JP2018141402A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】上クランクケースにピストンジェット用オイル通路及びブリーザ室が設けられた場合でも、ブリーザ室の容積を確保しつつ内燃機関を軽量化できること。【解決手段】下クランクケース16、上クランクケース17を備えたクランクケース11と、オイルポンプからのオイルをエンジン各部へ供給するためのメインギャラリ36と、ピストン27へオイルを噴射する後側ピストンジェット41にオイルを導くためのサブギャラリ57と、メインギャラリからサブギャラリにオイルを供給する後側オイル供給通路51及びオイル連絡通路56と、ブローバイガスからオイルを分離するブリーザ室70とを有し、サブギャラリ、ブリーザ室が上クランクケースのシリンダアッセンブリ12の後側に順次配置され、オイル連絡通路の上オイル連絡通路部56Bは、ブリーザ室の内部に設けられ、且つその周囲部分のうちでブリーザ室を臨む部分がブリーザ室内で一段低く構成されている。【選択図】 図8

Description

本発明は、上クランクケースにピストンジェット用オイル通路及びブリーザ室を備えた内燃機関に関する。
エンジンの高出力化に伴いピストンの熱負荷が増大するため、ピストンの裏面にオイルを噴射してピストンを冷却するピストンジェットの重要性が増している。このピストンジェットにオイルを供給するオイル通路の配置は困難であり、また、ピストンジェットからオイルを噴射させるための油圧の確保も必要になる。
一方、特許文献1には、エンジンのクランクケースが、下部クランクケース部材と上部クランクケース部材により構成され、シリンダの周囲のうち、背面から上部クランクケース部材の上面に亘って、ブリーザ室が、シリンダ及び上部クランクケース部材と一体に設けられたものが開示されている。上記ブリーザ室は、クランクケース内のオイルミストを含む空気からオイル成分を分離し、このオイル成分をエンジンに戻すものである。
特開2007−77851号公報
前述のピストンジェットへのオイル通路のうち、ピストンの裏面後側へオイルを噴射する後側ピストンジェットにオイルを供給するオイル通路の配置は、特に困難である。とりわけ、クランクケースの上部におけるシリンダアッセンブリの後側(背面側)にブリーザ室が形成される場合には、後側ピストンジェットへのオイル通路の配置はより一層困難になる。このオイル通路をクランクケースやシリンダブロックに外付けした場合、部品点数、組付工数、エンジンの重量及びコストが増大し、更にはエンジン外へのオイル漏れの恐れもある。
また、後側ピストンジェットにオイルを供給するオイル通路をクランクケースの内部に設ける場合、クランクケースを型成形する金型の抜き方向に制限があるため、クランクケースに上記オイル通路を単に追加しただけでは、オイル通路の周囲に駄肉がついてクランクケースの重量が増大し、更に鋳巣が発生し易くなる。また、このクランクケースの内部にオイル通路を設けた場合、オイル通路周囲の駄肉を除去したときに、このオイル通路の配置位置によっては、駄肉を除去したことで形成される窪み部に水や泥、塵埃等が堆積する恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、上クランクケースにピストンジェット用オイル通路及びブリーザ室が設けられた場合でも、ブリーザ室の容積を確保しつつ、内燃機関の軽量化を実現できる内燃機関を提供することにある。
本発明に係る内燃機関は、下クランクケースに上クランクケースが上方から結合されて構成され、前記上クランクケースにシリンダアッセンブリが結合されるクランクケースと、前記下クランクケースに設置されたオイルポンプから吐出されるオイルを内燃機関の各部へ供給するためのメインギャラリと、前記シリンダアッセンブリ内のピストンへ向けてオイルを噴射するピストンジェットにオイルを導くためのサブギャラリと、前記メインギャラリから前記サブギャラリにオイルを供給するオイル通路と、前記クランクケースのクランク室内に生じたブローバイガスからオイルを分離するブリーザ室とを有し、前記サブギャラリが、前記上クランクケースにおけるシリンダアッセンブリの後側に配置され、前記ブリーザ室が、前記上クランクケースにおける前記サブギャラリの後方に配置され、前記オイル通路の一部は、前記ブリーザ室の内部に設けられ、且つその周囲部分のうちでブリーザ室を臨む部分が前記ブリーザ室内で一段低く構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、上クランクケースにおけるシリンダアッセンブリの後側にサブギャラリ、ブリーザ室が順次配置される場合でも、ブリーザ室の内部に設けられたオイル通路の一部の周囲部分のうちで、ブリーザ室を臨む部分がブリーザ室内で一段低く構成されている。このため、ブリーザ室の容積を確保でき、更に、上クランクケースの軽量化を実現できる。
本発明に係る内燃機関の一実施形態が適用されたエンジンを示す右側面図。 図1のII矢視図。 図1のエンジンにおけるクラッチカバー等を取り外して示す右側面図。 図2のエンジンにおけるシリンダアッセンブリ等を取り外して示す平面図。 図4の上クランクケースを取り外し下クランクケースを示す平面図。 図4及び図5のVI−VI線に沿う断面図。 図4及び図5のVII−VII線に沿う断面図。 図4及び図5のVIII−VIII線に沿う断面図。 図4の上クランクケースにおけるブリーザ室を拡大して示す斜視図。 図4の上クランクケースの裏面であって、図9のブリーザ室に対応する箇所を示す斜視図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の一実施形態が適用されたエンジンを示す右側面図である。また、図2は、図1のII矢視図である。これらの図1及び図2に示す内燃機関としてのエンジン10は、例えば自動二輪車に搭載されるものであり、クランクケース11にシリンダアッセンブリ12が前傾して結合される。
シリンダアッセンブリ12は、下方からシリンダブロック13、シリンダヘッド14及びヘッドカバー15が順次結合されて構成される。そして、シリンダアッセンブリ12のシリンダブロック13が、後述の上クランクケース17に上方から結合される。シリンダヘッド14の燃焼室(不図示)に供給される混合気の燃焼によって、シリンダブロック13内でピストン27が往復運動し、この往復運動が図示しないコンロッドを介してクランクシャフト23(図3)を回転させる。
クランクケース11は、図3にも示すように、下クランクケース16の合せ面16Aに上クランクケース17の合せ面17Aを上方から接触させ、この状態で上クランクケース17を下クランクケース16に結合させて構成される。下クランクケース16の下部には、エンジン潤滑用のオイルを貯留するオイルパン18が配置される。このオイルパン18内にオイルストレーナ19が配設されている。
下クランクケース16の前部にオイルフィルタ21が設置される。また、下クランクケース16の右側壁には、クラッチカバー22に被覆された状態でオイルポンプ20が設置される。このオイルポンプ20は、クランクシャフト23の回転力により図示しないクラッチ機構を介して回転駆動されるカウントシャフト24の回転力によってポンプシャフト25が駆動され、このポンプシャフト25に回転一体のポンプロータ26が回転する。
下クランクケース16には、図5及び図6に示すように、オイルポンプ20のポンプシャフト25を挿通させるためのシャフト挿通孔30が設けられる。また、下クランクケース16には、シャフト挿通孔30の周囲の一方側領域に第2オイル吸入通路32(図7)が、他方側領域に第1オイル吐出通路33が、それぞれオイルポンプ20に連通可能に形成されている。
第2オイル吸入通路32は、エンジン10の上下方向に延在して下クランクケース16に形成された第1オイル吸入通路31に連通する。この第1オイル吸入通路31は、オイルパン18(図3)内のオイルストレーナ19に接続可能に設けられる。また、第1オイル吐出通路33は、図5及び図6に示すように、エンジン10の水平方向に延在して下クランクケース16に形成された第2オイル吐出通路34に連通する。この第2オイル吐出通路34は、オイルフィルタ21に接続可能に設けられる。
下クランクケース16には、オイルフィルタ21に接続可能な図示しないオイル排出通路が、第2オイル吐出通路34と平行して形成される。また、下クランクケース16には、オイル排出通路に連通するメインギャラリ36が、図5及び図8に示すように、エンジン10の左右の幅方向に水平に延在して形成される。
図3及び図7に示すように、オイルポンプ20のポンプロータ26が回転することで、オイルパン18内のオイルがオイルストレーナ19を経て第1オイル吸入通路31及び第2オイル吸入通路32に、図7の矢印Aに示すように順次流入し、オイルポンプ20内に吸入されて昇圧される。この昇圧されたオイルは、図6に示すように第1オイル吐出通路33へ吐出され、図6の矢印Bに示すように、第2オイル吐出通路34を流れてオイルフィルタ21に流入してろ過される。このろ過されたオイルは、図8に示すように、オイル排出通路(不図示)を経てメインギャラリ36に流入し、このメインキャリッジ36からエンジン10の各部へ供給される。
ここで、図6及び図7に示すように、下クランクケース16には、分岐通路60及び余剰通路61が形成され、分岐通路60が第2吐出通路34に連通し、余剰通路61が第2吸入通路32に連通し、これらの分岐通路60、余剰通路61間にリリーフバルブ63が配設される。このリリーフバルブ63は、筒形状のバルブ本体64内に弁体65が軸方向に移動可能に配設され、この弁体65がスプリング66により付勢力を付与されて構成される。
リリーフバルブ63は、図5、図6及び図7に示すように、下クランクケース16に形成された、リリーフバルブ63よりも大径のリリーフバルブ収容部67内に収容される。また、分岐通路60は、図6に示すように、第2吐出通路34から分岐し、エンジン10の上下方向に延び、第2吐出通路34とリリーフバルブ収容部67とを連通する。更に、余剰通路61は、図7に示すように、分岐通路60に隣接し、エンジン10の上下方向に沿って形成される。そして、この余剰通路61は、上端がリリーフバルブ収容部67に、下端が第2吸入通路32に連通することで、これらのリリーフバルブ収容部67と第2吸入通路32とを連通する。
リリーフバルブ63のバルブ本体64には、その軸線O方向の同一位置に複数の流出口68が、軸線Oに直交して形成される。弁体65は、スプリング66の付勢力により流出口68を閉塞する位置に保持されて、リリーフバルブ63を閉弁状態とする(図6の2点鎖線)。第2吐出通路34及び分岐通路60内のオイルの圧力が所定値以上になると、この圧力に応じてリリーフバルブ63の弁体65がスプリング66の付勢力に抗して移動して、流出口68を開放状態とし、リリーフバルブ63が開弁動作する(図7の2点鎖線)。
リリーフバルブ63が開弁動作することで、第2吐出通路34内を矢印B(図6)のように流れるオイルの一部(余剰オイル)は、矢印Cに示すように、分岐通路60を経てリリーフバルブ63の流出口68からリリーフバルブ収容部67内に流出し、更に余剰通路61を経て第2吸入通路32に戻され、第1吸入通路31から矢印Aの如く第2吸入通路32内へ流入するオイルと共に、オイルポンプ20に吸入される。第2吐出通路34内の余剰オイルを、リリーフバルブ63を経て第2吸入通路32へ戻す構成をインナーリリーフ構造と称する。
前述の如く図5及び図8に示すメインギャラリ36からのオイルが供給されるエンジン10の各部としては、例えばクランクジャーナル部37、カウンタジャーナル部38、ドライブジャーナル部39、前側ピストンジェット40、及び後側ピストンジェット41等である。
図5に示すクランクジャーナル部37は、クランクシャフト23を回転自在に支持する部位である。このクランクジャーナル部37は、エンジン10が図2及び図4に示すように直列4気筒エンジンであるため、エンジン10の左側から第1クランクジャーナル部#1、第2クランクジャーナル部♯2、第3クランクジャーナル部#3、第4クランクジャーナル部#4、第5クランクジャーナル部#5が、エンジン10の左右の幅方向に所定間隔を隔てて、下クランクケース16に順次形成される。
各クランクジャーナル部37(第1クランクジャーナル部#1〜第5クランクジャーナル部#5)は、図5及び図8に示すように、クランクジャーナル用オイル通路42を介してメインギャラリ36に連通される。これらのクランクジャーナル部37(第1クランクジャーナル部#1〜第5クランクジャーナル部#5)は、クランクケース11におけるクランク室43に設けられる。
また、各クランクジャーナル部37(第1クランクジャーナル部#1〜第5クランクジャーナル部#5)は、クランクシャフト23との間にジャーナルメタル(不図示)を備える。そして、各クランクジャーナル部37(第1クランクジャーナル部#1〜第5クランクジャーナル部#5)には、ジャーナルメタルとクランクシャフト23との間に油膜が途切れないように、メインギャラリ36からクランクジャーナル用オイル通路42を経て適切な油圧でオイルが供給される。
メインギャラリ36から各クランクジャーナル部37に供給されて各クランクジャーナル部37を潤滑した後のオイルは、第1クランクジャーナル部#1の場合にはオルタネータ(不図示)へ供給されてこれを潤滑し、第2クランクジャーナル部♯2及び第4クランクジャーナル部#4の場合には、コンロッド大端部(不図示)へ供給されて、このコンロッド大端部とクランクシャフト23との摺動部を潤滑し、第5クランクジャーナル部#5の場合には、シリンダヘッド14内の動弁機構(不図示)へ供給されてこれを潤滑する。尚、第3クランクジャーナル部#3を潤滑した後のオイルは他所へ供給されることがない。
図5に示すカウンタジャーナル部38、ドライブジャーナル部39のそれぞれは、トランスミッション機構のカウントシャフト24(図3)、ドライブシャフト28をそれぞれ回転自在に支持する。これらのカウンタジャーナル部38とドライブジャーナル部39は、クランクケース11におけるミッション室47に設けられる。このうちのカウンタジャーナル部38は、下クランクケース16においてミッション室47を画成する互いに対向した側壁48A、48Bにそれぞれ形成される。ドライブジャーナル部39も、同様に、下クランクケース16における互いに対向した側壁48A、48Bに、カウンタジャーナル部38に隣接して形成される。
下クランクケース16においては、クランク室43とミッション47とを隔てる隔壁49が側壁48A及び48Bに連続して形成される。下クランクケース16の合せ面16Aでは、側壁48A、隔壁49及び側壁48Bの合せ面16Aに、合せ面オイル通路としてのミッション用オイル通路50が、カウンタジャーナル部38及びドライブジャーナル部39に連通して形成される。
ミッション用オイル通路50は、図5及び図8に示すように、後側オイル供給通路51を介してメインギャラリ36に連通する。この後側オイル供給通路51は、下クランクケース16におけるエンジン10の左右の幅方向中央位置に形成される。更に、この後側オイル供給通路51は、メインギャラリ36に連通し且つ下クランクケース16の合せ面16Aに平行な水平方向に延在して下クランクケース16に形成された水平延在通路部52と、この水平延在通路部52及びミッション用オイル通路50に連通し且つ下クランクケース16の合せ面16Aに対し垂直方向に延在して下クランクケース16に形成された垂直延在通路部53と、を有する。
従って、メインギャラリ36からのオイルは、図8に示すように、後側オイル供給通路51の水平延在通路部52、垂直延在通路部53を順次流れ、後述のオリフィス54を経て、図5に示すミッション用オイル通路50へ供給される。このミッション用通路50に供給されたオイルは、カウンタジャーナル部38及びドライブジャーナル部39に導かれ、カウントシャフト24とカウントジャーナル部38との摺動部位、ドライブシャフト28とドライブジャーナル部39との摺動部位をそれぞれ潤滑する。
上記オリフィス54は、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53における例えばミッション用オイル通路50との境界部位に配置される。このオリフィス54によって、後側オイル供給通路51からミッション用オイル通路50へ供給されるオイルの油圧が低下し、ミッション用オイル通路50内を流れるオイルの漏洩が防止される。
図4及び図6に示すように、本実施形態のエンジン10では、各気筒に前側ピストンジェット40及び後側ピストンジェット41が配置される。これらの前側ピストンジェット40及び後側ピストンジェット41からピストン27の裏面へ向けてオイルが噴射されることで、熱負荷の高いピストン27が冷却される。
これらの前側ピストンジェット40及び後側ピストンジェット41は、本実施形態では、上クランクケース17において、この上クランクケース17に結合されたシリンダブロック13の下方位置に設置される。前側ピストンジェット40がピストン27に対して前方位置に、後側ピストンジェット41がピストン27に対して後方位置にそれぞれ位置づけられる。これにより、前側ピストンジェット40は、ピストン27の裏面における前方側へ向けて、また、後側ピストンジェット41は、ピストン27の裏面における後方側へ向けて、それぞれオイルを噴射する。
前側ピストンジェット40には、下クランクケース16の前方側に形成された図示しない前側オイル供給通路を経て、メインギャラリ36からオイルが供給される。この前側オイル供給通路は、エンジン10の左右の幅方向中央位置で、下クランクケース16及び上クランクケース17に跨がって形成される。
図8に示すように、後側ピストンジェット41には、後側オイル供給通路51、この後側オイル供給通路51から分岐されたオイル連絡通路56、このオイル連絡通路56及び後側ピストンジェット41に連通したサブギャラリ57を経て、メインギャラリ36からオイルが供給される。オイル連絡通路56は、下クランクケース16及び上クランクケース17に跨がって直線状に形成され、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53及びサブギャラリ57に連通する。従って、後側オイル供給通路51及びオイル連絡通路56が、メインギャラリ36からサブギャラリ57にオイルを供給するオイル通路を構成する。
このうちのオイル連絡通路56は、下クランクケース16に形成された下オイル連絡通路部56Aと、上クランクケース17に形成された上オイル連絡通路部56Bとを有して構成される。また、オイル連絡通路56(下オイル連絡通路部56A、上オイル連絡通路部56B)は、上クランクケース17におけるエンジン10の左右の幅方向中央位置に位置づけられる。更に、オイル連絡通路56と後側オイル供給通路51は、下クランクケース16における同一の垂直面内に設けられる。
絞り部としての前記オリフィス54は、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53において、オイル連絡通路56が分岐する箇所の下流位置に設置されることになる。このため、オイル連絡通路56を流れるオイルには、メインギャラリ36の油圧が確保されることになり、この状態で、オイル連絡通路56からサブギャラリ57へオイルが導入される。
図4及び図8に示すように、サブギャラリ57は、上クランクケース17の上部であってシリンダアッセンブリ12の後側に、エンジン10の左右の幅方向に沿い、上クランクケース17の左右の略全幅に亘って形成される。更に、サブギャラリ57は、エンジン10の側面視において、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53とメインギャラリ36との間に配置される。このサブギャラリ57におけるエンジン10の左右の幅方向中央位置に、オイル連絡通路56の上オイル連絡通路部56Bが連通する。また、各気筒に対応して設置されたそれぞれの後側ピストンジェット41が、サブギャラリ57に連通する。これにより、メインギャラリ36から後側オイル供給通路51及びオイル連絡通路56を経てサブギャラリ57に至ったオイルが、後側ピストンジェット41へ供給される。
図2及び図4に示すように、上クランクケース17には、サブギャラリ57の後方に隣接して、クランクケース11のクランク室43内に生じたブローバイガスからオイルを分離するブリーザ室70が配置される。このブリーザ室70は、上クランクケース17におけるエンジン10の左右の幅方向中央位置に設けられる。また、ブリーザ室70は、ブリーザ室カバー71により上方から被覆される。なお、このブリーザ室カバー71には、リードバルブ(不図示)を収納するリードバルブカバー72が設けられている。ブリーザ室70にてブローバイガスから分離されたオイルは、下クランクケース16に設けられたオイル戻し通路73を通りオイルパン18(図3)に戻される。
図4、図6及び図7に示すように、上クランクケース17に設けられたブリーザ室70は、下クランクケース16に設置されたリリーフバルブ63の直上に位置する部分が肉抜き処理されて一段低くなった肉抜き部としての凹部74を備える。図9では、この凹部74の領域をグレー表示で示す。
図7及び図9に示すように、この凹部74の底面75に、オイル戻し通路73の上端開口73Aが設けられる。このオイル戻し通路73は、図5、図7及び図8に示すように、オイル連絡通路56の下オイル連絡通路部56A、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53、リリーフバルブ収容部67、分岐通路60及び余剰通路61と共に、下クランクケース16の隔壁49に形成される。このうちのオイル戻し通路73、後側オイル供給通路51の垂直延在通路部53、リリーフバルブ収容部67、分岐通路60及び余剰通路61は、互いに平行して、下クランクケース16の合せ面16Aに対し垂直方向に下クランクケース16に形成される。
図8に示すように、オイル連絡通路56のうちで、オイル通路の一部としての上オイル連絡通路部56Bは、その下半部が、図9にも示すようにブリーザ室70の凹部74内を通過し、その上半部が、図10にも示すようにクランク室43内を通過するよう設けられる。そして、上オイル連絡通路部56Bは、図8及び図9に示すように、その周囲部分のうちでブリーザ室70を臨む部分が駄肉除去されて、ブリーザ室70内で一段低い通路凹部77として構成され、この通路凹部77が凹部74の底面75に連続する。図8には、上オイル連絡通路部56Bの周囲部分におけるブリーザ室70を臨む部分が駄肉処理される前の状態を、符号αで示す2点鎖線により表示している。
また、図4に示すように、エンジン10の平面視において、ブリーザ室70内の通路凹部77と凹部74とが連続する領域に、オイル連絡通路56の上オイル連絡通路部56B、オイル戻し通路73、リリーフバルブ63が順次並んで配置される。つまり、ブリーザ室70内の通路凹部77と凹部74とが連続する領域には、エンジン10の平面視において、オイル戻し通路73の左側に上オイル連絡通路部56Bが、オイル戻し通路73の右側にリリーフバルブ63がそれぞれ配置される。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
(1)図8及び図9に示すように、オイル連絡通路56の上オイル連絡通路部56Bは、その周囲部分のうちでブリーザ室70を臨む部分が駄肉を除去されて、ブリーザ室70内で一段低い通路凹部77として構成される。従って、この通路凹部77によって、上クランクケース17におけるシリンダアッセンブリ12の後側にサブギャラリ57、ブリーザ室70が順次配置される場合でも、ブリーザ室70の容積を確保できる。更に、上記通路凹部77によって、上クランクケース17の軽量化、及び鋳巣の発生が防止されることで上クランクケース13の鋳造性の向上を実現できる。
また、ブリーザ室70がブリーザ室カバー71(図2)により覆われることで、上オイル連絡通路部56Bの周囲部分のうちでブリーザ室70を臨む部分が駄肉除去されて通路凹部77が形成された場合でも、この通路凹部77に水や泥、塵埃等が堆積することを防止できる。
(2)図4及び図9に示すように、ブリーザ室70にてブローバイガスから分離されたオイルをオイルパン18へ戻すオイル戻し通路73は、ブリーザ室70内の通路凹部77に上端開口73Aが設けられている。このため、オイル戻し通路73の長さを短縮できるばかりか、ブリーザ室70内のオイルをオイル戻し通路73へ排出する排出性を向上させることができる。
(3)図6及び図7に示すように、上クランクケース17には、下クランクケース16に設置されたリリーフバルブ63の直上に位置する部分にブリーザ室70の凹部74が設けられている。このため、ブリーザ室70の容積を確保でき、上クランクケース17の軽量化、及び鋳巣の発生が防止されることで上クランクケース13の鋳造性の向上を実現でき、更に凹部74に水や泥、塵埃等が堆積することを防止できる。
(4)ブリーザ室70が、エンジン10の左右の幅方向中央位置で上クランクケース17に設けられているので、このブリーザ70の容積を容易に拡大させることができる。また、オイル連絡通路56の上オイル連絡通路部56Bがエンジン10の左右の幅方向中央位置で上クランクケース17に設けられたので、この上オイル連絡通路部56Bをサブギャラリ57におけるエンジン10の左右の幅方向中央位置に連続させることができる。この結果、上オイル連絡通路部56Bからのオイルをサブギャラリ57の左右に均等に分配して導くことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、内燃機関であるエンジン10は、自動二輪車に搭載されるものに限らず、四輪自動車や船外機、水上車両に搭載されるエンジン、または汎用エンジンであってもよい。
10…エンジン(内燃機関)、11…クランクケース、12…シリンダアッセンブリ、16…下クランクケース、17…上クランクケース、18…オイルパン、20…オイルポンプ、27…ピストン、41…後側ピストンジェット、43…クランク室、51…後側オイル供給通路(オイル通路)56…オイル連絡通路(オイル通路)56B…上オイル連絡通路部(オイル通路の一部)57…サブギャラリ、63…リリーフバルブ、70…ブリーザ室、71…ブリーザ室カバー、73…オイル戻し通路、73A…上端開口、74…凹部、77…通路凹部

Claims (4)

  1. 下クランクケースに上クランクケースが上方から結合されて構成され、前記上クランクケースにシリンダアッセンブリが結合されるクランクケースと、
    前記下クランクケースに設置されたオイルポンプから吐出されるオイルを内燃機関の各部へ供給するためのメインギャラリと、
    前記シリンダアッセンブリ内のピストンへ向けてオイルを噴射するピストンジェットにオイルを導くためのサブギャラリと、
    前記メインギャラリから前記サブギャラリにオイルを供給するオイル通路と、
    前記クランクケースのクランク室内に生じたブローバイガスからオイルを分離するブリーザ室とを有し、
    前記サブギャラリが、前記上クランクケースにおけるシリンダアッセンブリの後側に配置され、前記ブリーザ室が、前記上クランクケースにおける前記サブギャラリの後方に配置され、前記オイル通路の一部は、前記ブリーザ室の内部に設けられ、且つその周囲部分のうちでブリーザ室を臨む部分が前記ブリーザ室内で一段低く構成されたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記下クランクケースの下部にはオイルパンが設置され、前記下クランクケースは、ブリーザ室にて分離されたオイルを前記オイルパンに戻すオイル戻し通路を備え、このオイル戻し通路が、前記ブリーザ室内で一段低く構成された領域に開口して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記下クランクケースには、オイルポンプから吐出されたオイルの圧力に応じて開弁動作して、吐出された余剰オイルを前記オイルポンプに戻すリリーフバルブが設置され、
    前記上クランクケースには、ブリーザ室の内部に前記リリーフバルブの上方に位置づけられて凹部が設けられ、内燃機関の平面視で、前記ブリーザ室内で一段低く構成された領域と前記凹部とが連続する領域に、オイル通路の一部、オイル戻し通路、前記リリーフバルブが並んで配置されたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記ブリーザ室、及びこのブリーザ室の内部に設けられた前記オイル通路の一部は、上クランクケースにおける内燃機関の幅方向中央位置に配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関。
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