JP2018106833A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋭利異物が二次電池に突き刺さることにより、電極バリが発生した場合にも、電極バリと鋭利異物との間での微小短絡を抑制すること。【解決手段】二次電池は、筐体90、巻回電極群40および粘着層41を少なくとも含む。筐体90は、巻回電極群40および粘着層41を収納している。粘着層41は、巻回電極群40の表面に配置されている。粘着層41は、10質量%以上90質量%以下の樹脂41a、および残部の絶縁性フィラー41bを含有する。粘着層41は0.1mm以上の厚さを有する。粘着層41は0.5N/m以上の剥離強度を有する。粘着層41は0%以上25%以下の多孔度を有する。絶縁性フィラー41bはフレーク状である。絶縁性フィラー41bの厚さに対する絶縁性フィラー41bの最大径の比は3以上である。【選択図】図3
Description
本開示は二次電池に関する。
特開2016−091859号公報(特許文献1)は、巻回電極群と筐体の内壁面との間に、伸縮性を有する絶縁シートが配置された二次電池を開示している。
二次電池(以下「電池」と略記される場合がある)の外的要因による故障モードのひとつとして、たとえば、鋭利な先端を有する異物(以下「鋭利異物」と称される)が電池に突き刺さる故障モードが考えられる。従来、この故障モードは、釘刺し試験により模擬されている。
釘のように、導電性を有する鋭利異物が電池に突き刺さると、鋭利異物を通じて正極と負極とが短絡する。このとき鋭利異物には瞬間的に大きな電流が流れる。これによりジュール熱が発生し、電池温度が上昇する。特許文献1では、巻回電極群と筐体の内壁面との間に、伸縮性を有する絶縁シートが配置されている。鋭利異物が筐体を貫通する際に、絶縁シートが鋭利異物に追従して延びることにより、鋭利異物を通じた短絡が抑制されると考えられる。
しかし鋭利異物の形状、突き刺さり方等によっては、次のような不都合が生じる可能性もある。すなわち、電極が鋭利異物によって突き破られることにより、電極集電体(典型的には金属箔)からバリ(以下「電極バリ」と記される)が発生する可能性がある。電極バリが絶縁シートを貫通することにより、電極バリと鋭利異物との間で微小短絡が発生する可能性がある。
本開示の目的は、鋭利異物が二次電池に突き刺さることにより、電極バリが発生した場合にも、電極バリと鋭利異物との間での微小短絡を抑制することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
本開示の二次電池は、筐体、巻回電極群および粘着層を少なくとも含む。筐体は、巻回電極群および粘着層を収納している。粘着層は、巻回電極群の表面に配置されている。粘着層は、10質量%以上90質量%以下の樹脂、および残部の絶縁性フィラーを含有する。粘着層は0.1mm以上の厚さを有する。粘着層は0.5N/m以上の剥離強度を有する。粘着層は25%以下の多孔度を有する。絶縁性フィラーはフレーク状である。絶縁性フィラーの厚さに対する絶縁性フィラーの最大径の比は3以上である。
本開示の二次電池において、筐体を貫通した鋭利異物は、粘着層を通過した後に、巻回電極群に到達する。粘着層は、所定の粘着力を有する。すなわち粘着層は、0.5N/m以上の剥離強度を有する。鋭利異物が粘着層を通過する際、粘着層が鋭利異物の表面に付着することにより、鋭利異物の表面が粘着層の成分によって被覆されると考えられる。
本開示の粘着層は、特定成分を含有する。すなわち粘着層は、10質量%以上90質量%以下の樹脂、および残部の絶縁性フィラーを含有する。絶縁性フィラーはフレーク状であり、厚さに対する最大径の比(以下「アスペクト比」と記される)が3以上である。かかる形状を有する絶縁性フィラーは、配向性が高いため、鋭利異物の移動方向に沿って配向すると考えられる。したがって鋭利異物の表面は、樹脂および配向した絶縁性フィラーによって被覆されることになる。これにより、電極バリが発生した場合にも、電極バリと鋭利異物との間には、配向した絶縁性フィラーが介在することになるため、電極バリと鋭利異物との間で微小短絡が発生することが抑制されると考えられる。
ただし粘着層は0.1mm以上の厚さを有する必要がある。粘着層の厚さが0.1mm未満であると、鋭利異物の表面を緻密に被覆することが困難である。その結果、電極バリと鋭利異物との微小短絡の抑制が不十分になる可能性がある。
粘着層は0%以上25%以下の多孔度を有する必要がある。粘着層の多孔度が25%を超えると、粘着層が緻密にならず、電極バリと鋭利異物との間で微小短絡が発生する可能性がある。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
<二次電池>
以下では、二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池が説明される。ただし、本開示の二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。
以下では、二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池が説明される。ただし、本開示の二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。
図1は、本実施形態に係る二次電池の構成の一例を示す概略図である。電池100は、筐体90を備える。筐体90は角形(扁平直方体)である。ただし本実施形態の筐体は円筒形であってもよい。筐体90は、純アルミニウム(Al)、Al合金、ステンレス等の金属材料によって構成されていてもよい。ただし所定の密閉性が実現できる限り、たとえば、アルミラミネートフィルム等により、筐体90が構成されていてもよい。
筐体90は、ケース91および蓋92を備える。ケース91は、開口を有する容器である。蓋92は、ケース91の開口を塞ぐように構成されている。蓋92は、たとえばレーザ溶接によりケース91と接合されていてもよい。蓋92は、正極端子81および負極端子82を備える。蓋92は、安全弁、注液孔(いずれも図示されず)等を備えていてもよい。
図2は、図1のXZ平面に平行な概略断面図の一例である。筐体90は、巻回電極群40および電解液(図示されず)を収納している。巻回電極群40の表面には、粘着層41が配置されている。すなわち電池100は、筐体90、巻回電極群40および粘着層41を少なくとも含む。
《粘着層》
図3は、図1のYZ平面に平行な概略断面図の一例である。粘着層41は、巻回電極群40の表面(すなわち巻回電極群40の最外周)に配置されている。粘着層41は、10質量%以上90質量%以下の樹脂41aおよび残部の絶縁性フィラー41bを含有する。粘着層41は、たとえば樹脂41aおよび絶縁性フィラー41bを含有する樹脂組成物が、巻回電極群40の表面に塗着されることにより形成される。塗着方法は特に限定されるべきではない。たとえば、スプレー塗布等により、粘着層41が形成され得る。
図3は、図1のYZ平面に平行な概略断面図の一例である。粘着層41は、巻回電極群40の表面(すなわち巻回電極群40の最外周)に配置されている。粘着層41は、10質量%以上90質量%以下の樹脂41aおよび残部の絶縁性フィラー41bを含有する。粘着層41は、たとえば樹脂41aおよび絶縁性フィラー41bを含有する樹脂組成物が、巻回電極群40の表面に塗着されることにより形成される。塗着方法は特に限定されるべきではない。たとえば、スプレー塗布等により、粘着層41が形成され得る。
図4は、粘着層の作用を説明するための概念図である。筐体90を貫通した鋭利異物200(たとえば釘状の異物)は、粘着層41を通過した後、巻回電極群40に到達する。粘着層41は0.5N/m以上の剥離強度を有する。そのため、鋭利異物200が粘着層41を通過する際、粘着層41は鋭利異物200の表面に付着し、鋭利異物200の表面を被覆すると考えられる。すなわち鋭利異物200の表面に粘着層41が転写されると考えられる。このため、鋭利異物200は、その表面が粘着層41に被覆された状態で巻回電極群40に到達することになる。これにより、鋭利異物200を通じて、正極10と負極20とが短絡することが抑制されると考えられる。
粘着層41の剥離強度は、たとえば粘着層41の組成(樹脂の種類、樹脂の構成比率、絶縁性フィラーの形状等)により調製され得る。粘着層41の「剥離強度」は、「JIS Z 0237:粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠した90°剥離試験により測定される。測定は3回以上実施される。3回以上の算術平均が測定結果として採用される。
剥離強度が0.5N/m未満であると、粘着層41が鋭利異物200の表面に転写され難く、鋭利異物200の表面を十分被覆することができない可能性がある。粘着層41は、たとえば30N/m以下の剥離強度を有してもよい。粘着層41の剥離強度が30N/mを超える場合、粘着層41が形成された後、巻回電極群40のハンドリングが困難になる可能性がある。たとえば、巻回電極群40を筐体90に挿入する作業に支障を来す可能性がある。
粘着層41は、0.1mm以上の厚さを有する。粘着層41の厚さが0.1mm未満であると、鋭利異物200の表面に転写される粘着層41も薄くなり、鋭利異物200の表面を緻密に被覆することが困難である。粘着層41は、たとえば10mm以下の厚さを有してもよい。粘着層41の厚さが10mmを超えると、粘着層41の占有体積が大きいため、体積エネルギー密度が高い電池を構成することが困難になる場合もある。
粘着層41の厚さは、粘着層41の厚さ方向断面において測定される。測定には、光学顕微鏡(たとえば、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ等)等が使用され得る。厚さは3箇所以上で測定される。3箇所以上の算術平均が測定結果として採用される。
粘着層41は、0%以上25%以下の多孔度を有する。粘着層41の多孔度が25%を超えると、鋭利異物200の表面を緻密に被覆することが困難である。多孔度は、たとえば0%以上5%以下であってもよいし、5%以上25%以下であってもよい。
多孔度は、たとえば、樹脂の構成比率、塗布方法等により調整され得る。多孔度は、下記式により算出される。
多孔度=(V1−V2)÷V1
式中、V1は粘着層41の見かけ体積を示し、V2は粘着層41の真体積を示す。見かけ体積は、粘着層41の厚さと粘着層41の面積との積である。真体積は、粘着層41の質量が粘着層41の真密度で除されることにより算出される。粘着層41の真密度は、粘着層41を構成する各材料の真密度と、粘着層41の組成(各材料の質量比)とから算出される。
多孔度=(V1−V2)÷V1
式中、V1は粘着層41の見かけ体積を示し、V2は粘着層41の真体積を示す。見かけ体積は、粘着層41の厚さと粘着層41の面積との積である。真体積は、粘着層41の質量が粘着層41の真密度で除されることにより算出される。粘着層41の真密度は、粘着層41を構成する各材料の真密度と、粘着層41の組成(各材料の質量比)とから算出される。
粘着層41において、樹脂41aの構成比率は10質量%以上90質量%以下である。樹脂41aの構成比率が10質量%未満であると、0.5N/m以上の剥離強度を実現することが困難である。樹脂41aの構成比率が90質量%を超えると、絶縁性フィラー41bの構成比率が低いため、電極バリ201と鋭利異物200との間で微小短絡が発生する可能性がある。樹脂41aの構成比率は、たとえば10質量%以上50質量%以下であってもよいし、50質量%以上90質量%以下であってもよい。
(樹脂)
粘着層41が0.5N/m以上の剥離強度を有する限り、樹脂41aの種類は特に限定されるべきではない。樹脂41aは、好ましくは、その高分子構造中に水素結合を形成し得る官能基を含む。水素結合を形成し得る官能基としては、たとえば、水酸基、カルボキシ基、フッ素官能基等が挙げられる。これらの官能基を含む樹脂は、本実施形態に好適な粘着性を示す傾向がある。剥離強度の観点から、官能基は、好ましくはフッ素官能基である。樹脂41aは、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等であってもよい。1種の樹脂が単独で使用されてもよいし、2種以上の樹脂が組み合わされて使用されてもよい。
粘着層41が0.5N/m以上の剥離強度を有する限り、樹脂41aの種類は特に限定されるべきではない。樹脂41aは、好ましくは、その高分子構造中に水素結合を形成し得る官能基を含む。水素結合を形成し得る官能基としては、たとえば、水酸基、カルボキシ基、フッ素官能基等が挙げられる。これらの官能基を含む樹脂は、本実施形態に好適な粘着性を示す傾向がある。剥離強度の観点から、官能基は、好ましくはフッ素官能基である。樹脂41aは、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等であってもよい。1種の樹脂が単独で使用されてもよいし、2種以上の樹脂が組み合わされて使用されてもよい。
(絶縁性フィラー)
絶縁性フィラー41bは、フレーク状である。絶縁性フィラー41bは、たとえば、略円板状、矩形板状、多角形板状等の形状を有し得る。絶縁性フィラーのアスペクト比(最大径÷厚さ)は、3以上である。図5は、アスペクト比を説明するための概念図である。図5には一例として略円板状の絶縁性フィラーが示されている。最大径(L)は、絶縁性フィラーの表面を構成する複数の面のうち、最大面積を有する面(P1)の最大径を示す。厚さ(h)は、面(P1)と対をなす面(P2)と、面(P1)との最大間隔を示す。絶縁性フィラー41bは、たとえば、2μm以上20μm以下の最大径(L)を有してもよい。
絶縁性フィラー41bは、フレーク状である。絶縁性フィラー41bは、たとえば、略円板状、矩形板状、多角形板状等の形状を有し得る。絶縁性フィラーのアスペクト比(最大径÷厚さ)は、3以上である。図5は、アスペクト比を説明するための概念図である。図5には一例として略円板状の絶縁性フィラーが示されている。最大径(L)は、絶縁性フィラーの表面を構成する複数の面のうち、最大面積を有する面(P1)の最大径を示す。厚さ(h)は、面(P1)と対をなす面(P2)と、面(P1)との最大間隔を示す。絶縁性フィラー41bは、たとえば、2μm以上20μm以下の最大径(L)を有してもよい。
アスペクト比は、光学顕微鏡または電子顕微鏡により測定される。10個以上の絶縁性フィラー41bにおいて、アスペクト比が測定される。10個以上の算術平均が測定結果として採用される。
3以上のアスペクト比を有する絶縁性フィラー41bは、鋭利異物200の動きに沿って配向しやすい。これにより鋭利異物200の表面が絶縁性フィラー41bによって緻密に被覆されると考えられる。電極バリ201が発生したとしても、配向した絶縁性フィラー41bが、電極バリ201と鋭利異物との間での微小短絡を抑制すると考えられる。
絶縁性フィラー41bのアスペクト比が3未満の場合、絶縁性フィラー41bが十分配向せず、微小短絡の抑制が不十分になる可能性がある。30を超えるアスペクト比を有するフィラーの製造は、現状困難である。したがって絶縁性フィラー41bは、30以下のアスペクト比を有してもよい。ただし製造が可能であれば、絶縁性フィラー41bは、30を超えるアスペクト比を有してもよい。絶縁性フィラー41bは、3以上30以下のアスペクト比を有してもよいし、5以上15以下のアスペクト比を有してもよいし、7以上10以下のアスペクト比を有してもよい。
3以上のアスペクト比を有する限り、絶縁性フィラー41bの素材は特に限定されるべきではない。絶縁性フィラーは、たとえば、アルミナ(Al2O3)、ベーマイト(Al2O3・H2O)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)等により構成されていてもよい。絶縁性フィラー41bは、たとえば、ゾル−ゲル法により調製され得る。
《巻回電極群》
巻回電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30を備える。セパレータ30は、正極10と負極20との間に配置されている。正極10、負極20およびセパレータ30は、いずれも帯状のシートである。巻回電極群40は、正極10、セパレータ30および負極20がこの順序で積層され、さらに巻回されることにより構成されている。
巻回電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30を備える。セパレータ30は、正極10と負極20との間に配置されている。正極10、負極20およびセパレータ30は、いずれも帯状のシートである。巻回電極群40は、正極10、セパレータ30および負極20がこの順序で積層され、さらに巻回されることにより構成されている。
(正極)
正極10は、正極合材層および正極集電体を含む。正極集電体は、たとえば、Al箔等でよい。正極集電体は、例えば、10〜30μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極集電体の表面に形成されている。正極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極活物質、導電材およびバインダ等を含有する。正極合材層は、例えば、80〜98質量%の正極活物質、1〜15質量%の導電材、および1〜5質量%のバインダを含有する。
正極10は、正極合材層および正極集電体を含む。正極集電体は、たとえば、Al箔等でよい。正極集電体は、例えば、10〜30μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極集電体の表面に形成されている。正極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極活物質、導電材およびバインダ等を含有する。正極合材層は、例えば、80〜98質量%の正極活物質、1〜15質量%の導電材、および1〜5質量%のバインダを含有する。
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiMnO2、LiMn2O4、LiFePO4等であってもよい。導電材は、たとえば、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
(負極)
負極20は、負極合材層および負極集電体を含む。負極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。負極集電体は、たとえば、5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電体の表面に形成されている。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ材等を含有する。負極合材層は、例えば、95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。
負極20は、負極合材層および負極集電体を含む。負極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。負極集電体は、たとえば、5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電体の表面に形成されている。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ材等を含有する。負極合材層は、例えば、95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。
負極活物質およびバインダは特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
(セパレータ)
セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、正極10と負極20とを電気的に隔離する。セパレータ30は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータ30は、たとえば、多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータ30は、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータ30は、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータ30は、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえば、アルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、正極10と負極20とを電気的に隔離する。セパレータ30は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータ30は、たとえば、多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータ30は、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータ30は、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータ30は、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえば、アルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
《電解液》
電解液は、リチウム塩および溶媒を含む。溶媒は非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。電解液は、たとえば、0.5〜2.0mоl/Lのリチウム塩を含む。リチウム塩は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO2)2]、Li[N(CF3SO2)2]等であってもよい。
電解液は、リチウム塩および溶媒を含む。溶媒は非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。電解液は、たとえば、0.5〜2.0mоl/Lのリチウム塩を含む。リチウム塩は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO2)2]、Li[N(CF3SO2)2]等であってもよい。
<変形例>
図6は、本開示の変形例に係る二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。巻回電極群40の表面(最外周)に加えて、巻回電極群40の中心(最内周)にも、粘着層42が配置されていてもよい。配置個所を除き、粘着層42の構成は、粘着層41と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし粘着層42も、10質量%以上90質量%以下の樹脂および残部の絶縁性フィラーを含有し、0.1mm以上の厚さを有し、0.5N/m以上の剥離強度を有し、0%以上25%以下の多孔度を有し、フレーク状の絶縁性フィラーを含有し、絶縁性フィラーのアスペクト比が3以上であるものとする。巻回電極群40の最内周にも粘着層42が配置されることにより、微小短絡の抑制効果がいっそう向上すると考えられる。
図6は、本開示の変形例に係る二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。巻回電極群40の表面(最外周)に加えて、巻回電極群40の中心(最内周)にも、粘着層42が配置されていてもよい。配置個所を除き、粘着層42の構成は、粘着層41と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし粘着層42も、10質量%以上90質量%以下の樹脂および残部の絶縁性フィラーを含有し、0.1mm以上の厚さを有し、0.5N/m以上の剥離強度を有し、0%以上25%以下の多孔度を有し、フレーク状の絶縁性フィラーを含有し、絶縁性フィラーのアスペクト比が3以上であるものとする。巻回電極群40の最内周にも粘着層42が配置されることにより、微小短絡の抑制効果がいっそう向上すると考えられる。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、本開示の範囲を限定するものではない。
<二次電池の製造>
《実施例1》
(正極の製造)
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:Al箔(厚さ:20μm)
《実施例1》
(正極の製造)
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:Al箔(厚さ:20μm)
正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、正極スラリーが調製された。正極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「正極活物質:導電材:バインダ=90:8:2」とされた。
正極スラリーが、正極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、正極合材層が形成された。正極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり15mg/cm2とされた。正極合材層が所定の厚さに圧延された。これにより正極が製造された。正極が帯状に裁断された。正極合材層の幅寸法は110mmとされた。
(負極の製造)
以下の材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:水
負極集電体:Cu箔(厚さ:10μm)
以下の材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:水
負極集電体:Cu箔(厚さ:10μm)
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極スラリーが調製された。負極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極スラリーが、負極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層が形成された。負極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり15mg/cm2とされた。負極合材層が所定の厚さに圧延された。これにより負極が製造された。負極が帯状に裁断された。負極合材層の幅寸法は115mmとされた。
(セパレータの製造)
多孔質PE膜(厚さ:20μm、幅寸法:120mm)の表面(表裏両面)が準備された。多孔質PE膜の表面に、4μmの厚さを有する耐熱層が形成された。耐熱層は、アルミナおよびアクリル樹脂により構成された。
多孔質PE膜(厚さ:20μm、幅寸法:120mm)の表面(表裏両面)が準備された。多孔質PE膜の表面に、4μmの厚さを有する耐熱層が形成された。耐熱層は、アルミナおよびアクリル樹脂により構成された。
(巻回電極群の構成)
セパレータを挟んで、正極と負極とが積層され、さらに各部材の長手方向に沿って巻回されることにより、巻回電極群が構成された。巻回電極群が扁平状に成形された。
セパレータを挟んで、正極と負極とが積層され、さらに各部材の長手方向に沿って巻回されることにより、巻回電極群が構成された。巻回電極群が扁平状に成形された。
(粘着層の配置)
以下の材料が準備された。
樹脂:PVdF
絶縁性フィラー:ベーマイト(フレーク状、アスペクト比:5、最大径:20μm)
溶媒:NMP
以下の材料が準備された。
樹脂:PVdF
絶縁性フィラー:ベーマイト(フレーク状、アスペクト比:5、最大径:20μm)
溶媒:NMP
樹脂、絶縁性フィラーおよび溶媒が混合されることにより、スラリーが調製された。固形分の配合は、質量比で「樹脂:絶縁性フィラー=50:50」とされた。スプレー塗布により、巻回電極群の表面(最外周)にスラリーが塗布され、乾燥された。これにより、0.5mmの厚さを有する粘着層が形成された。
所定面積の粘着層がセパレータと共に切り出された。粘着層の厚さ、および単位面積あたりの質量が測定された。前述の方法により、多孔度が算出された。切り出された粘着層がステンレス板に張り付けられた。90°剥離試験により、粘着層がステンレス板から剥離される際の剥離強度が測定された。
(電解液)
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒:[EC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)]
リチウム塩:LiPF6(1mоl/l)
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒:[EC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)]
リチウム塩:LiPF6(1mоl/l)
(筐体への封入)
角形の筐体(縦寸法:75mm、幅寸法:120mm、奥行き寸法:15mm、板厚:1mm)が準備された。粘着層が配置された巻回電極群が筐体に挿入された。電解液が筐体に注入された。筐体が密閉された。以上より、二次電池(角形リチウムイオン二次電池)が製造された。この二次電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲において、5Ahの容量を有するように設計されている。
角形の筐体(縦寸法:75mm、幅寸法:120mm、奥行き寸法:15mm、板厚:1mm)が準備された。粘着層が配置された巻回電極群が筐体に挿入された。電解液が筐体に注入された。筐体が密閉された。以上より、二次電池(角形リチウムイオン二次電池)が製造された。この二次電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲において、5Ahの容量を有するように設計されている。
(初期充放電)
25℃環境において、5Aの電流により電池が4.1Vまで充電された。5分間の休止を挟んで、5Aの電流により電池が3.0Vまで放電された。その後、以下の定電流−定電圧充電(CC−CV充電)、および定電流−定電圧放電(CC−CV放電)により、初期の放電容量が測定された。
CC−CV充電:電流=5A、CV電圧=4.1V、終止電流=50mA
CC−CV放電:電流=5A、CV電圧=3.0V、終止電流=50mA
25℃環境において、5Aの電流により電池が4.1Vまで充電された。5分間の休止を挟んで、5Aの電流により電池が3.0Vまで放電された。その後、以下の定電流−定電圧充電(CC−CV充電)、および定電流−定電圧放電(CC−CV放電)により、初期の放電容量が測定された。
CC−CV充電:電流=5A、CV電圧=4.1V、終止電流=50mA
CC−CV放電:電流=5A、CV電圧=3.0V、終止電流=50mA
《比較例1》
巻回電極群の表面に粘着層が配置されないことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
巻回電極群の表面に粘着層が配置されないことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
《比較例2》
樹脂の構成比率が100質量%とされる(すなわち絶縁性フィラーを含まない粘着層が形成される)ことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
樹脂の構成比率が100質量%とされる(すなわち絶縁性フィラーを含まない粘着層が形成される)ことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
《実施例2〜5、比較例5、6》
下記表1に示されるように、絶縁性フィラーのアスペクト比が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、絶縁性フィラーのアスペクト比が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
《比較例7》
下記表1に示されるように、樹脂の構成比率が変更されることを除いては、比較例6と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、樹脂の構成比率が変更されることを除いては、比較例6と同じ製造方法により電池が製造された。
《実施例7、8、比較例4、11》
下記表1に示されるように、樹脂の構成比率が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、樹脂の構成比率が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
《実施例9、10、比較例10》
下記表1に示されるように、樹脂の種類が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。「変性PE」は、水酸基が導入されたポリエチレンを示し、「変性PP」は、水酸基が導入されたポリプロピレンを示す。
下記表1に示されるように、樹脂の種類が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。「変性PE」は、水酸基が導入されたポリエチレンを示し、「変性PP」は、水酸基が導入されたポリプロピレンを示す。
《実施例11〜13、比較例9》
下記表1に示されるように、粘着層の厚さが変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
下記表1に示されるように、粘着層の厚さが変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
<釘刺し試験>
電池のSOC(State Of Charge)が100%に調整された。鋭利異物として、3mmの胴部径を有し、かつ1mmの尖端Rを有する釘が準備された。1mm/secの速度で、電池に釘が突き刺された。電池に釘が突き刺されてから1秒後の電圧降下量が測定された。結果は下記表1に示されている。電圧降下量が小さい程、電極バリと釘との間の微小短絡が抑制されていることを示している。
電池のSOC(State Of Charge)が100%に調整された。鋭利異物として、3mmの胴部径を有し、かつ1mmの尖端Rを有する釘が準備された。1mm/secの速度で、電池に釘が突き刺された。電池に釘が突き刺されてから1秒後の電圧降下量が測定された。結果は下記表1に示されている。電圧降下量が小さい程、電極バリと釘との間の微小短絡が抑制されていることを示している。
<結果>
上記表1に示されるように、粘着層が以下の(1)〜(5)の条件を満たす実施例は、同条件を満たさない比較例に比して、微小短絡が抑制されていた。
(1)粘着層が、10質量%以上90質量%以下の樹脂、および残部の絶縁性フィラーを含有する。
(2)粘着層が0.1mm以上の厚さを有する。
(3)粘着層が0.5N/m以上の剥離強度を有する。
(4)粘着層が0%以上25%以下の多孔度を有する。
(5)絶縁性フィラーがフレーク状であり、絶縁性フィラーのアスペクト比が3以上である。
上記表1に示されるように、粘着層が以下の(1)〜(5)の条件を満たす実施例は、同条件を満たさない比較例に比して、微小短絡が抑制されていた。
(1)粘着層が、10質量%以上90質量%以下の樹脂、および残部の絶縁性フィラーを含有する。
(2)粘着層が0.1mm以上の厚さを有する。
(3)粘着層が0.5N/m以上の剥離強度を有する。
(4)粘着層が0%以上25%以下の多孔度を有する。
(5)絶縁性フィラーがフレーク状であり、絶縁性フィラーのアスペクト比が3以上である。
《粘着層の厚さ》
実施例1、11〜13、比較例1、3、9の結果より、粘着層の厚さが0.1mm未満の場合に、電圧降下量が大きくなっている。粘着層の厚さが0.1mm未満になると、釘の表面を緻密に被覆できないためと考えられる。粘着層の厚さが大きくなるほど、電圧降下量が小さくなっている。釘の表面に転写される粘着層が厚くなることにより、短絡抵抗が増加していると考えられる。図7は、釘刺し試験における電圧降下量と、粘着層の厚さとの関係を示すグラフである。図7の横軸は対数目盛で表示されている。図7に示されるように、粘着層の厚さが0.1mm未満になると、電圧降下量が急激に大きくなっている。
実施例1、11〜13、比較例1、3、9の結果より、粘着層の厚さが0.1mm未満の場合に、電圧降下量が大きくなっている。粘着層の厚さが0.1mm未満になると、釘の表面を緻密に被覆できないためと考えられる。粘着層の厚さが大きくなるほど、電圧降下量が小さくなっている。釘の表面に転写される粘着層が厚くなることにより、短絡抵抗が増加していると考えられる。図7は、釘刺し試験における電圧降下量と、粘着層の厚さとの関係を示すグラフである。図7の横軸は対数目盛で表示されている。図7に示されるように、粘着層の厚さが0.1mm未満になると、電圧降下量が急激に大きくなっている。
《樹脂の構成比率》
実施例1、7、8、比較例2、4、9、11の結果より、樹脂の構成比率が10質量%以上90質量%以下の場合に、電圧降下量が小さくなっている。図8は、釘刺し試験における電圧降下量と、樹脂の構成比率との関係を示すグラフである。図8に示されるように、樹脂の構成比率が10質量%未満になると、電圧降下量が急激に大きくなっている。樹脂の不足により、剥離強度が低下し、粘着層が釘の表面に転写され難くなるためと考えられる。
実施例1、7、8、比較例2、4、9、11の結果より、樹脂の構成比率が10質量%以上90質量%以下の場合に、電圧降下量が小さくなっている。図8は、釘刺し試験における電圧降下量と、樹脂の構成比率との関係を示すグラフである。図8に示されるように、樹脂の構成比率が10質量%未満になると、電圧降下量が急激に大きくなっている。樹脂の不足により、剥離強度が低下し、粘着層が釘の表面に転写され難くなるためと考えられる。
比較例2は、電圧降下量が大きい。絶縁性フィラーが存在しないため、電極バリと釘との間の微小短絡を十分抑制できないものと考えられる。
《絶縁性フィラーのアスペクト比》
実施例1〜6、比較例5〜6の結果より、アスペクト比が3以上の場合に電圧降下量が小さくなっている。図9は、釘刺し試験における電圧降下量と、絶縁性フィラーのアスペクト比との関係を示すグラフである。アスペクト比が大きくなるほど、電圧降下量が小さくなっている。アスペクト比が大きくなる程、絶縁性フィラーが配向しやすくなるためと考えられる。
実施例1〜6、比較例5〜6の結果より、アスペクト比が3以上の場合に電圧降下量が小さくなっている。図9は、釘刺し試験における電圧降下量と、絶縁性フィラーのアスペクト比との関係を示すグラフである。アスペクト比が大きくなるほど、電圧降下量が小さくなっている。アスペクト比が大きくなる程、絶縁性フィラーが配向しやすくなるためと考えられる。
《粘着層の多孔度》
実施例1、7、比較例4、8、9の結果より、粘着層の多孔度が25%以下の場合に、電圧降下量が小さくなっている。一方、粘着層の多孔度が25%を超えると、電圧降下量が大きくなっている。釘が緻密に被覆されないため、釘と電極バリとの間で微小短絡が起こっていると考えられる。
実施例1、7、比較例4、8、9の結果より、粘着層の多孔度が25%以下の場合に、電圧降下量が小さくなっている。一方、粘着層の多孔度が25%を超えると、電圧降下量が大きくなっている。釘が緻密に被覆されないため、釘と電極バリとの間で微小短絡が起こっていると考えられる。
《樹脂の種類》
実施例1、9、10、比較例10の結果より、粘着層が上記(1)〜(5)の条件を満たす限り、樹脂の種類によらず、微小短絡の抑制効果が認められる。樹脂としてラテックスゴム(弾性ゴム)が使用された比較例10では、剥離強度の測定時に、粘着層が破断したため、剥離強度が測定できなかった。比較例10では、電圧降下量が大きくなっている。
実施例1、9、10、比較例10の結果より、粘着層が上記(1)〜(5)の条件を満たす限り、樹脂の種類によらず、微小短絡の抑制効果が認められる。樹脂としてラテックスゴム(弾性ゴム)が使用された比較例10では、剥離強度の測定時に、粘着層が破断したため、剥離強度が測定できなかった。比較例10では、電圧降下量が大きくなっている。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 正極、20 負極、30 セパレータ、40 巻回電極群、41,42 粘着層、41a 樹脂、41b 絶縁性フィラー、81 正極端子、82 負極端子、90 筐体、91 ケース、92 蓋、100 電池、200 鋭利異物、201 電極バリ。
Claims (1)
- 筐体、巻回電極群および粘着層
を少なくとも含み、
前記筐体は、前記巻回電極群および前記粘着層を収納しており、
前記粘着層は、前記巻回電極群の表面に配置されており、
前記粘着層は、10質量%以上90質量%以下の樹脂、および残部の絶縁性フィラーを含有し、
前記粘着層は、0.1mm以上の厚さを有し、
前記粘着層は、0.5N/m以上の剥離強度を有し、
前記粘着層は、0%以上25%以下の多孔度を有し、
前記絶縁性フィラーは、フレーク状であり、
前記絶縁性フィラーの厚さに対する前記絶縁性フィラーの最大径の比は3以上である、
二次電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020177598A1 (zh) * | 2019-03-01 | 2020-09-10 | 青海时代新能源科技有限公司 | 二次电池及其成型方法 |
JP2023516411A (ja) * | 2020-08-21 | 2023-04-19 | 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 | 電極組立体、電池セル、電池並びに電極組立体の製造方法及び装置 |
WO2023216223A1 (zh) * | 2022-05-13 | 2023-11-16 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电芯、电池单体、电池和用电设备 |
US11978862B2 (en) | 2018-11-05 | 2024-05-07 | Ningde Amperex Technology Limited | Electrochemical device |
-
2016
- 2016-12-22 JP JP2016249479A patent/JP2018106833A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US11245135B2 (en) | 2019-03-01 | 2022-02-08 | Qinghai Contemporary Amperex Technology Limited | Secondary battery with insulating tapes |
JP2023516411A (ja) * | 2020-08-21 | 2023-04-19 | 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司 | 電極組立体、電池セル、電池並びに電極組立体の製造方法及び装置 |
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