次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ100は、本体筐体120内に、シートの一例としての用紙Sを給紙するためのフィーダ部130と、用紙Sに画像を形成するための画像形成部140と、制御部200と、駆動源の一例としてのモータ300とを備えている。モータ300の駆動力は、フィーダ部130および画像形成部140に伝達されている。
フィーダ部130は、本体筐体120の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ131と、給紙トレイ131内の用紙Sを後述する転写ローラ183に向けて搬送する搬送機構132とを備えている。搬送機構132は、給紙トレイ131内の用紙Sをレジストレーションローラ134に向けて搬送する給紙機構133と、搬送される用紙Sの先端の各位置を揃えるためのレジストレーションローラ134とを備えている。用紙Sの搬送方向において、レジストレーションローラ134の下流側には、検知部の一例としての第1シートセンサ101が設けられている。第1シートセンサ101は、レジストレーションローラ134から転写ローラ183に向かって搬送される用紙Sを検知するセンサである。第1シートセンサ101は、転写ローラ183よりもレジストレーションローラ134の近くに配置されている。
第1シートセンサ101は、例えば、搬送される用紙Sに押されて揺動する揺動レバーと、揺動レバーの揺動を検知する光センサとを備えている。本実施形態では、用紙Sの通過中、つまり用紙Sによって揺動レバーが倒されているときには、第1シートセンサ101がONになっているものとする。
画像形成部140は、スキャナユニット150と、プロセスユニット160と、定着装置170とを備えている。
スキャナユニット150は、本体筐体120内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット150では、レーザビームを、後述する感光ドラム181の表面上に高速走査にて照射する。
プロセスユニット160は、感光体の一例としての感光ドラム181と、帯電器182と、転写部の一例としての転写ローラ183と、プロセスカートリッジPCとを備えている。プロセスカートリッジPC内には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
プロセスカートリッジPCは、本体筐体120の前壁に回動可能に設けられたフロントカバー123で開閉される開口122を通して、本体筐体120に着脱可能となっている。なお、プロセスカートリッジPCの詳細な構成については後述する。
プロセスユニット160では、回転する感光ドラム181の表面が、帯電器182により一様に帯電された後、スキャナユニット150からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、感光ドラム181の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、プロセスカートリッジPC内のトナーが感光ドラム181の静電潜像に供給されて、感光ドラム181の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム181と転写ローラ183の間で用紙Sが搬送されることで、感光ドラム181の表面に担持されているトナー像が用紙S上に転写される。
定着装置170は、加熱ローラ171と、加熱ローラ171に押圧される加圧ローラ172とを備えている。そして、この定着装置170では、用紙S上に転写されたトナーを、用紙Sが加熱ローラ171と加圧ローラ172との間を通過する間に熱定着している。用紙Sの搬送方向において、定着装置170の下流側には、定着装置170から排出された用紙Sの通過を検知する第2シートセンサ102が設けられている。第2シートセンサ102は、前述した第1シートセンサ101と同様の構成となっている。
定着装置170で熱定着された用紙Sは、定着装置170の下流側に配設される排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ121上に送り出される。
図2に示すように、プロセスカートリッジPCは、現像器の一例としての現像カートリッジ1と、現像剤収容部の一例としてのトナーカートリッジ2とを備えている。
現像カートリッジ1は、筐体11と、現像ローラ12と、供給ローラ13と、層厚規制ブレード14と、撹拌部の一例としての第1アジテータ15とを備えている。筐体11は、内部に現像剤を収容している。筐体11は、層厚規制ブレード14を支持するとともに、現像ローラ12、供給ローラ13および第1アジテータ15を回転可能に支持している。
現像ローラ12は、感光ドラム181に形成される静電潜像に対してトナーを供給するローラである。現像ローラ12は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能となっている。
供給ローラ13は、筐体11内のトナーを現像ローラ12に供給するローラである。層厚規制ブレード14は、現像ローラ12上のトナーの厚さを規制する部材である。
第1アジテータ15は、現像ローラ12の回転軸線と平行な回転軸である第1軸X1を中心に回転可能な軸部15Aと、軸部15Aに固定される撹拌翼15Bとを備えている。筐体11は、軸部15Aを回転可能に支持する。撹拌翼15Bは、軸部15Aとともに図示時計回りに回転して、筐体11内のトナーを撹拌する。
図3に示すように、レーザプリンタ100は、筐体11内のトナーの量を検知するための光センサ190を備えている。光センサ190は、筐体11内へ光を出射する発光部191と、発光部191から筐体11内を通った光を受光する受光部192とを備えている。発光部191および受光部192は、本体筐体120に設けられている。詳しくは、発光部191は、筐体11に対して左右方向の一方側に配置され、受光部192は、筐体11に対して左右方向の他方側に配置されている。
筐体11は、発光部191から出射される光を筐体11内に通して受光部192へ導く導光部11Bを有している。導光部11Bは、筐体11の左右方向両側の壁面に設けられ、発光部191からの光を透過する部材によって構成されている。なお、筐体11の左右方向両側の壁面は、発光部191からの光を透過しない部材によって構成されている。図2に示すように、導光部11Bは、第1軸X1よりも上方に位置している。これにより、発光部191から出射される光は、上下方向において、第1軸X1と後述するオーガ22との間を通る。
トナーカートリッジ2は、現像カートリッジ1に着脱可能となっている。トナーカートリッジ2は、内部にトナーを収容する筐体21と、筐体21内のトナーを現像カートリッジ1に供給する供給部の一例としてのオーガ22と、図示時計回りに回転して筐体21内のトナーを攪拌する第2アジテータ23とを備えている。
オーガ22は、左右方向に沿う回転軸22Aを中心として回転可能となっており、回転することにより軸方向に沿って、筐体21の内部のトナーを搬送可能となっている。具体的には、オーガ22は、回転軸22Aと、回転軸22A周りに螺旋状に設けられる板22Bを有するスクリューオーガである。オーガ22の板22Bは、回転軸22Aと一体に形成されている。
筐体21は、筐体21内のトナーを現像カートリッジ1に送るための排出口21Aと、オーガ22の外側を囲うトナー搬送部21Bとを有している。トナー搬送部21Bは、オーガ22の外側に近接して径が細くなっている。現像カートリッジ1の筐体11は、排出口21Aと対面する受入口11Aを有している。排出口21Aと受入口11Aは、オーガ22の下であって、かつ、オーガ22の軸方向の一端側に位置している。これにより、図3に示すように、オーガ22が回転すると、螺旋状の板22Bによってトナーが軸方向の一端側に向けて送られて、排出口21Aおよび受入口11Aを介して筐体11内に供給される。
また、オーガ22は、伝達ギヤの一例としてのオーガギヤ22Gを有している。オーガギヤ22Gは、オーガ22に駆動力を伝達するギヤであり、オーガ22の軸に固定されている。
第2アジテータ23は、左右方向に平行な軸部23Aと、軸部23Aに設けられる撹拌翼23Bとを備えている。第2アジテータ23の軸部23Aの端部には、第2アジテータギヤ23Gが固定されている。第2アジテータギヤ23Gは、オーガギヤ22Gと噛み合っている。
図4(a)に示すように、現像カートリッジ1は、カップリングCPと、現像ギヤGdと、供給ギヤGsと、第4ギヤ40と、伝達機構TMとを備えている。カップリングCPは、モータ300(図1参照)から駆動力が入力されたとき、図示時計回りに回転するよう構成される。カップリングCPは、カップリングギヤGcを有している。
現像ギヤGdは、現像ローラ12を駆動するためのギヤである。現像ギヤGdは、カップリングギヤGcと噛み合っている。供給ギヤGsは、供給ローラ13を駆動するためのギヤである。供給ギヤGsは、カップリングギヤGcと噛み合っている。
第4ギヤ40は、軸方向に延びる第4軸X4を中心に回転可能となっている。第4ギヤ40は、カップリングギヤGcと噛み合う大径ギヤ41と、大径ギヤ41よりも外径が小さい小径ギヤ42(図4(c)参照)とを有している。小径ギヤ42は、大径ギヤ41と一体に回転し、軸方向において筐体11と大径ギヤ41との間に位置している。第4ギヤ40は、カップリングCPにモータ300からの駆動力が入力されたとき、図示反時計回りに回転する。
伝達機構TMは、モータ300の駆動力をオーガ22へ伝達する機構であり、オーガ22に駆動力を伝達しない切断状態と、オーガ22に駆動力を伝達する接続状態とに切替可能となっている。伝達機構TMは、主に、第1ギヤG1と、第2ギヤG2と、レバー50と、支持部材60と、第3ギヤ30とを備えている。
第1ギヤG1は、第1アジテータ15の軸部15Aに固定されている。これにより、第1ギヤG1は、第1軸X1を中心にして、第1アジテータ15とともに回転する。図4(c)に示すように、第1ギヤG1は、第4ギヤ40の小径ギヤ42と噛み合っている。これにより、第1ギヤG1には、モータ300からの駆動力が入力される。駆動力が入力された第1ギヤG1は、図示時計回りに回転する。
第2ギヤG2は、軸方向に延びる第2軸X2を中心に回転可能となっている。第2ギヤG2は、第1ギヤG1と噛み合った状態で、第1ギヤG1周りを回動可能となっている。詳しくは、第2ギヤG2は、第1軸X1を中心に公転可能であり、図4(c)に示す第1位置と、図5(c)に示す第2位置との間を回動する。第2ギヤG2は、第1位置に位置するときに、オーガギヤ22Gから外れている。第2ギヤG2は、第2位置に位置するときに、オーガギヤ22Gと噛み合っている。
支持部材60は、第1ギヤG1と第2ギヤG2とを回転可能に支持する部材である。支持部材60は、第2ギヤG2とともに第1軸X1を中心にして第1位置と第2位置との間を回動可能となっている。
図4(a)に示すように、第3ギヤ30は、軸方向に延びる第3軸X3を中心に回転可能となっている。第3ギヤ30は、支持部材60の下端の被押圧部61を図示反時計回りに押圧するためのカム31と、軸方向の高さがカム31よりも低いことで支持部材60の被押圧部61とは非接触となるバネ係合部34とを有している。バネ係合部34は、第3軸X3を挟んでカム31とは反対側に配置されている。カム31とバネ係合部34とは、軸方向から見た形状は等しく、いずれも第2バネSP2に付勢されるように構成されている。第2ギヤG2は、図4(a)に示すように、支持部材60の被押圧部61がカム31で支えられることで第1位置に位置し、図5(a)に示すように、カム31が支持部材60から退避することで第2位置に移動可能となる。
また、第2ギヤG2が第1位置に位置するときには、カム31が第2バネSP2によって図示反時計回りに付勢され、第2ギヤG2が第2位置に位置するときには、バネ係合部34が第2バネSP2によって図示反時計回りに付勢されている。第2ギヤG2が第1位置に位置するときにおける第2バネSP2の付勢力は、図4(b)に示すように、第3ギヤ30に設けられた突出部37を介してレバー50の第1係合部51Bで受けられている。また、第2ギヤG2が第2位置に位置するときにおける第2バネSP2の付勢力は、図5(b)に示すように、突出部37を介してレバー50の第2係合部52Bで受けられている。
図4(c)に示すように、第3ギヤ30は、2つのギヤ歯部35A,35Bと、2つの欠歯部36A,36Bとを有している。第2ギヤG2が第1位置に位置するときには、一方の欠歯部36Aが第1ギヤG1に対向し、第2ギヤG2が第2位置に位置するときには、他方の欠歯部36Bが第1ギヤG1に対向する(図5(c)参照)。
図4(b)に示すように、レバー50は、第1軸X1を中心に回動可能となっており、第1バネSP1によって図示反時計回りに付勢されている。レバー50の一端には、前述した各係合部51B,52Bが設けられている。レバー50の他端には、本体筐体120に設けられる駆動レバーDLと係合可能な受け部53Dが設けられている。駆動レバーDLは、本体筐体120に設けられた回動軸DSを中心に回動する。
以上のように構成される伝達機構TMでは、図4(a)の状態から駆動レバーDLを図示反時計回りに回動させると、駆動レバーDLによって、レバー50が第1バネSP1の付勢力に抗して図示時計回りに回動する。これにより、図4(b)に示すレバー50の第1係合部51Bが突出部37から外れる。
第1係合部51Bが突出部37から外れると、第2バネSP2の付勢力によって第3ギヤ30が図示反時計回りに回動する。これにより、図4(c)に示す第3ギヤ30の第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合う。
第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合うと、第1ギヤG1から駆動力が伝達された第3ギヤ30がさらに回転する。これにより、図4(a)に示すカム31が支持部材60の下端の被押圧部61から離れる方向に回動する。
このようにカム31が回動すると、カム31で支持されていた支持部材60が第1位置から第2位置に回動する。詳しくは、支持部材60は、図示時計回りに回転する第1ギヤG1から摩擦力を受けることで、第1ギヤG1の回転方向と同じ方向に回動する。
このような支持部材60の回動により、支持部材60で支持されている第2ギヤG2も第1位置から第2位置に回動する。また、第2ギヤG2は、第1ギヤG1から駆動力を受け、図示反時計回りに回転する。これにより、第2ギヤG2がオーガギヤ22Gと噛み合い、オーガ22が回転する。つまり、伝達機構TMが切断状態から接続状態に切り替えられるので、モータ300の駆動力によって、現像ローラ12、供給ローラ13、第1アジテータ15、オーガ22および第2アジテータ23が回転する。
その後、第3ギヤ30がさらに回転すると、バネ係合部34は、第2バネSP2に近づくように回動することで第2バネSP2を一旦押し縮め、その後、第2バネSP2から離れるように回動することで第2バネSP2によって図示反時計回りに付勢される。図5(c)に示すように、第3ギヤ30の第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1から外れると、第1ギヤG1から第3ギヤ30への駆動力の伝達が切れる。この際、前述したように第2バネSP2がバネ係合部34を付勢することで、第3ギヤ30が第2バネSP2の付勢力によって若干回動し、図5(b)に示す突出部37がレバー50の第2係合部52Bに係合する。これにより、図5(a)に示すように、第3ギヤ30の回転が止まって、カム31が支持部材60の被押圧部61から離れた位置に保持されるので、第2ギヤG2は第2位置に維持される。
また、図5(a)の状態から駆動レバーDLを元の位置(図4(a)の位置)に戻すと、レバー50は、第1バネSP1の付勢力によって元の位置に戻る。これにより、第2係合部52Bが突出部37から外れて、前述した動作と略同様の動作によってカム31が図4(a)の位置まで回動して止まる。このように回動するカム31によって支持部材60の被押圧部61が押圧されて図示反時計回りに回動することで、第2ギヤG2が第2位置から第1位置に移動する。つまり、伝達機構TMが接続状態から切断状態に切り替えられるので、現像ローラ12、供給ローラ13および第1アジテータ15については回転が継続するが、オーガ22および第2アジテータ23については回転が止められる。
制御部200は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、ASICおよび入出力回路などを備えている。制御部200は、外部のコンピュータから出力されてくる印字指令と、各センサ101,102,190(図3参照)から出力されてくる信号と、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部200は、現像処理と、使用量取得処理と、供給処理と、検出処理と、供給量算出処理と、を実行可能となっている。言い換えると、制御部200は、プログラムに基づいて動作することで、前述した各処理を実行する手段として機能している。また、制御部200による制御方法は、前述した各処理を実行する工程を備えている。
現像処理は、感光ドラム181上の静電潜像を現像する処理である。詳しくは、制御部200は、現像ローラ12に適正な電圧を印加した状態において、印字指令に応じた画像データに基づいてスキャナユニット150を明滅させる露光処理を行うことで、現像処理を実行する。また、制御部200は、現像処理において、第1アジテータ15を第1速度V1で回転させる。
使用量取得処理は、現像処理におけるトナーの使用量Quを取得する処理である。制御部200は、使用量取得処理において、印字指令に応じた画像データのドット数に基づいて、使用量Quを取得する。
なお、単位面積当たりのドット数が所定値以下である場合は、ドット数を所定値とみなしてもよい。また、例えばトナーセーブモードにおいては、ドット数に1未満の係数をかけることで、使用量Quを少なく算出してもよい。
また、制御部200は、現像処理において1枚分の用紙Sの画像に対応したトナー像を感光ドラム181に形成した後に、使用量取得処理を実行する機能を有している。詳しくは、本実施形態において、制御部200は、第2シートセンサ102がONからOFFに切り替わった後、つまり用紙Sが定着装置170を抜けた後に、使用量取得処理を実行している。
供給処理は、オーガ22によってトナーを現像カートリッジ1に供給する処理である。制御部200は、前回の供給処理を実行してから現在までの使用量Quが第1閾値TH1以上になったことを条件として、供給処理を実行する。詳しくは、本実施形態において、制御部200は、前回の供給処理が実行してから現在までの使用量Quの増加量Qu1が第1閾値TH1以上になった場合には、供給処理を実行するためのフラグF1を1に設定する。これにより、トナーの使用量Quが第1閾値TH1以上になる毎に供給処理が実行される。
ここで、第1閾値TH1は、以下の式(1)を満たすように設定することができる。
M≦TH1≦2M ・・・(1)
M:印字可能な最大の用紙Sに対するトナーの最大の使用量
制御部200は、供給処理において、所定量のトナーを現像カートリッジ1に供給する機能を有している。具体的に、制御部200は、供給処理において、オーガ22を所定回数回転させる。より詳しくは、制御部200は、供給処理において、オーガ22を、所定の回転速度で、所定時間の間回転させる。ここで、所定時間は、供給処理の実行期間Tdに相当する。
ここで、供給処理において現像カートリッジ1に供給するトナーの量MFは、以下の式(2)を満たすように設定することができる。
TH1≦MF≦2M ・・・(2)
TH1:第1閾値
M:印字可能な最大の用紙Sに対するトナーの最大の使用量
なお、本実施形態において、使用量Quの増加量Qu1は、供給処理を実行するたび、詳しくはフラグF1が1に設定されるたびに、第1閾値TH1引いた値に更新される。また、使用量Quは、総使用量Qusとしてカウントされ、トナーカートリッジ2が交換されるたびに初期値にリセットされるものとする。
制御部200は、第1シートセンサ101が用紙Sを検知した信号に基づいて、当該用紙Sに対応した静電潜像の形成が開始される前に、供給処理を開始する機能を有している。詳しくは、制御部200は、第1シートセンサ101がOFFからONに切り替わってから第1所定時間T1の経過後に供給処理を開始する。
ここで、第1シートセンサ101がONになってから第1シートセンサ101で検知された用紙Sに対応した露光処理を開始するまでの時間間隔を第3所定時間T3とすると、第1所定時間T1は、以下の式(3)を満たすように設定することができる。
T1<T3 ・・・(3)
制御部200は、供給処理を開始する場合には、駆動レバーDLを図4における図示反時計回りに回動させることで、伝達機構TMを切断状態から接続状態に切り替える制御を実行している。そして、制御部200は、1枚分の用紙Sの画像に対応した静電潜像の形成が完了した後、つまり1枚分の露光処理が完了した後に、供給処理を終了する。詳しくは、制御部200は、供給処理の開始から実行期間Tdの経過後に供給処理を終了し、フラグF1を0に設定する。制御部200は、供給処理を終了する場合には、駆動レバーDLを図5における図示時計回りに回動させることで、伝達機構TMを接続状態から切断状態に切り替える制御を実行している。
なお、実行期間Tdは、以下の式(4)を満たすように設定することができる。
L1/Va<Td<(L1+2・L2)/Va ・・・(4)
L1:1枚の用紙Sの搬送方向の長さ
L2:連続印字時において連続して搬送される2枚の用紙S間の距離
Va:用紙Sの搬送速度
つまり、実行期間Tdは、1枚の用紙Sの搬送時間よりも長く、1枚の用紙Sの搬送時間に用紙Sの前後の紙間の時間を合わせた時間よりも短い。
なお、実行期間Tdは、用紙1枚分の露光処理を実行するための実行時間Teとの関係では、以下の式(5)を満たすように設定することができる。
Td>T3+Te−T1 ・・・(5)
T3:第3所定時間
T1:第1所定時間
このように実行期間Tdを設定することで、露光処理の終了後に供給処理を終了させることができる。
また、制御部200は、連続印字を実行する場合には、連続して搬送される2枚の用紙S間の距離が第1距離となるように、搬送機構132を制御する。そして、制御部200は、連続印字の実行中において、供給処理を開始する場合には、用紙S間の距離が第1距離よりも大きい第2距離となるように、搬送機構132を制御する。詳しくは、本実施形態において、制御部200は、連続印字を実行する場合には、供給処理の実行の可否によって、給紙トレイ131内の用紙Sを給紙機構133でピックアップするタイミングを変更している。ここで、ピックアップのタイミング(以下、「搬送タイミング」ともいう。)は、所定の用紙Sをピックアップしてから次の用紙Sをピックアップするまでの時間間隔である。制御部200は、連続印字時において、供給処理を実行しない場合には、搬送タイミングを第1搬送タイミングに設定し、供給処理を実行する場合には、搬送タイミングを第1搬送タイミングよりも大きな第2搬送タイミングに設定する。
検出処理は、前回の検出処理を実行してから現在までの使用量Quが第1閾値TH1よりも大きな第2閾値TH2以上になったことを条件として、光センサ190によって現像カートリッジ1内のトナーの量を検出する処理である。詳しくは、本実施形態において、制御部200は、前回の検出処理を実行してから現在までの使用量Quの増加量Qu2が第2閾値TH2以上になった場合に検出処理を実行する。これにより、現像剤の使用量Quが第2閾値TH2以上になる毎に検出処理が実行される。制御部200は、検出処理を、現像処理を実行していないときに実行する。
ここで、第2閾値TH2は、例えば、第1閾値TH1の2倍以上の値、例えば10倍の値に設定することができる。使用量Quの増加量Qu2は、検出処理を実行するたびに第2閾値TH2引いた値に更新される。増加量Qu1と増加量Qu2とは、独立して更新される。
制御部200は、印字ジョブの実行中において使用量Quが第2閾値TH2以上になった場合に、印字ジョブを中断して検出処理を実行する。また、制御部200は、検出処理において、第1アジテータ15が第1速度V1よりも小さな第2速度V2で回転するようにモータ300を制御する。これにより、検出処理においては、現像処理のときよりも第1アジテータ15の回転速度が小さくなる。
また、制御部200は、検出処理において検出したトナーの量、つまり現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qthよりも多い場合には、供給処理を実行しないようにする制御を行っている。検出処理において現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qthよりも多い場合には、制御部200は、フラグF2を1に設定し、所定残量Qth以下の場合にはフラグF2を0に設定する。フラグF2が1となっている場合は供給処理が実行されず、検出処理が再度実行されてフラグF2が0となった場合に供給処理が実行される。ここで、所定残量Qthは、ある程度大きな値、例えば現像カートリッジ1の容積の70〜90%程度に設定することができる。
現像カートリッジ1内のトナーは、現像ローラ12と供給ローラ13との間で摩擦帯電されることなどによって劣化し、例えば帯電能力が低下する。ここで、現像カートリッジ1内のトナーは、印字を良好に行うために、劣化したトナーと新鮮なトナーとが適正な割合で混合されているのが望ましい。そのため、現像カートリッジ1内のトナーは、所定の範囲内の量に保たれていることが望ましい。そのため、前述したようにQr>Qthの場合に、供給処理を実行させないことで、現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが多すぎる場合には、現像カートリッジ1内のトナー量が適正な量に下がるまで待つことができ、トナー量を所定の範囲内に保つことが可能となっている。
供給量算出処理は、前回の供給処理の終了からの経過時間Tpに基づいて、今回の供給処理で供給したトナーの供給量Qsを算出する処理である。トナーカートリッジ2の内部のトナーのうち、特にトナー搬送部22Bのトナーは、前回の供給処理の終了からの経過時間Tpによって密度が変動しやすい。そのため、制御部200は、供給量算出処理において、前回の供給処理からの経過時間Tpが長いほど、今回の供給処理で供給した供給量Qsが少なくなるように、供給量を算出する。
具体的に、制御部200は、図6に示す供給量算出マップと経過時間Tpとに基づいて供給量Qsを算出する。詳しくは、制御部200は、供給量算出処理において、供給量算出マップに基づいて単位時間当たりの供給量である単位供給量Us,Utを取得し、単位供給量Us,Utを積算することで、供給処理で供給したトータルの供給量Qsを算出している。
ここで、供給量算出マップは、今回の供給処理の開始時に供給した単位供給量である初期単位供給量Usと、経過時間Tpとの関係を示す関数である。初期単位供給量Usは、経過時間Tpが0〜TAの範囲内である場合には、以下の式(6)によって設定され、Tp>TAの場合には、下限値Uminに設定される。
Us=−A・Tp+Umax ・・・(6)
なお、式(6)における傾きAは、実験やシミュレーション等により適宜決定すればよい。
このような供給量算出マップを用いることで、制御部200は、前回の供給処理からの経過時間Tpが長いほど、初期単位供給量Usが少なくなるように、初期単位供給量Usを設定する。また、制御部200は、供給量算出処理において、初期単位供給量Usを設定した後、単位供給量Utを、時間の経過に応じて初期単位供給量Usから徐々に上げていき、単位供給量Utが上限値Umaxになった場合には、単位供給量Utを上限値Umaxに設定する。なお、単位供給量Utの傾き、つまり単位時間当たりの増加量は、実験やシミュレーション等によって適宜決定すればよい。
具体的には、例えば、経過時間TpがTa(Ta<TA)である場合には、制御部200は、式(6)より初期単位供給量UsをUaに設定する。その後、Uaを基準にして単位供給量Utを所定の傾きで増加させるとともに、UtをUaに順次積算していく。制御部200は、このような供給量算出処理を、供給処理の実行期間に相当する時間αの間行う。つまり、制御部200は、斜線のハッチングを施した領域Saの面積を算出することで、トータルの供給量Qsを算出する。
一方、例えば、経過時間TpがTb(Tb>TA)である場合には、制御部200は、初期単位供給量Usを下限値Uminに設定する。その後、制御部200は、前述と同様にして、単位供給量Utを下限値Uminに積算することで、ドットのハッチングを施した領域Sbの面積を算出して、トータルの供給量Qsを算出する。
制御部200は、供給量算出処理で算出した供給量Qsが基準供給量Qb以下の場合に、第1閾値TH1を小さくする。つまり、今回の供給処理での供給量Qsが少ない場合には、第1閾値TH1が小さな値に設定されることで、次回の供給処理を通常よりも早いタイミングで開始することが可能となっている。
また、制御部200は、供給量算出処理で算出した供給量Qsに基づいて、トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtを算出する機能を有している。具体的には、制御部200は、供給量算出処理を行うたびに、新品状態のトナーカートリッジ2内のトナー量から供給量Qsを減算することで、トナー残量Qtを算出する。なお、トナー残量Qtは、トナーカートリッジ2を交換したときには、交換されたトナーカートリッジ2内のトナー量に更新される。
そして、制御部200は、トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtが所定量β以下となった場合に、残量が少なくなったことを示す情報を報知する。ここで、残量が少なくなったことを示す情報としては、例えば、トナーカートリッジ2の交換を促す情報や、トナーカートリッジ2がもう少しで交換が必要になるといった情報などが挙げられる。また、報知は、例えば、レーザプリンタ100に設けられる表示パネルやランプやブザーなどで行ってもよいし、レーザプリンタ100に無線または有線で接続されたコンピュータなどの外部装置によって行ってもよい。
次に、制御部200の動作について詳細に説明する。
図7に示すように、制御部200は、印字ジョブを開始すると、印字準備処理を実行する(S1)。具体的には、ステップS1において、制御部200は、モータ300をONにするとともに、現像ローラ12や帯電器182などに電圧を印加する。この際、制御部200は、第1アジテータ15の回転速度Vrが第1速度V1となるように、モータ300を所定の回転速度で回転させる。
ステップS1の後、制御部200は、給紙機構133による用紙Sのピックアップを行う給紙処理を実行する(S60)。なお、給紙処理については、後で詳述する。
ステップS60の後、制御部200は、第1シートセンサ101がONになったか否かを判断する(S2)。ステップS2において第1シートセンサ101がONになったと判断した場合には(Yes)、制御部200は、供給処理を実行するためのフラグF1が「1」であるか否かを判断する(S3)。
ステップS3においてF1=1であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、第1シートセンサ101のONから第1所定時間T1の経過後に供給処理を開始して、開始時刻を記憶する(S4)。ステップS4の後、制御部200は、供給処理の開始から実行期間Tdの経過後に供給処理を終了する(S5)。
ステップS5の後、制御部200は、供給処理の終了時刻を記憶して(S6)、フラグF1を「0」に戻す(S7)。ステップS7の後、制御部200は、供給量算出処理を実行する(S8)。なお、供給量算出処理については、後で詳述する。
ステップS8の後、または、ステップS3でNoと判断した場合、制御部200は、第2シートセンサ102がONからOFFに切り替わったか否かを判断する(S9)。ステップS9において第2シートセンサ102がOFFに切り替わったと判断した場合には(Yes)、制御部200は、トナー量把握処理を実行する(S10)。なお、トナー量把握処理については、後で詳述する。
ステップS10の後、制御部200は、印字ジョブが終了したか否かを判断する(S11)。ステップS11において終了していないと判断した場合には(No)、制御部200は、ステップS60の処理に戻る。また、ステップS11において終了したと判断した場合には(Yes)、制御部200は、本制御を終了する。
図8に示すように、供給量算出処理において、制御部200は、まず、前回の供給処理の終了時刻から今回の供給処理の開始時刻までの経過時間Tpを算出する(S21)。ステップS21の後、制御部200は、経過時間Tpと供給量算出マップとに基づいて、今回の供給処理で供給したトナーの供給量Qsを算出する(S22)。
ステップS22の後、制御部200は、供給量Qsが基準供給量Qb以下であるか否かを判断する(S23)。ステップS23においてQs≦Qbであると判断した場合には(Yes)、制御部200は、供給処理の実行の可否を判定するための第1閾値TH1を現在の値よりも小さな値に変更する(S24)。具体的には、例えば第1閾値TH1の現在の値に対して1未満の係数をかけたり、現在の値から所定値を引くことによって、第1閾値TH1を小さな値に変更する。
ステップS24の後、または、ステップS23でNoと判断した場合、制御部200は、供給量Qsに基づいてトナーカートリッジ2内のトナー残量Qtを算出する(S25)。ステップS25の後、制御部200は、トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtが所定量β以下であるか否かを判断する(S26)。
ステップS26においてQt≦βであると判断した場合には(Yes)、制御部200は、トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtが少なくなったことを示す情報を報知する(S27)。ステップS27の後、または、ステップS26でNoと判断した場合、制御部200は、供給量算出処理を終了する。
図9に示すように、トナー量把握処理において、制御部200は、使用量取得処理を実行して(S31)、トナーの使用量Quを算出する。ステップS31の後、制御部200は、現像カートリッジ1内のトナー量が所定残量よりも多いことを示すフラグF2が0であるか否かを判断する(S32)。ステップS32においてF2=0であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、前回の供給処理を実行してから現在までの使用量Quの増加量Qu1が第1閾値TH1以上であるか否かを判断する(S33)。
ステップS33においてQu1≧TH1であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、供給処理を実行するためのフラグF1を1に設定する(S34)。ステップS34の後、制御部200は、増加量Qu1をQu1−TH1に更新する(S35)。
ステップS35の後、または、ステップS32、ステップS33でNoと判断した場合、制御部200は、前回の検出処理を実行してから現在までの使用量Quの増加量Qu2が第2閾値TH2以上であるか否かを判断する(S36)。ステップS36においてQu2≧TH2であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、印字ジョブを中断する(S37)。詳しくは、ステップS37において、制御部200は、給紙機構133による用紙Sのピックアップを停止する。
ステップS37の後、制御部200は、モータ300の回転速度を現状よりも低くすることで、第1アジテータ15の回転速度Vrを、第1速度V1よりも小さな第2速度V2にする(S38)。これにより、第1アジテータ15は、印字時よりもゆっくり回転することになる。
ステップS38の後、つまり、第1アジテータ15の回転速度が低くなった後、制御部200は、検出処理を実行する(S39)。これにより、検出処理を良好に行うことができる。検出処理を実行したら、制御部200は、増加量Qu2をQu2−TH2に更新する。
ステップS39の後、制御部200は、検出処理で検出したトナー残量Qrが所定残量Qthより多いか否かを判断する(S40)。ステップS40においてQr>Qthであると判断した場合には(Yes)、制御部200は、現像カートリッジ1内のトナー量が所定残量よりも多いことを示すフラグF2を1に設定する(S41)。ステップS36,S40でNoと判断した場合、制御部200は、現像カートリッジ1内のトナー量が所定残量よりも多いことを示すフラグF2を0に設定する(S42)。制御部200は、ステップS41、または、ステップS42の後、本制御を終了する。
また、制御部200は、図10に示す露光処理と、図11に示す給紙処理を実行する。
図10に示す露光処理において、制御部200は、印字指令を受けると、第1シートセンサ101がONになったか否かを判断する(S51)。ステップS51においてONになったと判断した場合には(Yes)、制御部200は、第1シートセンサ101がONになってから第3所定時間T3の経過後に露光処理を開始する(S52)。ここで、前述した供給処理を開始する時刻は、第1シートセンサ101のONから、第3所定時間T3よりも短い第1所定時間T1の経過後の時刻なので、供給処理は、露光処理を開始する前に開始されることになる。
また、ステップS52において、制御部200は、用紙1枚分の露光処理を実行する。つまり、制御部200は、所定の実行時間Teの間、露光処理を実行する。ここで、前述した式(5)を満たすように実行期間Tdが設定されることで、供給処理は、露光処理の終了後に終了されることになる。
ステップS52の後、制御部200は、印字ジョブが終了したか否かを判断する(S53)。ステップS53において終了していないと判断した場合には(No)、制御部200は、ステップS51の処理に戻る。ステップS53において終了したと判断した場合には(Yes)、制御部200は、本制御を終了する。
図11に示す給紙処理において、制御部200は、供給処理を実行するためのフラグF1が0であるか否かを判断する(S61)。ステップS61においてF1=0であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、印字ジョブの開始から所定のタイミングで、または、1枚の用紙Sを前回給紙したタイミングに対して第1搬送タイミングで次の用紙Sの給紙を行う(S62)。これにより、連続印字時において、供給処理を実行しない場合には、連続して搬送される2枚の用紙S間の距離が、第1距離となる。
これに対し、ステップS61においてF1=0でないと判断した場合には(No)、制御部200は、印字ジョブの開始から所定のタイミングで、または、前回の給紙タイミングに対して第1搬送タイミングよりも遅い第2搬送タイミングで次の用紙Sの給紙を行う(S63)。これにより、連続印字時において、供給処理を実行する場合には、連続して搬送される2枚の用紙S間の距離が、第1距離よりも大きな第2距離となる。
ステップS62,S63の後、制御部200は、本制御を終了する。
次に、制御部200の動作の具体例について説明する。
図7に示すように、制御部200が、連続印字の印字指令を受けた場合、ステップS1〜S3:No,ステップS9〜S11:Noの各処理を繰り返すことで、用紙Sを1枚印字するたびに、使用量取得処理(図9:S32)が実行される。そして、使用量取得処理を実行するたびに順次積算されていく使用量Quが第1閾値TH1以上になると(S33:Yes)、フラグF1が1に設定される(S34)。これにより、図11の給紙処理において、用紙Sの搬送タイミングが第1搬送タイミングから第2搬送タイミングに切り替えられるので(S65)、前回給紙した用紙Sと、今回給紙する用紙Sとの間の距離が、大きな第2距離となる。
そして、今回給紙した用紙Sが第1シートセンサ101を通過すると(S2:Yes)、ステップS3でYesと判定されて、供給処理が実行される(S4,S5)。
供給処理が実行されると、ステップS8の供給量算出処理において、供給量Qsが算出される(図8:S22)。算出した供給量Qsが基準供給量Qb以下の場合には(S23:Yes)、第1閾値TH1が小さな値に変更される(S24)。また、供給量Qsに基づいて算出されるトナーカートリッジ2内のトナー残量Qtが所定量β以下である場合には(S26:Yes)、ユーザにトナーカートリッジ2内のトナーが少ないことが報知される(S27)。
また、図9に示すように、用紙Sを1枚印字するたびに増加していく使用量Quの増加量Qu2が第2閾値TH2以上になると(S36)、印字ジョブが中断された後、第1アジテータ15が第2速度V2でゆっくり回転する(S37,38)。これにより、光センサ190を用いた検出処理を精度良く行うことができる(S39)。
また、検出処理によって取得される現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qthより多い場合には(S40:Yes)、フラグF2が1に設定される(S41)。これにより、次回の検出処理によって取得される現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qth以下となり(S40:No)、フラグF2が0に設定される(S42)まで、使用量Quの増加量Qu1と第1閾値TH1との比較(S33)が実行されない。そのため、現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qthより多い場合には、供給処理が実行されない。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
印字ジョブの中断時、つまり現像処理を実行していないときに検出処理を実行するので、光センサ190によって現像カートリッジ1内のトナーの量を精度良く検出することができる。さらに、供給処理よりも検出処理の頻度が少ないため、複数回の供給処理によって現像カートリッジ1内のトナーの量が変動する可能性がある場合に、検出処理を実行することができる。
検出処理において、第1アジテータ15を、第1速度V1よりも小さな第2速度V2で動作させるので、検出処理において現像カートリッジ1内のトナーの飛散を抑えることができ、光センサ190によるトナー量の検出をより精度良く行うことができる。
印字ジョブの実行中に検出処理の開始条件が満たされた場合には、印字ジョブを中断して検出処理を実行するので、連続印字するページ数が多い場合でも、早い段階で現像カートリッジ1内のトナーの量を把握することができる。
検出処理において検出したトナー残量Qrが所定残量Qthより多い場合には、供給処理を実行しないので、現像カートリッジ1内にトナーが入りすぎるのを抑えることができる。
前述した式(1)を満たすように第1閾値TH1を設定したので、複数枚の用紙Sに対して、1枚の用紙S当たりのトナー使用量が最大となる印字を連続して行った場合であっても、現像カートリッジ1内のトナーが不足するのを抑えることができる。
トナーカートリッジ2を現像カートリッジ1に対して着脱可能としたので、トナーカートリッジ2内のトナーが利用可能な量を下回った場合において、現像ローラ12を交換することなく、トナーカートリッジ2のみを交換することができる。
静電潜像の形成を開始する前に供給処理を開始するので、供給処理の開始時に生じる振動、詳しくは伝達機構TMの切替時に生じる振動によって感光ドラム181上の静電潜像が乱れるのを抑えることができる。また、転写ローラ183に向けて搬送される用紙Sを第1シートセンサ101で検知したことをトリガーとして、この用紙Sに対応した静電潜像の形成を開始する前に供給処理を開始するので、この用紙Sに対応した現像処理を行う前に現像カートリッジ1内にトナーが供給される。そのため、現像処理を行うときにおいて、現像カートリッジ1内のトナーの状態(劣化したトナーと新鮮なトナーの割合)を、供給処理の開始前よりも良好な状態にすることができるので、画質の低下を抑えることができる。
現像ローラ12とオーガ22が共通のモータ300で駆動する場合には、伝達機構TMを切断状態から接続状態に切り替えた場合にモータ300の負荷が変動するので、現像ローラ12の回転が不安定になり、現像ローラ12と接触する感光ドラム181の回転も不安定になる。そのため、このときに露光処理を行うと静電潜像が乱れやすいが、本発明では、露光処理を行う前に供給処理を開始する、つまり伝達機構TMを切り替えるので、静電潜像が乱れるのを良好に抑えることができる。
用紙1枚分に対応した静電潜像の形成が完了した後に供給処理を終了するので、供給処理の終了時に生じる振動などによって感光ドラム181上の静電潜像が乱れるのを抑えることができる。
式(4)を満たすように供給処理の実行期間Tdを設定することで、連続印字時において連続搬送される2枚の用紙S間に対応した期間、つまり静電潜像が形成されていない期間において、供給処理の開始・終了が行われるので、連続印字時においても静電潜像の乱れを抑えることができる。
供給処理を実行しない通常の連続印字の際には、用紙S間の距離を小さな第1距離とするので、印字速度を上げることができる。また、連続印字時において供給処理を行う場合には、用紙S間の距離を大きな第2距離とするので、供給処理の開始・終了を、静電潜像が形成されていない期間においてより確実に行うことができる。
供給量算出処理を実行することで、供給処理で供給したトナーの供給量Qsを算出することができるので、実際に現像カートリッジ1内に供給したトナーの量を把握することができる。また、前回の供給処理からの経過時間に基づいて、今回の供給処理で供給したトナーの供給量を算出することで、トナーカートリッジ2内のトナー密度が時間の経過によって変動した場合であっても、現像カートリッジ1内に供給したトナーの量を把握することができる。また、供給処理において、実行期間Tdを所定回数のオーガ22の回転に対応する所定期間とした場合でも、現像カートリッジ1内に供給したトナーの量を把握することができる。
供給量算出処理で算出した供給量Qsに基づいて、トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtを算出するので、トナーカートリッジ2内のトナーの残量を算出することができる。
トナーカートリッジ2内のトナー残量Qtが所定量β以下となった場合に、残量が少なくなったことを示す情報を報知するので、例えばユーザにトナーカートリッジ2の交換を促すことができる。
供給量算出処理で算出した供給量Qsが基準供給量Qb以下の場合に、第1閾値TH1を小さくするので、今回の供給処理で供給したトナーの供給量Qsが少ない場合には、次の供給処理の開始タイミングを早めることができ、現像カートリッジ1内のトナーの量を適正な量に保てることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の部材や処理には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図9の形態では、印字ジョブの中断後に検出処理を実行したが、本発明はこれに限定されず、印字ジョブの完了後に検出処理を実行してもよい。具体的には、例えば、図12から図14に示すフローチャートに基づいて、制御部200が制御を実行するように構成されていてもよい。
ここで、図12に示すフローチャートは、図7のフローチャートと同様のステップS1〜9,S11を有する他、ステップS10の代わりに新たなステップS100を有するとともに、ステップS11の後に新たなステップS200,S300を有している。
ステップS100において、制御部200は、前記実施形態のトナー量把握処理とは多少異なるトナー量把握処理を実行する。図13に示すように、制御部200は、ステップS100において、図9に示すフローチャートと同様のステップS31〜S36の処理を実行する。ステップS36においてQu2≧TH2であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、検出処理を含むトナー残量判定処理を実行するためのフラグF3を1に設定する(S101)。
また、ステップS36においてQu2≧TH2でないと判断した場合には(No)、制御部200は、フラグF3を0に設定する(S102)。ステップS101,S102の後、制御部200は、本制御を終了する。
図12に示すように、制御部200は、ステップS11において印字ジョブが終了したと判断すると(Yes)、フラグF3が1であるか否かを判断する(S200)。ステップS200においてF3=1であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、トナー残量判定処理を実行する(S300)。
図14に示すように、トナー残量判定処理において、制御部200は、図9に示すフローチャートと同様のステップ38〜42の処理を実行する。図12に戻って、制御部200は、ステップS200でNoと判断した場合、または、ステップS300の後、本制御を終了する。つまり、図12から図14に示す形態では、制御部100は、印字ジョブの終了後に(S11:Yes)、フラグF3の状態によって検出処理(S39)を実行している。
これによれば、図9の形態のような印字ジョブの実行中に検出処理の開始条件が満たされた場合に、印字ジョブを中断して検出処理を実行する形態と比べ、印字ジョブを早期に完了させることができる。
なお、図13の形態における第2閾値TH2、つまり印字ジョブの完了後に検出処理を実行する形態における第2閾値TH2は、前記実施形態の第2閾値、つまり印字ジョブの中断後に検出処理を実行する形態における第2閾値TH2と同じ値でもよいし、異なる値でもよい。たとえば図13における第2閾値TH2を、図9の形態よりも小さくし、図9の形態とあわせて実行してもよい。これによると、短い印字ジョブにおいては図13の形態のように印字ジョブの完了後に検出処理が実行され、長い印字ジョブにおいては、図9の形態のように印字ジョブを中断して検出処理が実行される。
図9の形態では、フラグF2が1に設定されているとき、次回の検出処理によって取得される現像カートリッジ1内のトナー残量Qrが所定残量Qth以下となったときに、フラグF2が0に設定されるが、フラグF2が1に設定されてから、所定の印刷枚数を印刷したことに基づき、フラグF2を0に設定してもよい。これによれば、所定の印刷枚数が印刷される間は供給処理が実行されない。
前記実施形態では、供給部として螺旋状の板22Bを有するオーガ22を例示したが、本発明はこれに限定されず、供給部は、例えば、回転軸と、回転軸に対して平行に設けられる平板とを備えた構成であってもよい。
前記実施形態では、供給処理の実行期間Tdを一定の時間で示したが、実行期間Tdは、オーガ22を所定の回数回転させる期間に相当する時間であればよい。例えば印字速度を変更可能な形態においては、どのような印字速度であってもオーガ22の回転回数が一定となるように、印字速度に応じて実行期間Tdを変更するよう構成してもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム181を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体であってもよい。
前記実施形態では、現像器と現像剤収容部とをそれぞれ別部材としたが、本発明はこれに限定されず、現像器と現像剤収容部とが一体に構成されていてもよい。
前記実施形態では、使用量取得処理において、画像データのドット数に基づいて使用量Quを取得したが、本発明はこれに限定されず、例えば、印字枚数、感光ドラムの回転回数、第1シートセンサや第2シートセンサでの用紙の検出回数などに基づいて使用量を取得してもよい。
前記実施形態では、撹拌部として一枚の撹拌翼15Bを備えた第1アジテータ15を例示したが、本発明はこれに限定されず、撹拌部は、例えば複数枚の撹拌翼を備えたものであってもよい。
前記実施形態では、転写部として感光ドラム181に接触する転写ローラ183を例示したが、本発明はこれに限定されず、転写部は、例えば中間転写方式において、感光体に接触する中間転写ベルトに対向して設けられる転写部材などであってもよい。
前記実施形態では、検知部として第1シートセンサ101を例示したが、本発明はこれに限定されず、検知部は、例えばレジストレーションローラの搬送方向上流側に設けられるシートセンサなどであってもよい。
前記実施形態では、シートとして、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、供給量算出処理で算出した供給量Qsに基づいてトナーカートリッジ2内のトナー残量Qtを算出したが、本発明はこれに限定されず、例えば、供給量算出処理で算出した供給量に基づいて、次の供給処理において供給するトナー量(供給処理の実行期間)を変更してもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。