JP2018103570A - 製版ユニット - Google Patents

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真博 岩本
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真博 岩本
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Abstract

【課題】孔版印刷装置の製版に用いる孔版原紙のフィルム層表面の離型剤が、異物の基となる塵埃等をサーマルヘッドに搬送して転写させる媒体となるのを、抑制すること。【解決手段】ロールから繰り出された孔版原紙15がガイドローラ11を通過する際に、孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51の表面に塗工された離型剤53に、トルエンを含有する離型剤を塗布ヘッド40によって塗布する。そして、トルエンの塗布により溶解した離型剤53上を払拭ヘッド41の接触面に摺動させて、過剰に塗工された離型剤53の溶解した余剰部分を払拭ヘッド41によりぬぐい取る。【選択図】図5

Description

本発明は、サーマルヘッドにより孔版原紙に穿孔して製版する製版ユニットに関する。
従来より、印刷装置の一つとして孔版印刷装置が用いられている。この孔版印刷装置では、画像データに対して所定の画像処理及び画素値変換処理を施した後に二値化を行うことにより、二値化データを取得する。そして、取得した二値化データに基づいて、製版ユニットのサーマルヘッドを局所的に発熱させながら搬送中の孔版原紙のフィルム層に接触させて穿孔し製版する。さらに、製版した孔版原紙の穿孔部を介してインクを印刷媒体に転移させて印刷物を得る。
このような孔版印刷装置の製版ユニットにおいて、異物がサーマルヘッドに付着すると、異物が付着した箇所ではサーマルヘッドから孔版原紙への熱伝達が不十分となる。そのため、孔版原紙の搬送方向に沿って孔版原紙に穿孔不良(ドット抜け)箇所が発生する。穿孔不良が生じた孔版原紙で印刷物に画像を印刷すると、画像中の穿孔不良箇所に対応する箇所に白スジが生じてしまう。このため、孔版印刷装置の製版ユニットでは、サーマルヘッドへの異物の付着を防ぐことが重要である。
そこで、製版ユニットをカバーで覆い、カバーの内部にフィルタを介して空気を送風することで、異物の基となる塵埃を製版ユニットに侵入させないようにすることが提案されている(例えば、特許文献1)。この提案では、製版ユニットの外部の塵埃が異物としてサーマルヘッドに付着するのを防ぐことができる。
特許第2857563号公報
ところで、孔版原紙のフィルム層の表面には離型剤が塗工されている。この離型剤は、穿孔の際にサーマルヘッドに対して摺動する孔版原紙のフィルム層の滑りをよくするために、フィルム層の表面に塗工される。この離型剤によって、サーマルヘッドによる穿孔の際に熱で溶けたフィルムがサーマルヘッド上に残って融着し穿孔不良の原因となるのを防ぐことができる。
しかし、孔版原紙のフィルム層に離型剤が過剰に塗工されると、孔版原紙周辺の塵埃が離型剤に付着してサーマルヘッドに転写され、異物としてサーマルヘッドに付着し穿孔不良の原因となってしまう。このため、フィルム層に対する離型剤の塗工量は、適切な量に制限されていることが望ましい。
ところで、孔版原紙の生産時におけるフィルム層に対する離型剤の塗工量には、ある程度のばらつきが生じる。このため、場所によっては、フィルム層上の離型剤の塗工量が周りの部分よりも少ない箇所が生じる。そのような箇所でも離型剤を十分な塗工量で塗工しておかないと、サーマルヘッドによって穿孔される際に熱で溶けたフィルムがサーマルヘッドに融着するのを確実に防止することができない。このため、孔版原紙のフィルム層には、たとえ離型剤の塗工量が過剰となる箇所が生じるとしても、多めの量の離型剤を塗工する必要がある。
しかし、フィルム層に対して多めの量の離型剤を塗工すると、製版ユニットにおいて製版する際に、サーマルヘッドに向けて搬送される孔版原紙のフィルム層表面の離型剤に周辺の塵埃が付着してしまう可能性が増す。すると、サーマルヘッドを摺動する際に塵埃が離型剤と共にサーマルヘッドに転写して、孔版原紙の穿孔不良の原因となる可能性も増してしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、孔版印刷装置の製版に用いる孔版原紙のフィルム層表面の離型剤が、異物の基となる塵埃等をサーマルヘッドに搬送して転写させる媒体となるのを、抑制することができる製版ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の第1の態様による製版ユニットは、
ロールから繰り出された孔版原紙のフィルム層を、サーマルヘッドによって加熱穿孔して製版する製版ユニットにおいて、
前記ロール及び前記サーマルヘッド間に配置され、前記フィルム層の表面に塗工された離型剤に溶解液を塗布する塗布部と、
前記ロール及び前記サーマルヘッド間に配置され、前記溶解液の塗布により溶解された前記離型剤の表面から余剰部分をぬぐい取って該離型剤を所定の塗工厚さに均す払拭部と、
を備える。
また、本発明の第2の態様による製版ユニットは、本発明の第1の態様による製版ユニットにおいて、前記塗布部と前記払拭部とが一体に形成されている。
さらに、本発明の第3の態様による製版ユニットは、本発明の第1又は第2の態様による製版ユニットにおいて、前記離型剤はシリコーンオイルを含んでおり、前記溶解液は非水溶性有機溶剤を含んでいる。なお、非水溶性有機溶剤とは、1気圧20゜Cにおいて同容量の水と均一に混合しない有機溶剤を意味する。
なお、上述した本発明の第1、第2又は第3の態様による製版ユニットは、
ロールから繰り出された孔版原紙のフィルム層を、サーマルヘッドによって加熱穿孔して製版する製版ユニットと、
印刷用紙を1枚ずつ給紙する給紙ユニットと、
前記製版ユニットで製版した前記孔版原紙が装着され、前記給紙ユニットにより給紙された前記印刷用紙上に、前記孔版原紙の穿孔を通過したインクによって画像を印刷する印刷ユニットと、
を備える孔版印刷装置において、
前記製版ユニットとして用いることができる。
本発明によれば、孔版印刷装置の製版に用いる孔版原紙のフィルム層表面の離型剤が、異物の基となる塵埃等をサーマルヘッドに搬送して転写させる媒体となるのを、抑制することができる。
即ち、孔版原紙のフィルム層表面に塗工された離型剤は、フィルム層がサーマルヘッドによって穿孔される際に溶けたフィルムがサーマルヘッドに融着するのを確実に防止するのに十分な塗工厚さである必要がある。その一方、離型剤の塗工量が過剰であると、孔版原紙周辺の塵埃が離型剤に付着してサーマルヘッドに転写され、異物としてサーマルヘッドに付着し穿孔不良の原因となってしまう。
ところが、孔版原紙の生産時にはフィルム層への離型剤の塗工量がばらつくので、それでも、離型剤の塗工量が周りの部分よりも少ない箇所の離型剤の塗工厚さが必要な塗工厚さを満たすようにするには、それ以外の箇所に離型剤が必要な塗工厚さよりも厚く過剰に塗工されるとしても、多めの離型剤をフィルム層に塗工する必要がある。
これに対し、本発明の第1の態様による製版ユニットによれば、ロールから繰り出された孔版原紙がサーマルヘッドに送り込まれる前に、塗布部が、孔版原紙のフィルム層の表面に塗工された離型剤に溶解液を塗布する。そして、同じく孔版原紙がサーマルヘッドに送り込まれる前に、払拭部が、溶解液の塗布により溶解された離型剤の表面から余剰部分をぬぐい取って、離型剤を所定の塗工厚さに均す。
このため、孔版原紙は、フィルム層表面の離型剤が余剰部分をぬぐい取って所定の塗工厚さに均された状態で、サーマルヘッドに送り込まれることになる。
そこで、払拭部が離型剤を必要な塗工厚さに均すようにすることで、孔版原紙の生産時にはフィルム層に対する離型剤の塗工量のばらつきを抑制できなくても、余剰の離型剤を除去して必要最低限の塗工量とした孔版原紙をサーマルヘッドに送り込み、穿孔の際に溶けたフィルムのサーマルヘッドへの融着防止を図ることができる。
それと同時に、孔版原紙の離型剤が、サーマルヘッドに付着する異物の基となる孔版原紙周辺の塵埃等をサーマルヘッドに搬送して転写させる媒体となるのを、抑制することができる。
また、本発明の第2の態様による製版ユニットによれば、本発明の第1の態様による製版ユニットにおいて、塗布部と払拭部とが一体に形成されているので、塗布部が溶解液を塗布して溶解した離型剤の表面の余剰部分を払拭部が即座にぬぐい取ることになる。
このため、溶解液が揮発性の液体である場合でも、溶解液の塗布により離型剤の表面が溶解している間に、溶解した離型剤の表面の余剰部分を払拭部にぬぐい取らせることができる。
なお、本発明の第1又は第2の態様による製版ユニットにおいて、離型剤がシリコーンオイルを含んでいる場合、溶解液は、本発明の第3の態様による製版ユニットのように、1気圧20゜Cにおいて同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を含んでいるものとすることができる。
また、本発明の第1、第2又は第3の態様による製版ユニットを用いた孔版印刷装置でも、それらの製版ユニットによって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の製版ユニットを適用した本発明の一実施形態に係る孔版印刷装置の内部構成を示す概略断面図である。 図1の孔版原紙の拡大断面図である。 図2の熱可塑性フィルム層に図1のサーマルヘッドで穿孔して製版された切断前の孔版原紙を模式的に示すもので、(a)は正常に穿孔された孔版原紙の平面図、(b)は穿孔不良が発生した孔版原紙の平面図である。 図1の孔版印刷装置に設けられる本発明の一実施形態に係る製版機構を模式的に示す説明図である。 図4の塗布ヘッド及び払拭ヘッドによる孔版原紙の過剰な離型剤の除去動作を示す説明図である。 図1の孔版印刷装置に設けられる本発明の他の実施形態に係る製版機構を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の製版ユニットを孔版印刷装置に適用した場合を例に説明する。
(孔版印刷装置の全体構成)
図1は、本実施形態に係る孔版印刷装置の内部構成を示す概略断面図である。図1に示す孔版印刷装置1は、原稿読取機構2と、製版機構3と、印刷機構4と、給紙機構5と、排紙機構6と、排版機構7と、これらの各機構を制御する制御部8とを有している。
原稿読取機構2は、読取部の原稿載置領域に載置された原稿から画像を読み取り画像データを生成するものである。この原稿読取機構2は、CCD等の受光素子をライン上に並べた原稿画像読取用のラインセンサ、原稿照明用の光源、ラインセンサ及び光源を搭載したキャリッジ、キャリッジを原稿面に沿って搬送するモータ等を備えている。
原稿読取機構2で生成された原稿の画像データは、不図示の操作部から入力された印刷設定情報(拡大、縮小、印刷用紙の種類、印刷枚数等)と共に、印刷ジョブとして制御部8に送出される。制御部8には、原稿読取機構2からの印刷ジョブの他、孔版印刷装置1に接続された不図示のユーザ端末からの印刷ジョブも入力される。
制御部8では、原稿読取機構2やユーザ端末から入力された印刷ジョブの画像データが、印刷設定情報の拡大、縮小等の内容に基づいて加工される。加工された画像データは製版機構3に送出される。
製版機構3(請求項中の製版ユニットに相当)は、制御部8から入力される加工後の画像データに基づいて、長尺状の孔版原紙15に対して製版を行うものである。そして、製版機構3は、原紙ロール10に巻かれた孔版原紙15の搬送方向の下流に配置されたサーマルヘッド12と、このサーマルヘッド12と対向配置されたプラテンローラ13と、孔版原紙15の搬送方向の下流に配置された原紙カッタ14とを有する。
図2は孔版原紙15の拡大断面図である。孔版原紙15は、熱可塑性フィルム層51(請求項中のフィルム層に相当)を多孔性繊維層52に積層して構成されている。熱可塑性フィルム層51は、サーマルヘッド12によって穿孔される層で、通常、熱可塑性の樹脂フィルムから構成されている。多孔性繊維層52は、印刷用インクが通過可能な多孔性のものが使用されており、通常は製造コストが安価な和紙等が使用されている。多孔性繊維層52は、表面が粗く、熱可塑性フィルム層51よりも摩擦抵抗が大きい。
このように構成された孔版原紙15は、図1に示すように、ロールから繰り出された後にガイドローラ11を介してプラテンローラ13に搬送される。そして、プラテンローラ13によりサーマルヘッド12に圧接された孔版原紙15の図2に示す熱可塑性フィルム層51が、印刷ジョブの加工された画像データに基づいてサーマルヘッド12により穿孔される。この穿孔により、製版機構3において孔版原紙15が製版される。製版された孔版原紙15は印刷機構4に搬送される。
給紙機構5(請求項中の給紙ユニットに相当)は、印刷媒体である印刷用紙22が複数枚積層される給紙台23と、この給紙台23から最上位置の印刷用紙22に圧接するスクレーパ24と、このスクレーパ24の下流に配置され、かつ、互いに略近接状態で位置するピックアップロール25と、このピックアップロール25の下流に配置されたガイドロール27及びタイミングロール28とを有する。ガイドロール27及びタイミングロール28は、互いの外周面の一部を接触させてそれぞれ回転自在に設けられている。
給紙機構5においては、給紙台23より給紙される印刷用紙22がスクレーパ24によって1枚ずつ引き出され、ピックアップロール25に送り出される。送り出された印刷用紙22の先端は、ガイドロール27及びタイミングロール28の接触部分に突き当てられる。そして、印刷用紙22は、版胴16の回転に同期させて、ガイドロール27及びタイミングロール28により1枚ずつ印刷機構4に送り出される。
印刷機構4(請求項中の印刷ユニットに相当)は、版胴16及びプレスロール17を有している。版胴16の外周面には原紙クランプ部18が設けられており、製版機構3から印刷機構4に搬送された孔版原紙15の先端は、原紙クランプ部18に挿入される。そして、原紙クランプ部18を閉じ孔版原紙15の先端を原紙クランプ部18で把持した状態で、版胴16を図中の反時計回り方向に回転させることで、版胴16の外周面に孔版原紙15が巻装される。
なお、版胴16に巻装された孔版原紙15は、図2に示す熱可塑性フィルム層51が表面側に、多孔性繊維層52が裏面側(版胴16の外周面側)に配置される。また、孔版原紙15は、孔版原紙15の先端を原紙クランプ部18で挟持した版胴16を回転させる前に、製版機構3の原紙カッタ14によって、版胴16の一周分に応じた所定の長さに切断される。
版胴16の内周面には、プレスロール17の対向する位置にアウタープレス機構のスキージロール47が設けられている。一方、版胴16の外周面には、無数の孔が形成された開口面(有効印面)が形成されている。スキージロール47は版胴16の内周面上を転動しつつ、この開口面を通じて版胴16の内部のインクを版胴16の外部に供給する。スキージロール47により版胴16の外部に供給されたインクは、孔版原紙15の穿孔を通じて孔版原紙15の裏面側から表面側に供給される。
プレスロール17は、版胴16と互いの外周面の一部を接触させて回転自在に設けられている。給紙機構5から送り出された印刷用紙22は、版胴16の回転に同期して版胴16とプレスロール17との間を通過する。その際、印刷用紙22の先端は、給紙機構5から送り出されるタイミングの調整によって、版胴16に巻装された孔版原紙15の先端と同期して、版胴16とプレスロール17との間を通過する。
そして、版胴16とプレスロール17との間を通過する際に、孔版原紙15の表面側に供給されたインクが印刷用紙22に転写されることで、印刷用紙22に印刷ジョブの画像データに応じた画像が印刷される。
排紙機構6は、印刷機構4での印刷が完了した印刷用紙22を版胴16から剥ぎ取る用紙剥取爪32と、剥ぎ取られた印刷用紙22を搬送する用紙搬送機構33と、この用紙搬送機構33によって搬送されてきた印刷後の印刷用紙22を積層状態で載置するスタッカ部34とを有する。
排版機構7は、版胴16の原紙クランプ部18から解放された孔版原紙15の先端を導く排版誘導ベルト35と、この排版誘導ベルト35より導かれた孔版原紙15を版胴16から引き剥がしながら回収する排版ローラ36と、孔版原紙15の着版時に、孔版原紙15が排版ローラ36に接触するのを防ぐ汚染防止ガイド38と、排版ローラ36によって回収される孔版原紙15を収納する排版ボックス37とを有する。
(孔版原紙の詳細構成)
以上に説明した概略構成を有する本実施形態の孔版印刷装置1では、図1に示す製版機構3のサーマルヘッド12により孔版原紙15に穿孔する際に、孔版原紙15の搬送方向Xに沿って孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51(図2)がサーマルヘッド12上を摺動する。
その際に、サーマルヘッド12の熱で溶けた熱可塑性フィルム層51がサーマルヘッド12の摺動面に融着すると、融着した樹脂が摺動面の発熱抵抗素子(図示せず)の露出部分を塞ぐ可能性がある。発熱抵抗素子の露出部分が塞がれると、サーマルヘッド12から熱可塑性フィルム層51への熱伝達が不十分となり、孔版原紙15の穿孔不良が発生してしまう。この穿孔不良は、孔版原紙15の搬送方向Xに沿って継続して発生する。
図3は熱可塑性フィルム層51にサーマルヘッド12で穿孔して製版された切断前の孔版原紙15を模式的に示すもので、(a)は正常に穿孔された孔版原紙15の平面図、(b)は穿孔不良が発生した孔版原紙15の平面図である。
孔版原紙15の穿孔不良が発生すると、製版された孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51には、図3(b)の平面図に示すように、印刷ジョブの画像データに対応する穿孔パターン54(本実施形態ではアルファベットの「A」)中に、帯状の穿孔不良箇所55が生じてしまう。この孔版原紙15を用いて印刷用紙22に画像を印刷すると、画像中の穿孔不良箇所55に対応する箇所に白スジが生じてしまう。
そこで、孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51の表面には、熱可塑性フィルム層51をサーマルヘッド12上でスムーズに摺動させるために、図2に示すように、離型剤53が塗工される。離型剤53としては、シリコーン系、フッ素系、ワックス系、または界面活性剤系の1種または2種以上からなる離型剤等を用いることができる。なお、離型剤53の形態は、エマルジョン型、オイル型、溶液型、焼き付け型、スプレー型等のいずれの形態であってもよい。中でも、シリコーンオイルを含んだシリコーン系離型剤は、熱で溶融することがなく製版後の画線部をしっかりと保持することができるので、離型剤53として好ましく用いられる。
そして、離型剤53の塗工により熱可塑性フィルム層51をサーマルヘッド12上でスムーズに摺動させることで、製版された孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51に、図3(a)の平面図に示すように、印刷ジョブの画像データに対応する穿孔パターン54を正常に形成することができる。
(離型剤の塗工状態)
ところで、孔版原紙15の生産時における熱可塑性フィルム層51に対する離型剤53の塗工量には、図2に示すように、ある程度のばらつきが生じる。このため、熱可塑性フィルム層51上の場所によっては、離型剤53の塗工量が周りの部分よりも少ない箇所が生じる。
しかし、そのような箇所でも離型剤53が十分な塗工量で塗工されているようにしておかないと、サーマルヘッド12による穿孔の際に、溶けた熱可塑性フィルム層51のサーマルヘッド12への融着を確実に防止することができない。このため、離型剤53の塗工量が周りの箇所よりも多い箇所では、たとえ離型剤53の塗工量が過剰となってしまうとしても、熱可塑性フィルム層51の表面には十分な量の離型剤53を塗工する必要がある。
一方、熱可塑性フィルム層51の表面に離型剤53が過剰に塗工されると、孔版原紙15周辺の塵埃が離型剤53に付着してサーマルヘッド12に転写され、異物としてサーマルヘッド12に付着しやすくなって、孔版原紙15の穿孔不良の原因となってしまう。このため、熱可塑性フィルム層51に対する離型剤53の塗工量は、溶けた熱可塑性フィルム層51がサーマルヘッド12に融着するのを防ぐのに十分な量で、なおかつ、過剰とならないような、適切な量に制限されていることが望ましい。
ところが、孔版原紙15の生産時に離型剤53を塗工量がばらつかないように塗工することは現実的に難しい。したがって、離型剤53が周りの箇所よりも多く塗工される箇所では、離型剤53の塗工量が過剰となる可能性もある。そのような箇所では、孔版原紙15の搬送経路の周辺を漂う塵埃が離型剤53に付着してサーマルヘッド12の摺動面に転写され、サーマルヘッド12から熱可塑性フィルム層51への熱伝達が不十分となって、孔版原紙15の穿孔不良が発生しやすくなる。
(離型剤の塗工量を調整するための構成)
そこで、本実施形態の孔版印刷装置1では、熱可塑性フィルム層51の表面に対する離型剤53の塗工量を調整するための構成を、製版機構3に設けるようにした。以下、そのための構成について、図4及び図5を参照して説明する。
まず、図4は孔版印刷装置1に設けられる本発明の一実施形態に係る製版機構3の要部を模式的に示す説明図である。本実施形態の孔版印刷装置1では、図4に示すように、製版機構3のガイドローラ11を通過する孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51側に、塗工量調整部39を配置している。この塗工量調整部39は、熱可塑性フィルム層51の表面から余剰の離型剤53を除去するもので、塗布ヘッド40及び払拭ヘッド41を配置している。
次に、図5は塗布ヘッド40及び払拭ヘッド41による孔版原紙15の過剰な離型剤53の除去動作を示す説明図である。本実施形態の孔版印刷装置1では、図5に示すように、塗布ヘッド40(請求項中の塗布部に相当)は、払拭ヘッド41(請求項中の払拭部に相当)よりも孔版原紙15の搬送方向Xにおける上流側(ロール側)に配置されている。
塗布ヘッド40の先端には、熱可塑性フィルム層51の表面に塗工された離型剤53に溶解液を塗布する塗布面が設けられている。本実施形態の塗布ヘッド40は、トルエンの貯留タンク部(図示せず)に貯留したトルエンを含有する液体を、溶解液として離型剤53の表面に塗布する。
離型剤53がシリコーンオイルを含有している場合、溶解液としては、極性の小さいシリコーンオイルに合わせて、無極性又は極性が小さい溶剤を用いることが好ましい。より好ましくは、例えば、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素溶剤、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶剤、n−ヘキサンやn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤、ジイソプロピルエーテルやヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、エチルアセテート、ブチルアセテート、イソプロピルラウレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート等のエステル系溶剤、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ラウリルアルコール等の高級アルコール系溶剤、及びこれらの混合物であるソルベントナフサ、工業用ガソリン、ミネラルスピリット、ケロシン等の石油系炭化水素溶剤等の非水溶性有機溶剤が、シリコーンオイルを含む離型剤53の溶解液に用いる溶剤として好ましい。
塗布ヘッド40による離型剤53の表面へのトルエンの塗布は、例えば、離型剤53の表面をなぞる刷毛やスポンジ、可撓性を有するゴム板によるスキージブレード等によって行っても良く、ノズルからトルエンを噴霧状に噴出させることで行っても良い。あるいは、伸縮性を有し離型剤53の表面に弾接してトルエンを転写する転写ローラによって塗布ヘッド40を構成しても良い。なお、トルエンは揮発性が高いため、塗布ヘッド40の全体は、塗布面を除いて密閉されている。
一方、払拭ヘッド41の先端には、離型剤53の表面を拭き上げる接触面が設けられている。本実施形態の払拭ヘッド41は、孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51の表面から所定の間隔をおいて、トルエンの塗布により溶解した離型剤53上を摺動する。なお、払拭ヘッド41は、例えば、可撓性を有するゴム板によるスキージブレード等によって構成することができる。
(作用・効果)
このように構成された本実施形態の製版機構3では、孔版原紙15の熱可塑性フィルム層51に塗工された離型剤53の塗工厚さにばらつきがあって、場所によっては離型剤53が過剰に塗工されている場合に、熱可塑性フィルム層51の表面から一定の間隔をおいて離型剤53上を摺動する払拭ヘッド41が、トルエンの塗布により溶解した離型剤53の余剰部分をぬぐい取る。
このため、ガイドローラ11と払拭ヘッド41との間を通過した孔版原紙15の離型剤53の塗工量は、熱可塑性フィルム層51の表面と払拭ヘッド41との間隔に対応する所定の塗工厚さに均される。そこで、均された後の離型剤53の塗工厚さが、熱可塑性フィルム層51がサーマルヘッド12によって穿孔される際に溶けたフィルムがサーマルヘッド12に融着するのを確実に防止するのに必要な最小限の塗工厚さとなるように、熱可塑性フィルム層51の表面と払拭ヘッド41との間隔を調整する。
これにより、孔版原紙15の生産時には熱可塑性フィルム層51に対する離型剤53の塗工量のばらつきを抑制できなくても、余剰の離型剤53を除去して必要最低限の塗工量とした孔版原紙15をサーマルヘッド12に送り込み、穿孔の際に熱で溶けた熱可塑性フィルム層51のサーマルヘッド12への融着防止を図ることができる。
それと同時に、孔版原紙15の離型剤53が、サーマルヘッド12に付着する異物の基となる孔版原紙15周辺の塵埃等をサーマルヘッド12に搬送して転写させる媒体となるのを、抑制することができる。
なお、孔版印刷装置1に設けられる本発明の他の実施形態に係る製版機構3の要部を模式的に示す図6の説明図のように、塗布ヘッド40及び払拭ヘッド41を一体に形成して、塗布ヘッド40がトルエンを塗布して溶解した離型剤53の表面の余剰部分を払拭ヘッド41が即座にぬぐい取るように構成しても良い。
その場合は、トルエンのように揮発性が強い液体を溶解液として用いても、トルエンが揮発して離型剤53の表面が再び固化する前に、トルエンの塗布により溶解した離型剤53の表面の余剰部分を、払拭ヘッド41により素早くぬぐい取らせることができる。
そして、上述した各実施形態の製版機構3を孔版印刷装置1に設けることで、図3(b)に示すような穿孔不良箇所55のない、図3(a)に示すような正常な穿孔パターン54を熱可塑性フィルム層51に形成し、印刷ジョブの画像データに対応する正しい画像を印刷用紙22に印刷させることができる。
なお、上述した実施形態では、トルエンを含有する液体を溶解液として用いたが、孔版原紙15の離型剤53がシリコーンオイルを含んでいる場合は、溶解液として、トルエンを含有する液体の他、1気圧20゜Cにおいて同容量の水と均一に混合しない非水溶性有機溶剤を含有する液体を用いてもよい。
1 孔版印刷装置
2 原稿読取機構
3 製版機構
4 印刷機構
5 給紙機構
6 排紙機構
7 排版機構
8 制御部
10 原紙ロール
11 ガイドローラ
12 サーマルヘッド
13 プラテンローラ
14 原紙カッタ
15 孔版原紙
16 版胴
17 プレスロール
18 原紙クランプ部
22 印刷用紙
23 給紙台
24 スクレーパ
25 ピックアップロール
27 ガイドロール
28 タイミングロール
32 用紙剥取爪
33 用紙搬送機構
34 スタッカ部
35 排版誘導ベルト
36 排版ローラ
37 排版ボックス
38 汚染防止ガイド
39 塗工量調整部
40 塗布ヘッド
41 払拭ヘッド
47 スキージロール
51 熱可塑性フィルム層
52 多孔性繊維層
53 離型剤
54 穿孔パターン
55 穿孔不良箇所
X 搬送方向

Claims (3)

  1. ロールから繰り出された孔版原紙のフィルム層を、サーマルヘッドによって加熱穿孔して製版する製版ユニットにおいて、
    前記ロール及び前記サーマルヘッド間に配置され、前記フィルム層の表面に塗工された離型剤に溶解液を塗布する塗布部と、
    前記ロール及び前記サーマルヘッド間に配置され、前記溶解液の塗布により溶解された前記離型剤の表面から余剰部分をぬぐい取って該離型剤を所定の塗工厚さに均す払拭部と、
    を備える製版ユニット。
  2. 前記塗布部と前記払拭部とが一体に形成されている請求項1記載の製版ユニット。
  3. 前記離型剤はシリコーンオイルを含んでおり、前記溶解液は非水溶性有機溶剤を含んでいる請求項1又は2記載の製版ユニット。
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