JP2018187654A - 注湯システム、注湯システムの制御方法、制御プログラム、及び、制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

注湯システム、注湯システムの制御方法、制御プログラム、及び、制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】取鍋の操作性を向上させる注湯システムの提供。【解決手段】溶湯Mを保持する取鍋12と、取鍋を傾動させる第1のモータ13と、取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータ14と、取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータ15と、取鍋の傾動角度を変更する為の第1の操作と、取鍋の上下方向の位置を調整する為の第2の操作と、湯口31を含む面内の前後方向における溶湯の落下位置を調整する為の第3の操作とを受け付ける操作入力部20と、第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータ15の動作を制御する制御部Cntと、を備え、制御部Cntが、第1の操作の操作量に応じて第1のモータの動作を制御し、第3の操作の操作量に応じて溶湯Mの目標落下位置を設定し、第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量によって定まる落下位置が目標落下位置になる様に、第3のモータの動作を制御する注湯システム1。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、注湯システム、注湯システムの制御方法、制御プログラム、及び、制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
注湯装置の一種として、傾動式の注湯装置が利用されている。傾動式の注湯装置は、一般的に3つのモータを備えており、これら3つのモータが動作することで取鍋の傾動角度、上下方向の位置、及び、前後方向の位置が調整される。取鍋の傾動角度、上下方向の位置及び前後方向の位置を自動的に制御することによって、取鍋から鋳型内に正確に溶湯を注ぐ技術が知られている。
例えば、特許文献1には、取鍋の傾動角度を調整するためのサーボモータの動作量と取鍋から鋳型への注湯流量との関係を表す数理モデルを用いて注湯流量を推定し、推定した注湯流量と目標注湯流量との差異が減少するようにサーボモータを制御することで取鍋から鋳型内に目標流量で注湯する自動注湯装置について記載されている。特許文献2には、目標注湯流量で注湯が行われるようにサーボモータの動作を制御し、サーボモータへの制御指令信号に基づいて鋳型の湯口を含む面内での溶湯の落下位置を推定し、当該落下位置と目標位置とが一致するように3つのサーボモータの動作を制御することで、溶湯を鋳型内に正確に注ぐ自動注湯装置が記載されている。
特開2008−290148号公報 特開2013−188760号公報
特許文献1及び2に記載の装置では、取鍋内の溶湯を自動で鋳型内に注湯しているが、取鍋から鋳型内に手動で溶湯を注ぐことが求められる場合がある。例えば、ティーチングプレーバック方式で注湯装置を自動的に動作させるためには、まず操作者が手動で取鍋を操作することによって注湯流量、落下位置、取鍋の上下方向の位置、取鍋の前後方向の位置といった注湯条件を注湯装置に教示する必要がある。取鍋を手動で操作する際には、3つのモータの動作量を個別に操作することで鋳型内に溶湯を注ぐことが考えられる。しかしながら、注湯流量を変えるために取鍋の傾きを変化させると溶湯の落下位置も変化するし、取鍋の高さ位置を変化させた場合にも溶湯の落下位置は変化する。したがって、注湯条件によっては操作者による3つのモータの操作が複雑になり、操作者が注湯条件に従って鋳型内に溶湯を注ぐことが困難となることがある。
よって、本技術分野では、取鍋の操作性を向上させることが求められている。
一態様では、鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯を注ぐための注湯システムが提供される。この注湯システムは、溶湯を保持する取鍋と、取鍋を傾動させる第1のモータと、取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、取鍋の上下方向の位置を調整するための第2の操作と、湯口を含む面内の前後方向における溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御する制御部と、を備えている。制御部は、第1の操作の操作量に応じて第1のモータの動作を制御し、第3の操作の操作量に応じて溶湯の目標落下位置を設定し、第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量によって定まる落下位置が目標落下位置になるように、第3のモータの動作を制御する。
上記一態様に係る注湯システムでは、第3の操作の操作量に応じて溶湯の目標落下位置が設定され、落下位置が目標落下位置になるように第3のモータの動作が制御されるので、第3の操作によって溶湯の落下位置を独立して調整することができる。また、この注湯システムでは、第1の操作及び第2の操作によって取鍋の傾動角度及び取鍋の上下方向の位置が調整された場合であっても、落下位置が目標落下位置に維持されるように第3のモータの動作が制御されるので、取鍋の傾動角度(注湯流量)及び取鍋の上下方向の位置を独立して調整することができる。したがって、取鍋の操作性を向上させることができる。
一実施形態では、制御部は、第1の操作の操作量が所定の閾値よりも小さい場合には、第1のモータが動作しないようにしてもよい。この実施形態では、傾動角度を変更するときの操作者の手の震え、ノイズ等によって取鍋が動作することが抑制されるので、操作者の意図に沿って取鍋を動作させることができる。
一実施形態では、制御部は、第1の操作の操作量を示す信号値に対してローパスフィルタ処理を行い、ローパスフィルタ処理後の信号値に基づいて第1のモータの動作を制御する。この実施形態では、ローパスフィルタ処理によって、傾動角度を変更するときの操作者の手の震え、ノイズ等に関する信号が除去されるので、操作者の意図に沿って取鍋を動作させることができる。
一実施形態では、制御部は、取鍋の傾動角度が第1の角度よりも小さいときには第1のモードで第1のモータの動作を制御し、取鍋の傾動角度が第1の角度以上且つ第2の角度よりも小さいときには第2のモードで第1のモータの動作を制御し、取鍋の傾動角度が第2の角度以上であるときには第3のモードで第1のモータの動作を制御し、第1の角度は第2の角度よりも小さな角度であり、第2の角度は取鍋からの溶湯の流出が開始される出湯開始角度であり、第1のモードでは、第1の操作の操作量に第1の係数を乗じることによって第1のモータの動作を制御するための指令値を生成し、第2のモードでは、第1の操作の操作量に第1の係数とは異なる第2の係数を乗じることによって第1のモータの動作を制御するための指令値を生成し、第3のモードでは、第1の操作の操作量に応じて溶湯の目標注湯流量を設定し、取鍋からの注湯流量が目標注湯流量になるように第1のモータの動作を制御するための指令値を生成してもよい。
上記実施形態では、第1のモードでは、第1の操作の操作量に第1の係数を乗じることによって生成された指令値に従って第1のモータの動作が制御されるので、操作者は取鍋の傾動角度を直接的に操作することができる。第3のモードでは、第1の操作の操作量に応じて溶湯の目標注湯流量が設定され、取鍋からの注湯流量が目標注湯流量になるように指令値が生成されるので、操作者は注湯流量を直接的に操作することができる。また、上記実施形態では、第1のモードと第3のモードとの間で遷移する間に、第1の操作の操作量に第2の係数を乗じることによって生成された指令値に従って第1のモータの動作が制御される第2のモードが設定されている。上記実施形態では、取鍋の傾動角度に応じて取鍋の動作を変更することができる。
一実施形態では、制御部は、取鍋の傾動角度が第3の角度よりも小さいときには、取鍋の出湯口が湯口の取鍋側の縁部の上方に位置するように第3のモータの動作を制御し、取鍋の傾動角度が第3の角度以上であるときには、落下位置が目標落下位置になるように第3のモータの動作を制御し、第3の角度は、落下位置が湯口の中心位置に達する取鍋の傾動角度であってもよい。
取鍋の傾動角度が出湯開始角度よりも大きくなり、取鍋からの溶湯の流出が開始された直後は注湯流量が急激に大きくなるので、それに伴い取鍋から落下位置までの前後方向の位置も急激に大きくなる。この場合には、溶湯の落下位置を目標落下位置に維持するために取鍋の前後方向の位置が急激に変化する。取鍋の前後方向の位置が急激に変化すると、取鍋内の溶湯の液面が振動し、溶湯の落下位置を精度良く制御することが難しくなる。これに対し、上記実施形態では、溶湯の落下位置が湯口の中心位置に達するまでは取鍋の出湯口が湯口の取鍋側の縁部の上方に維持され、溶湯の落下位置が湯口の中心位置に達した後に溶湯の落下位置が目標落下位置になるように第3のモータの動作を制御されるので、取鍋の前後方向の位置の急激な変化を抑制することができる。
別の一態様では、鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯を注ぐための注湯システムの制御方法が提供される。この注湯システムは、溶湯を保持する取鍋と、取鍋を傾動させる第1のモータと、取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、取鍋の上下方向の位置を調整するための第2の操作と、湯口を含む面内の前後方向における溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御する制御部と、を備えている。方法は、制御部が、第1の操作の操作量に応じて第1のモータの動作を制御する工程と、制御部が、第2の操作の操作量に応じて第2のモータの動作を制御する工程と、制御部が、第3の操作の操作量に応じて溶湯の目標落下位置を設定し、第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量によって定まる落下位置が目標落下位置になるように、第3のモータの動作を制御する工程と、を含む。この方法によれば、取鍋の操作性を向上させることができる。
一実施形態では、操作入力部によって、操作者から第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量を受け付け、受け付けた第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量に基づいて第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御し、鋳型内に溶湯を注ぐ工程と、受け付けた第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量から、溶湯の注湯流量、落下位置、取鍋の前後方向の移動量、及び、取鍋の上下方向の移動量を求め、溶湯の注湯流量、落下位置、取鍋の前後方向の移動量、及び、取鍋の上下方向の移動量をティーチングデータとして取得する工程と、取得されたティーチングデータに基づいて溶湯が自動的に注がれるように第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御する工程と、を含んでもよい。
上記実施形態に係る方法では、操作者によって鋳型内に注湯されたときの溶湯の注湯流量、落下位置、取鍋の前後方向の移動量、及び、取鍋の上下方向の移動量をティーチングデータとして取得し、当該ティーチングデータに基づいて溶湯が自動的に注がれるように第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御しているので、操作者による注湯動作を注湯装置によって再現することができる。
一実施形態では、ティーチングデータに基づいて、溶湯の湯口に対する流入速度、溶湯の湯口に対する流入範囲、及び、湯口に対する溶湯の流入角度を算出する工程を更に含んでもよい。
CAE(Computer aided engineering)解析によって、湯流れ解析を行う場合には、溶湯の湯口に対する流入速度、溶湯の湯口に対する流入範囲、及び、湯口に対する溶湯の流入角度を境界条件として与えることが必要である。上記実施形態では、CAE解析を高精度に行うために有用な情報である溶湯の湯口に対する流入速度、溶湯の湯口に対する流入範囲、及び、湯口に対する溶湯の流入角度を算出することができる。
更に別の一態様では、鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯が注がれるように注湯システムを機能させるための制御プログラムであって、注湯システムは、溶湯を保持する取鍋と、取鍋を傾動させる第1のモータと、取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、取鍋の上下方向の位置を調整するための第2の操作と、湯口を含む面内の前後方向における溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御する制御部と、を備え、制御プログラムは、第1の操作の操作量に応じて第1のモータの動作を制御する工程と、第2の操作の操作量に応じて第2のモータの動作を制御する工程と、第3の操作の操作量に応じて溶湯の目標落下位置を設定し、第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量によって定まる落下位置が目標落下位置になるように、第3のモータの動作を制御する工程と、を制御部に実行させる。
更に別の一態様では、鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯が注がれるように注湯システムを機能させるための制御プログラムを記憶するコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、注湯システムは、溶湯を保持する取鍋と、取鍋を傾動させる第1のモータと、取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、取鍋の上下方向の位置を調整するための第2の操作と、湯口を含む面内の前後方向における溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの動作を制御する制御部と、を備え、制御プログラムは、第1の操作の操作量に応じて第1のモータの動作を制御する工程と、第2の操作の操作量に応じて第2のモータの動作を制御する工程と、第3の操作の操作量に応じて溶湯の目標落下位置を設定し、第1の操作の操作量、第2の操作の操作量及び第3の操作の操作量によって定まる落下位置が目標落下位置になるように、第3のモータの動作を制御する工程と、を制御部に実行させる。
本発明の一側面及び種々の実施形態によれば、取鍋の操作性を向上させることができる。
一実施形態の注湯システムを概略的に示す図である。 一実施形態の注湯システムの機能構成を示すブロック図である。 取鍋の縦断面図である。 取鍋の一部を示す斜視図である。 式(8)従って求められた溶湯の平均流速と実験により測定された溶湯の平均流速との関係を示すグラフである。 溶湯の液面高さを説明するための図である。 出湯口と湯口との位置関係を説明するための図である。 取鍋の同期化制御を説明するための図である。 出湯口と湯口との位置関係を説明するための図である。 ティーチングデータの生成方法を示す図である。 実験結果を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
まず、一実施形態に係る注湯システム1について説明する。図1は、一実施形態に係る注湯システム1を概略的に示す斜視図である。以下では、図1に示すように、後述する搬送装置CDの延在方向をX方向とし、後述する注湯装置の上下方向をZ方向とし、当該注湯装置の前後方向をY方向として説明する。
図1に示すように、注湯システム1は、注湯装置10及び操作入力部20を備えている。注湯装置10は、取鍋12、第1のモータ13、第2のモータ14、第3のモータ15、保持部16、及び、ロードセルLDを備えている。取鍋12は、鋳型30に注湯するための溶湯Mを保持する容器であり、回転軸を介して保持部16に支持されている。取鍋12の側面上部には、出湯ノズル12aが設けられている。出湯ノズル12aの先端部は、出湯口12bを構成している。注湯装置10では、出湯口12bを中心に取鍋12が傾動することにより、出湯口12bから溶湯Mが流出する。
第1のモータ13は、取鍋12の回転軸を回転させ、取鍋12を傾動させるための駆動力を発生する。第2のモータ14は、Z方向に取鍋12を移動させるための駆動力を発生する。第3のモータ15は、Y方向に取鍋12を移動させるための駆動力を発生する。これら第1のモータ13、第2のモータ14及び第3のモータ15は、例えばサーボモータである。また、ロードセルLDは、取鍋12内の溶湯Mの重量を測定する。
操作入力部20は、取鍋12の傾動角度、上下方向の位置及び取鍋12から流出する溶湯Mの落下位置を操作するための装置である。この操作入力部20は、例えば注湯装置10から離れた位置に設けられている。図1に示すように、操作入力部20は、取鍋12の傾動角度、Z方向の位置、及び、溶湯Mの落下位置を操作するためのレバー21を有している。レバー21は、操作者が操舵できるようになっている。具体的には、操作者は、レバー21をその軸回りに回転させることができると共に、上下方向及び左右方向に傾けることができる。レバー21をその軸回りに回転させる第1の操作は、取鍋12の傾動角度を変更するための操作である。また、レバー21を上下方向に傾ける第2の操作は、取鍋12のZ方向の位置を調整するための操作である。レバー21を左右方向に傾ける第3の操作は、取鍋12から流出する溶湯Mの落下位置をY方向に調整するための操作である。操作入力部20は、操作者によって行われた第1の操作、第2の操作及び第3の操作の操作量、即ちレバー21の軸周り方向への回転角度φ、上下方向への傾動角度φ、及び、左右方向への傾動角度φを示す信号を後述する制御部Cntへ送出する。
注湯システム1は、制御部Cntを更に備えている。制御部Cntは、プロセッサ、記憶部等を備えるコンピュータであり、注湯システム1の各部を制御する。制御部Cntは、取鍋12の傾動角度、取鍋12のY方向の位置及び取鍋12のZ方向の位置を第1のモータ13、第2のモータ14及び第3のモータ15に設けられたロータリーエンコーダからそれぞれ取得する。また、制御部Cntは、操作入力部20からレバー21の軸周り方向への回転角度φ、上下方向への傾動角度φ、及び、左右方向への傾動角度φを示す信号を受け、これらの信号に基づいて、取鍋12の傾動角度、取鍋12のZ方向の位置、及び、取鍋12のY方向の位置を制御する。制御部Cntの機能の詳細については後述する。
一実施形態では、注湯装置10の前方には、搬送装置CDが配置され得る。搬送装置CDは、注湯工程において、その上部に配置された鋳型30をX方向に沿って間欠的に搬送する。一実施形態では、搬送装置CDは、X方向に沿って鋳型30を搬送し、X方向において取鍋12の出湯口12bと鋳型30の湯口31とが重なる位置に鋳型30を停止させる。その位置に鋳型30が停止された後に、注湯装置10によって鋳型30内に溶湯Mが注湯される。
以下、図2を参照して注湯システム1の機能構成について説明する。図2は、注湯システム1の機能を示すブロック図を示している。
[数理モデル]
まず、第1のモータ13に対する指令値uから注湯流量qを導出するための数理モデルについて説明する。なお、注湯流量とは、取鍋12の傾動によって取鍋12から流出する溶湯Mの流量を示している。
指令値uから注湯流量qを導出するための数理モデルは、取鍋12が角速度ω[deg/s]で制御されている場合と、角度θ[deg]で制御されている場合とで異なる。ここで、傾動角度θとは、図3に示すように、取鍋12の出湯口12bを中心とした取鍋12の傾動角度を示している。角速度ωとは、単位時間当たりに回転する取鍋12の傾動角度を示している。
まず、取鍋12が角速度ωによって制御されている場合について説明する。制御部Cntが取鍋12を角速度ωで制御している場合には、制御部Cntから第1のモータ13に出力される指令値u[V]に基づいて、注湯流量q[m/s]が取得される。指令値uと取鍋12の角速度ωとの関係は、下記式(1)のように表される。下記式(1)において、T[s]は時定数であり、K[deg/(sV)]はゲイン定数である。
Figure 2018187654
また、傾動角度θと角速度ωとは、下記式(2)に表される関係を有する。
Figure 2018187654
一方、取鍋12が傾動角度θによって制御されている場合には、取鍋12が予め定められた指令角度θ[deg]になるように制御部Cntによって第1のモータ13の動作が制御される。指令角度θと角速度ωとの関係は、下記式(3)のように表される。下記式(3)において、Ktp[deg/(sV)]はゲイン定数である。
Figure 2018187654
制御部Cntからの指令値uに基づいて取鍋12は傾動角度θ又は角速度ωで傾動される。このように取鍋12が傾動されることによって、取鍋12内の溶湯Mが鋳型30内に注がれる注湯プロセスPR1が行われる。注湯プロセスPR1において取鍋12から流出する溶湯Mの流量、即ち注湯流量qは、下記式(4)及び式(5)に従って求められる。
Figure 2018187654
Figure 2018187654
図3に示すように、式(4)のh[m]は出湯口12bの高さ位置を基準とした溶湯Mの液位を表しており、A(θ)[m]は出湯口12bを通る水平面における溶湯Mの断面積を表している。また、V(θ)[m]は出湯口12bを通る水平面よりも低い位置にある溶湯Mの体積を表している。さらに、式(5)のh[m]は、図4に示すように、出湯口12bでの溶湯Mの液面からの深さを表しており、L[m]はhに対応する高さ位置における出湯口12bの幅を表している。また、式(5)のg[m/s]は重力加速度を表している。
次に、注湯流量qに基づいて取鍋12からの溶湯Mの流出重量Wを算出する流出重量算出プロセスPR2について説明する。注湯流量qと流出重量Wとは、下記式(6)に表される関係を有する。式(6)において、ρ[kg/m]は溶湯Mの密度を表している。流出重量Wは、ロードセルLDによって計測される。
Figure 2018187654
ロードセルLDの動作特性は、下記式(7)のように表される。式(7)において、W[kg]はロードセルLDによって計測された溶湯Mの流出重量を表している。式(7)に示すように、計測された流出重量Wは、実際の流出重量Wに対して応答遅れが生じることとなる。
Figure 2018187654
次に、溶湯Mの自由落下プロセスPR3について説明する。自由落下プロセスPR3では、取鍋12の出湯口12bから流出した溶湯MのY方向の落下距離Sが算出される。自由落下プロセスPR3では、落下距離Sを求めるために、出湯口12bから自由落下運動によって落下する溶湯Mの落下軌跡が導出される。溶湯Mの落下軌跡の導出するために、下記式(8)に従って、出湯口12bでの溶湯Mの平均流速v[m/s]が算出される。
Figure 2018187654
式(8)においてA[m]は取鍋12の出湯口12bを通る鉛直断面に沿った溶湯Mの断面積を示している。断面積Aは下記式(9)で表される。
Figure 2018187654
図5は、上記式(8)に基づいて算出された溶湯Mの平均流速vと実験により測定された実際の溶湯Mの平均流速v[m/s]との関係を示すグラフである。図5の横軸は上記式(8)に基づいて算出された溶湯Mの平均流速vを表しており、縦軸は実験で得られた溶湯Mの平均流速vを表している。図5に示すように、溶湯Mの実際の平均流速vは、式(8)によって算出された平均流速v[m/s]よりも速くなる。この結果は、実際に出湯口12bから溶湯Mが流出する場合には、図6に示すように、重力の影響によって、出湯口12b上の溶湯Mの液面高さが、出湯口12bから離れた位置での溶湯Mの液面高さよりも低くなるためであると考えられる。
そこで、溶湯Mの平均流速の理論値が実測値と一致するように、下記式(10)に従って、溶湯Mの平均流速の理論値が補正される。式(10)において、v[m/s]は補正後の平均流速を表しており、α1及びα0はシミュレーションにより得られた平均流速vと平均流速の実測値vと関係を最小二乗法によって近似することにより得られた係数である。図5に示す結果が得られる実施形態では、α1は2.067、α0は−0.275に設定される。
Figure 2018187654
次に、湯口31を含む水平面HP上での溶湯Mの落下位置DPが導出される。図7に示すように取鍋12の出湯口12bと落下位置DPとのY方向における距離をS[m]とすると、出湯口12bから流出した溶湯Mは自由落下運動をするため、距離Sは下記式(11)に従って導出される。式(11)において、S[m]は、取鍋12の出湯口12bと鋳型30の湯口31とのZ方向における距離を表している。
Figure 2018187654
さらに、一実施形態に係る注湯システム1では、取鍋12からの注湯流量qに基づいて、湯口31に対する溶湯Mの流速v、溶湯Mの湯口31上での断面積A(t)、及び、湯口31に対する溶湯Mの流入角度φinが算出されてもよい。溶湯Mの流速vを算出するために、まず下記式(12)に従って、落下位置DPでの溶湯MのZ方向の流速vが求められる。
Figure 2018187654
水平面HP上での溶湯Mの流速vは、下記式(13)に従って求められる。
Figure 2018187654
溶湯Mの流入角度φinは、下記式(14)に従って求められる。
流入角度φinは、落下位置DPを通り、且つ、Z方向に延びる直線と溶湯Mとがなす角度を表している。
Figure 2018187654
断面積A(t)は、下記式(15)に従って求められる。
Figure 2018187654
また、水平面HPにおける溶湯Mの断面の半径r[m]は、下記式(16)に従って求められる。
Figure 2018187654
[制御部の機能構成]
次いで、制御部Cntの機能構成について説明する。制御部Cntは、注湯流量制御部FC1、同期化制御部FC2、落下位置推定部FC3、落下位置操作部FC4、前後位置制御部FC5、上下位置制御部FC6を有している。
[注湯流量制御]
注湯流量制御部FC1は、操作者による操作入力部20の第1の操作の操作量、例えばレバー21の軸周り方向への回転角度φを当該操作入力部20から受け取り、回転角度φに応じて第1のモータ13の動作を制御するための指令値uを生成する。一実施形態では、注湯流量制御部FC1は、下記式(17)に従って第1のモータ13に出力される指令値uを算出し得る。
Figure 2018187654
式(17)に示すように、注湯流量制御部FC1は、回転角度φが角度φ以下である場合には指令値uは0とする。即ち、回転角度φが所定の閾値である角度φ以下である場合には第1のモータ13は動作しない。角度φは、不感帯の幅であり、一実施形態では角度φは5[deg]に設定される。このように、回転角度φに不感帯の領域を設定することで操作者の手の震え、ノイズ等によって取鍋が誤動作することが抑制することが出来、その結果、取鍋の操作性を向上させることができる。
回転角度φが角度φより大きく、且つ、取鍋12の傾動角度θがθ−β(第1の角度)よりも小さい場合には、注湯流量制御部FC1は、第1のモードで第1のモータ13の動作を制御する。ここで、θは取鍋12からの溶湯Mの流出が開始される出湯開始角度であり、βはモード遷移区間の幅を示す定数である。第1のモードでは、ゲイン定数(第1の係数)kf0と回転角度φとを乗じることで指令値uを求める。すなわち、第1のモードでは、指令値uと回転角度φとはゲイン定数kf0を比例定数とする比例関係を有する。ゲイン定数kf0は、操作者が取鍋12の傾動角度θを操作しやすくなるような値に設定される。
回転角度φが角度φより大きい場合であって、取鍋12の傾動角度θがθ−β以上、且つ、θ(第2の角度)よりも小さい場合には、注湯流量制御部FC1は、第2のモードで第1のモータ13の動作を制御する。第2のモードでは、ゲイン定数(第2の係数)kf1と回転角度φとを乗じることで指令値uを求める。すなわち、第2のモードでは、指令値uと回転角度φとはゲイン定数kf1を比例定数とする比例関係を有する。ゲイン定数kf1は、ゲイン定数kf0は異なる値に設定されている。ゲイン定数kf1については、後述する。
回転角度φが角度φより大きく、且つ、取鍋12の傾動角度θがθ以上である場合には、注湯流量制御部FC1は、第3のモードで第1のモータ13の動作を制御する。第3のモードでは、取鍋12からの注湯流量が目標注湯流量になるように、指令値uがフィードバック制御又はフィードフォワード制御される。以下、第3のモードでの制御の一例について説明する。
一実施形態では、注湯流量制御部FC1は、目標注湯流量q(href)で溶湯Mが注湯されるように目標傾動角度速度ωrefを求める。目標注湯流量q(href)と目標傾動角度速度ωrefとは、下記式(18)に表される関係を有する。
Figure 2018187654
注湯プロセスPR1の応答性よりも第1のモータ13の応答性が十分速いとの仮定の下では、下記式(19)に従って、目標傾動角度速度ωrefから指令値uが求められる。
Figure 2018187654
式(18)において、hrefは出湯口12b上の液面高さの目標値を表す目標出湯口液位である。式(5)に示すように、出湯口12b上の液位hと注湯流量qとの間には一対一の関係があるので、出湯口12b上の液位hを変化させることによって注湯流量qを制御することができる。注湯流量制御部FC1は、下記式(20)に従って、回転角度φから目標出湯口液位hrefを求める。式(20)に示すように、回転角度φと目標出湯口液位hrefとの間にはローパスフィルタが設けられる。
Figure 2018187654
式(20)において、ω[rad/s]はローパスフィルタの折点角周波数を示しており、ζは減衰比を示している。kはゲイン定数である。一実施形態では、目標出湯口液位hrefが振動的にならないように減衰比ζを1に設定し、応答性を高くするために折点角周波数ωを5πに設定し得る。また、ゲイン定数kは実験検証を行うことによって操作者が注湯流量を操作しやすくなるような値に設定される。例えば、ゲイン定数kは0.001に設定される。上記の通り、注湯流量制御部FC1は、回転角度φに対してローパスフィルタ処理を行い、ローパスフィルタ処理後の値に基づいて目標出湯口液位hrefを求める。そして、求められた目標出湯口液位hrefに基づいて、第1のモータ13の動作を制御するための目標傾動角度速度ωref及び指令値uを求めている。
第2のモードは、上述した第1のモードと第3のモードとの間の遷移区間として機能する。第2のモードで用いられるゲイン定数kf1は、下記式(21)に従って求められる。
Figure 2018187654
式(21)は、出湯開始角度θでの目標出湯口液位として、href=0、dref/dt=0を式(18)に代入し、式(18)〜式(20)を用いて回転角度φと指令値uとの関係を求めることによって導出することができる。第2のモードでは、取鍋12から溶湯Mの出湯が開始される前にゲイン定数をkf0からkf1に変更することで、注湯流量の操作性が低下することを抑制することができる。一実施形態の注湯システム1では、上述の式(17)〜式(21)に従って、操作入力部20からの第1の操作の操作量、即ち回転角度φに応じて第1のモータの動作が制御される。これにより、操作者は独立して注湯流量を操作することができる。
さらに、一実施形態では、取鍋12の傾動角度θが出湯開始角度θを超え、注湯流量制御部FC1の制御モードが第2のモードから第3のモードに切り替わる際に、式(20)に示すローパスフィルタに式(22)に示すパラメータを与えてもよい。
Figure 2018187654
[落下位置制御]
次に、同期化制御部FC2について説明する。同期化制御部FC2は、取鍋12が傾動するときに、出湯口12bを中心として取鍋12が傾動するように取鍋12のY方向及びZ方向の位置を調整する同期化制御を行う。同期化制御部FC2は、下記式(23)及び式(24)に従って、この同期化制御によるY方向への移動量y[m]及びZ方向への移動量z[m]を求める。
Figure 2018187654
Figure 2018187654
式(23)及び式(24)において、L[m]は、図8に示すように、取鍋12の回転軸AXと取鍋12の傾動中心である出湯口12bとのY方向の距離を表しており、θは注湯動作を開始する前の取鍋12の初期傾動角度を表している。また、γ[deg]は回転軸AXに直交し且つ取鍋12の幅方向(取鍋12の傾動角度が0であるときにY方向と一致する方向)に沿って延びる直線と水平線とがなす角度である。
次に、落下位置推定部FC3について説明する。落下位置推定部FC3は、取鍋12の出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestを推定する(図9参照)。落下位置推定部FC3は、下記式(25)に従って、距離Svestを求める。
Figure 2018187654
式(25)において、S[m]は出湯口12bから鋳型30の上面(即ち水平面HP)までのZ方向に沿った距離を表している。式(25)のfは、式(5)及び式(8)〜式(11)に示す出湯口12bと落下位置DPとのY方向における距離を算出するための関数を表している。例えば、取鍋12の出湯口12bが湯口31の上方に配置されている場合には、式(25)によって推定される距離Svestだけ取鍋12をY方向に後退させることで取鍋12から流出する溶湯Mは湯口31に注湯されることとなる。
次に、落下位置操作部FC4について説明する。落下位置操作部FC4は、操作者による操作入力部20の第3の操作の操作量、例えばレバー21の左右方向への傾動角度φを操作入力部20から受け取り、傾動角度φに応じて第3のモータ15の動作を制御するための指令値u[V]を生成する。具体的に、落下位置操作部FC4は、下記式(26)に従って、溶湯Mの落下位置DPのY方向に沿った移動量yを求める。
Figure 2018187654
式(26)において、kpyは傾動角度φと落下位置DPのY方向の移動速度dy/dtとの関係を定めるゲイン定数である。ゲイン定数kpyは、落下位置DPの操作性が良好になるように調整された値に設定される。取鍋12の操作前の位置から移動量yだけY方向にずれた位置は、溶湯Mの落下位置の目標値である目標落下位置に設定される。
次に、前後位置制御部FC5について説明する。前後位置制御部FC5は、取鍋12からの溶湯Mの落下位置が目標落下位置になるように第3のモータ15に対する指令値uを生成し、その指令値uを第3のモータ15に送出する。
前後位置制御部FC5は、下記式(27)に従って取鍋12のY方向の位置をフィードバック制御する。
Figure 2018187654
[m]を取鍋12のY方向の位置とし、r[m]を取鍋12のY方向の目標位置としたとき、式(27)のXは取鍋12のY方向位置x[m]をラプラス変換した値を表しており、Rは取鍋12のY方向の目標位置r[m]をラプラス変換した値を表している。また、式(27)において、sはラプラス演算子を表しており、P(s)は第3のモータ15の駆動系を表しており、K(s)は制御器を表している。駆動系P(s)は下記式(28)で表される。
Figure 2018187654
式(28)において、Tmy[s]は第3のモータ15の時定数を表し、Kmy[m/s/V]はゲイン定数を表している。式(28)に示すように、第3のモータ15の駆動系では、第3のモータ15に対する指令値uから取鍋12のY方向への移動速度が一次遅れ系の関係を有する。また、式(27)に示すように、制御器K(s)はPID制御等を構成する。一実施形態では、落下位置操作部FC4は、下記式(29)に示すように比例制御により指令値uを求める。
Figure 2018187654
式(29)においてkcyは比例制御における比例ゲインを表している。比例ゲインkcyは、溶湯Mの落下位置を目標落下位置に一致させるための目標位置rに取鍋12を素早く移動できるような値に設定される。取鍋12のY方向の位置xpy[m]と出湯口12bのY方向の位置xLy[m]の関係は、下記式(30)のように表される。式(23)からも明らかであるように、取鍋12の同期化制御を行うことによって取鍋12の傾動角度θに関わらず出湯口12bのY方向の位置が維持される。
Figure 2018187654
取鍋12のY方向の目標位置rは、下記式(31)の下段に示すように、式(23)に従って求められる同期化制御によるY方向への移動量y、式(25)に従って求められる出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svest、及び、式(26)に従って求められる落下位置DPのY方向に沿った移動量yに基づいて求められる。
Figure 2018187654
式(31)においてrは湯口31の半径を表している。一実施形態では、式(31)の上段に示すように、出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestが湯口31の半径rよりも小さい場合には、取鍋12の出湯口12bがy−rに対応する位置に配置されるように取鍋12が制御される。言い換えれば、取鍋12の傾動角度が、溶湯Mの落下位置DPが湯口31の中心位置に達する角度(第3の角度)よりも小さいときには、取鍋12の出湯口12bが湯口31の取鍋12側の縁部の上方に位置するように取鍋12の位置が制御される。一方、式(31)の下段に示すように、出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestが湯口31の半径r以上である場合には、溶湯Mの落下位置DPが目標落下位置になるように、第3のモータ15の動作が制御される。例えば、出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestが湯口31の半径r以上であり、且つ、移動量yが0である場合には、取鍋12から流出する溶湯Mの落下位置は湯口31の中心に維持される。そして、操作者がレバー21を左右方向へ傾動角度φだけ操作することで、溶湯Mの落下位置を傾動角度φに応じた移動量yだけ湯口31の中心から移動させることができる。
[上下方向位置の制御]
次に、上下位置制御部FC6について説明する。上下位置制御部FC6は、操作者による操作入力部20の第2の操作の操作量、例えばレバー21を上下方向への傾動角度φを当該操作入力部20から受け取り、傾動角度φに応じて第2のモータ14の動作を制御するための指令値u[V]を生成する。具体的に、上下位置制御部FC6は、下記式(32)に従って、傾動角度φから取鍋12のZ方向の移動量z[m]を求める。
Figure 2018187654
式(32)において、kpzは傾動角度φと取鍋12のZ方向の移動速度dz/dtとの関係を定めるゲイン定数である。ゲイン定数kpzは、取鍋12のZ方向の操作性が良好になるように調整された値に設定される。上下位置制御部FC6は、下記式(33)に従って取鍋12のZ方向の位置をフィードバック制御する。
Figure 2018187654
[m]を取鍋12のZ方向の位置とし、r[m]を取鍋12のZ方向の目標位置としたとき、式(33)のXは取鍋12のZ方向位置x[m]をラプラス変換した値を表しており、Rは取鍋12のZ方向の目標位置r[m]をラプラス変換した値を表している。また、式(33)において、sはラプラス演算子を表しており、P(s)は第2のモータ14の駆動系を表しており、K(s)は制御器を表している。駆動系P(s)は下記式(34)で表される。
Figure 2018187654
式(34)において、Tmz[s]は第2のモータ14の時定数を表し、Kmz[m/s/V]はゲイン定数を表している。式(34)に示すように、第2のモータ14の駆動系では、第2のモータ14に対する指令値uから取鍋12のZ方向への移動速度が一次遅れ系の関係を有する。また、式(33)に示すように、制御器K(s)はPID制御等を構成する。一実施形態では、上下位置制御部FC6は、下記式(35)に示すように比例制御により指令値uを求める。
Figure 2018187654
式(35)においてkczは比例制御における比例ゲインを表している。比例ゲインkczは、目標位置rに取鍋12を素早く移動できるような値に設定される。取鍋12のZ方向の位置xpz[m]と出湯口12bのZ方向の位置xLz[m]の関係は、下記式(36)のように表される。式(24)からも明らかであるように、取鍋12の同期化制御を行うことによって取鍋12の傾動角度θに関わらず出湯口12bのZ方向の位置が維持される。
Figure 2018187654
上下位置制御部FC6は、下記式(37)に示すように、式(24)に従って求められる同期化制御によるZ方向への移動量zと、式(32)に従って求められる傾動角度φに応じた取鍋12のZ方向の移動量zとに基づいて、取鍋12のZ方向の目標位置rを求める。
Figure 2018187654
式(37)において、zは注湯開始前の湯口31を基準とした出湯口12bの高さを表している。式(37)に示すように、移動量zが0である場合には、湯口31を基準とした出湯口12bの高さは一定に維持される。そして、操作者がレバー21を上下方向へ傾動角度φだけ操作したときに、取鍋12のZ方向の位置を傾動角度φに応じた移動量zだけ移動させることができる。また、操作者による取鍋12の操作後の鋳型30の上面から出湯口12bまでのZ方向に沿った距離Sは、下記(38)で表される。式(25)に示すように、上下位置制御部FC6によって求められた距離Sは、出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestの算出にも用いられる。
Figure 2018187654
[ティーチングデータの生成方法]
図10を参照し、上述した注湯システム1の制御方法を説明する。一実施形態の注湯システム1の制御方法では、ティーチングプレーバック制御で用いるためのティーチングデータが生成される。この方法では、図10に示すように、注湯システム1の制御部Cntが、操作者によって操作されたレバー21の回転角度φ、傾動角度φ及び傾動角度φを操作入力部20から受け付ける。次いで、制御部Cntは、回転角度φ及び傾動角度φに応じて第1のモータ13及び第2のモータ14の動作を制御するための指令値u、uをそれぞれ生成すると共に、傾動角度φに応じて目標落下位置を設定し、溶湯Mの落下位置が目標落下位置になるような指令値uを生成する。次いで、制御部Cntは、指令値u、u及びuを第1〜3のモータ13、14、15に送出し、取鍋12内の溶湯Mを鋳型30内に注湯する。
次いで、制御部Cntは、指令値u、u及びuを用いて上記(1)〜式(16)に示す数理モデルに従って注湯シミュレーションを行い、下記式(39)に示す評価関数が最小となるように流量係数、溶湯Mの密度ρ、及び、出湯開始角度θを最適化する。
Figure 2018187654
式(39)において、WLexp[kg]は、ティーチングモードの際にロードセルLDによって計測された溶湯Mの流出重量であり、WLsim[kg]は上記(1)〜式(16)に示す数理モデルに従って求められた溶湯Mの流出重量である。また、T[s]は注湯時間を表している。一実施形態では、制御部Cntが、式(39)に示す最適化問題を解くことで、出湯口12b上の溶湯Mの液位htc[m]及び出湯口12bから落下位置までのY方向の距離Svtc[m]の最適値をティーチングデータとして取得する。また、制御部Cntは、傾動角度φに応じた取鍋12のZ方向の移動量zptc、及び、傾動角度φに応じた取鍋12のY方向の移動量yptcもティーチングデータとして取得する。
次いで、一実施形態の注湯システムの制御方法では、取得されたティーチングデータに基づいて鋳型30内に自動的に溶湯を注ぐプレーバックモードで注湯処理が行われる。このプレーバックモードでは、上記式(18)及び式(19)に基づいて注湯流量の制御が行われる。具体的には、式(18)に示す目標出湯口液位hrefとしてティーチングデータである液位htcが与えられる。また、プレーバックモードでは、式(27)〜式(31)に基づいて溶湯Mの落下位置の制御が行われる。具体的には、式(31)の出湯口12bから落下位置DPまでのY方向の距離Svestとしてティーチングデータである距離Svtc[m]が与えられ、落下位置DPのY方向に沿った移動量yとしてティーチングデータである移動量yptcが与えられる。さらに、プレーバックモードでは、式(33)〜式(37)に基づいて取鍋12の上下方向の位置が制御される。具体的には、式(37)の取鍋12のZ方向の移動量zとしてティーチングデータである移動量zptcが与えられる。このように、制御部Cntがプレーバックモードで注湯処理を行うことによってティーチングモードで行われた注湯動作と同じ条件で注湯制御を行うことができる。
[境界条件の導出方法]
一実施形態の注湯システムの制御方法では、取得されたティーチングデータに基づいて、CAEを用いた鋳型内の湯流れ解析を行う際に必要となる湯口流入部の境界条件が導出される。鋳型内の湯流れ解析を行う際には、湯口流入部の境界条件として、湯口31への溶湯Mの流入流速、流入角度及び流入範囲が必要となる。一実施形態の注湯システムの制御方法では、溶湯Mの流入流速及び流入角度は、式(13)及び式(14)に従って導出される。また、湯口31に対する溶湯Mの流入範囲は、式(40)に示すように、式(16)に従って求められる湯口31の中心を基準する溶湯Mの断面の半径rと、溶湯Mの落下位置DPのY方向に沿った移動量yとを用いて導出される。
Figure 2018187654
式(40)において、S[m]は湯口31上において取鍋12から流出した溶湯Mが湯口31に流入する範囲を表している。この流入範囲Sが溶湯Mの流入範囲となる。なお、湯口31に対して落下する溶湯Mは円柱形状を有すると仮定しているため、3次元湯流れ解析においても式(40)の溶湯Mの流入範囲は維持される。
[実験例]
図11は、上述の注湯システムを用いた注湯操作の実験結果の一例を示している。図11の(a)は回転角度φの経時的変化を示しており、図11の(b)は取鍋12の傾動角速度ωの経時的変化を示しており、図11の(c)は取鍋12の傾動角度θの経時的変化を示しており、図11の(d)は出湯口12b上の液位hの経時的変化を示しており、図11の(e)は注湯流量qの経時的変化を示している。また、図11の(f)はロードセルLDによって計測された流出重量Wの経時的変化を示しており、図11の(g)は溶湯Mの落下位置Svの経時的変化を示しており、図11の(h)は湯口31に対する溶湯Mの流入流速vの経時的変化を示しており、図11の(i)は湯口31に対する溶湯Mの流入範囲Sの経時的変化を示しており、図11の(j)は湯口31に対する溶湯Mの流入角度φinの経時的変化を示している。これらのデータのうち、流入流速v、流入範囲S及び流入角度φinをCAEによる湯流れ解析の境界条件として与えることで、CAE解析の精度を向上させることができる。
次に、注湯システム1を制御するための制御プログラムについて説明する。この制御部プログラムは、制御部Cntにおいて実行される。
制御プログラムは、メインモジュール、注湯流量制御モジュール、同期化制御モジュール、落下位置推定モジュール、落下位置操作部モジュール、前後位置制御モジュール及び上下位置制御モジュールを備えている。
メインモジュールは、注湯システム1を統括的に制御する部分である。注湯流量制御モジュール、同期化制御モジュール、落下位置推定モジュール、落下位置操作モジュール、前後位置制御モジュール及び上下位置制御モジュールを制御部Cntにおいて実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の注湯流量制御部FC1、同期化制御部FC2、落下位置推定部FC3、落下位置操作部FC4、前後位置制御部FC5及び上下位置制御部FC6の機能と同一である。
制御部プログラムは、例えば、CD−ROMやDVD、ROM等の記録媒体または半導体メモリに記録された態様で提供される。また、制御部プログラムは、通信ネットワークを介して提供されてもよい。
以上、種々の実施形態に係る注湯システム、注湯システムの制御方法、制御プログラム、及び、制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。例えば、上記実施形態では、取鍋12の同期化制御を行うことによって取鍋12の傾動角度θに関わらず出湯口12bの位置を維持しているが、取鍋12の出湯口12bが傾動中心になるような機構を備えていれば、必ずしも同期化制御を行わなくてもよい。
また、上記実施形態では、式(17)に示すように、回転角度φに不感帯の領域を設定しているが、この領域は必ずしも設けられている必要はない。また、同式に示すように、注湯流量制御部FC1が、取鍋12の傾動角度θに応じて、第1〜第3のモードの何れかに従って第1のモータ13の動作を制御しているが、注湯流量制御部FC1は傾動角度θに関わらず、常に第3のモードで第1のモータ13の動作を制御することも可能である。
また、上記実施形態では、操作入力部20がレバー21を有するジョイスティックとして構成されているが、操作入力部20は、必ずしもジョイスティックでなくてもよく、第1の操作、第2の操作及び第3の操作を操作者から受け付けることができれば任意の機構を備え得る。
Cnt…制御部、FC1…注湯流量制御部、FC2…同期化制御部、FC3…落下位置推定部、FC4…落下位置操作部、FC5…前後位置制御部、FC6…上下位置制御部、HP…水平面、M…溶湯、1…注湯システム、10…注湯装置、12…取鍋、12a…出湯ノズル、12b…出湯口、13…第1のモータ、14…第2のモータ、15…第3のモータ、20…操作入力部、21…レバー、30…鋳型、31…湯口。


Claims (10)

  1. 鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯を注ぐための注湯システムであって、
    前記注湯システムは、
    前記溶湯を保持する取鍋と、
    前記取鍋を傾動させる第1のモータと、
    前記取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、
    前記取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、
    前記取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、前記取鍋の前記上下方向の位置を調整するための第2の操作と、前記湯口を含む面内の前記前後方向における前記溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、
    前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1の操作の操作量に応じて前記第1のモータの動作を制御し、
    前記第2の操作の操作量に応じて前記第2のモータの動作を制御し、
    前記第3の操作の操作量に応じて前記溶湯の目標落下位置を設定し、前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量によって定まる前記落下位置が前記目標落下位置になるように、前記第3のモータの動作を制御する、
    注湯システム。
  2. 前記制御部は、前記第1の操作の操作量が所定の閾値よりも小さい場合には、前記第1のモータが動作しないようにする、請求項1に記載の注湯システム。
  3. 前記制御部は、前記第1の操作の操作量を示す信号値に対してローパスフィルタ処理を行い、ローパスフィルタ処理後の信号値に基づいて前記第1のモータの動作を制御する、請求項1又は2に記載の注湯システム。
  4. 前記制御部は、
    前記取鍋の傾動角度が第1の角度よりも小さいときには第1のモードで前記第1のモータの動作を制御し、前記取鍋の傾動角度が前記第1の角度以上且つ第2の角度よりも小さいときには第2のモードで前記第1のモータの動作を制御し、前記取鍋の傾動角度が前記第2の角度以上であるときには第3のモードで前記第1のモータの動作を制御し、
    前記第1の角度は前記第2の角度よりも小さな角度であり、前記第2の角度は前記取鍋からの溶湯の流出が開始される出湯開始角度であり、
    前記第1のモードでは、前記第1の操作の操作量に第1の係数を乗じることによって前記第1のモータの動作を制御するための指令値を生成し、
    前記第2のモードでは、前記第1の操作の操作量に前記第1の係数とは異なる第2の係数を乗じることによって前記第1のモータの動作を制御するための指令値を生成し、
    前記第3のモードでは、前記第1の操作の操作量に応じて前記溶湯の目標注湯流量を設定し、前記取鍋からの注湯流量が前記目標注湯流量になるように前記第1のモータの動作を制御するための指令値を生成する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の注湯システム。
  5. 前記制御部は、
    前記取鍋の傾動角度が第3の角度よりも小さいときには、前記取鍋の出湯口が前記湯口の前記取鍋側の縁部の上方に位置するように前記第3のモータの動作を制御し、
    前記取鍋の傾動角度が前記第3の角度以上であるときには、前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量によって定まる前記落下位置が前記目標落下位置になるように、前記第3のモータの動作を制御し、
    前記第3の角度は、前記落下位置が前記湯口の中心位置に達する前記取鍋の傾動角度である、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の注湯システム。
  6. 鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯を注ぐための注湯システムの制御方法であって、
    前記注湯システムは、
    前記溶湯を保持する取鍋と、
    前記取鍋を傾動させる第1のモータと、
    前記取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、
    前記取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、
    前記取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、前記取鍋の前記上下方向の位置を調整するための第2の操作と、前記湯口を含む面内の前記前後方向における前記溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、
    前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記方法は、
    前記制御部が、前記第1の操作の操作量に応じて前記第1のモータの動作を制御する工程と、
    前記制御部が、前記第2の操作の操作量に応じて前記第2のモータの動作を制御する工程と、
    前記制御部が、前記第3の操作の操作量に応じて前記溶湯の目標落下位置を設定し、前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量によって定まる前記落下位置が前記目標落下位置になるように、前記第3のモータの動作を制御する工程と、
    を含む、方法。
  7. 前記操作入力部によって、操作者から前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量を受け付け、受け付けた前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量に基づいて前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御し、前記鋳型内に前記溶湯を注ぐ工程と、
    前記受け付けた前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量から、前記溶湯の注湯流量、前記落下位置、前記取鍋の前記前後方向の移動量、及び、前記取鍋の前記上下方向の移動量を求め、前記溶湯の注湯流量、前記落下位置、前記取鍋の前記前後方向の移動量、及び、前記取鍋の前記上下方向の移動量をティーチングデータとして取得する工程と、
    取得された前記ティーチングデータに基づいて前記溶湯が自動的に注がれるように前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御する工程と、
    を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ティーチングデータに基づいて、前記溶湯の前記湯口に対する流入速度、前記溶湯の前記湯口に対する流入範囲、及び、前記湯口に対する前記溶湯の流入角度を算出する工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯が注がれるように注湯システムを機能させるための制御プログラムであって、
    前記注湯システムは、
    前記溶湯を保持する取鍋と、
    前記取鍋を傾動させる第1のモータと、
    前記取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、
    前記取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、
    前記取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、前記取鍋の前記上下方向の位置を調整するための第2の操作と、前記湯口を含む面内の前記前後方向における前記溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、
    前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御プログラムは、
    前記第1の操作の操作量に応じて前記第1のモータの動作を制御する工程と、
    前記第2の操作の操作量に応じて前記第2のモータの動作を制御する工程と、
    前記第3の操作の操作量に応じて前記溶湯の目標落下位置を設定し、前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量によって定まる前記落下位置が前記目標落下位置になるように、前記第3のモータの動作を制御する工程と、
    を前記制御部に実行させる、制御プログラム。
  10. 鋳型の湯口を介して該鋳型内に溶湯が注がれるように注湯システムを機能させるための制御プログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記注湯システムは、
    前記溶湯を保持する取鍋と、
    前記取鍋を傾動させる第1のモータと、
    前記取鍋を上下方向に沿って移動させる第2のモータと、
    前記取鍋を前後方向に沿って移動させる第3のモータと、
    前記取鍋の傾動角度を変更するための第1の操作と、前記取鍋の前記上下方向の位置を調整するための第2の操作と、前記湯口を含む面内の前記前後方向における前記溶湯の落下位置を調整するための第3の操作とを受け付ける操作入力部と、
    前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御プログラムは、
    前記第1の操作の操作量に応じて前記第1のモータの動作を制御する工程と、
    前記第2の操作の操作量に応じて前記第2のモータの動作を制御する工程と、
    前記第3の操作の操作量に応じて前記溶湯の目標落下位置を設定し、前記第1の操作の操作量、前記第2の操作の操作量及び前記第3の操作の操作量によって定まる前記落下位置が前記目標落下位置になるように、前記第3のモータの動作を制御する工程と、
    を前記制御部に実行させる、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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