JP2018083217A - 摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内隅の接合部における金属不足を防ぐことができる摩擦攪拌接合方法を提供することを課題とする。【解決手段】攪拌ピンF2を備えた回転ツールFを用いて第一金属部材10と第二金属部材20とを接合する摩擦攪拌接合方法であって、第一金属部材10及び表面の高さが変化する第二金属部材20を突き合わせて、第一金属部材10の端面と第二金属部材20の表面とで形成される内隅を形成しつつ、高さが変化する突合せ部J1を形成する突合せ工程と、第一金属部材10と第二金属部材20との内隅に沿って補助部材30を配置する配置工程と、内隅に回転する回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入して、攪拌ピンF2のみを第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30に接触させた状態で内隅に沿って摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、摩擦攪拌接合方法に関する。
特許文献1に記載された従来技術では、金属部材同士を断面視L字状に突き合わせ、内隅に沿って回転ツールを相対移動させて摩擦攪拌接合を行っている。
特開2015−120203号公報
従来技術では、回転ツールの攪拌ピンのみを内隅に挿入するため、塑性流動化した金属が外部に溢れ出し、接合部(塑性化領域)が金属不足になるおそれがある。
そこで、本発明は、内隅の接合部における金属不足を防ぐことができる摩擦攪拌接合方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、攪拌ピンを備えた本接合用回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する摩擦攪拌接合方法であって、前記第一金属部材及び表面の高さが変化する前記第二金属部材を突き合わせて、前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の表面とで形成される内隅を形成しつつ、高さが変化する突合せ部を形成する突合せ工程と、前記内隅に沿って補助部材を配置する配置工程と、前記内隅に回転する前記本接合用回転ツールの前記攪拌ピンを挿入して、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記内隅に沿って摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、第一金属部材及び第二金属部材に加え、補助部材も攪拌ピンに接触させた状態で摩擦攪拌接合するため、接合部の金属不足を防ぐことができる。また、突合せ部の高さが変化する内隅においても好適に接合することができる。
また、バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことが好ましい。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、バリを補助部材ごと除去することができる。
また、前記本接合工程では、摩擦攪拌で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、バリを補助部材に集約できるので、バリをより容易に除去することができる。
また、前記配置工程では、前記第二金属部材の表面に前記補助部材を面接触させ、前記第一金属部材の表面よりも前記補助部材の表面が低い位置となるように前記補助部材を配置することが好ましい。また、前記配置工程では、前記第一金属部材の端面に前記補助部材を面接触させるとともに前記補助部材の端面が前記第一金属部材の表面よりも高い位置となるように前記補助部材を配置することが好ましい。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、補助部材を容易に除去することができる。
また、前記本接合工程の前に、仮接合用回転ツールの攪拌ピンのみを前記内隅に挿入し、少なくとも前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方と前記補助部材とをスポットで摩擦攪拌接合する仮接合工程を含むことが好ましい。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、入熱量を少なくすることができるので、第一金属部材及び第二金属部材の熱歪みを小さくすることができるとともに、仮接合工程を短時間で行うことができる。
また、前記仮接合用回転ツール及び前記本接合用回転ツールは同一の回転ツールであることが好ましい。
かかる摩擦攪拌接合方法によれば、工程ごとに回転ツールを変更する必要がないため、接合サイクルを短くすることができる。
本発明に係る摩擦攪拌接合方法によれば、内隅の接合部における金属不足を防ぐことができる。
本発明の第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の準備工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の配置工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の仮接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の仮接合工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の本接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の本接合工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の除去工程を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の配置工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の配置工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の仮接合工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の仮接合工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の本接合工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法の除去工程を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法について、図面を用いて詳細に説明する。第一実施形態では、厚さの異なる二つの金属部材(第一金属部材と第二金属部材)を接合する。第一金属部材及び第二金属部材は、ともに表面に凸部を有しており、表面の高さが変化している。本実施形態に係る摩擦攪拌接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、配置工程と、仮接合工程と、本接合工程と、除去工程と、を行う。なお、以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面という意味である。
準備工程は、図1に示すように、厚さの異なる第一金属部材10と第二金属部材20とを準備する工程である。第一金属部材10及び第二金属部材20は、アルミニウム合金製の板状部材である。第一金属部材10及び第二金属部材20の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。
第一金属部材10は、直方体を呈する本体部11と、本体部11の上に形成され断面台形状を呈する凸部12とで構成されている。凸部12は、本体部11の中央に配置されている。凸部12の表面12aは、本体部11の表面11a,11bよりも上方に位置している。凸部12の第一傾斜表面12bは、台形の斜辺部に相当する部分であって本体部11の表面11aと凸部12の表面12aとを連結している。また、凸部12の第二傾斜表面12cは、台形の斜辺部に相当する部分であって本体部11の表面11bと凸部12の表面12aとを連結している。
第二金属部材20は、直方体を呈する本体部21と、本体部21の上に形成され断面台形状を呈する凸部22とで構成されている。凸部22は、本体部21の中央に配置されている。第二金属部材20の本体部21の厚さは、第一金属部材10の本体部11の厚さより薄い。凸部22の形状は、凸部12と同等である。凸部22の表面22aは、本体部21の表面21a,21bよりも上方に位置している。凸部22の第一傾斜表面22bは、台形の斜辺部に相当する部分であって本体部21の表面21aと凸部22の表面22aとを連結している。また、凸部22の第二傾斜表面22cは、台形の斜辺部に相当する部分であって本体部21の表面21bと凸部22の表面22aとを連結している。
突合せ工程は、第一金属部材10と第二金属部材20とを突き合わせる工程である。突合せ工程では、図1及び図2に示すように、第一金属部材10の端面10aと第二金属部材20の端面20aとを突き合わせる。このとき、第一金属部材10の裏面(下面)10cと第二金属部材20の裏面(下面)20cとを面一とするので、第一金属部材10の本体部11の各表面(上面)11a,11bが、第二金属部材20の本体部21の各表面(上面)21a,21bより上方に位置している。また、第一金属部材10の凸部12の各表面(上面)12a,12b,12cが、対応する第二金属部材20の凸部22の各表面(上面)22a,22b,22cよりそれぞれ上方に位置している。また、第一金属部材10の側面10dと第二金属部材20の側面20dとを面一とする。
突合せ工程によって端面10a,20aが面接触して突合せ部J1が形成される。突合せ部J1はその高さ位置が変化するように形成される。突合せ部J1の端部(第二金属部材20の厚さ方向上端部)には、第一金属部材10の端面10aと第二金属部材20の各表面21a,22b,22a,22c,21bとによって内隅が形成される。内隅は、摩擦攪拌の始点(挿入位置)の高さ(標高)を基準高さとすると、始点から終点に至るまでに基準高さと高さの異なる区間が存在している。本実施形態では、内隅は、第一平部Caと、第一傾斜部Cbと、第二平部Ccと、第二傾斜部Cdと、第三平部Ceとで構成されている。
また、突合せ工程では、タブ材T,Tを配置する。タブ材Tは、第二金属部材20の本体部21の厚さと同じ厚さになっている。突合せ工程では、タブ材T,Tを内隅の延在方向の両端に配置する。タブ材Tの表面Taは、第二金属部材2の表面21a,21bと面一にする。また、タブ材Tの裏面Tbは、第一金属部材1の裏面10c及び第二金属部材2の裏面20cと面一にする。
配置工程は、内隅に補助部材30を配置する工程である。図2に示すように、補助部材30は、金属材料であって板状を呈する。補助部材30は、第一金属部材10及び第二金属部材20と同じ材料であることが好ましい。補助部材30は、第二金属部材20の表面に面接触する形状になっている。補助部材30の厚さは、本接合工程を終えた後に、接合部(塑性化領域)に金属不足が発生しない程度に設定する。
配置工程では、補助部材30の側面30cを第一金属部材10の端面10aに突き合わせるとともに、図3に示すように、補助部材30の裏面30bを第二金属部材20の表面に面接触させる。補助部材30の表面30aは、第一金属部材10の表面よりも低い位置となっている。
仮接合工程は、図4に示すように、回転ツールF(仮接合用回転ツール)を用いて内隅に対して仮接合を行う工程である。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。回転ツールFは、連結部F1と攪拌ピンF2とを備えている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈する。
攪拌ピンF2は、連結部F1から延在しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。第一実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
仮接合工程では、図5に示すように、右回転させた回転ツールFの攪拌ピンF2のみを突合せ部J1の端部の内隅に接触させてスポット仮付けを行う。仮接合工程では、所定の間隔をあけて攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に浅く押し込んでいく。このとき、攪拌ピンF2が第一金属部材10の端面10aの上部に干渉しないように、回転ツールFを傾斜させる。回転ツールFは、連結部F1が第二金属部材20側になるように傾斜させる。攪拌ピンF2の押し込み跡には、点状の塑性化領域W1が形成される。
回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたアームロボット(図示せず)に取り付けられることが好ましい。これにより、回転ツールFの回転中心軸を傾けることができるため、容易に内隅のスポット仮付けを行うことができる。
また、仮接合工程では、第一金属部材10とタブ材Tとの突合せ部及び第二金属部材20とタブ材Tとの突合せ部に対してもスポット仮付けを行い、タブ材Tと第一金属部材10及び第二金属部材20とを仮接合する。
本接合工程は、図6に示すように、回転ツールF(本接合用回転ツール)を用いて突合せ部J1の内隅に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本接合工程では、一方のタブ材Tに設定した開始位置Spに右回転させた回転ツールFを挿入した後、突合せ部J1の内隅に沿って回転ツールFを相対移動させる。本接合工程では、回転ツールFの進行方向右側に補助部材30が位置するように設定している。本接合工程では、攪拌ピンF2のみを第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。
タブ材T上では、回転ツールFの回転中心軸がタブ材Tの表面Taに直交した状態で回転ツールFを移動させる。回転ツールFが内隅の近傍まで移動すると、回転ツールFを第二金属部材20側(表面が低い金属部材側)に傾斜させる。図7に示すように、本実施形態では、回転ツールFの回転中心軸が、第二金属部材20の表面22aに対して45〜60°程度傾斜しており、攪拌ピンF2の先端部が、第一金属部材10と第二金属部材20との突合せ面(第一金属部材10の端面10aと第二金属部材20の端面20aとの当接面)から離れすぎないようになっている。
回転ツールFが内隅から離反して他方のタブ材T上に移動すると、回転ツールFの回転中心軸をタブ材Tの表面Taに直交する状態に戻す。回転ツールFが他方のタブ材Tに設定した終了位置に達したら、タブ材Tから回転ツールFを離脱させる。以上の工程によって、回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W2が形成される。
第一実施形態に係る本接合工程では、突合せ部J1の内隅に対する攪拌ピンF2の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ、攪拌ピンF2のみを第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30に接触させた状態で摩擦攪拌を行う。また、第一金属部材10の端面10aを正面から見た場合、回転ツールFの回転中心軸と鉛直方向とが平行になるようにして回転ツールFを相対移動させる。
第一実施形態に係る本接合工程では、第一金属部材10と第二金属部材20とを固定された架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させることにより摩擦攪拌を行う。これにより、塑性化領域W2の深さをほぼ同等にすることができる。攪拌ピンF2の「挿入深さ」とは、回転ツールFの回転中心軸上における第二金属部材20の表面から攪拌ピンF2の先端までの距離を意味する。
なお、第一実施形態に係る本接合工程では、架台(図示省略)に対して回転ツールFを上下動させたが、回転ツールFの高さ位置を固定して、架台を上下動させることにより摩擦攪拌を行ってもよい。
図6及び図7に示すように、本接合工程では、回転ツールFを右回転させつつ、補助部材30が進行方向右側に位置するように回転ツールFの回転方向及び進行方向を設定する。例えば、回転ツールFの回転速度が遅い場合では、フロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W2外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、例えば、回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
本実施形態では、回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、図7に示すように、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。つまり、補助部材30にバリVを集約させることができる。また、回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
摩擦攪拌工程の際に、回転ツールFの進行方向のどちら側にバリVが発生するかは接合条件によって異なる。当該接合条件とは、回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30の材質、補助部材30の厚さ等の各要素とこれらの要素の組合せで決定される。接合条件に応じて、バリVが発生する側又はバリVが多く発生する側が、補助部材30側となるように設定すれば、後記する除去工程を容易に行うことができるため好ましい。
除去工程は、図8に示すように、第一金属部材10及び第二金属部材20から補助部材30を除去する工程である。除去工程では、第二金属部材20から離間する方向に補助部材30を折り曲げるようにして、切除する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
以上説明した第一実施形態に係る摩擦攪拌接合方法によれば、第一金属部材10及び第二金属部材20に加え、補助部材30も攪拌ピンF2に接触させた状態で摩擦攪拌接合するため、接合部(塑性化領域W2)の金属不足を防ぐことができる。また、第二金属部材20の表面の形状に合わせて補助部材30の形状を形成したので、突合せ部J1の高さが変化する内隅においても好適に接合することができる。
また、本実施形態によれば、バリVが集約された補助部材30を第一金属部材10及び第二金属部材20から除去することができる。これによれば、バリVを補助部材30ごと容易に除去することができる。
また、本実施形態のように、スポット仮付けで仮接合工程を行うため、入熱量を低くすることができる。これにより、第一金属部材10及び第二金属部材20の熱歪みを小さくすることができる。また、本実施形態によれば、仮接合工程を短時間で行うことができる。また、仮接合工程と本接合工程とで同一の回転ツールFを用いている。これにより、各工程で回転ツールの交換を行う必要が無いため作業効率を高めることができる。
また、本接合工程においても攪拌ピンF2のみを第一金属部材10、第二金属部材20及び補助部材30に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことにより、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減した状態で、突合せ部J1の深い位置を接合することができる。さらに、仮接合工程及び本接合工程の両工程で攪拌ピンF2のみを挿入するため、入熱量をより低く抑えて熱歪みを小さくすることができる。
また、本接合工程では、高さが変化する突合せ部J1の内隅に対する攪拌ピンF2の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ摩擦攪拌を行っているため、接合部の接合強度をほぼ一定に保つことができる。
以上本発明の第一実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、仮接合工程と、本接合工程とで異なる回転ツールを用いてもよい。また、本実施形態では、本接合工程について、第一金属部材10の端面10aを正面から見た場合、回転ツールFの回転中心軸と鉛直方向とが平行になるように摩擦攪拌接合を行った。本接合工程では、第一金属部材10の端面10aを正面から見た場合、回転ツールFの回転中心軸と第一傾斜表面22b及び第二傾斜表面22cとが垂直になるようにしつつ、本接合工程の塑性化領域W2の深さが一定になるように調節してもよい。また、仮接合工程では、摩擦攪拌に代えて溶接で行ってもよい。溶接の種類は問わないが、例えば、レーザー溶接、TIG溶接又はMIG溶接で行うことができる。また、仮接合工程では、第一金属部材10と第二金属部材20と補助部材30とをスポット仮付けしたが、第一金属部材10と補助部材30のみを仮付けするだけでもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法について説明する。第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、配置工程と、仮接合工程と、本接合工程と、除去工程とを行う。第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法では、補助部材の配置方法が第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。図9に示すように、準備工程及び突合せ工程は、第一実施形態と共通である。
配置工程は、補助部材40を配置する工程である。補助部材40は、第一金属部材10及び第二金属部材20と同じ材料からなる板状部材である。補助部材40の下部には切欠き部41が形成されている。切欠き部41は、第二金属部材20の凸部22と隙間なく当接する形状になっている。配置工程では、図10A及び図10Bに示すように、第一金属部材10と第二金属部材20の内隅に沿って補助部材40を立てて配置する。
配置工程では、図10Bに示すように、補助部材40の表面40aと第一金属部材10の端面10aとを面接触させつつ、補助部材40の一方端面40dと第二金属部材20の表面とを当接させる。補助部材40の他方端面40cは、第一金属部材10の表面よりも上方に位置するようになっている。
仮接合工程は、図11に示すように、回転ツールF(仮接合用回転ツール)を用いて内隅に対して仮接合を行う工程である。仮接合工程では、左回転させた回転ツールFの攪拌ピンF2のみを突合せ部J1の端部の内隅に接触させてスポット仮付けを行う。仮接合工程では、所定の間隔をあけて攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に浅く押し込んでいく。図12に示すように、回転ツールFは、連結部F1が第二金属部材20側になるように傾斜させる。攪拌ピンF2の押し込み跡には、塑性化領域W1が形成される。
本接合工程は、図13に示すように、回転ツールF(本接合用回転ツール)を用いて突合せ部J1の内隅に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。本実施形態の本接合工程では、進行方向左側に補助部材40を位置させ、回転ツールFを左回転させる。これにより、回転ツールFの進行方向右側がシアー側となり、左側がフロー側となる。本実施形態では、回転ツールFを高速回転させるため、摩擦攪拌によって発生するバリVは補助部材40に集約される。
除去工程は、図14に示すように、第一金属部材10及び第二金属部材20から補助部材40を除去する工程である。除去工程では、第一金属部材10から離間する方向に補助部材40を折り曲げるようにして、切除する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
以上説明した第二実施形態に係る摩擦攪拌接合方法によっても第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。本実施形態の配置工程では、補助部材40の他方端面40cが第一金属部材10の表面よりも上方に位置するようになっているため、補助部材40を容易に折り曲げることができる。これにより、除去工程を容易に行うことができる。なお、仮接合工程では、第一金属部材10と第二金属部材20と補助部材40とをスポット仮付けしたが、第二金属部材20と補助部材40のみを仮付けするだけでもよい。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、第一金属部材及び第二金属部材は、互いに異なる形状であってもよい。また、第一金属部材及び第二金属部材は、同形状の部材をずらして突き合わせてもよい。また、仮接合工程の前に、第一金属部材10と第二金属部材20との突合せ部J1に対して、摩擦攪拌又は溶接で予備接合を行ってもよい。予備接合は、突合せ部J1を全体的に接合してもよいし、スポット仮接合であってもよい。これにより、配置工程及び仮接合工程の際に第一金属部材10及び第二金属部材20の目開きを防ぐことができる。
10 第一金属部材
20 第二金属部材
F 回転ツール(仮接合用回転ツール、本接合用回転ツール)
F2 攪拌ピン
J1 突合せ部
T タブ材
W1 塑性化領域
W2 塑性化領域

Claims (7)

  1. 攪拌ピンを備えた本接合用回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する摩擦攪拌接合方法であって、
    前記第一金属部材及び表面の高さが変化する前記第二金属部材を突き合わせて、前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の表面とで形成される内隅を形成しつつ、高さが変化する突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記内隅に沿って補助部材を配置する配置工程と、
    前記内隅に回転する前記本接合用回転ツールの前記攪拌ピンを挿入して、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記内隅に沿って摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含むことを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
  2. バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
  3. 前記本接合工程では、摩擦攪拌で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合方法。
  4. 前記配置工程では、前記第二金属部材の表面に前記補助部材を面接触させ、前記第一金属部材の表面よりも前記補助部材の表面が低い位置となるように前記補助部材を配置することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の摩擦攪拌接合方法。
  5. 前記配置工程では、前記第一金属部材の端面に前記補助部材を面接触させるとともに前記補助部材の端面が前記第一金属部材の表面よりも高い位置となるように前記補助部材を配置することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の摩擦攪拌接合方法。
  6. 前記本接合工程の前に、仮接合用回転ツールの攪拌ピンのみを前記内隅に挿入し、
    少なくとも前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方と前記補助部材とをスポットで摩擦攪拌接合する仮接合工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の摩擦攪拌接合方法。
  7. 前記仮接合用回転ツール及び前記本接合用回転ツールは同一の回転ツールであることを特徴とする請求項6に記載の摩擦攪拌接合方法。
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