JP2018126930A - 転写方法及び熱ナノインプリント装置 - Google Patents

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洋行 室尾
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洋行 室尾
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弘了 遠藤
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Abstract

【課題】熱ナノインプリント法を用いて、従来に比べて、異物の介在を低減させることができ、生産効率を向上させることができると共に、タクトタイムの短縮化を図ることが可能な転写方法及び熱ナノインプリント装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の転写方法は、微細パタン形成用シートから前記保護フィルムを剥離する剥離工程と、剥離工程後に、保護フィルムを剥離して露出した前記第1のマスク層の表面を、前記被処理体の表面に向けて貼り合せる貼合工程と、を有し、吸引口を剥離位置に向けて、保護フィルムを剥離しながら、吸引を行うことを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、転写方法及び熱ナノインプリント装置に関する。
特許文献1には、熱ナノインプリント装置を用いた転写方法について開示されている。熱ナノインプリント法においては、特許文献1の例えば、図2に示すように、凹面に凹凸構造11が形成されたカバーフィルム10を用意する。そして、カバーフィルム10の凹部11a内に第1のマスク層をパターニングするための第2のマスク層12を充填し、更に、第2のマスク層12及び凹凸構造11を覆うように第1のマスク層13を充填する。そして、第1のマスク層13の表面に保護フィルム14を設ける。このようにして、微細パタン形成用シートを作製する。
特許文献1の例えば、図20に示す転写工程では、まず、微細パタン形成用シート101から保護フィルム601を剥離する。その後、微細パタン形成用シート101の第1のマスク層面と被処理体104の被処理面とを押圧して貼り合わせる。
特許第5560377号公報
しかしながら、上記のように、微細パタン形成用シート101から保護フィルム601を剥離した際、剥離に伴う異物(フィルム片)が、静電気的に、第1のマスク層の両端に引き込まれる。
この結果、微細パタン形成用シートの第1のマスク層と被処理体とが、異物を介して貼り合わせられる。このとき、異物が存在することで、異物周辺の空気を噛み込んで貼り合わせられ、第1のマスク層と被処理体との間に、異物の何倍もの大きさの欠陥が生じ、生産収率(歩留まり)が低下する。
また、保護フィルムをゆっくりと剥離すれば、異物の発生は、ある程度改善することができる。しかしながら、タクトタイムが増大する問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、熱ナノインプリント法を用いて、従来に比べて、異物の介在を低減させることができ、生産効率を向上させることができると共に、タクトタイムの短縮化を図ることが可能な転写方法及び熱ナノインプリント装置を提供することを目的とする。
本発明に係る転写方法は、一方の表面にナノスケールの凹凸構造が形成されたカバーフィルムと、前記凹凸構造の凹部内部に設けられた第2のマスク層と、前記凹凸構造及び前記第2のマスク層を覆うように設けられた第1のマスク層と、前記第1のマスク層の表面を覆う保護フィルムと、を具備する微細パタン形成用シートを使用し、被処理体上に前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を転写付与する転写方法であって、前記転写方法は、前記微細パタン形成用シートから前記保護フィルムを剥離する剥離工程と、前記剥離工程後に、前記保護フィルムを剥離して露出した前記第1のマスク層の表面を、前記被処理体の表面に向けて貼り合せる貼合工程と、を有し、吸引口を剥離位置に向けて、前記保護フィルムを剥離しながら、吸引を行うことを特徴とする。
本発明では、前記吸引口を、前記剥離位置の両端に向けて、吸引を行うことが好ましい。
また、本発明に係る熱ナノインプリント装置は、一方の表面にナノスケールの凹凸構造が形成されたカバーフィルムと、前記凹凸構造の凹部内部に設けられた第2のマスク層と、前記凹凸構造及び前記第2のマスク層を覆うように設けられた第1のマスク層と、前記第1のマスク層の表面を覆う保護フィルムと、を具備する微細パタン形成用シートを使用し、被処理体上に前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を転写付与するための熱ナノインプリント装置であって、前記微細パタン形成用シートから前記保護フィルムを剥離する剥離部と、前記保護フィルムを剥離して露出した前記第1のマスク層の表面を、前記被処理体の表面に向けて貼り合せる貼合部と、を具備し、吸引口を剥離位置に向けた吸引装置が設けられることを特徴とする。
本発明では、前記吸引装置の吸引口は、前記剥離位置の両端に向けられていることが好ましい。
本発明によれば、熱ナノインプリント法を用いて、微細パタン形成用シートの第1のマスク層の表面と、被処理体の表面とを貼り合せる際に、異物の介在を低減させることができ、生産効率を向上させることができると共に、タクトタイムの短縮化を図ることが可能である。
本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを示す断面模式図である。 本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。 本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。 本実施形態の吸引装置を説明するための部分斜視図である。 本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。 本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。 本実施の形態に係る微細パタン形成用シートと被処理体との貼合に関する断面模式図である。 本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<微細パタン形成用シート、及び、熱ナノインプリント法(転写方法)の概要>
まず、本実施の形態に係る微細パタン形成用シートの概要について説明する。
本発明の熱ナノインプリント方法においては、以下に説明する微細パタン形成用シートを使用する。これにより、低温且つ低圧での熱ナノインプリントを精度高く実施することができる。
本実施の形態に係る微細パタン形成用シートは、一方の表面に凹凸構造が形成されたカバーフィルムの凹凸構造上に、第2のマスク層及び第1のマスク層が成膜されたフィルムである。図1は、本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを示す断面模式図である。図1に示すように、微細パタン形成用シートIは、カバーフィルム2の表面上に樹脂層3が設けられている。樹脂層3のカバーフィルム2に接する面とは反対側の面に凹凸構造3aが形成されている。以下の説明で、単にカバーフィルム2という場合には、凹凸構造3aが形成された樹脂層3も含む。第2のマスク層4は、凹凸構造3aの凹部内部に充填されている。また、第1のマスク層5は、第2のマスク層4及び凹凸構造3aを覆うように成膜されている。図1に示すように、この第1のマスク層5の上には、保護フィルム6が設けられている。
なお、後で説明する熱ナノインプリント装置に付帯される貼合部において、被処理体に貼合する面は、第1のマスク層5の表面である。また、剥離部において剥離されるフィルムは、保護フィルム6であり、離型部において離型されるフィルムは、カバーフィルム2である。本実施の形態の転写方法によれば、被処理体上に第1のマスク層5及び第2のマスク層4よりなる凹凸構造が転写される。
図2A〜図2C及び図3A〜図3Fは、本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。図2Aに示すように、カバーフィルム10は、その主面上に凹凸構造11が形成されている。凹凸構造11は、複数の凹部11aと凸部11bで構成されている。カバーフィルム10は、例えば、フィルム状又はシート状の成形体である。
まず、図2Bに示すように、カバーフィルム10の凹凸構造11の凹部11aの内部に、後述の第1のマスク層をパターニングするための第2のマスク層12を充填する。第2のマスク層12は、例えば、ゾルゲル材料からなる。ここで、カバーフィルム10、及び第2のマスク層12を備えた積層体を、第1の微細パタン形成用シートI、又は単に第1の積層体Iと呼ぶ。
次に、図2Cに示すように、第1の積層体Iの第2のマスク層12を含む凹凸構造11の上に、第1のマスク層13を形成する。この第1のマスク層13は、後述する被処理体のパターニングに用いられる。第1のマスク層13は、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる。
更に、図2Cに示すように、第1のマスク層13の上側には、保護フィルム14を設ける。保護フィルム14は、第1のマスク層13を保護するものである。ここで、カバーフィルム10、第2のマスク層12、及び、第1のマスク層13からなる積層体を、第2の微細パタン形成用シートII、又は、単に第2の積層体IIと呼ぶ。この第2の積層体IIは、第1のマスク層13を被処理体に貼合させることにより、被処理体のパターニングに用いることができる。
次に、図3Aに示すような被処理体20を用意する。被処理体20は、例えば、平板状の無機基板であり、サファイア基板、SiC(炭化ケイ素)基板、Si(シリコン)基板、スピネル基板、又は、窒化物半導体基板等である。図3Bに示すように、被処理体20の主面上に、第2の積層体IIの第1のマスク層13の露出面を、被処理体20の主面に対面させて貼合する。この結果、第2の積層体II及び被処理体20で構成される第3の積層体IIIが得られる。貼合は、例えば、ラミネーションであり、特に、熱ラミネーションが好適である。本操作を、後で説明する熱ナノインプリント装置の貼合部にて行う。
次に、図3Cに示すように、カバーフィルム10を、第1のマスク層13及び第2のマスク層12から離型する。この結果、被処理体20、第1のマスク層13及び第2のマスク層12からなる中間体21が得られる。本操作を、後で説明する熱ナノインプリント装置の離型部にて行う。
また、第2の積層体IIは、後述する送出しローラにより巻き出され、後述する巻き取りローラにより巻き取られる。即ち、送出しローラよりも、第2の積層体IIの流れ方向後段において上記貼合が行われると共に、貼合よりも更に流れ方向後段且つ巻き取りローラよりも前段において上記離型が行われる。
更に、上記貼合と離型の間において、被処理体は第2の積層体IIの搬送に伴い移動することができる。換言すれば、第2の積層体IIが被処理体のキャリアとしての機能を果たす。
なお、上述した貼合と離型の間において、第2の積層体IIに対してエネルギー線を照射して第1のマスク層13を硬化又は固化させてもよい。また、貼合及び押圧時に加える熱により、第1のマスク層13を硬化又は固化させてもよい。また、第2の積層体IIに対してエネルギー線を照射して第1のマスク層13を硬化又は固化させた後に、第3の積層体IIIを加熱することで、第1のマスク層13の安定性を向上させてもよい。更に、離型後のエネルギー線照射或いは加熱処理により、第1のマスク層13を硬化又は固化させてもよい。これらの操作は、貼合と離型と、の間により行われるため、貼合時に加わる圧力が解放された状態にて行われる。特に、貼合を行い、続いてエネルギー線を照射する工程においては、エネルギー線照射時に貼合時の圧力が解放されている。
得られた中間体21は、回収部により回収され、一時保管され、或いは直ぐに以下に説明する工程へ、と回される。
回収部により回収された中間体21は、熱ナノインプリント装置とは異なる別の装置へと搬送される。そして、第2のマスク層12をマスクとして、第1のマスク層13を、例えば酸素アッシングにより、図3Dに示すようにパターニングする。この結果、第1のマスク層13及び第2のマスク層12により構成された高いアスペクト比を有する微細マスクパタン16aが設けられた微細マスク構造体16を得る。更に、パターニングされた第1のマスク層13をマスクとして、被処理体20に、例えば、反応性イオンエッチングを施して、図3Eに示すように、被処理体20の主面に微細パタン22を形成する。最後に、図3Fに示すように、被処理体20の主面に残った第1のマスク層13を除去して、微細パタン22を有する被処理体20を得る。
本実施の形態では、図2A〜図2Cに示すカバーフィルム10から第2の積層体IIを得るところまでを一つのライン(以下、第1のラインという)で行う。それ以降の、図3A〜図3Fまでを別のライン(以下、第2のラインという)で行う。より好ましい態様においては、第1のラインと、第2のラインとは、別の施設で行われる。このため、第2の積層体IIは、第2の積層体IIを巻物状(ロール状)にして梱包され、保管又は運搬される。
上述したように、第2の積層体IIは、主に第1のマスク層13及び第2のマスク層12の微細パタンの精度、そして第1のマスク層13の膜厚精度を担保することにより、被処理体20に微細パタン22を、被処理体20の面内において精度高く設けることができる。ここで、第2の積層体IIの第1のマスク層13を被処理体20に貼合する際に、第2の積層体IIが撓んだり、また、エアーボイドが発生したり、異物が混入した場合、被処理体20に設けられる微細パタン22の面内精度が大きく低下する。更に、第2の積層体II/被処理体20からなる積層体から、カバーフィルム10を剥離する際に、第1のマスク層13及び第2のマスク層12の微細パタンに過度な応力が加わる場合や、第2の積層体IIが捩れる場合、第1のマスク層13の凝集破壊、第1のマスク層13と被処理体20と、の界面剥離、第1のマスク層13及び第2のマスク層12とカバーフィルム10の離型不良といった問題が生じる。
ところで、第2の積層体IIの第1のマスク層13を被処理体20に貼合する際に生じる、エアーボイドの発生は、第2の積層体IIから、保護フィルム14を剥離したときに、保護フィルム14、第1のマスク層13、第2のマスク層12、カバーフィルム10由来のパーティクル(異物)が、第1のマスク層13の両端に引き込まれてしまうことが原因とされる。パーティクルは、剥離帯電によって発生する静電気によって、第1のマスク層13の上方両端に移動する。エアーボイドは、パーティクル混入により、空気を噛み込むことで、パーティクルの何十倍もの大きさの欠陥となる。
剥離帯電を抑制するために、保護フィルムと第1のマスク層との間の剥離部分を狙って、除電するも、パーティクル除去としては不十分であることがわかっている。
そこで本発明者らは、剥離時に、保護フィルム14、及び、第1のマスク層13、第2のマスク層12、カバーフィルム10由来のパーティクル(異物)を吸引することで、第2の積層体IIの第1のマスク層13と被処理体20との間を、異物を介在せず貼合することができるようにした。
<吸引装置>
本実施の形態においては、吸引装置の吸引口を、保護フィルム14と、第2の積層体IIの第1のマスク層13との剥離位置に向け、保護フィルム14を剥離しながら、吸引することで、パーティクルを吸引する。ここで、パーティクルは、保護フィルム14、第1のマスク層13、第2のマスク層12、カバーフィルム10由来のものに限定するものでなく、代表的なものとして記載した。すなわち、吸引するパーティクル、異物は、保護フィルム14、第1のマスク層13、第2のマスク層12、カバーフィルム10由来以外のものを含んでいてもよい。以下、同様である。
図4に示すように、本実施の形態では、保護フィルム14を、第2の積層体IIから剥離した位置に、吸引装置606の吸引口606a、606bを向けている。
「剥離位置」とは、剥離直後の、保護フィルム14と、保護フィルム14が剥離された第2の積層体IIの第1のマスク層13との間の部分を指す。
図4に示すように、剥離ローラ602により、第2の積層体IIから保護フィルム14が剥離され、第2の積層体IIは、被処理体との貼合工程に送られる。図4に示すように、吸引装置606の一対の吸引口606a、606bは、剥離位置の両端に向けている。このとき、一対の吸引口606a、606bは、保護フィルム14の剥離により露出した第1のマスク層13の表面の両端に向けられていることが好ましい。
本実施の形態によれば、保護フィルム14を剥離した際に生じる、保護フィルム14由来のパーティクル(異物)を、吸引装置606の吸引口606a、606bにて適切に吸引することができる。
このように、保護フィルム14の剥離時に異物を吸い込むことで、続く被処理体との貼合時に、エアーボイドの欠陥が生じるのを抑制でき、したがって、本実施の形態によれば、生産効率(歩留まり)を向上させることができる。
また、保護フィルム14の剥離時における異物混入の抑制は、保護フィルム14を、ゆっくりと剥離することで、第2の積層体II(第1のマスク層13)の両端に引き込まれる保護フィルム14由来のパーティクル数を、ある程度抑制することはできるが、タクトタイムが増大する。これに対して、本実施の形態によれば、保護フィルム14を剥離しつつ、パーティクルを直接吸引するため、保護フィルム14をゆっくりと剥がす必要がなく、タクトタイムの短縮を図ることができる。
図4に示すように、吸引口606a、606bは、剥離位置の両端以外に向けても、吸引力を強めることで、ある程度、パーティクル除去を期待できる。ただし、剥離ローラ部602の両端からパーティクルが発生していることを、パーティクル測定によって確認しているため、吸引口606a、606bを剥離位置の両端に向けることが、効果的にパーティクルを除去でき好ましい。
吸引装置606の吸引力については、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜30.0(m/s)程度であることが好ましい。吸引力を、0.1(m/s)以上とすることで、パーティクル除去の効果がある。また、吸引力を、30.0(m/s)以下とすることで、剥離時における保護フィルムと微細パタン形成用シートとのばたつきを抑制でき、搬送を適切に行うことができる。また、吸引力が、30.0(m/s)以上であると、装置内の気流が乱れ、逆に、パーティクルが余計に増大する可能性がある。
また、吸引口の形状としては、円形状、楕円形状、ノズルのような角丸を含む四角形状等を提示できる。また、吸引口の大きさ(口径)は、0.5〜2500mm程度であることが好ましい。吸引口が円径でない場合は、例えば、縦横長さの平均値で求めることができる。吸引口の大きさを0.5mm以上とすることで、パーティクル除去の効果がある。また、吸引口の大きさを2500mm以下とすることで、剥離時における保護フィルムと微細パタン形成用シートとのばたつきを抑制でき、搬送を適切に行うことができる。また、吸引口の大きさを2500mm以上であると、装置内の気流が乱れ、逆に、パーティクルが余計に増大する可能性がある。
また、風量は、吸引口の大きさと風速の積に時間項を掛けた値であるので、上記最小値と最大値から、3×10−6〜4.5(m/min)程度であることが好ましい。
<マスクパタン転写工程>
次に、微細パタン形成用シートを使用する各工程について説明する。被処理体20上に微細パタン22を形成する方法は、マスクパタン転写工程とエッチング工程とに分けられる。
図5及び図6は、本実施の形態に係る微細パタン形成用シートを使用し、被処理体に対し微細パタンを形成する方法を説明するための工程図である。マスクパタン転写工程は、図5A及び図5B並びに図6B〜図6Cで示される。
マスクパタン転写工程は、少なくとも貼合工程(押圧工程)、エネルギー線照射工程及び離型工程をこの順に含み、且つ、貼合工程(押圧工程)とエネルギー線照射工程とはそれぞれ独立で行うことを特徴とする。ここで、押圧工程は、本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置の貼合部で実施される。また、離型工程は、本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置の剥離手段及び固定手段により行われる。
図5Aに示す第2の積層体IIは、支持基材10a及び樹脂層10bで構成されるカバーフィルム10と、カバーフィルム10の樹脂層10bに形成された凹凸構造11の内部に充填された第2のマスク層12と、第2のマスク層12を含む凹凸構造11の上に設けられた第1のマスク層13とで構成されている。第2の積層体IIの第1のマスク層13の表面には保護フィルム14が設けられている場合、まず、第2の積層体IIから保護フィルム14を外して、図5Bに示すように、第1のマスク層13の表面を露出させる。
本実施の形態においては、上記したように、第2の積層体IIから保護フィルム14を剥離した際、第1のマスク層13の両端に引き込まれるパーティクル(異物)を、吸引装置により吸引している。
(貼合工程(押圧工程))
貼合工程において、図6Aに示すように、第2の積層体IIを第1のマスク層13を介して被処理体20に対して押圧して、第2の積層体II及び被処理体20を貼り合わせて接着し、第3の積層体IIIを得る。このとき、第2の積層体II及び被処理体20は、加熱しながら押圧されることにより密着される。第2の積層体IIに関しては、被処理体20と第1のマスク層13との接着を目的として行う。
第1のマスク層13として熱圧着可能な樹脂を選択した場合には、第1のマスク層13の流動性を上昇させるために、押圧時に加熱を行うことが好ましい。この加熱は、少なくとも被処理体20面側から行うことが好ましく、加熱温度は60℃〜200℃が好ましい。
(貼合)
貼合時の環境雰囲気の巻き込みは、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の被処理体20に転写付与される割合(転写率)を減少させる。このため、被処理体20の用途に応じた問題が発生する。例えば、被処理体をLED用の基板として使用する場合、貼合時の酸素(空気中の酸素)のミクロな巻き込み(ナノメートルから数十マイクロメートルスケールの環境雰囲気の巻き込み)は、LEDの半導体結晶層の欠陥を導き、LEDの発光特性を悪化させたり、リーク電流を増加させる場合がある。また、貼合時のマクロな巻き込み(数十マイクロメートルからミリメートルスケールの気泡)は、大きな欠陥となり、高効率なLEDを製造する際の収率の低下を招く。そのため、第1のマスク層13を被処理体20に貼合する際には、以下の(1)〜(4)に示すいずれかの手法、又は、これらの複合手法を採用することが好ましい。
なお、既に記載したように、本実施の形態では、貼合前の段階で、保護フィルムを剥離した際に生じる保護フィルム由来のパーティクルを、除去している。
(1)低酸素雰囲気下で貼合を行う。酸素濃度を低下させておくことにより、第1のマスク層13と被処理体20との界面に環境雰囲気を巻き込んだ場合であっても、第1のマスク層13の硬化性を良好に保つことができるため、転写精度を向上させることができる。低酸素雰囲気は、真空(減圧)、NガスやArガスに代表されるガスの導入、ペンタフルオロプロパンや二酸化炭素に代表される圧縮性ガスの導入等で作製可能である。特に、真空(減圧)環境を採用することで、貼合性を改良することができる。
図7は、本実施の形態に係る微細パタン形成用シートと被処理体との貼合に関する断面模式図である。なお、図7A〜図7Cでは、便宜上、第1の積層体Iと第2の積層体IIと、を同一の模式図として表現するために、第1の積層体Iの凹凸構造11の表面の凹凸は省略してフラットな形状として示している。図7A〜図7Cに示す第2の積層体IIにおいては、被処理体20と貼り合わされる面側に、第1のマスク層13が設けられ、第1のマスク層13が被処理体20に接触するようになっている。
(2)図7Aに示すように、第2の積層体IIを、その一方の端部から他方の端部に向かって被処理体20に接触させ、接触面積を徐々に増加させる方法が挙げられる。この場合、平行平板型の貼合に比べ、環境雰囲気の逃げ道が作られるため、環境雰囲気の抱き込みが減少する。よって、パーティクル混入の減少効果との相乗効果により、第2の積層体IIと被処理体20との界面に、エアーボイドが生じる不具合を適切に抑制することができる。
(3)図7Bに示すように、第2の積層体IIの中央付近を下に凸の形状に変形させ、その状態で第2の積層体IIを被処理体20に接触させ、続いて、変形を元に戻していく手法が挙げられる。この場合、平行平板型の貼合に比べ、環境雰囲気の逃げ道が作られるため、環境雰囲気の抱き込みが減少する。よって、パーティクル混入の減少効果との相乗効果により、第2の積層体IIと被処理体20との界面に、エアーボイドが生じる不具合を適切に抑制することができる。
(4)図7C示すように、第2の積層体IIを湾曲させると共に、第2の積層体IIを、その一方の端部から他方の端部に向かって接触させ、ラミネートの要領で貼合する手法が挙げられる。この場合、平行平板型の貼合に比べ、環境雰囲気の逃げ道が作られるため、環境雰囲気の抱き込みが減少する。よって、パーティクル混入の減少効果との相乗効果により、第2の積層体IIと被処理体20との界面に、エアーボイドが生じる不具合を適切に抑制することができる。特に、第2の積層体IIのカバーフィルムがフレキシブルモールドの場合に有効である。
(エネルギー線照射工程)
エネルギー線照射工程において、図6Bに示すように、第2の積層体IIと被処理体20とが接着された積層体IIIに対して、貼合時の圧力を開放した状態でエネルギー線を照射して第1のマスク層13を硬化する。これにより、第1のマスク層13を従来のように押圧しながら硬化させる必要がなくなるので、押圧工程とエネルギー線照射工程とを独立して行うことができ、後述の凹凸構造体40の製造における工程管理が容易となる。
また、エネルギー線照射工程は、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の安定性を向上させると共に、第2のマスク層12と第1のマスク層13の界面密着力を大幅に向上させることを目的とする。更に、第2の積層体IIの場合は、更に、第1のマスク層13と被処理体20を接着することも目的とする。
エネルギー線照射は、第2のマスク層12と第1のマスク層13の界面に化学反応に基づく化学結合を生じる場合に有効である。エネルギー線の種類は、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の組成により適宜選択できるため、特に限定されないが、例えば、X線、UV、IR等が挙げられる。また、エネルギー線は第2の積層体II側と被処理体20側の、少なくとも一方から照射することが好ましい。特に、第2の積層体IIの少なくとも一部或いは被処理体20がエネルギー線吸収体である場合は、エネルギー線を透過する媒体側から、エネルギー線を照射することが好ましい。
エネルギー線照射時の積算光量は、500〜5000mJ/cmであることが好ましく、800〜2500mJ/cmであることがより好ましい。また、異なる発光波長域を有するエネルギー線源を2つ以上選択してもよい。
なお、第2の積層体IIを被処理体20に押圧した後、圧力開放した状態でエネルギー線照射工程を行うことで、第1のマスク層13の膜厚を厚くすることが可能となるため、後述するエッチング工程を経ることで、被処理体20にアスペクト比の高いマスクを転写することが可能となる。
(離型工程)
離型工程において、図6B及び図6Cに示すように、第3の積層体IIIにおいて、被処理体20に接着された第2の積層体IIのうち、カバーフィルム10を取り除く。この結果、被処理体20、第1のマスク層13及び第2のマスク層12からなる中間体21が得られる。
以上のように、本実施の形態に係るマスクパタン転写工程によって、第2の積層体IIを用いて被処理体20へ凹凸構造を転写し、図6Dに示すように、被処理体20の表面上に第1のマスク層13及び第2のマスク層12が設けられた微細マスク構造体16が得られる。この際、被処理体20上に第1のマスク層13を厚く形成することが可能となり、後述するエッチング工程を経ることで、被処理体20上に高アスペクト比のマスクパタンを形成することが可能となる。
更に、マスクパタン転写工程におけるエネルギー線照射工程と離型工程との間に、加熱工程を加えることが好ましい。即ち、マスクパタン転写工程は、押圧工程、エネルギー線照射工程、加熱工程及び離型工程をこの順に経る構成としてもよい。
(加熱工程)
エネルギー線照射後に加熱工程を加えることで、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の組成にもよるが、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の安定性が向上し、離型工程時の転写不良、特に第1のマスク層13の凝集破壊を減少させる効果が得られる。加熱温度は、概ね40℃〜200℃の範囲で、第2のマスク層12及び第1のマスク層13のガラス転移温度Tgよりも低い温度が好ましい。また、加熱時間は概ね5秒〜60分であると好ましく、転写精度を向上させ、且つ工業製を高める観点から、5秒〜3分であることが最も好ましい。なお、加熱工程は低酸素雰囲気下で行ってもよい。
加熱工程後は、カバーフィルム10/第1のマスク層13/被処理体20からなる積層体が好ましくは5℃〜80℃になるまで、更に好ましくは18℃〜30℃になるまで冷却した後に離型工程に移ることが好ましい。なお、冷却方法については、積層体が前記の温度範囲内に冷却されれば、特に限定しない。
更に、マスクパタン転写工程における離型工程の後に、後処理工程を加えてもよい。即ち、マスクパタン転写工程は、押圧工程、エネルギー線照射工程、離型工程及び後処理工程をこの順に経る構成としてもよく、また、押圧工程、エネルギー線照射工程、加熱工程、離型工程及び後処理工程をこの順に経る構成としてもよい。
(後処理工程)
後処理工程は、図6Dに示す微細マスク構造体16の第2のマスク層12側と被処理体20側の両方又はいずれか一方から、エネルギー線を照射して行う。また、後処理工程は、微細マスク構造体16に対して、加熱とエネルギー線照射との両方、或いは、いずれか一方を行うことによって行う。
エネルギー線を照射することにより、第2のマスク層12と第1のマスク層13との両方又はいずれか一方に含まれる未反応成分の反応を促進させることができ、第2のマスク層12及び第1のマスク層13の安定性が向上し、第2のマスク層12の残膜処理工程、第1のマスク層13のエッチング工程及び被処理体20のエッチング工程を良好に行えるため好ましい。エネルギー線としては、X線、UV、IR等が挙げられる。また、エネルギー線は、微細マスク構造体16に対して、第2のマスク層12側及び被処理体20側の少なくとも一方から照射することが好ましい。特に、第2のマスク層12側から照射することが好ましい。
<エッチング工程>
中間体21は、第2の積層体IIを被処理体20に貼り合わせた後に、カバーフィルム10を剥離することで製造される第2のマスク層12/第1のマスク層13/被処理体20から成る積層体であり、その製造方法の詳細はマスクパタン転写工程において既に説明した通りである。ここで、中間体21に対して、図6Dに示すようにエッチングを行うことで、微細マスク構造体16を製造できる。更に、微細マスク構造体16に対して図6E及び図6Fに示すようにエッチングを行うことで、被処理体20上に微細パタン22を形成し、凹凸構造体40を得ることができる。
中間体21を微細マスク構造体16へと加工する方法は、第2のマスク層12をマスクとした第1のマスク層13のエッチングである。これにより、第1のマスク層13及び第2のマスク層12により構成された高いアスペクト比を有する微細マスクパタン16aが設けられた微細マスク構造体16を得る。
<熱ナノインプリント装置>
次に本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置について説明する。
図8は、本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置を示す模式図である。本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置200は、長尺の微細パタン形成用シート101が巻き回された送出しローラ202を具備する。
送出しローラ202は、微細パタン形成用シート101を所定の速度で送出する。この送出しローラ202と対になって、送出された微細パタン形成用シート101を巻き取る巻き取りローラ203が設けられている。巻き取りローラ203の回転数と送出しローラ202の回転数とは微細パタン形成用シート101の送り出し速度と巻き取り速度と、が同期するように制御されてもよいが、微細パタン形成用シート101のテンションを制御するために、ダンサーローラー、トルクモータ又はテンションコントローラ等を用いることができるため、微細パタン形成用シート101の搬送機構は採用するテンション制御方式に応じて適宜設計することができる。なお、送出しローラ202及び巻き取りローラ203にはそれぞれ駆動部を連結することができる。
(保護フィルムの剥離)
図8に示すように、送出しローラ202よりも微細パタン形成用シート101の流れ方向MDの後段には、微細パタン形成用シート101から保護フィルム601を剥離する剥離ローラ部602が設けられる。送出しローラ202の近傍にダンサーローラを設置した場合は、剥離ローラ部602は、ダンサーローラよりも微細パタン形成用シート101の流れ方向MDの後段に設けられる。剥離ローラ部602には、保護フィルム601の流れ方向の後段に、保護フィルム601を巻き取って回収する巻き取りローラ603が併設されている。剥離ローラ部602は、駆動部を具備しないフリーローラであっても、駆動部を付帯したローラであっても、微細パタン形成用シート101より保護フィルム601を剥離可能であれば特に限定されない。一方、巻き取りローラ603は、微細パタン形成用シート101より剥離された保護フィルム601を巻き取り回収する役割を担うため、駆動部を付帯することが好ましい。駆動部により回転する巻き取りローラ603は、送出しローラ202から送出される微細パタン形成用シート101の速度と同期してもよく、微細パタン形成用シート101の撓みや蛇行といった搬送不良を抑制するために、微細パタン形成用シート101のテンション制御を、巻き取りローラ603の駆動にトルクモータを使用することや、巻き取りローラ603と剥離ローラ部602との間にダンサーローラを設置することができる。トルクモータや、ダンサーローラを設けることで、保護フィルム601に一定のテンションをかけることができる。
図8に示すように、剥離ローラ部602近傍には、吸引装置606が配置されている。そして、保護フィルム601を剥離しながら、剥離位置の両端を、吸引装置にて吸引し、保護フィルム601由来のパーティクルを除去する。
また、剥離ローラ部602は、貼合部201の回転体102に近い位置に設けられると、上記したパーティクル除去に加えて、保護フィルム601を剥離し露出した微細パタン形成用シート101の表面の異物の付着を効果的に抑制でき、その結果、微細パタン形成用シート101と被処理体104の表面との貼合精度が向上するため、好ましい。
送出しローラ202よりも流れ方向MDの更に後段には、貼合部201が設けられている。貼合部201は、回転体102を備えた押圧部100を備えている。本実施の形態においては、回転体102の表層をシリコーンゴムとした。なお、シリコーンゴムとしてはそのガラス転移温度Tgが20℃以下のものを採用した。また、貼合雰囲気を除電する除電機(不図示)を別途設置した。
この回転体102は、微細パタン形成用シート101の幅方向に亘って延設されている。回転体102の断面形状は略真円形である。回転体102の、微細パタン形成用シート101の幅方向の長さは、微細パタン形成用シート101を貼合する被処理体104の大きさよりも大きければ特に限定されない。例えば、2インチ強、4インチ強、6インチ強、或いは8インチ強である。また、微細パタン形成用シート101の幅方向に複数の被処理体104を配置し、同時に微細パタン形成用シート101を被処理体104に貼合するために、回転体102は微細パタン形成用シート101の幅方向全体に亘って延設されると好ましい。本実施の形態においては、微細パタン形成用シート101の幅として、2.1インチ、4.5インチ、及び6.5インチの3種類を実施した。これらの微細パタン形成用シート101のいずれに対しも、回転体102の幅方向の長さは300mmとした。
回転体102による、微細パタン形成用シート101と被処理体104との貼合は、微細パタン形成用シート101の搬送と同時に行われても、微細パタン形成用シート101の搬送が停止した状態にて行われてもよい。本実施の形態においては、微細パタン形成用シート101が静止した状態で貼合を行った。
微細パタン形成用シート101の被処理体104への押圧が、微細パタン形成用シート101の搬送と同時に行われる場合、回転体102は、微細パタン形成用シート101の搬送に支障をきたさぬように回転することが好ましい。このため、回転体102の回転手段は、微細パタン形成用シート101の搬送に伴い受動的に回転体102を回転させるものであっても、能動的に回転させるものであってもよい。特に、微細パタン形成用シート101の搬送に伴って受動的に回転することが貼合精度を向上するため、好ましい。この場合、回転体102の回転手段には、フリーローラのように受動的に回転体102を回転させるものや、微細パタン形成用シート101の搬送速度に同期するように、回転体102の回転数を制御しながら受動的に回転させるものを採用できる。
一方、微細パタン形成用シート101の搬送が停止した状態にて微細パタン形成用シート101と被処理体104とを貼合する場合、回転体102は回転軸を中心に回転すると共に、被処理体104の主面に平行な面内において、微細パタン形成用シート101の流れ方向MDとは反対の方向又は微細パタン形成用シート101の流れ方向MDに平行な方向に移動することが好ましい。
本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置200の貼合部201においては、上記説明した押圧部100の回転体102により、微細パタン形成用シート101と被処理体104とを押圧し、低温且つ低圧にて熱ナノインプリントを行うことができる。ここで、微細パタン形成用シート101を被処理体104に押圧する際、被処理体104のその面内方向に対して垂直方向の振動を抑制し、押圧時の圧力の均等性を向上させるために、被処理体104の微細パタン形成用シート101と接する面とは反対側の面上に被処理体保持部205を設けることが好ましい。
被処理体保持部205の保持機構は、被処理体104の被処理面に接触しないものであれば、特に限定されない。被処理体保持部205は、既に説明した機構を採用できる。また、被処理体104を保持する方法は、既に説明した通り、被処理体104と微細パタン形成用シート101が接触しない位置で被処理体104を保持することが好ましい。なお、本実施の形態においては、減圧(吸引)チャックを採用した。
また、本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置200においては、回転体102及び被処理体保持部205の少なくとも一方に、上述の押圧加熱部を付帯することが好ましい。ここで、押圧加熱部は、微細パタン形成用シート101及び被処理体104を回転体102で押圧する際、微細パタン形成用シート101と被処理体104との界面を加熱する目的にて導入する。押圧加熱部を設けることで、微細パタン形成用シート101と被処理体104との界面の温度が向上するため、熱ナノインプリント精度が向上する。なお、本実施の形態においては、回転体102及び被処理体保持部205の双方に押圧加熱部を設け、回転体102の表面を90℃〜130℃にて加熱し、被処理体保持部205の表面を80℃〜150℃の範囲にて加熱し実施した。
貼合部201よりも流れ方向MD後段であって、巻き取りローラ203よりも前段には、離型部206が設けられている。なお、巻き取りローラ203と回転体102との間には、後述するエネルギー線照射部等を併設するのに充分な間隔を設けると好ましい。離型部206は、微細パタン形成用シート101と被処理体104からなる積層体207から、カバーフィルムを取り除くことができれば特に限定されない。即ち、積層体207において、被処理体104は固定され、その主面に対して垂直方向の移動がほぼ起こらないと共に、カバーフィルムが被処理体104より引き離される。特に、離型部206が、微細パタン形成用シート101の流れを利用して離型できるものであれば、微細パタン形成用シート101の捩れをより抑制すると共に、転写精度を向上できる。更に、微細パタン形成用シート101とある被処理体104(A)との押圧と、微細パタン形成用シート101の別の被処理体104(B)からの剥離と、を同時に行うことができるため、装置の過大化を抑制しながら、タクトを向上させることができる。更に、離型部206において、微細パタン形成用シート101の流れ方向が変化することで、カバーフィルムを剥離することが好ましく、後述するような剥離用ローラや剥離用エッジを利用できる。
なお、積層体207は、図3B及び図6Aに示す第3の積層体IIIに相当する。積層体207を構成する被処理体104は、微細パタン形成用シート101に貼り合わされ、一体となっている。
離型部206における剥離力は、少なくとも被処理体104の被処理面に対して垂直で、且つ、微細パタン形成用シート101の流れ方向MDの成分を含む。例えば、積層体207の被処理体104の露出する面を保持して固定し、微細パタン形成用シート101の流れ方向MDがローラ又はエッジにより変化することで、転写精度高くカバーフィルムを剥離することができる。
(エネルギー線照射部)
貼合部201と離型部206との間に、エネルギー線照射部を設けることができる。エネルギー線照射部においては、貼合部201で得られた積層体207に対してエネルギー線を照射する。このため、エネルギー線照射部は、微細パタン形成用シート101に向かってエネルギーを照射しても、被処理体104に向かってエネルギーを照射しても、その両方であっても良い。特に少なくとも被処理体104に向かってエネルギーを照射することで、微細パタン形成用シート101と被処理体104との界面強度を向上できるため、好ましい。
(積層体加熱部)
離型部206よりも微細パタン形成用シート101の流れ方向MD前段であり、且つ、エネルギー線照射よりも流れ方向MD後段には、積層体207を加熱する積層体加熱部を設けることができる。積層体加熱部を設けることで、微細パタン形成用シート101と被処理体104との界面強度を向上させることができるため、熱ナノインプリント精度が向上する。積層体加熱部による加熱温度は、微細パタン形成用シート101の特性に応じて適宜選定できるため、特に限定されないが、微細パタン形成用シート101の融点(Tmc)未満であると、装置の過大化を抑制できると共に、熱ナノインプリント精度が向上するため好ましい。特に、被処理体104の加熱温度が、30℃〜200℃の範囲になるように加熱できると好ましく、60℃〜130℃であるとより好ましい。加熱温度は、微細パタン形成用シート101の搬送の観点から、概ね、Tmcの0.6倍以下であると好ましい。このように加熱条件下で積層体207の加熱が行われる。
(冷却部)
更に、離型部206よりも微細パタン形成用シート101の流れ方向MDの前段であり、且つ、積層体加熱部よりも流れ方向MDの後段に、積層体207を冷却する冷却部を設けることができる。冷却部を設けることで、カバーフィルムを剥離する際の、剥離性を向上させることができる。ここで、本実施の形態に係る熱ナノインプリント装置200においては、冷却部が微細パタン形成用シート101の流れ方向MDに対して、貼合部201と離間して設けられる。更に、本実施の形態では、上述のような回転体102を採用していることから、熱ナノインプリントに必要な温度を低く保っている。このため、冷却部の過大化を抑制できる。冷却部は、積層体207に対して空気を吹き付ける程度でよい。冷却部は、少なくとも被処理体104の温度が120℃以下になるように冷却すると、剥離性を向上できるため、好ましい。微細パタン形成用シート101の特性に応じて最適な被処理体104の冷却後の温度は決定されるが、概ね、5℃以上60℃以下が好ましく、18℃以上30℃以下がより好ましい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。
以上説明したように、本発明は、カバーフィルムの表面に形成された凹凸構造を、第1のマスク層を介して被処理体に転写する際に、第1のマスク層の膜厚分布を良好にし、転写精度を向上させ、且つ効率よく転写可能であり、過大な設備を要しない熱ナノインプリント装置を提供するという効果を有し、特に、LEDに関する光取り出し効率向上用基材、内部量子効率向上用基材、光取り出し効率及び内部量子効率向上用基材の製造における凹凸構造加工技術に有用である。
1,101 微細パタン形成用シート
2、10 カバーフィルム
3 樹脂層
3a、11、40 凹凸構造
4、12 第2のマスク層
5、13 第1のマスク層
6、14、601 保護フィルム
20、104 被処理体
21 中間体
22 微細パタン
102 回転体
200 熱ナノインプリント装置
201 貼合部
206 離型部
302 剥離用ローラ
402 剥離用ロール
503 分離部
602a 剥離ローラ部
606 吸引装置
606a、606b 吸引口

Claims (4)

  1. 一方の表面にナノスケールの凹凸構造が形成されたカバーフィルムと、前記凹凸構造の凹部内部に設けられた第2のマスク層と、前記凹凸構造及び前記第2のマスク層を覆うように設けられた第1のマスク層と、前記第1のマスク層の表面を覆う保護フィルムと、を具備する微細パタン形成用シートを使用し、被処理体上に前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を転写付与する転写方法であって、
    前記転写方法は、
    前記微細パタン形成用シートから前記保護フィルムを剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記保護フィルムを剥離して露出した前記第1のマスク層の表面を、前記被処理体の表面に向けて貼り合せる貼合工程と、を有し、
    吸引口を剥離位置に向けて、前記保護フィルムを剥離しながら、吸引を行うことを特徴とする転写方法。
  2. 前記吸引口を、前記剥離位置の両端に向けて、吸引を行うことを特徴とする請求項1に記載の転写方法。
  3. 一方の表面にナノスケールの凹凸構造が形成されたカバーフィルムと、前記凹凸構造の凹部内部に設けられた第2のマスク層と、前記凹凸構造及び前記第2のマスク層を覆うように設けられた第1のマスク層と、前記第1のマスク層の表面を覆う保護フィルムと、を具備する微細パタン形成用シートを使用し、被処理体上に前記第1のマスク層及び前記第2のマスク層を転写付与するための熱ナノインプリント装置であって、
    前記微細パタン形成用シートから前記保護フィルムを剥離する剥離部と、
    前記保護フィルムを剥離して露出した前記第1のマスク層の表面を、前記被処理体の表面に向けて貼り合せる貼合部と、を具備し、
    吸引口を剥離位置に向けた吸引装置が設けられることを特徴とする熱ナノインプリント装置。
  4. 前記吸引装置の吸引口は、前記剥離位置の両端に向けられていることを特徴とする請求項3に記載の熱ナノインプリント装置。

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