以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図9に基づいて本実施形態にかかる電池パック100を含む電源システム200を説明する。
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして鉛蓄電池110がある。電池パック100はリチウム蓄電池10を有している。電源システム200はこれら鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した鉛蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれは、第1外部配線201を介して電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2外部配線202を介して電池パック100と電気的に接続されている。
第1外部配線201と第2外部配線202はそれぞれワイヤハーネスである。第1外部配線201を構成する複数のワイヤハーネスそれぞれの一端が、鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。そしてこれら各ワイヤハーネスの他端は図示しない第1ヒューズボックスで電気的に接続されている。第1ヒューズボックスは接続端子を有し、その先端が電池パック100に機械的および電気的に接続されている。
同様にして第2外部配線202を構成する複数のワイヤハーネスの一端が、回転電機130と電気的に接続されている。そしてこれら各ワイヤハーネスの他端は図示しない第2ヒューズボックスで電気的に接続されている。第2ヒューズボックスは接続端子を有し、その先端が電池パック100に機械的および電気的に接続されている。
なお図示しないが、上記した第1ヒューズボックスと第2ヒューズボックスそれぞれは、バスバー、ヒューズ、接続端子、および、樹脂ケースを有する。樹脂ケースにバスバーが収納されている。バスバーにヒューズが設けられている。そしてバスバーの端部に接続端子が設けられている。バスバーにワイヤハーネスが接続される。接続端子が電池パック100に接続される。
なお、上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも、図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、鉛蓄電池110と電池パック100(リチウム蓄電池10)の2つを電源とするシステムを構築にしている。以下、電源システム200の各構成要素を個別に説明する。
鉛蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。鉛蓄電池110は第1外部配線201を構成する複数のワイヤハーネスの1つの一端とボルトによって機械的および電気的に接続されている。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。エンジン140のクランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両の推進力が得られる。エンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結が解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しないインバータが接続されている。このインバータが第2外部配線202に電気的に接続されている。
インバータは鉛蓄電池110および電池パック100のリチウム蓄電池10のうちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130は力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーはエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧がインバータによって直流電圧に変換される。この直流電圧が、電池パック100、鉛蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際に、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。
電気負荷150は、一般負荷151と、一般負荷151よりも車両走行に関連の高い保護負荷152と、を有する。電気負荷150への電力供給は、鉛蓄電池110およびリチウム蓄電池10の少なくとも一方によって行われる。回転電機130の回生時においては、回転電機130からも電気負荷150に電力供給される。
一般負荷151は、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの車載機器である。これら一般負荷151は、供給電力が一定でなくともよい性質を有する。一般負荷151の要求電力量は車両に搭乗しているユーザーの操作などに応じて変動する。
保護負荷152は、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどである。これら保護負荷152は、供給電力が一定であることが求められる。また保護負荷152は、供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。保護負荷152の要求電力量は車両走行の変化に応じられるように、常に一定量よりも上回っている。
なお、車載機器にはインストルメントパネルの照明機器がある。この照明機器は、供給電力が一定であることを求める性質、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオフ状態になる性質を有しない。しかしながら、ユーザーが車両を操作するためにはインストルメントパネルの表示が必須である。そのためにインストルメントパネルの照明機器は車両走行に関連が高く、保護負荷152に含まれる。同様にして、供給電力の一定要求、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオフ状態になる性質を有さない車載機器であっても、車両走行に関連度の高いものは保護負荷152に含まれる。
また、車載機器にはワイパがある。このワイパは車両走行に関しては間接的に関連がある。そのために一般負荷151と保護負荷152のいずれに属してもよい。さらに言えば、上記したヘッドライトも車両走行に間接的に関連がある。そのためにヘッドライトは一般負荷151ではなく保護負荷152に属しても良い。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼や回転電機130の発電などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御し、MGECU170は回転電機130を制御する。
上位ECU160とMGECU170は、車両走行に関連が非常に高い。そして上位ECU160とMGECU170は、供給電力が一定であることを求める性質、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。したがって各種ECU、および、後述の電池パック100のBMU50それぞれへの電力供給は、鉛蓄電池110およびリチウム蓄電池10の少なくとも一方によって絶えず行われる。
なお図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
次に電池パック100を説明する。図1に示すように電池パック100は二重丸で示す外部接続端子を有している。外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eがある。
第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eそれぞれには、上記の第1ヒューズボックスの接続端子がボルト止めされる。これにより電池パック100は第1外部配線201を介して鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bには、第2ヒューズボックスの接続端子がボルト止めされる。これにより電池パック100は第2外部配線202を介して回転電機130と電気的に接続されている。第3外部接続端子100cは、電池パック100を車両のボディにボルト止めするためのものである。この第3外部接続端子100cに挿入されるボルトが、電池パック100と車両のボディとを接続する機能を果たす。これにより電池パック100はボディアースされている。
なお、図1に示すように、第1外部配線201は、鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続するものと、保護負荷152を接続するものとに分けられている。この鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続する第1外部配線201は第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dそれぞれと接続されている。保護負荷152を接続する第1外部配線201は第5外部接続端子100eと接続されている。
図1に示すように電池パック100は、リチウム蓄電池10、配線基板20、スイッチ30、センサ部40、BMU50、および、バスバー60を有する。配線基板20にスイッチ30とBMU50が搭載され、電気回路が構成されている。この電気回路にリチウム蓄電池10やセンサ部40が電気的に接続されている。この電気回路はバスバー60を介して第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eそれぞれと電気的に接続されている。これにより電池パック100の電気回路は、鉛蓄電池110、スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。また、電気回路は第3外部接続端子100cに挿入されるボルトを介して車両のボディと接続されている。なおセンサ部40の少なくとも一部が電気回路の一部を構成してもよい。
電池パック100は図示しない筐体を有する。この筐体はアルミダイカストによって生成される。この筐体にリチウム蓄電池10、配線基板20、スイッチ30、センサ部40、BMU50、および、バスバー60それぞれが収納される。筐体はリチウム蓄電池10や配線基板20にて生じた熱を放熱する機能も果たす。筐体は車両の座席下方に設けられる。上記の第3外部接続端子100cは筐体に形成された孔に相当する。なお、筐体の開口部は樹脂製のカバーで覆われる。これにより電気回路とリチウム蓄電池10は防水されている。
上記したようにスイッチ30が配線基板20に搭載される例を示した。しかしながらスイッチ30は配線基板20に電気的に接続されるだけでよく、配線基板20に直接搭載されなくともよい。この変形例の場合、例えばスイッチ30は絶縁性のフィルムを介して筐体に搭載される。これによりスイッチ30と筐体とが熱的に接続される。スイッチ30にて生じた熱は配線基板20ではなく筐体に積極的に流れる。これによりスイッチ30の放熱が促される。
リチウム蓄電池10は化学反応によって起電圧を生成する。リチウム蓄電池10は鉛蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。リチウム蓄電池10は鉛蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。リチウム蓄電池10は複数の直列接続された電池セルを有する。リチウム蓄電池10は内部接続端子を介して配線基板20と接続されている。
リチウム蓄電池10と配線基板20とは水平方向に並んでいる。若しくは、リチウム蓄電池10と配線基板20とは天地方向に並んでいる。なお、この水平方向、および、天地方向とは、電源システム200の搭載される車両が水平面に位置している場合におけるリチウム蓄電池10と配線基板20の並びを説明するための方向である。水平方向と天地方向とは互いに直交し、天地方向は鉛直方向に沿っている。
配線基板20は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線21、第2給電線22、第3給電線23、および、第4給電線24が形成されている。
配線基板20にはバスバー60と機械的および電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子25a、第2内部端子25b、第3内部端子25c、第4内部端子25d、および、第5内部端子25eがある。
第1給電線21は第1内部端子25aと第2内部端子25bとを電気的に接続している。第2給電線22は第1給電線21と第3内部端子25cとを電気的に接続している。第3給電線23は第1給電線21と第2給電線22とを電気的に接続している。第4給電線24は第4内部端子25dと第1給電線21とを電気的に接続している。また第4給電線24は第1給電線21と第3給電線23とを電気的に接続するとともに、第3給電線23と第5内部端子25eとを電気的に接続している。
後述するようにバスバー60は、電源バスバー61、電機バスバー62、迂回バスバー63、および、負荷バスバー64を有する。第1内部端子25aは電源バスバー61を介して第1外部接続端子100aと機械的および電気的に接続されている。第2内部端子25bは電機バスバー62を介して第2外部接続端子100bと機械的および電気的に接続されている。第3内部端子25cは内部接続端子を介してリチウム蓄電池10と機械的および電気的に接続されている。第4内部端子25dは迂回バスバー63を介して第4外部接続端子100dと機械的および電気的に接続されている。第5内部端子25eは負荷バスバー64を介して第5外部接続端子100eと機械的および電気的に接続されている。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、第5スイッチ35、および、第6スイッチ36を有する。第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは、具体的にはMOSFETである。第1スイッチ31〜第4スイッチ34はゲート電極に制御信号が入力されることで閉状態になる。逆に第1スイッチ31〜第4スイッチ34は制御信号が入力されなくなると開状態になる。
本実施形態のMOSFETはNチャネル型MOSFETである。したがって上記の制御信号はHiレベルの信号である。制御信号が入力されることでゲート電圧がHiレベルになり、MOSFETが閉状態になる。制御信号が入力されなくなるとゲート電圧がLoレベルになり、MOSFETが開状態になる。なおゲート電圧はゲート電極とソース電極の電位差である。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは、互いにアノード電極同士が連結されている。
第1スイッチ31と第2スイッチ32は複数の開閉部を有し、これらは並列接続されている。複数の開閉部それぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する開閉部の数は、電流量に応じて定めることができる。本実施形態では第3スイッチ33は1つの開閉部を有する。第4スイッチ34は複数の開閉部を有する。そして第4スイッチ34の有する複数の開閉部は直列接続されている。なお、図1では煩雑と成ることを避けるために、第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する開閉部を2つだけ示している。第4スイッチ34の有する開閉部を1つだけ示している。
第1スイッチ31は第1給電線21に設けられる。これにより第1スイッチ31を開閉制御することで、第1内部端子25aと第2内部端子25bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ31を開閉制御することで、第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第1スイッチ31を開閉制御することで、鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
なお、上記したように第1給電線21には、第2給電線22、第3給電線23、および、第4給電線24それぞれが接続されている。第1内部端子25aから第2内部端子25bへと向かって順に、第1給電線21では、第3給電線23との接続点、第4給電線24との接続点、および、第2給電線22との接続点が並んでいる。第1スイッチ31は、第1給電線21における第3給電線23との接続点と第4給電線24との接続点との間に設けられている。
第2スイッチ32は第3給電線23に設けられる。そして上記したように第2給電線22は第1給電線21と接続されている。これにより第2スイッチ32を開閉制御することで、第3内部端子25cと第2内部端子25bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ32を開閉制御することで、リチウム蓄電池10と第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第2スイッチ32を開閉制御することで、リチウム蓄電池10と回転電機130との電気的な接続が制御される。
なお、上記したように第2給電線22には第3給電線23が接続されている。第2スイッチ32は、この第2給電線22における第1給電線21との接続点と第3給電線23との接続点との間に設けられている。
第3スイッチ33と第4スイッチ34それぞれは第3給電線23に設けられる。上記したように第3給電線23は第1給電線21と第2給電線22とを電気的に接続している。第3給電線23には第4給電線24が接続される。第3スイッチ33は、この第3給電線23における第1給電線21との接続点と第4給電線24との接続点との間に設けられている。第4スイッチ34は、第3給電線23における第4給電線24との接続点と第2給電線22との接続点との間に設けられている。
これにより第3スイッチ33を開閉制御することで、第1内部端子25aと第5内部端子25eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ33を開閉制御することで、第1外部接続端子100aと第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第3スイッチ33を開閉制御することで、鉛蓄電池110と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
また、第4スイッチ34を開閉制御することで、第3内部端子25cと第5内部端子25eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ34を開閉制御することで、リチウム蓄電池10と第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第4スイッチ34を開閉制御することで、リチウム蓄電池10と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは制御信号として励磁電流が入力されることで開状態になる。逆に第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは励磁電流が入力されなくなると閉状態になる。
第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは第4給電線24に設けられる。上記したように第4給電線24は第4内部端子25dと第1給電線21とを電気的に接続するとともに、第1給電線21と第3給電線23とを電気的に接続している。第5スイッチ35は、第4給電線24における第4内部端子25dとの接続点と第1給電線21との接続点との間に設けられている。第6スイッチ36は、第4給電線24における第1給電線21との接続点と第3給電線23との接続点との間に設けられている。このように第5スイッチ35は第1スイッチ31と並列接続されている。第6スイッチ36は第3スイッチ33と並列接続されている。なお、これら第5スイッチ35と第6スイッチ36にはバイパスヒューズが直列接続されてもよい。
以上により、第5スイッチ35を開閉制御することで、第4内部端子25dと第2内部端子25bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35を開閉制御することで、第4外部接続端子100dと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第5スイッチ35を開閉制御することで、鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
上記したように第4給電線24は第3給電線23と第5内部端子25eとを電気的に接続している。したがって、第6スイッチ36を開閉制御することで、第5内部端子25eと第2内部端子25bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第6スイッチ36を開閉制御することで、第5外部接続端子100eと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。さらに言いかえれば、第6スイッチ36を開閉制御することで、保護負荷152と回転電機130との電気的な接続が制御される。
センサ部40は、リチウム蓄電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するものである。センサ部40は、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。センサ部40はリチウム蓄電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをリチウム蓄電池10の状態信号としてBMU50に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU50に出力する。上記したように第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは開閉部を有する。開閉部は2つのMOSFETが直列接続されてなる。その2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。センサ部40はこのソース電極の電圧を検出する。センサ部40は検出部に相当する。
BMU50はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。BMU50は制御部に相当する。
BMU50はセンサ部40の状態信号に基づいて、リチウム蓄電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU50はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
BMU50は、電源システム200の駆動状態の際において、上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。すなわちBMU50は、回転電機130の駆動状態、および、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれのSOCに基づいて第1スイッチ31と第2スイッチ32を開閉制御する。より詳しく言えば、電気負荷150の保護負荷152への供給電圧が閾値電圧を下回らないように、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが過充電若しくは過放電とならないように、BMU50はスイッチ30を開閉制御する。このスイッチ制御については後で詳説する。
バスバー60は銅などの導電材料から成る。バスバー60は複数の平板が一体的に連結された構造を有している。各平板の主面が互いに対向して並列している。各平板は主面に直交する側面から複数の接続端子が延びている。この接続端子の先端が配線基板20と接続される。またバスバー60の端部が第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eに接続される。
なおもちろんではあるが、バスバー60としては上記の構造に特に限定されない。例えば、バスバー60の端部が複数に分かれ、その分かれた端部が配線基板20と接続される構成を採用することもできる。またバスバー60の中央部が第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eに接続される構成を採用することもできる。
バスバー60は1枚の平板を屈曲加工することで製造してもよい。またバスバー60は複数の平板を溶接することで製造してもよい。さらに言えばバスバー60は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造してもよい。バスバー60の製造方法としては特に限定されない。なお当然ではあるが、バスバー60は配線基板20の配線パターンよりも耐電流性(通電電流に耐える性能)が高い。
バスバー60は、電源バスバー61、電機バスバー62、迂回バスバー63、および、負荷バスバー64を有する。電源バスバー61は第1内部端子25aと第1外部接続端子100aとを機械的および電気的に接続する。電源バスバー61と第1内部端子25aとはろう接される。電源バスバー61と第1外部接続端子100aとはボルトによって機械的および電気的に接続される。
電機バスバー62は第2内部端子25bと第2外部接続端子100bとを機械的および電気的に接続する。電機バスバー62と第2内部端子25bとはろう接される。電機バスバー62と第2外部接続端子100bとはボルトによって機械的および電気的に接続される。
迂回バスバー63は第4内部端子25dと第4外部接続端子100dとを機械的および電気的に接続する。迂回バスバー63と第4内部端子25dとはろう接される。迂回バスバー63と第4外部接続端子100dとはボルトによって機械的および電気的に接続される。なお迂回バスバー63と第4外部接続端子100dとは、例えばコネクタによって機械的および電気的に接続される構成を採用することもできる。
負荷バスバー64は第5内部端子25eと第5外部接続端子100eとを機械的および電気的に接続する。負荷バスバー64と第5内部端子25eとはろう接される。負荷バスバー64と第5外部接続端子100eとはボルトによって機械的および電気的に接続される。なお負荷バスバー64と第5外部接続端子100eとは、例えばコネクタによって機械的および電気的に接続される構成を採用することもできる。
次に、電源システム200における電池パック100の代表的なスイッチ制御を図2に基づいて説明する。この図2では閉状態をON、開状態をOFFとして記載している。
なお、スイッチ制御は鉛蓄電池110やリチウム蓄電池10のSOC、および、車両要求によって適宜変更される。したがって、この図2に示すスイッチ制御はあくまで一例に過ぎず、これに限定されるわけではない。
スタータモータ120による車両の始動時においてBMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を閉状態、第4スイッチ34を開状態、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれを開状態に制御する。イグニッションスイッチがオンになると、BMU50はこのスイッチ制御を実施する。このスイッチ制御により、鉛蓄電池110は回転電機130と保護負荷152それぞれと電気的に接続される。リチウム蓄電池10の電気的な接続が遮断され、リチウム蓄電池10の放電が抑制される。この接続状態において、鉛蓄電池110からスタータモータ120に電力供給される。これによりスタータモータ120によってエンジン140はクランキングされる。
回転電機130による車両の再始動時においてBMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を開状態、第4スイッチ34を閉状態、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれを開状態に制御する。これにより、鉛蓄電池110は保護負荷152と非接続になり、回転電機130と電気的に接続される。リチウム蓄電池10は回転電機130と非接続になり、保護負荷152と電気的に接続される。回転電機130と保護負荷152それぞれの電力供給源が独立し、鉛蓄電池110から回転電機130に電力供給される。これにより回転電機130への電力供給によって保護負荷152への電力供給量が低下することが抑制される。また回転電機130によってエンジン140はクランキングされる。
エンジン140が始動した後、BMU50は車両状態に応じて以下に示すスイッチ制御を実行する。エンジン140の駆動状態では、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは開状態に制御される。したがって以下においてはその説明を省略する。
回転電機130の非駆動時において、鉛蓄電池110によって保護負荷152に電力供給する場合、BMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を閉状態、第4スイッチ34を開状態に制御する。これにより、鉛蓄電池110は回転電機130と保護負荷152それぞれと電気的に接続される。鉛蓄電池110から保護負荷152に電力供給される。リチウム蓄電池10は放電が抑制される。
回転電機130の非駆動時において、リチウム蓄電池10によって保護負荷152に電力供給する場合、BMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を開状態、第4スイッチ34を閉状態に制御する。これにより回転電機130と保護負荷152それぞれの電力供給源が独立し、リチウム蓄電池10から保護負荷152に電力供給される。
回転電機130が力行状態の場合、BMU50は、第1スイッチ31を開状態、第2スイッチ32を閉状態、第3スイッチ33を閉状態、第4スイッチ34を開状態に制御する。これにより回転電機130と保護負荷152それぞれの電力供給源が独立し、リチウム蓄電池10から回転電機130への電力供給によって保護負荷152への電力供給量が低下することが抑制される。
回転電機130が発電状態であり、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが充電要求の場合、BMU50は、第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれを閉状態にする。これにより、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが回転電機130と電気的に接続される。回転電機130にて生じた回生電力が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれに供給される。またBMU50は、第3スイッチ33と第4スイッチ34の一方を閉状態、他方を開状態に制御する。これにより、鉛蓄電池110若しくはリチウム蓄電池10と保護負荷152とが電気的に接続される。保護負荷152は回転電機130とも電気的に接続される。回転電機130にて生じた回生電力が保護負荷152に供給される。なお、図2には図示していないが、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の一方が充電要求ではない場合、それと回転電機130との電気的な接続は行わない。これにより過充電が抑制される。
駐停車時においてBMU50はスイッチ30への制御信号の出力を停止する。このため、第1スイッチ31〜第4スイッチ34は開状態になる。これとは反対に、第5スイッチ35と第6スイッチ36は閉状態になる。この結果、図3において破線矢印で示すように、第5スイッチ35と第6スイッチ36を介して鉛蓄電池110から保護負荷152に電力供給される。
次に、第4スイッチ34を詳説する。例えば駐停車時において第4スイッチ34に閉故障が生じると、図4にて破線矢印で示すように、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10とが電気的に接続される。図4にて一点鎖線矢印にて太さを細くして示すように、保護負荷152に供給される電力量が減少する。鉛蓄電池110がリチウム蓄電池10よりも出力電圧が高い場合、鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと電流が流れる。鉛蓄電池110の放電が促進され、リチウム蓄電池10は充電される。この充放電は車両の駐停車時に起きる。このために鉛蓄電池110の過放電、リチウム蓄電池10の過充電が起きる虞がある。
これに対応するため、上記したように第4スイッチ34は複数の開閉部を有し、これら複数の開閉部は直列接続されている。図5に、第4スイッチ34のより詳しい形態を示す。第4スイッチ34は、第1開閉部341と第2開閉部342を有する。鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと向かって順に、第1開閉部341と第2開閉部342が直列接続されている。第4スイッチ34は接続部に相当する。鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10が第1電源と第2電源に相当する。
第1開閉部341はNチャネル型MOSFETである第1小スイッチ34aと第2小スイッチ34bを有する。第1小スイッチ34aと第2小スイッチ34bそれぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。このソース電極はグランドに接続されている。第1小スイッチ34aのドレイン電極は鉛蓄電池110側に位置している。第2小スイッチ34bのドレイン電極はリチウム蓄電池10側(第2開閉部342側)に位置している。
第1小スイッチ34aには第1ダイオード37aが並列接続されている。第2小スイッチ34bには第2ダイオード37bが並列接続されている。第1ダイオード37aは第1小スイッチ34aの寄生ダイオードである。第2ダイオード37bは第2小スイッチ34bの寄生ダイオードである。これら第1ダイオード37aと第2ダイオード37bそれぞれのアノード電極同士が連結されている。第1ダイオード37aのカソード電極は鉛蓄電池110側に位置している。第2ダイオード37bのカソード電極はリチウム蓄電池10側(第2開閉部342側)に位置している。
第2開閉部342はNチャネル型MOSFETである第3小スイッチ34cと第4小スイッチ34dを有する。第3小スイッチ34cと第4小スイッチ34dそれぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。このソース電極はグランドに接続されている。第3小スイッチ34cのドレイン電極は鉛蓄電池110側(第2小スイッチ34b側)に位置している。第4小スイッチ34dのドレイン電極はリチウム蓄電池10側に位置している。
第3小スイッチ34cには第3ダイオード37cが並列接続されている。第4小スイッチ34dには第4ダイオード37dが並列接続されている。第3ダイオード37cは第3小スイッチ34cの寄生ダイオードである。第4ダイオード37dは第4小スイッチ34dの寄生ダイオードである。これら第3ダイオード37cと第4ダイオード37dそれぞれのアノード電極同士が連結されている。第3ダイオード37cのカソード電極は鉛蓄電池110側(第2小スイッチ34b側)に位置している。第4ダイオード37dのカソード電極はリチウム蓄電池10側に位置している。
第1小スイッチ34a、第2小スイッチ34b、第3小スイッチ34c、および、第4小スイッチ34dは、鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと向かって順に直列接続されている。これら第1小スイッチ34a〜第4小スイッチ34dそれぞれの制御電極(ゲート電極)は、BMU50と電気的に接続されている。第1小スイッチ34a、第2小スイッチ34b、第3小スイッチ34c、および、第4小スイッチ34dがスイッチに相当する。
第1小スイッチ34aの制御電極は第1制御配線52aを介してBMU50と接続されている。この第1制御配線52aに第1IC回路51aが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第1IC回路51aを介して第1小スイッチ34aの制御電極に入力される。これにより第1小スイッチ34aの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
第2小スイッチ34bの制御電極は第2制御配線52bを介してBMU50と接続されている。この第2制御配線52bに第2IC回路51bが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第2IC回路51bを介して第2小スイッチ34bの制御電極に入力される。これにより第2小スイッチ34bの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
第3小スイッチ34cの制御電極は第3制御配線52cを介してBMU50と接続されている。この第3制御配線52cに第3IC回路51cが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第3IC回路51cを介して第3小スイッチ34cの制御電極に入力される。これにより第3小スイッチ34cの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
第4小スイッチ34dの制御電極は第4制御配線52dを介してBMU50と接続されている。この第4制御配線52dに第4IC回路51dが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第4IC回路51dを介して第4小スイッチ34dの制御電極に入力される。これにより第4小スイッチ34dの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
なお、上記の第1IC回路51a〜第4IC回路51dとしては、例えばボルテージホロアー回路を採用することができる。
第1小スイッチ34aと第2小スイッチ34bの中点電位は、第1開閉部341の検出電圧としてセンサ部40によって検出される。この検出電圧(第1検出電圧V1)はBMU50に入力される。同様にして、第3小スイッチ34cと第4小スイッチ34dの中点電位は、第2開閉部342の検出電圧としてセンサ部40によって検出される。この検出電圧(第2検出電圧V2)はBMU50に入力される。
以下、第4スイッチ34の故障判定を図6〜図9に基づいて説明する。BMU50は、この第4スイッチ34の故障判定を、スタータモータ120によってエンジン140が始動された後に実施する。この際に第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは開状態になる。この故障判定においてBMU50は第1スイッチ31と第3スイッチ33それぞれを閉状態にする。これにより鉛蓄電池110と第4スイッチ34とが第3スイッチ33を介して電気的に接続される。この際、保護負荷152の要求によって鉛蓄電池110から保護負荷152に流れる電流量が変動する。しかしながら第4スイッチ34に印加される鉛蓄電池110の電圧は変動しない。したがって第3スイッチ33と保護負荷152それぞれは第4スイッチ34の故障判定において特にかかわらない。そのため、図6〜図9においてはこれらの図示を省略している。また、図1や図4に示すように、第4スイッチ34を介して鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10とを電気的に接続する配線は種々ある。しかしながら故障判定においては特にかかわりがないので、その符号の記載を省略している。
図6〜図9においては、開状態にする制御信号をOFF、閉状態にする制御信号をONと示している。また開状態と閉状態に切り換える制御信号をON/OFFと示している。そして開状態と閉状態のいずれかにする制御信号をON or OFFと示している。上記したように第1小スイッチ34a〜第4小スイッチ34dはNチャネル型MOSFETである。したがって開状態にする制御信号はLoレベル、閉状態にする制御信号はHiレベルに相当する。図6〜図9では、小スイッチの制御状態を示したほうが簡明なので、Lo,Hiに代わってOFF,ONを用いている。
BMU50は第1小スイッチ34a〜第4小スイッチ34dそれぞれを検査対象スイッチとして選択し、その開故障と閉故障を個別に実施する。この検査対象スイッチに並列接続されたダイオードのカソード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の一方側にあり、アノード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の他方側にある場合、BMU50は下記のスイッチ制御を実施する。すなわちBMU50は、検査対象スイッチに並列接続されたダイオードのカソード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の一方と導通し、アノード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の他方と非導通となるようにスイッチ制御する。またそれとともにBMU50は、検査対象スイッチを開閉制御する。BMU50はその際の検出電圧に基づいて検査対象スイッチの開故障と閉故障の判定を行う。
図6に基づいて、第1小スイッチ34aの故障判定を説明する。BMU50は、検査対象である第1小スイッチ34aを除く他の小スイッチを、第1ダイオード37aのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通となるように制御する。これを実現するためには、少なくとも第2小スイッチ34bと第4小スイッチ34dの一方を開状態にすればよい。これに対して第3小スイッチ34cの開状態と閉状態は不定でかまわない。第3小スイッチ34cに並列接続された第3ダイオード37cのアノード電極はリチウム蓄電池10側に位置している。そのため、第3小スイッチ34cをいかように開閉制御しようと、この第3ダイオード37cを介してリチウム蓄電池10から第1小スイッチ34a側へと電流が流れようとするためである。
本実施形態では、BMU50は、単純に、第2小スイッチ34b〜第4小スイッチ34dの全てを開状態にしている。これにより、検査対象となっている第1小スイッチ34aに並列接続された第1ダイオード37aのカソード電極が鉛蓄電池110と導通し、アノード電極がリチウム蓄電池10と非導通となる。
この際にBMU50は第1小スイッチ34aを開閉制御する。第1小スイッチ34aが正常状態であれば、第1小スイッチ34aを閉状態に制御している際に検出される第1検出電圧V1は、電圧降下を無視すると、鉛蓄電池110の出力電圧相当になる。すなわち第1検出電圧V1はグランド電位よりも高い有限値になる。しかしながら第1小スイッチ34aが開故障している場合、第1検出電圧V1は0Vになる。
また、第1小スイッチ34aが正常状態であれば、第1小スイッチ34aを開状態に制御している際に検出される第1検出電圧V1は、0Vになる。しかしながら第1小スイッチ34aが閉故障している場合、電圧降下を無視すると、第1検出電圧V1は鉛蓄電池110の出力電圧相当になる。
図7に基づいて、第2小スイッチ34bの故障判定を説明する。BMU50は、検査対象である第2小スイッチ34bを除く他の小スイッチを、第2ダイオード37bのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通となるように制御する。これを実現するためには、第1小スイッチ34aを開状態にし、第4小スイッチ34dを閉状態にすればよい。第3小スイッチ34cの開閉状態は不定でかまわない。上記したように第3小スイッチ34cをいかように開閉制御しようと、第3小スイッチ34cに並列接続された第3ダイオード37cを介してリチウム蓄電池10から第2小スイッチ34b側へと電流が流れようとするためである。
本実施形態では、BMU50は、単純に、第2小スイッチ34bに並列接続された第2ダイオード37bのカソード電極側の全てのスイッチを閉状態にしている。すなわちBMU50は第3小スイッチ34cと第4小スイッチ34dを閉状態にしている。またBMU50は第2ダイオード37bのアノード電極側の全てのスイッチを開状態にしている。すなわちBMU50は第1小スイッチ34aを開状態にしている。これにより、検査対象となっている第2小スイッチ34bに並列接続された第2ダイオード37bのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になり、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通する。
この際にBMU50は第2小スイッチ34bを開閉制御する。第2小スイッチ34bが正常状態であれば、第2小スイッチ34bを閉状態に制御している際に検出される第1検出電圧V1は、電圧降下を無視すると、リチウム蓄電池10の出力電圧相当になる。すなわち第1検出電圧V1はグランド電位よりも高い有限値になる。しかしながら第2小スイッチ34bが開故障している場合、第1検出電圧V1は0Vになる。
また、第2小スイッチ34bが正常状態であれば、第2小スイッチ34bを開状態に制御している際に検出される第1検出電圧V1は、0Vになる。しかしながら第2小スイッチ34bが閉故障している場合、電圧降下を無視すると、第1検出電圧V1はリチウム蓄電池10の出力電圧相当になる。
図8に基づいて、第3小スイッチ34cの故障判定を説明する。BMU50は、検査対象である第3小スイッチ34cを除く他の小スイッチを、第3ダイオード37cのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通,カソード電極が鉛蓄電池110と導通となるように制御する。これを実現するためには、第1小スイッチ34aを閉状態にし、第4小スイッチ34dを開状態にすればよい。第2小スイッチ34bの開状態と閉状態は不定でかまわない。第2小スイッチ34bに並列接続された第2ダイオード37bのアノード電極は鉛蓄電池110側に位置している。したがって第2小スイッチ34bをいかように開閉制御しようと、この第2ダイオード37bを介して鉛蓄電池110から第3小スイッチ34c側へと電流が流れようとするためである。
本実施形態では、BMU50は、単純に、第3小スイッチ34cに並列接続された第3ダイオード37cのカソード電極側の全てのスイッチを閉状態にしている。すなわちBMU50は第1小スイッチ34aと第2小スイッチ34bを閉状態にしている。またBMU50は第3ダイオード37cのアノード電極側の全てのスイッチを開状態にしている。すなわちBMU50は第4小スイッチ34dを開状態にしている。これにより、検査対象となっている第3小スイッチ34cに並列接続された第3ダイオード37cのカソード電極が鉛蓄電池110と導通し、アノード電極がリチウム蓄電池10と非導通となる。
この際にBMU50は第3小スイッチ34cを開閉制御する。第3小スイッチ34cが正常状態であれば、第3小スイッチ34cを閉状態に制御している際に検出される第2検出電圧V2は、電圧降下を無視すると、鉛蓄電池110の出力電圧相当になる。すなわち第2検出電圧V2はグランド電位よりも高い有限値になる。しかしながら第3小スイッチ34cが開故障している場合、第2検出電圧V2は0Vになる。
また、第3小スイッチ34cが正常状態であれば、第3小スイッチ34cを開状態に制御している際に検出される第2検出電圧V2は、0Vになる。しかしながら第3小スイッチ34cが閉故障している場合、電圧降下を無視すると、第2検出電圧V2は鉛蓄電池110の出力電圧相当になる。
図9に基づいて、第4小スイッチ34dの故障判定を説明する。BMU50は、検査対象である第4小スイッチ34dを除く他の小スイッチを、第4ダイオード37dのアノード電極が鉛蓄電池110と導通となるように制御する。これを実現するためには、第1小スイッチ34aと第3小スイッチ34cの少なくとも一方を開状態にすればよい。第2小スイッチ34bの開状態と閉状態は不定でかまわない。上記したように第2小スイッチ34bをいかように開閉制御しようと、第2小スイッチ34bに並列接続された第2ダイオード37bを介して鉛蓄電池110から第4小スイッチ34d側へと電流が流れようとするためである。
本実施形態では、BMU50は、単純に、第1小スイッチ34a〜第3小スイッチ34cの全てを開状態にしている。これにより、検査対象となっている第4小スイッチ34dに並列接続された第4ダイオード37dのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になり、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通する。
この際にBMU50は第4小スイッチ34dを開閉制御する。第4小スイッチ34dが正常状態であれば、第4小スイッチ34dを閉状態に制御している際に検出される第2検出電圧V2は、電圧降下を無視すると、リチウム蓄電池10の出力電圧相当になる。すなわち第2検出電圧V2はグランド電位よりも高い有限値になる。しかしながら第4小スイッチ34dが開故障している場合、第2検出電圧V2は0Vである。
また、第4小スイッチ34dが正常状態であれば、第4小スイッチ34dを開状態に制御している際に検出される第2検出電圧V2は、0Vになる。しかしながら第4小スイッチ34dが閉故障している場合、電圧降下を無視すると、第2検出電圧V2はリチウム蓄電池10の出力電圧相当になる。
以上に示したように、本実施形態にかかる電池パック100であれば、第4スイッチ34を構成する直列接続された複数の小スイッチそれぞれの開故障と閉故障を個別に検出することができる。したがって、駐停車時において鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の導通が起きやすいか否かを判定することができる。換言すれば、駐停車時において鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の過放電と過充電が起き易いか否かを判定することができる。
また、第4スイッチ34を構成する直列接続された複数の開閉部の有する2つの小スイッチの中点電圧を検出することで、小スイッチそれぞれの開故障と閉故障を個別に検出することができる。したがって、小スイッチそれぞれの両端電圧を検出することで、小スイッチそれぞれの開故障と閉故障を個別に検出する構成と比べて、センサ部40の構成を簡素化することができる。またBMU50に入力される状態信号の数が低減される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図10〜図14に基づいて説明する。第2実施形態にかかる電池パックは上記した実施形態によるものと共通点が多い。そのため以下においては共通部分の説明を省略し、異なる部分を重点的に説明する。また以下においては上記した実施形態で示した要素と同一の要素には同一の符号を付与する。
第1実施形態では、図5に示すように、第1小スイッチ34a〜第4小スイッチ34dそれぞれが独立した第1制御配線52a〜第4制御配線52dを介してBMU50と電気的に接続される例を示した。これに対して本実施形態では、第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cの制御配線を1つにまとめている。すなわち、図10に示すように第3制御配線52cと第3IC回路51cを省略して、第2制御配線52bと第2IC回路51bを第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cそれぞれの制御電極に接続している。
第1実施形態で詳説したが、図6〜図9においてON or OFFで示すように、第1小スイッチ34a〜第4小スイッチ34dの開故障と閉故障の検出の際において、第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cの一方は開閉状態が不定でもかまわない。そのため、図10に示すように、第2制御配線52bと第2IC回路51bを第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cそれぞれの制御電極に接続してもよい。以下、その理由を図11〜図14に基づいて簡単に説明する。
第1小スイッチ34aの故障判定を行う場合、図11に示すように、BMU50は第2制御配線52b、および、第4制御配線52dの少なくとも一方をLoレベルにする。これによって第2小スイッチ34b、および、第4小スイッチ34dの少なくとも一方が開状態になり、第1ダイオード37aのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になる。
第2小スイッチ34bの故障判定を行う場合、図12に示すように、BMU50は第1制御配線52aをLoレベル、第4制御配線52dをHiレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aが開状態、第4小スイッチ34dが閉状態になる。この結果、第3小スイッチ34cの開状態と閉状態にかかわらずに、第2ダイオード37bのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になり、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通になる。
第3小スイッチ34cの故障判定を行う場合、図13に示すように、BMU50は第1制御配線52aをHiレベル、第4制御配線52dをLoレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aが閉状態、第4小スイッチ34dが開状態になる。この結果、第2小スイッチ34bの開状態と閉状態にかかわらずに、第3ダイオード37cのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になり、カソード電極が鉛蓄電池110と導通になる。
第4小スイッチ34dの故障判定を行う場合、図14に示すように、BMU50は第1制御配線52a、および、第3制御配線52cの少なくとも一方をLoレベルにする。これによって第1小スイッチ34a、および、第3小スイッチ34cの少なくとも一方が開状態になり、第4ダイオード37dのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になる。
以上に示したように、本実施形態にかかる電池パック100であっても、検査対象となっている小スイッチに並列接続されたダイオードのカソード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の一方と導通になる。またそのダイオードのアノード電極が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の他方と非導通となる。そのために第4スイッチ34を構成する直列接続された任意の小スイッチの開故障と閉故障を個別に検出することができる。
また上記したように、第3制御配線52cと第3IC回路51cを省略することでができる。第2制御配線52bと第2IC回路51bを、第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cそれぞれの共通配線と共通IC回路として用いることができる。そのため、電池パック100の回路構成が簡素化される。スイッチ制御が簡素化される。部品点数が削減される。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図15〜図21に基づいて説明する。第3実施形態にかかる電池パックは上記した実施形態によるものと共通点が多い。そのため以下においては共通部分の説明を省略し、異なる部分を重点的に説明する。また以下においては上記した実施形態で示した要素と同一の要素には同一の符号を付与する。
第1実施形態では第4スイッチ34が2つの開閉部を有する例を示した。しかしながら第4スイッチ34の有する開閉部の数としては上記例に限定されない。例えば図15に示すように第4スイッチ34は3つの開閉部を有してもよい。
第4スイッチ34は、第1開閉部341、第2開閉部342、および、第3開閉部343を有する。鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと向かって順に、第1開閉部341、第2開閉部342、および、第3開閉部343が直列接続されている。
第3開閉部343はNチャネル型MOSFETである第5小スイッチ34eと第6小スイッチ34fを有する。第5小スイッチ34eと第6小スイッチ34fそれぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。このソース電極はグランドに接続されている。第5小スイッチ34eのドレイン電極は鉛蓄電池110側(第4小スイッチ34d側)に位置している。第6小スイッチ34fのドレイン電極はリチウム蓄電池10側に位置している。
第5小スイッチ34eには第5ダイオード37eが並列接続されている。第6小スイッチ34fには第6ダイオード37fが並列接続されている。第5ダイオード37eは第5小スイッチ34eの寄生ダイオードである。第6ダイオード37fは第6小スイッチ34fの寄生ダイオードである。これら第5ダイオード37eと第6ダイオード37fそれぞれのアノード電極同士が連結されている。第5ダイオード37eのカソード電極は鉛蓄電池110側(第4小スイッチ34d側)に位置している。第6ダイオード37fのカソード電極はリチウム蓄電池10側に位置している。
第1小スイッチ34a、第2小スイッチ34b、第3小スイッチ34c、第4小スイッチ34d、第5小スイッチ34e、および、第6小スイッチ34fは、鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと向かって順に直列接続されている。
第5小スイッチ34eの制御電極は第5制御配線52eを介してBMU50と接続されている。この第5制御配線52eに第5IC回路51eが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第5IC回路51eを介して第5小スイッチ34eの制御電極に入力される。これにより第5小スイッチ34eの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
第6小スイッチ34fの制御電極は第6制御配線52fを介してBMU50と接続されている。この第6制御配線52fに第6IC回路51fが設けられている。したがってBMU50から出力された制御信号は、第6IC回路51fを介して第6小スイッチ34fの制御電極に入力される。これにより第6小スイッチ34fの開状態と閉状態の切り換えが制御される。
第5小スイッチ34eと第6小スイッチ34fの中点電位は、第3開閉部343の検出電圧としてセンサ部40によって検出される。この検出電圧(第3検出電圧V3)はBMU50に入力される。
以下、第4スイッチ34の故障判定を説明する。本実施形態においても、第1実施形態で詳説した小スイッチの開故障と閉故障の判定と同様である。
第1小スイッチ34aの故障判定を行う場合、図16に示すように、BMU50は第2制御配線52b、第4制御配線52d、および、第6制御配線52fの少なくとも1つをLoレベルにする。これによって第2小スイッチ34b、第4小スイッチ34d、および、第6小スイッチ34fの少なくとも1つが開状態になり、第1ダイオード37aのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になる。
第2小スイッチ34bの故障判定を行う場合、図17に示すように、BMU50は第1制御配線52aをLoレベルにする。そしてBMU50は第4制御配線52dと第6制御配線52fをHiレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aが開状態になり、第4小スイッチ34dと第6小スイッチ34fが閉状態になる。この結果、第3小スイッチ34cと第4小スイッチ34dの開状態と閉状態にかかわらずに、第2ダイオード37bのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になり、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通になる。
第3小スイッチ34cの故障判定を行う場合、図18に示すように、BMU50は第1制御配線52aをHiレベルにする。そしてBMU50は第4制御配線52d、および、第6制御配線52fの少なくとも一方をLoレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aが閉状態になり、第4小スイッチ34dと第6小スイッチ34fの少なくとも一方が開状態になる。この結果、第2小スイッチ34bと第5小スイッチ34eの開状態と閉状態にかかわらずに、第3ダイオード37cのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になり、カソード電極が鉛蓄電池110と導通になる。
第4小スイッチ34dの故障判定を行う場合、図19に示すように、BMU50は第1制御配線52a、および、第3制御配線52cの少なくとも一方をLoレベルにする。そしてBMU50は第6制御配線52fをHiレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aと第3小スイッチ34cの少なくとも一方が開状態になり、第6小スイッチ34fが閉状態になる。この結果、第2小スイッチ34bと第5小スイッチ34eの開状態と閉状態にかかわらずに、第4ダイオード37dのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になる。
第5小スイッチ34eの故障判定を行う場合、図20に示すように、BMU50は第1制御配線52aと第3制御配線52cをHiレベルにする。そしてBMU50は第6制御配線52fをLoレベルにする。これにより、第1小スイッチ34aと第3小スイッチ34cが閉状態になり、第6小スイッチ34fが開状態になる。この結果、第2小スイッチ34bと第4小スイッチ34dの開状態と閉状態にかかわらずに、第5ダイオード37eのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になり、カソード電極が鉛蓄電池110と導通になる。
第6小スイッチ34fの故障判定を行う場合、図21に示すように、BMU50は第1制御配線52a、第3制御配線52c、および、第5制御配線52eの少なくとも1つをLoレベルにする。これによって第1小スイッチ34a、第3小スイッチ34c、および、第5小スイッチ34eの少なくとも1つが開状態になり、第6ダイオード37fのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になる。
以上により、本実施形態にかかる電池パック100であっても、第1実施形態で示した電池パック100と同等の作用効果を奏することができる。
なお、図22に示すように、第1実施形態と第2実施形態とを合わせた構成を採用することもできる。この変形例の場合、第3制御配線52cと第3IC回路51c、および、第5制御配線52eと第5IC回路51eを省略することでができる。第2実施形態と同様にして、第2制御配線52bと第2IC回路51bを、第2小スイッチ34bと第3小スイッチ34cそれぞれの共通配線と共通IC回路として用いることができる。第4制御配線52dと第4IC回路51dを、第4小スイッチ34dと第5小スイッチ34eそれぞれの共通配線と共通IC回路として用いることができる。以上により、第2実施形態の電池パック100と同様にして、電池パック100の回路構成が簡素化される。スイッチ制御が簡素化され、部品点数が削減される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
第1実施形態では第4スイッチ34が2つの開閉部を有し、第3実施形態では第4スイッチ34が3つの開閉部を有する例を示した。同様にして、Nを2以上の自然数とすると、図23および図24に示すように、第4スイッチ34がN個の開閉部を有する構成を採用することができる。
kを1以上N以下の自然数とし、鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10へと向かうにしたがって番号が増えるとすると、第k番目の開閉部は、第k開閉部と表すことができる。そして第k開閉部の有する2つの小スイッチの内の鉛蓄電池110側を第2k−1小スイッチ、リチウム蓄電池10側を第2k小スイッチと番号付けすることができる。図23および図24に記載の符号は、上記した開閉部とスイッチの番号付けに対応している。
この構成においても、各実施形態と同様にして、任意の第2k−1小スイッチと第2k小スイッチそれぞれの開故障と閉故障を検出することができる。
第2k−1小スイッチの開故障と閉故障を判定する場合、図23に示すようにBMU50は第2k−1小スイッチを開閉制御する。またa,bを自然数とすると、BMU50は、a<kを満たす全ての第2(k−a)−1小スイッチを閉状態、b≦N−k+1を満たす少なくとも1つの第2(k+b−1)小スイッチを開状態に制御する。
BMU50は、第2k−1小スイッチが開状態の際に、第k開閉部の検出電圧(第k検出電圧Vk)がゼロである場合、第2k−1小スイッチは閉故障していないと判定する。またBMU50は、第k検出電圧Vkが有限である場合、第2k−1小スイッチは閉故障していると判定する。
BMU50は、第2k−1小スイッチが閉状態の際に、第k検出電圧が有限である場合、第2k−1小スイッチは開故障していないと判定する。そしてBMU50は、第k検出電圧がゼロである場合、第2k−1小スイッチは開故障していると判定する。なお、ここで記載した有限とは、鉛蓄電池110の出力電圧から電圧降下分を差し引いた値であり、0Vよりも高い電圧である。
第2k小スイッチの開故障と閉故障を判定する場合、図24に示すようにBMU50は第2k小スイッチを開閉制御する。またc、dを自然数とすると、BMU50は、c≦N−kを満たす全ての第2(k+c)小スイッチを閉状態、d<k+1を満たす少なくとも1つの第2(k−d+1)−1小スイッチを開状態にする。
BMU50は、第2k小スイッチが開状態の際に、第k検出電圧Vkがゼロである場合、第2k小スイッチは閉故障していないと判定する。またBMU50は、第k検出電圧Vkが有限である場合、第2k小スイッチは閉故障していると判定する。
BMU50は、第2k小スイッチが閉状態の際に、第k検出電圧が有限である場合、第2k小スイッチは開故障していないと判定する。そしてBMU50は、第k検出電圧がゼロである場合、第2k小スイッチは開故障していると判定する。なお、ここで記載した有限とは、リチウム蓄電池10の出力電圧から電圧降下分を差し引いた値であり、0Vよりも高い電圧である。
(第2の変形例)
第2実施形態では第4スイッチ34が2つの開閉部を有する例を示した。同様にして、Nを2以上の自然数とすると、図25および図26に示すように、第4スイッチ34がN個の開閉部を有する構成を採用することができる。この変形例では、Mを1以上(N−1)以下の自然数であるとすると、第2M小スイッチと第2M+1小スイッチが共通の制御配線を介してBMU50に接続されている。この構成においても、任意の第2k−1小スイッチと第2k小スイッチそれぞれの開故障と閉故障を検出することができる。
第2k−1小スイッチの開故障と閉故障を判定する場合、図25に示すようにBMU50は第2k−1小スイッチを開閉制御する。またBMU50は、kが2以上の場合、第2k−2小スイッチよりも番号の若い全ての小スイッチを閉状態、番号の古い全ての小スイッチを開状態に制御する。これにより、第2k−1小スイッチに並列接続されたダイオードのアノード電極がリチウム蓄電池10と非導通になり、カソード電極が鉛蓄電池110と導通になる。なお、kが1の場合、BMU50は第1小スイッチよりも番号の古い全ての小スイッチを開状態に制御する。
第2k小スイッチの開故障と閉故障を判定する場合、図26に示すようにBMU50は第2k小スイッチを開閉制御する。またBMU50は、第2k小スイッチよりも番号の若い全ての小スイッチを開状態、第2k小スイッチよりも番号の古い全ての小スイッチを閉状態に制御する。これにより、第2k小スイッチに並列接続されたダイオードのアノード電極が鉛蓄電池110と非導通になり、カソード電極がリチウム蓄電池10と導通になる。
したがって、この変形例においても、第4スイッチ34を構成する直列接続された任意の小スイッチの開故障と閉故障を検出することができる。
(第3の変形例)
第3給電線23に第3スイッチ33と第4スイッチ34が設けられる例を示した。しかしながら図27に示すように、第4スイッチ34の両端に新たなスイッチを設けてもよい。図27では、第4スイッチ34の鉛蓄電池110側に1つの第1端側スイッチ38が設けられている。この第1端側スイッチ38はNチャネル型MOSFETであり、その寄生ダイオードのアノード電極は鉛蓄電池110側である。カソード電極は第4スイッチ34側である。第4スイッチ34のリチウム蓄電池10側にも1つの第2端側スイッチ39が設けられている。この第2端側スイッチ39はNチャネル型MOSFETであり、その寄生ダイオードのアノード電極はリチウム蓄電池10側である。カソード電極は第4スイッチ34側である。
(第4の変形例)
本実施形態では電池パック100に鉛蓄電池110が接続され、電池パック100がリチウム蓄電池10を有する例を示した。しかしながら電池パック100に対する鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の包含関係は上記例に限定されない。電池パック100は鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の少なくとも一方を有する構成を採用することができる。若しくは、電池パック100が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれを有さない構成を採用することもできる。この場合、電池パック100に鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが電気的に接続される。
(第5の変形例)
本実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。
(第6の変形例)
センサ部40は、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する例を示した。しかしながらセンサ部40は他のセンサを有してもよい。例えばセンサ部40は電池パック100の水没を検出するための水没センサを有してもよい。この水没センサは対向電極によって構成されるコンデンサを有する。対向電極間に水があると、コンデンサの誘電率(静電容量)が変化する。BMU50はこの水没センサの静電容量の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。なお水没センサは配線基板20よりも筐体の底部側に設けられる。
(第7の変形例)
本実施形態では第1スイッチ31〜第4スイッチ34は半導体スイッチである例を示した。しかしながら閉から開、開から閉へのスイッチの状態切換の速さが、図2の図表に示すスイッチ制御を車両状態の切り換えなどに対応できるのであれば、第1スイッチ31〜第4スイッチ34としては例えばメカニカルリレーを用いてもよい。
本実施形態では第1スイッチ31〜第4スイッチ34がMOSFETである例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第4スイッチ34として半導体スイッチで構成する場合、上記例に限定されない。例えば半導体スイッチとしてはIGBTを採用することもできる。
なお、開閉部をIGBTで構成する場合、これら2つのIGBTそれぞれにダイオードが並列接続されるとよい。この場合、2つのダイオードのアノード電極同士が互いに接続されているとよい。
本実施形態では第1スイッチ31〜第4スイッチ34がNチャネル型MOSFETである例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第4スイッチ34としてはPチャネル型MOSFETを採用することもできる。
(第8の変形例)
第1スイッチ31〜第3スイッチ33については、以下の変形例を採用することができる。
本実施形態では第1スイッチ31〜第3スイッチ33が2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第3スイッチ33としては上記例に限定されない。例えば第1スイッチ31〜第3スイッチ33は1つのMOSFETを有してもよい。若しくは、第1スイッチ31〜第3スイッチ33は複数の並列接続されたMOSFETを有してもよい。
本実施形態では開閉部が2つのMOSFETのソース電極同士が連結されてなる例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第3スイッチ33を構成する開閉部は2つのMOSFETのドレイン電極同士が連結されてなってもよい。
本実施形態では開閉部の有する2つのMOSFETのゲート電極が電気的に独立している例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第3スイッチ33を構成する開閉部の2つのMOSFETのゲート電極が同電位の構成を採用することもできる。
本実施形態では開閉部の有する2つのMOSFETの寄生ダイオードのアノード電極同士が互いに連結されている例を示した。しかしながら第1スイッチ31〜第3スイッチ33を構成する開閉部のMOSFETの寄生ダイオードのカソード電極同士が互いに連結された構成を採用することもできる。
本実施形態では第1スイッチ31〜第3スイッチ33それぞれが有する開閉部の数を例示した。しかしながら第1スイッチ31〜第3スイッチ33が有する開閉部の数は、耐電流性が満たされるのであれば特に限定されない。
本実施形態では並列接続された複数の開閉部それぞれのソース電極が互いに電気的に接続されている例を示した。しかしながら複数の開閉部それぞれのソース電極同士は互いに電気的に接続されていなくともよい。また、複数の開閉部の一部のソース電極同士が互いに電気的に接続されていてもよい。
(第9の変形例)
本実施形態では第5スイッチ35と第6スイッチ36がメカニカルリレーである例を示した。しかしながら第5スイッチ35と第6スイッチ36としては上記例に限定されない。第5スイッチ35と第6スイッチ36としては半導体スイッチを採用することもできる。