JP2018187621A - 窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、排ガス浄化触媒 - Google Patents

窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、排ガス浄化触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】低温でも優れたNOx吸蔵性能を発揮できる窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、排ガス浄化触媒を提供する。【解決手段】第1複合酸化物及び第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する窒素酸化物吸蔵材料1、その製造方法、及び窒素酸化物吸蔵材料1が担体に担持された排ガス浄化触媒である。第1複合酸化物は、一般式I:MXO3-δで表される。第2複合酸化物は、一般式II:M3X2O7-δで表される。一般式I及び一般式IIにおけるMは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。Xは、遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、複合酸化物を含有する窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、窒素酸化物吸蔵材料を含有する排ガス浄化触媒に関する。
例えば工場における化学工程、内燃機関等から排出される排ガス中には、有害な窒素酸化物が含まれる。そこで、排ガス中の窒素酸化物を浄化する技術が求められる。例えば内燃機関においては、燃焼効率の改善及び燃費の向上が望まれており、燃費向上等の観点から酸素過剰条件下で燃焼を行う希薄燃焼方式が用いられることがある。
希薄燃焼方式においては、排ガス中の窒素酸化物が多くなる傾向がある。そのため、より浄化性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料の開発が求められている。
例えば、特許文献1には、酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物及び白金を担体に担持してなる排気ガス浄化用触媒に排ガスを接触させる排ガス浄化方法が提案されている。この排ガス浄化方法においては、白金によりNOがNO2に酸化され、さらにNO2が酸化バリウムに吸着されることにより窒素酸化物の浄化が行われる。
特開平5−317652号公報
Ptとアルカリ土類金属酸化物を用いた従来の窒素酸化物の浄化方法においては、250℃未満の低温環境下では窒素酸化物を十分に浄化できない。具体的には、低温環境下では、白金によるNOからNO2への酸化反応が起こらない。そして、アルカリ土類金属酸化物は、NO2に比べてNOをあまり吸着できない。したがって、従来の浄化方法においては、低温で窒素酸化物を十分に浄化することができないという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、低温でも優れたNOx吸蔵性能を発揮できる窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、排ガス浄化触媒を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物及び一般式II:M327-δ2で表される第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する、窒素酸化物吸蔵材料(1)にある。
(ただし、上記一般式I及び上記一般式IIにおけるMは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXは、それぞれ、遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、δ1は、0≦δ1≦0.5を満足し、δ2は、0≦δ2≦1.0を満足する。)
本発明の他の態様は、上記窒素酸化物吸蔵材料が担体(2)に担持された排ガス浄化触媒(3)にある。
本発明のさらに他の態様は、上記窒素酸化物吸蔵材料の製造方法において、
上記一般式I及び上記一般式IIの少なくとも一方におけるMを含有するM原料と、上記一般式I及び上記一般式IIの少なくとも一方におけるXを含有するX原料とを混合することにより混合物を作製する混合工程と、
上記混合物を焼成する焼成工程と、を有する、窒素酸化物吸蔵材料の製造方法にある。
上記窒素酸化物吸蔵材料は、上記組成の第1複合酸化物及び第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する。このような窒素酸化物吸蔵材料は、高温環境下においても窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を発揮できるが、例えば250℃未満の低温環境下においても、窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を発揮することができる。
この理由は、第1複合酸化物及び第2複合酸化物の少なくとも一方が、複合酸化物内の格子酸素を用いて一酸化窒素を二酸化窒素に酸化することができるからである。つまり、複合酸化物自体がPtなどの貴金属触媒と同様の一酸化窒素を酸化する触媒性能を示すことができる。しかも、この触媒性能は上述のように高温環境下だけでなく低温環境下においても発揮される。
したがって、窒素酸化物吸蔵材料は、貴金属量を減らしたり、たとえ貴金属量を0にしても一酸化窒素を二酸化窒素にし、二酸化窒素を吸蔵することができる。なお、窒素酸化物吸蔵材料において、二酸化窒素は、複合酸化物の結晶内に硝酸イオンとして取り込まれていると考えられる。
窒素酸化物吸蔵材料は、低温だけでなく、250℃以上の高温でも窒素酸化物に対して優れた吸蔵性能を発揮することができる。よって、窒素酸化物吸蔵材料は、幅広い温度範囲の環境下において窒素酸化物を十分に吸蔵することができる。
上記排ガス浄化触媒は、高温でも低温でも窒素酸化物に対する優れた吸蔵性能を示す上述の窒素酸化物吸蔵材料を含有する。そのため、高温環境下においても低温環境下においても、排ガス中の窒素酸化物を十分に吸着除去することができる。
上記窒素酸化物吸蔵材料の製造方法においては、混合工程と焼成工程とを行う。混合工程においては、一般式I及び一般式IIの少なくとも一方におけるM原料と、一般式I及び一般式IIの少なくとも一方におけるX原料とを混合して混合物を得る。焼成工程においては混合物を焼成する。これにより、第1複合酸化物及び第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、低温でも優れたNOx吸蔵性能を発揮できる窒素酸化物吸蔵材料、その製造方法、排ガス浄化触媒を提供することができる。なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における第1複合酸化物が一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する様子を示す模式図。 実施形態1における第2複合酸化物が一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する様子を示す模式図。 実施形態1における窒素酸化物吸蔵材料の相構造のイメージ図。 実施形態1における、実施例1〜3の各窒素酸化物吸蔵材料のX線回折パターンを示す図。 実施形態2における、実施例1〜4、比較例1の各窒素酸化物吸蔵材料の150℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施例1の窒素酸化物吸蔵材料におけるNO消費量とNOx量との関係を示す図。 実施例2の窒素酸化物吸蔵材料におけるNO消費量とNOx量との関係を示す図。 実施形態2における、実施例1〜4の各窒素酸化物吸蔵材料の300℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態3における、実施例5〜7の各窒素酸化物吸蔵材料の低温での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態4における、実施例8〜11の各窒素酸化物吸蔵材料のX線回折パターンを示す図。 実施形態4における、実施例8〜11の各窒素酸化物吸蔵材料の300℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態5における排ガス浄化触媒の斜視図。 実施形態5における排ガス浄化触媒のセル壁の拡大図。 実施形態6における、実施例11〜13の各窒素酸化物吸蔵材料の150℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態6における、実施例11〜13の各窒素酸化物吸蔵材料の300℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態6における、実施例14〜19の各窒素酸化物吸蔵材料の150℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。 実施形態6における、実施例14〜19の各窒素酸化物吸蔵材料の300℃での窒素酸化物吸蔵量を示す図。
(実施形態1)
窒素酸化物吸蔵材料に係る実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。窒素酸化物吸蔵材料は、上述の第1複合酸化物及び第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する。つまり、窒素酸化物吸蔵材料は、第1複合酸化物又は第2複合酸化物を含有するか、或いは第1複合酸化物及び第2複合酸化物の両方を含有する。
第1複合酸化物又は第2複合酸化物を含有する場合には、窒素酸化物吸蔵材料は、第1複合酸化物からなる粒子の焼結体あるいは第2複合酸化物からなる粒子の焼結体からなる。このような窒素酸化物吸蔵材料は、例えば250℃未満の低温でも、250℃以上の高温でも窒素酸化物を十分に吸着することができる。なお、窒素酸化物は、例えばNO、NO2のことである。窒素酸化物のことを以下適宜NOxという。
第1複合酸化物は、一般式I:MXO3-δ1で表され、第2複合酸化物は、一般式II:M327-δ2で表される。Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。Xは、遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。δ1は、0≦δ1≦0.5を満足し、δ2は、0≦δ2≦1.0を満足する。第1複合酸化物の例としてSrFeO3の結晶構造を図1に示す。また、第2複合酸化物の例としてSr3Fe27の結晶構造を図2に示す。
図1及び図2に例示されるように、SrFeO3のように一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物、Sr3Fe27のように一般式II:M327-δ2で表される第2複合酸化物は、複合酸化物内の酸素原子を利用して、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素にすることができる。そして、二酸化窒素を硝酸イオンとして結晶構造内に吸蔵することができる。
第1複合酸化物及び第2複合酸化物は、いずれも一酸化窒素に対する酸化能を有するが、相対的には第1複合酸化物の酸化能が第2複合酸化物に比べて高い。その一方で、二酸化窒素の吸蔵能は、第2複合酸化物が第1複合酸化物に比べて大幅に高い。窒素酸化物吸蔵材料は、一酸化窒素の酸化能と二酸化窒素の吸蔵能との両方をバランスよく、より高いレベルで兼ね備えていることが好ましい。かかる観点からは、窒素酸化物吸蔵材料は、少なくとも第2複合酸化物を含有することが好ましい。第2複合酸化物は、第1複合酸化物に比べると劣るものの一酸化窒素に対して十分に酸化能を示すと共に、二酸化窒素に対して非常に高い吸蔵能を示すからである。より好ましくは、第1複合酸化物と第2複合酸化物との両方を含有することがよい。
第1複合酸化物と第2複合酸化物との両方を含有する場合には、窒素酸化物吸蔵材料1は、図3に例示されるように、第1複合酸化物と第2複合酸化物とを含有する複合粒子11からなる。複合粒子11は、第1複合酸化物からなる第1相111と、第2複合酸化物からなる第2相112とを有し、これらの相111、112が混在する。
好ましくは、窒素酸化物吸蔵材料1は、第1複合酸化物からなる第1相111と、第2複合酸化物からなる第2相112とを含有する複合粒子11からなることが好ましい。具体的には、複合粒子の焼結体からなることが好ましい。この場合には、NOx吸蔵性能がより向上し、高温でも優れたNOx吸蔵性能を示すが、特に低温でのNOx吸蔵性能をより向上させることができる。これは、第1複合酸化物からなる第1相111が一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する性能に優れ、第2複合酸化物からなる第2相112が二酸化窒素を吸蔵する性能に優れるからである。つまり、第1複合酸化物の優れた一酸化窒素に対する酸化能と第2複合酸化物の優れた二酸化窒素に対する吸蔵能とを兼ね備えるため、第1複合酸化物と第2複合酸化物とを含有する窒素酸化物吸蔵材料は、NOx吸蔵性能がより向上する。
複合粒子11においては、第1相111が主相であっても、第2相112が主相であってもよい。窒素酸化物の吸蔵性能をより高めるという観点からは、第1複合酸化物からなる第1相111及び第2複合酸化物からなる第2相112のいずれか一方が主相であることが好ましい。第1相111が主相の場合には、第2相112が副相となり、第2相112が主相の場合には第1相111が副相となる。このような主相及び副相からなる複合粒子は、多結晶体からなるということができる。主相は例えば50質量%を超える相であり、副相は例えば50質量%未満の相である。
窒素酸化物吸蔵材料1は、250℃未満での温度環境下で用いられることが好ましい。この場合には、窒素酸化物吸蔵材料1の低温での優れたNOx吸蔵性能がより顕著に発揮される。250℃未満の温度環境にさらされる用途であればよく、250℃以上の温度環境で用いてもよい。より好ましくは、200℃以下の温度環境下で用いられることがよく、さらに好ましくは、150℃以下の温度環境下で用いられることがよい。
第1複合酸化物は一般式I:MXO3-δ1で表される。第1複合酸化物は、ペロブスカイト構造である。第2複合酸化物は一般式II:M327-δ2で表される。第2複合酸化物は、Ruddlesden−Popper(ルドルスデン・ポッパー)構造である。δは、各結晶構造が酸素不定比性を有し得ることを意味する。δ1は、0≦δ1≦0.5を満足し、δ2は、0≦δ2≦1.0を満足する。
Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、Xは、遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。後述の製造方法からも知られるように、窒素酸化物吸蔵材料1が複合粒子11からなる場合には、M、Xは、一般式Iと一般式IIとでそれぞれ同じにすることができる。
低温でのNOxに対する吸蔵性能をより向上させるという観点から、Mはアルカリ土類金属が好ましい。吸蔵性能をさらに向上させるという観点から、Mは少なくともSrを含有することが好ましい。
Xは、Fe、Mn、Co、Cr、及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。この場合には、低温でのNOxに対する吸蔵性能をより向上させることができる。この効果をより高めるという観点から、Xは、Fe、Mn、Co、Cr、及びNiからなる群より選ばれる少なくとも2種からなることが好ましい。この場合には、第1複合酸化物及び第2複合酸化物は、Fe、Mn、Co、Cr、及びNiからなる群より選ばれる1種の金属元素に、これらの群から選ばれる他の少なくとも1種の金属元素が部分的に置換固溶した酸化物となる。
Xが、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種と、Niとからなることがより好ましい。この場合には、低温でのNOxに対する吸蔵性能をさらにより向上させることができる。また、この場合において、複合粒子11からなる窒素酸化物吸蔵材料1を得ようとする場合には、製造方法において、M源とNi以外のX源とNi源との共存下で焼成することにより、第1相111及び第2相112を有する少なくとも二相構造の複合粒子11からなる窒素酸化物吸蔵材料1の製造が可能になる。
Niを含有する場合には、Niは、第1相111及び第2相112に存在すると考えられる。この場合、例えば、第1相111はMZ(1-a)Nia3-δで表される第1複合酸化物からなり、第2相112はM3(Z(1-b)Nib)27-δで表される第2複合酸化物からなる。Zは、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Niの固溶限界の観点から、a、bの範囲は、例えばa≦0.2、b≦0.2である。窒素酸化物吸蔵材料の製造時においてa>0.2、b>0.2を超える化学量論比で原料を配合すると、余剰分が少なくとも部分的に別の相として析出する。本明細書においてはこのような相を第3相という。第3相については後述するが、図3に例示されるように、窒素酸化物吸蔵材料1は、第1複合酸化物からなる第1相111、第2複合酸化物からなる第2相112の他に、第1複合酸化物、第2複合酸化物以外の化合物からなる第3相113を含んでいてもよい。第3相113は、第1相111、第2相112とは異なる相という意味で、異種相ということもできる。第3相113として、複数の相を含有することもできる。また、Niの置換固溶による吸蔵性能の向上効果を確実に得るという観点から、a≧0.01、b≧0.01であることが好ましく、a≧0.05、b≧0.05であることがより好ましく、a≧0.1、b≧0.1であることがさらに好ましい。
次に、窒素酸化物吸蔵材料の製造方法について説明する。窒素酸化物吸蔵材料は、例えば錯体重合法、固相反応法等によって作製される。具体的には、窒素酸化物吸蔵材料は、以下の通り、混合工程及び焼成工程を行うことにより製造することができる。
混合工程においては、M原料とX原料とを混合することにより混合物を作製する。M原料は、金属元素Mを含有する原料であり、金属元素Mとして、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する原料である。X原料は、遷移金属元素Xを含有する原料である。M原料、X原料としては、例えば、各種塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。
混合工程においては、M原料として、少なくともSr含有原料を用い、X原料として、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する原料と、Ni含有原料とを用いることが好ましい。この場合には、焼成工程後に、上述のように第1複合酸化物からなる第1相111と第2複合酸化物からなる第2相112とを有する窒素酸化物吸蔵材料1を容易に製造することができる。このような窒素酸化物吸蔵材料は、低温におけるNOxに対する吸蔵性能に優れている。
また、上記のように混合工程においてNi含有原料を用いる場合には、M原料とX原料との配合割合をモル比でM:X=1:1となるように調整し、X原料中のNi含有原料の配合割合をモル比で例えばX:Ni=1:0.2となるように調整することができる。なお、XはNiを含み、XにおけるNi以外の元素とNiとの合計は1モルである。これにより、少なくとも第1複合酸化物と第2複合酸化物とを有する2相構造の窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。つまり、MXO3-δを得るための化学量論比で原料を調整することによって、MXO3-δ及びM327-δを有する2相構造の酸化物の複合粒子を得ることができる。
X原料中のNi含有原料の配合割合は適宜調整可能である。2相構造の酸化物をより十分に得るためには、Ni含有原料の割合を高めることがよい。X原料におけるX元素1モルに対するNi量は0.1モルを超えることが好ましく、0.2モル以上がより好ましい。
X原料の配合においてX元素1モルに対するNi量が0.2モルを超える場合には、余剰成分として、M及びXを含有する第3化合物からなる第3相が生成する。つまり、この場合には、MZ(1-a)Nia3-δで表される第1複合酸化物からなる第1相、M3(Z(1-b)Nib)27-δで表される第2複合酸化物からなる第2相の他に、M及びXの少なくとも一方を含有する第3化合物からなる第3相が生成する。
つまり、窒素酸化物吸蔵材料は、第1相及び第2相の少なくとも一方を含有し、さらに第3相を含有することができる。第3化合物は、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩等からなる。第3化合物におけるM、X以外の構成元素は、原料、大気中の成分などに由来する。第3化合物としては、具体的には、例えばNiO、Sr(OH)2、SrCO3、SrO、NiFe24、Sr−Ni複合酸化物等が挙げられる。第3化合物については、後述の実施形態4においてさらに詳説する。
混合工程においては、M原料としてM塩を用い、X原料としてX塩を用い、水中でM及びXの金属錯体を形成させた後、ゲル化剤により水溶液をゲル化させることが好ましい。つまり、錯体重合法により窒素酸化物吸蔵材料を製造することが好ましい。この場合には、例えば固相反応法に比べてNOxに対する吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。これは、錯体形成により分散性よく分散したMイオン、Xイオンを、さらにゲル化により固定することができるため、十分に均質なゲルが得られ、焼成時における原料同士を反応性が高まるためであると考えられる。
M塩として少なくともSr塩を用い、X塩として、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塩と、Ni塩とを用いることが好ましい。この場合には、低温におけるNOxに対する吸蔵性能により優れた窒素酸化物吸蔵材料を得ることができる。
M塩としては、水中でMイオンを供給できるものであれば特に限定されないが、例えば硝酸塩、リン酸塩、塩化物などの無機塩を用いることができる。また、M塩としては、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を用いることもできる。材料の焼成時に不純物成分を除去しやすいという観点から硝酸塩が好ましい。
金属錯体を形成するためには、Mイオンを含有する水溶液中に、Mイオンと錯体を形成可能な配位子を添加すればよい。具体的には、例えばクエン酸、リンゴ酸などのヒロドキシカルボン酸等を添加することができる。工業的に広く使用され、安価であるという観点からクエン酸が好ましい。
ゲル化剤としては、たとえエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールを用いることができる。この場合には、エステル重合によりゲル化が可能になる。
また、混合工程においては、M原料とX原料との混合粉末を作製してもよい。つまり、固相反応法により窒素酸化物吸蔵材料を製造することも可能である。この場合には、原料の混合時に有機溶剤を添加することにより、均一性のよい混合粉を得ることができる。有機溶剤としては、アセトン、エタノール等を用いることができる。
次に、実施例1〜3の3種類の窒素酸化物吸蔵材料の具体例について説明する。実施例1〜3は、以下のようにして例えば錯体重合法によって作製できる。
実施例1は、SrFeO3-δからなる窒素酸化物吸蔵材料である。実施例1の作製にあたっては、まず、クエン酸を溶解させた水溶液に、炭酸ストロンチウム(SrCO3)と硝酸鉄9水和物(Fe(NO3)3・9H2O))とを添加した。配合比は、金属元素のモル比で、Sr:Fe=1:1である。その後、温度80℃で2時間撹拌した。本明細書では所定温度での撹拌を熟成という。この熟成により錯体が十分に形成され、金属クエン酸錯体を得ることができる。
次に、水溶液中にエチレングリコールを添加し、温度130℃で4時間撹拌した。つまり、温度130℃で4時間熟成させた。このエチレングリコールの添加後の熟成により、エステル重合が進行し、水溶液がゲル化する。
その後、ゲルを温度350℃で仮焼させた後、温度1000℃で焼成させた。これにより、酸化物を得た。焼成は大気中で行った。この酸化物がSrFeO3-δからなる窒素酸化物吸蔵材料である。
実施例2は、Sr3Fe27-δからなる窒素酸化物吸蔵材料である。その作製にあたっては、まず、クエン酸を溶解させた水溶液に、炭酸ストロンチウム(SrCO3)と硝酸鉄9水和物(Fe(NO3)3・9H2O))とを添加した。配合比は、金属元素のモル比で、Sr:Fe=3:2である。次いで、上述の実施例1と同様にして、錯体形成、ゲル化、仮焼、及び焼成を行うことにより、Sr3Fe27-δからなる窒素酸化物吸蔵材料を作製した。
実施例3は、SrFe0.8Ni0.23-δからなる第1複合酸化物とSr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2複合酸化物とを含有する複合粒子からなる窒素酸化物吸蔵材料である。図3に例示されるように、SrFe0.8Ni0.23-δが第1相111を形成し、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δが第2相112を形成する。
まず、クエン酸を溶解させた水溶液に、炭酸ストロンチウム(SrCO3)と、硝酸鉄9水和物(Fe(NO3)3・9H2O)と、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO3)2・6H2O)とを添加した。配合比は、金属元素のモル比で、Sr:Fe:Ni=1:0.8:0.2である。次いで、上述の実施例1と同様にして、錯体形成、ゲル化、仮焼、及び焼成を行うことにより、SrFe0.8Ni0.23-δ及びSr3(Fe0.8Ni0.2)27-δを含有する窒素酸化物吸蔵材料を作製した。
また、実施例1〜3の窒素酸化物吸蔵材料は、固相反応法により作製することも可能である。代表例として、実施例3の固相反応法での製造例を以下に示す。
まず、炭酸ストロンチウム(SrCO3)と、酸化鉄(α−Fe23)と、炭酸ニッケル(NiCO3)とを混合し、混練した。配合比は、金属元素のモル比で、Sr:Fe:Ni=1:0.8:0.2である。混練はアセトン40mlを添加して行った。
混合粉末を温度80℃で乾燥させ、アセトンを蒸発させた。次いで、混合粉末を温度800℃で仮焼した後、温度1000℃での本焼成を複数回行った。これにより、SrFe0.8Ni0.23-δ及びSr3(Fe0.8Ni0.2)27-δを含有する窒素酸化物吸蔵材料を得た。これを実施例4とする。
実施例3の窒素酸化物吸蔵材料のX線回折パターンを図4に示す。X線回折のことをXRDという。XRDパターンは粉末XRDにより測定した。測定条件は、特性X線:Cu−Kα、測定範囲:20°≦2θ≦70°、測定モード:スウィープスキャン10°/分である。図4には、SrFeO3-δからなる実施例1、Sr3Fe27-δからなる実施例2のXRDパターンを併記する。
図4より知られるように、実施例3のXRDパターンは、SrFeO3からなる実施例1とSr3Fe27からなる実施例2のXRDパターンが重なりあったパターンを有している。つまり、実施例3の窒素酸化物吸蔵材料においては、SrFeO3-δの相とSr3Fe27-δの相とが混在して共存しているといえる。
また、実施例3のXRDパターンの各ピークを実施例1及び実施例2比較すると、実施例3のピーク位置は、実施例1及び実施例2に比べて低角側へシフトしている。このシフトは、Feの一部がNiに置換されてためであると考えられる。したがって、実施例3の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.8Ni0.23-δ及びSr3(Fe0.8Ni0.2)27-δを含有するといえる。
また、XRDパターンの各ピーク強度から、実施例3の窒素酸化物吸蔵材料においては、SrFe0.8Ni0.23-δからなる第1相が主相であり、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2相が副相であると考えられる。そして、このような相構造の窒素酸化物吸蔵材料は、後述の実施形態2において示すように低温でより優れたNOx吸蔵性能を示す。したがって、ペロブスカイト型構造の第1複合酸化物からなる第1相が主相であり、ルドルスデン・ポッパー構造の第2複合酸化物からなる第2相が副相であることが好ましいといえる。
(実施形態2)
本実施形態においては、実施例及び比較例にかかる窒素酸化物吸蔵材料について、NOxに対する吸蔵性能を比較評価する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
まず、実施例との比較用として、比較例1の窒素酸化物吸蔵材料を準備した。比較例1の窒素酸化物吸蔵材料は酸化鉄(Fe23)である。これは錯体重合法により合成したものを用いた。
次に、実施例1〜4、比較例1の窒素酸化物吸蔵材料のNOx吸蔵性能の評価を行った。具体的には、まず、各窒素酸化物吸蔵材料を石英製の反応器内の中央に充填した。反応器は、高さ12mm、幅10mm、厚み1mmの四角筒状である。充填量は100〜200ミリグラムである。
この反応器内に、温度150℃の条件下で窒素酸化物を含む混合ガスを流した。混合ガスの流れ方向は、反応器の高さ方向である。混合ガス組成は、NO:200体積ppm、O2:3体積%、He:残部である。流量は、100ml/分である。反応器の上流側から混合ガスを流し、窒素酸化物吸蔵材料を通過させてから下流側から排出させる。このとき、下流側から排出されるガス中に含まれるNOx量をモニタリングすることにより、窒素酸化物吸蔵材料の単位グラムあたりかつ単位時間あたりのNOx吸蔵量を算出した。つまり、窒素酸化物吸蔵材料の単位グラム×単位時間あたりのNOx吸蔵量を算出した。その結果を図5に示す。
また、NOガス流通下で実施例1及び実施例2の窒素酸化物を昇温したときのNOの消費量とNO2の生成挙動をNOの昇温反応分析(つまり、NO−TPR分析)により調べた。その結果を図6及び図7に示す。測定は、ガス流量:50ml/分、ガス種:濃度0.6体積%のNOと残部ヘリウムとの混合ガス、温度範囲:50〜700℃、昇温速度:5℃/分、サンプル量:50mgという条件で行った。なお、測定前に、温度700℃、1時間の条件で、濃度10体積%の酸素ガスを含むヘリウムガスをサンプルに流通させる前処理を行った後、温度50℃で2時間ヘリウムガスによりサンプルを洗浄する処理を行った。NO消費量は、固体内酸素によってNO2に酸化されて気相に脱離したNO2量と複合酸化物に吸蔵されたNO量との合計を示す。固体内酸素とは、複合酸化物を構成する結晶内の格子酸素を意味する。また、NO2の生成挙動は、ガス中に含まれるNO2量をモニタリングすることによって調べた。NOの消費量の測定は、(株)堀場製作所製のNOxメータ「PG−335Z」を用いてNOモードで行った。NO2量の測定は、マイクロトラック・ベル社製の質量分析計(つまり、Q−Mass)「BELMass−S」を用いて分子量46の成分(つまり二酸化窒素)を分析することにより行った。図6及び図7においては、下側に位置する曲線がNOの消費量を示し、上側に位置する波形がNO2の生成量を示す。
また、測定温度条件を300℃に変更した点を除いては、上述の方法と同様にして、実施例1〜4の窒素酸化物吸蔵材料のNOx吸蔵量を測定した。その結果を図8に示す。
図5より知られるように、実施例1〜4は、150℃という低温環境下において比較例1に比べて高いNOx吸蔵性能を示した。特に、第1複合酸化物及び第2複合酸化物を含有する実施例3の窒素酸化物吸蔵材料は、比較例1に比べて7倍以上も高いNOx吸蔵性能を示した。また、実施例3は、実施例1に比べても4倍以上、実施例2に比べても2.5倍以上のNOx吸蔵性能を示した。
また、図8より知られるように、実施例1〜4の窒素酸化物吸蔵材料は、300℃の高温環境下ではさらに高いNOx吸蔵性能を示した。特に、実施例2〜4は、上述の低温条件の場合に比べて、それぞれ4.5倍、3倍、8倍程度NOx吸蔵性能が向上していた。
以上の実施例を鑑みた結果、実践例3は、特に低温環境下でのNOx吸蔵性能に優れていることが顕著である.つまり、一般式I、一般式IIにおけるX元素の少なくとも一部をNiで置換することが好ましく、この場合には低温環境下でのNOx吸蔵性能をより向上できることがわかる.また、NOx吸蔵性能の向上という観点から錯体重合法が固相反応法よりも好ましいこともわかる。
また、図6及び図7より知られるように、実施例1及び実施例2においては、NOの消費ピーク位置とNO2量のピーク位置とが一致している。したがって、第1複合酸化物を含有する実施例1及び第2複合酸化物を含有する実施例2の窒素酸化物吸蔵材料は、NOを酸化し、その結果NO2が生成していると考えられる(図1、図2参照)。これは、実施例3、実施例4についても同様であると考えられる。実施例3、実施例4は、実施例1及び実施例2と同様の複合酸化物を含有するからである。つまり、実施例3及び実施例4の窒素酸化物吸蔵材料は、実施例1及び実施例2と同様に、低温でもNOをNO2に酸化し、酸化されたNO2を吸蔵できると考えられる。
また、図6及び図7より知られるように、昇温により150℃からNOの消費ピーク位置とNO2量のピーク位置とが一致している。つまり、窒素酸化物吸蔵材料は、温度150℃以上で用いられることが好ましい。
実施例1〜実施例4のような窒素酸化物吸蔵材料は、低温でのNOxに対する優れた吸蔵性能を生かして、例えば混合ガス中からNOxを吸蔵させる用途に広く利用できる。具体的には、工場における化学工程、内燃機関等から排出される排ガス中のNOxを除去するために用いることができる。特に、自動車などの車両用のエンジンから排出される排ガス中のNOxの除去に好適である。
(実施形態3)
本形態は、Niに変えて他の金属元素を置換固溶させた窒素酸化物吸蔵材料を作製し、NOxに対する吸蔵性能を比較する例である。具体的には、硝酸ニッケル6水和物に変えて、硝酸クロム(Cr(NO3)3)、硝酸マンガン(Mn(NO3)2)、硝酸コバルト(Co(NO3)2)を変えた点を除いては、実施例3と同様にして酸化物からなる窒素酸化物吸蔵材料を作製した。これらを実施例5〜7とする。
実施例5は、SrFe0.8Cr0.23-δからなる。実施例6は、SrFe0.8Mn0.23-δからなる。実施例7は、SrFe0.8Co0.23-δからなる。これらは、XRD分析により確認している。
次に、各実施例5〜7のNOx吸蔵性能の評価を実施形態2と同様にして行った。測定温度は150℃である。その結果を図9に示す。図9には、実施例1及び実施例3の結果を併記する。
実施例3のようにNiを用いた場合において、SrFe0.8Ni0.23-δからなる第1複合酸化物と、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2複合酸化物とを含有する複合粒子からなる窒素酸化物吸蔵材料が得られた。つまり、第1複合酸化物からなる第1相と、第2複合酸化物からなる第2相との少なくとも2相構造の窒素酸化物吸蔵材料が得られた。そして、図7に示すように、このような窒素酸化物吸蔵材料は、低温でのNOxに対する吸蔵性能が特に優れていた。
一方、実施例5〜7のようにNi以外のCr、Mn、Coを用いた場合には、Niのような2相構造の複合粒子は得られなかった。これらも、低温で、実施例1と同程度又はそれ以上のNOxに対する吸蔵性能を示したが、Niを用いた2相構造の実施例3には及ばなかった。したがって、複合酸化物はNiを含有することが好ましく、窒素酸化物吸蔵材料は少なくとも第1相と第2相との2相構造を有することが好ましい。
(実施形態4)
本実施形態は、Niによる置換固溶量を変えて複数の窒素酸化物吸蔵材料を作製し、窒素酸化物吸蔵性能を評価する例である。具体的には、実施例3と同様に、原料として、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、硝酸鉄9水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO3)2・6H2O)を用いて錯体重合法により作製した。各原料の配合比を実施例3とは変更して実施例8〜10の窒素酸化物吸蔵材料を作製した。
実施例8は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Ni=1:0.9:0.1として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。
実施例9は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Ni=1:0.5:0.5として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。
実施例10は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Ni=1:0.2:0.8として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。
実施例8〜10の各窒素酸化物吸蔵材料のXRDパターンを実施形態1と同様にして調べた。その結果を図10に示す。図10には、実施形態1における実施例1、実施例3の結果を併記する。実施形態1において示した通り、実施例1は、Sr:Fe:Ni=1:1:0の配合比率で作製した窒素酸化物吸蔵材料であり、実施例3は、Sr:Fe:Ni=1:0.8:0.2の配合比率で作製した窒素酸化物吸蔵材料である。図10においては、代表的な結晶構造のピーク位置を記号により示す。
図10より知られるように、XにおけるNiの配合比率が0.1〜0.8となるように原料配合を調整して作製した実施例3、実施例8〜10においては、一般式I:MXO3-δで表される構造、一般式II:M327-δで表される構造が確認できる。つまり、実施例3、実施例8〜10は、SrFe0.8Ni0.23-δ、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δの少なくとも一方を含有していると考えられる。また、原料の配合割合においてNiを、固溶限界を超えて増やすと、NiO等のMやXを含有する第3化合物が生成している。第3化合物としては、Feを含む化合物よりもNiやSrを含む化合物が生成し易い傾向がある。
図10より知られるように、実施例8のように、Niの配合比率が0.1の場合には、MXO3-δの相が主に観察されている。つまり、実施例8の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.9Ni0.13-δからなる第1相を主相とする。さらにNiの配合比率を0.1から増やしていくことにより、M327-δの相が現れ、NiO等の第3化合物として第3相も現れてくる。
例えば実施例3のように、Niの配合比率が0.2の場合には、MXO3-δとM327-δとが観察される。つまり、実施例3の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.8Ni0.23-δからなる第1相とSr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2相とを有している。さらに、実施例1の窒素酸化物吸蔵材料には、NiO等の第3化合物からなる第3相が観察されている。
実施例9のように、Niの配合比率が0.5になると大部分がM327-δの相となっている。つまり、実施例9の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2相を主相としている。さらに、実施例9においては、固溶限界を超えたNiがNiO等の第3化合物として第3相を形成している。
さらにNiの配合比率を増やして実施例10のようにNiの配合比率が0.8になると、ペロブスカイト型以外のNiの複合酸化物等の第3化合物からなる第3相が確認されている。つまり、実施例10の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.8Ni0.2)27-δからなる第2相と、NiO、Sr−Ni複合酸化物等の第3化合物からなる第3相とを有していると考えられる。
次に、実施例8〜10の各窒素酸化物吸蔵材料について、温度300℃でのNOx吸蔵性能の評価を行った。NOx吸蔵性能の評価は、実施形態2と同様にして行った。その結果を図11に示す。図11には、実施例1及び実施例3のデータを併記する。
図11より知られるように、M及びXの少なくとも一方を含有し、第1複合酸化物及び第2複合酸化物とは異なる第3化合物からなる第3相は、窒素酸化物に対する吸蔵性能を向上させる傾向がある。つまり、窒素酸化物吸蔵材料は、第1複合酸化物からなる第1相、第2複合酸化物からなる第2相の他に第3化合物からなる第3相を含有することが好ましい。窒素酸化物吸蔵材料が第3化合物を含有する場合には、第1複合酸化物と第2複合酸化物の少なくとも一方と、第3化合物を含有することができる。具体的には、窒素酸化物吸蔵材料は、第1複合酸化物と第3化合物、第2複合酸化物と第3化合物、又は第1複合酸化物と第2複合酸化物と第3化合物を含有することができる。窒素酸化物吸蔵材料は上述の実施例1、2のように第3化合物を含有していなくてもよい。
図11は、測定温度300℃における窒素酸化物の吸蔵量を示すが、実施例8〜10は、例えば150℃という低温環境下においても優れた吸蔵性能を示すと考えられる。これは、図10に例示されるように、実施例8〜10が、実施形態2において低温環境下での優れた吸蔵性能が確認された実施例1〜4と同様に、一般式I:MXO3-δで表される第1複合酸化物及び一般式II:M327-δで表される第2複合酸化物の少なくとも一方を含有しているからである。
(実施形態5)
本実施形態においては、窒素酸化物吸蔵材料を担体に担持してなる排ガス浄化触媒について図12及び図13を参照して説明する。図12及び図13に例示されるように、排ガス浄化触媒3は、担体2と、これに担持された窒素酸化物吸蔵材料1とを有する。
担体2は、例えばハニカム構造体である。つまり、担体2は、筒状の外皮20と、その内側を区画する多数のセル壁21とを有する。これにより、外皮20の内側には、セル壁21に囲まれた多数のセル22が形成されている。
担体2は、例えば多孔質体である。つまり、図13に例示されるように、担体2の例えばセル壁21は、多数の細孔211を有している。
セル壁21には、窒素酸化物吸蔵材料1が担持されている。窒素酸化物吸蔵材料1は、セル壁21の表面に担持させることができ、細孔211内に担持させることもできる。窒素酸化物吸蔵材料1は、例えばアルミナ共に担体2に担持させることができる。
窒素酸化物吸蔵材料1としては、例えば上述の実施例1〜7を用いることができる。その他にも、MXO3-δで表される第1複合酸化物及びM327-δで表される第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する窒素酸化物吸蔵材料1を用いることができる。
担体2は、例えばコージェライト、SiC等の耐熱性に優れた材質からなることが好ましい。
本形態の排ガス浄化触媒3は、低温での窒素酸化物吸蔵性能に優れた窒素酸化物吸蔵材料1を含有する。そのため、低温環境下においても、排ガス中の窒素酸化物を十分に吸着除去することができる
(実施形態6)
本実施形態は、Cr、Mn、Coの置換固溶量を変えて複数の窒素酸化物吸蔵材料を作製し、窒素酸化物吸蔵性能を評価する例である。具体的には、原料として、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、及び硝酸鉄9水和物(Fe(NO3)3・9H2O)と共に、硝酸クロム(Cr(NO3)3)、硝酸マンガン(Mn(NO3)2)、又は硝酸コバルト(Co(NO3)2)を用いて錯体重合法により窒素酸化物吸蔵材料を作製した。各原料の配合比を実施形態3とは変更して実施例11〜19の窒素酸化物吸蔵材料を作製した。
実施例11は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Cr=1:0.4:0.6として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例11の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.4Cr0.63-δを主相とする。実施例11の窒素酸化物吸蔵材料は、実質的にSrFe0.4Cr0.63-δからなるが、上記モル比の配合で生成しうる他の副成分を含みうると考えられる。実施例12及び実施例13についても同様である。
実施例12は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Mn=1:0.4:0.6として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例12の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.4Mn0.63-δを主相とする。
実施例13は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Co=1:0.4:0.6として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例13の窒素酸化物吸蔵材料は、SrFe0.4Co0.63-δを主相とする。
実施例14は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Cr=3:1.6:0.4として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例14の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.8Cr0.2)27-δを主相とする。実施例14の窒素酸化物吸蔵材料は、実質的にSr3(Fe0.8Cr0.2)27-δからなるが、上記モル比の配合で生成しうる他の副成分を含みうると考えられる。実施例16、実施例18についても同様である。
実施例15は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Cr=3:0.8:1.2として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例15の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Cr0.6)27-δを含有し、さらにSrFe0.4Cr0.63-δを含有する。実施例15の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Cr0.6)27-δを主相とし、SrFe0.4Cr0.63-δを副相とし、その他に上記モル比の配合で生成しうる他の副成分を含みうると考えられる。実施例17、実施例19についても同様である。
実施例16は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Mn=3:1.6:0.4として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例16の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.8Mn0.2)27-δを主相とする。
実施例17は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Mn=3:0.8:1.2として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例17の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Mn0.6)27-δを含有し、さらにSr(Fe0.4Mn0.6)O3-δを含有する。実施例17の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Mn0.6)27-δを主相とし、Sr(Fe0.4Mn0.6)O3-δを副相とする。
実施例18は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Co=3:1.6:0.4として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例18の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.8Co0.2)27-δからなる。
実施例19は、各原料の配合比率を金属元素のモル比で、Sr:Fe:Co=3:0.8:1.2として作製した窒素酸化物吸蔵材料である。実施例19の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Co0.6)27-δを含有し、さらにSr(Fe0.4Co0.6)O3-δを含有する。実施例19の窒素酸化物吸蔵材料は、Sr3(Fe0.4Co0.6)27-δを主相とし、Sr(Fe0.4Co0.6)O3-δを副相とする。
次に、実施例11〜19の各窒素酸化物吸蔵材料について、温度150℃、温度300℃でのNOx吸蔵性能の評価を行った。NOx吸蔵性能の評価は、実施形態2と同様にして行った。その結果を図14〜図17に示す。図14、図16は、温度150℃でのNOx吸蔵性能の評価結果を示し、図15、図17は、温度300℃でのNOx吸蔵性能の評価結果を示す。図14及び図15は、一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物からなる窒素酸化物吸蔵材料の結果を示し、図14及び図15には、実施形態3における実施例5〜7の結果を併記する。図16及び図17は、一般式II:MXO3-δ1で表される第2複合酸化物からなる窒素酸化物吸蔵材料、第2複合酸化物を主相する窒素酸化物吸蔵材料の結果を示す。なお、図14〜図17では、「実施例」を「実」と表記してあり、例えば「実1」は、「実施例1」を示す。
図14〜図19より知られるように、一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物、一般式II:M327-δ2で表される第2複合酸化物においては、実施形態2及び実施形態4において示されるNiと同様に、FeをCr、Mn、Coなどで置換しても優れたNOx吸蔵性能を示しており、置換量を変えても優れたNOx吸蔵性能を示す。一般式I及び一般式IIにおけるXは、遷移金属であるが、Fe、Ni、Co、Mn、Cr等の第一遷移元素(3d遷移金属)であることが好ましい。
また、図14及び図15より知られるように、一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物においては、置換量を増やすことにより、低温でのNOx吸蔵性能がより向上している。一方、図16及び図17より知られるように、一般式II:M327-δ2で表される第2複合酸化物においては、第1複合酸化物のような傾向は見られないが、低温でも十分にNOx吸蔵性能を示している。
(実施形態7)
本例は、窒素酸化物吸蔵材料と貴金属とを併用したときにおけるNOx吸蔵性能を調べる例である。まず、実施例2の第2複合酸化物からなる窒素酸化物吸蔵材料を準備した。つまり、Sr3Fe27-δからなる窒素酸化物吸蔵材料である。Sr3Fe27-δへのPdの担持量は1.0重量%である。
次いで、混合前のSr3Fe27-δ、及び混合後のPd/Sr3Fe27-δ(つまり、PdとSr3Fe27-δとの混合物)について、NOx吸蔵性能を調べた。具体的には、実施形態2と同様にして調べた。その結果を表1に示す。なお、表1における吸蔵時間は、出口ガスのNOx濃度が導入濃度(具体的には、200ppm)に対して1%以下(つまり、2ppm以下)に保たれている時間を示す。
Figure 2018187621
表1より知られるように、Pdのような貴金属と窒素酸化物吸蔵材料とを混合することにより、低温でのNOx吸蔵性能が向上している。これは、貴金属が、NOの吸着を促進させることにより、第2複合酸化物によるNO2への酸化反応が円滑に進行した可能性が考えられる。また、貴金属はNOの酸化性能に優れ、NOを、窒素酸化物吸蔵材料が吸蔵し易い形態であるNO2に酸化するためであるとも考えられる。
一方、高温環境下では、貴金属の添加効果がほとんど見られない。これは、貴金属添加の有無にかかわらず、第2複合酸化物上でのNO酸化および吸蔵反応が十分早く進行するためであると考えられる。
本実施形態では、貴金属としてPdを用いたが、貴金属としては、Pt、Rh、Pdからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。好ましくは少なくともPdを用いることがよい。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。各実施形態、実施例は、本発明の効果を損ねない限り組み合わせることができる。
1 窒素酸化物吸蔵材料
11 複合粒子
111 第1相
112 第2相
2 担体
3 排ガス浄化触媒

Claims (22)

  1. 一般式I:MXO3-δ1で表される第1複合酸化物及び一般式II:M327-δ2で表される第2複合酸化物の少なくとも一方を含有する、窒素酸化物吸蔵材料(1)。
    (ただし、上記一般式I及び上記一般式IIにおけるMは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びランタノイド金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXは、それぞれ、遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、δ1は、0≦δ1≦0.5を満足し、δ2は、0≦δ2≦1.0を満足する。)
  2. 上記窒素酸化物吸蔵材料が、上記第1複合酸化物及び上記第2複合酸化物の少なくとも一方内に含まれる格子酸素によって一酸化窒素を二酸化窒素に酸化し、該二酸化窒素を吸蔵する機能を有する、請求項1に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  3. 上記第1複合酸化物からなる第1相(111)と、上記第2複合酸化物からなる第2相(112)と、を含有する複合粒子(11)からなる、請求項1又は2に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  4. 上記第1相及び上記第2相の少なくとも一方が主相である、請求項3に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  5. 上記窒素酸化物吸蔵材料が250℃未満での温度環境下で用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  6. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるMが、アルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  7. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるMが、少なくともSrを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  8. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXが、Fe、Mn、Co、Cr、及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  9. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXが、Fe、Mn、Co、Cr、及びNiからなる群より選ばれる少なくとも2種からなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  10. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXが、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種と、Niとからなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  11. 上記一般式I及び上記一般式IIにおけるXが、Fe及びNiからなると共に、Feが主成分であり、Niが副成分である、請求項10に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  12. 上記一般式Iで表される第1複合酸化物を含有し、上記一般式IにおけるMがアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であり、XがNiである、請求項1又は2に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  13. さらに、上記第1複合酸化物及び上記第2複合酸化物とは異なる第3化合物からなる第3相(113)を含有し、該第3化合物が、上記X及び上記Mの少なくとも一方を含有する化合物である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  14. さらに、貴金属を含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料が担体(2)に担持された、排ガス浄化触媒(3)。
  16. 上記担体がハニカム構造体からなる、請求項15に記載の排ガス浄化触媒。
  17. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法において、
    上記一般式I及び上記一般式IIの少なくとも一方におけるMを含有するM原料と、上記一般式I及び上記一般式IIの少なくとも一方におけるXを含有するX原料とを混合することにより混合物を作製する混合工程と、
    上記混合物を焼成する焼成工程と、を有する、窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
  18. 上記M原料として少なくともSr含有原料を用い、上記X原料として、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する原料と、Ni含有原料とを用いる、請求項17に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
  19. 上記混合工程においては、上記M原料としてM塩を用い、上記X原料としてX塩を用い、水中でM及びXの金属錯体を形成させた後、ゲル化剤により水溶液をゲル化させる、請求項17又は18に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
  20. 上記M塩として少なくともSr塩を用い、上記X塩として、Fe、Mn、Co、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塩と、Ni塩とを用いる、請求項19に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
  21. 上記M塩として少なくともSr塩を用い、上記X塩としてNi塩を用いる、請求項19に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
  22. 上記混合工程においては、上記混合物として、上記M原料と上記X原料との混合粉末を作製する、請求項17又は18に記載の窒素酸化物吸蔵材料の製造方法。
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