JP2018070056A - 減速装置およびパワーシート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】揺動部材と出力部材との間のガタが生じ難く、摺動ロスを低減し得る構成を提供する。【解決手段】減速装置10は、回動動力が入力される入力軸20aに対して偏心する偏心軸部20cを備える入力部材20と、外周面に外歯30bが形成され、内周面30aに偏心軸部20cの一部が摺接することで揺動する揺動部材30と、噛合する外歯30bと異なる歯数の内歯40bが形成され、入力軸20aと同軸的に回動する出力部材40と、を備えている。また、揺動部材30を揺動可能に支持するための支持部材60と、支持部材60に回動可能に支持される第1クランクピン50aと、揺動部材30に回動可能に支持される第2クランクピン50bと、第1クランクピン50aと第2クランクピン50bとを所定の偏心量で偏心するように連結する連結部50cと、を備える3つのクランク部材50と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、減速装置およびパワーシート装置に関するものである。
車両シートの高さ調整や、シートバックのリクライニング調整などを電動で行うパワーシート装置として、例えば、特許文献1に開示される減速機構を用いる構成がある。この減速機構は、第1ケース部材と第2ケース部材との間に、外歯車(揺動部材)と内歯車及び偏心軸とから成るタウメル機構が配置されており、当該外歯車の揺動を吸収するリンク片が、第1ケース部材に対し上下方向に移動可能に配置されている。また、外歯車に対して一体に設けられた突部がリンク片の長穴に摺嵌されている。そして、モータの駆動力に基づいて偏心軸が外歯車を回転しながら押圧することで、外歯車自体は回転することなく、リンク片の長穴を往復移動しつつ、当該長穴内の往復移動と直交する方向に向けて、リンク片とともに第1ケース部材の凹部内を往復移動しながら、内歯車の内周を遊星運動する。これにより、内歯車が回転し、当該内歯車に装着された出力軸としてのピニオンギヤが回転する構成である。
特開2006−327402号公報
特許文献1に開示されるパワーシート装置では、減速機構が作動して外歯車が内歯車に対して遊星運動するときに、外歯車の突起がリンク片の長穴に摺嵌された状態で往復運動する構成となっている。このような構成では、このような構成では、例えばリンク片における長穴の幅(短手方向の幅)の寸法が装置ごとにばらつくことがあり得る。このような長穴の幅が所望の幅の大きさに対して大きすぎたり小さすぎたりして形成されると、不要な遊び(隙間)が生じることなどによって、長穴内を往復運動する突起との間でガタが生じてしまう。すなわち、部品の寸法精度の悪化によって、外歯車と内歯車との間でガタが生じて円滑に減速機構が作動しなくなる虞がある。このような問題は、第1ケース部材とその凹部内を往復するリンク部材との間でも生じることになる。
また、外歯車の突起がリンク片の長穴に対して往復運動する構成では、突起あるいは長穴を構成する面同士の垂直度や平行度、面粗度の程度などが、減速機構の円滑な動作に影響を及ぼすことになる。すなわち、このような突起あるいは長穴を構成する面同士の垂直度や平行度、面粗度の程度などは、これら部材間の摩擦抵抗の大きさに係るものであるため、所望の値からずれることで、摺動ロスの悪化(摩擦抵抗の増大)につながることになる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、揺動部材と出力部材との間のガタが生じ難く、摺動ロスを低減し得る構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の発明は、入力される回動動力を回動速度を減速するように出力する減速装置(10)であって、回動動力が入力される入力軸(20a)に対して偏心する偏心軸部(20c)を備える入力部材(20)と、外周面に外歯(30b)が形成され、内周面(30a)に前記偏心軸部の一部が摺接することで前記入力軸を中心として揺動する揺動部材(30)と、噛合する外歯と異なる歯数の内歯(40b)が形成され、前記入力軸と同軸的に回動する出力部材(40)と、前記揺動部材を揺動可能に支持するための支持部材(60)と、前記支持部材に回動可能に支持される第1クランクピン(50a)と、前記揺動部材に回動可能に支持される第2クランクピン(50b)と、前記第1クランクピンおよび前記第2クランクピンを所定の偏心量で偏心するように連結する連結部(50c)と、を備える複数のクランク部材(50)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、回動動力が入力される入力軸に対して偏心する偏心軸部を備える入力部材と、外周面に外歯が形成され、内周面に偏心軸部の一部が摺接することで入力軸を中心として揺動する揺動部材と、噛合する外歯と異なる歯数の内歯が形成され、入力軸と同軸的に回動する出力部材と、を備えている。また、揺動部材を揺動可能に支持するための支持部材と、支持部材に回動可能に支持される第1クランクピンと、揺動部材に回動可能に支持される第2クランクピンと、第1クランクピンおよび第2クランクピンを所定の偏心量で偏心するように連結する連結部と、を備える複数のクランク部材と、を備えている。
このように、支持部材に回動可能に支持される第1クランクピンと、揺動部材に回動可能に支持される第2クランクピンと、が所定の偏心量にて連結部により連結されるため、揺動部材は、第1クランクピンおよび第2クランクピンの偏心量に応じた所定の円軌道で周回運動することになる。このような構成において、入力部材に回動動力が入力され、その偏心軸部の一部の外面が揺動部材の内周面に摺接しながら当該内周面を押圧すると、揺動部材は、上記所定の円軌道で周回運動するため、出力部材の内歯に噛合しながら出力部材の内周を遊星運動することになる。これにより、出力部材は、揺動部材の外歯数と出力部材の内歯数に基づく減速比で回動して回動動力を出力する。以上のようにして、減速機構を実現することができる。
このように、請求項1の発明は、出力部材に対する揺動部材の遊星運動を、第1クランクピンおよび第2クランクピンが所定の偏心量で連結することで実現する構成である。特に、これら第1クランクピンおよび第2クランクピンが単に連結部によって連結する構成であるので、上述したタウメル機構を用いる構成に比べて、クランク部材が介在する揺動部材と支持部材との間でガタが生じ難く、ひいては揺動部材と出力部材との間のガタが生じ難くなる。また、クランク部材と揺動部材および支持部材との間においてのみ摺動接触する部分が生じ、摺動抵抗ロスを低減することができる。
請求項2の発明では、複数の前記クランク部材が、入力軸の回動軸線を中心とする所定の円周上において等間隔で配置される構成である。このような構成によって、例えば揺動部材の揺動時に揺動部材から各クランク部材に加わる荷重が、それぞれのクランク部材に均等に分散されることになるため、揺動部材を各クランク部材によって安定して支持した状態で揺動させることができる。
請求項3の発明では、入力軸の回動軸線を中心とする所定の円周上において当該回動軸線に対して120°間隔で配置される3つのクランク部材を備える構成である。このように、揺動部材を安定的に支持することができる最少のクランク部材を用いつつ、上述のように揺動部材から各クランク部材に加わる荷重をそれぞれのクランク部材に均等に分散させて、揺動部材を各クランク部材によって安定して支持した状態で揺動させることができる。
請求項4の発明では、連結部は、第1クランクピンおよび第2クランクピンの偏心方向に略直交する方向を板厚方向とする板状に形成され、第1クランクピンおよび第2クランクピンは、連結部のそれぞれの板面から延出する構成である。このような構成では、第1クランクピンと第2クランクピンの距離を小さくすることができ、揺動部材と支持部材の間隔を縮めて、減速装置のコンパクト化を図ることができる。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減速装置を備え、出力部材によって出力される回動動力に基づいて車両シートの状態を調整するパワーシート装置である。このような構成によって、請求項1の発明と同様の効果を奏するパワーシート装置を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るパワーシート装置を搭載する車両用シートの一例を概念的に示す側面図である。 減速装置の分解斜視図である。 クランク部材の側面図である。 減速装置の一部を示す側面図である。 減速装置の動作を概略的に説明する説明図である。 減速装置の図5に続く動作を概略的に説明する説明図である。 減速装置の図6に続く動作を概略的に説明する説明図である。
以下、本発明に係る減速装置10を備えたパワーシート装置1の一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るパワーシート装置1を搭載する車両用シートの一例を概念的に示す側面図である。
パワーシート装置1は、車両用シートSに搭載され、操作スイッチ(図示略)の操作に応じて、例えばシートクッションCの前部の高さを調整する。このパワーシート装置1は、図1に示すように、モータMと、減速装置10と、ハイト機構(出力側機構、図示略)と、を備えている。これら、モータM、減速装置10、およびハイト機構は、例えば車両用シートSを構成するシートクッションCにおける一方の側部に配設されている。モータMは、操作スイッチを操作することで動作し、減速装置10に対して回動動力を伝達する。また、減速装置10は、入力部材に入力される回動動力を、回動速度を減速するようにハイト機構へ伝達して出力する。そして、ハイト機構は、減速装置10から伝達される回動動力に基づいて、シートクッションCの前部の高さを任意に調整可能となっている。
次に、減速装置10を構成する各部材について、図2、図3等を用いて説明する。図2は、減速装置10の分解斜視図である。図3は、クランク部材50の側面図である。
減速装置10は、図2に示すように、入力部材20、揺動部材30、出力部材40、3つのクランク部材50、および支持部材60を備えている。
入力部材20は、図2に示すように、略円柱形状で外周面に外歯20bが形成される入力軸20aと、この入力軸20aに対して偏心して入力軸20aよりも径の小さな円柱形状の偏心軸部20cと、を備えている。この入力軸20aは、外歯20bがモータMの出力軸と噛合し、シートクッションCの前部の高さを調整するときにモータMの回動駆動に応じて所定の減速比で回動する。また、入力部材20には、入力軸20aの軸方向に沿って入力軸20aおよび偏心軸部20cを貫通する孔20dが形成されている。
揺動部材30は、図2に示すように、板厚方向に貫通する孔(内周面)30aを中心とする略円環状に形成されており、その外周面には外歯30bが形成されている。この孔30aは、入力部材20の偏心軸部20cの径よりも小さな径で形成されている。また、揺動部材30の側面30dには、板厚方向に貫通する3つの孔30cが形成されている。これら3つの孔30cは、孔30a周りの所定の円周上において孔30aの中心に対して120°間隔で形成されている。
出力部材40は、図2に示すように、内周面に内歯40bが形成される円筒部40aと、円筒部40aの一方側の開口部を閉塞する側板部40cと、側板部40cの一側面の中心から突出するボス40dと、側板部40cの他側面に形成される出力軸としてのピニオンギヤeと、を備えている。この内歯40bは、揺動部材30が出力部材40に対して偏心した状態で外歯30bに噛合可能となるように、当該外歯30bよりも歯数が多くなるように形成されている。例えば、外歯30bの歯数が32に設定される場合には、内歯40bの歯数が33に設定される。また、ボス40dは、入力部材20の孔20dの径よりもわずかに小さな径で形成されている。
クランク部材50は、図3に示すように、円柱形状の第1クランクピン50aと、この第1クランクピン50aに対して偏心する円柱形状の第2クランクピン50bと、第1クランクピン50aと第2クランクピン50bとを所定の偏心量で偏心するように連結する略円板形状の連結部50cと、を備えている。第1クランクピン50aは、連結部50cの一方の板面50dにおける一端側(図3では下側)から、連結部50cの板厚方向に延出する。また、第2クランクピン50bは、連結部50cの他方の板面50eにおける一端側(図3では上側)から、連結部50cの板厚方向に延出する。この第2クランクピン50bは、揺動部材30の孔30cの径よりもわずかに小さな径で形成されている。
支持部材60は、図2に示すように、中心において板厚方向に貫通した孔60aが形成された板形状であり、揺動部材30を揺動可能に支持する。この孔60aは、揺動部材30の孔30aの径よりも大きな径で形成されている。また、支持部材60には、孔60a周りの円周上において孔60aの中心に対して120°間隔となるように3つの孔60bが形成されている。この孔60bは、クランク部材50の第1クランクピン50aよりもわずかに大きな径で形成されている。また、支持部材60の外周には、例えば減速装置10を覆うケースなどに固定される複数の突起部60cが形成されている。
次に、減速装置10の組み立てについて説明する。図4は、減速装置10の一部を示す側面図である。
まず、出力部材40に揺動部材30を組み付ける。具体的には、出力部材40のボス40dを揺動部材30の孔30aに挿通し、円筒部40a内に揺動部材30を配置させて、外歯30bを内歯40bに噛合させる。次に、図4に示すように、揺動部材30に対してクランク部材50を組み付ける。具体的には、揺動部材30の3つの孔30cに対して、3つのクランク部材50のそれぞれの第2クランクピン50bを挿通する。これにより、クランク部材50は、揺動部材30によって回動可能に支持されることになる。このとき、第2クランクピン50bが揺動部材30に支持された状態で、板面50eが揺動部材30の側面30dに接触することで、クランク部材50を揺動部材30によって安定的に支持することができる。そのため、治具などを用いることなく第1クランクピン50aを所望の位置に安定的に位置させ易くなり、揺動部材30に組み付けられたクランク部材50に対して支持部材60を組み付け易くなる。
次に、3つのクランク部材50に対して支持部材60を組み付ける。具体的には、3つのクランク部材50のそれぞれの第1クランクピン50aを、支持部材60の3つの孔60bのそれぞれに挿通させる。これにより、クランク部材50は、支持部材60によって回動可能に支持され、揺動部材30と支持部材60とによって挟まれることになる。
このように、上述したケースなどに固定される支持部材60に対して、第1クランクピン50aが回動可能に支持されることで、クランク部材50は、第2クランクピン50bが所定の円軌道(図5〜図7に示す軌道T参照)を描くように第1クランクピン50aを軸とした回動のみが可能な構成となる。すなわち、第2クランクピン50bは、半径qの円軌道T上を周回移動する。この半径qは、第1クランクピン50aの軸中心Aに対する第2クランクピン50bの軸中心Bの偏心量であり、入力部材20における入力軸20aに対する偏心軸部20cの偏心量でもある。この偏心量(半径q)は、揺動部材30の外歯30bと、出力部材40の内歯40bとの噛み合いに適した値となるように決定される。
次に、出力部材40および揺動部材30に対して入力部材20を組み付ける。具体的には、入力部材20の偏心軸部20cを、支持部材60の孔60aおよび揺動部材30の孔30aに挿通するようにして、出力部材40のボス40dを入力部材20の孔20dに挿通させる。これにより、3つのクランク部材50は、入力軸20aの回動軸線Lを中心とする所定の円周上において当該回動軸線Lに対して120°間隔で配置されることになる。以上のようにして、減速装置10が完成する。
次に、減速装置10の動作について説明する。図5〜図7は、減速装置の一連の動作を概略的に説明する説明図である。なお、図5〜図7では、揺動部材30の構成を概略的に示し、孔30aなどの図示を省略している。
入力部材20にモータMから回動動力が伝達されると、入力軸20aが回動軸線L回りに回動を始める。すると、入力軸20aに対して偏心している偏心軸部20cは、揺動部材30の孔30a内において回動しながら、この孔30aの壁面を押圧する。このとき、第2クランクピン50bが回動可能に揺動部材30に支持されるクランク部材50は、揺動部材30とともに回動しようとするが、当該第2クランクピン50bに対して偏心する第1クランクピン50aがケースなどに固定された支持部材60に回動可能に支持されており、第1クランクピン50a回りの回動のみが可能となる。
図5に示すように、揺動部材30が入力部材20に押圧されて上方位置(第1揺動位置)に位置するときに、第2クランクピン50bは、軌道Tの上方位置(第1周回位置)に位置することになる。そして、偏心軸部20cが図5における反時計回りに移動するように入力部材20が回動すると、図6に示すように、第2クランクピン50bが第1クランクピン50a(軸中心A)を中心として反時計回りに移動することに伴い、揺動部材30が入力部材20に押圧されて、それ自体回動することなく、円軌道を描くように左下位置(第2揺動位置)に移動する。また、揺動部材30の移動に伴い、第2クランクピン50bは、軌道Tの左下位置(第2周回位置)に位置することになる。このとき、揺動部材30は、外歯30bが内歯40bに噛合しつつ移動するため、出力部材40がボス40dを中心に反時計回りに回動する。
さらに偏心軸部20cが反時計回りに移動するように入力部材20が回動すると、図7に示すように、第2クランクピン50bが第1クランクピン50a(軸中心A)を中心として反時計回りに移動することに伴い、揺動部材30が入力部材20に押圧されて、それ自体回動することなく、円軌道を描くように右下位置(第3揺動位置)に移動する。また、揺動部材30の移動に伴い、第2クランクピン50bは、軌道Tの右下位置(第3周回位置)に位置することになる。このとき、揺動部材30は、外歯30bが内歯40bに噛合しつつ移動するため、さらに出力部材40がボス40dを中心に反時計回りに回動する。
さらに入力部材20が反時計回りに回動すると、第2クランクピン50bが第1クランクピン50a(軸中心A)を中心として反時計回りに移動することに伴って、揺動部材30が外歯30bが内歯40bに噛合しつつ移動し、出力部材40がボス40dを中心に反時計回りに回動し、再び図5に示す状態に戻る。以上のように、揺動部材30は、出力部材40の円筒部40aの内周を遊星運動することで、出力部材40が回動する。そして、出力部材40のピニオンギヤeが揺動部材30の外歯30bの数と出力部材40の内歯40bの数に基づく減速比で回動して回動動力を出力することになる。
以上説明したように、上記第1実施形態の減速装置10は、回動動力が入力される入力軸20aに対して偏心する偏心軸部20cを備える入力部材20と、外周面に外歯30bが形成され、孔30aを構成する壁部に偏心軸部20cの一部が摺接することで入力軸20aを中心として揺動する揺動部材30と、噛合する外歯と異なる歯数の内歯40bが形成され、入力軸20aと同軸的に回動する出力部材40と、を備えている。また、減速装置10は、揺動部材30を揺動可能に支持するための支持部材60と、支持部材60に回動可能に支持される第1クランクピン50aと、揺動部材30に回動可能に支持される第2クランクピン50bと、第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bを所定の偏心量で偏心するように連結する連結部50cと、を備える複数のクランク部材50と、を備えている。
このように、支持部材60に回動可能に支持される第1クランクピン50aと、揺動部材30に回動可能に支持される第2クランクピン50bと、が所定の偏心量にて連結部50cにより連結されるため、揺動部材30は、第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bの偏心量に応じた所定の円軌道で周回運動することになる。このような構成において、入力部材20に回動動力が入力され、その偏心軸部20cの一部の外面が揺動部材の孔30aを構成する壁部に摺接しながら押圧すると、揺動部材30は、上記所定の円軌道で周回運動するため、出力部材40の内歯40bに噛合しながら出力部材40の内周を遊星運動することになる。これにより、出力部材40は、揺動部材30の外歯数と出力部材40の内歯数に基づく減速比で回動して回動動力を出力する。以上のようにして、減速機構を実現することができる。
また、従来では、揺動部材を出力部材に対して遊星運動させるために、揺動部材の一部(突起など)がリンク部材の長穴に摺嵌された状態で往復運動する構成(オルダム機構)を用いていた。そのため、上記揺動部材の突起や長穴の寸法のばらつきによって、往復運動時に揺動部材とリンク部材との間でガタが生じ易かった。すなわち、部材間のガタの発生が、部品の寸法精度に依存していた。しかしながら、本第1実施形態では、出力部材40に対する揺動部材30の遊星運動を、第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bが所定の偏心量で連結することで実現する構成である。特に、これら第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bが単に連結部50cによって連結する構成であるので、上述したタウメル機構を用いる構成に比べて、クランク部材50が介在する揺動部材30と支持部材60との間でガタが生じ難く、ひいては揺動部材30と出力部材40との間のガタが生じ難くなる。
また、上述したタウメル機構のように往復運動によって摩擦が生じる構成では、突起あるいは長穴を構成する面同士の垂直度や平行度、面粗度の程度などの所望の値からのずれが、摺動ロスを招いていた。特に、揺動部材が高速で揺動するような場合には、摩擦を伴う往復運動の頻度が高くなり、大きな摺動ロスが生じることになる。しかしながら、本第1実施形態では、クランク部材50と揺動部材30および支持部材60との間において回動摺動面(軸受面など)が形成されるのみで、従来の往復運動に用いられる摺動面全体に比べて摺動する部分の面積が小さく、摺動抵抗ロスを低減することができる。
また、従来の構成のように、揺動部材を出力部材に対して遊星運動させるためのリンク部材を用いることなく、揺動部材30および支持部材60に比べて極めて小さなクランク部材50を用いる構成であるため、従来構成に比べて減速装置10を軽量化することができる。さらに、クランク部材50の大部分(第2クランクピン50bおよび第1クランクピン50a)は、揺動部材30および支持部材60に嵌め込まれる構成であるため、減速装置10の厚さ(例えば入力部材20の回動軸線Lに沿う方向の厚さ)を薄型化することができる。
また、減速装置10は、入力軸20aの回動軸線Lを中心とする所定の円周上において当該回動軸線Lに対して120°間隔で配置される3つのクランク部材50を備えている。このように、揺動部材30を安定的に支持することができる最少のクランク部材50を用いつつ、例えば揺動部材30の揺動時に揺動部材30から各クランク部材50に加わる荷重を、それぞれのクランク部材50に均等に分散させて、揺動部材30を各クランク部材50によって安定して支持した状態で揺動させることができる。
また、クランク部材50の連結部50cは、第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bの偏心方向に略直交する方向を板厚方向とする板状に形成され、第1クランクピン50aおよび第2クランクピン50bは、連結部50cのそれぞれの板面から延出する構成である。このような構成では、第1クランクピン50aと第2クランクピン50bの距離を小さくすることができ、揺動部材30と支持部材60の間隔を縮めて、減速装置10のコンパクト化を図ることができる。
なお、第2クランクピン50bが揺動部材30に支持された状態で、板面50eが揺動部材30の板面50eに接触する構成としてもよい。このような構成では、クランク部材50を揺動部材30によって安定的に支持することができ、第1クランクピン50aも所望の位置に安定的に位置させ易くなり、揺動部材30に組み付けられたクランク部材50に対して支持部材60を容易に組み付けることができる。また、第1クランクピン50aに支持部材60が組み付けられた状態で、板面50dが支持部材60に接触する構成としてもよい。このような構成によって、支持部材60を3つのクランク部材50よって安定的に支持することができる。
なお、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記第1実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)上記第1実施形態では、パワーシート装置1がシートクッションCの前部の高さを調整する構成を例示したが、車両用シートSのその他の状態を調整する構成であってもよい。例えば、パワーシート装置1は、シートクッションCの後部の高さを調整する構成や、シートクッションに対してシートバックを傾動させてリクライニング調整する構成であってもよい。
(2)上記第1実施形態では、減速装置10が3つのクランク部材50を備える構成を例示したが、2つや4つ以上のクランク部材50を備える構成であってもよい。また、このような数のクランク部材50を備える構成であっても、揺動部材30に対してクランク部材50が設けられる位置を、孔30aの周りにおいて孔30aの中心に対して等間隔とすることで、それぞれのクランク部材50が均等に荷重を受け易くなり、安定して揺動部材30および支持部材60に支持される。
(3)上記第1実施形態では、出力部材40の内歯40bの歯数が、揺動部材30の外歯30bの歯数よりも多い構成を例示したが、内歯40bの歯数が、外歯30bの歯数よりも少ない構成であってもよい。
1…パワーシート装置
10…減速装置
20…入力部材
20a…入力軸
20c…偏心軸部
30…揺動部材
30a…孔(内周面)
30b…外歯
40…出力部材
40b…内歯
50…クランク部材
50a…第1クランクピン
50b…第2クランクピン
50c…連結部
60…支持部材

Claims (5)

  1. 入力される回動動力を回動速度を減速するように出力する減速装置であって、
    回動動力が入力される入力軸に対して偏心する偏心軸部を備える入力部材と、
    外周面に外歯が形成され、内周面に前記偏心軸部の一部が摺接することで前記入力軸を中心として揺動する揺動部材と、
    噛合する外歯と異なる歯数の内歯が形成され、前記入力軸と同軸的に回動する出力部材と、
    前記揺動部材を揺動可能に支持するための支持部材と、
    前記支持部材に回動可能に支持される第1クランクピンと、前記揺動部材に回動可能に支持される第2クランクピンと、前記第1クランクピンおよび前記第2クランクピンを所定の偏心量で偏心するように連結する連結部と、を備えるクランク部材と、
    を備えることを特徴とする減速装置。
  2. 複数の前記クランク部材は、前記入力軸の回動軸線を中心とする所定の円周上において等間隔で配置されることを特徴とする請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記入力軸の回動軸線を中心とする所定の円周上において当該回動軸線に対して120°間隔で配置される3つの前記クランク部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の減速装置。
  4. 前記連結部は、前記第1クランクピンおよび前記第2クランクピンの偏心方向に略直交する方向を板厚方向とする板状に形成され、
    前記第1クランクピンおよび前記第2クランクピンは、前記連結部のそれぞれの板面から延出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減速装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の減速装置を備え、
    前記出力部材によって出力される回動動力に基づいて車両用シートの状態を調整するパワーシート装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR1053098A (fr) * 1952-03-27 1954-01-29 Perfectionnements aux réducteurs de vitesse planétaire
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