JP2018193455A - 水性組成物、水性塗料、塗膜、及び塗装製品 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特定量の炭化水素界面活性剤及び特定量のフルオロカーボン界面活性剤を含む組成添加物を添加することにより、塗料の表面張力を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に記載の技術では、塗料を短時間で振とうしたときの泡立ち性の改良はなされているが、塗料を長時間循環させたときの循環泡立ち性を抑制し、かつ、被覆性と耐候性とを両立する水性組成物が得られていない、という問題を有している。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)と、
シリコーン系界面活性剤(C)と、
溶媒としての水と、
一価のアルコール(D)と、
を、含有し、
固形分量が0.5〜5質量%である、水性組成物。
〔2〕
重合体(A)の水分散体(AD)を、さらに含有する、前記〔1〕に記載の水性組成物。
〔3〕
前記重合体(A)が、
水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体と加水分解性珪素化合物とを重合させた重合体である、前記〔2〕に記載の水性組成物。
〔4〕
前記触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)が、二酸化珪素である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水性組成物。
〔5〕
水性組成物中のアルコール濃度15質量%における静的表面張力が、20〜40mN/mである、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の水性組成物。
〔6〕
光触媒活性を有する無機酸化物(E)を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の水性組成物。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の水性組成物を含有する水性塗料。
〔8〕
前記〔7〕に記載の水性塗料から得られる塗膜。
〔9〕
基材と、当該基材の表面の少なくとも一部に形成された前記〔8〕に記載の塗膜と、を含む、塗装製品。
本実施形態の水性組成物は、
触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)と、
シリコーン系界面活性剤(C)と、
溶媒としての水と、
一価のアルコール(D)と、
を、含有し、固形分量が0.5〜5質量%である。
<重合体(A)の水分散体(AD)>
本実施形態の水性組成物は、耐候性や、耐汚染性の観点から、前記無機酸化物粒子(B)、シリコーン系界面活性剤(C)、水、一価のアルコール(D)に加えてさらに、重合体(A)の水分散体(AD)を含有することが好ましい。
本明細書中、重合体(A)を(A)成分と記載する場合がある。
具体的には、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合のいずれかの重合反応を水性媒体中で行うことにより得られる重合体等が挙げられる。
(A)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル系重合体、エチレン酢酸ビニル系重合体、シリコーン系重合体、フッ素系重合体、ポリブタジエン系重合体、スチレンブタジエン系重合体、NBR系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系重合体、スチレン−無水マレイン酸系重合体等に代表される単独重合体又は共重合体;シリコーン変性(メタ)アクリル系重合体、フッ素−(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル−シリコーン系重合体、エポキシ−(メタ)アクリル系重合体等に代表される変性共重合体が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
これら重合体の好適な態様としてはエマルジョンが挙げられ、例えば、アクリルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン等が挙げられる。これらは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル等の単量体や後述する加水分解性珪素化合物等の乳化重合により得ることができる。
水素結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子が有する官能基(例えば、水酸基、アミノ基、アミド基等)との間の水素結合が挙げられる。
共有結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子が有する水酸基との間での縮合反応(脱水縮合反応)により生じる共有結合が挙げられる。
イオン結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子中のカチオン性基(例えば、アミノ基、イミノ基等)との間のイオン結合が挙げられる。
これらの官能基は、1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
このような化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これにより、塗膜の耐候性向上の効果が得られる。
(A)成分の数平均粒子径が上記範囲であることで、得られる塗膜の耐候性が一層向上する。さらに、数平均粒子径が10nm以上であることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、数平均粒子径が300nm以下であることで、塗膜の透明性が一層向上する。
なお、ここでいう数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の2塩基酸のハーフエステルが挙げられる。カルボキシル基を含有するビニル単量体を用いることによって、(A)成分にカルボキシル基を導入することができる。これにより、エマルジョンとしての安定性を一層向上させ、外部からの分散破壊作用に対する高い抵抗力を塗膜に付与できるものと推測される(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。導入するカルボキシル基は、その一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。上記したビニル単量体の総量におけるカルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、耐水性の観点から、好ましくは0〜50質量%であるが、これに限定されるものではない。
(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上記したビニル単量体の総量における水酸基含有ビニル単量体の割合は、以下に限定されるものではないが、塗膜の耐水性の観点から、好ましくは0〜80質量%であり、より好ましくは0.1〜50質量%である。
上記したビニル単量体の中でも、グリシジル基含有ビニル単量体を使用すると(A)成分の反応性が一層向上する。そのため、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等を用いて架橋させることで、耐溶剤性等が一層優れた塗膜を得ることができる。かかる観点から、上記したビニル単量体の総量における、グリシジル基含有ビニル単量体の使用量の総量は、好ましくは0〜50質量%である。
N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はこれらの塩若しくはこれらのアルキルエステル類;ポリチオール類;ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド等のジスルフィド類;チオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記したビニル単量体の総量に対する連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%である。
SiWxRy ・・・(1)
前記式(1)中、Wは、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数であり、x+y=4の関係を満たす。
Wが複数の場合や、Rが複数の場合は、それぞれのW及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
珪素アルコキシドとしては、加水分解速度の観点から、4官能の珪素アルコキシドが好ましい。
このようなシランカップリング剤を加水分解性珪素化合物として用いることで、加水分解性珪素化合物とビニル単量体の重縮合物等同士を化学的に結合させることができる。これにより、相溶性が一層向上し、塗膜の透明性が一層向上する。
上記の中でも、ビニル重合性基及び/又はチオール基を少なくとも有するシランカップリング剤が好ましく、ビニル重合性基を少なくとも有するシランカップリング剤がより好ましい。
これらの中でも、テトラアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランがより好ましく、加水分解速度が高いという観点から、4官能の珪素アルコキシドであるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがさらに好ましい。
環状シロキサンオリゴマーの併用により、柔軟性等が一層優れた塗膜を得ることができる。
環状シロキサンオリゴマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
(R'2SiO)m ・・・(2)
前記式(2)中、R'は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。mは2以上20以下の整数である。
環状シロキサンオリゴマーの中でも、反応性等の観点から、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
チタンアルコキシドの縮合生成物を用いる場合、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
ジルコニウムアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、当該縮合生成物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
好ましいキレート化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセチルアセトン;アセト酢酸エチル等が挙げられる。
キレート化剤の分子量は、以下に限定されるものではないが、好ましくは1万以下である。
これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物等の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性が一層向上する。
キレート化剤の配合量は、特に限定されないが、配位させる遊離金属イオン1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合であることが好ましい。
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤(反応性乳化剤)が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることで、重合体(A)の水分散安定性が非常に良好になるとともに、得られる塗膜の耐水性も一層向上する。
以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルアリルスルホコハク酸塩(例えば、三洋化成社製、「エレミノール(商標)JS−20」、例えば、花王社製、「ラテムル(商標)S−120」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」等が挙げられる。)、例えば、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、第一工業製薬社製、「アクアロン(商標)HS−10」等が挙げられる。)、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩(例えば、ADEKA社製、「アデカリアソープ(商標)SE−10N」等が挙げられる。)、例えば、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン(例えば、第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」等が挙げられる。)、例えば、スチレンスルホン酸塩(例えば、東ソー有機化学社製、「スピノマー(商標)NaSS」等が挙げられる)、例えば、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩(例えば、ADEKA社製、「アデカリアソープ(商標)SR−1025」等が挙げられる。)、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルの硫酸エステル塩(例えば、花王社製、「ラテムル(商標)PD−104」等が挙げられる。)等が挙げられる。
これらの中でも、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩が好ましい。
ビニル単量体の重合触媒としては、特に限定されないが、熱又は還元性物質等によって自身がラジカル分解することで、ビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましい。
このようなラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられる。これらは水溶性であってもよいし、油溶性であってもよい。
ラジカル重合触媒としては、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
ラジカル重合触媒の配合量は、特に限定されないが、ビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。
なお、重合速度の促進や低温(例えば、70℃以下等)での効率的な重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と併用することが好ましい。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての機能も有する観点から、酸性乳化剤類が好ましい。酸性乳化剤類としては、炭素数5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等)がより好ましい。
乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物は、そのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧〜10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法等が挙げられる。
反応温度及び反応圧力は、反応条件等によっては上記した条件に限定されるものではなく、適宜任意の条件を選択できる。
乳化重合によって得られる乳化物中の固形分量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは1〜55質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。
乳化重合の際に粒子径をより精密に制御したい場合は、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法を採用することが好ましい。この場合の重合系のpHは、特に限定されないが、好ましくは1.0〜10.0であり、より好ましくは1.0〜6.0である。このpHは、燐酸二ナトリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス等)、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することができる。
コア/シェル構造を有することで、得られる塗膜の機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)が一層向上するため好ましい。(A)成分のコア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により行うことができる。
コア/シェル構造を有する(A)成分を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、多段乳化重合が好ましい方法として挙げられる。
ここでいう多段乳化重合とは、ビニル単量体や加水分解性珪素化合物を含有する組成の異なる2種類以上の反応溶液を調製し、これらを別々の段階に分けて重合させる方法である。
多段乳化重合の一例として、2段乳化重合によってコア/シェル構造を有する(A)成分を合成する方法を中心に説明する。
2段乳化重合としては、例えば、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物を重合させてシード粒子を得る工程(第1段)と、得られたシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合する工程(第2段)とを有する方法等が挙げられる。
2段乳化重合による(A)成分の製造は、第1系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給して乳化重合する第1段の重合と、第1段に引き続き、第2系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給し、水性媒体中において更に乳化重合する第2段の重合とからなる2段階の重合工程により行われる。この際、第2系列中の固形分量(M2)に対する第1系列中の固形分量(M1)の質量比((M1)/(M2))は、特に限定されないが、好ましくは9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜2/8である。
このような多段乳化重合を行うことで、粒子径がより均一な重合体粒子を得ることができる。多段乳化重合における原料の添加方法としては、第1段の重合においてシード粒子(コア)を作製し、その後に他の単量体等を追添加する方法等が好ましい。これにより、第1段の重合で得られるシード粒子(コア)の体積平均粒子径/数平均粒子径の比率が変動することなく、第2段の重合で得られる重合体粒子の粒子径を大きくすることも可能となる。
3段以上の多段乳化重合を実施する場合、2段重合と同様にして、重合の段数を増加させればよい。
水性組成物中の(A)成分の含有量を前記範囲とすることで、耐候性や耐汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
また、本実施形態の水性組成物から得られる塗膜中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0〜80.0質量%であり、より好ましくは5.0〜80.0質量%であり、さらに好ましくは20.0〜75.0質量%である。塗膜中の(A)成分の含有量を前記下限値以上とすることで、塗膜の耐候性が一層向上し、前記上限値以下とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上する。
本実施形態の水性組成物は、触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)(本明細書中、(B)成分と記載する場合がある。)を含有する。
触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)は、光触媒活性を有しない無機酸化物の粒子である。
ここでいう光触媒活性を有しないとは、光照射によって、酸化反応及び還元反応のいずれもが起こらないことをいう。
(B)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム及びそれらの複合酸化物等が挙げられる。これらの中でも、表面水酸基が多いという観点から、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及びこれらの複合酸化物が好ましく、二酸化珪素がより好ましい。
コロイダルシリカの製造方法は、特に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法で調製することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al.; Journal of Colloid And Interface Science, vol. 26, pp. 62-69 (1968)や、Rickey D. Badley et al.; Langmuir 6, 792-801 (1990)や、「色材協会誌」、61[9]488−493(1988)等を参照することができる。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス(商標)−OXS」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O−40」、「スノーテックス−OL」及び「スノーテックス−OYL」、旭電化工業社製の「アデライト(商標)AT−20Q」、クラリアントジャパン社製の「クレボゾール(商標)20H12」及び「クレボゾール30CAL25」等が挙げられる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン等の添加により安定化されたコロイダルシリカが挙げられる。これらは市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス−XS」、「スノーテックス−S」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−50」、「スノーテックス−20L」、「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「スノーテックス−NXS」、「スノーテックス−NS」、「スノーテックス−N」、「スノーテックス−N40」、「スノーテックス−CXS」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−CM」、「スノーテックス−PS−S」及び「スノーテックスPS−M」;旭電化工業社製の「アデライトAT−20」、「アデライトAT−30」、「アデライトAT−20N」、「アデライトAT−30N」、「アデライトAT−20A」、「アデライトAT−30A」、「アデライトAT−40」、及び「アデライトAT−50」;クラリアントジャパン社製の「クレボゾール30R9」、「クレボゾール30R50」、「クレボゾール50R50」、デュポン社製の「ルドックス(商標)HS−40」、「ルドックスHS−30」、「ルドックスLS」、及び「ルドックスSM−30」等が挙げられる。
さらに、少量成分として、アルミナやアルミン酸ナトリウム等を含んでいてもよい。
また、コロイダルシリカは、安定剤として、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)を含んでいてもよい。
本実施形態の水性組成物から得られる塗膜中の(B)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5.0〜99.9質量%であり、より好ましくは5.0〜80.0質量%であり、さらに好ましくは10.0〜60.0質量%である。塗膜中の(B)成分の含有量を前記下限値以上とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、前記上限値以下とすることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
本実施形態の水性組成物は、シリコーン系界面活性剤(C)(本明細書中、(C)成分と記載する場合がある。)を含有する。これにより、本実施形態の水性組成物やこれを含む水性塗料を用いて塗装する際における、有機基材等への濡れ性が向上し、はじき等の外観上のトラブルを抑制し、塗膜の均一性も一層向上し、さらには、循環泡立ち性を一定レベル以下に抑えることができる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態の水性組成物から得られる塗膜中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20.0質量%であり、より好ましくは0.5〜15.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%である。(C)成分の含有量を前記下限値以上とすることで、塗膜の均一性が一層向上し、前記上限値以下とすることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
本実施形態の水性組成物は、一価のアルコール(D)(本明細書中、(D)成分と記載する場合がある。)を含有する。
一価のアルコール(D)としては、特に限定されないが、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキサンアルコール、ヘプタンアルコール、オクタンアルコール、2エチルヘキサンアルコールなどが挙げられる。中でも、揮発性、臭気、濡れ性、及び安全性の観点から、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが好ましい。
これらの一価のアルコールは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態の水性組成物における一価のアルコールの含有量は特に限定されないが、好ましくは1.0〜50.0質量%であり、より好ましくは5.0〜40.0質量%であり、さらに好ましくは10.0〜35.0質量%である。
(D)成分の含有量を、前記下限以上とすることで、被覆性と乾燥性が一層向上する。(D)成分の含有量を前記上限値以下とすることで、安全性や塗料の保存安定性が一層向上する。
本実施形態の水性組成物は、光触媒活性を有する無機酸化物粒子(E)(本明細書中、(E)成分と記載する場合がある。)を、さらに含有することが好ましい。これにより、塗膜に光が照射されることで光触媒活性や親水性を発現させることができる。
(E)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、TiO2、ZnO、SrTiO3、BaTiO3、BaTiO4、BaTi4O9、K2NbO3、Nb2O5、Fe2O3、Ta2O5、K3Ta3Si2O3、WO3、SnO2、Bi2O3、BiVO4、NiO、Cu2O、RuO2、CeO2;、Ti、Nb、Ta、及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−074452号公報、特開平02−172535号公報、特開平07−024329号公報、特開平08−089799号公報、特開平08−089800号公報、特開平08−089804号公報、特開平08−198061号公報、特開平09−248465号公報、特開平10−099694号公報、特開平10−244165号公報等)が挙げられる。
珪素化合物としては、特に限定されず、例えば、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩を用いることができる。これらの中でも、無色であり、酸化チタンゾルが着色しないという観点から、ケイ酸ナトリウムが好ましい。
珪素の含水酸化物の処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。処理量が上記下限値以上であることで、活性酸素種量の増加を抑えることができるので下地塗膜の損傷を防ぐことができる。また、処理量が上記上限値以下であることで、酸化チタンの凝集を抑制し、ゾルの粘度上昇も抑制できるので、分散性や透明性が一層向上する。
また、本実施形態の水性組成物から得られる塗膜中の(E)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは3.0〜40.0質量%であり、より好ましくは3.0〜30.0質量%であり、さらに好ましくは5.0〜25.0質量%である。塗膜中の(E)成分の含有量を前記下限値以上とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、前記上限値以下とすることで、塗膜の透明性が一層向上する。
本実施形態の水性組成物中の固形分の含有量(固形分量)は、0.5〜5.0質量%である。好ましくは0.7〜5.0質量%であり、より好ましくは1.2〜4.5質量%である。
水性組成物中の固形分の含有量を前記下限値以上とすることで、塗膜の均一性と耐汚染性が一層向上する。水性組成物中の固形分の含有量を前記上限値以下とすることで、透明性と耐候性が一層向上する。
ここでいう固形分量は、後述する実施例に記載の方法によって求めることができる。
さらに、塗膜の用途によっては、塗膜の膜厚が薄いことも要求される場合がある。そのような場合であっても、水性組成物中の固形分量が前記上限値以下であることにより、薄い膜厚でありながら、耐候性や耐汚染性といった物性に優れた塗膜とすることができる。水性組成物中の固形分量が前記下限値以上とすることで、塗膜形成時に要する乾燥時間を短縮することが可能となり、作業効率を一層向上させることができる。
本実施形態の水性組成物中の固形分の含有量は、溶媒としての水と一価のアルコールの添加量により、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態の水性組成物は、その効果が得られる範囲内において、必要に応じて、上記以外の他の成分をさらに含有してもよい。
このようなその他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、消泡剤、退色性色素、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、防錆剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の水性組成物は、塗料の循環泡立ち性と被覆性の観点から、アルコール濃度15質量%における静的表面張力が、20~40mN/mであることが好ましい。
より好ましくは、20~35mN/mであり、さらに好ましくは、22~32mN/mである。
アルコール濃度15質量%における静的表面張力は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
水性組成物の静的表面張力は、シリコーン界面活性剤(C)により、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態の水性塗料は、上述した本実施形態の水性組成物を含有する。
本実施形態の水性塗料は、本実施形態の水性組成物を単独で用いてもよく、その他任意の添加剤や溶剤を配合してもよい。
水性塗料は、その用途や塗布対象の材料等に応じて、適宜好適な方法で塗布することができる。
塗布方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、手動によるスプレー吹き付け法、ラインでの自動によるスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。
このように、本実施形態の水性組成物を含有する水性塗料により塗膜が得られる。
この塗膜は、水性組成物から得られるものであり、例えば、上記した水性組成物を各種基材の表面に塗布して乾燥させることにより、基材上に形成された塗膜とすることもできる。
本実施形態の塗装製品は、基材と、基材の表面の少なくとも一部に形成された前記塗膜と、を含む。
基材は、その表面に塗膜が形成可能なものであれば特に限定されず、有機基材、無機基材のいずれでもよいが、有機基材が好ましい。
基材の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート、窯業系サイディング等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
具体的には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等が挙げられる。
天然樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、セルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂等が挙げられる。
基材が上記した合成樹脂や天然樹脂等を用いた樹脂製の基材である場合、必要に応じて、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
実施例及び比較例において、各種物性を下記の方法で測定した。
外壁材(窯業系サイディング;単色塗装の上にクリアー層を施したもの;水接触角82°;濃色(茶色):明度L*=31;淡色(ベージュ):L*=68 )
試料2gをアルミ皿にとり、130℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分量(質量%)を算出した。
〔水性組成物中の固形分量〕
試料2gをアルミ皿にとり、130℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分量(質量%)を算出した。
〔水性組成物中の組成及び塗膜の組成〕
各成分の固形分量を〔各成分の含有量、及び固形分量〕に準拠して測定した。実施例に記載の配合量と固形分量から、水性組成物中の組成及び塗膜の組成を算出した。
重合体(A)または光触媒活性を有する無機酸化物(E)にローディングインデックスが1.5〜3.0となるようにイオン交換水を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて測定した。
測定条件を以下に示す。
・ローディングインデックス:1.5〜3.0
・測定時間:60秒
・測定回数:3回
実施例及び比較例で得られた水性組成物の、アルコール濃度15質量%における静的表面張力を、協和界面科学社製自動表面張力計「CBVP−Z」を用いて、測定子白金プレート(ウィルヘルミー法)、液温度23℃の測定条件で測定した。
(循環泡立ち性)
循環泡立ち性として、水性組成物の循環30分後の泡立ち倍率を以下のようにして求めた。
泡立ち倍率が小さいほど、循環泡立ち性に優れていると評価した。
水性組成物(300mL)を直径13.5cm、高さ15cmの目盛付ステンレス容器(容量2L)に入れ、循環ポンプにて液面からの高さ20cmから、吐出量230g/分で液を滴下・循環した。
循環泡立ち性=(30分循環後の、発生した泡を含む水性組成物の体積/循環前の水性組成物の体積(300mL))
2倍:泡立ち倍率が2倍以上3倍未満
3倍:泡立ち倍率が3倍以上4倍未満
4倍:泡立ち倍率が4倍以上5倍未満
5倍:泡立ち倍率が5倍以上6倍未満
6倍以上:泡立ち倍率が6倍以上
振とう泡立ち性として、水性組成物の発泡倍率を以下のようにして求めた。
発泡倍数が小さいほど、振とう泡立ち性に優れていると評価した。
操作A:実施例及び比較例で得られた水性組成物(30mL)を250mLのメスシリンダーに入れて密閉し、上下を逆転させる工程を10回繰り返した。
発泡倍数=(操作Aを行った後の、発生した泡を含む水性組成物の体積/操作Aを行う前の水性組成物の体積(30mL))
2倍未満:発泡倍数が2倍未満
2倍:発泡倍数が2倍以上3倍未満
3倍:発泡倍数が3倍以上4倍未満
4倍:発泡倍数が4倍以上5倍未満
5倍:発泡倍数が5倍以上
実施例及び比較例において淡色基材を用いて得られた塗膜の表面を、走査型電子顕微鏡(日本電子製;JSM−6390LV)の反射電子立体像(加速電圧10kV、倍率500倍)にて撮影した。
得られた画像を画像解析専用ソフトウェア(旭化成エンジニアリング社製;「A像くん」)にて、水性組成物から得られた塗膜で覆われた部分と水性組成物から得られた塗膜の無い部分とに2値化し、水性組成物から得られた塗膜で覆われた部分の面積率を求めた。
面積率の値が大きいほど、被覆性が良好であることを示す。
被覆性の度合いを、以下の基準に応じて評価した。
◎ : 面積率90%以上
○ : 面積率75%以上
△ : 面積率60%以上
× : 面積率60%未満
JISK5600塗料一般試験方法隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)に、水性組成物の塗付量が33g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した試験紙を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。
塗装前後の色差をBYKガードナー社製「カラーガイド」を用いて測定した。
色差3.0以下であれば濃色下地での色差変化が少なく良好であることを示す。
好ましくは2.0未満である。
さらに、試験板に、局所的な白色ムラの発生があるかを、目視で確認した。
局所的な白色ムラがないほど、好ましい。
上記のように、色差と目視の確認の結果を以下の基準に応じて評価した。
◎ : 色差2.0未満で、かつ、局所的な白色ムラが無かった。
○ : 色差2.0以上、3.0以下で、かつ、局所的な白色ムラが無かった。
○〜△: 色差2.0以上、3.0以下で、かつ、局所的に白色ムラが若干見られた。
△ : 色差2.0以上、3.0以下で、かつ、局所的な白色ムラが見られた。
× : 色差3.0超
濃色基材を予め80℃に加熱しておき、水性組成物の塗布量が33g/m2の割合になるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、塗装後30秒での表面の乾き具合を目視で観察し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:ほとんど乾いていた。
△:乾燥ムラが若干あった。
×:液垂れを起こすほどの未乾燥部分があった。
実施例及び比較例で淡色基材を用いて得られた塗膜に対し、スガ試験器製、「サンシャインウェザーメーター」を使用して曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。
曝露2500時間後の60°光沢度を、光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いてそれぞれ測定した。
そして、下記式に基づき、光沢保持率を算出した。
なお、基材のみで評価した結果は、曝露2500時間後の光沢保持率80%であり、これらの値よりも光沢保持率の値が大きい場合、耐候性は良好であることを示す。
光沢保持率(%)=曝露試験後の60°光沢度/曝露試験前の60°光沢度×100
実施例及び比較例で淡色基材を用いて得られた塗膜を、一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに貼り付けて、6ヶ月間又は1年間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に準じて目視で評価した。
なお、基材のみで評価した結果は、6ヶ月間では「△」、1年間では「×」の評価であった。
○:ほとんど汚れが確認されなかった。
△:多少の汚れが確認された。
×:多量の汚れが確認された。
<重合体(A−1)の水分散体(AD−1)の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。
この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン93.9g、フェニルトリメトキシシラン73.0g、メチルトリメトキシシラン29.4gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して4時間攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン12.3g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、過硫酸アンモニウムの2.0質量%水溶液30g、イオン交換水286.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分量を10.0質量%に調整して、数平均粒子径148nmの重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)を得た。
<重合体(A−2)の水分散体(AD−2)の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水560g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液15.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン125.9g、メチルトリメトキシシラン39.4gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液16.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。
フェニルトリメトキシシラン36.8g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.0g、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液146.4g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に維持した状態で、約2時間かけて同時に滴下した。
滴下終了後も反応器中の温度を80℃に維持して、約1時間攪拌を続けた。
室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH1.9であった。25%アンモニア水溶液を反応液に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で反応液を濾過した。
さらに、イオン交換水で固形分量が10.0質量%となるように調整し、数平均粒子径が100nmの重合体(A−2)の水分散体(AD−2)を得た。
<光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)の合成>
シリカ修飾ルチル型酸化チタン
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpHを5〜9に維持しながら、添加した。
その後、反応液のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が28.3質量%である酸化チタン湿ケーキ1を得た。
この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有する微粒子を含有し、その1次粒子の数平均粒子径は8nmであった。
得られた酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。
このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、更に、酸化チタン/硝酸のモル比が1/1となるように1規定の硝酸を添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間維持して、酸加熱処理を行った。酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いてpH6.7に中和し、濾過した。その後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加してリパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散して、pH10.5、固形分量10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mLを添加し、その後90℃に昇温して1時間維持した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面がケイ素の含水酸化物で表面処理された酸化チタンゾルを得た。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去、及び濃縮を行い、pH7.3、固形分量29質量%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。この中性ルチル型酸化チタンゾルは、TiO2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの1次粒子の数平均粒子径は9nmであった。
<光触媒活性を有する無機酸化物(E−2)の合成>
シリカ修飾アナタース型酸化チタン
チタン鉱石を硫酸と反応させて得られた硫酸チタン溶液を加熱加水分解して生成させた凝集メタチタン酸を、TiO2換算で30質量%の水性スラリーとした。
この水性スラリーにアンモニア水を添加してpH7に中和し、その後濾過・洗浄によって硫酸イオンを除去して、脱水ケーキを得た。
得られた脱水ケーキに硝酸を加えることで解膠処理して、アナタース型結晶構造を有する酸化チタン微粒子(1次粒子の数平均粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。
得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算濃度が200g/Lの酸化チタンゾル600mLとした後、70℃に昇温し、SiO2換算濃度が432g/Lであるケイ酸ナトリウム水溶液20.8mLを20%硫酸と同時に添加した。
その後、30分間熟成した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整した後、2%硫酸水溶液でpHを6に調整し、濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定なアナタース型酸化チタンゾル(固形分量20質量%、pH7.5)を得た。
この試料には、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2100質量部に対してSiO2換算で7質量部であった。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)25.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水394.5gを混合し攪拌することにより、固形分量1.1質量%の水性組成物(G−1)を得た。
この水性組成物(G−1)の表面張力は24mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−1)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−1)を得た。
この水性組成物(G−1)、塗膜及び試験板(H−1)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)75.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−2)(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK−348」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)1.0gと、エタノール74.1gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水344.9gを混合し攪拌することにより、固形分量3.0質量%の水性組成物(G−2)を得た。
この水性組成物(G−2)の表面張力は40mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−2)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−2)を得た。
この水性組成物(G−2)、塗膜及び試験板(H−2)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)110.0gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)20.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水289.5gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−3)を得た。
この水性組成物(G−1)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−3)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−3)を得た。
この水性組成物(G−3)、塗膜及び試験板(H−3)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)110.0gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)20.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)20.0gと、エタノール57.0gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水288.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.4質量%の水性組成物(G−4)を得た。
この水性組成物(G−4)の表面張力は28mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−4)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−4)を得た。
この水性組成物(G−4)、塗膜及び試験板(H−4)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)107.25gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)10.15gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)7.75g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水294.35gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−5)を得た。
この水性組成物(G−5)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−5)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−5)を得た。
この水性組成物(G−5)、塗膜及び試験板(H−5)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)107.25gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)12.65gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イソプロピルアルコール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)5.15g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水294.45gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−6)を得た。
この水性組成物(G−6)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−6)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−6)を得た。
この水性組成物(G−6)、塗膜及び試験板(H−6)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)111.75gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)11.65gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)5.15g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水290.95gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−7)を得た。
この水性組成物(G−7)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−7)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−7)を得た。
この水性組成物(G−7)、塗膜及び試験板(H−7)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)90.0gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)18.75gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)7.75g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水303.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−8)を得た。
この水性組成物(G−8)の表面張力は31mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−8)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−8)を得た。
この水性組成物(G−8)、塗膜及び試験板(H−8)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−2)の水分散体(AD−2)35.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)39.0gと、ジルコニア水性ゾル(B−2)(日産化学工業社製;「ナノユースZR−30BS」;固形分量30%)4.5gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)7.95g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水332.55gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−9)を得た。
この水性組成物(G−9)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−9)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−9)を得た。
この水性組成物(G−9)、塗膜及び試験板(H−9)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)67.0gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)7.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール145.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)3.1g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水267.4gを混合し攪拌することにより、固形分量1.9質量%の水性組成物(G−10)を得た。
この水性組成物(G−10)のうち、エタノール75.0gを、イオン交換水75.0gに置き換えて作製した水性組成物(G−10’)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−10)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−10)を得た。
この水性組成物(G−10)、(G−10’)、塗膜及び試験板(H−10)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−1)の水分散体(AD−1)107.25gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)10.15gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−2)7.75g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水294.35gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−11)を得た。
この水性組成物(G−11)の表面張力は30mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−11)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−11)を得た。
この水性組成物(G−11)、塗膜及び試験板(H−11)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)5.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)2.5gと、エタノール72.75gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水414.75gを混合し攪拌することにより、固形分量0.3質量%の水性組成物(G−12)を得た。
この水性組成物(G−12)の表面張力は24mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−12)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−12)を得た。
この水性組成物(G−12)、塗膜及び試験板(H−12)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)150.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めエタノールで10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール70.5gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水269.5gを混合し攪拌することにより、固形分量6.1質量%の水性組成物(G−13)を得た。
この水性組成物(G−13)の表面張力は24mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−13)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−13)を得た。
この水性組成物(G−13)、塗膜及び試験板(H−13)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)75.0gと、エタノール75.0gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水345.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.0質量%の水性組成物(G−14)を得た。
この水性組成物(G−14)の表面張力は41mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−14)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−14)を得た。
この水性組成物(G−14)、塗膜及び試験板(H−14)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)75.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」;固形分量30質量%)1.0gと、エタノール75.0gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水344.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−15)を得た。
この水性組成物(G−15)の表面張力は16mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−15)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−15)を得た。
この水性組成物(G−15)、塗膜及び試験板(H−15)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)75.0gと、炭化水素系界面活性剤(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「ライポンLH−200」;予めイオン交換水で10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、エタノール75.0gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水340.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−16)を得た。
この水性組成物(G−16)の表面張力は38mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−16)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−16)を得た。
この水性組成物(G−16)、塗膜及び試験板(H−16)の各種物性・評価結果を表1に示す。
数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)75.0gと、シリコーン系界面活性剤(C−1)(サンノプコ社製、「SNウエット126」;予めイオン交換水で10.0質量%に希釈したもの)5.0gと、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水415.0gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−17)を得た。
この水性組成物(G−17)の表面張力は24mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−17)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−17)を得た。
この水性組成物(G−17)、塗膜及び試験板(H−17)の各種物性・評価結果を表1に示す。
重合体粒子(A−2)の水分散体(AD−2)35.5gと、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)39.0gと、ジルコニア水性ゾル(B−2)(日産化学工業社製;「ナノユースZR−30BS」;固形分量30%)4.5gと、フルオロカーボン界面活性剤(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」;固形分量30質量%)1.0gと、エタノール75.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(E−1)7.95g(固形分量29質量%)と、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー323」;予め水で1.0質量%に希釈したもの)5.0gと、イオン交換水332.05gを混合し攪拌することにより、固形分量3.1質量%の水性組成物(G−18)を得た。
この水性組成物(G−18)の表面張力は18mN/mであった。
次に、予め板温80℃に熱した15cm×15cmの濃色及び淡色基材に水性組成物(G−18)を塗付量33g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%で48時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(H−18)を得た。
この水性組成物(G−18)、塗膜及び試験板(H−18)の各種物性・評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)と、
シリコーン系界面活性剤(C)と、
溶媒としての水と、
一価のアルコール(D)と、
を、含有し、
固形分量が0.5〜5質量%である、水性組成物。 - 重合体(A)の水分散体(AD)を、さらに含有する、請求項1に記載の水性組成物。
- 前記重合体(A)が、
水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体と加水分解性珪素化合物とを重合させた重合体である、請求項2に記載の水性組成物。 - 前記触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)が、二酸化珪素である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 水性組成物中のアルコール濃度15質量%における静的表面張力が、20〜40mN/mである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 光触媒活性を有する無機酸化物(E)を、さらに含有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水性組成物を含有する水性塗料。
- 請求項7に記載の水性塗料から得られる塗膜。
- 基材と、当該基材の表面の少なくとも一部に形成された請求項8に記載の塗膜と、を含む、塗装製品。
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