JP2018152942A - 高電圧ケーブルの配索構造 - Google Patents

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洋雅 田中
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Abstract

【課題】フルフラップ衝突した場合だけでなく、オフセット衝突した場合でも、高電圧ケーブルを適切に保護できる高電圧ケーブルの配索構造を提供する。
【解決手段】車両前方に設けられたパワーユニット室から、フロアトンネルへと引き出される高電圧ケーブルの配索構造であって、パワーユニット室と車室との間に介在し、トンネル入口が形成されたダッシュクロスメンバ18と、トンネル入口と車両前後方向に対向して配置される車載ユニットと、ダッシュクロスメンバ18のうち車載ユニットとの対向面側に取り付けられ、ダッシュクロスメンバ18との間にケーブル通路を形成する樹脂製の保護部材32と、を備え、保護部材32は、凹部である通路部34と、通路部34の幅方向両側に設けられ、通路部34より肉厚の耐力部36と、を有しており、耐力部36の車両前後方向の圧縮力に対する耐力が、ダッシュクロスメンバ18の曲げ耐力よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両前方に設けられたパワーユニット室から、車室内に設けられたフロアトンネルへと引き出される高電圧ケーブルの配索構造に関する。
従来から、駆動源の一つとして回転電機を備えた電動車両、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池自動車等が広く知られている。かかる電動車両では、高電圧ユニット、例えば、電力を充放電するメインバッテリや、電気化学反応により電力を生成する燃料電池、電力を直流−交流間で変換するインバータ等が車両の各部に配されている。例えば、燃料電池自動車では、ダッシュパネルによって車室と区画されたパワーユニット室には、インバータや燃料電池が搭載され、車室の床下や、車室より後部にあるキャリッジスペースには、メインバッテリが搭載されることがある。
車両内には、かかる高電圧ユニットを電気的に接続する高電圧ケーブルが配索される。こうした高電圧ケーブルは、衝突事故等に起因して移動する各種部材によって挟み込まれると、損傷するおそれがある。そこで、衝突事故等が生じても、高電圧ケーブルの損傷を防止するための技術が、従来から提案されている。
例えば、特許文献1には、ダッシュパネル前方の前室(パワーユニット室)に搭載ユニットを、ダッシュパネルより後方にバッテリを、備えた車両において、バッテリから車両前部に向かって延出して、ダッシュパネルに沿うように設けられた高電圧ケーブルの配索構造が開示されている。この配索構造では、搭載ユニットの後面(ダッシュパネルとの対向面)に車両前後方向の段差を形成し、ダッシュパネルまでの車両前後方向の距離が大きい部分と小さい部分とを構成している。そして、高電圧ケーブルを、この段差面(ダッシュパネルまでの距離が大きい部分)とダッシュパネルとの間を通るように配索している。かかる構成によれば、衝突事故等に起因して、搭載ユニットが、車両後方に移動しても、段差面とダッシュパネルとの間には、高電圧ケーブルが配される空間が確保されるため、高電圧ケーブルが搭載ユニットとダッシュパネルとで挟み込まれることがない。
国際特許公開2012/114476号公報
しかしながら、特許文献1では、搭載ユニットが、車両後方に真っ直ぐ移動する状況しか想定されていない。そのため、車体前面の一部分のみが他の車両や障害物に当たるオフセット衝突が生じた場合には、高電圧ケーブルを適切に保護できない恐れがあった。すなわち、オフセット衝突が生じた場合、搭載ユニットは、車両後方ではなく、車両斜め後方へと移動する。特許文献1の構成では、搭載ユニットが車両斜め後方へと移動すると、高電圧ケーブルが、搭載ユニットの非段差面とダッシュパネルとで挟み込まれる恐れがあった。
そこで、本明細書では、フルフラップ衝突した場合だけでなく、オフセット衝突した場合でも、高電圧ケーブルを適切に保護できる高電圧ケーブルの配索構造を開示する。
本明細書で開示する高電圧ケーブルの配索構造は、車両前方に設けられたパワーユニット室から、車室内に設けられたフロアトンネルへと引き出される高電圧ケーブルの配索構造であって、前記パワーユニット室と前記車室との間に介在し、前記フロアトンネルの入口となるトンネル入口が形成されたダッシュクロスメンバと、前記パワーユニット室内において、前記トンネル入口と車両前後方向に対向して配置される車載ユニットと、前記ダッシュクロスメンバのうち前記トンネル入口の周縁近傍かつ前記車載ユニットとの対向面側に取り付けられ、前記ダッシュクロスメンバとの間に車両高さ方向に貫通するとともに前記高電圧ケーブルが挿通されるケーブル通路を形成する樹脂製の保護部材と、を備え、前記保護部材は、幅方向中央において車両高さ方向に延びる凹部であって、前記ケーブル通路の一部を構成する通路部と、前記通路部の幅方向両側に設けられ、前記通路部より肉厚の耐力部と、を有しており、前記車両前後方向の圧縮力に対する前記耐力部の耐力が、前記ダッシュクロスメンバのうち前記保護部材との対向箇所の前記車両前後方向の力に対する曲げ耐力よりも大きい、ことを特徴とする。
かかる構成とすることで、フルフラップ衝突、オフセット衝突のいずれが発生した場合でも、保護部材が圧縮破壊する前に、ダッシュクロスメンバの曲がりが発生し、衝突荷重が吸収される。結果として、保護部材の破壊が効果的に防止され、高電圧ケーブルを適切に保護される。
さらに、高電圧ケーブルの配索構造は、前記パワーユニット室の幅方向両側に配される一対のフロントサイドメンバを備え、前記車載ユニットの幅は、幅方向一端側のフロントサイドメンバから前記通路部の幅方向他端までの距離より大きくてもよい。
かかる構成とすれば、フルフラップ衝突、オフセット衝突のいずれが発生した場合でも、車載ユニットは、保護部材の耐力部に衝突する。換言すれば、車載ユニットが、通路部にのみ衝突することが無くなる。その結果、保護部材に曲げモーメントや引っ張り力が作用しにくく、保護部材の破壊が効果的に防止される。結果として、高電圧ケーブルが適切に保護される。
また、前記保護部材は、ブラケットを介して前記ダッシュクロスメンバに取り付けられてもよい。
ブラケットを用いることで、保護部材を、特殊な形状にしなくても、ダッシュクロスメンバに取り付けることができる。
この場合、前記保護部材のうち、前記車載ユニットとの対向面の少なくとも一部は、前記ブラケットにより覆われていてもよい。
かかる構成とすれば、衝突荷重は、ブラケットにより分散された上で保護部材に伝達される。その結果、衝突荷重に起因する保護部材のクラックを効果的に防止できる。その結果、保護部材の耐久性が保たれやすくなり、2度目、3度目の衝突が生じたとしても、保護部材の破壊が効果的に防止される。
本明細書で開示する高電圧ケーブルの配索構造によれば、フルフラップ衝突、オフセット衝突のいずれが発生した場合でも、保護部材が圧縮破壊する前に、ダッシュクロスメンバの曲がりが発生し、衝突荷重が吸収される。結果として、保護部材の破壊が効果的に防止され、高電圧ケーブルを適切に保護される。
パワーユニット室周辺の構造を示す概略図である。 図1のA部拡大図である。 トンネル入口周辺の概略斜視図である。 保護部材およびブラケットの概略斜視図である。 ダッシュクロスメンバに取り付けられた保護部材の模式図である。 フロントサイドメンバ、燃料電池ユニット、保護部材の位置関係を説明するための模式図である。 フルフラップ衝突に起因して、燃料電池ユニットが、車両後方に、ほぼ真っ直ぐに移動した様子を示す図である。 オフセット衝突に起因して、燃料電池ユニットが、車両斜め後方に移動した様子を示す図である。 他の配索構造の一例を示す図である。
以下、高電圧ケーブル10の配索構造について図面を参照して説明する。図1は、パワーユニット室12周辺の構造を示す概略図である。また、図2は、図1のA部拡大図、図3は、トンネル入口19周辺の概略斜視図、図4は、保護部材およびブラケットの概略斜視図である。なお、図3では、保護部材32およびブラケット40の図示は、省略している。
この配索構造は、動力源の一つとして1以上の回転電機(図示せず)を搭載した電動車両に用いられる。かかる電動車両としては、エンジンと回転電機の双方を搭載したハイブリッド自動車、エンジンを有さない電気自動車、電気化学反応により発電する燃料電池を搭載した燃料電池自動車等が挙げられる。本明細書では、燃料電池を搭載した燃料電池自動車における配索構造を例示する。
車両は、車両前方に設けられたパワーユニット室12と、パワーユニット室12の後方に設けられた車室14と、を備える。パワーユニット室12は、車両を走行させるためのパワーユニットが設置される空間で、エンジン自動車におけるエンジンルームに該当する空間である。パワーユニット室12に設置されるパワーユニットとしては、例えば、回転電機やギヤ群を一体化したトランスアクスル、エンジン、インバータ、燃料電池等がある。
図3に示す通り、パワーユニット室12と車室14との間には、ダッシュパネル16が画壁している。また、このダッシュパネル16の下部には、車両幅方向に延びる骨格部材であるダッシュクロスメンバ18が取り付けられている。ダッシュクロスメンバ18の幅方向略中央は、上方に向かって半円状に曲げられており、パワーユニット室12と車室14とを連通するフロアトンネル20の入口であるトンネル入口19を形成している。
車室14の底面には、フロアパネル17が配されている。このフロアパネル17の幅方向略中央は、上方に向かって凸状の通路を作り、車両前後方向に延びるフロアトンネル20を形成している。このフロアトンネル20の前端は、ダッシュクロスメンバ18のトンネル入口19に連結されている。
図1に示す通り、パワーユニット室12の幅方向両側には、一対のフロントサイドメンバ28R,28L(以下、左右を区別しない場合は、添字R,Lを省略する)が配されている。フロントサイドメンバ28は、車両前後方向に延びる骨格部材である。フロントサイドメンバ28の前端は、バンパ26に連結されている。また、バンパ26の後方、かつ、パワーユニット室12の前端には、車両幅方向に延びる骨格部材であるフロントクロスメンバ24が、配されている。したがって、パワーユニット室12は、一対のフロントサイドメンバ28と、ダッシュパネル16と、フロントクロスメンバ24とで囲まれている。
パワーユニット室12のうち、トンネル入口19に対して、車両前後方向に対向する位置には、燃料電池ユニット30が配置されている。燃料電池ユニット30は、水素と酸素とを電気化学的に反応させて発電するユニットである。この燃料電池ユニット30は、トンネル入口19に対向して配置される車載ユニットとして機能する。また、燃料電池ユニット30は、高電圧電力を送受する高電圧ユニットでもある。
燃料電池ユニット30は、車室14またはラゲッジスペースに配された二次電池ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。燃料電池ユニット30からは、当該燃料電池ユニット30と二次電池ユニットとを接続するための高電圧ケーブル10が引き出されている。燃料電池ユニット30から引き出された高電圧ケーブル10は、パワーユニット室12を抜けて、車室14に設けられたフロアトンネル20内に通された後、二次電池ユニットに接続される。
ここで、燃料電池ユニット30から引き出された高電圧ケーブル10を、フロアトンネル20内に導いた場合、高電圧ケーブル10の一部が、燃料電池ユニット30とダッシュクロスメンバ18との間を通ることになる。この場合、衝突事故等に起因して、燃料電池ユニット30が後方に移動すると、高電圧ケーブル10が、当該燃料電池ユニット30とダッシュクロスメンバ18とで挟み込まれてしまい、損傷するおそれがある。
そこで、従来から、高電圧ケーブル10が挟み込まれないように、各種部材の配置や形状を工夫することが提案されていた。例えば、特許文献1には、高電圧ケーブルと対向するユニットに部分的に段差を設け、当該ユニットが、車両後方に移動しても、ダッシュクロスメンバとの間に、高電圧ケーブルが通る隙間を確保する技術が開示されている。かかる技術によれば、ユニットが後方に移動しても、高電圧ケーブルの挟み込みが防止できる。
しかし、特許文献1の技術では、ユニットが、車両後方に、ほぼ真っ直ぐ移動する場合しか想定されておらず、ユニットが斜め後方に移動する場合には、高電圧ケーブルを適切に保護できない。すなわち、パワーユニット室12に搭載されたユニット、例えば燃料電池ユニット30は、前面衝突事故等に起因して後方に移動する。こうした前面衝突事故としては、車体前面の幅のほぼ全てが障害物等に衝突するフルフラップ衝突の他、車体前面の幅の片側一部のみが障害物等に衝突するオフセット衝突と、がある。フルフラップ衝突の場合、燃料電池ユニット30は、車両後方にほぼ真っ直ぐ移動することが多い。一方、オフセット衝突の場合、車両には、斜め後向きの力が加わるため、燃料電池ユニット30も斜め後方へと移動しやすくなる。特許文献1のように、ユニットの一部に段差を設けただけの構成の場合、かかるオフセット衝突に起因して当該ユニットが斜め後方へと移動すると、高電圧ケーブルが、搭載ユニットの非段差面とダッシュクロスメンバとで挟み込まれ、ひいては、損傷する恐れがあった。
そこで、高電圧ケーブル10の周囲を板金部材で囲って保護することも考えられる。しかし、板金部材を衝突時の衝撃にも耐えられるようにするためには、当該板金部材の板厚を厚くする必要があり、質量の増加やコストの増加という別の問題を招く。
そこで、本明細書では、高電圧ケーブル10を保護するために、ダッシュクロスメンバ18に樹脂製の保護部材32を取り付けている。保護部材32は、図4に示すように、略直方体形状であり、その上側1/4くらいは、車両前方(ダッシュクロスメンバ18から離れる方向)に傾斜している。なお、図2において、グレーハッチングした箇所は、保護部材32のテーパー面33である。
この保護部材32は、その幅方向中央において車両高さ方向に延びる凹部分である通路部34と、通路部34の幅方向両側に設けられるとともに通路部34より肉厚の耐力部36と、に大別される。通路部34を構成する凹部は、高さ方向に貫通しており、ダッシュクロスメンバ18および後述するブラケット40との間に、高電圧ケーブル10が通るケーブル通路を形成する。
かかる保護部材32は、金属、例えば、鋼材等からなるブラケット40を介して、ダッシュクロスメンバ18に取り付けられる。ブラケット40は、図4に示す通り、その幅方向中央が、車両後方に凹んだ板金部材である。ブラケット40の凹部42の幅は、保護部材32の通路部34(凹部)の幅とほぼ同じであり、当該凹部42と通路部34との間には、高電圧ケーブル10が通過可能なケーブル通路が形成される。また、凹部42の幅方向両端からは、一対の取付部44が幅方向外側に延びている。この取付部44には、保護部材32の耐力部36との締結に用いられる締結孔46と、ダッシュクロスメンバ18との締結に用いられる締結孔48と、が形成されている。ブラケット40は、図2に示すように、保護部材32とダッシュクロスメンバ18との間に配され、保護部材32およびダッシュクロスメンバ18の双方に螺合締結される。
ここで、保護部材32は、後方または斜め後方に移動した燃料電池ユニット30が衝突しても、破壊されないような配置および強度を有している。具体的には、保護部材32は、前面衝突に起因して燃料電池ユニット30と衝突した際に、曲げモーメントや引っ張り力を受けないような構成および配置となっている。曲げモーメントおよび引っ張り力を受けないために、保護部材32は、燃料電池ユニット30との衝突荷重を耐力部36のみ、または、耐力部36と通路部34の双方で受ける構成となっている。換言すれば、保護部材32は、燃料電池ユニット30との衝突荷重を、通路部34のみで受けることがないような配置となっている。
これについて、図5を参照して説明する。図5は、ダッシュクロスメンバ18に取り付けられた保護部材32の模式図である。前面衝突に起因して、燃料電池ユニット30が通路部34のみに当たった、換言すれば、通路部34に、車両後方向きの集中荷重がかかったとする。この場合、保護部材32の通路部34周辺が、図5において二点鎖線で示すように撓む。また、この撓みに起因して、保護部材32には、曲げモーメントや引っ張り応力が発生する。この曲げモーメントや引っ張り応力が、保護部材32の曲げ強度、引張強度を超えて過大になると、保護部材32が破壊され、高電圧ケーブル10が燃料電池ユニット30とダッシュクロスメンバ18とで挟み込まれることになる。
一方、燃料電池ユニット30が耐力部36に当たったとする。この場合、耐力部36には、燃料電池ユニット30から受ける車両後向きの力と、ダッシュクロスメンバ18から受ける反力とで構成される車両前後方向の圧縮力のみを受けることになる。ここで、一般的に、樹脂を含む多くの素材は、圧縮強度のほうが引張強度や曲げ強度よりも大きい。そのため、衝突荷重を、通路部34のみで受け、保護部材32が、圧縮力のみを受け、引っ張り力や曲げモーメントを受けない配置・構成とすることで、保護部材32の破壊をより効果的に防止でき、ひいては、高電圧ケーブル10をより確実に保護できる。
衝突荷重を、通路部34のみで受けないようにするために、本例では、燃料電池ユニット30が幅方向に移動したとしても、当該燃料電池ユニット30の幅内に、通路部34が収まるような配置および構成としている。これについて図6を参照して説明する。図6は、フロントサイドメンバ28、燃料電池ユニット30、保護部材32の位置関係を説明するための模式図である。
図6において二点鎖線で示すように、衝突に起因して移動した燃料電池ユニット30の一端が、通路部34に当たると、衝突時の荷重を通路部34のみで受けることになる(ただし、後述するように、燃料電池ユニット30の幅方向の移動は、一対のフロントサイドメンバ28R,28Lによって規制されるため、実際には、燃料電池ユニット30は、図6において二点鎖線で示すような配置を取ることはできない)。したがって、衝突荷重を、通路部34のみで受けないようにするためには、燃料電池ユニット30の幅内に、通路部34が収まるように、換言すれば、幅方向に移動した燃料電池ユニット30の幅方向両端が、常に、通路部34を挟んで幅方向両側に位置するようにすればよい。
ここで、衝突等に起因して、燃料電池ユニット30は、幅方向にも移動するが、その移動範囲は、一対のフロントサイドメンバ28L,28Rの間に限定される。そのため、燃料電池ユニット30が左側のフロントサイドメンバ28Lに当たったとき、あるいは、燃料電池ユニット30が右側のフロントサイドメンバ28Rに当たったとき、燃料電池ユニット30の幅内に、通路部34が収まっていれば、衝突時の荷重を通路部34のみで受けることは避けられる。そのため、本例では、燃料電池ユニット30の幅D1を、左側のフロントサイドメンバ28Lから通路部34の右側端部までの距離DLおよび右側のフロントサイドメンバ28Rから通路部34の左側端部までの距離DRよりも大きくしている(D1>DL、かつ、D1>DR)。かかる構成とすることで、燃料電池ユニット30の幅方向端部が、通路部34の幅内に位置することが無く、通路部34にのみ衝突荷重がかかることが防止される。
さらに、本例では、保護部材32の破壊、ひいては、高電圧ケーブル10の損傷を防止するために、耐力部36の車両前後方向の圧縮力に対する耐力を、ダッシュクロスメンバ18のうち保護部材32との対向箇所における車両前後方向の力に対する曲げ耐力よりも大きくしている。換言すれば、本例では、耐力部36に車両後方向きの力を掛けた時、耐力部36が圧縮破壊するよりも前に、ダッシュクロスメンバ18が曲がるようにしている。かかる構成とした場合、保護部材32の破壊に先だって、ダッシュクロスメンバ18が曲がり、このダッシュクロスメンバ18の曲げにより衝突荷重が吸収される。その結果、保護部材32の破壊がより効果的に防止され、高電圧ケーブル10が燃料電池ユニット30とダッシュクロスメンバ18とで挟みこまれることが効果的に防止される。
次に、前面衝突した際の様子について、図7、図8を参照して説明する。図7は、フルフラップ衝突に起因して、燃料電池ユニット30が、車両後方に、ほぼ真っ直ぐに移動した様子を示す図である。この場合、保護部材32は、ほぼ全幅において燃料電池ユニット30に当たる。そして、保護部材32に印加された力は、その後方に位置するダッシュクロスメンバ18に伝達されるとともに、一対の耐力部36は、当該ダッシュクロスメンバ18から反力を受ける。結果として、一対の耐力部36は、車両前後方向の圧縮力を受けることになる。また、ダッシュクロスメンバ18は、車両後方向きの力を受ける。ここで、耐力部36の圧縮耐力は、ダッシュクロスメンバ18の曲げ耐力よりも大きいため、耐力部36、ひいては、保護部材32が破壊する前に、ダッシュクロスメンバ18が大きく曲がる。そして、このダッシュクロスメンバ18の曲げにより衝突荷重が吸収され、保護部材32の破壊が効果的に防止される。
図8は、オフセット衝突に起因して、燃料電池ユニット30が、車両斜め後方に、移動した様子を示す図である。この場合、保護部材32のうち一つの耐力部36のみが燃料電池ユニット30に当たる。そして、衝突荷重は、この耐力部36を介してダッシュクロスメンバ18に伝達されるとともに、当該耐力部36は、当該ダッシュクロスメンバ18から反力を受ける。結果として、一つの耐力部36は、車両前後方向の圧縮力を受けることになる。また、ダッシュクロスメンバ18は、車両後方向きの力を受ける。この場合においても、耐力部36の圧縮耐力は、ダッシュクロスメンバ18の曲げ耐力よりも大きいため、耐力部36、ひいては、保護部材32が破壊する前に、ダッシュクロスメンバ18が大きく曲がる。そして、このダッシュクロスメンバ18の曲げにより衝突荷重が吸収され、保護部材32の破壊が効果的に防止される。
以上の通り、本明細書に開示の配索構造によれば、フルフラップ衝突、オフセット衝突のいずれの場合でも、燃料電池ユニット30は、保護部材32の耐力部36に当たる。その結果、保護部材32に、曲げ応力や引っ張り応力が生じにくく、破壊されにくい。また、保護部材32の圧縮耐力よりも、ダッシュクロスメンバ18の曲げ耐力のほうが小さいため、保護部材32の破壊に先だってダッシュクロスメンバ18が曲がって、荷重を吸収する。その結果、保護部材32の破壊が効果的に防止され、高電圧ケーブル10の損傷が効果的に防止される。
また、本例では、保護部材32に、曲げモーメントや引っ張り力が殆どかからず、圧縮力がかかる構成としている。そして、一般に、圧縮強度は、曲げ強度や引っ張り強度に比べて大きいため、保護部材32を、金属に比べて強度の乏しい樹脂で構成しても、衝突荷重による当該保護部材32の破壊を防止することができる。そして、保護部材32を、金属ではなく、より軽量な樹脂で構成することで、質量の増加を防止できる。
なお、これまでの説明は、一例であり、ダッシュクロスメンバ18との間にケーブル通路を形成する樹脂製の保護部材32が、通路部34と耐力部36とを備え、当該耐力部36の圧縮耐力が、ダッシュクロスメンバ18の曲げ耐力よりも大きいのであれば、他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、上述の説明では、ダッシュクロスメンバ18と保護部材32との間にブラケット40を設けているが、ブラケット40は、図9に示すように、反対側に設けられてもよい。すなわち、ブラケット40は、図9に示すように、保護部材32の前面(燃料電池ユニット30との対向面)を覆うように取り付けられてもよい。かかる構成とした場合、燃料電池ユニット30が衝突した際の衝撃に起因する保護部材32のクラックを効果的に防止できる。
すなわち、図2に示すように、ダッシュクロスメンバ18と保護部材32との間にブラケット40を設けた場合、燃料電池ユニット30は、樹脂からなる保護部材32に、直接、衝突することになる。この場合、保護部材32は、破壊しないものの、微小なクラックが生じやすい。かかるクラックが生じると、保護部材32の耐久性が低下する。ここで、衝突事故の際には、燃料電池ユニット30が、保護部材32に一度、衝突した後、反発して離間し、さらに、その後、再び、保護部材32に衝突する場合もある。すなわち、短期間の間に、燃料電池ユニット30と保護部材32との衝突が、2度、3度続くことがある。一度目の衝突で保護部材32にクラックが生じていると、保護部材32が、この2度目、3度目の衝突に耐えられないおそれがある。
一方、図9に示すように、保護部材32の前面をブラケット40が覆う構成とした場合、燃料電池ユニット30からの衝突荷重は、ブラケット40を介して保護部材32に伝わる。ブラケット40は、金属からなる板部材であるため、衝撃を受けても、クラックは発生しにくい。また、衝突荷重は、ブラケット40により分散されて保護部材32に伝達されるため、保護部材32に、荷重が集中しにくくなり、クラックが生じにくくなる。結果として、保護部材32の耐久性が保たれやすくなり、2度目、3度目の衝突が生じたとしても、保護部材32の破壊が効果的に防止され、高電圧ケーブル10が適切に保護される。
また、これまでの説明では、保護部材32を、ブラケット40を介してダッシュクロスメンバ18に取り付けている。しかし、保護部材32をダッシュクロスメンバ18に直接、取り付けることができるのであれば、ブラケット40は、省略されてもよい。
また、これまでの説明では、トンネル入口19と対向する位置に、燃料電池ユニット30を配しているが、当然ながら、他の部材を、当該箇所に配してもよい。例えば、燃料電池ユニット30に替えて、インバータや二次電池等の他の高電圧ユニット、あるいは、ギヤケース等を配してもよい。
10 高電圧ケーブル、12 パワーユニット室、14 車室、16 ダッシュパネル、17 フロアパネル、18 ダッシュクロスメンバ、19 トンネル入口、20 フロアトンネル、24 フロントクロスメンバ、26 バンパ、28 フロントサイドメンバ、30 燃料電池ユニット、32 保護部材、33 テーパー面、34 通路部、36 耐力部、40 ブラケット、42 凹部、44 取付部、46,48 締結孔。

Claims (1)

  1. 車両前方に設けられたパワーユニット室から、車室内に設けられたフロアトンネルへと引き出される高電圧ケーブルの配索構造であって、
    前記パワーユニット室と前記車室との間に介在し、前記フロアトンネルの入口となるトンネル入口が形成されたダッシュクロスメンバと、
    前記パワーユニット室内において、前記トンネル入口と車両前後方向に対向して配置される車載ユニットと、
    前記ダッシュクロスメンバのうち前記トンネル入口の周縁近傍かつ前記車載ユニットとの対向面側に取り付けられ、前記ダッシュクロスメンバとの間に車両高さ方向に貫通するとともに前記高電圧ケーブルが挿通されるケーブル通路を形成する樹脂製の保護部材と、
    を備え、前記保護部材は、
    幅方向中央において車両高さ方向に延びる凹部であって、前記ケーブル通路の一部を構成する通路部と、
    前記通路部の幅方向両側に設けられ、前記通路部より肉厚の耐力部と、
    を有しており、
    前記車両前後方向の圧縮力に対する前記耐力部の耐力が、前記ダッシュクロスメンバのうち前記保護部材との対向箇所の前記車両前後方向の力に対する曲げ耐力よりも大きい、
    ことを特徴とする高電圧ケーブルの配索構造。
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