JP2018197278A - 軟質ポリウレタンフォーム - Google Patents

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【課題】低反発ウレタンフォームとしての良好な物性を維持しつつ低密度化が図られるとともに、変色が抑制された軟質ポリウレタンフォームを提供する。【解決手段】軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を反応させてなり、反発弾性が15%未満であり、ポリオール成分が、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含み、発泡剤が、液化炭酸ガスおよび水を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームに関する。詳しくは、低反発の軟質ポリウレタンフォームに関する。
従来、低反発の軟質ポリウレタンフォーム(以下、低反発ウレタンフォームともいう)を成形する際の発泡剤として、例えば水を用いる例(例えば下記特許文献1)が知られる。
低反発ウレタンフォームは、一般的にJIS K6400−3(2011)に基づき測定された反発弾性(%)が15%未満の軟質ポリウレタンフォームを指す。低反発ウレタンフォームは、枕、マットレス、敷き寝具、ソファー、または椅子の座面等に好適に用いられる。かかる用途から、圧縮残留歪(%)が小さく、かつ優れた柔軟性(圧縮硬さ(N))を備えることが望まれる。
特願2010−189481号公報
ところで、従来、低反発ウレタンフォームにおいて、低密度化を図ることは、反発弾性、圧縮残留歪、または圧縮硬さ等の物性の悪化が懸念されるという理由から、推奨されていなかった。しかしながら一方、それらの良好な物性を維持しつつ、低密度化(即ち、軽量化)の図られた低反発ウレタンフォームの提供が求められていた。
本発明者らの検討によれば、発泡剤である水の一部を塩化メチレンに置き換えることで、成形される軟質ポリウレタンフォームの低密度化を図ることが可能であることがわかった。
しかし、物理発泡剤として水と塩化メチレンとを併用した場合、成形された低反発ウレタンフォームが、変色する場合があり問題であった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、良好な物性を維持しつつ低密度化が図られるとともに、変色が抑制された低反発の軟質ポリウレタンフォームを提供する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、反発弾性が15%未満であり、上記ポリオール成分が、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含み、上記発泡剤が、液化炭酸ガスおよび水を含むことを特徴とする。
本発明によれば、良好な物性を維持しつつ低密度化が図られるとともに、変色が防止された低反発の軟質ポリウレタンフォームを提供することができる。
以下、本発明の軟質ポリウレタンフォームについて説明する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであり、上記発泡剤として、液化炭酸ガスおよび水を含む。本発明の軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が15%未満であり、低反発性である。本発明において、ポリオール成分は、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含んでいる。
上記構成を有する本発明の軟質ポリウレタンフォームは、発泡剤として、水だけでなく、液化炭酸ガスが含まれるため、低密度化が図られるとともに、変色が防止される。即ち、発泡剤として、水および塩化メチレンを用いた場合には、発泡性の高い発泡剤である水の使用量が減るため低密度化が図られるものの、触媒の一部と塩化メチレンとが反応して、発泡時にポリウレタンフォームの焼けが起こり黄変するものと推察された。これに対し、本発明は塩化メチレンの替わりに液化炭酸ガスを用いたことで、発泡剤である水の使用量を減量して低密度化を図りつつ、変色を防止することができる。また本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低反発ウレタンフォームに求められる、反発弾性、圧縮硬さ、または圧縮残留歪等の物性も良好である。以下に本発明の軟質ポリウレタンフォームの詳細について説明する。
(ポリオール成分)
本発明においてポリオール成分は、特に制限はなく、通常の軟質ポリウレタンフォームの原料として使用されるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、またはポリマーポリオール等である。
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、若しくはこれらの変性体、またはグリセロール・プロピレンオキシドポリマー等のグリセリンにアルキレンオキサイドを付加した化合物等が例示される。
上記ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等のポリオールと、プロピレングリコール、グリセリン、またはエチレングリコール等との反応により得られる縮合物、ポリカーボネート系ポリオール、またはラクトン系ポリエステルポリオール等が例示される。
上記ポリマーポリオールとしては、ポリエーテルポリオール中で、アクリロニトリルまたはスチレン等を共重合させてなるポリオールであって、ポリエーテルポリオール中にポリマー微粒子が分散されているものが挙げられる。
上述するポリオール成分は、数平均分子量や縮合度等を適宜調整することができ、これによって水酸基の数および水酸基価を調整することができる。
本発明においてポリオールAは、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオール成分である。ポリオールAは、本発明の軟質ポリウレタンフォームの主たるポリオール成分である。ポリオールAの水酸基価が50mgKOH/g未満であると、全体の架橋密度が低くなり過ぎ、望ましい圧縮歪が示されない場合がある。一方、ポリオールAの水酸基価が60mgKOH/gを超えた場合、全体の架橋密度が高くなり過ぎ、圧縮硬さが大きくなり過ぎる傾向にある。尚、ここでいう主たるポリオール成分とは、軟質ポリウレタンフォームを構成する2以上ポリオール成分の中で一番配合量が多い(但し、同率一位を含む)ことを意味する。
本発明においてポリオールBは、水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gであるポリオール成分である。ポリオールBは、軟質ポリウレタンフォームの反発弾性を適度に小さくし低反発ウレタンフォームの提供を可能とすることに寄与する。ポリオールBの水酸基価が225mgKOH/g未満であると、良好な反発弾性が示されない虞がある。一方、ポリオールBの水酸基価が500mgKOH/gを超えた場合、望ましい圧縮歪が示されない虞がある。かかる観点から、ポリオールBの水酸基価値は、350mgKOH/g未満であることが好ましく、250mgKOH/g未満であることがより好ましい。一般的にポリオールの水酸基価が小さくなると、架橋密度が低くなり、反発弾性の観点では不利な方向(高くなる方向)に向かう傾向にある。これに対し、ポリオールBの水酸基価値を225mgKOH/g以上250mgKOH/g未満に調整する場合、併せてポリオールBの数平均分子量の範囲を600以上800以下と調整することで、反発弾性が非常に小さく、かつ、柔軟性が良好な(即ち圧縮歪が小さい)軟質ポリウレタンフォームを得られる傾向にあるため望ましい。
用いられるポリオール成分の数平均分子量は、特に限定されないが、ポリオールAの数平均分子量が1000以上5000未満の範囲であり、かつポリオールBの数平均分子量が500以上1000以下の範囲となるよう調整されることが好ましい。
水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであり、かつ数平均分子量が1000以上5000未満の範囲であるポリオールAを用いることで、発泡安定性があり、また圧縮残留歪および反発弾性の値が望ましい範囲となる傾向にある。
水酸基225mgKOH/g以上500mgKOH/gであり、かつ数平均分子量が500以上1000以下の範囲であるポリオールBを用いることで、発泡安定性が良好で、温度依存性が小さく、また圧縮残留歪および反発弾性の値が望ましい範囲となる傾向にある。
また、上記範囲の数平均分子量であるポリオールAおよびポリオールBを用いることで、反発弾性が小さく、かつ適度な圧縮硬さおよび圧縮残留歪を備える軟質ポリウレタンフォームの実現が容易である。
ポリオールAに対するポリオールBの配合比率は、同じか、ポリオールBが少ない範囲で適宜調整することができる。好ましい低反発性を発揮させるという観点からは、ポリオールA100質量部に対し、ポリオールBが30質量部以上100質量部以下の範囲で含まれることが好ましい。特に上記観点から、水酸基価および数平均分子量が上述する範囲であるポリオールAおよびポリオールBにおいて、当該ポリオールA100質量部に対し、当該ポリオールBが50質量部以上100質量部以下の範囲で配合されることがより好ましく、80質量部以上100質量部以下の範囲で配合されることがさらに好ましい。
本発明におけるポリオール成分は、少なくとも上述するポリオールAおよびポリオールBを含み、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、異なるポリオール成分が配合されてもよい。
(ポリイソシアネート成分)
次に、ポリイソシアネート成分について説明する。本発明におけるポリイソシアネート成分は、上述するポリオール成分と反応してウレタン結合を構成可能な成分である。たとえばポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、若しくは脂肪族系等のポリイソシアネート、またはこれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを1種または2種以上選択して使用することができる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、若しくはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のポリイソシアネート、またこれらのプレポリマー型の変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、若しくはカルボジイミド変性体等が挙げられる。これらのうちでも、発泡安定性に優れるという観点から、TDI、MDI、TDIとMDIの混合物は、本発明のポリイソシアネート成分として、好ましい。
上記ポリイソシアネート成分の配合量は、通常、イソシアネートインデックスで表される。イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネート成分に含まれるイソシアネート基(−NCO)と、ポリオールに含まれる水酸基(−OH)の当量比に100を乗じることで求められる。かかるイソシアネートインデックスに基づき、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の配合比率を決定することができる。
本発明において、上記イソシアネートインデックスは特に限定されないが、好ましい圧縮残留歪が発揮されるとともに、柔軟性にも優れた(即ち、圧縮硬さが適度に小さい)低反発ウレタンフォームを提供するという観点からは、イソシアネートインデックスは、90以上113以下であることが好ましく、95以上113以下であることがより好ましい。
イソシアネートインデックスが90以上113以下に調整されることで、原料に含まれるイソシアネート成分を硬化により架橋させ得る。適度に架橋された軟質ポリウレタンフォームは、圧縮残留歪が非常に良好な範囲であるとともに、種々の物性のバランスが良好である。イソシアネートインデックスが113を超える場合、圧縮残留歪は良好であるものの、柔軟性に欠け圧縮硬さが大きくなる傾向にある。またイソシアネートインデックスが90未満である場合、得られる軟質ポリウレタンフォームの圧縮歪が高い傾向にあり、また引張強さ(KPa)が小さくなり過ぎ、用途によっては強度が不充分となる虞がある。
ところで従来、低反発ウレタンフォームにおいて、イソシアネートインデックスを90以上113以下の範囲に調整した場合、架橋が多くなるため圧縮残留歪は良好であるものの、柔軟性に欠ける傾向にあった。特に本発明は、軟質ポリウレタンフォームの低密度化を図りつつ、変色を防止する目的から、発泡剤として水だけではなく、液化炭酸ガスを用いることを必須とする。一般的には、発泡力の強い発泡剤である水の配合量を減らして、これより発泡力の弱い液化炭酸ガスを用いることは、ウレタン発泡時の発泡性が悪くなり、良好な柔軟性が得られないことが予想される。ところが、本発明者らの検討によれば、発泡剤として水とともに用いられる液化炭酸ガスは、得られる軟質ポリウレタンフォームの柔軟性(即ち、圧縮硬さ)を改善する作用効果を発揮することがわかった。そのため、発泡剤である水の配合量を相対的に減らし、かつ上記イソシアネートインデックスを上記範囲に調整した場合、本発明の軟質ポリウレタンフォームは良好な圧縮残留歪を示すだけでなく、良好な柔軟性も発揮するものと推察される。
(発泡剤)
本発明は、発泡剤として水および液化炭酸ガスを含む。水は、公知の軟質ポリウレタンフォームを作製する際に汎用される物理発泡剤である。
一方、液化炭酸ガスは、所定の圧力および温度において液状に調整された物理発泡剤であり、たとえばポリオール成分に溶解して用いられるが、これに限定されない。液化炭酸ガスは、発泡剤である水と比較して発泡力が3割程度であって、相対的に発泡力が弱い。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの原料において、発泡剤である水と液化炭酸ガスの配合量は特に限定されない。水および炭酸ガスを含む混合発泡剤の配合比率が、上記原料全体において、適度なバランスが図られるとよい。たとえば、良好に低密度化を図りつつ、適度な発泡力を維持してウレタン発泡に不具合を生じさせないという観点からは、ポリオール成分100質量部に対し、液化炭酸ガスが1.5質量部以上2.5質量部以下の範囲で含まれるとともに、水が1.3質量部以上2.0質量部以下の範囲で含まれることが好ましい。液化炭酸ガスの配合量が上記範囲をはずれると、液化炭酸ガスのコントロールが困難となり発泡が不安定になる傾向にある。
本発明において、発泡剤は、液化炭酸ガスおよび水の配合量を勘案しながら、全体量の調整を図ることができる。ここで、液化炭酸ガスの配合量がポリオール成分100質量部に対し1.5質量部未満の場合、水の配合量を増やす必要があり、その結果、水が多くなり過ぎる場合がある。具体的には、ポリオール成分100質量部に対し、水が2.0質量部を超えると低密度化を図ることが難しい場合がある。また従来のように塩化メチレンと水との混合発泡剤を用いた場合、当該塩化メチレンの揮発熱が吸熱効果を奏するため、水による発熱作用が抑制されていた。これに対し、塩化メチレンの替りに液化炭酸ガスを用いる本発明では、原料における水の配合量が増えると、フォーム内部の発熱反応が顕著となる。かかる観点からも、水の配合量はポリオール成分100質量部に対し2.0質量部以下であることが好ましい。
一方、液化炭酸ガスの配合量が、ポリオール成分100質量部に対し2.5質量部を超える場合、発泡剤の全体のバランスを考慮し水の配合量を減らす必要がある。たとえばポリオール成分100質量部に対し、水1.3質量部未満とすると、低密度化の観点からは好ましいものの、生成されるウレタン結合が少なくなり過ぎ、ウレタン発泡に不具合が生じる虞がある。
(触媒)
次に本発明に用いられる触媒について説明する。触媒は、低反発の軟質ポリウレタンフォームを作製するに適した1種、または2種以上が用いられる。上記触媒として、アミン系触媒を用いることは、本発明において好ましい1つの態様である。かかる態様は、アミン系触媒のみを用いた場合、並びにアミン系触媒および他の触媒を用いた場合を包含する。また上記アミン系触媒として、1種が用いられてもよいし、2種以上が用いられてもよい。ここでアミン系触媒とは、化合物内にアミンを含み、ウレタン化反応を促進する化合物を指す。たとえば、アミン系触媒としては、たとえばトリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N',N'−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類およびそのカルボン酸塩等が挙げられる。
アミン触媒は、良好にウレタン化反応を促進するとともに泡化効果が高い。そのため、発泡剤として水とともに、当該水よりも発泡力の弱い液化炭酸ガスを用いる本発明において、アミン触媒を用いることは好ましい。発泡剤として水と液化炭酸ガスを用いることで低密度化が図られる本発明の軟質ポリウレタンフォームにおいて、アミン触媒の使用は、発泡性の低下を抑制し、これによって望ましい圧縮硬さを実現可能とする。
アミン触媒の配合量は特に制限されないが、軟質ポリウレタンフォームの柔軟性(即ち圧縮硬さ)をより好ましい値に調整するという観点からは、ポリオール成分100質量部に対しアミン触媒が1.0質量部以上2.0質量部以下の範囲で用いられることが好ましい。上記アミン触媒の配合量の下限は、ウレタン発泡の促進と良好な泡化効果を得るという観点から、1.3質量部以上であることがより好ましく、1.45以上であることがさらに好ましい。また、上記アミン触媒の配合量の上限は、バランス良く種々の物性を最適化するという観点から、1.9質量部以下であることがより好ましく、1.8質量部以下であることがさらに好ましい。尚、用いるアミン触媒が2種以上である場合には、用いられたアミン触媒の合計の配合量が上記範囲となるよう調整するとよい。
発泡剤として水および液化炭酸ガスが用いられる本発明において、イソシアネートインデックスが上述するとおり90以上113以下であるとともに、アミン系触媒をポリオール成分100質量部に対し1.0質量部以上2.0質量部以下の範囲で含む態様は好ましい。かかる態様の本発明によれば、低密度化が図られるとともに変色が防止され、かつ、圧縮硬さおよび圧縮残留歪がいずれも良好である軟質ポリウレタンフォームを容易に実現することができる。より具体的には、かかる態様であれば、密度が20kg/m3以上40kg/m3以下であり、変色が防止され、かつJIS K6400−4(2004)に規定される50%圧縮残留歪(%)が10%以下であり、JIS K6400−2(2012)に規定される25%圧縮硬さ(N)が40N以下である軟質ポリウレタンフォームを提供することが可能である。
本発明における軟質ポリウレタンフォームには、アミン触媒以外の触媒が用いられてもよい。アミン触媒以外の触媒としては、たとえば、酢酸カリウム、オクチル酸スズ、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、またはジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩などの有機金属化合物等が挙げられる。ウレタン化反応において、アミン触媒とは異なる触媒機構を示す触媒である有機金属化合物を用いることで、ウレタン化反応が良好に促進されるため好ましい。発泡剤として塩化メチレンを用いた場合、当該塩化メチレンと触媒である有機金属化合物とが反応して変色作用が生じ、得られる軟質ポリウレタンフォームの変色の原因の1つになると考えられた。これに対し、本発明では発泡剤として塩化メチレンを用いず水と液化炭酸ガスを用いることで、有機金属化合物の反応による変色を回避することができる。
アミン触媒と併用される有機金属化合物である触媒の配合量は特に限定されない。ポリオール成分100質量部に対する有機金属化合物である触媒の配合量は、軟質ポリウレタンフォームの亀裂の発生を防止するという観点からは0.04質量部以上であることが好ましく、また、軟質ポリウレタンフォームにおける独立気泡の形成を防止するという観点からは、0.15質量部以下であることが好ましい。本発明ではアミン触媒を上述に示すとおり多く配合することが好ましいため、これに伴い、全体のバランスを図る上でも、有機金属化合物である触媒の上記配合量は、0.04質量部以上0.15質量部以下であることが好ましい。
(軟質ポリウレタンフォームの物性)
以下に、本発明の軟質ポリウレタンフォームに関する物性について、測定方法と好ましい範囲について説明する。下記示す物性の測定方法は、後述する実施例において適宜参照される。
反発弾性:
本発明における反発弾性とは、軟質ポリウレタンフォームの反発性を示す指標となる。本発明の軟質ポリウレタンフォームは、低反発性であり、具体的には、JIS K6400−3(2011)に準じて測定される反発弾性(%)が15%未満である。本発明において、反発弾性は、15%未満であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。反発弾性の下限は特に限定されないが、1%以上であることが好ましく、3%以上であることがより好ましい。反発弾性が10%以下である軟質ポリウレタンフォームは、感触が非常に良好で、衝撃吸収に優れるとともに、マットやクッションに用いた場合には、体圧の分散性が良好であるため、体に対する局部的な圧迫が小さい。本発明の軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性を10%以下と非常に小さく調整することが可能である。かかる理由は明らかではないが、発泡剤として水とともに液化炭酸ガスを用いるとともに、触媒としてアミン触媒を好ましい範囲で含むことで、非常に小さい反発弾性を実現可能としたものと推察される。
密度:
本発明において、密度(kg/m3)は、JIS K7222(2005)に準じて測定される。本発明は軟質ポリウレタンフォームの低密度化を図るという観点から、当該密度は、40kg/m3以下であることが好ましく、36kg/m3以下であることがより好ましく、35kg/m3以下であることがさらに好ましい。また密度の下限は、特に限定されないが、適度な50%圧縮残留歪が得られ易いという観点から、20kg/m3以上であることが好ましい。
変色評価:
本発明における変色とは、作製された軟質ポリウレタンフォームの外側表面において、目視で観察される程度に、本来の軟質ポリウレタンフォームの色とは異なる色が確認されることをいう。作製された軟質ポリウレタンフォームの外面を目視にて観察し、以下の通り評価した。
全体的に白色であり変色が確認されなかった・・・・・○
部分的に非白色の箇所が散見され変色が生じたことが確認された・・・・・×
圧縮残留歪:
本発明における圧縮残留歪は、JIS K6400−4(2004)に準じ、圧縮する比率を50%に変更して測定された50%圧縮残留歪(%)を指す。本発明において、50%圧縮残留歪(%)は、10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
圧縮硬さ:
本発明における圧縮硬さは、JIS K6400−2(2012)に準じて測定される25%圧縮硬さ(N)である。本発明の軟質ポリウレタンフォームは、良好な柔軟性を有するという観点からは、25%圧縮硬さ(N)が、40N以下であることが好ましく、35N以下であることがより好ましく、28N以下であることがさらに好ましい。ただし、柔軟すぎると底付きする可能性があるため、用途に応じて適宜調整される。
引張強さ:
本発明における引張強さ(kPa)は、JIS K6400−5(2004)に準じて測定される。本発明において、引張強さ(kPa)は、特に限定されないが、適度な強度の確保という観点からは、40kPa以上であることが好ましく、45kPa以上であることがより好ましい。一方、引張強さの上限は特に限定されず、軟質ポリウレタンフォームの用途に応じて適宜調整される。
表1に示す原料およびその配合量にて、スラブ法により各実施例および比較例を作製した。具体的には、表1に示した原料を混合して混合物を調製し、常温(22℃±1℃)にてミキサーで3500回転/分の回転数で数秒混合した後、上記混合物を所定の容器に注入し、反応および発泡させることによって軟質ポリウレタンフォームを作製した。尚、発泡剤である液化炭酸ガスは、圧力6MPa、温度−12℃以下で液化状態とし、この状態で原料であるポリエーテルポリオールに溶解させて用いた。
各原料の詳細は以下の通りである。
ポリオールA:水酸基価55.9mgKOH/g、数平均分子量3000、官能基3、ポリエーテルポリオール(アクトコールT−3000、三井化学SKCポリウレタン株式会社製)
ポリオールB:水酸基価240mgKOH/g、数平均分子量700、グリセロール・プロピレンオキシドポリマー、官能基3(VORANOL2070、ダウ・ケミカル日本社製)
イソシアネート:トリレンジイソシアネート(三井化学SKCポリウレタン株式会社製)
アミン触媒1:トリエチレンジアミン(TEDA−L33、東ソー株式会社製)
アミン触媒2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ETS、東ソー株式会社製)
有機金属触媒:オクチル酸スズ(ネオスタンスU−28、日東化成株式会社)
発泡剤:水、塩化メチレン、液化炭酸ガス
酸化防止剤:亜リン酸エステル(JPE-13R、城北化学工業株式会社)
製泡剤:ポリアルキレンオキシド−メチルシロキサン共重合体(L−626、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)
以上のとおり作製した各実施例および比較例である軟質ポリウレタンフォームの物性について、反発弾性(%)、密度(kg/cm3)、変色評価、50%圧縮残留歪、25%圧縮硬さ(N)、引張強さ(KPa)の測定を行った。評価方法および測定方法は、上述で述べた方法に倣った。結果は、表1に示した。
表1に示すとおり、各実施例および比較例は、ポリオール成分としてポリオールAおよびポリオールBを用いたことから、いずれも反発弾性(%)が15%未満であって、低反発ウレタンフォームが作製されたことが確認された。
また、発泡剤として、水および液化炭酸ガス、または水および塩化メチレンを用いたことから低密度化が図られ、いずれも密度が40kg/m3以下であった。
発泡剤として塩化メチレンを含む比較例1、2は、変色評価において変色が確認されたが、発泡剤として液化炭酸ガスを含む各実施例は、いずれも変色が防止された。また各実施例および比較例は、50%圧縮残留歪(%)および25%圧縮硬さ(N)のいずれもが良好な値を示したが、中でも実施例は、いずれも50%圧縮残留歪(%)が7%以下であり、かつ25%圧縮硬さ(N)は35N以下であり、バランスのとれた優れた物性が示された。
イソシアネートインデックスが同じであり、かつアミン触媒の使用量が異なる実施例3と実施例7、または比較例1と比較例2とを比較すると、いずれもアミン触媒の配合量が多い方が、25%圧縮硬さが小さい傾向にあった。このことからアミン触媒が軟質ポリウレタンフォームの柔軟性に影響を及ぼしていることが推察された。
また、各実施例において、イソシアネートインデックスが増加することにより、圧縮硬さ(N)及び引張強さも大きくなる傾向にあることが確認された。
Figure 2018197278
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、
反発弾性が15%未満であり、
前記ポリオール成分が、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含み、
前記発泡剤が、液化炭酸ガスおよび水を含むことを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
(2)前記ポリオールAの数平均分子量が1000以上5000未満の範囲であり、前記ポリオールBの数平均分子量が500以上1000以下の範囲であり、
ポリオールA100質量部に対し、前記ポリオールBが30質量部以上100質量部以下の範囲で含まれる上記(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(3)前記ポリオール成分100質量部に対し、前記液化炭素ガスが1.5質量部以上2.5質量部以下の範囲で含まれるとともに、前記水が1.3質量部以上2.0質量部以下の範囲で含まれる上記(1)または(2)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(4)前記触媒として、アミン系触媒を前記ポリオール成分100質量部に対し1.0質量部以上2.0質量部以下の範囲で含む上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(5)イソシアネートインデックスが、90以上113以下である上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(6)ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、および触媒の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
前記ポリオール成分が、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含み、
前記発泡剤が、液化炭酸ガスおよび水を含むことを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム製造方法。

Claims (5)

  1. ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、
    反発弾性が15%未満であり、
    前記ポリオール成分が、水酸基価50mgKOH/g以上60mgKOH/gであるポリオールA、および水酸基価225mgKOH/g以上500mgKOH/gのポリオールBを含み、
    前記発泡剤が、液化炭酸ガスおよび水を含むことを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリオールAの数平均分子量が1000以上5000未満の範囲であり、前記ポリオールBの数平均分子量が500以上1000以下の範囲であり、
    ポリオールA100質量部に対し、前記ポリオールBが30質量部以上100質量部以下の範囲で含まれる請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. 前記ポリオール成分100質量部に対し、前記液化炭素ガスが1.5質量部以上2.5質量部以下の範囲で含まれるとともに、前記水が1.3質量部以上2.0質量部以下の範囲で含まれる請求項1または2に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 前記触媒として、アミン系触媒を前記ポリオール成分100質量部に対し1.0質量部以上2.0質量部以下の範囲で含む請求項1から3のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  5. イソシアネートインデックスが、90以上113以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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