以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3に基づいて本実施形態に係る電池パック100を含む電源システム200を説明する。
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして鉛蓄電池110がある。電池パック100はリチウム蓄電池10を有している。電源システム200はこれら鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した鉛蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。鉛蓄電池110は、第1外部配線201を介して電池パック100と電気的に接続されている。スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150それぞれは、第2外部配線202を介して電池パック100と電気的に接続されている。
第1外部配線201と第2外部配線202はそれぞれワイヤハーネスである。第1外部配線201を構成する複数のワイヤハーネスの一端の1つが鉛蓄電池110と電気的に接続されている。そしてこれら各ワイヤハーネスの他端は図示しない第1ヒューズボックスで電気的に接続されている。第1ヒューズボックスは1つの接続端子を有し、その先端が電池パック100に機械的および電気的に接続されている。
同様にして第2外部配線202を構成する複数のワイヤハーネスの一端が、スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。そしてこれら各ワイヤハーネスの他端は図示しない第2ヒューズボックスで電気的に接続されている。第2ヒューズボックスは1つの接続端子を有し、その先端が電池パック100に機械的および電気的に接続されている。
なお図示しないが、上記した第1ヒューズボックスと第2ヒューズボックスそれぞれは、バスバー、ヒューズ、接続端子、および、樹脂ケースを有する。樹脂ケースにバスバーが収納されている。バスバーにヒューズが設けられている。そしてバスバーの端部に接続端子が設けられている。バスバーにワイヤハーネスが接続される。接続端子が電池パック100に接続される。
なお、上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも、図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、鉛蓄電池110と電池パック100(リチウム蓄電池10)の2つを電源とするシステムを構築にしている。以下、電源システム200の各構成要素を個別に説明する。
鉛蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。鉛蓄電池110は第1外部配線201を構成する複数のワイヤハーネスの1つの一端とボルトによって機械的および電気的に接続されている。鉛蓄電池110が第1電源に相当する。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。エンジン140のクランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両の推進力が得られる。なおエンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結は解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しないインバータが接続されている。このインバータが第2外部配線202に電気的に接続されている。
インバータは鉛蓄電池110および電池パック100のリチウム蓄電池10うちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130が力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーはエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧がインバータによって直流電圧に変換される。この直流電圧が、電池パック100、鉛蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際に、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。スタータモータ120と回転電機130が回転電機に相当する。エンジン140が駆動機関に相当する。
電気負荷150は、一般負荷と、一般負荷よりも車両走行に関連の高い保護負荷と、を有する。電気負荷150への電力供給は、鉛蓄電池110およびリチウム蓄電池10の少なくとも一方によって行われる。回転電機130の回生時においては、回転電機130からも電気負荷150に電力供給される。
一般負荷は、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの車載機器である。これら一般負荷は、供給電力が一定でなくともよい性質を有する。一般負荷の要求電力量は車両に搭乗しているユーザーの操作などに応じて変動する。
保護負荷は、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどである。これら保護負荷は、供給電力が一定であることが求められる。また保護負荷は、供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。保護負荷の要求電力量は車両走行の変化に応じられるように、常に一定量よりも上回っている。
なお、車載機器にはインストルメントパネルの照明機器がある。この照明機器は、供給電力が一定であることを求める性質、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオフ状態になる性質を有しない。しかしながら、ユーザーが車両を操作するためにはインストルメントパネルの表示が必須である。そのためにインストルメントパネルの照明機器は車両走行に関連が高く、保護負荷に含まれる。同様にして、供給電力の一定要求、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオフ状態になる性質を有さない車載機器であっても、車両走行に関連度の高いものは保護負荷に含まれる。
また、車載機器にはワイパがある。このワイパは車両走行に関しては間接的に関連がある。そのために一般負荷と保護負荷のいずれに属してもよい。さらに言えば、上記したヘッドライトも車両走行に間接的に関連がある。そのためにヘッドライトは一般負荷ではなく保護負荷に属しても良い。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼や回転電機130の発電などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御し、MGECU170は回転電機130を制御する。
上位ECU160とMGECU170は、車両走行に関連が非常に高い。そして上位ECU160とMGECU170は、供給電力が一定であることを求める性質、および、供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。したがって各種ECU、および、後述の電池パック100のBMU50それぞれへの電力供給は、鉛蓄電池110およびリチウム蓄電池10の少なくとも一方によって絶えず行われる。
なお図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
次に電池パック100を説明する。図1に示すように電池パック100は二重丸で示す外部接続端子を有している。外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、および、第3外部接続端子100cがある。第1外部接続端子100aが第1接続端子に相当する。第2外部接続端子100bが第2接続端子に相当する。
第1外部接続端子100aには、上記の第1ヒューズボックスの接続端子がボルト止めされる。これにより電池パック100は第1外部配線201を介して鉛蓄電池110と電気的に接続されている。第2外部接続端子100bには、第2ヒューズボックスの接続端子がボルト止めされる。これにより電池パック100は第2外部配線202を介して電気負荷150、スタータモータ120、および、回転電機130それぞれと電気的に接続されている。第3外部接続端子100cは、電池パック100を車両のボディにボルト止めするためのものである。この第3外部接続端子100cに挿入されるボルトが、電池パック100と車両のボディとを接続する機能を果たす。これにより電池パック100はボディアースされている。
図1に示すように電池パック100は、リチウム蓄電池10、基板20、スイッチ30、センサ部40、BMU50、および、バスバー60を有する。基板20にスイッチ30とBMU50が搭載され、電気回路が構成されている。この電気回路にリチウム蓄電池10やセンサ部40が電気的に接続されている。この電気回路はバスバー60を介して第1外部接続端子100aおよび第2外部接続端子100bそれぞれと電気的に接続されている。これにより電池パック100の電気回路は、鉛蓄電池110、スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。また、電気回路は第3外部接続端子100cに挿入されるボルトを介して車両のボディと接続されている。なおセンサ部40の少なくとも一部が電気回路の一部を構成してもよい。
電池パック100は図示しない筐体を有する。この筐体はアルミダイカストによって生成される。この筐体にリチウム蓄電池10、基板20、スイッチ30、センサ部40、BMU50、および、バスバー60それぞれが収納される。筐体はリチウム蓄電池10や基板20にて生じた熱を放熱する機能も果たす。筐体は車両の座席下方に設けられる。上記の第3外部接続端子100cは筐体に形成された孔に相当する。なお筐体の開口部は、樹脂製のカバーで覆われる。これにより電気回路とリチウム蓄電池10は防水されている。
上記したようにスイッチ30が基板20に搭載される例を示した。しかしながらスイッチ30は基板20に電気的に接続されるだけでよく、直接搭載されなくともよい。この変形例の場合、例えばスイッチ30は筐体に搭載される。これによりスイッチ30と筐体とが熱的に接続される。スイッチ30にて生じた熱は基板20ではなく筐体に積極的に流れる。これによりスイッチ30の放熱が促される。
リチウム蓄電池10は化学反応によって起電圧を生成する。リチウム蓄電池10は鉛蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。リチウム蓄電池10は鉛蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。リチウム蓄電池10は複数の直列接続された電池セルを有する。リチウム蓄電池10は内部端子を介して基板20と接続されている。リチウム蓄電池10が第2電源に相当する。
リチウム蓄電池10と基板20とは水平方向に並んでいる。若しくは、リチウム蓄電池10と基板20とは天地方向に並んでいる。なお、この水平方向、および、天地方向とは、電源システム200の搭載される車両が水平面に位置している場合におけるリチウム蓄電池10と基板20の並びを説明するための方向である。水平方向と天地方向とは互いに直交し、天地方向は鉛直方向に沿っている。
基板20は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線21、第2給電線22、および、第3給電線23が形成されている。
基板20にはバスバー60と機械的および電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1電源端子24a、第2電源端子24b、第3電源端子24c、第1負荷端子25a、第2負荷端子25b、および、第3負荷端子25cがある。
第1給電線21は第1電源端子24aと第1負荷端子25aとを電気的に接続している。第2給電線22は第2電源端子24bと第2負荷端子25bとを電気的に接続している。第3給電線23は第3電源端子24cと第3負荷端子25cとを電気的に接続している。
後述するように第1電源端子24aと第2電源端子24bは電源バスバー61を介して第1外部接続端子100aと機械的および電気的に接続されている。また第1負荷端子25a、第2負荷端子25b、および、第3負荷端子25cそれぞれは負荷バスバー62を介して第2外部接続端子100bと機械的および電気的に接続されている。そして第3電源端子24cは内部端子を介してリチウム蓄電池10と機械的および電気的に接続されている。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、第3スイッチ33を有する。第1スイッチ31と第2スイッチ32は半導体スイッチである。具体的には、半導体スイッチはMOSFETである。第1スイッチ31と第2スイッチ32はゲート電極に制御信号が入力されることで閉状態になる。逆に第1スイッチ31と第2スイッチ32は制御信号が入力されなくなると開状態になる。
本実施形態のMOSFETはNチャネル型MOSFETである。したがって上記の制御信号はHiレベルの信号である。制御信号が入力されることでゲート電圧がHiレベルになり、MOSFETが閉状態になる。制御信号が入力されなくなるとゲート電圧がLoレベルになり、MOSFETが開状態になる。なおゲート電圧はゲート電極とソース電極の電位差である。
第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは、互いにアノード電極同士が連結されている。複数の開閉部は並列接続されている。複数の開閉部それぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する開閉部の数は、電流量に応じて定めることができる。なお、図1では煩雑と成ることを避けるために、第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する開閉部を1つだけ示している。
第1スイッチ31は第1給電線21に設けられる。これにより第1スイッチ31を開閉制御することで第1電源端子24aと第1負荷端子25aの電気的な接続が制御される。また、第1スイッチ31を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。
第2スイッチ32は第3給電線23に設けられる。これにより第2スイッチ32を開閉制御することで、第3電源端子24cと第3負荷端子25cの電気的な接続が制御される。また、第2スイッチ32を開閉制御することでリチウム蓄電池10と第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。さらに言えば、第2スイッチ32を開閉制御することでリチウム蓄電池10と第1負荷端子25aおよび第2負荷端子25bそれぞれとの電気的な接続が制御される。
第3スイッチ33はメカニカルリレーである。詳しく言えば第3スイッチ33はノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第3スイッチ33は制御信号として励磁電流が入力されることで開状態になる。逆に第3スイッチ33は励磁電流が入力されなくなると閉状態になる。
第3スイッチ33は第2給電線22に設けられる。これにより第3スイッチ33を開閉制御することで、第2電源端子24bと第2負荷端子25bの電気的な接続が制御される。また、第3スイッチ33を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。このように第3スイッチ33は第1スイッチ31と並列接続されている。なお、第3スイッチ33にバイパスヒューズが直列接続された構成を採用することもできる。
以上に示した第2給電線22が第1配線に相当する。第3給電線23が第2配線に相当する。第1スイッチ31が第3スイッチに相当する。第3スイッチ33が第1スイッチに相当する。
センサ部40は、リチウム蓄電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するものである。センサ部40は、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。センサ部40はリチウム蓄電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをリチウム蓄電池10の状態信号としてBMU50に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU50に出力する。
BMU50はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。BMU50はスイッチ制御部に相当する。
BMU50はセンサ部40の状態信号に基づいて、リチウム蓄電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU50はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
BMU50は、電源システム200の駆動状態の際において、上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。すなわちBMU50は、回転電機130の駆動状態、および、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれのSOCに基づいて第1スイッチ31と第2スイッチ32を開閉制御する。より詳しく言えば、電気負荷150の保護負荷への供給電圧が閾値電圧を下回らないように、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが過充電若しくは過放電とならないように、BMU50は第1スイッチ31と第2スイッチ32を開閉制御する。なおBMU50は、第1スイッチ31と第3スイッチ33の一方を閉状態、他方を閉状態に制御する。
またBMU50はエンジン140が駆動状態の場合に第3スイッチ33を開状態に制御する。そしてエンジン140が停止して車両が駐停車している場合にBMU50は第3スイッチ33を閉状態に制御する。この際にBMU50は第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれを開状態に制御する。
バスバー60は銅などの導電材料から成る。バスバー60は複数の平板が一体的に連結された構造を有している。各平板の主面が互いに対向して並列している。各平板は主面に直交する側面から複数の接続端子が延びている。この接続端子の先端が基板20と接続される。またバスバー60の端部が第1外部接続端子100aや第2外部接続端子100bに接続される。
なおもちろんではあるが、バスバー60としては上記の構造に特に限定されない。例えば、バスバー60の端部が複数に分かれ、その分かれた端部が基板20と接続される構成を採用することもできる。またバスバー60の中央部が第1外部接続端子100aや第2外部接続端子100bに接続される構成を採用することもできる。
バスバー60は1枚の平板を屈曲加工することで製造してもよい。またバスバー60は複数の平板を溶接することで製造してもよい。さらに言えばバスバー60は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造してもよい。バスバー60の製造方法としては特に限定されない。なお当然ではあるが、バスバー60は基板20の配線パターンよりも耐電流性(通電電流に耐える性能)が高くなっている。
バスバー60は電源バスバー61と負荷バスバー62を有する。電源バスバー61は第1外部接続端子100aと基板20とを機械的および電気的に接続する。負荷バスバー62は第2外部接続端子100bと基板20とを機械的および電気的に接続する。
電源バスバー61は3つの接続端子を有する。これら3つの接続端子は互いに同電位になっている。電源バスバー61の有する3つの接続端子のうちの2つが基板20にろう接されている。残り1つの接続端子が第1外部配線201とともに第1外部接続端子100aにボルトによって機械的および電気的に接続されている。
負荷バスバー62は4つの接続端子を有する。これら4つの接続端子は互いに同電位になっている。負荷バスバー62の有する4つの接続端子のうちの3つが基板20にろう接されている。残り1つの接続端子が第2外部配線202とともに第2外部接続端子100bにボルトによって機械的および電気的に接続されている。
次に、電源システム200の非駆動時におけるBMU50のSOC検査処理を説明する。BMU50は、電源システム200の非駆動時において低電力消費モードになっている。この際にBMU50はスイッチ30に制御信号を出力していない。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32は開状態、第3スイッチ33は閉状態になっている。これにより鉛蓄電池110は、電気負荷150、スタータモータ120、および、回転電機130それぞれと電気的に接続されている。電気負荷150の中には、BMU50と同様にして低電力消費モードになっているものがある。この低電力消費モードの電気負荷150への電力供給が、鉛蓄電池110によって行われる。このように電源システム200の非駆動時において鉛蓄電池110は放電状態となっている。そのために鉛蓄電池110のSOCは徐々に低減している。BMU50はこの鉛蓄電池110のSOCの低減具合を検査するために、SOC検査処理を定期的に実行している。以下、図2に基づいて、BMU50のSOC検査処理を説明する。
BMU50はタイマーを保有しており、低電力消費モードにおいて時間を計測している。図2に示すステップS10においてBMU50は、タイマーの示す計測時間が、記憶している所定時間を経過したか否かを判定する。計測時間が所定時間に満たないと判定すると、BMU50はステップS10を繰り返し、待機状態になる。これとは異なり、計測時間が所定時間を超えると、BMU50はステップS20へと進む。なお所定時間は1時間や30分などである。
ステップS20へ進むとBMU50はタイマーの計測時間をクリアする。そしてBMU50はステップS30へと進む。
ステップS30へ進むとBMU50は鉛蓄電池110の出力電圧を取得する。上記したように第3スイッチ33は閉状態になっている。そのために鉛蓄電池110の出力電圧は、電池パック100内の第1外部接続端子100a、電源バスバー61、第2電源端子24b、第2給電線22、第2負荷端子25b、負荷バスバー62、および、第2外部接続端子100bに印加される。BMU50は、センサ部40から、第2給電線22の電圧を取得する。BMU50はこの第2給電線22の電圧を鉛蓄電池110の出力電圧とみなして取得する。この後にBMU50はステップS40へと進む。
ステップS40へ進むとBMU50は、取得した鉛蓄電池110の出力電圧は、記憶している閾値電圧よりも高いか否かを判定する。鉛蓄電池110の出力電圧は、鉛蓄電池110のSOCと相関関係を有している。出力電圧が高ければSOCも概して高い関係となっている。上記の閾値電圧は、鉛蓄電池110のSOCが、エンジン140の始動時にスタータモータ120若しくは回転電機130に要求される電力量を賄うことができるか否かを判定するためのものである。鉛蓄電池110の出力電圧が閾値電圧よりも高い場合、BMU50は鉛蓄電池110からの給電によってエンジン140を始動できると判断し、ステップS50へと進む。これとは異なり、鉛蓄電池110の出力電圧が閾値電圧以下の場合、BMU50は鉛蓄電池110からの給電によってエンジン140を始動できないと判断し、ステップS60へと進む。
ステップS50へ進むとBMU50は、保有している切り換えフラグをオフにしてSOC検査処理を終了する。これとは異なり、ステップS60へ進むとBMU50は切り換えフラグをオンにしてSOC検査処理を終了する。この切り換えフラグは鉛蓄電池110によってエンジン140を始動できるか否かを示すものである。
なお、BMU50は、上記のステップS10において計測時間が所定時間を超えたと判定すると、ステップS20の処理を実行するとともに、リチウム蓄電池10の均等化処理も並行して実行する。上記したようにリチウム蓄電池10は複数の直列接続された電池セルを有する。これら複数の電池セルの性能と特性は製品バラツキのために互いに異なる。そのために充放電を繰り返すと、複数の電池セルそれぞれのSOCが異なってくる。電池セルは、性質上、過放電と過充電の発生を抑制しなくてはならない。過放電と過充電は、換言すれば、SOCの極端な低下と極端な上昇である。各電池セルのSOCがバラツクということは、各電池セルの過放電と過充電に至る度合いについてもバラツクということである。したがって、リチウム蓄電池10のSOCが過放電と過充電とにならないように精度良く制御するためには、リチウム蓄電池10を構成する複数の電池セルのSOCを均等化する必要がある。換言すれば、複数の電池セルそれぞれのSOCを、これらの総和平均である、リチウム蓄電池10のSOCと一致させる必要がある。このような要請があるために、BMU50はリチウム蓄電池10の均等化処理を実行する。本実施形態では、上記したように、リチウム蓄電池10の均等化処理と鉛蓄電池110のSOC検査処理をBMU50は同時並行して行っている。
次に、電源システム200の駆動時におけるBMU50の切り換え処理を図3に基づいて説明する。
図3に示すステップS110においてBMU50は、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態になったか否かを判定する。イグニッションスイッチがオン状態になったと判定するとBMU50は、電源システム200が起動状態になったと判定し、ステップS120へと進む。この際にBMU50は低電力消費モードから通常電力消費モードに移行する。これとは異なりイグニッションスイッチがオフ状態のままの場合、BMU50は、電源システム200は非駆動状態のままであると判定し、ステップS110を繰り返す。
なお、低電力消費モードにおいてBMU50は、イグニッションスイッチのオン状態の判定を所定周期で繰り返し行っている。換言すれば、BMU50は図3に示すステップS110を所定周期で繰り返し行っている。この所定周期は、例えば500msや250msである。
ステップS120へ進むとBMU50は、切り換えフラグはオフか否かを判定する。切り換えフラグがオフの場合、BMU50は鉛蓄電池110からの給電によってエンジン140を始動できると判断し、ステップS130へと進む。これとは異なり、切り換えフラグがオンの場合、BMU50は鉛蓄電池110からの給電によってエンジン140を始動できないと判断し、ステップS140へと進む。
ステップS130へ進むとBMU50は、通常切り換え制御を実行する。すなわちBMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を開状態にする。これにより鉛蓄電池110を、第1スイッチ31を介してスタータモータ120および回転電機130それぞれと電気的に接続する。この結果、鉛蓄電池110からの電力供給によってエンジン140の始動が開始可能となる。ステップS130を実行すると、BMU50は切り換え処理を終了する。この後にBMU50は、上位ECU160からの制御指令に基づいて、スイッチ30の制御を実行する。
ステップS140へ進むとBMU50は、非常切り換え制御を実行する。すなわちBMU50は、第1スイッチ31を開状態、第2スイッチ32を閉状態、第3スイッチ33を開状態にする。これによりリチウム蓄電池10を、第2スイッチ32を介してスタータモータ120および回転電機130それぞれと電気的に接続する。この結果、リチウム蓄電池10からの電力供給によってエンジン140の始動が開始可能となる。ステップS140を実行すると、BMU50は切り換え処理を終了するとともに、フェールセーフ処理を実行する。
フェールセーフ処理は、具体的には以下の処理である。アイドルストップの禁止である。第1スイッチ31と第3スイッチ33の開状態の固定、および、第2スイッチ32の閉状態の固定である。鉛蓄電池110によってエンジン140の始動を行うことができない旨の車両に搭乗しているユーザーへの通知である。この異常の通知としては、インストルメントパネルに搭載されたランプによる視覚を通じての通知でもよいし、オーディオによる聴覚を通じての通知でもよい。
次に、本実施形態の電池パック100の作用効果を説明する。上記したようにBMU50は、電源システム200の非駆動時においてSOC検査処理を実行して、切り換えフラグのオンオフ判定を行う。またBMU50は電源システム200の駆動時において、切り換えフラグのオンオフ判定に基づいて通常切り換え制御、若しくは、非常切り換え制御を実行する。これにより鉛蓄電池110若しくはリチウム蓄電池10からスタータモータ120や回転電機130に電力供給が行われ、エンジン140が始動可能な状態になる。
これによれば、電源システムの駆動時において、鉛蓄電池の充電状態を検出した後に、鉛蓄電池およびリチウム蓄電池の少なくとも一方によってスタータモータおよび回転電機に電力を供給する構成と比べて、エンジン140の始動を早めることができる。
電源システム200の駆動時においてBMU50は、上位ECU160からの指令信号に基づかないで、エンジン140の始動を行うためのスイッチ30の切り換え制御を行なっている。これにより、早くエンジン140の始動を行うことができる。
非常切り換え制御において、BMU50は第1スイッチ31と第3スイッチ33を開状態にし、第2スイッチ32を閉状態にする。これによればスタータモータ120若しくは回転電機130への給電時において、リチウム蓄電池10の供給電力が鉛蓄電池110に流れることが抑制される。そのため、エンジン140を始動する際にスタータモータ120若しくは回転電機130に要求される電力量を供給できなくなることが抑制される。
リチウム蓄電池10の均等化処理と鉛蓄電池110のSOC検査処理をBMU50は同時並行して行っている。これによれば、均等化処理とSOC検査処理を別々に行う構成と比べて、BMU50の消費電力を抑えることができる。
第1スイッチ31と第2スイッチ32は制御信号の非入力の場合に開状態、制御信号の入力の場合に閉状態になる。第3スイッチ33は制御信号の非入力の場合に閉状態、制御信号の入力の場合に開状態になる。これによれば、低電力消費モード時においてBMU50は、スイッチ30に制御信号を出力しなくともよくなる。そのため、BMU50の制御信号の出力による電力消費を抑えることができる。
鉛蓄電池110は電池パック100の第1外部接続端子100aに第1外部配線201を介して電気的に接続されている。電気負荷150、スタータモータ120、および、回転電機130それぞれは電池パック100の第2外部接続端子100bに第2外部配線202を介して電気的に接続されている。このように鉛蓄電池110と、電気負荷150、スタータモータ120、および、回転電機130それぞれとは、電池パック100を介して電気的に接続されている。このため、鉛蓄電池110から電気負荷150やスタータモータ120および回転電機130に供給される電力が電池パック100を流れる。そのために鉛蓄電池110の電力量を電池パック100にて判定することができる。換言すれば、エンジン140の始動を担うスタータモータ120および回転電機130へと電力を供給する鉛蓄電池110の充電状態を、電池パック100にて判定することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では、BMU50はSOC検査処理において鉛蓄電池110に対応する切り換えフラグのオンオフ判定を行う例を示した。しかしながらSOC検査処理においてBMU50は、鉛蓄電池110に対応する切り換えフラグのオンオフ判定だけではなく、リチウム蓄電池10に対応する切り換えフラグのオンオフ判定を行ってもよい。
これによれば、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の切り換えフラグの少なくとも一方がオン判定の場合、鉛蓄電池110若しくはリチウム蓄電池10からの電力供給によってエンジン140の始動が開始可能となる。しかしながら鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の切り換えフラグの両方がオフ判定の場合、鉛蓄電池110若しくはリチウム蓄電池10の電力供給によってもエンジン140を始動することができなくなる。この場合にBMU50は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、第3スイッチ33それぞれの開状態の固定を行う。またエンジン140の始動が不可能である旨をユーザーに通知する。
(第2の変形例)
さらに言えば、SOC検査処理においてBMU50は、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10を合わせた総蓄電池に対応する切り換えフラグのオンオフ判定も行ってもよい。総蓄電池の切り換えフラグがオン判定の場合、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれからの電力供給によってエンジン140の始動が開始可能となる。しかしながら総蓄電池の切り換えフラグがオフ判定の場合、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれからの電力供給によってもエンジン140を始動することができなくなる。この場合にBMU50は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、第3スイッチ33それぞれの開状態の固定を行う。またエンジン140の始動が不可能である旨をユーザーに通知する。
以下、総蓄電池の切り換えフラグがオン判定の場合におけるBMU50のスイッチ30の制御を具体的に説明する。上記したように第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは、互いにアノード電極同士が連結されている。
説明を簡便とするために以下においては、第1スイッチ31の開閉部を構成する2つのMOSFETの内の第1電源端子24a側を第1MOSFET、第1負荷端子25a側を第2MOSFETとする。また、第2スイッチ32の開閉部を構成する2つのMOSFETの内の第3電源端子24c側を第3MOSFET、第3負荷端子25c側を第4MOSFETとする。
第1MOSFETが第1スイッチ素子、第2MOSFETが第2スイッチ素子に相当する。第1MOSFETの寄生ダイオードが第1ダイオード、第2MOSFETの寄生ダイオードが第2ダイオードに相当する。
総蓄電池の切り換えフラグがオン判定の場合、BMU50は、第1MOSFETを閉状態、第2MOSFETを開状態にする。またBMU50は第3MOSFETを閉状態、第4MOSFETを開状態若しくは閉状態にする。そしてBMU50は第3スイッチ33を開状態にする。
これによれば、閉状態の第1MOSFETと第2MOSFETの寄生ダイオードを介して、鉛蓄電池110からスタータモータ120および回転電機130それぞれに電力供給が可能になる。また閉状態の第3MOSFETと第4MOSFETの寄生ダイオードを介して、リチウム蓄電池10からスタータモータ120および回転電機130それぞれに電力供給が可能になる。若しくは、閉状態の第3MOSFETと閉状態の第4MOSFETを介して、リチウム蓄電池10からスタータモータ120および回転電機130それぞれに電力供給が可能になる。
第1MOSFETが閉状態、第2MOSFETが開状態であれば、第2MOSFETの寄生ダイオードのために、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の出力電圧に差があったとしても、リチウム蓄電池10から鉛蓄電池110に電流が流れることが抑制される。第3MOSFETが閉状態、第4MOSFETが開状態であれば、第4MOSFETの寄生ダイオードのために、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の出力電圧に差があったとしても、鉛蓄電池110からリチウム蓄電池10に電流が流れることが抑制される。
(第3の変形例)
本実施形態では、通常切り換え制御においてBMU50は、第1スイッチ31を閉状態、第2スイッチ32を開状態、第3スイッチ33を開状態にする例をした。この際にBMU50は、第1スイッチ31を構成するMOSFETの全てを閉状態、第2スイッチ32を構成する全てのMOSFETを開状態にしなくともよい。この際にBMU50は、第1MOSFETを閉状態、第2MOSFETを開状態にしてもよい。BMU50は第3MOSFETを開状態、第4MOSFETを閉状態にしてもよい。これによっても、鉛蓄電池110からスタータモータ120および回転電機130それぞれへの電力供給を行うことができる。またリチウム蓄電池10からスタータモータ120および回転電機130それぞれへの電力供給を止めることができる。
非常切り換え制御においてBMU50は、第1スイッチ31を開状態、第2スイッチ32を閉状態、第3スイッチ33を開状態にする例をした。この際にBMU50は、第1MOSFETを開状態、第2MOSFETを閉状態にしてもよい。BMU50は第3MOSFETを閉状態、第4MOSFETを開状態にしてもよい。これによっても、鉛蓄電池110からスタータモータ120および回転電機130それぞれへの電力供給を止めることができる。リチウム蓄電池10からスタータモータ120および回転電機130それぞれへの電力供給を行うことができる。
さらに言えば、非常切り換え制御においてBMU50は、第1MOSFETを閉状態、第2MOSFETを開状態にしてもよい。BMU50は第3MOSFETを閉状態、第4MOSFETを開状態若しくは閉状態にしてもよい。これによれば、鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の少なくとも一方から、スタータモータ120および回転電機130それぞれへの電力供給を行うことができる。
以上に示したように、第1スイッチ31と第2スイッチ32を構成する全ての半導体スイッチを開状態、若しくは、閉状態に制御しなくとも、鉛蓄電池110およびリチウム蓄電池10それぞれの電力供給を制御することができる。
(第4の変形例)
本実施形態では、鉛蓄電池110が第1外部配線201を介して電池パック100と接続され、スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150それぞれが第2外部配線202を介して電池パック100と接続される例を示した。しかしながら、第1外部配線201と第2外部配線202のいずれに、上記の鉛蓄電池110、スタータモータ120、回転電機130、および、電気負荷150が接続されてもよい。電源システム200の非駆動時において、鉛蓄電池110から供給される電力が、電池パック100を介して他の電気機器に供給される構成であれば、適宜採用することができる。
(第5の変形例)
本実施形態では電池パック100に鉛蓄電池110が接続され、電池パック100がリチウム蓄電池10を有する例を示した。しかしながら電池パック100に対する鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の包含関係は上記例に限定されない。電池パック100は鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の少なくとも一方を有する構成を採用することができる。若しくは、電池パック100が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれを有さない構成を採用することもできる。この場合、電池パック100に鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが電気的に接続される。
(第6の変形例)
本実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。
(第7の変形例)
センサ部40は、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する例を示した。しかしながらセンサ部40はこれらのうちの少なくとも1つを有すればよい。またセンサ部40は他のセンサを有してもよい。
例えばセンサ部40は電池パック100の水没を検出するための水没センサを有してもよい。この水没センサは対向電極によって構成されるコンデンサを有する。対向電極間に水があると、コンデンサの誘電率(静電容量)が変化する。BMU50はこの水没センサの静電容量の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。なお水没センサは基板20よりも筐体の底部側に設けられる。
(第8の変形例)
本実施形態では第1スイッチ31と第2スイッチ32は半導体スイッチである例を示した。しかしながら閉から開、開から閉へのスイッチの状態切換の速さが、停車からエンジン駆動への切り換えなどの車両状態の切り換えなどに対応できるのであれば、第1スイッチ31と第2スイッチ32としては例えばメカニカルリレーを用いてもよい。
本実施形態では第1スイッチ31と第2スイッチ32がMOSFETである例を示した。しかしながら第1スイッチ31と第2スイッチ32として半導体スイッチで構成する場合、上記例に限定されない。例えば半導体スイッチとしてはIGBTを採用することもできる。
本実施形態では第1スイッチ31と第2スイッチ32がNチャネル型MOSFETである例を示した。しかしながら第1スイッチ31と第2スイッチ32としてはPチャネル型MOSFETを採用することもできる。
本実施形態では第1スイッチ31と第2スイッチ32が2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する例を示した。しかしながら第1スイッチ31と第2スイッチ32としては上記例に限定されない。例えば第1スイッチ31と第2スイッチ32は1つのMOSFETを有してもよい。若しくは、第1スイッチ31と第2スイッチ32は複数の並列接続されたMOSFETを有してもよい。
本実施形態では開閉部が2つのMOSFETのソース電極同士が連結されてなる例を示した。しかしながら開閉部は2つのMOSFETのドレイン電極同士が連結されてなってもよい。
本実施形態では開閉部の有する2つのMOSFETのゲート電極が電気的に独立している例を示した。しかしながら2つのMOSFETのゲート電極が同電位の構成を採用することもできる。
本実施形態では開閉部の有する2つのMOSFETの寄生ダイオードのアノード電極同士が互いに連結されている例を示した。しかしながら寄生ダイオードのカソード電極同士が互いに連結された構成を採用することもできる。
なお、開閉部をIGBTで構成する場合、これら2つのIGBTそれぞれにダイオードが並列接続されるとよい。この場合、2つのダイオードのカソード電極同士、若しくは、アノード電極同士が互いに接続されているとよい。
本実施形態では第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれが開閉部を複数有する例を示した。しかしながら第1スイッチ31と第2スイッチ32の少なくとも一方が開閉部を1つ有する構成を採用することもできる。
本実施形態では並列接続された複数の開閉部それぞれのソース電極が互いに電気的に接続されている例を示した。しかしながら複数の開閉部それぞれのソース電極同士は互いに電気的に接続されていなくともよい。また、複数の開閉部の一部のソース電極同士が互いに電気的に接続されていてもよい。
本実施形態では第3スイッチ33がメカニカルリレーである例を示した。しかしながら第3スイッチ33としては上記例に限定されない。第3スイッチ33としては半導体スイッチを採用することもできる。
(その他の変形例)
本実施形態では、電源システム200の駆動時においてBMU50は、切り換えフラグのオンオフ判定に基づいて切り換え制御を実行する例を示した。しかしながらこれとは異なり、電源システム200の駆動時においてBMU50は、上位ECU160よりエンジン140の始動要求があった場合に、切り換えフラグのオンオフ判定に基づいて切り換え制御を実行してもよい。
本実施形態では、フェールセーフ処理において、鉛蓄電池110によってエンジン140の始動を行うことができない旨をユーザーに通知する例を示した。この際に、ユーザーが鉛蓄電池110と電源システム200との電気的な接続を遮断するための手動式のスイッチを、電源システム200に設けてもよい。このような手動式のスイッチは、例えば、車両のエンジンルーム内などに設けることができる。これによれば、上記の通知を受け取ったユーザーが、ボンネットを開けて手動式のスイッチを操作することで、鉛蓄電池110の電源システム200との電気的な接続を遮断することができる。