JP6903993B2 - 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物、及び該組成物から得られる軟質ポリウレタンフォームに関するものである。
古くより自動車のシートクッション用軟質ポリウレタンフォーム(以下、軟質フォームとも言う)は、安全性の観点から長時間の乗車でも厚み減少による運転者の視点変化が少なくなるよう高い耐久性が要求されている。一方で、昨今のシートクッションでは、路面から伝わる振動を軽減するため、フォームの反発弾性率を低く抑え、また、コスト低減の観点からフォーム密度を可能な限り低くすることが求められている。しかしながら、これら低反発化、低密度化は、フォーム耐久性を著しく悪化させることが知られており、耐久性と乗り心地性、経済性を両立させる技術の確立が求められてきた。
ポリイソシアネート成分には大きく分けてトリレンジイソシアネート(以下TDIとも言う。)とポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(以下p−MDIとも言う。)との混合物を主成分とするTDI系とジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIとも言う。)とp−MDIとの混合物を主成分とするMDI系が存在する。TDI系は、イソシアネート基含有率が高く、水との反応による単位重量当たりの炭酸ガス発生量が多いことから、水の配合量を然程増やさずに低密度化が可能である。単位重量当りのイソシアネート基含有率(以下NCO含量とも言う。)が高いことから水素結合性が高く、伸びや破断時強度等の機械物性に優れる。しかし原料としてのTDIは蒸気圧が高く、毒性も強いため軟質ポリウレタンフォーム製造場所の作業環境を悪化させやすい。また、得られる軟質ポリウレタンフォームは耐久性が低いという問題がある。さらにTDIを使用したウレタンフォームでは、フォームのスキン層とコア層との密度差が大きく、同じ25%圧縮硬さ、ヒステリシスロス率のフォームであっても表面触感が固く、乗り心地性能に劣る。
一方、TDI系軟質ポリウレタンフォームに比較し、一般的に反発弾性率が低いMDI系軟質フォームは、高密度領域で振動吸収性と耐久性の両立が比較的容易である。しかし、TDIに比べNCO含量が低いMDI系イソシアネートでは、密度低減のために大量の水を配合する必要が有り、昨今シートクッションに要求される55kg/m未満の低密度領域では、イソシアネートと水との反応により生成する剛直なウレア結合の増加で樹脂の変形からの復元性が減少し、耐久性が悪化すると共にMDI系軟質ポリウレタンフォームの特徴である良好な質感が失われるという問題があった。
特許文献1にはMDIにオキシエチレンユニットを有するポリエーテルポリオールを反応させ耐久性を改良する方法が開示されている。しかし、この方法を用いたMDI系軟質ポリウレタンフォームでは圧縮永久歪等の耐久性は向上するが破断時強度、引裂き強度、フォームの伸び率といった機械物性が悪化する。
特許文献2にはMDIに脂肪族、または芳香族アルコールを反応させ機械物性を向上させる方法が記載されているが、この方法で得られたMDI系軟質ポリウレタンフォームは耐久性に劣る。上記したようにMDI系軟質ポリウレタンフォームの機械物性と圧縮永久歪等の耐久性は相反する性質をもつ。
特表平10−501830号公報 特開平11−217420号公報
本発明は、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、55kg/m未満の低密度領域においても高い機械物性と低い湿熱圧縮永久歪を実現する軟質ポリウレタンフォーム製造用イソシアネート組成物、及びこのイソシアネート組成物を使用した高振動吸収性、高機械物性、高耐久性を有する軟質フォーム、さらにはこの軟質フォームを使用した、良好な乗り心地性と高い安全性を両立する車両用シートクッション、シートバック及びサドルの提供を目的とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、MDIと、特定のポリオキシアルキレンポリオールとからなるアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物により解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(5)の実施形態を含むものである。
(1)ジフェニルメタンジイソシアネートと、ポリオキシアルキレンポリオール(A)とのアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物であって、
ポリオキシアルキレンポリオール(A)の水酸基価が25〜120mgKOH/gであり、且つオキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットの重量比が30/70〜100/0であること、及び
ポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量が20〜32重量%の範囲であること
を特徴とするポリイソシアネート組成物。
(2)ジフェニルメタンジイソシアネートが、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものであり、ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計含有量が10〜50重量%であることを特徴とする上記(1)に記載のポリイソシアネート組成物。
(3)ポリオキシアルキレンポリオール(A)の平均公称ヒドロキシル官能価が1.7〜2.4であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリイソシアネート組成物。
(4)ポリオール(C)、触媒(D)、発泡剤(E)及び整泡剤(F)と、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物との混合液を反応させて発泡させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(5)軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度が50〜70kg/mであり、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜300N/314cmの範囲であり、反発弾性率が23〜53%であり、機械的物性としての伸びが90〜170%、引裂き強度が5〜10N/cmであり、湿熱圧縮永久歪が9%以下であること、
を特徴とする上記(4)に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム用のイソシアネート組成物を含有する軟質ポリウレタンフォーム成形用組成物によれば、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、低密度領域においても低い湿熱圧縮永久歪を有し、高機械物性を有することによる成形品の破断防止を実現する軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
先ず、本発明のポリイソシアネート組成物について説明する。本発明のポリイソシアネート組成物は、MDIとポリオキシアルキレンポリオール(A)とのアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物であって、ポリオキシアルキレンポリオール(A)の水酸基価が25〜120mgKOH/gであり、且つオキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットの重量比が30/70〜100/0であること、及びポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量が20〜32重量%の範囲であることを特徴とするポリイソシアネート組成物である。
本発明におけるMDIとしては、市販されているMDIを特に制限なく使用することができるが、2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計含有量(以下アイソマー含有量とも言う。)が、ポリイソシアネート組成物に用いるMDIの総量に対し10〜50重量%であることが好ましく、20〜45重量%であることが更に好ましい。
MDI総量に対する2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計含有量が10重量%未満では、得られるポリイソシアネート組成物の低温での貯蔵安定性が損なわれ、イソシアネートの保管場所や配管、発泡成形機内の常時加温が必要となる他、軟質ポリウレタンフォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊などが発生しやすい。他方、50重量%を超えるとフォーム硬度が低下し、シートクッション、シートバックやサドルとして十分な硬さが確保できない、反応性が低下し、成形サイクルが延長する、フォームの独泡率が高くなり圧縮永久歪が上昇する、などの問題が生じやすい。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール(A)は、水酸基価が25〜120mgKOH/gであり、且つオキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットの重量比が30/70〜100/0であり、好ましくは50/50〜70/30である。オキシプロピレンユニットの重量比が30%未満であると親水性の高いオキシエチレンユニット量が多くなりすぎることにより、発泡剤に水を使用した場合には高親水性のため軟質ポリウレタンフォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊などが発生する原因になる。
また、ポリオキシアルキレンポリオール(A)は、オキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットとの共重合体、オキシプロピレンユニットのみの共重合体、及びオキシエチレンユニットのみの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種を用い、上記の比率となるように調整して使用することができる。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール(A)は、オキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットの重量比、及び水酸基価が上記範囲内であれば良好な軟質ポリウレタンフォーム性能を実現することが可能であるが、中でも平均公称ヒドロキシル官能価が1.7〜2.4、ポリオキシアルキレンポリオール(A)の水酸基価が35〜80mgKOH/gである場合、より優れた軟質ポリウレタンフォームが得られる。
さらに、本発明のポリオキシアルキレンポリオール(A)において、JIS K 1557で規定されるCPR値(controlled polymerization rate)は、10以下であることが好ましく、5以下であることが更に好ましい。CPR値が10を超える場合、イソシアネートのウレタン変性、およびアロファネート変性において、ウレタン化、アロファネート化反応以外のトリマー化反応やダイマー化反応が促進され、合成中のイソシアネートが固化してしまう場合や、イソシアネート粘度が予定外に上昇して実用に耐えないものとなりやすい。
本発明においては、上記したポリオキシアルキレンポリオール(A)によりMDIをアロファネート変性したアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物を用いて軟質ポリウレタンフォームを成形した際、ポリオキシアルキレンポリオールを有するアロファネート基が柔軟な架橋剤として働くこと、また樹脂中におけるアロファネート結合、ウレタン結合やウレア結合間に静電的な相互作用が生じ、擬似架橋構造を取ることにより、反発弾性率が低いフォームであっても低い湿熱圧縮永久歪、高い機械物性、高い耐久性を実現するものである。
本発明に用いることができるアロファネート化触媒としては、従来公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、アセチルアセトン金属錯体、オクチル酸ジルコニウム塩等のカルボン酸塩、ジメチルアミノエトキシエタノール等の3級アミン類等を用いることができる。なお、アロファネート化触媒の使用量は、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオール(A)との合計重量に対して0.0005〜1重量%が好ましく、0.001〜0.1重量%が更に好ましい。
アロファネート化は、ウレタン化と同時に行っても、ウレタン化後に行ってもよい。ウレタン化とアロファネート化とを同時に行う場合、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化後にアロファネート化を行う場合、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。反応終了後は、塩化ベンゾイル、リン酸、リン酸エステル等の反応停止剤を反応系内に加え、30〜100℃で1〜2時間停止反応を行い、アロファネート化反応を停止させる。
上記のようにして得ることができるアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含量は20〜32重量%である。かかるNCO含量が20重量%未満では、イソシアネートと水との反応による二酸化炭素発生量が少なすぎ、低密度領域での成形性を確保することができない。32重量%を超える場合、オキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットを含むアロファネート構造が少なく、本発明の高機械物性を得ることができず、かつ湿熱圧縮永久歪率低減効果を得られない。
次に、本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法について説明する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法としては、前記ポリイソシアネート組成物、ポリオール(C)、触媒(D)、発泡剤としての水(E)、及び整泡剤(F)の混合液の発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させる軟質ポリウレタンモールドフォーム(以下、軟質モールドフォームとも言う)の製造方法が好適に使用できる。
本発明のポリオール(C)としては、軟質ポリウレタンフォームとして優れた性能を発現しやすい、水酸基価20〜40mgKOH/g、平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
水酸基価が40mgKOH/gを超えると軟質ポリウレタンフォームの硬さが高くなりすぎ、柔軟性も低下する恐れがある。他方、20mgKOH/g未満では得られるポリウレタンフォームの硬さが車両の座席用軟質ポリウレタンフォームとしては柔らかすぎ、また、高い粘度による混合不良などが発生しやすい。
水酸基価20〜40mgKOH/g、平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールとしては、例えば数平均分子量700未満の低分子量ポリオール類、低分子量ポリアミン類、低分子量アミノアルコール類等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させて得られるもの等が挙げられる。
前記開始剤としては、例えば水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール類を挙げることができる。また、アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子量アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の低分子量アミノアルコール類等を挙げることができる。
これらの開始剤にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させて得ることができるポリエーテルポリオールは、単独で使用、又は2種以上を併用することができる。ポリエーテルポリオールを2種以上併用する場合は、併用した成分全体として水酸基価20〜40mgKOH/g、及び平均官能基数が2〜4とすることが好ましい。
本発明のポリオール(C)には、硬さの調整を目的として、ポリオール中でビニル系モノマーを通常の方法で重合せしめて製造したポリマーポリオールを併用することができる。このようなポリマーポリオールとしては、前記ポリオール(C)と同様のポリエーテルポリオール中、ラジカル開始剤の存在下でビニル系モノマーを重合させ、安定分散させたものが挙げられる。また、ビニル系モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル、メタアクリレート、アルキルメタアクリレートが挙げられ、中でもアクリロニトリル、スチレンが好ましい。
さらに、ポリオール(C)には、性能を低下させない範囲で例えばポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールを併用することもできる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばアジピン酸、フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のグリコールとから得られるもの等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート等と1,6−ヘキサンジオール等のグリコールとから得られるもの等を挙げることができる。
本発明に使用される触媒(D)としては、従来公知の各種ウレタン化触媒や三量化触媒を用いることができる。このような触媒としては、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型三級アミン又はこれらの有機酸塩、1−メチイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
触媒の種類は、適切なフォームセルの独泡率、生産サイクルを実現できるものであれば特に制限はないが、フォーム臭気などの点からポリオール(C)に対し0.1〜5重量部添加することが好ましい。
本発明に使用される発泡剤(E)は、水が好ましく、水の量はポリオール(C)100重量部に対し2〜15重量部が好ましい。水に加え、液化炭酸ガスをポリオール(C)100重量部に対し6重量部までの範囲で添加し、発泡倍率を高めることも可能である。
本発明に使用される整泡剤(F)は、従来公知の有機珪素系界面活性剤を用いることができ、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327、SZ−1325、SZ−1336、SZ−3601、モメンティブ社製のY−10366、L−5309、エボニック社製B−8724LF2、B−8715LF2、信越化学社製のF−122等が挙げられる。これら整泡剤の量はポリオール(C)100重量部に対し0.1〜3重量部が好ましい。
また、本発明には成形安定性の向上やフォーム硬さの調整を目的としてジエタノールアミンやトリエタノールアミンといった架橋剤を添加することができる。架橋剤の好ましい添加量はポリオール(C)100重量部に対し5重量部までが好ましい。必要以上の架橋剤添加では、強い独泡性を生じたり、架橋密度増大により機械的強度が悪化する傾向にある。
上記の他に、添加剤として、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を使用することができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素基を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度としては、通常30〜80℃、好ましくは45〜65℃である。上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が30℃未満であると、反応速度低下による生産サイクルの延長につながり、一方、80℃より高いと、ポリオールとイソシアネートの反応に対し、水とイソシアネートとの反応が過度に促進されることにより、発泡途中においてフォームの崩壊や、ウレア結合の局所増大による耐久性、フォーム触感が悪化しやすくなる。
上記発泡原液を発泡硬化させる際の硬化時間としては、一般的な車両用シートパッド、サドルなどの生産サイクルを考慮すると10分以下が好ましく、7分以下がより好ましい。
本発明の軟質モールドフォームを製造するに際しては、通常の軟質モールドフォームの場合と同様、高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて、上記各成分を混合することができる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は、原料の貯蔵安定性や反応性の経時変化に影響を与えない範囲でポリイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することができる。それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留した後、必要量を適宜使用してもよい。混合部に2成分を超える成分を同時に導入可能な構造を有する発泡装置の場合、ポリオール、発泡剤、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤、添加剤などを個別に混合部に導入することもできる。
また、混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。物理発泡剤等のガス状成分と液状成分との混合はスタティックミキシングで、液体として安定に貯留可能な成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。本発明に使用される発泡装置は、混合部の溶剤洗浄が必要のない高圧発泡装置であることが好ましい。
このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後脱型が行われる。
上記脱型を円滑に行うため、金型に予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよい。
脱型後の製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮下又は、減圧下でフォームのセル膜を破壊し、以降の製品外観、寸法を安定化させることが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基と、水を含むイソシアネート反応性化合物中の全イソシアネート反応性基との混合発泡時におけるモル比(NCO/NCO反応性基)は、0.7〜1.4(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=70〜140)であることが好ましく、フォームの耐久性や成形サイクルを考慮すると0.8〜1.3(NCO INDEX=80〜130)がより好ましい。
イソシアネートインデックスが70未満では耐久性の低下や独泡性が過度に上昇しやすく、140を超える場合は未反応イソシアネートが長く残存することによる成形サイクルの延長、高分子量化の遅延によるフォーム発泡途中でのセル崩壊などが生じやすい。
本発明のポリイソシアネート組成物を用いることにより、JIS K6400の方法で測定される見掛け密度が50〜70kg/m、かつJIS K6400記載のB法で測定されるスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜300N/314cmであって、機械物性はJISK6400記載の方法で測定される伸びが90〜170%、引裂き強度が5〜10N/cmであり、JIS K6400記載の反発弾性率が23〜53%、JIS K6400記載の湿熱圧縮永久歪が9%以下の軟質ポリウレタンフォームを好適に得ることができる。
このような軟質ポリウレタンフォームを使用することにより、良好な乗り心地性と視点安定性を確保した高い安全性を両立する車両用シートクッション、シートバック及びサドル等に好ましく用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、文中の「部」、「%」は重量基準である。
<ポリイソシアネート組成物の合成例>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、アイソマー含有量が55.0%のMDI(M1)とアイソマー含有量が1.0%のMDI(M2)を重量比68.5/31.5で混合し、アイソマー含有量が38.0%となるように調整したMDI(M3):750gを仕込み、55℃まで昇温した後、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリオールA−2)を100.0g仕込み、さらにポリオキシアルキレンポリオール(ポリオールA−1)を150.0g仕込み、反応触媒としてアセチルアセトン亜鉛(日本化学産業社製ナーセム亜鉛)を0.07g仕込み、90℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら1.5時間アロファネート化反応を行った。塩化ベンゾイル0.14gを添加しアロファネート化反応を停止させ、室温まで冷却してポリイソシアネート組成物(B1)(NCO含量23.0%)を得た。
同様に表1に記載のアイソマー含有量を調整したMDI(M3〜M6)と表2に記載の各種ポリオキシアルキレンポリオール(A)と、反応触媒とを用いて表3に記載するポリイソシアネート組成物(B1〜B11)を得た。
Figure 0006903993
Figure 0006903993
Figure 0006903993
<ポリオールプレミックスの調製>
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール(C)、触媒(D)、発泡剤(E)としての水、及び整泡剤(F)をそれぞれ、表4に記載した比率で仕込み、均一に混合することでポリオールプレミックス(P)を得た。
<ポリオール(C)>
・ポリオールC1:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=24(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、旭硝子社製 エクセノール 923
・ポリオールC2:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、旭硝子社製 エクセノール 823
・ポリオールC3:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=281(mgKOH/g)のポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業社製 サンニックス GP−600
<触媒(D)>
・触媒D1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TEDA−L33
・触媒D2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー社製TOYOCAT−ET
<発泡剤(E)>
・水(市水)
<整泡剤(F)>
・整泡剤F:シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング社製SZ−1325。
Figure 0006903993
<フォーム成型>
表4に記載した配合比のポリオールプレミックス(P)と合成したポリイソシアネート組成物(B1〜B11)を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックス(P)にポリイソシアネート組成物(B1〜B11)を表5、表6に示すイソシアネートインデックス値となる割合で混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し金型内に注入し軟質フォームを発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングによる破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
[発泡条件]
金型温度:55〜60℃
金型形状:100×300×300mm
金型材質:アルミニウム
キュアー条件:55〜60℃×6分。
<フォーム物性測定>
見掛け密度、引張強さ、伸び、引裂強さ、反発弾性率、湿熱圧縮残留歪は、JIS K6400記載の方法で、圧縮残留歪はJIS K6400記載のA法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さ(25%ILD)は、JIS K6400記載のB法で測定した。
Figure 0006903993
Figure 0006903993
表5に示す結果から明らかなように、本発明の方法によって得られた軟質ポリウレタンフォームは見掛け密度が50〜70kg/m、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜300N/314cmの範囲において、良好な機械物性と耐久性を示すことが確認できた。
表6に示すように比較例1では変性剤分子量が低く、柔軟な架橋剤として働くことができないため、湿熱圧縮歪が9%を超える結果となった。また、比較例2、3のようにポリオキシアルキレンポリオール以外のポリオールを使用した場合も柔軟な架橋点とはならないため湿熱圧縮歪が9%を超える結果となった。比較例4、5のようにポリオキシアルキレンポリオール中のオキシエチレンユニットの重量比が70%を超える場合は、親水性の高いオキシエチレンユニット比率が高い影響で、発泡剤である水との親和性が高くなり軟質フォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊が発生し成形不良となった。比較例6ではアイソマー含有量が低く、軟質フォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊が発生し成形不良となった。
以上の結果から、本発明のポリイソシアネート組成物を用いることにより、軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度が50〜70kg/m、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜300N/314cmの範囲において良好な機械物性と耐久性が高い軟質ウレタンフォームを成型することができるため、良好な乗り心地性と高い安全性を両立する車両用シートクッション、シートバック及びサドルに極めて有用である。

Claims (3)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネートと、ポリオキシアルキレンジオール(A)とのアロファネート変性体を含むポリイソシアネート組成物であって、
    ポリオキシアルキレンジオール(A)の水酸基価が25〜120mgKOH/gであり、且つオキシプロピレンユニットとオキシエチレンユニットの重量比が50/50〜70/30あり、ジフェニルメタンジイソシアネートが、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものであり、ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計含有量が10〜50重量%であること、及び、
    ポリイソシアネート組成物のイソシアネート含量が20〜32重量%の範囲であることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
  2. 請求項に記載のポリイソシアネート組成物、ポリオール(C)、触媒(D)、発泡剤(E)及び整泡剤(F)の混合液を反応させて発泡させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度が50〜70kg/mであり、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜300N/314cmの範囲であり、反発弾性率が23〜53%であり、機械的物性としての伸びが90〜170%、引裂き強度が5〜10N/cmであり、湿熱圧縮永久歪が9%以下であること
    を特徴とする請求項に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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