JP2018082091A - コイル装置 - Google Patents

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信雄 ▲高▼木
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瞬 芦澤
Shun Ashizawa
瞬 芦澤
一輝 柿崎
Kazuki Kakizaki
一輝 柿崎
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Hiroyuki Abe
裕之 阿部
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Abstract

【課題】直流重畳特性を改善することが可能なコイル装置を提供すること。【解決手段】仮想の巻軸Zに沿ってコイル状に巻回してあるコイル要素片6あ、6bを有するコイル部6と、コイル部を覆うコア部と、を有するコイル装置である。コイル要素片6a,6bが、巻軸に対して略垂直な平面部8a,8bを持ち、内周側に位置するコイル要素片6a,6bの巻軸方向の端部に、平面部8a,8bに対して傾斜する内側傾斜部20a,20bを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばインダクタ素子などに用いられるコイル装置に関する。
各種の電子・電気機器には、コイル部を備えるインダクタ素子が搭載されている。たとえば、そのようなコイル部の一例として、特許文献1に示すコイル部が提案されている。この特許文献1に示すコイル部は、断面が長方形で長尺状の導電性帯体を、曲げ加工により、帯体の厚さ方向が巻軸方向と平行に向けられて巻軸方向に巻かれている。この特許文献1では、帯体の折り曲げる方向を工夫することで、コア部を圧粉成形する際のコイル部の変形を防止している。
しかしながら、このように巻軸方向と略垂直な平面部を持つ導電性帯体でコイル部を構成している従来のコイル装置では、直流重畳特性の改善が課題になっている。
特開2006−60087号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、直流重畳特性を改善することが可能なコイル装置を提供することである。
本発明者等は、巻軸に対して略垂直な平面部を有するコイル要素片によりコイル部が構成してあるコイル装置について鋭意検討した結果、内周側に位置するコイル要素片の巻軸方向の端部に、平面部に対して傾斜する内側傾斜部を設けることで、直流重畳特性が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るコイル装置は、
仮想の巻軸に沿ってコイル状に巻回してあるコイル要素片を有するコイル部と、
前記コイル部を覆うコア部と、を有するコイル装置であって、
前記コイル要素片が、前記巻軸に対して略垂直な平面部を持ち、
内周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の端部に、前記平面部に対して傾斜する内側傾斜部を有することを特徴とする。
本発明に係るコイル装置では、内周側に位置するコイル要素片の巻軸方向の端部に、平面部に対して傾斜する内側傾斜部を設けることのみで、磁束密度分布が大幅に改善され、同時に、直流重畳特性も改善される。このことは、本発明者等により見出された新たな知見である。
内側傾斜部を設けない場合には、コイル部の巻軸方向の内側両端に角部が形成され、その付近において、磁束密度が高くなり、磁気飽和しやすくなり、直流重畳特性が悪くなると考えられる。本発明に係るコイル装置では、コイル部の巻軸方向の内側両端のいずれかに傾斜部を具備させることで、磁束密度の集中が改善され、磁気飽和し難くなり、直流重畳特性が向上すると考えられる。また、傾斜部を具備させるのみで、コイル装置のインダクタンスも向上することから、インダクタンスを従来と同じにすれば、コイルの巻数の低減を図ることができると共に、コア部の材質の選択の幅が広がるなどの利点もある。
また本発明に係るコイル装置では、コイル要素片が平面部を有するために、コイル状に導電経路を持つように接続してあるコイル要素片を巻軸方向に重ねて配置する場合に、コイル要素片の平面部同士が向き合うことになる。そのため、コア部を形成するための圧粉成形時に、コイル要素片の相互が位置ズレたり変形するおそれが少なく、インダクタンスなどの磁気特性のばらつきが少ない。
前記内側傾斜部としては、特に限定されず、凹状曲面、段差、面取り面または凸状曲面などが例示されるが、好ましくは面取り面または凸状曲面である。このような内側傾斜部を、特定の位置に設けることで、磁束密度分布が大幅に改善され、同時に、直流重畳特性も改善される。
好ましくは、前記内側傾斜部は、内周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の両端部にそれぞれ形成してある。内側傾斜部は、内周側に位置するコイル要素片の巻軸方向の片側端部に具備させることでも効果があるが、両端部にそれぞれ形成することで、さらに効果が大きくなる。
前記内側傾斜部がそれぞれ形成してある前記コイル要素片の間(中間の位置)には、前記内側傾斜部が形成されていないコイル要素片が位置していてもよい。コイル要素片を増やすことにより、コイル部の巻回数が増えてインダクタンスが向上する。しかしながら、直両重畳特性の改善に効果が大きいのは、内周側に位置するコイル要素片の巻軸方向の端部であるために、端部でなく中間に位置するコイル要素片には、内側傾斜部を形成する必要はない。傾斜部を形成しないことで、コイル部における導体占有率が向上する。その結果、コイル部の直流抵抗の低減を図ることも可能である。
好ましくは、前記内側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、前記コイル要素の前記巻軸方向の厚みの10%以上である。この割合が大きいほど、磁束密度分布の改善効果が大きいが、コイル部の導体占有率は低下することから、好ましくは5〜15%である。
好ましくは、前記内側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、前記内側傾斜部の前記巻軸方向に略垂直な幅と略等しい。このように構成することで、磁束密度分布の改善効果が高くなり、直流重畳特性の改善効果が高くなる。
外周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の端部に、前記平面部に対して傾斜する外側傾斜部をさらに有してもよい。内側傾斜部に比べれば効果は少ないが、多少は、磁束密度分布の改善効果が高くなり、直流重畳特性の改善効果が高くなる。
好ましくは、前記内側傾斜部のサイズは、前記外側傾斜部のサイズよりも大きい。外側傾斜部による磁束密度分布の改善効果は、内側傾斜部による磁束密度分布の改善効果に比べれば低い。そのため、コイル部の導体占有率を向上させる観点からは、外側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、小さくてよい。
図1は本発明の一実施形態に係るコイル装置としてのインダクタ素子の斜視図である。 図2Aは図1に示すIIA−IIA線に沿うインダクタ素子の要部断面図である。 図2Bは本発明の他の実施形態に係るインダクタ素子の要部断面図である。 図3(A)は内側傾斜部が面取り面である場合の寸法関係を示すコイル要素片の要部概略断面図、図3(B)は内側傾斜部が凸状曲面である場合の寸法関係を示すコイル要素片の要部概略断面図である。 図4Aは本発明の一実施例に係るインダクタ素子の要部概略断面図である。 図4Bは本発明の比較例に係るインダクタ素子の要部概略断面図である。 図5は本発明の実施例におけるインダクタ素子において、内側傾斜部の大きさと直流重畳特性との関係を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
本発明の一実施形態に係るインダクタ素子(コイル装置)について、図面を参照して説明する。図1に示すように、インダクタ素子2は、圧縮成形体(圧粉成形体)としてのコア部4と、コア部4の内部に埋設されているコイル部6とを有する。
本実施形態では、コア部4の下面は、回路基板などに接続される実装側外面4Aであり、相互に垂直なX軸およびY軸を通る平面と略平行に形成してあり、コイル部6の巻回軸が、X軸およびY軸を通る平面と垂直なZ軸に対して略平行になっている。図面において、X軸とY軸とZ軸とは、相互に垂直である。
本実施形態では、コア部4の上面は、その下面に対して略平行な反実装側外面4Bであり、側面4C,4Dを含む4つの側面は、これらの上面および下面に対して略垂直となっている。ただし、コア部4の形状は、特に限定されず、6面体に限らず、円柱形、楕円柱、多角柱などであっても良い。
本実施形態のインダクタ素子2のサイズは、特に限定されないが、たとえばX軸方向幅が1.0〜20mm、Y軸方向幅が1.0〜20mm、Z軸方向高さが1.0〜10mmである。
このインダクタ素子2は、たとえばパソコンや携帯型電子機器などに搭載されるDC/DCコンバータ等の回路素子、パソコンや携帯型電子機器などに搭載される電源ラインにおけるチョークコイル、パソコンや携帯型電子機器などに搭載されるデカップリング素子、パソコンや携帯型電子機器などに搭載されるインピーダンスマッチングのための素子、パソコンや携帯型電子機器などに搭載されるフィルタの構成素子、パソコンや携帯型電子機器などに搭載されるアンテナ素子などとして用いることができる。
図1に示すように、コア部4は、コイル部6の内周部と外周部と巻軸方向の両端部とを一体化して全体を覆うようになっている。コア部4は、磁性体含有樹脂で構成され、たとえば金型内にコイル部6が配置された状態で、磁性粉体およびバインダ樹脂を含む顆粒を圧縮成形(圧粉成形)または射出成形して形成してある。磁性粉体としては、特に限定されないが、センダスト(Fe−Si−Al;鉄−シリコン−アルミニウム)、Fe−Si−Cr(鉄−シリコン−クロム)、パーマロイ(Fe−Ni)、カルボニル鉄系、カルボニルNi系、アモルファス粉、ナノクリスタル粉などの金属磁性体粉が好ましく用いられる。
ただし、磁性粉体としては、Mn−Zn、Ni−Cu−Znなどのフェライト磁性体粉であってもよい。バインダ樹脂としては、特に限定されないが、たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコン樹脂、これらを組み合わせたものなどが例示される。
本実施形態では、コイル部6は、コイル状に巻回してある導電性のコイル要素片6aおよび6bを有する。図2に示すように、コイル要素片6aおよび6bは、それぞれ導電性板片から成り、導電性板片6aおよび6bの板面(平面部8aおよび8b)に垂直な方向が、導電性板片がコイル状に巻回される巻回軸(Z軸に略平行)に略平行である。
本実施形態では、コイル要素片6aは、Z軸に略垂直な平面部8aを有する導電性板材または導電性線材で構成してあり、その一端にリード部10aがコイル要素片6aと連続して一体に形成してある。リード部10aには、図示省略してある端子片が連続して一体に形成してあっても良く、あるいは別に成形した端子片が接続されていても良い。
本実施形態では、コイル要素片6aは、X軸およびY軸を含む平面内で1/4〜7/8周で円形、楕円形または角形に、コイル状に巻回してある形状を有する。なお、図面では、コイル要素片6aは、約3/4周で円形にコイル状に巻回してあり、その先端部に接続部12が形成してある。コイル要素6aのZ軸方向の下方に、コイル要素6bが配置してある。
コイル要素6bは、コイル要素6aと同様に、Z軸に略垂直な平面部8bを有する導電性板材または導電性線材で構成してあり、その一端にリード部10bがコイル要素片6bと連続して一体に形成してある。リード部10bには、図示省略してある端子片が連続して一体に形成してあっても良く、あるいは別に成形した端子片が接続されていても良い。
コイル要素6bは、コイル要素6aと同様に、X軸およびY軸を含む平面内で1/4〜7/8周で円形、楕円形または角形に、コイル状に巻回してある形状を有する。なお、図面では、コイル要素片6bは、約3/4周で円形にコイル状に巻回してあり、その先端部に接続部12が形成してある。
接続部12において、Z軸方向にずれて積層してあるコイル要素6aとコイル要素6bとが電気的に接続されて、らせん状に連続した導電経路を持つコイル部6が形成される。接続部12は、たとえばレーザ溶接部、半田溶接部、導電性接着剤などで構成されるが、接続部12を形成することなく、単一の導電性板材または導電性線材をらせん状に巻回してコイル部6を構成しても良い。
図1に示すように、一対のリード部10a,10bは、コア部4の側面4C,4Cから外部にそれぞれ引き出されているが、その他の側面4D,4Dからそれぞれ引き出されても良く、あるいは、側面4C,4Dからそれぞれ引き出されても良い。
コイル要素片6a,6bおよびリード部10a,10bを構成する導体は、たとえばCu、Al、Fe、Ag、Au、あるいはこれらを含む合金などで構成してある。なお、コイル要素片6a、6bおよびリード部10a,10bを別に成形して接続する場合には、これらは別々の材質で構成し、溶接または導電性接着剤等により接続してもよい。また、図示省略してある端子電極は、リード部10a,10bと一体に成形することもできるが、別々に成形して溶接または導電性接着剤等により接続してもよい。
図2Aに示すように、コイル要素片6a,6bの表面と、必要に応じてリード部10a,10bの表面には、絶縁被膜30が形成してあることが好ましい。絶縁被膜30としては、特に限定されないが、たとえばポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステル−イミド、ポリエステル−ナイロンなどが例示される。
絶縁被膜30は、接続部12が形成された後に、コイル要素片6a,6bの表面に形成しても良いが、接続部12が形成される前の各コイル要素片6a,6bの表面に形成しても良い。接続部12が形成される前の各コイル要素片6a,6bの表面に絶縁被膜30を形成する場合には、接続部12を形成する際に、その部分の絶縁被膜30を除去してコイル要素片6a,6bの導通接続を容易にすることが好ましい。絶縁被膜30を形成することで、接続部12以外の部分で、コイル要素片6a,6bの相互が短絡接続することを防止することができる。
本実施形態では、コイル要素片6aとコイル要素片6bとは、それぞれ導電性板材を打ち抜き成形することなどで成形される。あるいは、コイル要素片6aとコイル要素片6bとは、それぞれ導電性線材をコイル状に巻回されることなどで成形される。いずれにしても、図1および図2Aに示すように、内周側に位置するコイル要素片6a,6bの巻軸(Z軸)方向の端部に、平面部8a,8bに対して傾斜する内側傾斜部20a,20bが形成される。
内側傾斜部20a,20bは、導電性板材を打ち抜き成形してコイル要素片6a,6bをそれぞれ形成する際に、同時に形成しても良く、あるいは打ち抜き成形とは別工程のプレス工程、または切削工程で形成しても良い。また、内側傾斜部20a,20bは、導電性線材を曲げ加工してコイル要素片6a,6bをそれぞれ形成する際に、同時に形成しても良く、あるいは曲げ加工とは別工程のプレス工程、または切削工程で形成しても良い。これらの内側傾斜部20a,20bは、リード部10a,10bにまで連続して形成してあっても良いが、リード部10a,10bには、形成しなくても良い。
図3(A)に示すように、本実施形態では、内側傾斜部20aは、Z軸方向の最上端部に位置するコイル要素片6aの内側断面角部を面取りして形成してあり、Z軸方向の外側から内側に向けて内径が小さくなるテーパ面を構成している。この内側傾斜部20aは、Z軸に沿って巻軸方向幅C11と、Z軸に略垂直方向に沿って巻軸垂直方向幅C12とを有する。また、内側傾斜部20bは、Z軸方向の最下端部に位置するコイル要素片6bの内側断面角部を面取りして形成してあり、Z軸方向の外側から内側に向けて内径が小さくなるテーパ面を構成している。この内側傾斜部20bは、Z軸に沿って巻軸方向幅C21と、Z軸に略垂直方向に沿って巻軸垂直方向幅C22とを有する。
コイル要素片6aのZ軸方向の厚みT1と、コイル要素片6bのZ軸方向の厚みT2は、異なっていても良いが、好ましくは同じであり、0.05〜0.8mmの範囲内であることが好ましい。コイル要素片6aのZ軸と略垂直方向の幅W1と、コイル要素片6bのZ軸と略垂直方向の幅W2は、異なっていても良いが、好ましくは同じであり、0.1〜4mmの範囲内であることが好ましい。本実施形態では、W1/T1はW2/T2と略同じであり、好ましくは0.2〜4である。また、好ましくはW1またはW2は、T1またはT2よりも大きいことが好ましい。
本実施形態では、C11/T1またはC21/T2は、好ましくは0.1(10%)以上である。この割合が大きいほど、磁束密度分布の改善効果が大きいが、コイル部6の導体占有率は低下することから、好ましくは5〜15%である。
また、本実施形態では、C12/W1またはC22/W2は、好ましくは0.1(10%)以上である。この割合が大きいほど、磁束密度分布の改善効果が大きいが、コイル部6の導体占有率は低下することから、好ましくは1〜5%である。また好ましくは、平面部8aまたは8bが、コイル要素片6aまたは6bのZ軸と略垂直方向の幅W1の半分以上に残っていることが好ましい。このような範囲に設定することで、コイル部の導体占有率を極端に低下させることなく、磁束密度分布の改善効果が高くなり、直流重畳特性の改善効果が高くなる。
さらに本実施形態においては、各内側傾斜部20a,20bの巻軸方向幅C11およびC21は、好ましくは相互に略同じであることが好ましいが、異なっていても良い。さらに、各内側傾斜部20a,20bの巻軸垂直方向幅C12およびC22は、好ましくは相互に略同じであることが好ましいが、異なっていても良い。さらにまた、内側傾斜部20aの巻軸方向幅C11と巻軸垂直方向幅C12とは、好ましくは相互に略同じであることが好ましいが、異なっていても良く、内側傾斜部20bの巻軸方向幅C21と巻軸垂直方向幅C22とは、好ましくは相互に略同じであることが好ましいが、異なっていても良い。
また、本実施形態では、外周側に位置するコイル要素片6a,6bの巻軸(Z軸)方向の端部に、平面部8a,8bに対して傾斜する外側傾斜部22a,22bが形成してあってもよい。外側傾斜部22aは、Z軸方向の最上端部に位置するコイル要素片6aの外側断面角部を面取りして形成してあり、内側傾斜部20aと同様な構成を有する。また、外側傾斜部22bは、Z軸方向の最下端部に位置するコイル要素片6bの外側断面角部を面取りして形成してあり、内側傾斜部20bと同様な構成を有する。
ただし、外側傾斜部22aおよび22bは、内側傾斜部20aおよび20bに比較して、サイズが小さいことが好ましく、極端な場合には、形成されていなくても良い。外側傾斜部22aおよび22bによる磁束密度分布の改善効果は、内側傾斜部20aおよび20bによる磁束密度分布の改善効果に比べれば低い。そのため、コイル部6の導体占有率を向上させる観点からは、外側傾斜部22a,22bのサイズは小さくてよい。
図3(A)に示す例では、内側傾斜部20aおよび20bと外側傾斜部22aおよび22bとを、断面角部を除去した面取り面で構成したが、図3(B)に示すように、断面角部を丸めた凸状曲面で構成してもよい。その場合において、内側傾斜部20aの曲率半径R1が、図3(A)に示す幅C11またはC12に対応し、内側傾斜部20bの曲率半径R2が、図3(A)に示す幅C21またはC22に対応する寸法関係となる。外側傾斜部22aおよび22bに関しても同様である。
また、図3(A)および図3(B)に示す例では、内側傾斜部20aおよび20bと外側傾斜部22aおよび22bとが、全て面取り面か、あるいは全てが凸状曲面で構成してあるが、これらは組み合わせて用いてもよい。また、これらの傾斜部20a,20b,22a,22bは、面取り面または凸状曲面以外に、凹状曲面または段差などで構成されていてもよい。
本実施形態では、Z軸方向上側に位置するコイル要素片6aと、Z軸方向の下側に位置するコイル要素片6bとは、これらの表面に形成される絶縁層により電気的に絶縁してあり、図3(A)および図3(B)では、絶縁層の図示を省略している。これらのコイル要素片6aとコイル要素片6bとが向き合う平面部8a,8bには、内側傾斜部または外側傾斜部のいずれも形成されていないことが好ましい。傾斜部が形成され過ぎると、コイル部6の導体占有率が低下し、直流抵抗が増大するおそれがあるからである。
また、図3(A)および図3(B)では、Z軸方向の上端の内側傾斜部20aが形成してあるコイル要素片6aと、Z軸方向の下端の内側傾斜部20bが形成してあるコイル要素片6bとが、直接にZ軸方向に積層してある。しかしながら、これらの間には、その他の単一または複数の中間コイル要素片(図示省略)が介在してあってもよい。中間コイル要素片は、コイル要素片6aおよび6bの間で、これらにコイル状に接続してあり、Z軸方向に複数ターンのコイル部6を構成する。
中間コイル要素片には、傾斜部20a,20b,22a,22bなどを形成する必要がないが形成されていてもよい。中間コイル要素片に傾斜部を形成しても、磁束密度分布の改善には寄与せず、コイル部6の導体占有率を低下させる傾向にある。
図1において、特に限定されないが、本実施形態のコイル部6のX軸方向の寸法はコア部4のX軸方向寸法よりも小さく、コイル部6のY軸方向の寸法はコア部4のY軸方向寸法よりも小さく、コイル部6のZ軸方向の寸法はコア部4のZ軸方向寸法よりも小さい。コイル部6の内周、外周および巻軸方向の両端をコア部4が覆うような寸法関係となっている。コイル部6の外周形状は、本実施形態では略円形としているが、略楕円形、略長方形、多角形であっても良い。
本実施形態に係るインダクタ素子2では、内周側に位置するコイル要素片6a,6bのZ軸方向の端部に、平面部8a,8bに対して傾斜する内側傾斜部20aまたは20bを設けることのみで、磁束密度分布が大幅に改善され、同時に、直流重畳特性も改善される。
このことは、図4Aおよび図4Bに示す実験結果からも明らかである。図4Bは、内側傾斜部を持たない内側角部220aおよび220bを有する一般的なコイル要素片206a,206bを、コイル状に接続してコア部4の内部に埋め込んで、磁束密度分布を測定した結果である。また、図4Aは、内側傾斜部20a,20bを有する本実施形態のコイル要素片6a,6bを、コイル状に接続してコア部4の内部に埋め込んで、磁束密度分布を測定した結果である。
図4Aを図4Bに比較して分かるように、図4Aに示す本実施形態では、図4Bに示す比較例(従来例)に比較して、内側角部で磁束密度が集中することを有効に防止することができる。図4Bに示すように、内側傾斜部を設けない場合には、コイル部206の巻軸(Z軸)方向の内側両端に角部が形成され、その付近において、磁束密度が高くなり、磁気飽和しやすくなり、直流重畳特性が悪くなると考えられる。
本実施形態に係るインダクタ素子2では、コイル部6の巻軸方向の内側両端のいずれかに傾斜部20aまたは20bを具備させることで、磁束密度の集中が改善され、磁気飽和し難くなり、直流重畳特性が向上すると考えられる。内側傾斜部20a,20bのサイズの大きさ(特に巻軸方向の幅C11とC21または曲率半径R1,R2)と直流重畳特性Idcとの関係をグラフ化した図を図5に示す。
図5に示すように、巻軸方向のコイル要素片の厚みT1,T2に対して、巻軸方向の幅C11とC21または曲率半径R1,R2が大きくなるほど、直流重畳特性が向上することが確認できた。なお、図5は、コイル装置のインダクタンスを同じと仮定した場合の結果である。
また、傾斜部20aまたは20bを具備させるのみで、インダクタ素子2のインダクタンスも向上することも実験により明らかになっている。したがって、本実施形態のインダクタ素子2によれば、インダクタンスを従来と同じにすれば、コイル部6の巻数の低減を図ることができると共に、コア部4の材質の選択の幅が広がるなどの利点もある。
さらに本実施形態に係るコイル装置2では、コイル要素片6a,6bが平面部8a,8bを有するために、コイル状に導電経路を持つように接続してあるコイル要素片6a,6bをZ軸方向に重ねて配置する場合に、図2Aに示すように、コイル要素片6a,6bの平面部8a,8b同士が向き合うことになる。そのため、コア部4を形成するための圧粉成形時に、コイル要素片6a,6bの相互が位置ズレしたり変形するおそれが少なく、インダクタンスなどの磁気特性のばらつきが少ない。
第2実施形態
図2Bに示すように、本実施形態に係るインダクタ素子(コイル装置)102は、以下に示す以外は、第1実施形態に係るインダクタ素子と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。以下の説明では、重複する説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明する。なお、図面に示す符号も、部材が共通する部材には、同様な符号を付して、その説明も一部省略する。
図2Bに示すように、本実施形態のインダクタ素子102では、Z軸方向の上部に配置されるコイル要素片106aが、X軸およびY軸の平面において二重あるいはそれ以上の多重に巻回してある。また同様に、Z軸方向の下部に配置されるコイル要素片106bは、X軸およびY軸平面において二重あるいはそれ以上の多重に巻回してある。各コイル要素片106aおよび106bにおいて、外側に巻回されるコイル要素片106a,106bには、内側傾斜部20a,20bが形成されない。ただし、外側に巻回されるコイル要素片106a,106bには、外側傾斜部22a,22b(図3参照)は形成されても良い。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、コイル部6のZ軸方向の両端に内側傾斜部20a,20bを形成してあるが、内側傾斜部20a,20bの内のいずれかは省略してもよい。また、図3(A)および図3(B)に示す外側傾斜部22a,22bは、必要に応じて形成すれば良く、形成されなくても良い。
さらに上述した実施形態では、コア部4としては、磁性体粉含有樹脂で構成してあるが、磁性体を含まない封止樹脂などで構成してもよい。
2,102,202… インダクタ素子(コイル装置)
4… コア部
4A… 上面
4B… 下面
4C,4D… 側面
6,106,206… コイル部
6a,6b,106a,106b,206a,206b… コイル要素片
8a,8b… 平面部
10a,10b… リード部
12… 接続部
20a,20b… 内側傾斜部
22a,22b… 外側傾斜部
30… 絶縁被膜
また、本実施形態では、C12/W1またはC22/W2は、好ましくは0.1(10%)以上である。この割合が大きいほど、磁束密度分布の改善効果が大きいが、コイル部6の導体占有率は低下する。また好ましくは、平面部8aまたは8bが、コイル要素片6aまたは6bのZ軸と略垂直方向の幅W1の半分以上に残っていることが好ましい。このような範囲に設定することで、コイル部の導体占有率を極端に低下させることなく、磁束密度分布の改善効果が高くなり、直流重畳特性の改善効果が高くなる。

Claims (8)

  1. 仮想の巻軸に沿ってコイル状に巻回してあるコイル要素片を有するコイル部と、
    前記コイル部を覆うコア部と、を有するコイル装置であって、
    前記コイル要素片が、前記巻軸に対して略垂直な平面部を持ち、
    内周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の端部に、前記平面部に対して傾斜する内側傾斜部を有することを特徴とするコイル装置。
  2. 前記内側傾斜部は、面取り面または凸状曲面である請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記内側傾斜部は、内周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の両端部にそれぞれ形成してある請求項1または2に記載のコイル装置。
  4. 前記内側傾斜部がそれぞれ形成してある前記コイル要素片の間には、前記内側傾斜部が形成されていないコイル要素片が位置する請求項1〜3のいずれかに記載のコイル装置。
  5. 前記内側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、前記コイル要素の前記巻軸方向の厚みの10%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のコイル装置。
  6. 前記内側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、前記内側傾斜部の前記巻軸方向に略垂直な幅と略等しい請求項5に記載のコイル装置。
  7. 外周側に位置する前記コイル要素片の前記巻軸方向の端部に、前記平面部に対して傾斜する外側傾斜部をさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載のコイル装置。
  8. 前記内側傾斜部の前記巻軸方向の幅は、前記外側傾斜部の前記巻軸方向の幅よりも大きい請求項7に記載のコイル装置。
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