格であることを検証してもよい（例えば、購入者が適格投資家であることを検証し、販売者が取引の対象である証券を所有することを検証する）。本情報は、当事者自体によって供給される、またはスマート契約と関連付けられた自動化されたプログラムもしくはスクリプトを使用して、ブロックチェーン台帳１７５から確認されてもよい。スマート契約は、譲渡に適用される任意の規制規則（例えば、ブルースカイ、ＦＩＮＲＡ、またはＳＥＣ規則および法律）または制限（例えば、ファーストリフューザルライト、適格投資家ステータス、または他の制限を統制する）に準拠することを確実にするための措置とともに埋め込まれてもよい。当事者は、次いで、譲渡の規約（例えば、価格、数量、期限等）に合意してもよい。購入者の通貨（例えば、従来の金銭基金または暗号通貨）が、次いで、契約の統制下に置かれてもよい。交渉の基礎となる自動化されたプロトコルは、いったん契約規約が満たされ、契約の当事者が全関連規制規則および他の制限を順守していることが判定されると、自動的に、通貨と引き換えに証券の所有権を譲渡してもよい。ある実施形態では、ブロックチェーン台帳１７５は、スマート譲渡契約と関連付けられた任意のイベントの履行またはその不履行を反映させるように更新および付加されてもよい。例えば、ブロックチェーン台帳１７５は、売買が開始されるとき、イベントが生じる（または生じない）とき、情報が供給される（または供給されない）とき、および売買が確認または否認されるとき、更新および付加されてもよい。

譲渡契約が正常に確認された後、ユーザ１０５と関連付けられた暗号ウォレット１２５は、契約の完了および証券の所有権の変更を示す、エントリを台帳１７５に付加してもよい。台帳１７５に付加されるエントリは、証券の更新所有権を示し、適切な監査証跡を提供するために、証券と関連付けられたデータセットに関する台帳１７５内のブロックを参照してもよい。台帳１７５が付加されることに応答して、証券と関連付けられた仮想データトークンが、販売者の暗号ウォレット１２５から購入者の暗号ウォレット１２５に譲渡されてもよい。

ある実施形態では、ユーザ１０５は、許可情報を変更し、ブロックをブロックチェーン台帳１７５に付加してもよい。例えば、エントリが、ブロックチェーン台帳１７５に追加され、マスタアカウント（例えば、ファミリーオフィスアカウント）が、許可を１つまたはそれを上回るサブアカウントに提供し、サブアカウントが、マスタアカウントの代わりに、証券にアクセスする、それを販売する、それを購入する、または別様にそれと相互作用することを可能にしてもよい。エントリは、マスタアカウントを証券の所有者として識別してもよく（例えば、投資者または発行者識別もしくはＩＤを使用して）、さらに、許可が与えられたサブアカウントを識別する（例えば、再び、投資者または発行者ＩＤを使用して）、パラメータまたはフィールドを含んでもよい。マスタアカウントと関連付けられたユーザ１０５は、所望に応じて、許可を証券に与える、またはそこから除去することができる。エントリは、許可が更新される度にブロックチェーン台帳１７５に付加されてもよい。

ある実施形態では、システム１００は、複数の投資者または他のユーザ１０５からの投資を組み合わせることによって、共同出資された基金が作成されることを可能にする。基金は、直接、ブロックチェーン上に表され、記憶されてもよい。各投資者ユーザ１０５は、最初に、暗号ウォレット１２５を介して提供され、投資者が基金に参加することを可能にする、スマート契約を実行してもよい。ある実施形態では、共同出資された基金は、システム１００上で新規発行される証券のうちの１つまたはそれを上回るものに投資するために利用されてもよい。ある実施形態では、共同出資された基金はまた、または代替として、金銭を他のユーザ１０５に貸し付ける、もしくは与えるために使用されてもよい。各借入者ユーザ１０５はまた、暗号ウォレット１２５を介して提供され、借入者が基金から借入することを可能にする、スマート契約を実行してもよい。借入者は、金銭を基金に提出し、貸付を返済することができる。全投資、借入、および／または返済取引は、ブロックチェーン上に記録されてもよい。ある実施形態では、許可が、マスタアカウントによってサブアカウントに割り当てられ、共同出資された基金の制御を提供してもよい。

ある実施形態では、仮想データトークンが、ユーザ１０５の暗号ウォレット１２５間で利用可能にされ、交換される、証券（例えば、株式）を表すために使用されてもよい。例えば、発行者が、１，０００株をプラットフォーム１５０上に登載する、新規発行の初期募集を行うことを所望する場合、各株式は、別個のデータトークン（またはトークン、コイン、デジタル表現、または同等物）によって表されてもよい、またはデータトークンは、複数の株式を表してもよい。データトークンは、次いで、本明細書に説明されるブロックチェーン技法を使用して生じる交換に基づいて、投資者に譲渡されてもよい。

データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、証券製品、その所有権、その発行者、および任意の他の関連情報に関する情報とともに埋め込まれてもよい。ある実施形態では、データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、証券を作成するために使用される原本証券文書に関する、情報のサブセットと、証券を所有する投資者（および可能性として、また、以前の所有者）に関する情報のサブセット、発行者に関する情報のサブセットと、証券に適用される規制規則および制限を規定する、情報のサブセットとを含む。データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５の中に埋め込まれ得る、例示的情報として、以下が挙げられ得る。
（１）発行者ＩＤ：発行者が証券をシステム上に登載することを許可される前、発行者は、発行者アカウントをプラットフォーム１５０またはシステム１００上に作成する要求を提出してもよい（例えば、ウェブベースの入力フォームまたは暗号ウォレット１２５を介して）。ある実施形態では、管理ユーザ１０５が、要求を承認するように要求されてもよい。要求の承認に応じて、発行者ユーザ１０５は、発行者、発行者の暗号ウォレット１２５、および／またはその関連付けられたアカウントを一意に識別する、ＩＤ（例えば、英数字文字から成る）が割り当てられる。プラットフォーム１５０またはシステム１００は、ＩＤを発行者によって新規発行される証券と関連付けられた全データトークンおよびブロックチェーンエントリの中に埋め込んでもよい。
（２）投資者ＩＤ：投資者が証券を購入または販売することが許可される前、投資者は、投資者アカウントをプラットフォーム１５０またはシステム１００上に作成する要求を提出するように要求されてもよい。ある実施形態では、管理ユーザ１０５が、要求を承認するように要求されてもよい。要求の承認に応じて、投資者は、投資者およびその関連付けられたアカウントを一意に識別する、ＩＤが割り当てられてもよい。投資者が証券をプラットフォーム上で購入する度に、関連付けられたデータトークンおよびブロックチェーン台帳１７５の埋め込まれた情報は、投資者のＩＤを用いて、証券の新しい所有権を示すように更新される。
（３）製品ＩＤ：発行者が新しい新規発行を登載することを所望する度に、発行者は、新しい新規発行をプラットフォーム１５０またはシステム１００上に作成する要求を提出するように要求されてもよい。ある実施形態では、管理ユーザ１０５が、要求を承認するように要求されてもよい。要求の承認に応じて、プラットフォームは、新しい新規発行に、関連付けられた証券を識別し、関連付けられた証券に関してデータトークンおよびブロックチェーン台帳１７５エントリの中に埋め込まれる、一意のＩＤを割り当てる。
（４）証券タイプデータ：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、システム１００上で新規発行されている各証券と関連付けられた証券のタイプ（例えば、普通株または優先株）を識別する、埋め込まれた情報を含んでもよい。
（５）規制および制限データ：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５エントリは、証券に課される制限を識別する、埋め込まれた情報を含んでもよい。例えば、証券を購入後、所定の時間にわたって、購入者が証券を販売しないように防止する、または購入者が証券を特定の投資者の小集団に販売することを要求する、制限が、証券に課されてもよい。他の例示的制限は、ファーストリフューザルライト、ラストリフューザルライト、外国の個人または実体に関わる取引に関する制限、および／または州法の占専が許可されるブルースカイ法もしくは事例との準拠に関連してもよい。データトークンが新しい所有者に譲渡される前に、プラットフォームは、データトークンの制限データを分析し、制限が遵守されていることを確実にしてもよい。
（６）実施要領および文書類：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、実施要領、証券に関する包括的説明、証券の作成に関連する原本証券文書、および他の文書類を含む、埋め込まれた情報を含んでもよい。代替として、リンクまたは暗号鍵が、本情報が読み出され得る場所を識別し、および／またはそれにアクセスする（例えば、プラットフォーム１５０と関連付けられたネットワークアドレスを介して）ために使用される。
（７）取引履歴：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、証券を交換した全ての以前の購入者および販売者および／または証券に関わる取引のいずれかに関連する任意の情報を識別する、埋め込まれた情報を含んでもよい。
（８）株式数：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、投資者によって所有されている、または譲渡取引の対象である、証券株式数を識別する、埋め込まれた情報を含んでもよい。ある実施形態では、各データトークンは、１株を表してもよい。代替実施形態では、各データトークンは、複数の株式を表してもよい。
（９）投資者準拠情報：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、証券を所有する投資者が、反マネーロンダリング法、顧客熟知規則、または他のタイプの準拠規制に準拠していると見なされるかどうかを示す、埋め込まれた情報を含んでもよい。
（１０）投資者適合性：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５はさらに、証券の所有者が携わることが許可される証券のタイプを示す、埋め込まれた情報を含んでもよい。例えば、適合性データは、所有者が、外国人である（外国資産管理局法に従う）、または適格投資家ではなく、したがって、あるタイプの証券における投資が禁止されていることを示してもよい。したがって、適合性データは、データトークン内に埋め込まれる準拠情報および他の関連データとともに、相手方リスクを除去し、投資者保護を促す際に重要な役割を果たす。
（１１）受益権がある所有権：データトークンおよびブロックチェーン台帳１７５は、証券の最終的に受益権がある所有者の識別を示す、情報を含んでもよい。
任意の他の関連情報もまた、データトークンの中に埋め込まれてもよく、埋め込まれた情報は、証券製品のタイプに基づいて変動し得ることを認識されたい。前述のデータのいずれかおよび全てはまた、ブロックチェーン台帳１７５に追加されるエントリ内に埋め込まれる、または含まれてもよい。

証券が個人に譲渡される度に、データトークン内に埋め込まれる情報は、更新されてもよく、証券と関連付けられた以前のブロックのうちの１つまたはそれを上回るものを参照する、新しいブロックが、ブロックチェーン台帳１７５に追加されてもよい。台帳１７５上のブロックは、シーケンス取引が生じた日時およびその内容を記録ならびに確認する。ブロックチェーン台帳１７５内のエントリは、証券の交換を追跡するために使用され、証券に関連するあらゆる取引を確証するために使用されることができる。随時、ブロックチェーン台帳１７５は、新規発行される全証券の履歴および現在の所有権をシステム１００上に示すであろう。

ある実施形態は、ブロックチェーン台帳１７５上のブロックまたはエントリを検証および／または作成するために、データマイニング技法を使用してもよい、または使用しなくてもよい。これらまたは他の目的のためにデータマイナを利用する実施形態では、任意の公知のデータマイニング技法が、利用されてもよい。

ブロックチェーン台帳１７５は、ブロックチェーン台帳１７５が、ピアツーピアネットワーク１９０を形成する、複数のコンピューティングノード１１０（例えば、発行者、投資者、および／または管理者と関連付けられた）上に記憶および維持される、非集中アーキテクチャを利用して実装されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、システム１００上でこれまで生じた全取引の詳細およびタイムスタンプ情報を提供する、分散型データベースを維持する、イミュータブルな付加専用台帳を表してもよい。暗号ウォレット１２５によって利用されるプロトコルは、取引を実施し、エントリまたはブロックをブロックチェーン台帳１７５に付加するために、中央当局に委託または依拠する必要なく、具体的状態または値のセットがコンピューティングデバイス１１０の一部または全部によって合意されることを要求する、コンセンサスベースのシステムを実装するために適用されてもよい。任意の公知のコンセンサスプロトコルが、システム１００によって利用されてもよい。

ブロックチェーン台帳１７５に追加されるエントリは、ブロックチェーン台帳１７５内にすでに含まれている以前のエントリまたはブロックにリンクしてもよい。ブロックチェーン台帳１７５に追加されている各ブロックは、証券と関連付けられた台帳１７５内に最近追加されたブロックを参照し（例えば、以前のブロックと関連付けられたハッシュ値を参照することによって）、したがって、証券の発行と関連付けられた初期ブロックまたはブロックのセットにつながる、監査証跡を作成してもよい。例えば、特定の証券に関するブロックチェーン台帳１７５に追加されるエントリは、証券に関わる特定の新規発行と関連付けられた具体的取引および証券の譲渡に関する全エントリ（例えば、スマート契約を使用した証券の譲渡に関連するそれらのエントリを含む）に遡ってリンクしてもよい。ブロックチェーン台帳１７５内の取引内の連結は、システム１００およびコンピューティングノード１１０が、証券と関連付けられた全取引およびその関連付けられた仮想データトークンを観察および検証するために遡って連鎖を辿ることを可能にする。

前述のように、ブロックチェーン台帳１７５内のエントリは、各取引と関連付けられた情報を埋め込まれる。例えば、証券が最初に新規発行または譲渡される度に、エントリは、ブロックチェーン台帳１７５に追加されてもよく、エントリは、販売者、購入者、発行者、取引の対象である具体的証券、および取引と関連付けられた任意の他の関連情報を識別する、埋め込まれた情報を含んでもよい。これは、関連付けられた投資者ＩＤ（販売者および購入者の両方に関する）、発行者ＩＤ、および製品ＩＤをエントリの中に組み込むことを伴ってもよい。

暗号ハッシング技法（または他の暗号法技法）が、ブロックチェーン台帳１７５内のエントリに適用されてもよい。ある実施形態では、暗号ウォレット１２５は、一方向ハッシングアルゴリズム（例えば、ＳＨＡ−２５６またはＳＨＡ−５１２等）を利用して、エントリをブロックチェーン台帳１７５に付加する。ハッシング技法は、台帳内のエントリとデータトークンおよびその関連付けられたデータをリンクさせてもよい。ある実施形態では、製品ＩＤ、発行者ＩＤ、または投資者ＩＤ（または任意のそれらの組み合わせ）が、ハッシング関数への入力として、および／または関連付けられたハッシュ値として使用されてもよく、ユーザの暗号ウォレット１２５は、ブロックチェーン台帳１７５に追加されるエントリにデジタル的に署名してもよい。

概して、ブロックチェーン台帳１７５は、証券の発行または譲渡に関連する任意のイベントを識別するための新しいブロックおよびその関連付けられたデータトークンで更新されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、他のタイプのイベントも同様に識別するように更新されてもよい。例えば、ブロックチェーン台帳１７５は、証券製品における投資者の権利が授与されたときに更新されてもよい（例えば、ストックオプション、退職金制度、従業員持ち株制度、４０９Ａ制度、ファーストリフューザルライト、およびラストリフューザルライトに関して）。ある実施形態では、ブロックチェーン台帳１７５はまた、証券に課される制限に関するイベントを反映させるように更新されてもよい。例えば、ブロックチェーン台帳１７５は、所有者が証券におけるその所有権を販売しないように防止される、期限が失効したとき、または投資者が適格投資家であることを検証するための適正な情報を提出したとき、更新されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５はまた、提出された任意の入札を記録し（承認されたかどうかにかかわらず）、借入および貸与アクティビティと関連付けられた任意のイベントを記録し、否認された任意の取引およびその否認理由を識別するように更新されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５はさらに、システム１００上で開始または確認される、スマート契約と関連付けられた任意のイベントとともに、スマート契約の具体的条件が満たされたかどうかを示す、任意のイベントを記録するように更新されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、マスタアカウントおよびサブアカウントに付与された許可を記録し、かつ資本を種々の方法で分配するために利用され得る、投資の共同出資を作成および維持するように更新されてもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、プラットフォーム上で利用可能にされる証券に関連する任意の他のイベントを示すように更新されてもよい。

好ましくは、システム１００は、発行者および投資者が、そのコンピューティングデバイス１１０を使用して（例えば、文書および取引の容易な処理を可能にする、電子署名および他の特徴を使用することによって）、印刷またはハードコピー文書業務を使用して行われる任意の手動タスクを要求せずに、プラットフォームを通して全アクティビティおよび取引を電子的に実施することを可能にする、種々の特徴を含む。ある実施形態では、システム１００（例えば、プラットフォーム１５０および／または暗号ウォレット１２５を介して）は、クライアント関係管理（「ＣＲＭ」）ソフトウェアを利用して、掲載タスク（例えば、新しい発行者、投資者、または証券を掲載する）、証券の交換の促進（例えば、購入のための入札または新規発行を受信し、取引を清算および決済するために）、および取引のアーカイブと関連付けられた機能を含む、全機能を規制準拠様式で促進する。これらの機能のいくつかに関する付加的詳細は、以下に説明される。

発行者の掲載
個人、実体、または他のユーザ１０５は、システム１００上で発行者になる要求を提出してもよい。ユーザ１０５は、プラットフォーム１５０または暗号ウォレット１２５を介してアクセス可能となり、ユーザ１０５が情報を提供し、ユーザ１０５に関する文書をアップロードすることを可能にする、入力フォームを記入するように要求されてもよい。潜在的発行者によって提出された情報は、プラットフォーム１５０上に記憶される、および／またはブロックチェーン台帳１７５上に埋め込まれてもよい。本情報は、プラットフォーム１５０のバックエンド上で、または管理者ユーザ１０５によって利用される暗号ウォレット１２５を通して、管理者ユーザ１０５にアクセス可能となることができる。管理者ユーザ１０５は、提出された情報を精査し、ユーザ１０５が発行者として適格であるかどうかを判定してもよい。管理者が、潜在的発行者が発行者として適格であると判定する場合、ユーザ１０５は、一意の発行者ＩＤが割り当てられてもよく、ユーザアカウントが、ユーザ１０５が発行者として取引に携わることを可能にするように確立される。ユーザ１０５は、証券の発行に関する取引を行うことを可能にする、暗号ウォレット１２５を提供されてもよい。前述の掲載アクティビティの全部または一部は、前述の情報を集める、スマート契約と関連して行われてもよい。ブロックチェーン台帳１７５は、契約の開始、契約義務の履行、および契約の確認／否認を反映させるように付加されることができる。ある実施形態では、発行者の掲載は、管理者ユーザ１０５の参加を伴わずに行われてもよい。

証券の掲載
承認された発行者ユーザ１０５は、プラットフォーム１５０またはその暗号ウォレット１２５上のユーザのアカウントを介して、証券または他の資産をシステム１００上に登載する要求を提出することができる。概して、発行者は、権原の受益権がある所有権を有する、任意の証書を登載することを許可されてもよい。ある実施形態では、発行者は、限定ではないが、債務証券、持分証券、および派生物を含む、任意のタイプの証券を登載することが許可される。発行者は、発行者が登載することを要求している新しい証券製品についての種々の情報を提出することを要求されてもよい。例えば、発行者は、証券製品の具体的タイプ、新規発行が一次または二次市場に関するものであるかどうかにかかわらず、登載されることになる証券の額または数、証券に適用され得る任意の規制情報、および／または証券に適用される任意の制限を示す、情報を提供してもよい。発行者によって提供される情報は、証券製品のタイプに応じて変動してもよい。潜在的発行者によって提出される情報は、プラットフォーム１５０上に記憶される、および／またはブロックチェーン台帳１７５上に埋め込まれてもよい。

ある実施形態では、証券の掲載は、管理者ユーザ１０５の参加を伴わずに行われてもよい。他の実施形態では、発行者によって提出される全要求は、プラットフォームまたはその暗号ウォレット１２５上のアカウントを介して、管理者ユーザ１０５に利用可能にされてもよい。管理者ユーザ１０５は、発行者によって提出される任意の要求の任意の詳細を閲覧し、その進捗度を追跡することができる。管理者ユーザ１０５は、要求を審査し（例えば、規制および法律に準拠するため）、発行者によって提供される情報に基づいて、要求を承認するかどうかを判定してもよい。要求の承認に応じて、プラットフォーム１５０またはシステム１００は、新しい証券製品を作成し、それに一意の製品ＩＤを割り当ててもよい。証券製品は、ブロックチェーン台帳１７５上に記憶されてもよい。前述のアクティビティの全部または一部は、スマート契約の一部として行われてもよく、ブロックチェーン台帳１７５は、契約の開始、契約義務の履行、および契約の確認／否認を反映させるように付加されることができる。

投資者の掲載
個人または実体は、アカウントをプラットフォームに登録し、証券をシステム１００上で購入および／または販売するために適格である、投資者になってもよい。しかしながら、登録前でも、潜在的投資者は、登載された証券に関する詳細な情報を提供する、プラットフォーム上の「ａｃｔｉｏｎａｂｌｅ ｋｎｏｗｌｅｄｇｅ」にアクセスすることが許可されてもよいが、アカウントが登録および承認され、ユーザが暗号ウォレット１２５を提供されるまで、任意の取引に携わることは禁止されてもよい。プラットフォーム１５０は、ブロックチェーン１７５上に記憶される情報にアクセスするために利用される、その独自の暗号ウォレット１２５を記憶する、または含んでもよく、読み出された情報は、プラットフォーム１５０を介して（例えば、ウェブサイトを介して）提示されてもよい。

潜在的投資者は、アカウントを登録するために、プラットフォーム１５０または暗号ウォレット１２５を介してアクセス可能な入力フォームを記入するように要求されてもよい。潜在的投資者は、個人情報（例えば、氏名、電子メールアドレス、住所、および他の関連情報）を提供し、プラットフォーム１５０と関連付けられた使用の規約および他の合意事項を承認するように要求されてもよい。ある実施形態では、潜在的投資者はまた、適格投資家になることを申請してもよい。そのために、潜在的投資者は、適格投資家ステータスを立証する文書に署名する、および／または潜在的投資者が適格投資家もしくは適格機関投資家（「ＱＩＢ」）として資格があることを証明する付加的情報を提出するように要求されてもよい。

潜在的投資者によって提出される情報は、プラットフォーム１５０またはブロックチェーン台帳１７５上に記憶され、その後、管理者ユーザ１０５にアクセス可能にされてもよい。ある実施形態では、情報はまた、法令遵守管理および／または規制当局に利用可能にされてもよい。管理者ユーザ１０５は、潜在的投資者によって提出される情報を精査し、潜在的投資者が投資者として適格であるかどうか（および／または潜在的投資者が適格投資家としての資格があるかどうか）を判定してもよい。これは、反マネーロンダリング法および他の規制に準拠する潜在的投資者から受信された情報の処理を含んでもよい。管理者ユーザ１０５が、潜在的投資者が投資者として適格であることを判定する場合、潜在的投資者は、一意の投資者ＩＤを割り当てられてもよく、アカウントが、個人または実体がシステム１００上での取引に携わることを可能にするように確立されてもよい。ユーザ１０５はまた、証券をシステム１００上で購入および販売することを可能にする、暗号ウォレット１２５を提供されてもよい。前述のアクティビティの全部または一部は、スマート契約の一部として行われてもよく、ブロックチェーン台帳１７５は、契約の開始、契約義務の履行、および契約の確認／否認を反映させるように付加されることができる。

取引
投資者ユーザ１０５は、その暗号ウォレット１２５を利用して、システム１００上で利用可能になる証券に関する入札または購入要求を提出してもよい。発行者は、投資者によって提出される入札または購入要求を承認するかどうかを判定してもよい。各係属中の入札または購入要求と関連付けられた取引は、一意の取引ＩＤを割り当てられてもよく、ブロックチェーン台帳１７５に付加されてもよい。取引に関わる発行者および投資者ならびに取引の促進を補助している任意の管理者は、プラットフォーム１５０または暗号ウォレット１２５を通して利用可能なインターフェースを使用して、取引の進捗度を追跡してもよい。全譲渡取引は、スマート契約を使用して行われてもよく、ブロックチェーン台帳１７５は、契約の開始、契約義務の履行、および契約の確認／否認に関するエントリを含むように付加されてもよい。

清算および決済
清算および決済プロセスは、売買が開始される度に開始する。売買が開始されたことに応答して、購入者および販売者は、法的に整えられた売買確認および契約書が送信される（例えば、スマート契約を介して）。当事者に送信される特定の確認および契約書は、交換されている証券のタイプに応じて変動することができる。ある実施形態では、取引と関連付けられた全文書は、電子的に処理され（例えば、電子署名または同等物を使用して）、プラットフォーム１５０またはブロックチェーン台帳１７５を通してアクセス可能である。プラットフォーム１５０によって、および／または暗号ウォレット１２５を介して提案および維持される、第三者預託アカウントが、当事者間で金銭を交換するために使用される。購入者および販売者は両方とも、当事者が清算および決済プロセス全体を通して取引のステータスを追跡することを可能にする、プラットフォーム１５０またはその暗号ウォレット１２５上のインターフェースにアクセスすることができる。取引が完了した後、１つまたはそれを上回る仮想データトークンの所有権は、販売者から購入者に譲渡される。これは、仮想データトークン内の埋め込まれた情報を更新し、１つまたはそれを上回るエントリを取引と関連付けられたブロックチェーン台帳１７５に付加することを伴ってもよい。

証券貸与
投資者は、そのアカウントを利用して、証券をシステム１００上で貸与または借入してもよい。貸与者は、システム１００を通して、１人またはそれを上回る借入者によって借入されることが適格である証券を登載または表示してもよい。借入者はまた、システム１００を通して、貸与者が証券を彼らに貸し付けるように懇請してもよい。各係属中の貸与または借入取引と関連付けられた取引は、一意の取引ＩＤを割り当てられてもよい。取引に関わる貸与者および借入者ならびに取引の促進を補助している任意の管理者は、プラットフォーム１５０または暗号ウォレット１２５を通して利用可能なインターフェースを使用して、取引の進捗度を追跡してもよい。全貸与取引は、スマート契約を使用して行われてもよく、ブロックチェーン台帳１７５は、契約の開始、契約義務の履行、および契約の確認／否認に関するエントリを含むように付加されてもよい。

図２に移動すると、本発明のある実施形態による、仮想証券証書の作成を図示する、略図２００が、開示される。ユーザ１０５（例えば、個人または実体）が、発行者として承認された後、発行者は、原本証券文書２２０および要求され得る他の情報を提出することによって、証券をシステム１００上に登載する要求を提出してもよい。上記で説明されるように、原本証券文書２２０および情報は、発行者の暗号ウォレット１２５を使用して、および／またはプラットフォーム１５０を介して、発行者のコンピューティングデバイス１１０上のブラウザまたは他のアプリケーションを通して表示される、インターフェースを介して開始され得る、スマート契約を介して提出されてもよい。原本証券文書２２０は、証券を作成するために使用され、証券に適用される規約、規制、および制限を規定し得る、契約または他の文書類を表してもよい。ある実施形態では、新しい証券の新規発行の発行を許可することは、管理者ユーザの承認を受信することを伴ってもよい。

いったん発行者が全必要情報を提供され、新しい証券の作成が承認されると、発行者の暗号ウォレット１２５によって提供されるハッシングアルゴリズム２２５または関数が、利用され、証券自体を表す、新しいデータブロック２７５（またはデータブロック２７５のセット）を作成し、ブロックチェーン台帳１７５上に埋め込む。ある実施形態では、発行者の暗号ウォレット１２５は、一方向ハッシングアルゴリズム（例えば、ＳＨＡ−２５６またはＳＨＡ−５１２）を利用して、データブロック２７５を作成する。証券をブロックチェーン台帳１７５の中に埋め込むことはさらに、公開鍵暗号法技法を使用して、証券をブロックチェーン台帳１７５の中に埋め込むことを伴ってもよく、それによって、暗号ウォレット１２５は、公開鍵（例えば、ネットワーク１９０上の全ノードにパブリックでアクセス可能であって、データブロックを暗号化し、デジタル署名を検証するために使用される）と秘密鍵（例えば、暗号ウォレット１２５によって秘密に維持され、ブロックチェーン台帳１７５に追加されるブロックにデジタル的に署名し、暗号化されたテキストを解読し、仮想データトークンを暗号ウォレット１２５内にセキュアに維持するために利用され得る）の両方を記憶する。ブロックチェーン台帳１７５に追加されることに先立って、ブロックチェーン台帳１７５に追加されることになる新しいデータブロック２７５は、分散型ピアツーピアネットワーク１９０を横断して確証および認証されてもよい。

新しい証券を表す、データブロック２７５は、発行者の暗号ウォレット１２５（例えば、暗号ウォレット１２５内に記憶される秘密鍵）に数学的にリンクされてもよく、少なくとも３つの部分、すなわち、埋め込まれた証券文書部分２７５Ａと、証券規則部分２７５Ｂと、所有権部分２７５Ｃとを含んでもよい。図は、部分２７５Ａ、２７５Ｂ、および２７５Ｃが、論理細分化に分割される、単一データブロック２７５内に含まれるように図示されるが、部分２７５Ａ、２７５Ｂ、および２７５Ｃはまた、相互にリンクされるブロックチェーン台帳上の別個のデータブロック２７５として表されてもよいことを理解されたい。

埋め込まれた証券文書部分２７５Ａは、証券を作成するための基礎としての役割を果たした原本証券文書２２０の実際のコピーを含む。したがって、ブロックチェーン台帳１７５は、システム１００上で利用可能な証券を作成するために使用される全原本証券文書２２０のコピーを記憶してもよく、ユーザ１０５は、原本証券文書２２０のコピーに直接ブロックチェーン台帳１７５自体からアクセスしてもよい。

証券規則部分２７５Ｂは、ブロックチェーン台帳１７５上に埋め込まれる証券の発行または譲渡に適用される、規制規則および他の制限を規定する。例えば、証券規則部分２７５は、任意の適用可能なブルースカイ、ＦＩＮＲＡ、ＳＥＣ、ＢＳＡ規制、または反マネーロンダリング、国際要件、もしくは他の規制措置に関する任意の規則を規定してもよい。証券規則部分２７５はまた、証券に適用される任意の制限を規定してもよい（例えば、ファーストリフューザルライト、適格投資家ステータス、転換社債、証券譲渡に関する時間制限、株式シリーズによって課される制限、または他のタイプの制限と関連付けられるもの等）。

証券売買が開始されると、証券規則部分２７５Ｂのコンテンツが、スマート契約によって、証券を別のユーザ１０５に譲渡することに先立って全適用可能な規則および制限との準拠を確認するために利用されてもよい。ある実施形態では、証券規則部分２７５Ｂのコンテンツは、適用可能な規則および制限を規定する、データセットを含み、データセットは、スマート契約によって読み出され、証券の譲渡が確認される前に、全規則および制限が準拠されていることを確実にするために利用されてもよい。証券規則部分２７５Ｂのコンテンツは、代替として、または加えて、適用可能な規則および制限を実装するように構成され、スマート契約によって、またはそれと併せて、証券の譲渡が確認される前に、全規則および制限が準拠されていることを確実にするために利用され得る、プログラムコードおよび／またはスクリプトを含んでもよい。

データブロック２７５の所有権部分２７５Ｃは、証券の所有者を識別する。所有権部分２７５Ｃは、最初に、発行者を指定してもよい。証券の所有権を譲渡する、後続取引は、新しいデータブロック２７５をブロックチェーン台帳１７５に付加させ、証券の更新された所有者を識別し、証券証書と関連付けられた台帳上の最新ブロック２７５に遡ってリンクし、それによって、証券証書に関して作成された初期データブロック２７５に遡って監査証跡を提供してもよい。

ユーザ１０５が、新しい証券の新規発行または新しい売買の開始を許可される前に、ユーザ１０５は、その暗号ウォレット１２５を利用して、分散型ブロックチェーン台帳１７５がコンピューティングノード１１０によって維持される、ピアツーピアネットワーク１９０にアクセスするように要求されてもよい。ある実施形態では、暗号ウォレット１２５は、多因子認証アクセスプロシージャ２１０を利用して、ネットワーク１９０にアクセスし、および／またはブロック２７５をブロックチェーン台帳１７５に付加してもよい。

スマート契約規則エンジン２５０は、限定ではないが、証券の所有権を譲渡し、新しい証券を掲載し、発行者を掲載し、投資者を掲載し、証券規則２７５Ｂを利用して、関連規則および制限との準拠を確実にするためのスマート契約の利用と関連付けられた任意の機能性を含む、スマート契約の利用に関して本明細書で議論される任意の機能性を実装するように構成されてもよい。ある実施形態では、スマート契約規則エンジン２５０は、少なくとも部分的に、ユーザ１０５の暗号ウォレット１２５の中に組み込まれてもよい。スマート契約規則エンジン２５０は、代替として、または加えて、プラットフォーム１５０の中に組み込まれてもよい。

図３は、本発明のある実施形態による、証券の所有権を譲渡するための例示的方法３００を図示する、フロー図である。例示的方法は、暗号ウォレット１２５プロトコル（例えば、スマート契約規則エンジン２５０と関連付けられたものを含む）および／またはプラットフォーム１５０によって、全体的または部分的に実行されてもよい。

本方法によると、ブロック２７５が、証券の売買を開始するために、ブロックチェーン台帳１７５に付加されてもよい（ステップ３１０）。例えば、発行者が、ブロックチェーン台帳１７５上に埋め込まれ、記憶される、証券証書を作成した後、投資者ユーザ１０５は、その暗号ウォレット１２５を介して、証券を購入する要求を提出してもよい。

証券の購入者および証券の販売者は、次いで、証券の所有権を販売者から購入者に譲渡するためのスマート契約を提示されてもよい（ステップ３２０）。スマート契約は、その暗号ウォレット１２５を介して、購入者および販売者にアクセス可能であってもよい。好ましくは、スマート契約は、当事者が、電子的に取引を実施し、全必要情報および文書類を提供し、全文書を電子的に署名する（例えば、電子署名を使用して）ことを可能にする。

次に、証券と関連付けられた証券規則が、読み出され、スマート契約の中に措置として組み込まれる（ステップ３３０）。前述のように、規制規則のセット（例えば、ＳＥＣ、ＦＩＮＲＡ、またはブルースカイ法と関連付けられた）および他の制限（例えば、適格投資家ステータスまたはファーストリフューザルライト）が、ブロックチェーン台帳１７５上に記憶され、証券と関連付けられてもよい。スマート契約が開始されると、スマート契約は、本情報をブロックチェーン台帳１７５から読み出し、適切な措置をスマート契約の中に組み込み、売買を確認する前に、全規制規則および制限が準拠されていることを確実にしてもよい。

証券規則の受信に応答して、スマート契約は、自動的に、規制規則および制限の一部または全部に関する情報および／もしくは立証を要求し、購入者および販売者が証券と関連付けられた規制規則および制限に準拠していることを検証するようにそれ自体を構成してもよい。例えば、スマート契約は、購入者が適格投資家ステータスを立証することを要求してもよい、または購入者が適格投資家であることを検証するための情報を提供することを要求してもよい。

スマート契約はまた、ブロックチェーン１７５上に埋め込まれる、または記憶される情報を分析し、購入者および販売者が証券と関連付けられた規制規則および制限に準拠しているかどうかを判定してもよい。例えば、販売者が証券を所定の期限内に販売しないように制限されている場合、スマート契約は、証券と関連付けられたブロック２７５を分析し、期限が失効したかどうかを判定し、自動的に、本条件が満たされたかどうかに基づいて、契約を確認または否認することができる。同様に、スマート契約はまた、ブロック２７５を分析し、ファーストリフューザルライトを有する第三者が以前に契約を提案されているかどうかを判定し、自動的に、本条件が満たされたかどうかに基づいて、契約を確認または否認することができる。

スマート契約が、適切な措置を組み込むように構成された後、売買に関する情報が、収集される（ステップ３４０）。情報は、規制規則および制限の準拠を検証し、および／または契約の他の規約との準拠を確実にする（例えば、購入者が第三者預託下に置かれている利用可能な基金を有することを検証する）ために供給されてもよい。購入者と販売者との間の売買の規約を設定する、情報もまた、供給されてもよい。上記で説明されるように、情報は、自動的に、スマート契約によって（例えば、ブロックチェーン台帳１７５を分析することによって）収集されてもよい、または当事者によって供給されてもよい。

第２のブロック２７５が、次いで、ブロックチェーン台帳１７５に付加され、売買が確認または否認されたかどうを示す（ステップ３５０）。売買が確認された場合、第２のブロック２７５は、証券の新しい所有者を更新および検証するために利用され得る、情報を記憶してもよい。第２のブロック２７５はさらに、売買を開始するために作成されたブロック２７５を含む、ブロックチェーン台帳１７５上の証券に関する他のブロックの一部または全部に遡ってリンクする、情報を記憶してもよい。

図４は、本発明のある実施形態による、共同出資された投資基金を実装するための例示的方法４００を図示する、フロー図である。ある実施形態では、例示的方法は、ユーザの暗号ウォレット１２５内に含まれるプロトコル（例えば、スマート契約規則エンジン２５０と関連付けられたものを含む）および／またはプラットフォーム１５０によって、全体的または部分的に実行されてもよい。

証券基金が、少なくとも、原本証券文書と関連付けられたデータと、１つまたはそれを上回る証券規則のセットと、証券基金の所有権とを含む、１つまたはそれを上回るブロックをブロックチェーン台帳１７５上に埋め込むことによって作成される（ステップ４１０）。原本証券文書は、証券基金の実装および管理に関連する規約、条件、および他の詳細を規定する、文書を表してもよい。発行者が、最初に、証券基金の所有者として指定されてもよい。

次に、ブロック２７５が、スマート契約が証券基金と関連して投資者によって実行されることに応答して、ブロックチェーン台帳１７５に付加される（ステップ４２０）。スマート契約は、証券規則を読み出し、任意の規定された規制および制限を実装するようにそれ自体を構成してもよい。ブロックチェーン台帳１７５に付加されるブロック２７５は、証券基金の所有権ステータスを更新するために利用されてもよく、投資者によって行われる投資を規定してもよい。ブロック２７５は、証券基金と関連付けられた台帳上の１つまたはそれを上回る以前のブロックに遡ってリンクしてもよい。１つまたはそれを上回る対応するデータトークンが、次いで、投資者のそれぞれに譲渡されてもよい。

投資者によって提出される投資は、ともに共同出資され、証券基金を収益化してもよい（ステップ４３０）。投資者がスマート契約に関連して情報を提出すると、投資者は、金銭または他の通貨を第三者預託に入れ、投資に関する支払をセキュアにしてもよい。いったん契約が確認され、ブロックチェーン台帳１７５が対応するエントリを付加されると、金銭または他の通貨が、投資用共同出資に譲渡されてもよい。

次に、ブロック２７５が、スマート契約が証券基金からの借入を求めている借入者によって実行されることに応答して、ブロックチェーン台帳１７５に付加される（ステップ４４０）。スマート契約は、証券規則を読み出し、任意の規定された規制および制限を実装するようにそれ自体を構成してもよい。ブロックチェーン台帳１７５に付加されたブロックは、とりわけ、各借入者の借入額および各借入者の識別を示してもよい。ブロック２７５は、証券基金と関連付けられたブロックチェーン台帳１７５上の１つまたはそれを上回る以前のブロックに遡ってリンクしてもよい。１つまたはそれを上回る対応するデータトークンが、次いで、投資者のそれぞれに譲渡され、その暗号ウォレット１２５によって維持されるポートフォリオと関連付けられた借入債務を表してもよい。

図５は、本発明のある実施形態による、証券を管理するための例示的方法５００を図示する、フロー図である。例示的方法は、暗号ウォレット１２５プロトコル（例えば、スマート契約規則エンジン２５０と関連付けられたものを含む）および／またはプラットフォーム１５０によって、全体的または部分的に実行されてもよい。

投資者ユーザ１０５および発行者ユーザ１０５が、システム１００に掲載または登録される（ステップ５１０）。上記で説明されるように、ユーザ１０５は、入力フォームを記入し、投資者または発行者として登録するための他の情報を提供してもよく、提供された情報は、承認に先立って、管理者ユーザ１０５によって精査されてもよい、または精査されなくてもよい。

暗号ウォレット１２５は、投資者ユーザ１０５および発行者ユーザ１０５に分散される（ステップ５２０）。暗号ウォレット１２５は、ユーザ１０５が、分散型ブロックチェーン台帳１７５を維持するピアツーピアネットワーク１９０にアクセスことを許可する。ユーザ１０５は、暗号ウォレット１２５を利用して、取引（例えば、発行、売買、貸与、借入等）をネットワーク１９０上で実行してもよい。暗号ウォレット１２５は、これらの取引と関連付けられたスマート契約を動的に構成するためのプロトコルを含む。

次に、新しい証券が、直接、データセットをブロックチェーン台帳１７５上の新しいブロック２７５の中に埋め込むことによって作成される（ステップ５３０）。データセットはそれぞれ、埋め込まれた証券文書部分２７５Ａと、証券規則部分２７５Ｂと、所有権部分２７５Ｃとを含んでもよい。ある実施形態では、ブロックチェーン台帳１７５に追加される、ブロック２７５は、発行、売買、貸与または借入機能の実施と関連付けられた機能を行うためのアプリケーションコードまたはスクリプトを含んでもよい。例示的コードおよびスクリプトは、証券と関連付けられた規制規則および他の制限との準拠を確実にするために利用されてもよい。

証券は、ブロックチェーン台帳１７５に証券の所有権を修正するための関連付けられたブロック２７５を付加する、スマート契約を使用して、ユーザ１０５の暗号ウォレット１２５間で譲渡されてもよい（ステップ５４０）。スマート契約は、証券証書と関連付けられたブロック２７５の証券規則部分２７５Ｂ内に規定された規制規則および他の制限を利用して、ユーザ１０５が全適用可能な規制、制限、および規約に準拠することを検証してもよい。

ブロックチェーン台帳１７５が、譲渡取引を検証するために利用され、仮想データトークンが、暗号ウォレット１２５間で交換される（ステップ５５０）。ブロックチェーン台帳１７５は、種々の異なる方法で取引を検証するために利用されることができる。例えば、ある実施形態では、資産譲渡が生じる前に、暗号ウォレット１２５は、ブロックチェーン台帳１７５を分析し、譲渡の対象である証券にリンクされる、または別様にそれと関連付けられる、全関連ブロック２７５を識別してもよい。これは、暗号ウォレット１２５が、販売者が実際に証券を所有しており、販売者が証券を購入者に譲渡することを禁止するであろう規制または制限が該当しないことを確認することを可能にし得る。

多数の変形例が、本発明の範囲から逸脱することなく、前述のシステムおよび方法に成され得ることを認識されたい。例えば、ある実施形態は、取引を処理するための集中リポジトリ（例えば、サーバ上）または集中管理者の必要なく実装される、非集中台帳１７５を利用し得るが、代替実施形態は、集中ブロックチェーン台帳を利用してもよいことを認識されたい。例えば、プラットフォームは、プラットフォームを維持するおよび制御する１つまたはそれを上回る実体、政府組織、規制当局、またはそれを行うことが認可された他のプライベート組織によって管理される、集中ブロックチェーン台帳を利用してもよい。

その特定の実施形態に適用される本発明の種々の新規特徴が、図示、説明、および指摘されたが、説明および図示されるシステムならびに方法の形態および詳細における種々の省略ならびに代用および変更が、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって成され得ることを理解されたい。とりわけ、方法に示されるステップは、適切である場合、多くの場合において異なる順序で実施されてもよい。当業者は、本発明の教示の前述の開示および理解に基づいて、本明細書に説明されるシステムの一部である特定のハードウェアおよびデバイスならびにそれによって提供され、その中に組み込まれる一般的機能性が、本発明の異なる実施形態において変動し得ることを認識するであろう。故に、特定のシステムコンポーネントは、そのシステムおよび方法実施形態において実現される本発明の特定の実施形態の種々の側面および機能性の全体的かつ完全な理解ならびに認識を促進するための例証目的のためのものである。当業者は、本発明が、限定ではなく、例証目的のために提示される、説明される実施形態以外でも実践されることができることを理解されるであろう。

Claims (18)

1. ネットワークを経由して証券を管理するためのコンピュータ化システムであって、
   ピアツーピア通信ネットワークを経由して相互に通信する複数のコンピューティングデバイス
   を備え、
   前記複数のコンピューティングデバイスのそれぞれは、プロセッサと、物理的記憶媒体とを含み、前記物理的記憶媒体は、
   前記ピアツーピア通信ネットワーク上で生じる証券取引と関連付けられた情報を記録する分散型データベースを含む分散型ブロックチェーン台帳の少なくとも一部と、
   証券の仮想ポートフォリオをセキュアに記憶するための暗号化プロトコルを含む暗号ウォレットであって、前記暗号ウォレットはさらに、
   証券を発行するための第１のプロトコルのセットであって、前記第１のプロトコルのセットは、１つまたはそれを上回るブロックを前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するための一方向ハッシングアルゴリズムを利用することによって、前記証券を前記分散型ブロックチェーン台帳上に直接記憶するように構成され、前記１つまたはそれを上回るブロックは、少なくとも、前記証券と関連付けられた原本証券文書、前記証券を統制する規制および制限を備える証券規則のセット、および前記証券の１人またはそれを上回る所有者を識別する所有権識別子を含む、第１のプロトコルのセットと、
   前記証券の所有権を前記ピアツーピア通信ネットワーク内の他のコンピューティングデバイス上に記憶される他の暗号ウォレットに譲渡するための第２のプロトコルのセットと、
   を含む、暗号ウォレットと、
   を記憶し、
   前記第１のプロトコルのセットおよび第２のプロトコルのセットは、前記プロセッサによって実行されると、前記分散型ブロックチェーン台帳と関連付けられた前記分散型データベースの更新が、前記証券を発行および譲渡することを可能にする、システム。
2. 前記第２のプロトコルのセットは、前記証券の所有権を譲渡するように構成される１つまたはそれを上回るイベント駆動型スマート契約を利用し、前記１つまたはそれを上回るスマート契約は、前記暗号ウォレットを通して利用可能にされ、購入者および販売者が所有権譲渡規約を満たすための情報を提出することを許可する、請求項１に記載のシステム。
3. 前記第２のプロトコルのセットは、前記暗号ウォレットが、前記分散型ブロックチェーン台帳にアクセスし、そこから前記証券規則のセットを読み出し、前記スマート契約を前記証券に適用する規制および制限に準拠することを検証するように構成することを可能にする、請求項２に記載のシステム。
4. 第１のブロックのセットは、スマート契約が証券売買を開始するために利用されていることに応答して、前記分散型ブロックチェーン台帳に付加され、第２のブロックのセットは、前記分散型ブロックチェーン台帳に付加され、前記証券売買が完了または否認されるかどうかを示す、請求項２に記載のシステム。
5. 前記第１のプロトコルのセットは、新しい証券を前記システムに掲載するように構成される、１つまたはそれを上回るイベント駆動型スマート契約を利用し、前記１つまたはそれを上回るスマート契約は、前記暗号ウォレットを通して利用可能にされ、登録された発行者が新しい証券を発行することを許可する、請求項１に記載のシステム。
6. 前記暗号ウォレットは、発行者が複数の投資者からの投資をともに共同出資する証券基金を作成することを可能にする、請求項１に記載のシステム。
7. 前記暗号ウォレットは、前記複数の投資者が前記証券基金に寄付し、前記証券基金からの資産を複数の借入者に分配することを可能にする、１つまたはそれを上回るイベント駆動型スマート契約を提供する、請求項６に記載のシステム。
8. 前記暗号ウォレットは、ブロックを投資および借入取引と関連付けられた前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するように構成される、請求項７に記載のシステム。
9. 前記暗号ウォレットは、前記証券のうちの１つまたはそれを上回るものと関連付けられたマスタアカウントが許可を１つまたはそれを上回るサブアカウントに割り当てることを可能にするブロックを前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するように構成される、請求項１に記載のシステム。
10. ネットワークを経由して証券を管理するための方法であって、
    複数のコンピューティングデバイスにピアツーピア通信ネットワークへのアクセスを提供するステップであって、前記複数のコンピューティングデバイスのそれぞれは、プロセッサと、物理的記憶媒体とを含む、ステップと、
    分散型ブロックチェーン台帳の少なくとも一部を前記複数のコンピューティングデバイス上に記憶するステップであって、前記分散型ブロックチェーン台帳は、前記ピアツーピア通信ネットワーク上で生じる証券取引と関連付けられた情報を記録する分散型データベースを含む、ステップと、
    証券の仮想ポートフォリオをセキュアに管理するための暗号化プロトコルを含む暗号ウォレットを前記複数のコンピューティングデバイスのそれぞれ上に記憶するステップであって、前記暗号ウォレットはさらに、
    証券を発行するための第１のプロトコルのセットであって、前記第１のプロトコルのセットは、１つまたはそれを上回るブロックを前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するための一方向ハッシングアルゴリズムを利用することによって、証券を前記分散型ブロックチェーン台帳上に直接記憶するように構成され、前記１つまたはそれを上回るブロックは、少なくとも、発行される前記証券と関連付けられた原本証券文書、前記証券を統制する規制および制限を備える証券規則のセット、および前記証券の１人またはそれを上回る所有者を識別する所有権識別子を含む、第１のプロトコルのセットと、
    前記証券の所有権を前記ピアツーピア通信ネットワーク内の他のコンピューティングデバイス上に記憶される他の暗号ウォレットに譲渡するための第２のプロトコルのセットと、
    を含む、ステップと、
    を含み、
    前記第１のプロトコルのセットおよび第２のプロトコルのセットは、前記プロセッサによって実行されると、前記分散型ブロックチェーン台帳と関連付けられた前記分散型データベースの更新が、前記証券を発行および譲渡することを可能にする、方法。
11. 前記第２のプロトコルのセットは、前記証券の所有権を譲渡するように構成される１つまたはそれを上回るイベント駆動型スマート契約を利用し、前記１つまたはそれを上回るスマート契約は、前記暗号ウォレットを通して利用可能にされ、購入者および販売者が所有権譲渡規約を満たすための情報を提出することを許可する、請求項１０に記載の方法。
12. 前記第２のプロトコルのセットは、前記暗号ウォレットが、前記分散型ブロックチェーン台帳にアクセスし、そこから前記証券規則のセットを読み出し、前記スマート契約を前記証券に適用する規制および制限に準拠することを検証するように構成することを可能にする、請求項１１に記載の方法。
13. 第１のブロックのセットは、スマート契約が証券売買を開始するために利用されていることに応答して、前記分散型ブロックチェーン台帳に付加され、第２のブロックのセットは、前記分散型ブロックチェーン台帳に付加され、前記証券売買が完了または否認されるかどうかを示す、請求項１１に記載の方法。
14. 前記第１のプロトコルのセットは、新しい証券を前記システムに掲載するように構成される、１つまたはそれを上回るイベント駆動型スマート契約を利用し、前記１つまたはそれを上回るスマート契約は、前記暗号ウォレットを通して利用可能にされ、登録された発行者が新しい証券を発行することを許可する、請求項１０に記載の方法。
15. 前記暗号ウォレットは、発行者が複数の投資者からの投資をともに共同出資する証券基金を作成することを可能にする、請求項１０に記載の方法。
16. 前記暗号ウォレットは、前記複数の投資者が前記証券基金に寄付し、前記証券基金からの資産を複数の借入者に分配することを可能にする、イベント駆動型スマート契約を提供する、請求項１５に記載の方法。
17. 前記暗号ウォレットは、投資および借入取引と関連付けられたブロックを前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するように構成される、請求項１６に記載の方法。
18. 前記暗号ウォレットは、前記証券のうちの１つまたはそれを上回るものと関連付けられたマスタアカウントが許可を１つまたはそれを上回るサブアカウントに割り当てることを可能にするブロックを前記分散型ブロックチェーン台帳に付加するように構成される、請求項１０に記載の方法。

Images