JP6181260B1 - 排ガス浄化用の触媒組成物及び排ガス浄化触媒 - Google Patents

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【課題】従来のペロブスカイト型触媒組成物の自己再生能以上の作用を有し、貴金属の高効率での利用を図ることができる、浄化性能及び耐久性の双方に優れた触媒組成物の提供。【解決手段】貴金属を固溶させた複合酸化物を含む排ガス浄化用の触媒組成物であって、下記式で表される平均組成を有し、スピネル構造を有する複合酸化物を含む触媒組成物。[M1はMn又はFe;M2はFe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga又はGeから選択される1種以上の元素;Feは、触媒組成物がMnを含むときにのみ、M2となる;M3:少なくとも1種の貴金属元素;0<x<0.75であり、0≦δ<0.5、0<z≦0.1]【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス中の一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を浄化する三元触媒として好適な排ガス浄化用の触媒組成物に関する。
排ガス浄化触媒として、排ガス中に含まれる有害物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素(THC)及び窒素酸化物(NOx)を酸化又は還元して同時に浄化する三元触媒が利用されている。この触媒の構成としては、アルミナ、セリア−ジルコニア等のセラミックス(無機酸化物)からなる担体に、触媒金属として貴金属であるPt、Pd、Rhを担持させたものが一般的である。
排ガス浄化触媒に要求される特性としては、高い触媒活性を発揮することが当然に挙げられるが、それと同等に耐久性も重要である。排ガス浄化用触媒の使用環境は、高温であり酸素濃度が頻繁に変動する雰囲気である。そして、かかる苛酷な使用環境の下で、触媒金属である貴金属粒子が粗大化することで触媒活性が低下する。排ガス浄化用の触媒の耐久性向上の課題は、貴金属粒子の粗大化を如何に抑制するかにあるといえる。
ここで、排ガス浄化触媒の耐久性向上の手段として、触媒金属である貴金属をペロブスカイト構造の複合酸化物に固溶させてなる触媒組成物を適用することが報告されている(特許文献1〜3)。この触媒組成物においては、使用雰囲気の温度や酸素濃度の変動に応じて、ペロブスカイトから貴金属の析出と固溶の可逆的なサイクルが生じる。このペロブスカイトの変化に伴う析出と固溶のサイクルにおいて、貴金属は析出することでナノオーダーの高活性の触媒金属として作用することができ、固溶するときには原子レベルでペロブスカイトの結晶格子に固溶することができる。つまり、この触媒組成物(以下、ペロブスカイト型触媒組成物と称するときがある)は、貴金属の析出と固溶のサイクルを生じさせることで、貴金属を自己再生させることができ、これにより貴金属粒子の粗大化を抑制している。
特開2004−041866号公報 特開2004−041867号公報 特開2004−041868号公報
上記のペロブスカイト型触媒組成物は、ペロブスカイトという複合酸化物の特性を活かして、触媒金属である貴金属に自己再生能を具備させるユニークな技術といえる。そして、貴金属粒子そのものをセラミックスに担持させた従来型の触媒と対比すれば、耐久性向上の効果が認められる。
しかしながら、このような自己再生能を有する触媒組成物についても改善の余地がある。上記の触媒組成物は、複合酸化物と貴金属との固溶体であるが、本発明者等によれば、組成物粒子内の貴金属の分散状態によっては、一部の貴金属が浄化反応に寄与しない可能性がある。具体的には、ペロブスカイト型組成物粒子の表面近傍の遷移金属サイトに固溶した貴金属は、上記のように析出と固溶を繰返しつつ浄化反応に寄与できるが、ペロブスカイト型組成物粒子の内部奥深くの遷移金属サイトに固溶した貴金属は析出できない。
この問題の要因は、ペロブスカイト構造の複合酸化物に生じる変化の態様にある。即ち、ペロブスカイト構造の複合酸化物で生じる変化は、結晶格子の一部のサイトに置換していた貴金属を放出(析出)し収容(固溶)する局所的な変化である。組成物粒子を構成する複合酸化物結晶の構造そのものが変化しているわけではない。粒子全体の結晶構造が変化するわけではないことから、結晶深部の貴金属は、仮に放出されたとしても行き場がないので、結局、移動することなく同じ位置に留まることになる。その結果、浄化反応に寄与できる貴金属は表面近傍の結晶内のものに限定される。
上記の問題を解消するには、ペロブスカイト構造の複合酸化物と貴金属との固溶体形成の際に、複合酸化物の表面近傍であり、且つ局所変化を生じうる部位付近に貴金属を配置することが必要となるが、これは現実には極めて困難である。
本発明は、以上のような背景のもとになされたものであり、従来の触媒組成物の自己再生能と同等以上の作用を有し、貴金属の高効率での利用を図り、浄化性能及び耐久性の双方に優れた触媒組成物を提供することを目的とする。
上記した従来の複合酸化物に貴金属を固溶した触媒組成物における問題の要因は、母相となるペロブスカイト構造の複合酸化物で生じる変化が局所的であることにある。但し、常温から1000℃付近の温度域で使用される排ガス浄化用の触媒組成物にとって、苛酷な環境下であっても構造変化のない強固な複合酸化物を適用する従来技術の傾向は理にかなっているといえる。貴金属を固溶する母相に対して、不測の構造変化・崩壊が生じると、触媒本来の機能が発揮されないおそれがあるからである。
本発明者等は、高温下でも強固な複合酸化物を適用する従来技術の傾向を見直し、それとは逆に、貴金属を固溶させる母相として構造変化が生じうる複合酸化物を適用することとした。ここで、複合酸化物の結晶構造としては、ペロブスカイト構造の他、スピネル構造、コランダム構造、デラフォサイト構造、ルチル構造等が知られている。本発明者等によれば、これら各種構造の複合酸化物は、その化学組成(構成金属の種類や構成割合)を調整することで、温度や雰囲気に対応した構造変化を引き起こす可能性を有する。本発明者等は、これらの複合酸化物の構造変化を適切に利用することで、これまでにない自己再生作用を有する触媒組成物を製造できると考察した。
そして、本発明者等は、排ガス浄化用途の動作環境(温度範囲、酸素分圧、空燃比等)を考慮し、その環境下で好適な構造変化を生じさせることができる複合酸化物としてスピネル構造の複合酸化物に着目した。
この本発明者等の着想に関し、スピネル構造の複合酸化物として、Mnの酸化物をその好適な例として説明する。Mn酸化物は、常温から1000℃付近の温度域において、正方晶系のスピネル構造を有するMnと、立方晶系のビックスバイト構造を有するMnの2つが知られている。Mn酸化物は、置かれた温度・酸素分圧に応じて、それぞれの構造に相転移することができる。即ち、常温域ではビックスバイト構造(Mn)であったものが、高温域ではスピネル構造(Mn)に相転移する。この相転移は可逆的であり、雰囲気温度の低下に伴いスピネルからビックスバイトへの相転移も生じ得る。この相転移が生じる条件は、温度、酸素濃度(酸素分圧)に応じて変化するが、排ガス浄化触媒が動作する温度と雰囲気の範囲は、このMn酸化物が相転移する条件とオーバーラップしている。従って、Mn酸化物は、排ガス浄化触媒の動作域において、Mn(スピネル構造)とMn(ビックスバイト構造)に可逆的に相転移できる。この相転移は、結晶構造そのものの変化であり、結晶相全体の構造変化を引き起こすこととなる。
本発明者等は、上記のMn酸化物のようなスピネル型酸化物の相転移現象を利用することで、従来技術では見られない自己再生作用を有する触媒組成物を形成できると考察した。即ち、貴金属を固溶する母相としてスピネル型酸化物を適用し、その相転移によるドラスティックな構造変化を活用することで、固溶した貴金属を有効に浄化反応に寄与させつつ、自己再生による耐久性の確保も達成できると考えた。
ここで、スピネル型酸化物の作用について、従来技術で適用されたペロブスカイト型組成物粒子と対比しつつ説明する。図1は、母相としてペロブスカイト構造の複合酸化物を適用する触媒組成物の挙動(図1(a))と、母相としてスピネル構造の酸化物を適用する触媒組成物の挙動(図1(b−1)(b−2))とを説明するための模式図である。ペロブスカイト構造もスピネル構造も高温下における安定相である。いずれの複合酸化物においても、貴金属は母相となる複合酸化物中に固溶している。ここでの高温とは、800℃以上の高温環境を想定している。排ガス浄化触媒にとって、800℃を超える環境は、触媒金属の劣化(粗大化)が生じる温度域だからである。そして、この貴金属は、ペロブスカイト構造の複合酸化物に原子レベルで固溶することで粗大化を免れている。
そして、置かれた温度・雰囲気が変化すると、それぞれの複合酸化物で変化が生じる。ペロブスカイト型複合酸化物においては、結晶格子内の貴金属が析出するが、結晶構造自体は変化することなく、触媒組成物全体の構造にも変化はない(図1(a))。この局所的な変化によっては触媒組成物内部の貴金属は析出できない。また、内部でも部分的な変化が生じる可能性はあるが、組成物全体の構造が変化するわけではないので、貴金属を表面まで拡散させることは困難である。従って、ペロブスカイト型複合酸化物では、固溶した貴金属の一部の利用にとどまり排ガス浄化を非効率なものとする。
一方、スピネル型酸化物で生じる相転移は、結晶構造そのものの変化である(図1(b−1))。この構造変化とは、上記Mn酸化物で見られる酸化・還元(Mn+1/4O⇔3/2Mn)によって進行する結晶格子の構造変化(正方晶→立方晶)が挙げられる。この構造変化においては、酸化・還元反応によって、複合酸化物の構成金属のイオンに価数変動と位置変動が生じ、これによって固溶していた貴金属の位置変動も促される。そして、位置変動する貴金属が放出されて析出することになる。スピネル型複合酸化物のこのような構造変化は、触媒組成物全体で生じるので、内部の貴金属が析出して触媒反応に寄与し高い浄化性能を発揮することができる。
また、本発明者等によれば、スピネル型複合酸化物はその組成によっては、上記の酸化・還元による相転移とは異なる相転移を示すことがある。この特異な相転移として、擬スピノーダル分解による相分離が挙げられる(図1(b−2)))。擬スピノーダル分解とは、2成分系又は多成分系の固溶体において、核形成及び結晶成長の過程を経ることなく生じる相分離の現象の意義である。擬スピノーダル分解を発現するスピネル型複合酸化物では、濃度差を有する複数の相に分離するので、この場合も触媒組成物全体で構造変化が生じ、効果的に貴金属を析出させる可能性を有する。
そして、上記のような過程で析出した貴金属を有する複合酸化物は、高温雰囲気で上記とは逆の相転移をして単一のスピネル構造の複合酸化物になる。このとき、構成金属の移動と共に貴金属が結晶内部に固溶する。以上のような母相の構造変化により、貴金属は自己再生しながら固溶と析出を繰り返すことができる。
以上のような考察のもと、本発明者等は、貴金属を固溶する母相となるスピネル型酸化物の構成を検討した。そして、その結果、上記したMnに加えて、Feのいずれかの元素を必須の構成金属としたスピネル構造を有する複合酸化物に、貴金属を固溶してなるスピネル型複合酸化物を適用することで、排ガス浄化の際により高活性な触媒組成物を得ることができるとして本発明に想到した。
上記課題を解決する本発明は、貴金属を固溶させた複合酸化物を含む排ガス浄化用の触媒組成物であって、下記式で表される平均組成を有し、スピネル構造を有する複合酸化物を含む排ガス浄化用の触媒組成物である。
上記の組成式において、M、M、Mの意義は以下の通りである。また、0<x<0.75であり、0≦δ<0.5、0<z≦0.1である。
:Mn、Feのいずれかの元素である。
:Fe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Geから選択される少なくとも1種の元素である。但し、Feは、前記触媒組成物がMnを含むときにのみ、Mとなることができる。
:少なくとも1種の貴金属元素である。
本発明に係る触媒組成物について、更に詳細に説明する。以上の通り、本発明に係る触媒組成物は、貴金属を固溶したスピネル構造を有する複合酸化物である。母相となるスピネル構造を有する複合酸化物は、M、Mの少なくとも2種の金属の複合酸化物である。
金属Mは、Mn、Feのいずれかである。これらを必須の金属Mとするのは、上記の通り、スピネル構造の酸化物を形成することができ、かつ、その酸化物が排ガス浄化触媒の動作条件において相転移が発現し得ることから重要な金属である。
Mnは、ヤーン・テラー効果を発現する金属イオンであることから、とりわけ有用な元素である。Mn3+イオンは、結晶の対象性を低下させることでエネルギー的に安定となる金属イオンである。一般的なスピネル構造が通常とる結晶構造は立方晶であるが、Mn3+イオンのようなヤーン・テラーイオンを導入することで、正方晶又は斜方晶のスピネル構造の複合酸化物を得ることができる。そして、Mnを含むスピネル構造の複合酸化物は、擬スピノーダル分解を比較的容易に発現することができる。このとき擬スピノーダル分解によって生成する分離相は、Mnを含む正方晶又は斜方晶のスピネル構造の相と、Mnを含まない、若しくはMn濃度の低い立方晶のスピネル構造の相となる。このように、Mnは、本発明が意図するスピネル構造の複合酸化物の相転移を検討する上で有用な金属元素である。
そして、本発明に係る触媒組成物は、貴金属を固溶するための母相として、上記した金属Mと金属Mとで構成された複合酸化物を適用するものである。上記の通り、Mn等の単一金属のスピネルでも酸化・還元による相転移は生じるので、その複合酸化物でも貴金属の析出と固溶のサイクルは発現すると考えられる。但し、貴金属を析出させる際には、結晶相全体をより大きく構造変化させることが好ましい。本発明者等によれば、金属Mと異なる金属Mを複合化することで、より大きな構造変化を生じさせ、排ガス浄化反応に寄与する貴金属の析出を促すことができる。また、上記した擬スピノーダル分解を生じさせるためには、複数の金属元素を含むスピネルが必要である。
この金属Mについては、金属M(Mn、Fe)との組合わせにおいてスピネル構造をとることができる金属であれば、限定されることはない。具体的には、金属Mは、Fe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V,Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Geから選択される少なくとも1種の元素である。尚、Feについては、金属Mとして機能し得る金属であるが、金属MがMnであるときには、金属Mとして作用しスピネルを構成することができる。
また、Cuイオン(Cu2+)は、Mnイオンと同様にヤーン・テラー効果を発現する金属イオンである。従って、金属MとしてCuを含むスピネル構造の複合酸化物も、擬スピノーダル分解を比較的容易に発現することができる。この場合、擬スピノーダル分解によって、Cuを含む正方晶又は斜方晶のスピネル構造の相と、Cuを含まない若しくはCu濃度の低い立方晶のスピネル構造の相とを生成し得る。
そして、本発明に係る触媒組成物は、母相としてスピネル構造の酸化物に金属Mとして貴金属元素が固溶して構成される。スピネル構造を有する複合酸化物に貴金属を原子レベルで固溶することで、相転移による析出・固溶のサイクルが生じる。本発明の貴金属の状態は、スピネル構造を有する複合酸化物の表面上に貴金属粒子を吸着(担持)する場合とは根本的に相違する。単純な吸着・担持では、本発明は意図する貴金属の析出・固溶のサイクルが生じず、自己再生機能も発揮しない。
本発明では、触媒金属となる貴金属(金属M)は、Pd、Pt、Rhの少なくともいずれかが好ましい。また、複数の貴金属を複合酸化物に固溶しても良い。
本発明に係る触媒組成物である複合酸化物の平均組成を規定する、xの範囲について、xは0<x<0.75であることを要する。本発明に係る触媒組成物は、スピネル構造を有する複合酸化物を含んでなるが、これはスピネルからなる単一相、若しくは、スピネルを主相とする混合物を形成している。平均組成式のxの範囲は、この触媒組成物の構成に関連する。xが0.75を超えると、触媒組成物中でスピネルが熱力学的安定相として存在しない可能性がある。また、x=0となると金属M含まない金属Mのみからなるスピネルとなる。よって、xは0<x<0.75とした。
また、本発明に係る触媒組成物においては、スピネルを構成する金属M、Mの組み合わせによって酸素不定比性を生じ得る。そこで、組成式中の酸素不定比量δについては、0≦δ<0.5と仮定される。尚、この酸素不定比性がスピネルの分解挙動に大きな影響を与えるものではない。
そして、複合酸化物に対する貴金属の固溶量については、母相である複合酸化物の遷移金属サイトの10%以下とする。つまり、zの範囲は0<z≦0.1とする。貴金属は、酸素6配位の結晶サイト(酸素八面体の中心サイト)で安定化するのが難しく、固溶しない貴金属が複合酸化物の焼成時に凝集してしまう。また、スピネル構造中への固溶量が多いと、超高圧等の特殊条件下での合成が必要となるからである。貴金属の固溶量は、複合酸化物の遷移金属サイトの5%以下(0<z≦0.05)とするのが好ましい。zの下限値としては、触媒活性を考慮して0.01とするのが好ましい。
ところで、本発明に係るスピネル構造の複合酸化物からなる触媒組成物は、製造後の取扱い過程及び使用過程において様々な熱履歴を受ける。具体的には、本発明に係る触媒組成物は、後述する高温の焼成処理によってスピネル構造の複合酸化物として製造される。そして、この触媒組成物を排ガス浄化用触媒の形態にするためには、後述のようにセラミック担体に担持し、支持体に焼付けて固定するのが一般的である。この排ガス浄化用触媒の製造過程における焼付け処理は、300℃以上700℃以下の温度域で実施されることが多い。更に、そのようにして製造された排ガス浄化用触媒は、常温から1000℃付近の温度域で使用される
ここで、スピネル構造は、高温域おける安定相であるので、本発明に係る触媒組成物は、低温で構造変化(相転移)が生じる。即ち、本発明に係る触媒組成物は、上記の取扱い過程における焼付け処理や、触媒使用過程で触媒が700℃以下にあるときには、スピネル構造から相転移し、固溶していた貴金属Mが析出し得る。そして、触媒組成物は、スピネルを構成していた金属MとMで構成される酸化物と、貴金属元素M及び/又は貴金属元素Mの酸化物の混合体となる。
このスピネルが相転移したときの触媒組成物の構成を具体的に説明すると、M O、MO、M 、M、M 、Mの化学式で示される金属Mの金属酸化物から選択される少なくとも1種の金属酸化物と、少なくとも1種の貴金属元素M及び/又は貴金属元素Mの酸化物とからなっている。
金属Mとは金属Mと金属Mであって、その意義は上記の通りである。金属Mは、Mn、Feのいずれかである。また、金属Mは、Fe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Geから選択される少なくとも1種である。Feは、触媒組成物がMnを含むときにのみ、Mとみなすことができる。
また、この触媒組成物中のM、M、Mの比率(原子比)は、スピネルの状態のものが維持される。即ち、M:M:M=1−x−z:x:zで表され、0<x<0.75であり、0≦δ<0.5、0<z≦0.1である。尚、好ましい貴金属Mの範囲、及び、xの範囲はスピネルと同じ内容が適用できる。
尚、この金属Mの酸化物(M O、MO、M 、M、M 、M)を含む触媒組成物においては、スピネル状態において固溶していた貴金属Mの極く一部が、析出することなく酸化物中に固溶するおそれがある。このような未析出の貴金属は、触媒活性に寄与しないことからできるだけ少ないことが好ましい。具体的には、未析出の貴金属は、触媒組成物中の貴金属Mの量(M:M:M=1−x−z:x:zとしたときのzの値)に対して、5%以下の貴金属が許容される。
以上説明したように、本発明に係る触媒組成物は、高温安定相であるスピネル構造の相転移を活用するものである。そのため、上記した相転移後の金属酸化物(M O、MO、M 、M、M 、M)と貴金属又はその酸化物との混合体も本発明の範囲に含まれる。そして、この複合酸化物の低温安定相と貴金属との混合物の状態の触媒組成物を排ガス浄化に供しても、スピネルと同等の作用が期待される。スピネル構造の相転移は可逆的だからである。この低温安定相と貴金属との混合物の状態の触媒組成物は、具体的には500℃以上1000℃以下で相転移して、化1のスピネル構造の酸化物を含む触媒組成物となる。
次に、本発明に係る触媒組成物の製造方法について説明する。本発明に係る触媒組成物は、基本的に、従来から知られているスピネル型複合酸化物の製造方法を適用することで製造可能である。スピネル型複合酸化物の製造方法としては、錯体重合法、共沈法、ゾル−ゲル法、アルコキシド法、単純酸化物・炭酸塩等を用いた固相反応法等を挙げることができる。本発明に対しては、これらの方法の中から特に限定されるものはないが、製造方法の一例として錯体重合法を用いた方法を説明する。
本発明に係る触媒組成物を錯体重合法により製造する工程としては、まず、原料となる金属化合物である金属M、金属M、及び、貴金属Mの塩と、錯形成のための多座配位子となる化合物とを、適宜の溶媒に溶解した混合塩溶液を作製する。この混合塩溶液を作製する工程において、使用した金属M、金属M、及び、貴金属Mの塩の使用量が製造される複合酸化物の組成及び貴金属の固溶量となる。
ここで、金属M、M及び貴金属Mの金属化合物としては、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等を任意に選択して使用することができる。また、多座配位子となる化合物は、クエン酸が良く知られているが、この他、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、サリチル酸等も適用できる。多座配位子は、1種又は2種以上を使用できる。そして、溶媒は、各金属塩と多座配位子を溶解させることができる適宜の溶媒が使用されるが、水(蒸留水、イオン交換水、純水)が使用されることが多い。
次に、この混合塩溶液を加熱等により乾固して、金属M、金属M及び貴金属Mの錯体(クエン酸錯体等)を形成する。そして、得られた錯体を焼成することで金属M、金属M及び貴金属Mのスピネル型の複合酸化物を形成することができる。この焼成の工程は、800℃以上1200℃以下で2時間以上12時間以下とするのが好ましい。また、この焼成を本焼成とし、本焼成の前に仮焼を行っても良い。仮焼する場合、その温度は550℃以上800℃以下で2時間以上12時間以下とするのが好ましい。
本発明に係る触媒組成物は、一例として上記のようにして製造されるが、その形状・寸法は特に制限されるものではない。そして、製造後、その利用形態によって適宜に調整することができる。
ここで、本発明に係る触媒組成物を排ガス浄化触媒として利用する場合、触媒組成物をセラミックスからなる担体に担持して排ガス浄化触媒とするのが好ましい。排ガス浄化触媒とするための担体としては、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、もしくはこれらの混合物、複合酸化物(セリア−ジルコニア等)等が適用できる。このような担体を用いて排ガス浄化用触媒とするとき、担体の粒度分布としては0.1〜20μmの範囲であることが好ましく、その様な担体に本発明の触媒組成物の粒径を20μm以下とした状態で担持させるのが好ましい。本発明に係る触媒組成物を適用する排ガス浄化触媒において、触媒組成物の使用量(担持量)は、担体であるセラミックスのモル数に対して3%以上10%以下とするのが好ましい。
また、本発明に係る触媒組成物を適用する排ガス浄化触媒は、上記のように触媒組成物を担持したセラミックス担体を、更に、適宜の支持体の表面に結合した形態であっても良い。この支持体とは、セラミックハニカム、メタルハニカム、不織布等の構造体が挙げられる。支持体に上記担体と同じセラミックス層を形成していても良い。支持体を適用して本発明に係る触媒組成物を排ガス浄化触媒とするとき、触媒組成物の担持量は、支持体の体積を基準として1g/L以上20g/L以下とするのが好ましい。
尚、上記のように、アルミナやセリアージルコニア等のセラミックスを含む排ガス浄化用の触媒に対して、本発明に係る触媒組成物の構成や状態等を分析する場合には、透過電子顕微鏡を用いた電子線回折法等によって、触媒中の複合酸化物を特定することが可能である。
本発明に係る触媒組成物は、これまでなかった所定の金属(Mn又はFe)を含むスピネル型複合酸化物と貴金属との固溶体形成を活用することからなる。本発明では、スピネル型複合酸化物の相変化による貴金属の自己再生能を発揮する。本発明は、この自己再生能により浄化性能及び耐久性の双方に優れた触媒組成物である。
尚、本発明に係る触媒組成物においては、貴金属が固溶する母相である複合酸化物が擬スピノーダル分解によってナノオーダーで相分離するものがある。この擬スピノーダル分解が生じ得る複合酸化物は、結晶構造が相違する2種のスピネル型複合酸化物の固溶体とみなすことができる。具体的には、本発明で母相となる複合酸化物((M 1−x )は、正方晶系又は斜方晶系のスピネル構造を有する第1の複合酸化物(M とする)と、立方晶系のスピネル構造を有する第2の複合金属酸化物(M’’ とする)との固溶体とみなすことができる。
本発明に係る触媒組成物の具体例としては、(Mn1−x−zFe 4±δ、(Mn1−x−z(Mg,Fe) 4±δ、(Mn1−x−z(Co,Fe) 4±δが挙げられる(Mは貴金属)。そして、これらの触媒組成物において母相となる複合酸化物は、(Mn1−xFe、(Mn1−x(Mg,Fe)、(Mn1−x(Co,Fe)である。これらの複合酸化物は、下記のような、2つの結晶系の相違する複合酸化物の固溶体とみなすことができる。例えば、(Mn1−xFeの場合、0.05<x<0.5のとき、擬スピノーダル分解によるナノオーダーの相分離が生じる傾向にある。
このように、擬スピノーダル分解が生じ得る複合酸化物について、2つの複合酸化物の固溶体と仮定することは、触媒組成物の設計上の観点から便宜である。例えば、金属Mとして、Mn又はCuの少なくともいずれかを選択したとき、そのスピネルは、上記したヤーン・テラー効果により正方晶系又は斜方晶系の第1の複合酸化物(M )であると想定される。そして、このような想定を行うことで、金属Mの金属種を決定する際、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V,Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Ga、Ge中から立方晶系のスピネル(M’‘ )を形成する1種以上の金属を速やかに選択することができる。
ペロブスカイト型酸化物を母相とする触媒組成物の挙動と、スピネル型酸化物を母相とする触媒組成物の挙動とを対比しつつ説明するための模式図。 実施例1〜3、参考例に係るRh固溶複合酸化物の製造直後(900℃焼成直後)のX線回折(XRD)パターンを示す図。 実施例1に係るRh固溶複合酸化物の各種熱処理後のXRDパターンを示す図。 実施例2に係るRh固溶複合酸化物の各種熱処理後のXRDパターンを示す図。 実施例3に係るRh固溶複合酸化物の各種熱処理後のXRDパターンを示す図。 実施例1に係るRh固溶複合酸化物について、熱処理による質量変化を示す熱重量(TG)分析結果を示す図。 実施例1に係るRh固溶複合酸化物の各種熱処理後のX線光電子分光(XPS)スペクトルを示す図。
以下、本発明における最良の実施形態について説明する。本実施形態では、クエン酸錯体法により各種組成の触媒組成物を製造した。
実施例1:酢酸マンガン四水和物23.78g、硝酸鉄九水和物9.80g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.88gと、クエン酸48.07g、及び、エチレングリコール15.45gを、純水に入れて撹拌して室温で溶解させMn、Fe、Rhの混合塩溶液を製造した。そして、この混合塩溶液を加熱して水分除去することで、Mn、Fe、Rhのクエン酸錯体混合物を得た。
次に、このクエン酸錯体混合物を、大気中において、575℃の温度で2時間保持する仮焼を行った。その後、窒素気流中において、900℃の温度で2時間保持する本焼成を行い、触媒組成物の粉末を得た。
この実施例1で製造した触媒組成物は、平均組成Mn2.35Fe0.59Rh0.064±δ((Mn0.78Fe0.20Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Mn2.4Fe0.6スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例1の触媒組成物を「Mn2.4Fe0.6−Rh」とするときがある。
実施例2:酢酸マンガン四水和物15.14g、硝酸鉄九水和物24.96g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.93gと、クエン酸48.96g、及び、エチレングリコール15.74gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例2で製造した触媒組成物は、平均組成Mn1.47Fe1.47Rh0.064±δ((Mn0.49Fe0.49Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Mn1.5Fe1.5スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例2の触媒組成物を「Mn1.5Fe1.5−Rh」とするときがある。
実施例3:酢酸マンガン四水和物7.38g、硝酸鉄九水和物36.51g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.86gと、クエン酸47.75g、及び、エチレングリコール15.35gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例3で製造した触媒組成物は、平均組成Mn0.73Fe2.21Rh0.064±δ((Mn0.24Fe0.74Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Mn0.75Fe2.25スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例3の触媒組成物を「Mn0.75Fe2.25−Rh」とするときがある。
実施例4:硝酸コバルト六水和物6.90g、酢酸マンガン四水和物11.51g、硝酸鉄九水和物18.97g、更に、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.96gと、クエン酸46.60g、及び、エチレングリコール14.98gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例4で製造した触媒組成物は、平均組成Co0.60Mn1.17Fe1.17Rh0.064±δ((Co0.20Mn0.39Fe0.39Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Co0.6Mn1.2Fe1.2スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例3の触媒組成物を「Co0.6Mn1.2Fe1.2−Rh」とするときがある。
実施例5:硝酸コバルト六水和物7.03g、酢酸マンガン四水和物7.81g、硝酸鉄九水和物25.76g、更に、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.95gと、クエン酸47.43g、及び、エチレングリコール15.25gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例5で製造した触媒組成物は、平均組成Co0.59Mn0.78Fe1.57Rh0.064±δ((Co0.20Mn0.26Fe0.52Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Co0.6Mn0.8Fe1.6スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例3の触媒組成物を「Co0.6Mn0.8Fe1.6−Rh」とするときがある。
実施例6:硝酸コバルト六水和物7.24g、硝酸鉄九水和物39.81g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)3.04gと、クエン酸48.85g、及び、エチレングリコール15.70gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例6で製造した触媒組成物は、平均組成Co0.59Fe2.35Rh0.064±δ((Co0.20Fe0.78Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Co0.6Fe2.4スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例3の触媒組成物を「Co0.6Fe2.4−Rh」とするときがある。
実施例7:酢酸マグネシウム四水和物8.88g、酢酸マンガン四水和物15.06g、硝酸鉄九水和物8.28g、更に、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.99gと、クエン酸49.00g、及び、エチレングリコール15.75gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この実施例7で製造した触媒組成物は、平均組成Mg0.99Mn1.47Fe0.48Rh0.064±δ((Mg0.33Mn0.49Fe0.16Rh0.024±δ)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、MgMn1.5Fe0.5スピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、実施例3の触媒組成物を「MgMn1.5Fe0.5−Rh」とするときがある。
参考例:酢酸マンガン四水和物29.80gと、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.88gと、クエン酸 48.19g、及び、エチレングリコール15.49gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成して触媒組成物の粉末を得た。
この参考例で製造した触媒組成物は、平均組成Mn2.94Rh0.06((Mn0.98Rh0.02)のスピネル構造を有する複合酸化物である。この複合酸化物は、Mnスピネル型複合酸化物を母相とし、ここにRhが固溶した複合酸化物である。以下の説明において、この参考例の触媒組成物を「Mn−Rh」とするときがある。
比較例1:硝酸カルシウム四水和物9.68g、硝酸酸化ジルコニウム二水和物10.90g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)2.95gと、クエン酸32.63g、エチレングリコール10.49gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成してRh固溶CaZrOペロブスカイト型複合酸化物(CaZrO−Rh)の粉末を得た。この粉末については、XRDを用いた構造解析の結果、CaZrRh0.063±δであらわされるペロブスカイト型酸化物であることが確認されている。
比較例2:硝酸ランタン六水和物17.64g、硝酸鉄九水和物16.36g、硝酸ロジウム溶液(8.15質量%のRhを含む)3.03gと、クエン酸32.29g、及び、エチレングリコール10.38gを純水に溶解させて混合塩溶液を得た後、実施例1と同様に、溶液を乾固してクエン酸錯体を仮焼、本焼成してRh固溶LaFeRh0.063±δペロブスカイト型複合酸化物(LaFeO−Rh)の粉末を得た。
以上製造した実施例に係るRh固溶スピネル型複合酸化物の製造について、XRDによる構造解析を行った。それらの例として、図2の(a)〜(c)に実施例1〜3のXRDパターンを、図2(d)に参考例のXRDパターンを示す。図2において、実施例1と参考例のピークは正方晶のスピネル酸化物、実施例2は立方晶のスピネル酸化物として指数付けできる。そして、実施例3については、正方晶のスピネル酸化物を主相とし、立方晶のビックスバイト酸化物を第二相とする混合物であることが確認された。そして、いずれにおいてもRh及びRh酸化物を示すピークが現れなかったことから、Rhは複合酸化物の結晶格子に固溶していると考えられる。尚、他の実施例4〜8でも、実施例1、2と同様の傾向が見られた。また、比較例1、2においては、ペロブスカイト型酸化物であること、及び、これらの比較例でもRhがペロブスカイト型酸化物に固溶していることが確認されている。
[XRDによる相変化の確認・評価]
次に、各触媒組成物粉末について、排ガス浄化触媒の使用環境を想定した各種熱処理を行い、XRDにて相変化の有無及びその際の相構成を確認・評価した。評価試験では、実施例の触媒組成物に対して、下記(a)〜(d)の熱処理を行い、その後のサンプルについてXRD分析を行った。この評価試験では、以下のような触媒の状態を想定している。
(a)熱処理無:触媒組成物の製造直後(窒素気流中での焼成処理直後)の状態を想定。
(b)大気中、575℃で2時間の熱処理:触媒組成物をハニカムに焼き付け処理する工程を想定(劣化前の状態を想定)。
(c)劣化雰囲気中、965℃で10時間の熱処理:触媒が劣化雰囲気に置かれ、その後、劣化雰囲気を脱したときの状態を想定。尚、この処理における劣化雰囲気とは、下記(1)〜(4)の雰囲気を1サイクルとして繰り返す雰囲気である。この雰囲気は、触媒が高温環境下に曝されるときの雰囲気変動を模擬したものである。
(1)CO0.5%、O0.25%、40秒(当量雰囲気)
(2)CO3.0%、O0.25%、6秒 (還元雰囲気)
(3)CO3.0%、O3.25%、10秒(酸化雰囲気)
(4)CO0.5%、O3.25%、4秒 (酸化雰囲気)
尚、全てのサイクルでCO10%、HO10.0%を定常的に加え、残部をNとした。熱処理後、触媒温度が200℃以下になるまで、この劣化雰囲気を維持した。
(d)窒素気流中、900℃で2時間保持:劣化雰囲気を脱した触媒が、再び高温下に置かれたときの状態を想定。
図3は、実施例1に係るRh固溶複合酸化物について、(a)〜(d)の処理後に測定したXRDパターンである。(a)の焼成直後の状態に対し、(b)は、触媒組成物を排ガス浄化触媒にする焼付け処理の工程を模した熱処理後の状態である。(a)のXRDパターンより、焼成直後の触媒組成物はスピネル構造を有する。一方、(b)のXRDパターンから、この触媒組成物は、焼付け処理の結果、スピネル構造を維持しておらずビックスバイト構造へ相転移していることがわかる。即ち、スピネル構造中のMn、Feは酸化され、全て3価のイオンとして存在していることがわかる。次に、(c)は触媒組成物が劣化雰囲気に置かれた後の状態を示すものである。このときのXRDパターンにはスピネル構造のXRDピークが現れたが、結晶系の異なる2つのスピネルの混合物であった。この2つのスピネルは、擬スピノーダル分解によって生成した分離相と考えられる。つまり、高温の劣化雰囲気の下で形成された単一相スピネルが、熱処理後の降温過程で擬スピノーダル分解によって相分離したと考えられる。図3(a)〜(c)の結果から、実施例1の触媒組成物であるMn2.4Fe0.6−Rhは、劣化処理の過程でビックスバイト構造からスピネル構造へ相変化すること、及び、そのスピネル構造が擬スピノーダル分解によって相分離することができることがわかる。そして、(d)は、触媒組成物が、再度、高温雰囲気下に置かれた状態を示すが、触媒組成物はこの段階で(a)と同じスピネル構造の複合酸化物に戻っていることが分かる。(d)のXRDパターンから、熱処理による相変化のサイクルが可逆的であることが確認できる。
図4、図5は、実施例2、3の触媒組成物について、同様の熱処理(a)〜(d)を行った直後のXRDパターンである。これらの触媒組成物も、実施例1と同様に、焼成直後に存在するスピネル(図4(a)、図5(a))が、温度変化によって相転移することを示している。即ち、焼付け処理の後(図4(b)、図5(b))にはスピネル構造を維持しておらずビックスバイト構造へ変化し、劣化処理によってスピネル構造に再び変化している(図4(c)、図5(c))。但し、これらの組成の触媒組成物については、擬スピノーダル分解による相分離は生じていない。そして、再度、高温雰囲気下で焼成してもXRDパターンに変化はなく、作製直後のRh固溶スピネル型酸化物と同じXRDパターンを示す(図4(d)、図5(d))。これらの熱処理サイクルによる相変化が可逆的であることが確認できる。
以上の実施例1〜3において、スピネル−ビックスバイト相転移は酸化・還元反応であることから、Mn、Feのそれぞれのイオンが酸化物結晶表面で化学反応を起こすと考えられるので、その際に生じる酸化物結晶中のイオンの移動によって、Rhの結晶内での位置も変化すると予測される。そして、このRhの移動が浄化に寄与するRhの増加に繋がると考えられる。
また、実施例1では、擬スピノーダル分解により、組成の異なるスピネルによる相分離が見られた。後述するように、実施例1の触媒は、耐久後の活性が最も高い触媒であったが(表2)、この相変化は触媒性能に対して特異な作用を有するものであることを示唆している。但し、触媒性能向上の観点において、擬スピノーダル分解は有用であると思われるが必須ではない。重要なのはスピネル構造の相転移現象であって、擬スピノーダル分解が発現せずとも、実施例2、3のようなスピネル−ビックスバイト相転移を利用することによって触媒性能は向上する。この点は、後述の触媒性能の評価試験で説明する。
[TG分析による相変化のin−situ測定]
上記図3〜5のXRD分析は、各種熱処理によって相転移が完了した状態を捉える点で有用であるが、温度変化による相転移の過程をin−situで観察することはできない。そこで次に、排ガス中での複合酸化物の相転移をin−situで簡易的に模擬するため、高温下で50%Air /NとN雰囲気を切り替えながら、雰囲気温度を活性雰囲気(700℃)から劣化雰囲気(900℃)に変化させ、その際の重量変化を観察した。この試験は、実施例1(Mn2.4Fe0.6−Rh)のスピネル型複合酸化物の粉末をサンプルとした。
このTG試験では、サンプルを50%Air /N中、575℃の温度で保持した後、N気流中で700℃、800℃、900℃の各温度まで順次昇温した。この昇温過程で、各温度で一定時間保持して雰囲気を50%Air /NとNとに切り替えを行った。そして、この雰囲気の切り替えを行った後に昇温する際には、一旦、575℃まで温度を下げて30分保持してから次の温度に昇温するようにした。尚、この降温時の雰囲気は50%Air /Nとした。そして、温度変化によるサンプルの質量変化を測定し、相変化の有無を検討した。図6に、温度履歴(右軸)とその際の重量変化(左軸)を示す。
図6において、実施例1の触媒組成物は、700℃においては雰囲気(N−50%Air /N)の変動によらずビックスバイト構造を保持している。800℃とすると、一部がN雰囲気で還元され、重量減少がみられた。しかし、短時間の雰囲気切り替えでは、還元反応は完全に終了することなく、ビックスバイト構造の保持が趨勢となっている。そして、900℃とすることで還元反応が進んで相転移し、スピネル構造が安定化することが示されている。即ち、このとき観察された重量減少(3.5%)は、ビックスバイト構造からスピネル構造へ還元されたときの重量減少に一致する。尚、この状態で雰囲気を50%Air /N雰囲気になると、一部分がビックスバイト構造へ変化することによる重量増加を示したが、短時間では酸化反応は完了することなくスピネル構造を保持する。
以上のTG試験の結果は、Mn2.4Fe0.6−Rhからなる触媒組成物が、触媒化のための焼付け処理の後にビックスバイト構造となりスピネル構造を保持していないこと、及び、温度・雰囲気に応じて、可逆的にRh固溶スピネルに相変化することを示しており、上記XRDの結果とよく一致している。
[XPSによるRhの状態の評価]
次に、上記XRD分析における熱処理((a)〜(d))を受けた実施例1の触媒組成物をサンプルとして、Rhの化学結合状態を検討すべくXPSスペクトルを測定した。この分析において、全てのスペクトルは、C1s(284.50eV)を用いて、結合エネルギーの補正を行った。図7は、この分析結果を示す。
図7(a)は、焼成直後のスピネル型複合酸化物Mn2.4Fe0.6−RhのXPSスペクトルである。そして、図7(b)が触媒組成物を大気中で575℃の温度で2時間保持した直後のXPSスペクトルである。そして、この触媒組成物を劣化処理した後のXPSスペクトルが、図7(c)である。更に、窒素気流中で900℃の温度で2時間保持した触媒組成物のXPSスペクトル粉末が図7(d)に示されている。
図7(a)より、Rh固溶スピネル型複合酸化物Mn2.4Fe0.6−Rhは、初期の状態において、3価のロジウム酸化物に対応した309eV付近の強いRh3d5/2ピーク(図中の破線近傍)と、それに対応したRh3d3/2ピークを示し、Rh3+の状態で複合酸化物中に固溶していることを示している。ここで、図7(b)より、この粉末を大気中で焼成すると、ピークが低エネルギー側へシフトし、Rhの状態が変化していることがわかる。更に、図7(c)から、触媒組成物が劣化雰囲気から脱すると、点線で示された307〜308eV付近のブロードなRh3d5/2ピークと、それに対応したブロードなRh3d3/2が見られた(図中点線近傍)。この図7(c)は、触媒組成物が、単一のスピネルから擬スピノーダル分解による分離相に変化した状態のRhの状態を示すものである。この結果によれば、擬スピノーダル分解による分離相を含む触媒組成物においては、3価より価数の低いRh種の存在が示されており、更に、固溶していたRhの一部は金属Rhとして存在していることを示唆している。このようにRhが複雑な状態にあることも、触媒活性に影響を与えることになると推察される。そして、図7(d)から、再度、触媒組成物を窒素気流中で高温焼成すると、図7(a)と同じXPSスペクトルに戻ることがわかる。
以上のXRD分析、TG分析、及び、XPS分析の結果から、本実施形態における触媒組成物は、温度環境によって可逆的な相転移が生じることが確認された。この相転移の過程において、Rhはスピネル構造へ固溶することで劣化を回避する一方で、相転移による構造変化の際に析出するサイクルを繰り返している。本発明に係る触媒組成物は、このサイクルによって、劣化温度に置かれても高い浄化性能を発揮することができる、即ち、自己再生していると考えられる。
[各複合酸化物からなる触媒組成物の触媒活性の評価]
次に、各実施例の触媒組成物の触媒活性を評価し、スピネル構造の相転移の触媒活性に与える影響を確認した。この評価試験では、排ガス浄化用触媒の担体となるセラミックスとして、活性アルミナ(ランタンドープγ−アルミナ)及びセリア−ジルコニア複合酸化物を用い、これらと共に支持体であるコーディエライト製モノリスに触媒組成物を塗布して触媒を製造し、その活性試験を行った。
排ガス浄化触媒の製造においては、まず、各実施例、比較例、参考例の触媒組成物(Rh固溶複合酸化物)と、活性アルミナとセリア−ジルコニア複合酸化物とを重量比1対1で混ぜたセラミックス担体混合物を純水中に加え、遊星ボールミルにより粉砕及び混合してスラリーを得た。このとき、各実施例における触媒組成物の使用量は、担体であるセラミックスのモル数に対して6.7%とした。そして、このスラリーに純水を添加して粘度を調整し、支持体(コーディエライト製モノリス、容積1L、セル数600cpsi、壁厚4.3mil)に塗布した。尚、支持体には、活性アルミナとセリア−ジルコニア複合酸化物の混合物から成る第1層の担体が塗布されたものを使用した。この触媒組成物を含むスラリーを塗布した支持体を乾燥させた後、大気中で、575℃の温度で2時間焼成し、評価用の排ガス浄化触媒を得た。触媒中の貴金属組成は、表2の通りである。
各触媒組成物を用いて触媒を製造し、それらについての評価試験を行った。評価試験に際しては、まず、支持体から円筒状にコア抜きされた触媒を用いた。コア抜きされた触媒について、評価前に雰囲気炉を用いて劣化処理(965℃、10h)を行った。評価試験では、所定の反応ガスをエンジン排ガス(Richガス、Leanガス)として模擬し、排ガス中の一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素の50%浄化温度を評価した。評価試験の各条件は以下の通りであり、触媒入口温度を100〜600℃まで40℃/分で温度上昇させる昇温反応試験であり、触媒入口と出口の反応ガス組成を分析し、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の浄化率を計測した。そして、50%浄化温度を評価に採用した。この評価試験の結果を表2に示す。
・反応ガス:
Richガス:CO10%、 CO0.77%、H0.2%、C100ppm、C300ppm、 NO800ppm、 O0.4%、 HO10.0%、残部N
Leanガス:CO10%、 CO0.77%、H0.2%、C100ppm、C300ppm、 NO800ppm、 O0.84%、 HO10.0%、残部N
・反応ガス空間速度(SV):90,000h―1
・Richガス/Leanガスの切替:1秒毎に連続的に切替え
表1から、比較例1、2のペロブスカイト型酸化物にRhを固溶した触媒と比較すると、実施例1〜7のスピネル型酸化物にRhを固溶した触媒の50%浄化温度は低くなっており、優れた触媒性能を示すことがわかる。これらの結果は、スピネル構造の酸化物を用いた場合、結晶構造中に固溶していたRhが効果的に析出し、より多くRh粒子が浄化反応に寄与したことを示している。
また、参考例であるMn−Rhもスピネル型の金属酸化物にRhを固溶させた触媒であり、比較例1、2のペロブスカイト構造よりも活性に優れている。但し、実施例1〜7の複合酸化物にRhを固溶させた触媒組成物と対比すると、スピネルの構成成分としては、異なる価数をとり得る遷移金属の組み合わせの方が望ましいことが示唆されている。そして、各実施例の中でも、実施例1〜4は特に高い浄化性能を示している。
そして、本実施形態においては、実施例1が最も良好な触媒活性を示したといえる。この触媒組成物の良好な触媒活性は、擬スピノーダル分解の発現によるものと推定される。但し、擬スピノーダル分解が生じなかった他の実施例も、実施例1に劣らず良好な触媒活性を示した。このことから、触媒活性、耐久性向上の観点においては、スピネルの相転移による影響が主体となることが確認できた。
本発明に係る触媒組成物は、温度域に応じた相転移による構造変化を引き起こすことで貴金属触媒の析出・固溶を促進し、自己再生作用により高耐久・高活性を発揮する。この相変化の過程は、高温下で常に安定な結晶相(例えばペロブスカイト構造やコランダム構造等)を利用した技術とは異なる機構を活用した技術である。そして、貴金属が固溶し得る複合酸化物の結晶構造、その複合酸化物を構成する金属イオンの結晶構造内での移動、そして結晶構造全体の変化が、触媒活性な貴金属の効率的な生成に重要であることを示唆している。
尚、本発明の基礎となった技術思想は、スピネル構造のみならず、ペロブスカイト構造、コランダム構造、デラフォサイト構造、ルチル構造等についても展開の可能性が期待できる。それら複合酸化物でも、目的の温度域、酸素分圧域等を考慮して化学組成を調整することで構造変化する可能性があるからである。

Claims (5)

  1. 貴金属を固溶させた複合酸化物からなる排ガス浄化用の触媒組成物であって、
    前記複合酸化物は、下記式で表される平均組成を有し、スピネル構造を有する複合酸化物である排ガス浄化用の触媒組成物。
    上記の組成式において、M、M、Mの意義は以下の通りである。また、0<x≦0.5であり、0≦δ<0.5、0<z≦0.1である。
    :Mn、Feのいずれかの元素である。
    :Fe、Mg、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素である。但し、Feは、前記触媒組成物がMnを含むときにのみ、Mとなることができる。
    :少なくとも1種の貴金属元素である。
  2. 排ガス浄化用の触媒組成物であって、
    常温域において、低温安定相であるM の化学式で示される金属Mの金属酸化物と、少なくとも1種の貴金属元素M及び/又は貴金属元素Mの酸化物と、の混合物からなり、
    500〜1000℃の雰囲気下において、請求項1記載の化1で表される平均組成のスピネル構造を有する複合酸化物からなる触媒組成物。
    ここで、Mは、Mn、Feのいずれかの元素Mと、Fe、Mg、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素Mとからなる。但し、Feは、前記触媒組成物がMnを含むときにのみ、Mとみなされる。
    そして、前記触媒組成物中のM、M、Mの比率(原子比)は、M:M:M=1−x−z:x:zで表され、0<x≦0.5であり、<z≦0.1である。
  3. 貴金属Mは、Pd、Pt、Rhの少なくともいずれかである請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用の触媒組成物。
  4. 0<z≦0.05である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排ガス浄化用の触媒組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の排ガス浄化用の触媒組成物を、セラミックスからなる担体に担持させてなる排ガス浄化触媒。
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