JP2018504414A - ジヒドロピリミジン誘導体の複合体及び塩並びにそれらの医薬品への応用 - Google Patents

ジヒドロピリミジン誘導体の複合体及び塩並びにそれらの医薬品への応用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物又はその互変異性体のL−酒石酸複合体、酸付加塩、塩基付加塩及びその医薬組成物に関し、更に、特にHBV感染症を予防し、処置し、治療し又は軽減する際の使用のための医薬の製造における前記化合物又は医薬組成物の使用に関する。本発明の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩は、結晶形、実質的に結晶形、多形体、非晶質、水和物又は溶媒和物である。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、その全体が参照により本明細書に援用される、2015年2月7日に出願された中国特許出願第201510068258.X号についての利益を主張する。
分野
本発明は、医薬の分野に属する。この発明は、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物(I)又はその互変異性体(Ia)のL−酒石酸複合体、酸付加塩、塩基付加塩及びその医薬組成物に関し、更に、特にHBV感染症を予防し、処置し、治療し又は軽減する際の使用のための薬剤の製造における前記塩又は医薬組成物の使用に関する。本発明の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩は、結晶形、実質的な結晶、多形、非晶質、水和物又は溶媒和物である。
背景
B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルス科に属する。それは、急性的及び/又は持続的に若しくは進行的に慢性疾患を引き起こし得る。病理学的形態における多くの他の臨床症状も、HBVにより引き起こされ、それは特に、慢性肝炎、肝硬変及び肝細胞癌である。加えて、D型肝炎ウイルスとの同時感染は、該疾患の経過に悪影響を有し得る。
慢性肝炎を治療するために用いられることが承認された従来の薬剤は、インターフェロン及びラミブジンである。しかしながら、インターフェロンは、穏やかな活性を有するが、有害な副反応を有する。ラミブジンは良好な活性を有するが、治療中にその耐性が急速に生じ、治療を停止した後に、しばしば再発作用が現れる。ラミブジン(3−TC)のIC50値は、300nMである(Science、2003、299、893−896)。
デレス(Deres)らは、Bay41−4109及びBay39−5493を含むヘテロアリール置換ジヒドロピリミジン(HAP)化合物を報告し、これらの化合物は、ウイルスのコア粒子(ヌクレオカプシド)の適切な形成を防止することによりHBVの複製を阻止することにおいて役割を果たす。Bay41−4109は、臨床研究においてより良好な薬物代謝指標を実証した(Science、2003、299、893−896)。これらの化合物の作用機構の研究は、コアタンパクの113−143のアミノ酸残基との反応によって、ヘテロアリール置換ジヒドロピリミジン化合物がヌクレオカプシドを形成し得る二量体間の角度を変え、不安定に拡張したヌクレオカプシドの形成をもたらし、これがコアタンパクの分解を促進することを示した(Biochem.Pharmacol.、2003、66、2273−2279)。
特許出願WO2014029193及びCN201310373003.5は、HBVウイルスの複製を阻止する効果を有する多くのジヒドロピリミジン(HAP)化合物を開示していおり、式(IIa)及び(IIb)の化合物は、より良好な活性を有する。
Figure 2018504414
本発明において、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される式(I)の化合物を式(IIb)の化合物から単離した。
Figure 2018504414
(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物の調製プロセスの間に、泡状の個体としての前記化合物が、低い流動性及びある程度の吸湿性を有し、そのために保持及び計量に不利であり、多くの不便さを伴うことが見いだされた。それ故、より良好なドラッガビリティを有する固体形態を見出すために、出願人は、多くの実験研究を通して化合物(I)を種々の酸付加塩及び塩基付加塩へと発展させ、造塩化合物は、有意に改善された純度、製剤化を容易にする物理的挙動、保持及び計量を容易にする低い吸湿性及び改善された溶解性を有することを見出した。驚くべきことに、出願人は、実験の間に化合物(I)及びL−酒石酸から生成された複合体も得た。複合体は、スケールアッププロセスを容易にする単純な調製プロセスだけではなく、製剤化を容易にする物理的挙動、高い純度及び良好な溶解性も有する。更に、複合体は高温、高湿度及び照明条件下で実質的に変化しない純度を保つのに優れた安定性を有し、それが優れたドラッガビリティをもたらす。
本発明は、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物(I)又はその互変異性体(Ia)の複合体、酸付加塩、塩基付加塩及びその医薬組成物に関し、更に、特にHBV感染症を予防し、処置し、治療し又は軽減する際の使用のための薬剤の製造における前記塩又は医薬組成物の使用に関する。本発明の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩は、結晶形、実質的に結晶形、多形、非晶質、水和物又は溶媒和物である。
1つの側面において、本発明は、L−酒石酸及び式(I)又は(Ia):
Figure 2018504414
の化合物から生成される複合体に関する。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体における式(I)又は(Ia)の化合物対L−酒石酸のモル比は、1:1であり、ここで、L−酒石酸複合体の結晶形I(A)は、以下の特徴を有する:
(1)L−酒石酸複合体の結晶形I(A)は、2θの度で表して、17.82±0.2°、19.51±0.2°、21.61±0.2°、22.56±0.2°、23.36±0.2°、23.54±0.2°、23.79±0.2°及び31.07±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、又は
(2)L−酒石酸複合体の結晶形I(A)は、以下の単位格子パラメータを有する:
単位格子仕様:a=11.7649(3)Å、b=9.75352(19)Å、c=12.3294(2)Å、α=90°、β=102.581(2)°、γ=90°;
空間群:単斜晶系、P2
単位格子体積:1380.83(5)Å
単位格子内の非対称単位数Z:2;及び
密度:1.551g/cm
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)は、2θの度で表して、9.29±0.2°、17.82±0.2°、19.51±0.2°、20.80±0.2°、21.61±0.2°、22.56±0.2°、23.36±0.2°、23.54±0.2°、23.79±0.2°及び31.07±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)は、2θの度で表して、7.30°±0.2°、7.31°±0.2°、7.61°±0.2°、9.29°±0.2°、11.60°±0.2°、14.69°±0.2°、15.33°±0.2°、17.22°±0.2°、17.82°±0.2°、18.08°±0.2°、18.42°±0.2°、19.51°±0.2°、20.51°±0.2°、20.80°±0.2°、21.61°±0.2°、22.56°±0.2°、23.05°±0.2°、23.36°±0.2°、23.54°±0.2°、23.79°±0.2°、24.39°±0.2°、24.81°±0.2°、25.78°±0.2°、26.07°±0.2°、27.34°±0.2°、28.25°±0.2°、28.87°±0.2°、29.72°±0.2°、30.22°±0.2°、31.07°±0.2°、31.55°±0.2°、32.25°±0.2°、32.85°±0.2°、33.24°±0.2°、34.24°±0.2°、35.03°±0.2°、35.22°±0.2°、36.03°±0.2°、36.88°±0.2°、37.33°±0.2°、37.86°±0.2°及び38.36°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)は、186.94℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラム、及び/又は51、71、115、144、158、180、196、234、303、427、688、746、767、818、837、905、1001、1062、1075、1128、1137、1165、1179、1193、1230、1269、1289、1324、1337、1346、1357、1401、1438、1453、1477、1517、1541、1607及び1679cm−1における吸収ピークを含むラマンスペクトログラムを有し、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)は、193.78℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラム、及び/又は51、71、115、144、158、180、196、234、303、427、688、746、767、818、837、905、1001、1062、1075、1128、1137、1165、1179、1193、1230、1269、1289、1324、1337、1346、1357、1401、1438、1453、1477、1517、1541、1607及び1679cm−1における吸収ピークを含むラマンスペクトログラムを有し、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される複合体は結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、結晶形I(A)は、以下の特徴の少なくとも1つを有する:
(1)図1に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、又は
(2)図2又は3に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラム、又は
(3)図4に示されるものと実質的に同じラマンスペクトログラム。
1つの側面において、本発明は、式(I)又は(Ia)の化合物:
Figure 2018504414
の塩に関し、ここで、塩は、薬学的に許容され得る酸付加塩である。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される塩は、無機酸塩又は有機酸塩であり、無機酸塩は、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、一価リン酸塩、二価リン酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、ヘミ硫酸塩、重硫酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、又はそれらの組み合わせであり、有機酸塩は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、プロパンスルホン酸塩、クエン酸塩、4−ニトロ安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、リンゴ酸塩、プロピオール酸塩、2−テトロール酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ビニル酢酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、フマル酸塩、イセチオン酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、パモ酸塩、サリチル酸塩、ミューテート、グルセプチン酸塩、マンデル酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、金属トリフラート、アジピン酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6−ジカルボン酸塩、グリコール酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、アスパラギン酸塩、L−アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、L−グルタミン酸塩、2−フェノキシ安息香酸塩、4’−ヒドロキシベンゾフェノン−2−カルボン酸塩、アセト酢酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ホウ酸塩、クロロ安息香酸塩、樟脳酸塩、イタコン酸塩、カンファースルホン酸塩、(−)−カンファースルホン酸塩、トルイル酸塩、ジニトロ安息香酸塩、スルファミン酸塩、ラクトビオン酸塩、ガラクツロン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、アクリル酸塩、シピオン酸塩、グリセロリン酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジグルコン酸塩、グルコン酸塩、エナント酸塩、カプロン酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ピバル酸塩、グルクロン酸塩、ラウリン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、ニコチン酸塩、ケイ皮酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、フタル酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ピバル酸塩、ピクリン酸塩、ステアリン酸塩酸塩、2,2−ジクロロ酢酸塩、アシル化アミノ酸塩、アルギン酸塩、4−アセトアミドベンゼンスルホン酸塩、デカン酸塩、コール酸塩、カプリル酸塩、ペラルゴン酸塩、シクラミン酸塩、フタル酸塩、システイン塩酸塩、ソルビン酸塩、パモ酸塩、ガラクタル酸塩、グリシン塩酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、シスタミン二塩酸塩、ウンデカン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、スルホサリチル酸塩、フェニル酪酸塩、4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリビニル硫酸塩、1−ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、吉草酸塩、又はそれらの組み合わせである。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される塩は、結晶形I(B)を有する塩酸塩であり、結晶形I(B)は、2θの度で表して、15.73±0.2°、17.21±0.2°、20.44±0.2°、22.04±0.2°、23.44±0.2°、28.39±0.2°、30.86±0.2°及び33.61±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、11.90±0.2°、21.04±0.2°、21.96±0.2°、23.30±0.2°、24.60±0.2°、27.20±0.2°、28.75±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される塩は、結晶形I(B)を有する塩酸塩であり、結晶形I(B)は、2θの度で表して、15.73°±0.2°、17.21°±0.2°、20.44°±0.2°、22.04°±0.2°、23.44°±0.2°、24.73°±0.2°、28.39°±0.2°、30.86°±0.2°、31.73°±0.2°、32.78°±0.2°、33.61°±0.2°、35.63°±0.2°、37.16°±0.2°及び38.13°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、11.90±0.2°、18.53±0.2°、21.04±0.2°、21.96±0.2°、23.30±0.2°、24.60±0.2°、27.20±0.2°、28.75±0.2°、33.62±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、6.39±0.2°、11.20±0.2°、11.90±0.2°、12.68±0.2°、13.68±0.2°、15.06±0.2°、15.65±0.2°、16.27±0.2°、18.53±0.2°、19.00±0.2°、20.21±0.2°、21.04±0.2°、21.61±0.2°、21.96±0.2°、22.24±0.2°、23.30±0.2°、24.00±0.2°、24.60±0.2°、25.50±0.2°、26.48±0.2°、27.20±0.2°、28.32±0.2°、28.75±0.2°、29.51±0.2°、30.31±0.2°、31.39±0.2°、31.87±0.2°、32.40±0.2°、33.62±0.2°、34.53±0.2°、35.12±0.2°、35.80±0.2°、36.28±0.2°、36.76±0.2°、37.48±0.2°、37.74±0.2°、38.44±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は156.08℃±3℃における吸熱ピークを含むその示差走査熱量サーモグラムを有する。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図5に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する結晶形I(B)を有する塩酸塩であるか、又は
前記塩は、図6に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図7に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形IIを有する塩酸塩である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、結晶形I(C)は、2θの度で表して、20.69±0.2°、21.61±0.2°、23.18±0.2°、24.20±0.2°、27.09±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°及び33.13±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、結晶形I(C)は、2θの度で表して、14.87±0.2°、20.69±0.2°、21.61±0.2°、23.18±0.2°、24.20±0.2°、25.38±0.2°、27.09±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°及び33.13±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、結晶形I(C)は、2θの度で表して、6.29±0.2°、10.04±0.2°、10.99±0.2°、11.83±0.2°、14.87±0.2°、15.44±0.2°、16.05±0.2°、18.41±0.2°、18.79±0.2°、19.12±0.2°、20.06 ±0.2°、20.69±0.2°、21.30±0.2°、21.61±0.2°、22.02±0.2°、22.93±0.2°、23.18±0.2°、23.67±0.2°、24.20±0.2°、25.38±0.2°、26.14±0.2°、26.73±0.2°、27.09±0.2°、27.83±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°、29.06±0.2°、29.92±0.2°、31.05±0.2°、31.63±0.2°、32.29±0.2°、32.76±0.2°、33.13±0.2°、33.63±0.2°、34.10±0.2°、34.55±0.2°、35.42±0.2°、35.99±0.2°、36.36±0.2°、37.02±0.2°、37.93±0.2°、38.49±0.2°、38.72±0.2°及び39.10±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は158.95℃±3℃における吸熱ピークを含むその示差走査熱量サーモグラムを有する。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図8に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図9に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、10.73°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°及び23.98°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、結晶形IIを有するメシル酸塩における式(I)又は(Ia)の化合物対メシル酸塩のモル比は、3:1であり、結晶形IIは、2θの度で表して、8.28°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、24.78°±0.2°及び25.66°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、10.73°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°、19.20°±0.2°、22.20°±0.2°、22.50°±0.2°、23.98°±0.2°、24.24°±0.2°及び26.87°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、8.28°±0.2°、9.11°±0.2°、11.36°±0.2°、17.07°±0.2°、17.67°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、24.78°±0.2°、25.66°±0.2°及び26.10°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、9.59°±0.2°、10.73°±0.2°、11.13°±0.2°、14.43°±0.2°、14.71°±0.2°、16.62°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°、18.59°±0.2°、19.20°±0.2°、19.77°±0.2°、20.12°±0.2°、20.33°±0.2°、20.95°±0.2°、21.56°±0.2°、22.20°±0.2°、22.50°±0.2°、23.54°±0.2°、23.98°±0.2°、24.24°±0.2°、24.51°±0.2°、24.83°±0.2°、25.50°±0.2°、26.32°±0.2°、26.87°±0.2°、27.70°±0.2°、28.10°±0.2°、28.36°±0.2°、28.89°±0.2°、29.49°±0.2°、30.02°±0.2°、30.58°±0.2°、31.22°±0.2°、31.65°±0.2°、32.02°±0.2°、32.43°±0.2°、32.94°±0.2°、33.52°±0.2°、34.50°±0.2°、34.88°±0.2°、35.59°±0.2°、36.00°±0.2°、36.46°±0.2°、36.92°±0.2°、37.71°±0.2°及び38.88°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示し、及び/又は155.48℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有する。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、7.81°±0.2°、8.28°±0.2°、9.11°±0.2°、9.85°±0.2°、11.36°±0.2°、12.56°±0.2°、14.37°±0.2°、14.72°±0.2°、15.33°±0.2°、16.48°±0.2°、17.07°±0.2°、17.67°±0.2°、18.51°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、20.17°±0.2°、21.17°±0.2°、21.60°±0.2°、21.97°±0.2°、22.47°±0.2°、22.80°±0.2°、23.22°±0.2°、24.10°±0.2°、24.78°±0.2°、25.66°±0.2°、26.10°±0.2°、26.44°±0.2°、27.05°±0.2°、27.48°±0.2°、28.21°±0.2°、28.79°±0.2°、29.60°±0.2°、30.46°±0.2°、31.22°±0.2°、32.89°±0.2°、33.37°±0.2°、33.61°±0.2°、34.39°±0.2°、35.09°±0.2°、36.32°±0.2°、36.94°±0.2°、37.59°±0.2°及び38.41°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示し、及び/又は128.26℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有する。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図26に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図27に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形I(E)を有するメシル酸塩である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図28に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図29に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形IIを有するメシル酸塩である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図10に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の塩酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図11に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼンスルホン酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図12に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼントシル酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図13に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のシュウ酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図14に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼンクエン酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図15に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のマレイン酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図16に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の臭化水素酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図17に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の硫酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図18に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の硝酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図19に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のL−酒石酸塩であるか、又は
本明細書に開示される塩は、図20に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のサリチル酸塩である。
他の側面において、本発明は式(I)又は(Ia):
Figure 2018504414
の化合物の塩に関し、前記塩は、薬学的に許容され得る塩基付加塩である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、又はそれらの組み合わせであり、或いは本明細書に開示される塩は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルアミノエタノール、ピリジン、メチルピリジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、リジン、アルギニン、L−アルギニン、ヒスチジン、L−ヒスチジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、グルカミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオール、L−リジン、オルニチン、又はそれらの組み合わせとともに、式(I)又は式(Ia)の化合物から生成される。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、結晶形I(D)は、2θの度で表して、9.14±0.2°、13.13±0.2°、17.31±0.2°、18.33±0.2°、19.07±0.2°、23.02±0.2°、23.88±0.2°及び27.71±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、結晶形I(D)は、2θの度で表して、4.54±0.2°、9.14±0.2°、13.13±0.2°、17.31±0.2°、18.33±0.2°、19.07±0.2°、23.02±0.2°、23.88±0.2°、27.71±0.2°及び31.75±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、結晶形I(D)は、2θの度で表して、4.54°±0.2°、9.14°±0.2°、11.09°±0.2°、11.79°±0.2°、13.13°±0.2°、13.75°±0.2°、14.29°±0.2°、16.43°±0.2°、16.78°±0.2°、17.31°±0.2°、18.33°±0.2°、19.07°±0.2°、20.45°±0.2°、20.81°±0.2°、22.01°±0.2°、23.02°±0.2°、23.88°±0.2°、24.87°±0.2°、25.48°±0.2°、26.43°±0.2°、27.71°±0.2°、28.80°±0.2°、30.87°±0.2°、31.75°±0.2°、32.48°±0.2°、33.55°±0.2°、35.04°±0.2°、36.18°±0.2°、36.76°±0.2°、38.73°±0.2°及び39.16°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示し、及び/又は52、82、107、139、194、235、254、301、355、390、425、440、497、551、600、622、656、690、720、749、773、802、824、852、900、953、1009、1069、1093、1113、1167、1211、1242、1309、1336、1369、1426、1494及び1597cm−1における吸収ピークを含むラマンスペクトログラムを有し、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、結晶形I(D)は、図21に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、又は/及び図22に示されるものと実質的に同じラマンスペクトログラムを有する。
幾つかの実施形態において本明細書に開示される塩は、図23に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のナトリウム塩であるか、又は
前記塩は、図24に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のカルシウム塩であるか、又は
前記塩は、図25に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のL−リジン塩である。
他の側面において、本明細書にはL−酒石酸と式(I)又は(Ia)の化合物との複合体、式(I)又は(Ia)の化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を調製する方法が提供され、本明細書に開示される前記方法は以下の工程を含む:(1)式(I)又は(Ia)の化合物を第1の有機溶媒に溶解すること、(2)制御された温度下で混合物に対イオン溶液を添加して沈殿物を得るか、又は(3)第2の有機溶媒を添加して固体を沈殿させること、(4)沈殿した固体を回収すること、(5)乾燥すること。更に、第1の有機溶媒及び第2の有機溶媒の各々は、独立に、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エーテル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、メチル第三級ブチルエーテル(MTBE)、n−ヘプタン、体積比が10:90から90:10までのエタノール−水混合物、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド又はそれらの組み合わせである。更に、反応中の制御された温度は、20℃から80℃までであり、幾つかの実施形態において反応中の制御された温度は、20℃から70℃までであり、幾つかの他の実施形態において反応中の制御された温度は、−20℃、−15℃、−10℃、0℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃等である。
他の側面において、本明細書には、本明細書に開示された式(I)又は(Ia)を有する化合物の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いはそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物が提供される。
他の側面において、本明細書には、本明細書に開示される式(I)又は(Ia)を有する化合物の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いは医薬組成物のウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減するための薬剤の製造における使用が提供される。使用は、本明細書に開示される複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いはその組成物の治療有効量の罹患体への投与を含む。
本明細書に開示される使用の幾つかの実施形態において、前記ウイルス性疾患又はHBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である。本明細書に開示される使用の幾つかの他の実施形態において、前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である。
他の側面において、本明細書には、罹患体におけるウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減する方法が提供される。当該方法は、本明細書に開示される酸付加塩又は塩基付加塩或いは医薬組成物の治療有効量を罹患体へ投与することを含む。
幾つかの実施形態において、前記ウイルス性疾患又はHBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である。
幾つかの実施形態において、前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である。
更に他の側面において、本明細書に開示される式(I)又は(Ia)を有する化合物の酸付加塩又は塩基付加塩或いは医薬組成物は、ウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減するために使用される。
幾つかの実施形態において、前記ウイルス性疾患又はHBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である。
幾つかの実施形態において前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である。
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書で言及された全ての特許及び刊行物は、参照によってその全てが本明細書に含まれる。当業者は、本明細書に記載されているものと類似又は同一の方法及び材料の何れもを使用することができ、それは本発明の実施又は試験で使用することができるが、本発明は好ましい方法、設備及び材料において記載される。
本明細書に記載される場合、「室温」は、約10℃から約40℃までの温度をいう。幾つかの実施形態において「室温」は、約20℃から約30℃までの温度をいい、他の幾つかの実施形態において、「室温」は、約25℃から約30℃までの温度をいい、更に他の実施形態において、「室温」は、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃等をいう。
本明細書で用いられる用語、「薬学的に許容され得る」は、医薬用途のための毒物学の観点から許容可能であり、有効成分と有害に相互作用することのない物質を意味する。
「薬学的に許容され得る塩」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒト及び下等動物組織と接触させて使用するのに適しており、非常に合理的な利益/リスク比を有する塩をいう。それらは、当該技術分野でよく知られている。例えば、バーグ(Berge)らは、J.Pharmacol Sci、66(1977)、1−19において、薬学的に許容され得る塩を詳細に説明しており、それは参照により本明細書に援用される。
本明細書で用いられる用語、「多結晶形」または「多形」は、同じ化学分子に対して少なくとも2つの異なる結晶配置が存在する可能性として定義される。
本明細書で用いられる用語、「多形体」、「結晶修飾」、「結晶形(crystal form)」、「結晶変態」、「多形体形態」及び「結晶形(crystaline form)」は、それらの複合体、酸付加塩又は塩基付加塩の固体結晶形である同義語として理解され、限定されるものではないが、化合物の単一成分又は複数成分の結晶及び/又は多形、溶媒和物、水和物、クラスレート、共晶、塩、塩の溶媒和物、塩の水和物を含む。
本明細書で用いられる用語、「薬学的に許容され得る酸付加塩」は、無機酸又は有機酸とともに式(I)又は式(Ia)の化合物によって生成される付加塩をいう。好適な無機酸塩は、限定されるものではないが、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、一価リン酸塩、二価リン酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、ヘミ硫酸塩、重硫酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩を含み、好適な有機酸塩は、限定されるものではないが、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、プロパンスルホン酸塩、クエン酸塩、4−ニトロ安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、リンゴ酸塩、プロピオール酸塩、2−テトロール酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ビニル酢酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、フマル酸塩、イセチオン酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、パモ酸塩、サリチル酸塩、ミューテート、グルセプチン酸塩、マンデル酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、金属トリフラート、アジピン酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6−ジカルボン酸塩、グリコール酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、アスパラギン酸塩、L−アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、L−グルタミン酸塩、2−フェノキシ安息香酸塩、4’−ヒドロキシベンゾフェノン−2−カルボン酸塩、アセト酢酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ホウ酸塩、クロロ安息香酸塩、樟脳酸塩、イタコン酸塩、カンファースルホン酸塩,(−)−カンファースルホン酸塩、トルイル酸塩、ジニトロ安息香酸塩、スルファミン酸塩、ラクトビオン酸塩、ガラクツロン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、アクリル酸塩、シピオン酸塩、グリセロリン酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジグルコン酸塩、グルコン酸塩、エナント酸塩、カプロン酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ピバル酸塩、グルクロン酸塩、ラウリン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、ニコチン酸塩、ケイ皮酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、フタル酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ピバル酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、ステアリン酸塩酸塩、2,2−ジクロロ酢酸塩、アシル化アミノ酸塩、アルギン酸塩、4−アセトアミドベンゼンスルホン酸塩、デカン酸塩、コール酸塩、カプリル酸塩、ペラルゴン酸塩、シクラミン酸塩、フタル酸塩、システイン塩酸塩、ソルビン酸塩、パモ酸塩、ガラクタル酸塩、グリシン塩酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、シスタミン二塩酸塩、ウンデカン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、スルホサリチル酸塩、フェニル酪酸塩、4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリビニル硫酸塩、1−ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩及び吉草酸塩を含む。
本明細書で用いられる用語、「薬学的に許容され得る塩基付加塩」は、塩基とともに式(I)又は式(Ia)の化合物によって生成される付加塩である。好適な塩基付加塩は、限定されるものではないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、第一鉄塩、マンガン塩、第一マンガン塩、第二銅塩、亜鉛塩及びアンモニウム塩であるか、又は、塩基付加塩は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルアミノエタノール、ピリジン、メチルピリジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、リジン、アルギニン、L−アルギニン、ヒスチジン、L−ヒスチジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、グルカミン、ベタイン、カフェイン、コリン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、アミノエタノール、N−エチルモルホリン、グルコサミン、イソプロピルアミン、メチルグルカミン、ポリアミン樹脂、プロカイン、テオブロミン、トリプロピルアミン、トロメタモール、グリシン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオール、L−リジン及びオルニチンから選択される塩基とともに式(I)又は式(Ia)の化合物によって生成される。
用語「結晶形」は、高度に規則的な化学構造を有する固体をいい、限定されるものではないが、単一成分又は複数成分の結晶、及び/又は多形体、溶媒和物、水和物、クラスレート、共結晶、塩、塩の溶媒和物、塩の水和物を含む。物質の結晶形は、当技術分野で知られている多くの方法によって得ることができる。そのような方法は、限定されるものではないが、溶融結晶化、溶融冷却、溶媒結晶化、ナノ細孔又は毛細管などの限定された空間での結晶化、ポリマー上のような表面又は型板上での結晶化、添加剤、例えば、共結晶カウンター分子の存在下での結晶化、脱溶媒和、脱水、急速な蒸発、急冷、徐冷、蒸気拡散、昇華、反応晶析、逆溶剤の添加、研削及び溶剤滴下研削等を含む。
「非晶質」又は「非晶質形」は、三次元空間に非周期的に配置されている粒子(例えば、分子、原子、イオン)によって生成されるものをいい、鋭いピークのない拡散されたX線粉末回折パターンによって特徴づけられる。非晶質は固体物質の特殊な物理的形態であり、非晶質の物質の一部における規則的な構造特性は、非晶質の物質と結晶物質との間に無数の結合が存在することを意味する。非晶質の物質は、当該技術分野で知られている多くの方法によって得ることができる。それらの方法は、限定されるものではないが、急速冷凍法、逆溶剤凝集法、ボールミル粉砕法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、湿式造粒法及び固体分散技術等を含む。
用語「溶媒」は、本明細書で用いられる場合、物質(典型的には液体)であって、他の物質(典型的には固体)を完全に又は部分的に溶解することができる物質をいう。本明細書で使用される溶媒は、限定されるものではないが、水、酢酸、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、メチルtert−ブチルエーテル及びヘプタン、体積比が10:90から90:10までのエタノール−水混合物、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、n−ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ギ酸、ヘキサン、イソ−プロパノール、メタノール、メチルエチルケトン、1−メチル−2−ピロリドン、メシチレン、ニトロメタン、ポリエチレングリコール、n−プロパノール、2−アセトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、それらの混合物等を含む。
用語「逆溶剤」は、生成物の溶媒(又は生成物の前駆体)からの析出を促進する流体をいう。逆溶剤は、低温ガス、或いは化学反応を介して析出を促進する流体又は溶媒中の生成物の溶解度を低下させる流体を含み得、それは、温度が異なるが、溶媒と同じ液体であってもよく、又は溶媒とは異なる液体であってもよい。
用語「溶媒和物」は、本明細書で用いられる場合、表面、格子の中、又は表面及び格子の中に溶媒が存在することを意味し、前記溶媒は、水、酢酸、酢酸n−プロピル、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ギ酸、ヘプタン、ヘキサン、イソプロパノール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルピロリドン、メシチレン、ニトロメタン、ポリエチレングリコール、プロパノール、2−アセトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、それらの混合物等であり得る。溶媒和物の具体的な例は、水和物であり、ここで、表面、格子の中、又は表面及び格子の中の溶媒は水である。水和物は、物質の表面、格子の中、又は表面及び格子の中に水以外の溶媒を有していてもよいし、有していなくてもよい。
結晶形又は非晶質は、X線粉末回折(XRPD)、赤外分光法(IR)、融点法、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、核磁気共鳴法、ラマン分光法、X線単結晶回折、溶液熱量測定、走査型電子顕微鏡(SEM)、定量分析、溶解度、溶解速度等の複数の技術的方法によって同定することができる。
本明細書に開示された複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いはその結晶形は、溶媒を含み得る。幾つかの場合において、複合体、酸付加塩、塩基付加塩又はその結晶形に含まれる溶媒は、内部安定性を補助し、共通溶媒は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロピルエーテル、エーテル、酢酸イソプロピル、n−ヘプタン、酢酸エチル等を含む。本明細書に開示される複合体、酸付加塩、塩基付加塩又はその結晶形の何れかの特徴を有する、一定の量の水又は他の溶媒を含む、複合体、酸付加塩、塩基付加塩又はその結晶形は、本発明の範囲内であるとみなされることが企図される。
結晶形の変化、結晶性、結晶構造状態等のような幾つかの情報は、結晶形を同定するために用いられる普通の方法であるX線粉末回折(XRPD)の検出によって得ることができる。XRPDパターンのピークの位置は、主に結晶構造に依存し、実験の詳細には比較的影響を受けず、相対的なピークの高さは、試料の調製及び機器の幾何学形状に関連する多くの要因に依存する。従って、幾つかの実施形態において、本明細書に開示されている結晶形は、特定の位置において幾つかのピークを持つX線粉末回折パターンにより特徴づけられ、それは本発明の添付の図面に提示されたXRPDパターンと実質的に同じである。一方、XRPDパターンにおける2θの測定は、幾つかの実験誤差を有し得、例えば、XRPDパターンにおける2θの測定値は、異なる機器及び異なる試料のためにわずかに異り得る。従って、2θの値は絶対的なものではない。本明細書で開示される実験用の機器の状態に従い、回折ピークの2θの許容誤差は、±0.2°である。
示差走査熱量測定(DSC)は、試料と不活性の基準化合物(通常はα−Al)との間のエネルギーの差異を、プログラム制御下での一定の加熱又は冷却によって実行される温度の関数として測定するために使用される技術である。DSCサーモグラムの溶解ピークの高さは、試料の調製及び機器の幾何学的形状に関連する多くの要因に依存し、ピークの位置は実験の詳細には比較的影響を受けない。従って、幾つかの実施形態において、本明細書に開示される結晶形は、本発明の添付の図面に示されるDSCサーモグラムと実質的に同じである、特定の位置に幾つかのピークを有するDSCサーモグラムによって特徴づけられる。一方、DSCサーモグラムは、幾つかの実験誤差を有し得、例えば、DSCサーモグラムのピークの位置及びピーク値は、異なる機器及び異なる試料のためにわずかに異なり得る。従って、DSCサーモグラムにおけるピークの位置及びピーク値は絶対的なものではない。本明細書に開示される実験用の機器の状態に従い、溶解ピークの許容誤差は±3℃である。
ガラス転移とは、物質の固有の性質であるエラストマー状態とガラス状態との間の非晶質物質の転移をいい、対応する転移温度は非晶質物質の重要な物理的特性であるガラス転移温度(Tg)である。ガラス転移は、分子運動に関連する現象である。従って、ガラス転移温度(Tg)は主に物質の構造に依存し、実験の詳細には比較的影響を受けない。本明細書に開示される実験用の機器の状態に従い、溶解ピークの許容誤差は±3℃である。
示差走検熱量測定(DSC)は、結晶形において結晶転移又は混粒現象があるかどうかの検出及び分析においても使用される。
同じ化学組成を有する固体は、通常、異なる熱力学的条件下で異なる結晶構造を有する多形体、又は変種と呼ばるものを生成し、この現象は、多形又は多相と呼ばれる。温度及び圧力の条件が変わるとき、変種の間に変化が起こり得、それは結晶転移と呼ばれる。力学、電気学、磁気学などの結晶形の性質は、結晶転移のために大きく変化した。結晶転移の過程は、転移温度が測定可能な範囲内である場合、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムで観察され得、それは、この転移を反映する吸熱ピーク及びそれぞれ転移の前と後とで異なる結晶形の特徴的な吸熱ピークである2以上の吸熱ピークを有するDSCサーモグラムによって特徴づけられる。
熱重量分析(TGA)は、プログラム制御下の温度の関数としての物質の量的変化を決定するための技術であり、試料の結晶又は昇華及び解離における溶媒損失のプロセスを検出するのに適しており、結晶中に含まれている結晶水及び結晶溶媒の状態を、前記検出の結果の分析によって推測することができる。TGA曲線に表される特性の変化は、試料の調製及び機器に関連する多くの要因に依存し、TGAによって検出される量的変化は、異なる機器及び異なる試料のためにわずかに異なり得る。本明細書に開示される実験用の機器の状態に従い、特性変化の許容誤差は±0.1%である。
ラマン分光法は、1つの系で、分子の振動モード及び回転モード、並びに他の低周波モードを研究するために使用される分光光度法である。同じ分子の異なる空間構造は、異なるラマン活性を有する。従って、ラマン分光法は、結晶形又は非晶質の決定及び同定に用いることができる。ラマン分光法のピークの位置は、主に物質の構造に関係し、実験の詳細に対して比較的影響を受けず、ピークの強度は、試料の調製及び機器のような要因に依存する。従って、幾つかの実施形態において、本明細書に開示される結晶形又は非晶質は、本発明の添付の図面に示されるラマンスペクトログラムと実質的に同じである、特定の位置に特徴的なピークを有するラマンスペクトログラムによって特徴づけられる。一方、ラマンスペクトログラムは、幾つかの実験誤差を有し得、ラマンスペクトログラムのピークの位置及びピーク値は、異なる機器及び異なる試料のためにわずかに異なり得る。従って、ラマンスペクトログラムにおけるピークの位置及びピーク値は絶対的なものではない。本明細書に開示される実験用の機器の状態に従い、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
同じ分子の異なる空間構造における特定の化学結合の結合長さ及び結合角は異なり、それが、分子の振動−回転遷移のエネルギーレベルの相違及び吸収帯の周波数、ピーク形状、ピークの位置、ピーク強度などの、対応する赤外分光法の主な特徴における相違を引き起こす。従って、幾つかの実施形態において、本明細書に開示される結晶形又は非晶質は、本発明の添付の図面に示されるフーリエ赤外スペクトログラムと実質的に同じである、特定の位置に特徴的なピークを有すフーリエ赤外(FT−IR)スペクトログラムによって特徴づけられる。一方、フーリエ赤外スペクトログラムは、幾つかの実験誤差を有し得、フーリエ赤外スペクトログラムのピークの位置及びピーク値は、異なる機器及び異なる試料のためにわずかに異なり得る。従って、フーリエ赤外スペクトログラムにおけるピークの位置及びピーク値は絶対的なものではない。本明細書に開示される実験用の機器の状態に従い、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
本明細書で用いられる場合、X線粉末回折パターンに表された2θの値は度(°)で記録される。
本明細書で用いられる場合、用語「図に示されたものと実質的に同じである」は、図に示されたピークの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%を有するX線粉末回折(XRPD)パターン、又は示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム、又はラマンスペクトログラム、又はフーリエ変換赤外スペクトログラムをいう。
本明細書で用いられる場合、スペクトルについて及び/又は図に提供されたデータについて言及する場合には、用語「ピーク」は、当業者が認識し、バックグラウンドノイズに起因しない特徴をいう。
本明細書で用いられる場合、用語「実質的に純粋」は、1種以上の他の結晶形を実質的に含まない結晶形をいい、即ち、前記結晶形は、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%の純度を有するか、又は前記結晶形は、他の結晶形を含み、前記他の結晶形の総体積又は総重量における割合は、20%未満、10%未満、5%未満、3%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、又は0.01%未満である。
本明細書で用いられる場合、用語「実質的に含まない」は、総体積又は総重量における1種以上の他の結晶形の割合が、20%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、又は0.01%未満であることをいう。
本明細書で用いられる場合、用語「相対強度」は、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、全ての回折ピークの中で最強のピークの強度が100%である場合の他のピークと最強ピークとの間の強度の比率のことをいう。
本発明の文脈において用いられる場合、単語「約」が用いられているかどうかにかかわらず、これは、与えられた値又は範囲の10%以内、好ましくは5%以内及び特に1%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者にとって許容可能な平均の標準誤差の範囲内にあることを意味する。従って、値Nを有する数値が開示された時はいつでも、N+/−1%、N+/−2%、N+/−3%、N+/−5%、N+/−7%、N+/−8%又はN+/−10%の範囲内の値を有する何れもの数値が具体的に開示され、ここで、「+/−」は、プラス又はマイナスをいう。
特に明記しない限り、本明細書に記載されている構造は、また、その構造のすべての異性(例えば、鏡像異性、ジアステレオ異性、及び幾何異性(又は配座異性)形態を含むことを意味し、例えば各不斉中心についてのR及びS配置、(Z)及び(E)二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)配座異性体である。従って、本化合物の単独の立体化学異性体並びに鏡像異性、ジアステレオ異性、又は幾何異性(又は配座異性)混合物は、本明細書に開示されている範囲内にある。
特に明記しない限り、本明細書に開示されている化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書に記載した構造は、また、1種又はそれ以上の同位体富化原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味している。同位体富化化合物は、一つ以上の原子が、選択された原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて、本発明の式によって記載された構造を有する。本発明の化合物に組込まれ得る同位体の例は、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素の同位体を含む。
他の側面において、本発明の化合物は、本明細書に規定した同位体富化化合物、例えば、その中にH、14C及び18Fのような放射性同位体が存在するか、又はH及び13Cの化合物のような非放射性同位体が存在するものを含む。そのような同位体富化化合物は、代謝の研究(14Cを用いるもの)、反応動力学研究(例えばH若しくはHを用いるもの)、薬剤若しくは基質の生体内分布アッセイを含むポジトロン断層法(PET)又は単一光子放射断層撮影(SPECT)のような検出若しくはイメージング技術、或いは罹患体の放射線治療において有用である。18F富化化合物は、PET又はSPECTの研究において特に好ましい。同位体富化された式(I)又は(Ia)の化合物は、一般的に、当業者に知られた従来の技術によって、又は先に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いた添付の例及び調製方法に記載された方法に類似する方法によって調製され得る。
更に、重同位体、特に重水素(即ち、H又はD)による置換は、代謝安定性が高いことに起因する、一定の治療上の利益を提供し得る。例えば、インビボにおける半減期が増えること又は必要投与量が減ること或いは、治療指数の改善である。この文脈における重水素は、式(I)又は(Ia)の化合物の置換基とみなされることが理解される。そのような重同位体、特に重水素の濃縮は、同位体富化係数によって同定され得る。用語「同位体富化係数」は、本明細書で用いられる場合、特定の同位体の同位体存在度及び天然存在度間の比率を意味する。本発明の化合物における置換基が、重水素であることが示されている場合、そのような化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各選定された重水素原子において52.5%の重水素導入)、少なくとも4000(60%の重水素導入)、少なくとも4500(67.5%の重水素導入)、少なくとも5000(75%の重水素導入)、少なくとも5500(82.5%の重水素導入)、少なくとも6000(90%の重水素導入)、少なくとも6333.3(95%の重水素導入)、少なくとも6466.7(97%の重水素導入)、少なくとも6600(99%の重水素導入)、少なくとも6633.3(99.5%の重水素導入)の同位体富化係数を有する。本発明による薬学的に許容され得る溶媒和物は、結晶溶媒が同位体置換されていない、例えば、DO、d−アセトン、DMSO−dであるものを含む。
本明細書で使用している立体化学の定義及び約束事は、一般に、S.P.パーカー(Parker)ら編、マグローヒル化学用語の辞典(McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms)(1984)マグローヒル・ブック・カンパニー(McGraw−Hill Book Company)、ニューヨーク;並びにエリエール(Eliel),E.及びWillen(ウィレン),S.、「有機化合物の立体化学」(Stereochemistry of Organic Compounds)、ジョン・ワイリー&サンズ社、ニューヨーク、1994に従っている。本明細書に開示される化合物は、不斉中心又はキラル中心を含み得、従って、異なる立体異性体形態で存在する。本明細書に開示された化合物の全ての立体異性体形態は、限定されるものではないが、ジアステレオ異性体、鏡像異性体及びアトロプ異性体、並びにラセミ混合物のようなそれらの混合物が、本発明の部分を生成するものであることが企図されている。多くの有機化合物は、光学活性な形態で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記述するに際し、接頭辞D及びL、又はR及びSは、分子の、そのキラル中心に関する絶対配置を表示するために用いられる。接頭辞d及びl、又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の記号を示すために使用され、(−)又はlは化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdが前に付された化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが互いの鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体は、また、鏡像異性体ということもでき、かかる異性体の混合物は、しばしば鏡像異性混合物と呼ばれる。鏡像異性体の50:50の混合物は、ラセミ混合物又は混合ラセミ体といわれ、これは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択性又は立体特異性が存在しなかった場合に生じる。用語「ラセミ混合物」又は「混合ラセミ体」は、2種の鏡像異性体種の等モル混合物をいい、光学活性を欠く。
上に記載したように、本明細書に開示した薬学的に許容され得る組成物は、さらに、ここで使用されるとき、所望の個々の投与形態に適した、あらゆる溶媒、希釈剤、又は他の液状ビヒクル、分散若しくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増稠若しくは乳化剤、防腐剤、固体バインダー、潤滑剤等を含む薬学的に許容され得る担体、アジュバント、又は賦形剤を含む。以下の文献:レミントン:薬学の化学と実践(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)21版、2005、編D.B.トロイ(Troy)、リッピンコット・ウイリアムズ&ウィルキンズ、フィラデルフィア、並びに薬理学テクノロジー百科事典(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology)、編J.スワーブリック(Swarbrick)及びJ.C.ボイラン(Boylan)、1988−1999年版、マーセル・デッカー、ニューヨーク(これらの両方が参照によってその全てが本明細書に援用される)に記載されているように、薬学的に許容され得る組成物を処方する上で使用される種々の担体及びその調製のための既知の技術を開示している。例えば何れかの望ましくない生物学的効果を生じるか、又は薬学的に許容され得る組成物の何れかの他の成分と有害な様式で相互作用することによって、何れかの通常のアジュバントが本明細書に開示した化合物と相容性でないことを除いて、その使用が本発明の範囲内であることが企図されている。
本明細書に開示された化合物の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いはその医薬組成物は、感染性肝炎の急性及び慢性ウイルス感染症の治療に適しており、特にB型肝炎ウイルス(HBV)を効果的に阻害することができ、罹患体におけるウイルスによって誘発される疾患、特に急性及び慢性の持続性HBV感染症を治療し又は軽減することにおいて適している。HBVによって誘発される慢性ウイルス性疾患は死亡率を悪化させ得、慢性HBV感染症は、多くの場合、肝硬変及び/又は肝細胞癌を引き起こし得る。
薬学的に許容され得るアジュバントとして役立ち得る物質のいくつかの非限定的な例は、限定されないが、担体、例えばイオン交換体;アルミニウム;ステアリン酸アルミニウム;レシチン;血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン;緩衝物質、例えばホスファート;グリシン;ソルビン酸;ソルビン酸カリウム;飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物;水;塩又は電解質、例えばプロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム及び亜鉛塩;コロイダルシリカ;三ケイ酸マグネシウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリラート;ワックス;ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー;羊毛脂;糖例えばラクトース、グルコース及びスクロース;スターチ、例えばコーンスターチ及びポテトスターチ;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセタート;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;油、例えば落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール;ホスファート緩衝液;並びに他の非毒性相溶性潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム;着色剤;放出剤;コーティング剤;甘味剤;着香剤;芳香剤;防腐剤及び抗酸化剤;賦形剤、例えばシロップ、アラビアガム、ソルビトール、トラガント又はポリビニルピロリドン等の結合剤及び希釈剤を含む。
本明細書に開示した化合物を含む複合体、酸付加塩又は塩基付加塩の医薬組成物は、次の経路の何れにおいても投与することができる:経口、噴霧による吸入、直腸内、鼻腔内、局所、膣内、非経口例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内又は頭蓋内注射又は輸液、或いは外植レザーバを用いて投与される。経口、筋肉内、腹腔内又は静脈内注射の経路による投与が好ましい。
本明細書に開示した化合物の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いはその薬学的に許容され得る組成物は、単位投与形態で投与することができる。投与形態は、液体形態にあっても、固形形態にあってもよい。液体形態は、真溶液、コロイド、粒状物、懸濁液を含む。他の投与形態は、錠剤、カプセル、滴下ピル、エアゾール、ピル、散剤、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒、座剤、注射用凍結乾燥粉末、クラスレート、インプラント、パッチ、リニメント等を含む。
経口錠剤及びカプセルは、賦形剤、例えば、バインダー例えばシロップ、アラビアガム、ソルビトール、トラガカント又はポリビニルピロリドン;フィラー、例えばラクトース、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ;崩壊剤、例えばポテトスターチ;又は許容され得る保湿剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含み得る。錠剤は、薬剤学で知られている方法を用いることにより被覆することができる。
経口液は、水と油の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシル剤として、又は使用前に水又は他の適切な媒体を添加する乾燥製品として作ることができる。この液状製剤は、通常の添加剤、例えば、懸濁化剤例えばソルビトール、セルロースメチルエーテル、グルコースシロップ、ゲル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素化食用グリース;乳化剤例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビアガム;又は非水性担体(食用油を含み得る)例えばアーモンド油、グリース例えばグリセリン、エチレングリコール、又はエタノール;防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル、ソルビン酸を含み得る。所望ならば、着香剤又は着色剤を添加してもよい。
座剤は、通常の座剤基質、例えばココアバター又は他のグリセリドを含み得る。
非経口投与のために、液状投与形態は、通常、本化合物と滅菌担体とで作られる。好ましい担体は、水である。選んだ担体及び薬の濃度の違いに従って、本化合物を担体に溶解させるか、又は上清液にすることができる。注射液を作る場合、本化合物をまず水に溶かした後、濾過し、滅菌してから、密閉ボトル又はアンプルに詰める。
皮膚上での局所適用のために、本明細書に開示した化合物は、好適な形態の軟膏剤、ローション剤又はクリーム剤に調製することができ、ここで、活性成分は、1種以上の担体に懸濁又は溶解される。軟膏剤の調製のために使用される担体は、限定されるものではないが、鉱油、液体ワセリン、ホワイトワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス、水を含み、ローション剤及びクリーム剤のために使用される担体は、限定されるものではないが、鉱油、ソルビタンのモノステアリン酸エステル、ツイーン60、セチルエステルワックス、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、水を含む。
一般に、ヒト用薬であれ、動物用薬であれ、本明細書に開示した活性化合物の合計投与量は、24時間毎に約0.5〜500mg、好ましくはkg体重当たり1〜100mgであることが有利であることが証明されている。適切であれば、所望の効果を達成するために薬は単回投与によって複数回投与される。単回投与における活性化合物の量は、kg体重当り好ましくは約1〜80mg、より好ましくは1〜50mgである。それにもかかわらず、投与量は、治療する対象の種類及び体重、疾患の種類及び重症度、製剤のタイプ及び薬剤の投与の方法、並びに投与の時期及び時間間隔に従って変化し得る。
本明細書に提供される医薬組成物は、抗HBV剤を更に含み、抗HBV剤は、HBVポリメラーゼ阻害剤、免疫調節剤又はインターフェロンである。
上記抗HBV剤は、ラミブジン、テルビブジン、テノホビル、エンテカビル、アデホビルジピボキシル、アルファフェロン、アロフェロン、セルモロイキン、クレブジン、エントリシタビン、ファムシクロビル、フェロン、ヘパテクトCP、インテフェン、インターフェロンα−1b、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンβ−1a、インターフェロンα−2、インターロイキン−2、ミボチラート、ニタゾキサニド、ペグインターフェロンアルファ−2a、リバビリン、ロフェロン−A、シゾフィラン、ユーホラバク(euforavac)、ベルドナ(veldona)、リンタトリモド、ホスファジド、ヘプリサブ(heplisav)、インターフェロンα−2b、レバミゾール又はプロパゲルマニウム等である。
他の側面において、本明細書には、罹患体に薬学的に有効量を投与することを含む、罹患体におけるHBV性疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減するための薬剤の製造における本明細書に開示された化合物の複合体、酸付加塩又は塩基付加塩或いは医薬組成物の使用が提供される。HBV性疾患は、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変又は肝細胞癌を含む、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症により引き起こされる肝臓疾患である。急性B型肝炎感染症の症状は、無症候性であるか、又は急性肝炎の症状として現れ得る。慢性ウイルス感染症にかかっている罹患体は、肝硬変及び肝臓癌へと進行し得る活性疾患を患い得る。
図1は、L−酒石酸及び式(Ia)の化合物の結晶形I(A)を有する複合体のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図2は、L−酒石酸及び式(Ia)の化合物の結晶形I(A)を有する複合体(調製方法3によって得られた)の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図3は、L−酒石酸及び式(Ia)の化合物の結晶形I(A)を有する複合体(調製方法1又は2によって得られた)の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図4は、L−酒石酸及び式(Ia)の化合物の結晶形I(A)を有する複合体のラマンスペクトログラムを提供する。 図5は、結晶形I(B)を有する式(Ia)の化合物の塩酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図6は、結晶形IIを有する式(Ia)の化合物の塩酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図7は、結晶形IIを有する式(Ia)の化合物の塩酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図8は、結晶形I(C)を有する式(Ia)の化合物の臭化水素酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図9は、結晶形I(C)を有する式(Ia)の化合物の臭化水素酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図10は、式(Ia)の化合物の非晶質の塩酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図11は、式(Ia)の化合物の非晶質のベンゼンスルホン酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図12は、式(Ia)の化合物の非晶質のトシル酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図13は、式(Ia)の化合物の非晶質のシュウ酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図14は、式(Ia)の化合物の非晶質のクエン酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図15は、式(Ia)の化合物の非晶質のマレイン酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図16は、式(Ia)の化合物の非晶質の臭化水素酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図17は、式(Ia)の化合物の非晶質の硫酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図18は、式(Ia)の化合物の非晶質の硝酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図19は、式(Ia)の化合物の非晶質のL−酒石酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図20は、式(Ia)の化合物の非晶質のサリチル酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図21は、結晶形I(D)を有する式(Ia)の化合物のカルシウム塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図22は、結晶形I(D)を有する式(Ia)の化合物のカルシウム塩のラマンスペクトログラムを提供する。 図23は、式(Ia)の化合物の非晶質のナトリウム塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図24は、式(Ia)の化合物の非晶質のカルシウム塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図25は、式(Ia)の化合物の非晶質のL−リジンのX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図26は、結晶形I(E)を有する式(Ia)の化合物のメシル酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図27は、結晶形I(E)を有する式(Ia)の化合物のメシル酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図28は、結晶形IIを有する式(Ia)の化合物のメシル酸塩のX線粉末回折(XRPD)パターンを提供する。 図29は、結晶形IIを有する式(Ia)の化合物のメシル酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを提供する。 図30は、化合物(Ia)及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)のX線単結晶回折パターンを提供する。
一般的な合成手法
以下に記載する例において、別段の言及がない限り、全ての温度は、セルシウス度(℃)で記載されている。試薬は、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー、アルコ・ケミカル・カンパニー及びアルファ・ケミカル・カンパニーのような供給業者から購入し、別段の言及がない限り、更なる精製なしに使用した。共通溶媒は、シャントウ・シーロン・ケミカル・ファクトリー、ガンドン・グアンフア・リージェント・ケミカル・ファクトリー社、グワンジョウ・リージェント・ケミカル・ファクトリー、ティエンジン・ユウユウ・ファイン・ケミカル社、チンタオ・テンロン・リージェント・ケミカル社及びチンタオ・オ
ーシャン・ケミカル・ファクトリーのような供給業者から購入した。
H NMRスペクトルは、溶液としてのCDCl、d−DMSO、CDOD又はd−アセトン(ppm単位で報告)を用いて、参照標準として及びTMS(0ppm)又はクロロホルム(7.25ppm)を用いてブルカーアバンス(Bruker Avance)400MHzスペクトロメーター又はブルカーアバンスIII HD 600スペクトロメーターによって記録された。ピークの多重性を報告する場合、以下の略語を用いている:s(一重線)、s,s(一重線、一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広幅化)、dd(二重の二重線)、ddd(二重の二重の二重線)、dt(二重の三重線)、ddt(二重の二重の三重線)、td(三重の二重線)、及びbr.s(広幅一重線)。結合定数が与えられる場合、ヘルツ(Hz)単位で報告された。
本明細書に開示されるX線粉末回折分析方法は:粉末X線回折図は、Cu−Kα線(45KV、40mA)を用いてエンピリアン(Empyrean)回折で記録した。粉末試料から薄層を単結晶シリコンサンプルホルダー上に作製し、それをロータリー試料容器上に置き、0.0168°のステップサイズで3°から40°までの範囲にわたり分析した。データをデータコレクタ(Data Collector)ソフトウェアで収集し、ハイスコアプラス(HighScore Plus)ソフトウェアで処理し、データビューワー(Data Viewer)ソフトウェアで読み取った。
本明細書に開示される示差走査熱量測定(DSC)分析方法は:示差走査熱量測定サーモグラムは、熱分析コントローラを有するTA Q2000機器で記録した。データを収集し、TAインスツルメント(TA Instruments)サーマル・ソリューションズ(Thermal Solutions)ソフトウェアで解析した。カバー蓋を有する特別のアルミニウムるつぼに約1〜5mgの試料を正確に量り入れ、線形加熱装置を用いて10℃/分で加熱し、室温から約250℃まで分析した。使用中、DSCキャビンを乾燥窒素でパージした。
本明細書に開示される熱重量分析(TGA)方法は:熱重量分析曲線は、熱分析コントローラを有するTA Q500モジュールで記録した。データを収集し、TAインスツルメントサーマル・ソリューションズソフトウェアで解析した。蓋を有する特別のアルミニウムるつぼに約110mgの試料を正確に量り入れ、線形加熱装置を用いて10℃/分で加熱し、室温から約300℃まで分析した。使用中、TGAオーブンチャンバを乾燥窒素でパージした。
本明細書に開示されるラマンスペクトル分析方法は:ラマンスペクトログラムをThermo DXR共焦点レーザーラマン分光計で記録した。データを収集し、MONICソフトウェアによって分析した。レーザー波長は780nmであり、レーザーエネルギーは24Mwであり、検出範囲は3500cm−1から50cm−1までであり、スキャン回数は20回であり、分解能比は4.7cm−1から8.7cm−1までである。
開示されたフーリエ変換赤外スペクトル(FT−IR)分析方法は:フーリエ変換赤外スペクトログラムをTENSOR27 Germanic Bruker赤外分光計で記録した。データを収集し、OPUSソフトウェアによって分析した。KBrディスクを作製し、走査回数は16回であり、波数範囲は4000cm−1から400cm−1までであり、分解能は2cm−1からである。
単結晶X線回折分析法:CuKα線(λ=1.5418Å)を用いてAgilent Technologies Gemini A Ultraシリアル回折計でデータを収集した。測定した強度データの指数化及び処理は、CrysAlis PRO手順を用いて行った。構造は、SHELX−97(シェルドリック(Sheldrick),G.M.SHELXTL−97、結晶構造解析と精密化(Crystal Structure Solution and Refinement);ゲッティンゲン大学:ゲッティンゲン、ドイツ、1997)を用いた直接的な方法によって解析した。導出された原子パラメータ(座標及び温度係数)を、完全行列最小二乗法により精密化した。精密化において最小化された関数はΣw(|Fo|−|Fc|)であった。Rは、Σ||Fo|−|Fc||/Σ|Fo|として定義され、一方で、R=[Σ(|Fo|−|Fc|)/Σ|Fo|1/2であり、ここで、wは、観測された強度の誤差に基づく適切な重み付け関数である。差分マップを、精密化のすべての段階で検査した。窒素と酸素上の水素の位置は、フーリエ差電子密度マップに位置していた。全ての他の水素原子は、等方的な熱的パラメータが固定された計算位置に置かれ、フルマトリックス最小二乗法精密化の最終段階の構造因子計算に含まれていた。シミュレートされた粉末X線パターンは、水銀法を用いて生成された。単結晶は、単結晶回折分析により0.4×0.38×0.23mm単結晶を測定することによって選択した。選択した結晶を少量の軽いベースラインを有する薄いガラス繊維に貼り付け、Gemini A Ultra単結晶回折計(アジレント・テクノロジー)に取り付けた。
本明細書に開示された溶解度は、Aglient 1200高速液体クロマトグラフVWD検出器によって測定された。クロマトグラフィーカラムモデルは、Waters Xbridge−C18(4.6×150mm、5μm)である。検出波長は250nmであり、流量は1.0mL/分であり、カラム温度は35℃であり、移動相はアセトニトリル水(v/v=40/60)であった。
低分解能質量スペクトル(MS)データは、G1312Aバイナリポンプ及びG1316A TCC(カラムは30℃で動作させた)を備えたAgilent 6320 Series LC−MSスペクトロメーターで測定した。分析には、G1329A オートサンプラー及びG1315B DAD検出器を用い、ESIソースをLC−MSスペクトロメーターにおいて使用した。
低分解能質量スペクトル(MS)データは、G1312Aバイナリポンプ及びG1316A TCC(カラムは30℃で動作させた)を備えたAgilent 6120 Series LC−MSスペクトロメーターによって測定した。分析には、G1329Aオートサンプラー及びG1315D DAD検出器を用い、ESIソースをLC−MSスペクトロメーターにおいて使用した。
LC−MSスペクトロメーターの両方は、Agilent Zorbax SB−C18、2.1×30mm、5μmカラムを備えていた。注入体積は、試料の濃度によって決定した。流量は、0.6mL/分であった。HPLCのピークは、210nm及び254nmのUV−Vis波長によって記録した。移動相は、CHCN中の0.1%ギ酸(移動相A)及び超純水中の0.1%ギ酸中(移動相B)であった。勾配溶離の条件を表1に示した。
Figure 2018504414
化合物の純度は、210nm及び254nmでのUV検出(Zorbax SB−C18、2.1×30mm、4μm、10分、0.6mL/分の流量、(HO中の0.1%ギ酸)中の5〜95%(CHCN中の0.1%ギ酸)において、Agilent 1100 Seriesの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により評価した。カラムは、40℃で動作させた。
分取クロマトグラフィーによる化合物の精製は、278nmでのUV検出(Calesil ODS−120、4.6×250mm、120A、10μm)、1.0mL/分の流量において、Agilent 1260 Seriesの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により実行し、移動相は、(10mMのZnSO4+20mMのL−バリン)緩衝溶液−メタノール(V/V=50/50)であった。カラムは、30℃で動作させた。

本明細書中に開示される以下の例は、本発明をさらに説明するために提供される。しかしながら、これらの例は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。
例1:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(I)の調製
Figure 2018504414
(3S)−4−((6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物(10g、11.8mmol)を用い、特許WO2014029193の例32)に記載された方法を参照して(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物を調製し、それを分取クロマトグラフィーによって精製し、黄色の泡状個体を得た(3.8g、生産性:38%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:MS(ESI,pos.ion)m/z:494.9[M+H];及びH NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10−3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
例2:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸トシル酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸トシル酸塩の調製:
イソプロピルエーテル(10mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(100mg)の溶液に酢酸イソプロピル(0.5mL)中のp−トルンスルホン酸一水和物(42mg)の溶液を70℃で添加した。得られた混合物を70℃で15時間反応させ、次いで室温へと冷却し、濾過した。濾過ケーキを酢酸イソプロピル(2.0mL)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸トシル酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(57mg、生産性:42.3%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.08(s、2H)、7.55−7.41(m、4H)、7.21(d、J=8.0Hz、1H)、7.11(d、J=7.9Hz、2H)、6.03(s、1H)、4.61(s、2H)、4.33(s、2H)、4.04(s、3H)、3.83(s、2H)、3.55(s、3H)、2.99(s、1H)、2.29(s、3H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸トシル酸塩の同定:
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図12に示す。
例3:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸サリチル酸塩の調製及び同定
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸サリチル酸塩の調製
Figure 2018504414
エーテル(1.5mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(100mg)の溶液に、エーテル(0.5mL)中のサリチル酸(34mg)の溶液を室温で滴下した。滴下の後、混合物にエーテル(1.5mL)を添加し、得られた混合物を加熱し、22時間反応させ、次いで溶媒を取り除いた。残分にn−ヘプタン(15mL)を添加した。得られた混合物を5分間撹拌し、濾過し、濾過ケーキをn−ヘプタン(15mL×2)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸サリチル酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(75mg、生産性:58.6%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.86(s、1H)、8.02(d、J=2.8Hz、1H)、7.93(d、J=2.8Hz、1H)、7.79(d、J=7.6Hz、1H)、7.50(t、J=7.5Hz、1H)、7.40(t、J=7.3Hz、2H)、7.16(dd、J=11.5、5.2Hz、1H)、6.92(dd、J=14.2、7.7Hz、2H)、6.03(s、1H)、4.23(d、J=17.5Hz、1H)、4.07−3.93(m、2H)、3.87−3.79(m、1H)、3.66(dd、J=23.8、11.8Hz、4H)、3.51(s、3H)、3.13−3.03(m、1H)、2.56(s、1H)、2.41(d、J=11.8Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸サリチル酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図20に示す。
例4:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ベンゼンスルホン酸塩の調製及び同定
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ベンゼンスルホン酸塩の調製
Figure 2018504414
イソプロピルエーテル(10mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(101mg)の溶液に、酢酸イソプロピル(0.5mL)中のベンゼンスルホン酸(38mg)の溶液を70℃で添加した。添加の後、得られた混合物を加熱し、15時間反応させ、次いで室温へと冷却し、濾過した。濾過ケーキを酢酸イソプロピル(2.0mL)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ベンゼンスルホン酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(80mg、生産性:60.3%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):8.08(s、2H)、7.60(dd、J=7.2、1.9Hz、2H)、7.47(dd、J=17.8、7.6Hz、2H)、7.36−7.26(m、3H)、7.20(t、J=8.4Hz、1H)、6.03(s、1H)、4.65(s、2H)、4.36(s、2H)、4.05(s、2H)、3.85(s、3H)、3.55(s、3H)、3.05(s、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ベンゼンスルホン酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図11に示す。
例5:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)の調製及び同定
Figure 2018504414
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)の調製
結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体の調製方法1:
1Lの四口フラスコに、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(48.5g、98mmol)及び無水エタノール(340mL)を順に添加した。混合物を室温で完全に溶解するまで撹拌し、次いで50℃へと冷却した。混合物に無水エタノール(146mL)中のL−酒石酸塩(15.4mL、103mmol)の調製溶液を滴下した。滴下時間は約30分以内に制御した。添加の後、混合物を更に30分間撹拌したところで、加熱を停止し、次いで混合物を自然に25±5℃へと冷却し結晶化させ、その温度に保持し、12±4時間連続的に撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを無水エタノール(150mL)で洗浄し、得られた生成物を空気中で30分間乾燥し、次いで室温で1〜2時間真空乾燥した後、60℃で8〜12時間真空乾燥し、加熱を停止し、固体を室温へと自然に冷却し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)を黄色の結晶固体として得た(49.5g、生産性:78.3%)。
結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体の調製方法2:
乾いたフラスコにL−酒石酸(10g、66.6mmol)、水(50mL)、アセトン(25mL)を順に添加し、均一になるまで撹拌した後、混合物を固体が完全に溶解するまで60℃へと加熱し、混合物に(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(10g、20.23mmol)を添加し、その温度に保持して30分間撹拌し、加熱を停止し、混合物を25±5℃へと冷却し、その温度に保持して8時間撹拌した。混合物を濾過し、水(35mL)で洗浄した。生成物を70℃で16時間真空乾燥し(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)を黄色の結晶固体として得た(9.57g、生産性:73.4%)。
結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体の調製方法3:
イソプロパノール(0.8mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(100mg)の溶液にイソプロパノール(1.8mL)中のL−酒石酸(61mg)の溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を室温で27時間反応させ、次いで濾過した。濾過ケーキをイソプロパノール(5.0mL×2)で洗浄し、60℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸と称される化合物及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)を黄色の結晶固体として得た(78mg、生産性:59.9%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.86(s、1H)、8.02(d、J=3.1Hz、1H)、7.93(d、J=3.1Hz、1H)、7.40(dt、J=9.0、4.6Hz、2H)、7.15(td、J=8.5、2.6Hz、1H)、6.04(s、1H)、4.31(s、2H)、4.24(d、J=17.6Hz、1H)、4.10−3.91(m、2H)、3.83(dd、J=11.1、3.1Hz、1H)、3.74− 3.64(m、2H)、3.61(t、J=3.6Hz、1H)、3.51(s、3H)、3.08(t、J=8.5Hz、1H)、2.40(d、J=12.0Hz、1H)。
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)の同定
(1)結晶形I(A)を有するL−酒石酸塩を、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、上記3つの方法によって得られた結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体の、同じX線粉末回折(XRPD)パターンを図1に示し、2θの度で表して、7.30°、7.31°、7.61°、9.29 °、11.60°、14.69°、15.33°、17.22°、17.82°、18.08°、18.42°、19.51°、20.51°、20.80°、21.61°、22.56°、23.05°、23.36°、23.54°、23.79°、24.39°、24.81°、25.78°、26.07°、27.34°、28.25°、28.87°、29.72°、30.22°、31.07°、31.55°、32.25°、32.85°、33.24°、34.24°、35.03°、35.22°、36.03°、36.88°、37.33°、37.86°及び38.36°において特徴的な回折ピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)調製方法3によって得られた結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体を、走査速度10℃/分でTA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて同定し、実験結果を図2に示すが、186.94℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃であり、調製方法1及びの調製方法2によって得られた結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体を、走査速度10℃/分でTA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて同定し、同じ実験結果を図3に示すが、193.78℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃である。
(3)結晶形I(A)を有するL−酒石酸塩を、Thermo DXR共焦点レーザーラマン分光計を用いて決定し、上記3つの調製方法により得られた結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体のラマンスペクトログラムは同じであり、実験結果を図4に示すが、51、71、115、144、158、180、196、234、303、427、688、746、767、818、837、905、1001、1062、1075、1128、1137、1165、1179、1193、1230、1269、1289、1324、1337,1346、1357、1401、1438、1453、1477、1517、1541、1607及び1679cm−1における吸収ピークを有し、吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
(4)単結晶X線調査
結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体は、以下の表2に報告されたものとほぼ等しい単位格子パラメータによってキャラクタライズされた。単位格子パラメータは約150(2)Kの温度で測定した。
Figure 2018504414
結晶構造は、単位格子において2つの式単位を有する単斜晶系の空間群P2に属する。この構造は、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸を含み、それらのモル比は、1:1である。L−酒石酸複合体の結晶形I(A)の原子座標パラメーター(×10)を以下の表3に示す。解析構造の後、化合物(Ia)及びL−酒石酸から生成された複合体の結晶形I(A)が、図30に示すとおりであると証明された。
Figure 2018504414
Figure 2018504414
例6:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硫酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硫酸塩の調製
エタノール(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(101mg)の溶液に硫酸(24.7mg、Mw=98%)及びエタノール(0.5mL)の混合溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を加熱し、12時間反応させ、次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硫酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(87mg、生産性:71.9%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10−3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硫酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図17に示す。
例7:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の調製
イソプロパノール(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(106mg)の溶液に、臭化水素酸(40.0mg、Mw=48%)及びイソプロパノール(1.0mL)の混合溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を加熱し、12時間反応させ、次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩と称される化合物を黄色の固体としてを得た(85mg、生産性:68.9%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10−3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図16に示す。
例8:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の結晶形I(C)の調製及び同定
Figure 2018504414
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の結晶形I(C)の調製
100mLの三口フラスコに、水(80mL)及びアセトン(16mL)を順に添加し、次いで臭化水素酸水溶液を撹拌しながら添加し、60℃へと加熱し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(10g、20.21mmol)の溶液を一部ずつ添加し、固体が完全に溶解した後、混合物をその温度に保持し、30分間撹拌し、加熱を停止し、次いで混合物を25〜35℃へと冷却し、その温度に保持して12時間撹拌し、濾過し、濾液を水(50mL)で洗浄し、25〜35℃で1時間真空乾燥し、次いで70℃で12時間真空乾燥し、結晶形I(C)を有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(7.7g、生産性:66.2%)。
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸臭化水素酸塩の結晶形I(C)の同定
(1)結晶形I(C)のXRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図8に示すが、2θの度で表して、6.29°、10.04°、10.99°、11.83°、14.87°、15.44°、16.05°、18.41°、18.79°、19.12°、20.06°、20.69°、21.30°、21.61°、22.02°、22.93°、23.18°、23.67°、24.20°、25.38°、26.14°、26.73°、27.09°、27.83°、28.05°、28.59°、29.06°、29.92°、31.05°、31.63°、32.29°、32.76°、33.13°、33.63°、34.10°、34.55°、35.42°、35.99°、36.36°、37.02°、37.93°、38.49°、38.72°及び39.10°において特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)結晶形I(C)のDSCサーモグラムを、走査速度10℃/分で、TA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて分析及び同定し、実験結果を図9に示すが、158.95℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃である。
例9:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸シュウ酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸シュウ酸塩の調製
酢酸エチル(0.5mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(104mg)の溶液に、酢酸エチル(1.0mL)中のシュウ酸塩二水和物(27mg)の溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を室温で11時間反応させ、次いでn−ヘプタン(15mL)を滴下した。混合物を撹拌し、結晶が析出した。得られた混合物を吸引によって濾過した。濾過ケーキをn−ヘプタン(5.0mL×2)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸シュウ酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(90mg、生産性:73.2%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10− 3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸シュウ酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図13に示す。
例10:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸マレイン酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸マレイン酸塩の調製
イソプロパノール(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(103mg)の溶液に、イソプロパノール(1.0mL)中のマレイン酸(28mg)の溶液を室温で滴下した。添加の後、得られた混合物を室温で19時間撹拌し、次いでn−ヘプタン(15mL)を滴下した。混合物を撹拌し、結晶が析出した。得られた混合物を吸引によって濾過した。濾過ケーキをn−ヘプタン(5.0mL×2)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸マレイン酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(67mg、生産性:52.8%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.87(s、1H)、8.03(d、J=3.1Hz、1H)、7.94(d、J=3.1Hz、1H)、7.41(dt、J=10.3、5.4Hz、2H)、7.16(td、J=8.5、2.6Hz、1H)、6.22(s、2H)、6.04(s、1H)、4.25(d、J=17.6Hz、1H)、4.09−3.93(m、2H)、3.84(dd、J=11.2、3.2Hz、1H)、3.69(dd、J=10.5、7.0Hz、3H)、3.51(s、3H)、3.15−3.03(m、1H)、2.57(s、1H)、2.43(d、J=11.9Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸マレイン酸塩の調製
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図15に示す。
例11:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸クエン酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸クエン酸塩の調製
酢酸エチル(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(103mg)の溶液に、酢酸エチル(1.0mL)中のクエン酸一水和物(51mg)の溶液を室温で滴下した。添加の後、得られた混合物を室温で22.5時間撹拌し、次いでn−ヘプタン(15mL)を滴下した。混合物を撹拌し、結晶が析出した。得られた混合物を吸引によって濾過した。濾過ケーキをn−ヘプタン(5.0mL×2)で洗浄し、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸クエン酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(127mg、生産性:88.8%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.86(s、1H)、8.02(d、J=3.1Hz、1H)、7.94(t、J=4.0Hz、1H)、7.40(dt、J=8.7、6.4Hz、2H)、7.15(td、J=8.5、2.5Hz、1H)、6.04(s、1H)、4.23(d、J=17.5Hz、1H)、4.10−3.92(m、2H)、3.83(dd、J=11.1、3.1Hz、1H)、3.70(dd、J=12.2、7.9Hz、2H)、3.61(d、J=3.5Hz、1H)、3.51(s、3H)、3.14−3.02(m、1H)、2.75(d、J=15.6Hz、2H)、2.65(d、J=15.4Hz、2H)、2.56(s、1H)、2.40(d、J=11.9Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸クエン酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図14に示す。
例12:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の調製
酢酸エチル(4.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(650mg)の溶液に、酢酸エチル中の塩酸の溶液(0.635mL、3.11mol/L)を室温で滴下した。添加の後、追加の酢酸エチル(4.0mL)を滴下した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、次いで溶媒を取り除き、残分を25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(650mg、生産性:93.1%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10− 3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図10に示す。
例13:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形I(B)の調製及び同定
Figure 2018504414
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形I(B)の調製
酢酸エチル(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(100mg)の溶液に、酢酸エチル(0.13mL、3.11mol/L)中の塩酸の溶液を室温で滴下した。滴下の後、更に酢酸エチル(1.0mL)を滴下した。混合物を室温で7時間撹拌し、次いで溶媒を取り除き、追加の酢酸エチル(4.0mL)を添加し、得られた混合物を60℃で4.5時間撹拌し、次いで室温へと冷却した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、濾過し、残分を真空乾燥し、結晶形I(B)を有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(8mg、生産性:7.5%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):12.52(br、1H)、9.86(s、1H)、8.03(d、1H)、7.94(d、1H)、7.43−7.38(m、2H)、7.16(td、1H)、6.04(s、1H)、4.24(d、1H)、4.06−3.97(m、2H)、3.84(dd、1H)、3.73−3.66(m、2H)、3.64−3.59(m、1H)、3.51(s、3H)、3.10− 3.06(m、1H)、2.43−2.39(m、1H)。
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形I(B)の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図5に示すが、2θの度で表して15.73°、17.21°、20.44°、22.04°、23.44°、24.73°、28.39°、30.86°、31.73°、32.78°、33.61°、35.63°、37.16°及び38.13°において特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
例14:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形IIの調製及び同定
Figure 2018504414
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形IIの調製
50mLの三口フラスコに、水(36mL)及び塩酸水溶液(37.5%、4.5mL、54mmol)を撹拌しながら順に添加し、混合物を60℃へと加熱し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(4.5g、9mmol)を一部ずつ添加し、固体が完全に溶解した後、混合物をその温度に保持し、30分間撹拌し、加熱を停止し、混合物を自然に25〜35℃へと冷却し、その温度に保持して12時間撹拌し、濾過し、濾過ケーキを水(25mL)で洗浄し、25〜35℃で1時間真空乾燥し、次いで70℃で12時間真空乾燥し、結晶形IIを有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(2.6g、生産性:55%)。
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸塩酸塩の結晶形IIの同定
(1)XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図6に示すが、2θの度で表して6.39°、11.20°、11.90°、12.68°、13.68°、15.06°、15.65°、16.27°、18.53°、19.00°、20.21°、21.04°、21.61°、21.96°、22.24°、23.30°、24.00°、24.60°、25.50°、26.48°、27.20°、28.32°、28.75°、29.51°、30.31°、31.39°、31.87°、32.40°、33.62°、34.53°、35.12°、35.80°、36.28°、36.76°、37.48°、37.74°、38.44°及び39.21°において、特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)DSCサーモグラムは、走査速度10℃/分で、TA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて分析及び同定し、実験結果を図7に示すが、156.08℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃である。
例15:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硝酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硝酸塩の調製
エタノール(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(101mg)の溶液に、硝酸(38.0mg、Mw=65%)及びエタノール(0.5mL)の混合溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を室温で12時間反応させ、次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して25℃で真空乾燥し(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硝酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(72mg、生産性:63.8%)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸硝酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図18に示す。
例16:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−リジン塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−リジン塩の調製
エタノール(2.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(201mg)の溶液に、水(1.0mL)中のL−リジン(60mg)の溶液を室温で滴下した。滴下の後、混合物を室温で12時間反応させ、次いで溶媒を取り除いた。残分にエーテル(20.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌し、次いで溶媒を取り除いた。残分を25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−リジン塩と称される化合物を黄色の固体として得た(150mg、生産性:57.6%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.99(d、J=3.0Hz、1H)、7.87(d、J=3.1Hz、1H)、7.39(dt、J=9.0、4.7Hz、2H)、7.18(td、J=8.5、2.5Hz、1H)、6.00(s、1H)、4.05(d、J=15.9Hz、1H)、3.88−3.77(m、2H)、3.69(s、1H)、3.54(s、2H)、3.49(s、3H)、3.23(s、2H)、3.06(d、J=6.6Hz、1H)、2.89(d、J=11.0Hz、1H)、2.73(t、J=6.9Hz、2H)、2.41−2.34(m、1H)、1.72−1.27(m、6H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−リジン塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図25に示す。
例17:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ナトリウム塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ナトリウム塩の調製
イソプロパノール(19.0mL)及びn−ヘプタン(8.0mL)の混合溶液中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(650mg)の溶液に、イソプロパノール(8.0mL)中のイソオクタン酸ナトリウム(1.08mg)の溶液を室温で滴下した。添加の後、得られた混合物を室温で12時間撹拌し、吸引によって濾過した。濾過ケーキをn−ヘプタン(10.0mL×2)で洗浄し、60℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ナトリウム塩と称される化合物を黄色の固体として得た(1.72mg、生産性:66.7%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(600MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.96(d、J=3.1Hz、1H)、7.84(d、J=3.1Hz、1H)、7.41−7.35(m、2H)、7.19(td、J=8.5、2.6Hz、1H)、5.98(s、1H)、4.03(d、J=15.5Hz、1H)、3.87(dd、J=10.9、3.1Hz、1H)、3.77(d、J=15.6Hz、1H)、3.70(d、J=11.1Hz、1H)、3.52−3.46(m、5H)、3.45−3.40(m、1H)、2.93(d、J=9.3Hz、1H)、2.83(d、J=11.6Hz、1H)、2.38(td、J=11.3、3.1Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸ナトリウム塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図23に示す。
例18:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の調製
エタノール(3.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(1.5g)の溶液に、水(1.0mL)中の水酸化ナトリウム(120mg)の溶液を室温で滴下し、得られた混合物を室温で12時間撹拌した。次いで混合物に、水(1.0mL)中の塩化カルシウム(500mg)の溶液を添加した。添加の後、追加の水(5.0mL)を混合物に添加し、室温で2時間撹拌し、次いで得られた混合物を吸引によって濾過した。濾過ケーキを水(5.0mL×2)で洗浄し、25℃で真空乾燥し(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩と称される化合物を黄色の固体として得た(1.35mg、生産性:83.3%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.81(s、1H)、7.67(d、J=3.2Hz、1H)、7.36−7.23(m、2H)、7.10(t、J=8.5Hz、1H)、5.86(s、1H)、4.80(d、J=14.9Hz、1H)、3.95(d、J=6.6Hz、1H)、3.75−3.64(m、2H)、3.58(s、1H)、3.40(s、3H)、3.25(s、1H)、3.09(s、1H)、2.81(s、1H)、2.26(d、J=13.7Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図24に示す。
例19:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の結晶形I(D)の調製及び同定
Figure 2018504414
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の結晶形I(D)の調製
アセトニトリル(1.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(247mg)の溶液に、水(1.0mL)中の水酸化ナトリウム(48mg)の溶液を室温で滴下した。滴下の後、得られた混合物を室温で1時間反応させた。次いで混合物に、水(1.0mL)中の塩化カルシウム(29mg)の溶液を滴下した。添加の後、得られた混合物を3時間撹拌し、次いで吸引によって濾過した。濾過ケーキを水(5.0mL×2)で洗浄し、60℃で8時間真空乾燥し、結晶形I(D)を有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩と称される化合物を黄色の固体として得た(130mg、生産性:48.8%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.81(s、1H)、7.67(d、J=3.2Hz、1H)、7.36−7.23(m、2H)、7.10(t、J=8.5Hz、1H)、5.86(s、1H)、4.80(d、J=14.9Hz、1H)、3.95(d、J=6.6Hz、1H)、3.75−3.64(m、2H)、3.58(s、1H)、3.40(s、3H)、3.25(s、1H)、3.09(s、1H)、2.81(s、1H)、2.26(d、J=13.7Hz、1H)。
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸カルシウム塩の結晶形I(D)の同定
(1)XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、図21に示すが、2θの度で表して4.54°、9.14°、11.09°、11.79°、13.13°、13.75°、14.29°、16.43°、16.78°、17.31°、18.33°、19.07°、20.45°、20.81°、22.01°、23.02°、23.88°、24.87°、25.48°、26.43°、27.71°、28.80°、30.87°、31.75°、32.48°、33.55°、35.04°、36.18°、36.76°、38.73°及び39.16°において特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)ラマンスペクトログラムは、Thermo DXR共焦点レーザーラマン分光計を用いて分析及び同定し、図22に示すように、52、82、107、139、194、235、254、301、355、390、425、440、497、551、600、622、656、690、720、749、773、802、824、852、900、953、1009、1069、1093、1113、1167、1211、1242、1309、1336、1369、1426、1494及び1597cm−1において吸収ピークを有した。吸収ピークの許容誤差は±2cm−1である。
例20:非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−酒石酸塩の調製及び同定
Figure 2018504414
1.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−酒石酸塩の調製
メタノール(4.0mL)中の(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(100mg)の溶液に、メタノール(6.0mL)中のL−酒石酸(32mg)の溶液を滴下した。滴下の後、得られた混合物を室温で17時間反応させた。次いで溶媒を取り除き、25℃で真空乾燥し、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−酒石酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(130mg、生産性:99.8%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):9.86(s、1H)、8.02(d、J=3.1Hz、1H)、7.93(d、J=3.1Hz、1H)、7.40(dt、J=9.0、4.6Hz、2H)、7.15(td、J=8.5、2.6Hz、1H)、6.04(s、1H)、4.31(s、2H)、4.24(d、J=17.6Hz、1H)、4.10−3.91(m、2H)、3.83(dd、J=11.1、3.1Hz、1H)、3.74− 3.64(m、2H)、3.61(t、J=3.6Hz、1H)、3.51(s、3H)、3.08(t、J=8.5Hz、1H)、2.40(d、J=12.0Hz、1H)。
2.非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸L−酒石酸塩の同定
XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、実験結果を図19に示す。
例21:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形I(E)の調製及び同定
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形I(E)の調製
乾いたフラスコに(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸(2g、4.0mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)を順に撹拌しながら25℃で添加し、固体が完全に溶解した後、混合物にテトラヒドロフラン(10mL)中のメチルスルホン酸(0.39g、4.0mmol)を滴下した。滴下の後、得られた混合物を8時間撹拌した。撹拌を停止し、混合物を30分間静置した。上清を注ぎ出し、この操作を3回繰り返した。酢酸n−プロピル(20mL)を添加し、混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで吸引によって濾過した。濾過ケーキを酢酸n−プロピル(10mL×2)で洗浄し、一首フラスコに素早く移し、次いで50℃で12時間真空乾燥し、結晶形I(E)を有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(1.83g、生産性:77%)。
Figure 2018504414
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形I(E)の同定
1)XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、図26に示すように、2θの度で表して5.58°、9.59°、10.73°、11.13°、14.43°、14.71°、16.62°、17.10°、17.96°、18.59°、19.20°、19.77°、20.12°、20.33°、20.95°、21.56°、22.20°、22.50°、23.54°、23.98°、24.24°、24.51°、24.83°、25.50°、26.32°、26.87°、27.70°、28.10°、28.36°、28.89°、29.49°、30.02°、30.58°、31.22°、31.65°、32.02°、32.43°、32.94°、33.52°、34.50°、34.88°、35.59°、36.00°、36.46°、36.92°、37.71°及び38.88°において特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)DSCサーモグラムは、走査速度10℃/分で、TA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて分析及び同定し、実験結果を図27に示すが、155.48℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃である。
例22:(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形IIの調製及び同定
1.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形IIの調製
乾いたフラスコに、水(4mL)及びメシル酸塩(0.12g、1.2mmol)を順に添加した。混合物を均一となるまで室温で撹拌し、60℃へと加熱した。混合物に、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸を一部ずつ添加した。固体が完全に溶解した後、混合物を30分間静置し、次いで25℃へと冷却した。沈殿した固体を濾過により除去し、次いで得られた濾液を48時間放置して失透させた。混合物を濾過し、得られた濾過ケーキを水(4mL)で洗浄し、次いで70℃で12時間真空乾燥し、結晶形IIを有する(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩と称される化合物を黄色の固体として得た(0.1g、生産性:17%)。当該化合物は、以下の分光学的データによってキャラクタライズされた:MS(ESI,pos.ion)m/z:495.1[M+H] H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.97(d、1H)、7.82(d、1H)、7.47(dd、1H)、7.24(dd、1H)、7.06(td、1H)、6.17(s、1H)、4.59(d、1H)、4.34(d、1H)、4.16−4.08(m、2H)、3.96−3.87(m、2H)、3.85−3.83(m、1H)、3.61(s、3H)、3.53−3.48(m、1H)、2.90−2.87(m、1H)、2.69(s、1H)。
Figure 2018504414
2.(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸メシル酸塩の結晶形IIの同定
(1)XRPDパターンを、Cu−Kα放射線によるエンピリアンX線粉末回折(XRPD)を用いて分析及び同定し、図28に示すように、2θの度で表して7.81°、8.28°、9.11°、9.85°、11.36°、12.56°、14.37°、14.72°、15.33°、16.48°、17.07°、17.67°、18.51°、19.70°、20.00°、20.17°、21.17°、21.60°、21.97°、22.47°、22.80°、23.22°、24.10°、24.78°、25.66°、26.10°、26.44°、27.05°、27.48°、28.21°、28.79°、29.60°、30.46°、31.22°、32.89°、33.37°、33.61°、34.39°、35.09°、36.32°、36.94°、37.59°及び38.41°において特徴的なピークを有する。特徴的なピークの2θにおける許容誤差は、±0.2°である。
(2)DSCサーモグラムは、走査速度10℃/分で、TA Q2000示差走査熱量測定(DSC)を用いて分析及び同定し、実験結果を図29に示すが、128.26℃における吸熱ピークを含む。吸熱ピークの許容誤差は、±3℃である。
例23:高温、高湿度及び照明条件下での(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸、(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸のL−酒石酸複合体並びにその種々の塩形態の安定性の研究
高温試験:適切な量の試料を、60℃の温度下で10日間、≦5mmの薄い層の形態で秤量瓶に入れた。試料の外観、不純物及び純度をそれぞれ10日目に試験した。60℃で試料が有意に変化した場合、変化した試料を同じ方法で40℃で再試験する必要がある。60℃で試料が有意に変化しなかった場合、40℃の条件下での試験をする必要はない。
高温試験:適切な量の試料を、25℃の温度で10日間、≦5mmの薄い層の形態で秤量瓶に入れた。外観、不純物及び純度をそれぞれ10日目に試験した。試料の吸湿重量が5%を超えて増加した場合、試料を25℃及びRH75%±5%の条件下で同じ方法で再試験する必要がある。試料の吸湿重量が5%未満増加し、他の結果が要求を満たしている場合、それ以上実験を行う必要はない。(注:高湿度試験の前に、秤量瓶を恒湿器(又は硝酸カリウムの飽和溶液を含む乾燥機)に入れることによって、1日間、予め飽和させる必要があり、次いで試料及び秤量瓶を一緒にして秤量し、重量を記録する。)
高温試験:適切な量の試料を、60℃の温度で10日間、≦5mmの薄い層の形態で秤量瓶に入れた。試料の外観、不純物及び純度をそれぞれ13日目に試験した。
高温、高湿度及び照明条件下での(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸の化合物の非晶質及び(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸の複合体並びにその種々の塩形態の安定性の研究の実験結果を表4に示す。
Figure 2018504414
Figure 2018504414
表4のデータ分析から分かるように、
(a)(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸の結晶形I(A)及びL−酒石酸を有する複合体、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩、及び結晶形IIを有する塩酸塩は、非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸よりも良好な調製純度を有し、L−酒石酸複合体の結晶形I(A)の調製純度は、99.85%であり、酸化物不純物は、0.2%未満である。
(b)(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸の結晶形I(A)及びL−酒石酸を有する複合体、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩、及び結晶形IIを有する塩酸塩は、高温、高湿度及び照明条件下で、非晶質(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸よりも良好な安定性を有する。結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体は、最も高い安定性を有し、高温、高湿度及び照明条件下で外見及び純度が基本的に変化しなかった。
例24:ビーグルにおける試験化合物のPKアッセイ
1.実験方法
試験化合物を、ビーグルへ、10mg/kg又は5mg/kgの投薬量で胃内投与するか、或いは静脈内注射によって1mg/kg、2mg/kg又は10mg/kgの投薬量で投与した。
投与の後、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8及び24時間の時点で、眼窩静脈の血液試料を採取し、EDTA−K2を含む抗凝固チューブ中に集めた。試験化合物を、液体−液体抽出によって血漿試料から抽出した。次いで定量分析を、多重反応モニタリング(MRM)を用いて三連四重極タンデム質量分析計で行った。薬物動態パラメータをWinNonlin6.1ソフトウェアを用いて非区画モデル法で計算した。
例25:吸湿性の実験的研究
実験の1日前に、栓を有する乾燥ガラス秤量瓶を25℃±1℃の適当な恒温乾燥機(塩化アンモニウムおよび硫酸アンモニウムの飽和溶液を底に置いた)に入れ、正確に秤量した。試料の適量を秤量瓶に入れ、試料の厚さは典型的には約1mmであり、正確に秤量した(m2)。秤量瓶を開けて、栓とともに上記の一定の温湿度条件下に24時間置いた。栓をした秤量瓶を正確に秤量し(m3)、重量増加率を計算した(%)。
試験方法:the Ph.Eur.<5.11>;Ch.P.2010;IIappendix XIX Jに従う;
吸湿の重量パーセント(%)=(m3−m2)/(m2−m1)×100%
吸湿特性:吸湿の重量パーセント
吸湿性結果の判定:
(1)自然消化:液体を生成するのに十分な水の吸収
(2)非常に吸湿性:15%以上
(3)吸湿性:2%以上15%未満
(4)少し吸湿性:0.2%以上2%未満
(5)非又はわずかに吸湿性:0.2%未満。
高温、高湿度及び照明条件下での(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−3,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸の化合物の非晶質及び(S)−4−(((R)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−2−(チアゾール−2−イル)−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル)メチル)モルホリン−3−カルボン酸及びL−酒石酸の複合体並びにその種々の塩形態の吸湿性試験の実験結果を表5に示す。
Figure 2018504414
表5のデータ分析から分かるように、化合物(Ia)及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)の吸湿の重量パーセントは、非又はわずかに吸湿性の0.029%であり、化合物(I)の吸湿の重量パーセントは、1.441%であった。化合物(Ia)及びL−酒石酸の複合体の結晶形I(A)の吸湿性は、例1で調製した非晶質の化合物(I)のものよりも非常に小さかった。
本発明は、一般的な説明、実施形態の記載及びアッセイによって詳細に記載されているが、本発明から逸脱することなく特定の変更及び改変を行うことができることが当業者には自明であろうし、したがって、全てのそのような変更及び改変は特許請求の範囲内にある。

Claims (38)

  1. L−酒石酸及び式(I)又は(Ia)の化合物:
    Figure 2018504414
    から生成される複合体。
  2. 前記複合体が、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、前記式(I)又は(Ia)の化合物対L−酒石酸塩のモル比は、前記L−酒石酸複合体の結晶形I(A)において1:1であり、前記結晶形I(A)は、2θの度で表して、17.82±0.2°、19.51±0.2°、21.61±0.2°、22.56±0.2°、23.36±0.2°、23.54±0.2°、23.79±0.2°及び31.07±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項1に記載の複合体。
  3. 前記複合体が、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、前記結晶形I(A)は、2θの度で表して、9.29±0.2°、17.82±0.2°、19.51±0.2°、20.80±0.2°、21.61±0.2°、22.56±0.2°、23.36±0.2°、23.54±0.2°、23.79±0.2°及び31.07±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項2に記載の複合体。
  4. 前記複合体が、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、前記結晶形I(A)は、2θの度で表して、7.30°±0.2°、7.31°±0.2°、7.61°±0.2°、9.29°±0.2°、11.60°±0.2°、14.69°±0.2°、15.33°±0.2°、17.22°±0.2°、17.82°±0.2°、18.08°±0.2°、18.42°±0.2°、19.51°±0.2°、20.51°±0.2°、20.80°±0.2°、21.61°±0.2°、22.56°±0.2°、23.05°±0.2°、23.36°±0.2°、23.54°±0.2°、23.79°±0.2°、24.39°±0.2°、24.81°±0.2°、25.78°±0.2°、26.07°±0.2°、27.34°±0.2°、28.25°±0.2°、28.87°±0.2°、29.72°±0.2°、30.22°±0.2°、31.07°±0.2°、31.55°±0.2°、32.25°±0.2°、32.85°±0.2°、33.24°±0.2°、34.24°±0.2°、35.03°±0.2°、35.22°±0.2°、36.03°±0.2°、36.88°±0.2°、37.33°±0.2°、37.86°±0.2°及び38.36°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項2に記載の複合体。
  5. 前記複合体が、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、前記結晶形I(A)は、186.94℃±3℃又は193.78℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラム、及び/又は51、71、115、144、158、180、196、234、303、427、688、746、767、818、837、905、1001、1062、1075、1128、1137、1165、1179、1193、1230、1269、1289、1324、1337、1346、1357、1401、1438、1453、1477、1517、1541、1607及び1679cm−1における吸収ピークを含むラマンスペクトログラムを有し、吸収ピークの許容誤差は、±2cm−1である請求項2に記載の複合体。
  6. 前記複合体が、結晶形I(A)を有するL−酒石酸複合体であり、前記結晶形I(A)は、以下の特徴:
    (1)図1に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、又は
    (2)図2又は図3に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラム、又は
    (3)図4に示されるものと実質的に同じラマンスペクトログラム
    の少なくとも1つを有する請求項2に記載の複合体。
  7. 式(I)又は(Ia)の化合物:
    Figure 2018504414
    の塩であり、
    前記塩は、薬学的に許容され得る酸付加塩である塩。
  8. 前記塩は、無機酸塩又は有機酸塩であり、前記無機酸塩は、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ硫酸塩、一価リン酸塩、二価リン酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、ヘミ硫酸塩、重硫酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、又はそれらの組み合わせであり、前記有機酸塩は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、プロパンスルホン酸塩、クエン酸塩、4−ニトロ安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、リンゴ酸塩、プロピオール酸塩、2−テトロール酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ビニル酢酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、フマル酸塩、イセチオン酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、パモ酸塩、サリチル酸塩、ミューテート、グルセプチン酸塩、マンデル酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、金属トリフラート、アジピン酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6−ジカルボン酸塩、グリコール酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、アスパラギン酸塩、L−アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、L−グルタミン酸塩、2−フェノキシ安息香酸塩、4’−ヒドロキシベンゾフェノン−2−カルボン酸塩、アセト酢酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ホウ酸塩、クロロ安息香酸塩、樟脳酸塩、イタコン酸塩、カンファースルホン酸塩,(−)−カンファースルホン酸塩、トルイル酸塩、ジニトロ安息香酸塩、スルファミン酸塩、ラクトビオン酸塩、ガラクツロン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、アクリル酸塩、シピオン酸塩、グリセロリン酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジグルコン酸塩、グルコン酸塩、エナント酸塩、カプロン酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ピバル酸塩、グルクロン酸塩、ラウリン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ラウリル硫酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、ニコチン酸塩、ケイ皮酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、フタル酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ピバル酸塩、ピクリン酸塩、ステアリン酸塩酸塩、2,2−ジクロロ酢酸塩、アシル化アミノ酸塩、アルギン酸塩、4−アセトアミドベンゼンスルホン酸塩、デカン酸塩、コール酸塩、カプリル酸塩、ペラルゴン酸塩、シクラミン酸塩、フタル酸塩、システイン塩酸塩、ソルビン酸塩、パモ酸塩、ムチン酸塩、グリシン塩酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、シスタミン二塩酸塩、ウンデカン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、スルホサリチル酸塩、フェニル酪酸塩、4−ヒドロキシ酪酸塩、ポリビニル硫酸塩、1−ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、吉草酸塩、又はそれらの組み合わせである、請求項7に記載の塩。
  9. 前記塩は、結晶形I(B)を有する塩酸塩であり、前記結晶形I(B)は、2θの度で表して、15.73±0.2°、17.21±0.2°、20.44±0.2°、22.04±0.2°、23.44±0.2°、28.39±0.2°、30.86±0.2°及び33.61±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、又は
    前記塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、前記結晶形IIは、2θの度で表して、11.90±0.2°、21.04±0.2°、21.96±0.2°、23.30±0.2°、24.60±0.2°、27.20±0.2°、28.75±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  10. 前記塩は、結晶形I(B)を有する塩酸塩であり、前記結晶形I(B)は、2θの度で表して、15.73°±0.2°、17.21°±0.2°、20.44°±0.2°、22.04°±0.2°、23.44°±0.2°、24.73°±0.2°、28.39°±0.2°、30.86°±0.2°、31.73°±0.2°、32.78°±0.2°、33.61°±0.2°、35.63°±0.2°、37.16°±0.2°及び38.13°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、又は
    前記塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、前記結晶形IIは、2θの度で表して、11.90±0.2°、18.53±0.2°、21.04±0.2°、21.96±0.2°、23.30±0.2°、24.60±0.2°、27.20±0.2°、28.75±0.2°、33.62±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  11. 前記塩は、結晶形IIを有する塩酸塩であり、前記結晶形IIは、2θの度で表して、6.39±0.2°、11.20±0.2°、11.90±0.2°、12.68±0.2°、13.68±0.2°、15.06±0.2°、15.65±0.2°、16.27±0.2°、18.53±0.2°、19.00±0.2°、20.21±0.2°、21.04±0.2°、21.61±0.2°、21.96±0.2°、22.24±0.2°、23.30±0.2°、24.00±0.2°、24.60±0.2°、25.50±0.2°、26.48±0.2°、27.20±0.2°、28.32±0.2°、28.75±0.2°、29.51±0.2°、30.31±0.2°、31.39±0.2°、31.87±0.2°、32.40±0.2°、33.62±0.2°、34.53±0.2°、35.12±0.2°、35.80±0.2°、36.28±0.2°、36.76±0.2°、37.48±0.2°、37.74±0.2°、38.44±0.2°及び39.21±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は156.08℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有する請求項7又は8に記載の塩。
  12. 前記塩は、図5に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する結晶形I(B)を有する塩酸塩であるか、又は
    前記塩は、図6に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有するか、及び/又は図7に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形IIを有する塩酸塩である、請求項7又は8に記載の塩。
  13. 前記塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、前記結晶形I(C)は、2θの度で表して、20.69±0.2°、21.61±0.2°、23.18±0.2°、24.20±0.2°、27.09±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°及び33.13±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  14. 前記塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、前記結晶形I(C)は、2θの度で表して、14.87±0.2°、20.69±0.2°、21.61±0.2°、23.18±0.2°、24.20±0.2°、25.38±0.2°、27.09±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°及び33.13±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  15. 前記塩は、結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩であり、前記結晶形I(C)は、2θの度で表して、6.29±0.2°、10.04±0.2°、10.99±0.2°、11.83±0.2°、14.87±0.2°、15.44±0.2°、16.05±0.2°、18.41±0.2°、18.79±0.2°、19.12±0.2°、20.06 ±0.2°、20.69±0.2°、21.30±0.2°、21.61±0.2°、22.02±0.2°、22.93±0.2°、23.18±0.2°、23.67±0.2°、24.20±0.2°、25.38±0.2°、26.14±0.2°、26.73±0.2°、27.09±0.2°、27.83±0.2°、28.05±0.2°、28.59±0.2°、29.06±0.2°、29.92±0.2°、31.05±0.2°、31.63±0.2°、32.29±0.2°、32.76±0.2°、33.13±0.2°、33.63±0.2°、34.10±0.2°、34.55±0.2°、35.42±0.2°、35.99±0.2°、36.36±0.2°、37.02±0.2°、37.93±0.2°、38.49±0.2°、38.72±0.2°及び39.10±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は158.95℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有する請求項7又は8に記載の塩。
  16. 前記塩は、図8に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図9に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形I(C)を有する臭化水素酸塩である、請求項7又は8に記載の塩。
  17. 前記塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、前記結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、10.73°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°及び23.98°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、又は
    前記塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、メシル酸塩の結晶形IIにおける式(I)又は(Ia)の化合物対メシル酸塩のモル比は、3:1であり、前記結晶形IIは、2θの度で表して、8.28°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、24.78°±0.2°及び25.66°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  18. 前記塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、前記結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、10.73°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°、19.20°±0.2°、22.20°±0.2°、22.50°±0.2°、23.98°±0.2°、24.24°±0.2°及び26.87°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、又は
    前記塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、結晶形IIは、2θの度で表して、8.28°±0.2°、9.11°±0.2°、11.36°±0.2°、17.07°±0.2°、17.67°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、24.78°±0.2°、25.66°±0.2°及び26.10°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項7又は8に記載の塩。
  19. 前記塩は、結晶形I(E)を有するメシル酸塩であり、前記結晶形I(E)は、2θの度で表して、5.58°±0.2°、9.59°±0.2°、10.73°±0.2°、11.13°±0.2°、14.43°±0.2°、14.71°±0.2°、16.62°±0.2°、17.10°±0.2°、17.96°±0.2°、18.59°±0.2°、19.20°±0.2°、19.77°±0.2°、20.12°±0.2°、20.33°±0.2°、20.95°±0.2°、21.56°±0.2°、22.20°±0.2°、22.50°±0.2°、23.54°±0.2°、23.98°±0.2°、24.24°±0.2°、24.51°±0.2°、24.83°±0.2°、25.50°±0.2°、26.32°±0.2°、26.87°±0.2°、27.70°±0.2°、28.10°±0.2°、28.36°±0.2°、28.89°±0.2°、29.49°±0.2°、30.02°±0.2°、30.58°±0.2°、31.22°±0.2°、31.65°±0.2°、32.02°±0.2°、32.43°±0.2°、32.94°±0.2°、33.52°±0.2°、34.50°±0.2°、34.88°±0.2°、35.59°±0.2°、36.00°±0.2°、36.46°±0.2°、36.92°±0.2°、37.71°±0.2°及び38.88°±0.2°おける特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は155.48℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有するか、又は
    前記塩は、結晶形IIを有するメシル酸塩であり、前記結晶形IIは、2θの度で表して、7.81°±0.2°、8.28°±0.2°、9.11°±0.2°、9.85°±0.2°、11.36°±0.2°、12.56°±0.2°、14.37°±0.2°、14.72°±0.2°、15.33°±0.2°、16.48°±0.2°、17.07°±0.2°、17.67°±0.2°、18.51°±0.2°、19.70°±0.2°、20.00°±0.2°、20.17°±0.2°、21.17°±0.2°、21.60°±0.2°、21.97°±0.2°、22.47°±0.2°、22.80°±0.2°、23.22°±0.2°、24.10°±0.2°、24.78°±0.2°、25.66°±0.2°、26.10°±0.2°、26.44°±0.2°、27.05°±0.2°、27.48°±0.2°、28.21°±0.2°、28.79°±0.2°、29.60°±0.2°、30.46°±0.2°、31.22°±0.2°、32.89°±0.2°、33.37°±0.2°、33.61°±0.2°、34.39°±0.2°、35.09°±0.2°、36.32°±0.2°、36.94°±0.2°、37.59°±0.2°及び38.41°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す、及び/又は128.26℃±3℃における吸熱ピークを含む示差走査熱量サーモグラムを有する請求項7又は8に記載の塩。
  20. 前記塩は、図26に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図27に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形I(E)を有するメシル酸塩であるか、又は
    前記塩は、図28に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、及び/又は図29に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定サーモグラムを有する結晶形IIを有するメシル酸塩である、請求項7又は8に記載の塩、。
  21. 前記塩は、図10に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の塩酸塩であるか、又は
    前記塩は、図11に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼンスルホン酸塩であるか、又は
    前記塩は、図12に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼントシル酸塩であるか、又は
    前記塩は、図13に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のシュウ酸塩であるか、又は
    前記塩は、図14に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のベンゼンクエン酸塩であるか、又は
    前記塩は、図15に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のマレイン酸塩であるか、又は
    前記塩は、図16に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の臭化水素酸塩であるか、又は
    前記塩は、図17に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の硫酸塩であるか、又は
    前記塩は、図18に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質の硝酸塩であるか、又は
    前記塩は、図19に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のL−酒石酸塩であるか、又は
    前記塩は、図20に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のサリチル酸塩である、請求項7又は8に記載の塩。
  22. 式(I)又は(Ia)の化合物:
    Figure 2018504414
    の塩であり
    前記塩は、薬学的に許容され得る塩基付加塩である塩。
  23. 前記塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、又はそれらの組み合わせであるか、又は前記塩は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルアミノエタノール、ピリジン、メチルピリジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、リジン、アルギニン、L−アルギニン、ヒスチジン、L−ヒスチジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、グルカミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオール、L−リジン、オルニチン、又はそれらの組み合わせとともに式(I)又は式(Ia)の化合物から生成される塩である請求項22に記載の塩。
  24. 前記塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、前記結晶形I(D)は、2θの度で表して、9.14±0.2°、13.13±0.2°、17.31±0.2°、18.33±0.2°、19.07±0.2°、23.02±0.2°、23.88±0.2°及び27.71±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項22又は23に記載の塩。
  25. 前記塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、前記結晶形I(D)は、2θの度で表して、4.54±0.2°、9.14±0.2°、13.13±0.2°、17.31±0.2°、18.33±0.2°、19.07±0.2°、23.02±0.2°、23.88±0.2°、27.71±0.2°及び31.75±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示す請求項22又は23に記載の塩。
  26. 前記塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、結晶形I(D)は、2θの度で表して、4.54°±0.2°、9.14°±0.2°、11.09°±0.2°、11.79°±0.2°、13.13°±0.2°、13.75°±0.2°、14.29°±0.2°、16.43°±0.2°、16.78°±0.2°、17.31°±0.2°、18.33°±0.2°、19.07°±0.2°、20.45°±0.2°、20.81°±0.2°、22.01°±0.2°、23.02°±0.2°、23.88°±0.2°、24.87°±0.2°、25.48°±0.2°、26.43°±0.2°、27.71°±0.2°、28.80°±0.2°、30.87°±0.2°、31.75°±0.2°、32.48°±0.2°、33.55°±0.2°、35.04°±0.2°、36.18°±0.2°、36.76°±0.2°、38.73°±0.2°及び39.16°±0.2°において特徴的なX線粉末回析ピークを示すか、及び/又は52、82、107、139、194、235、254、301、355、390、425、440、497、551、600、622、656、690、720、749、773、802、824、852、900、953、1009、1069、1093、1113、1167、1211、1242、1309、1336、1369、1426、1494及び1597cm−1における吸収ピークを含むラマンスペクトログラムを有し、吸収ピークの許容誤差は、±2cm−1である請求項22又は23に記載の塩。
  27. 前記塩は、結晶形I(D)を有するカルシウム塩であり、前記結晶形I(D)は、図21に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターン、又は/及び図22に示されるものと実質的に同じラマンスペクトログラムを有する請求項22又は23に記載の塩。
  28. 前記塩は、図23に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のナトリウム塩であるか、又は
    前記塩は、図24に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のカルシウム塩であるか、又は
    前記塩は、図25に示されるものと実質的に同じX線粉末回析(XRPD)パターンを有する非晶質のL−リジン塩である、請求項22又は23に記載の塩。
  29. 請求項1〜28の何れか1項に記載の複合体及び塩、並びに薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクル又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物。
  30. ウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減するための薬剤の製造における請求項1〜28の何れか1項に記載の複合体及び塩又は請求項29に記載の医薬組成物の使用。
  31. 前記ウイルス性疾患又は前記HBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である請求項30に記載の使用。
  32. 前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である請求項31に記載の使用。
  33. 罹患体におけるウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減する方法であって、請求項1〜28の何れか1項に記載の塩又は請求項29に記載の医薬組成物の治療有効量を罹患体に投与することを含む方法。
  34. 前記ウイルス性疾患又は前記HBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である請求項33に記載の方法。
  35. 前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である請求項34に記載の方法。
  36. ウイルス性疾患又はHBV性疾患を予防し、処置し、治療し又は軽減することにおいて使用するための請求項1〜28の何れか1項に記載の塩及び請求項29に記載の医薬組成物。
  37. 前記ウイルス性疾患又は前記HBV性疾患は、B型肝炎感染症又はB型肝炎感染症に起因する疾患である請求項36に記載の塩。
  38. 前記B型肝炎感染症に起因する疾患は、肝硬変又は肝細胞癌である請求項37に記載の塩。
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