JP2018060118A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単色のトナーで画像を形成した場合の低温定着性、及び複数色の画像を形成した場合の耐ブリスター性を両立する画像形成方法を提供すること。【解決手段】複数色のトナーが重なったトナー像を転写材上に形成し、熱によって定着する工程を有する画像形成方法であって、トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、離型剤は結着樹脂への相溶性が10.0%未満の結晶性物質であり、可塑剤は結着樹脂への相溶性が14.0%以上の結晶性物質であり、トナー粒子は、結着樹脂100.0質量部に対し、離型剤を3.0質量部以上含有し、転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の割合:Wr(n)と可塑剤の割合:Wp(n)の比W(n)をW(n)=Wp(n)/Wr(n)としたとき、W(n+1)<W(n)の関係が成立することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に関する。
従来、電子写真法においては光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次いで静電荷像をトナーを用いて現像し、紙のごとき転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気により定着し画像を得る。
近年、プリンターや複写機において高速化や低消費電力化が求められており、定着性能に優れる画像形成方法が求められている。良好な定着性能を得るためには、定着時にトナーが素早く軟化し、かつ定着部材から分離することが重要である。
定着時にトナーが素早く軟化することで、低い定着温度で転写材に定着することが可能となる。定着時にトナーを素早く軟化させる手法としては、トナー中にエステルワックスや結晶性ポリエステルなどの可塑剤を添加する方法がある。
通常、画像形成に用いられるトナーには、定着部材から分離させるための添加剤として離型剤が含有されている。トナー中に含有された離型剤が、定着時にトナー表面に染み出すことにより、オフセットなどの画像弊害を抑制することができる。
特に、複数色のトナー像を形成する場合には、トナーの素早い軟化と離型性の両方の性能を両立することが重要である。どちらかの性能が不足すると、局所的に定着画像が剥がれてしまうブリスターと呼ばれる画像弊害が起きやすくなる。
ブリスター対策として、色ごとにワックス種を変更する方法(特許文献1参照)が報告されている。しかしこの方法では、組み合わせる色によって最適な定着温度が異なってしまう可能性がある。その場合、最も厳しい組み合わせの定着温度に合わせざるをえないため、高速化や低消費電力化の効果は得にくい。
またブリスター対策として、色ごとにトナー粒子表面のワックス量を変更する方法(特許文献2参照)が報告されている。しかし本発明者らの検討によると、この方法では離型性は十分に発揮されるものの、転写材との定着性に改善の余地を有していることが分かった。
特開2015−4761号公報 特開2014−160208号公報
本発明の目的は、単一色のトナーで画像を形成した場合の低温定着性、及び複数色のトナーで画像を形成した場合の耐ブリスター性を高いレベルでバランス良く両立する画像形成方法を提供することである。
本発明は、複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が10.0%未満であり、
前記可塑剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が14.0%以上であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、
前記可塑剤は、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、
前記離型剤は、炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば単一色のトナーで画像を形成した場合の低温定着性、及び複数色トナーで画像を形成した場合の耐ブリスター性を高いレベルでバランス良く両立する画像形成方法を提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、トナー中に可塑剤及び離型剤を添加し、かつ添加する可塑剤と離型剤の比率を色ごとに適切に制御することで、単一色での低温定着性及び複数色での耐ブリスター性を高いレベルでバランスよく両立する画像形成方法を提供できることを見出した。
具体的には、複数のトナー像を重ねて画像形成する場合には、紙のごとき転写材から遠い側のトナー像を形成する色のトナーほど、可塑剤と離型剤の比Wを小さくすることで、定着時に離型剤が染み出しやすく、定着部材との離型効果が良好に発揮される。かつ転写材に近い側の色のトナーほどWが大きくなるように画像形成することで、転写材に近い側の色のトナーは定着時により可塑され低粘度化し、転写材に良好に定着する。これらの効果により、耐ブリスター性が良好に発揮される。
また単一色のトナーで画像形成する場合には、どの色のトナーも可塑剤を含有しているため、単一色での低温定着性もばらつきなく良好である。
これによって、単一色での低温定着性及び複数色での耐ブリスター性を高いレベルでバランスよく両立するという本発明の効果が得られたと筆者らは考えている。
本発明の一つの形態としては、複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程とを有する画像形成方法であって、前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が10.0%未満であり、前記可塑剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が14.0%以上であり、前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上含有し、前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することを特徴とする画像形成方法である。
本形態における離型剤とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、結着樹脂への相溶性が10.0%未満の化合物である。示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測されるということは、離型剤が結晶性を有することを意味している。トナー用の離型剤としては、室温付近では状態変化を起こさず、定着時にのみ溶融し離型性を発揮することが求められるため、離型剤は結晶性を有することが必須である。結着樹脂への相溶性は、結着樹脂と離型剤を高温で混合した際の、結着樹脂のガラス転移温度降下から算出される。結着樹脂との相溶性が低いということは、離型剤としての効果が結着樹脂との相溶により損失しにくいことを意味しており、耐ブリスター性が向上する。離型剤の結着樹脂への相溶性は、結着樹脂及び離型剤の種類を変えることによって制御することができる。より好ましい範囲は8.0%未満である。離型剤は単独、もしくは複数種併用して用いることができる。また各色のトナーで用いる離型剤は同一でもいいし、異なっていてもよい。
本形態に用いられるトナー粒子は、結着樹脂100.0質量部に対して、離型剤を3.0質量部以上含有することが必須である。離型剤の含有量が3.0質量部未満の場合、式(1)の関係性を満たしていても、離型性が不足するため耐ブリスター性が十分に発揮されない。より好ましい含有量は製造面の観点から3.0質量部以上15.0質量部以下である。かぶりなどの画像弊害抑制の観点から、さらに好ましくは4.0質量部以上12.0質量部以下である。
また、本形態の画像形成方法に用いられるトナーは、定着性向上のために可塑剤を含有することが必須である。
本形態における可塑剤とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、結着樹脂への相溶性が14.0%以上の化合物である。示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測されるということは、可塑剤が結晶性を有することを意味している。トナー用の可塑剤としては、室温付近では結着樹脂と分離した状態で状態変化を起こさず、定着時にのみ溶融し結着樹脂を可塑するという性質が求められるため、可塑剤は結晶性を有することが必須である。結着樹脂への相溶性は、結着樹脂と可塑剤を高温で混合した際の、結着樹脂のガラス転移温度降下から算出される。相溶性が高いということは、定着時により結着樹脂を軟化させやすいことを意味しており、低温定着性が向上する。可塑剤の結着樹脂への相溶性は、結着樹脂及び可塑剤の種類を変えることによって制御することができる。より好ましい範囲は16.0%以上である。
可塑剤も単独、もしくは複数種併用して用いることができる。また各色のトナーで用いる可塑剤は同一でもいいし、異なっていてもよい。
可塑剤の含有量に関しては特に制限はないが、本形態に用いられるトナー粒子は、結着樹脂100.0質量部に対して、可塑剤を0.5質量部以上含有することが好ましい。可塑剤の含有量が0.5質量部以上であれば、可塑剤による低温定着性良化の効果がより効果的に発現する。より好ましい含有量は1.0質量部以上10.0質量部以下である。10.0質量部以下であれば、結晶性成分のトナー表面への露出が抑制でき、かぶりなどの画像弊害が抑制できる。
本形態の画像形成方法において、転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することが必須である。
式(1)は、転写材に近い側のトナー像を構成するトナーほど、トナー粒子中の可塑剤の質量割合が大きいことを意味する。また式(1)は、転写材から遠い側のトナー像を構成するトナーほど、トナー粒子中の離型剤の質量割合が大きいことも意味する。前述のとおり、これらの効果が組み合わさることで本発明の効果が得られる。また、W(n)とW(n+1)の比、W(n)/W(n+1)は1.30以上が好ましい。
式(1)の関係が逆転してしまった場合、転写材に近い側のトナー像を構成するトナーほど、可塑剤割合が少ないため、低粘度化しにくく、転写材に定着し難い。逆に、転写材から遠い側(定着部材に近い側)のトナー像を構成するトナーほど、可塑剤割合が大きくなるため、トナーが過度に低粘度化し定着部材に付着し、ブリスターが発生しやすくなる。
また、式(1)の関係性は、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に成立していることが必須である。例えば、3色のカラートナーを搭載するプリンターにおいて、3色の合成未定着トナー像を形成する場合、W(3)<W(2)<W(1)が成り立つ必要がある。これによって、3色の合成トナー像を形成する場合だけでなく、3色の内任意の2色で合成トナー像を形成する場合も上記の関係が維持され、良好な耐ブリスター性が色間で差がなく、バランスよく発揮される。
なお、離型剤を複数併用する場合、トナー示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、結着樹脂への相溶性が10.0%未満の化合物全てを離型剤とし、Wr(n)は各離型剤の含有割合の和とする。同様に、可塑剤を複数併用する場合、トナーの示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、結着樹脂への相溶性が14.0%以上の化合物全てを可塑剤とし、Wp(n)は各可塑剤の含有割合の和とする。
本形態において、結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の非晶性樹脂を使用することができる。中でもスチレンアクリル系樹脂が現像性に特に優れるため好ましい。
離型剤は、選択した結着樹脂への相溶性が10.0%未満であれば、以下のごとき公知の離型剤を用いることができる。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。中でも熱に対する応答性及び、離型剤の内包化の観点から、炭化水素ワックスやポリオレフィンワックスなどの炭化水素系ワックス、6価のアルコールと脂肪酸のエステル、6価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルが好ましい。融点は、60℃以上100℃以下が好ましい。
可塑剤は、結晶性を有し、かつ選択した結着樹脂への相溶性が14.0%以上であれば、公知の可塑剤を用いることができる。具体的には、エステルワックス、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、芳香族酸無水物、脂肪族酸無水物、n−アルカン類、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド、リン酸エステル、長鎖有機酸、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。中でも、可塑速度及び可塑剤の内包化の観点から3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルが好ましい。融点は60℃以上100℃以下が好ましい。
本発明のもう一つの形態は、複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程とを有する画像形成方法であって、
前記トナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、前記離型剤は炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、前記可塑剤は3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することを特徴とする画像形成方法である。
本形態の画像形成方法に用いられるトナーの結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂である。結着樹脂がスチレンアクリル系樹脂であることで高い現像安定性が得られる。
本形態における離型剤は、炭化水素ワックスやポリオレフィンワックスなどの炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤である。これらの離型剤であれば、スチレンアクリル系樹脂へ相溶しにくく十分に離型性が発揮され、耐ブリスター性が向上する。中でも熱に対する応答性及び、離型剤の内包化の観点から、炭化水素ワックスやポリオレフィンワックスなどの炭化水素系ワックス、6価のアルコールと脂肪酸のエステル、6価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルが好ましい。離型剤の融点は、60℃以上100℃以下が好ましい。これらの離型剤は単独、もしくは併用して用いることができる。また各色のトナーで用いる離型剤は同一でもいいし、異なっていてもよい。
本形態に用いられるトナー粒子は、結着樹脂100.0質量部に対して、離型剤を3.0質量部以上含有することが必須である。離型剤の含有量が3.0質量部未満の場合、式(1)の関係性を満たしていても、離型性が不足するため耐ブリスター性が十分に発揮されない。より好ましい含有量は製造面の観点から3.0質量部以上15.0質量部以下である。かぶりなどの画像弊害抑制の観点から、さらに好ましくは4.0質量部以上12.0質量部以下である。
本形態における可塑剤は、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤である。これらの可塑剤であれば、スチレンアクリル系樹脂に良好に相溶、可塑し低温定着性が向上する。中でも、可塑速度及び可塑剤の内包化の観点から3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルが好ましい。これらの可塑剤は単独、もしくは併用して用いることができる。また各色のトナーで用いる可塑剤は同一でもいいし、異なっていてもよい。
本形態の画像形成方法において、転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することが必須である。また、W(n)とW(n+1)の比W(n)/W(n+1)は1.30以上が好ましい。
式(1)は、転写材に近い側のトナー像を構成するトナーほど、トナー粒子中の可塑剤の質量割合が大きいことを意味する。すなわち、転写材に近い側のトナー像を構成するトナーは、定着時により可塑され低粘度化し、転写材に良好に定着する。
また式(1)は、転写材から遠い側のトナー像を構成するトナーほど、トナー粒子中の離型剤の質量割合が大きいことも意味する。すなわち、転写材から遠い側(定着部材に近い側)のトナー像を構成するトナーほど、定着時に離型剤が染み出しやすく定着部材との離型効果が良好に発揮される。これらの相乗効果により、本発明の効果が得られる。
この関係が逆転してしまった場合、定着時の熱がかかりにくい転写材に近い側のトナー像を構成するトナー程、可塑剤割合が少ないため、低粘度化しにくく、転写材に定着し難い。逆に、転写材から遠い側(定着部材に近い側)のトナー像を構成するトナーほど、可塑剤割合が大きくなるため、過度に低粘度化し定着部材に付着し、ブリスターやオフセットといった画像弊害が発生しやすくなる。
また、式(1)の関係性は、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に成立していることが必須である。例えば、3色のカラートナーを搭載するプリンターにおいて、3色の合成未定着トナー像を形成する場合、W(3)<W(2)<W(1)が成り立つ必要がある。これによって、3色の合成トナー像を形成する場合だけでなく、3色の内任意の2色で合成トナー像を形成する場合も上記の関係が維持され、良好な耐ブリスター性が色間で差がなく、バランスよく発揮される。
なお、離型剤を複数併用する場合、Wr(n)は各離型剤の含有割合の和とする。同様に、可塑剤を複数併用する場合、Wp(n)は各可塑剤の含有割合の和とする。
本発明の画像形成方法に用いられるトナー粒子は、結着樹脂、着色剤、可塑剤、及び離型剤を含有するコアと非晶性樹脂を含有するシェルを形成したコアシェル構造のトナー粒子であることが好ましい。コアに可塑剤や離型剤といった結晶性を有する材料を含有し、それを非晶性樹脂のシェルで被覆することにより、結晶性を有する材料のトナー粒子表面への露出が抑制でき、現像スジやかぶりといった画像弊害を抑制することができる。シェル層を形成する非晶性樹脂の例としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。中でも材料の多様性からポリエステル樹脂が好ましい。
本発明に用いられるトナー粒子は、どのような手法を用いて製造されても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法、懸濁造粒法の如き、水系媒体中で造粒する製造法によって製造されることが、前記コアシェル構造を有するトナー粒子が得られる点で好ましい。中でも、懸濁重合法が耐久性や保存性の観点から特に好ましい。
以下、本発明に用いられるトナー粒子を得る上で好適な懸濁重合法を例示して、トナー粒子の製造方法を説明する。
重合性単量体に、着色剤、可塑剤、離型剤、及び必要に応じて他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機によって溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、前記重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に懸濁して重合を行うことによって、トナー粒子は製造される。なお、前記重合開始剤は、重合性単量体組成物中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体もしくは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
前記スチレンアクリル系樹脂を構成するビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体または多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類等が挙げられる。
前記多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、または単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、または多官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性等の観点から好ましい。
重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。使用できる過酸化物系重合開始剤として、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジーt−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。また、使用できるアゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が例示される。なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。
上記懸濁重合法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。また、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
上記分散安定化剤のうち、本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、本発明においては、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上2.0質量部以下の範囲となるような割合で使用することが好ましい。このような範囲となる割合で使用することによって、重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性が向上するからである。また、本発明においては、重合性単量体組成物100.0質量部に対して300.0質量部以上3000.0質量部以下の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記難水溶性無機分散安定化剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定化剤をそのまま用いて分散させても良い。しかし、細かい均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、水中にて高速撹拌下に、上記難水溶性無機分散安定化剤を生成させて調製することが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
本発明に用いられるトナーの着色剤としては、以下に示すブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの顔料及び必要に応じて染料を用いることができる。
ブラック着色剤としては、公知のブラック着色剤を用いることができる。
例えば、ブラック着色剤としては、カーボンブラックが挙げられる。また、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を混合させて、ブラックに調節したものが挙げられる。
カーボンブラックとしては、特に制限はないが、例えばサーマル法、アセチレン法、チャンネル法、ファーネス法、ランプブラック法等の製法により得られたカーボンブラックを用いることができる。
本発明に用いるカーボンブラックの平均一次粒径は、特に制限はないが、平均一次粒径が14nm以上80nm以下であることが好ましく、より好ましくは25nm以上50nm以下である。平均一次粒径が14nm以上の場合には、トナーは赤味を呈さず、フルカラー画像形成用のブラックとして好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が80nm以下の場合には、良好に分散しかつ着色力が低くなり過ぎず好ましい。
尚、カーボンブラックの平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡で拡大した写真を撮影して測定することができる。
上記カーボンブラックは単独で用いても良く、2種以上を混合しても良い。
これらは粗製顔料であっても良く、本発明の効果を著しく阻害するものでなければ調製された顔料組成物であっても良い。
イエロー着色剤としては、公知のイエロー着色剤を用いることができる。
顔料系のイエロー着色剤としては、縮合多環系顔料、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199が挙げられる。
染料系のイエロー着色剤としては、C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、公知のマゼンタ着色剤を用いることができる。
マゼンタ着色剤としては、縮合多環系顔料、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red 2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.Pigment Violet19が挙げられる。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHT透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、コアを形成する樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、トナーの帯電性を環境によらず安定に保つために、荷電制御剤を用いてもよい。
負荷電性の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系荷電制御剤が挙げられる。。
正荷電性の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;樹脂系荷電制御剤が挙げられる。
これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
中でも、樹脂系荷電制御剤以外の荷電制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物が良く、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムのものが良い。特に好ましい制御剤は、サリチル酸アルミニウム化合物である。
樹脂系荷電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基、サリチル酸部位、安息香酸部位を有する重合体又は共重合体を用いることが好ましい。
荷電制御剤の好ましい配合量は、重合性単量体100.00質量部に対して0.01質量部以上20.00質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上10.00質量部以下である。
本発明において、トナーの流動性を向上させる目的で、流動性向上剤をトナー粒子に外部添加(外添)してもよい。
流動性向上剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粒子が好適に用いられる。これら無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されていてもよい。
流動性向上剤の添加量は、トナー粒子100.00質量部に対して、0.01質量部以上8.00質量部以下であることが好ましく、1.00質量部以上5.00質量部以下であることがより好ましい。
以下、本発明にかかわる各物性値の測定方法について説明する。
<離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性の測定方法>
離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性の測定には、示差走査熱量分析(DSC)装置を用いる。
サンプルとしては、非晶性樹脂Aと離型剤を配合して得られる樹脂組成物、非晶性樹脂Aと可塑剤を配合して得られる樹脂組成物を用いる。
(非晶性樹脂Aの製造)
本発明において、トナーを懸濁重合法によって製造する場合には、トナーから結着樹脂のみを分離することは困難である。そのため、各トナーの結着樹脂に相当する非晶性樹脂Aを別途作製する必要がある。
後述する実施例において、懸濁重合法によってトナーを製造する際、結着樹脂を構成する重合性単量体のみを用いて、トナーの製造条件と同じ重合温度と、同じ重合開始剤を同じ量用いて製造した樹脂を、非晶性樹脂Aとした。
なお、同等の樹脂が得られているかどうかについては、後述する組成分析と、重量平均分子量(Mw)の測定を行い、トナーと同等であることを確認した。
(非晶性樹脂Aと離型剤を配合して得られる樹脂組成物、非晶性樹脂Aと可塑剤を配合して得られる樹脂組成物の作製)
非晶性樹脂Aと離型剤もしくは可塑剤を100:5の割合で混合した混合物0.4gを、トルエン2mlに投入し、必要に応じて加熱して均一な溶解液を作製する。上記溶解液をロータリーエバポレータにて120℃まで加熱し、突沸しないように徐々に減圧する。50mbarまで減圧して2時間乾燥を行ったものを樹脂組成物とした。
(離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性の測定方法)
離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性は、示差走査熱量分析(DSC)装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて、非晶性樹脂Aと離型剤を配合して得られる樹脂組成物、および非晶性樹脂Aと可塑剤を配合して得られる樹脂組成物を測定することで算出する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から120℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。この昇温過程で温度0℃から120℃の範囲におけるDSC曲線の比熱変化が検出される。この比熱変化が出る前後の各ベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度「Tg:℃」とする。
離型剤の結着樹脂への相溶性:〔{Tg(A)−Tg(AR)}/Tg〕×100
可塑剤の結着樹脂への相溶性:〔{Tg(A)−Tg(AP)}/Tg〕×100
上記Tg(A)[℃]は、非晶性樹脂Aのガラス転移温度を表し、上記Tg(AR)[℃]は、非晶性樹脂Aと離型剤を配合して得られる樹脂組成物のガラス転移温度を表し、上記Tg(AP)[℃]は、非晶性樹脂Aと可塑剤を配合して得られる樹脂組成物のガラス転移温度を表す。
<非晶性樹脂A、離型剤、可塑剤の構造分析>
非晶性樹脂A、離型剤及び可塑剤の構造は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて決定する。
以下に測定に用いた装置及び測定方法を記す。各サンプルはトナー中から分取することで採取し分析してもよい。
(i)1H−NMR、13C−NMR
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて測定試料を調製する。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
(ii)FT−IRスペクトル
測定装置 :Spectrum One (Perkin−Elmer社製)測定方法:1回反射ATR法
Range Start:4000cm-1
End:400cm-1(KRS−5のATR結晶)
Scan number:32
Resolution:4.00cm-1
Advanced:CO2/H2O補正あり
試料0.01gをATR結晶の上に精秤して、圧力アームでサンプルを加圧し、上記条件にて測定した。
<トナー及び非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)の測定方法>
トナー及び非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、トナー及び非晶性樹脂Aをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<離型剤及び可塑剤の融点の測定方法>
離型剤及び可塑剤の融点は示差走査熱量分析(DSC)装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定した際の、最大吸熱ピークのピーク温度として算出する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃まで昇温した後、100℃で15分間保持し、その後、100℃から0℃まで、降温速度5℃/分で冷却する。0℃まで降温後、0℃で10分間保持し、その後0℃から120℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。この2回目の昇温過程における吸熱曲線における最大吸熱ピークのピーク温度(℃)を測定する。
本発明を以下に示す実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は実施例及び比較例によって制限されるものではない。
<非晶性樹脂Aの製造例>
(水系媒体の調製)
・イオン交換水 1000.0質量部
・リン酸ナトリウム 14.0質量部
・10%塩酸 4.5質量部
上記材料を、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて撹拌し混合物を得た。得られた混合物は窒素パージしながら65℃で60分間保温した。次に、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を上記混合物に一括投入し、分散剤を含む水系媒体を調製した。調製された水系媒体のpHは5.5であった。
(荷電制御剤分散液1の調製:分散工程)
・スチレン 60.0質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−88) 0.5質量部
上記材料及び直径1.7mmのジルコニア粒子をアトライタ(三井三池化工機株式会社)に投入し、220rpmで5時間混合することでスチレン中に荷電制御剤を分散した。分散後にジルコニア粒子を分離して荷電制御剤分散液1を作製した。
(重合性単量体組成物1の調製)
・スチレン 15.0質量部
・n−ブチルアクリレート(n−BA) 25.0質量部
上記材料を混合し、2時間撹拌して、重合性単量体組成物1を得た。
(重合性単量体組成物2の調製)
荷電制御剤分散液1及び重合性単量体組成物1を混合した後、下記材料を添加した。
・ジビニルベンゼン 0.02質量部
添加後、混合しながら、65℃に加温した。65℃で30分間、保温しながらT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmで均一に溶解して重合性単量体組成物2を得た。
(造粒/重合工程)
得られた重合性単量体組成物2を上記水系媒体中に投入した。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(25%トルエン溶液)10.0質量部を添加し、65℃、窒素パージ下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃に昇温し、撹拌しながら5時間反応した。
(蒸留/洗浄/乾燥/分級/外添工程)
重合反応終了後、容器内の温度を100℃に昇温し、4時間蒸留させた。その後、5℃/分で30℃まで反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpHを2とした状態で2時間撹拌しながら分散剤を溶解した。得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄した。十分通気をした後、乾燥して非晶性樹脂Aを得た。得られた非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は30000、ガラス転移温度は54℃であった。
<離型剤>
離型剤としては以下の表1に記載のものを用いた。
Figure 2018060118
<可塑剤>
可塑剤としては以下の表2に記載のものを用いた。
Figure 2018060118
<ポリエステル樹脂の製造例>
・テレフタル酸 15.00質量部
・イソフタル酸 15.00質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 70.00質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム 0.03質量部
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、上記成分を仕込み、窒素雰囲気下、220℃で17時間反応を行い、さらに10mmHg以上20mmHg以下の減圧下で0.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10質量部添加して、175℃で2.0時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9500、ガラス転移温度は73℃、酸価は8.0mgKOH/gであった。
<イエロートナーY1の製造例>
(水系媒体の調製)
・イオン交換水 1000.0質量部
・リン酸ナトリウム 14.0質量部
・10%塩酸 4.5質量部
上記材料を、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて撹拌し混合物を得た。得られた混合物は窒素パージしながら65℃で60分間保温した。次に、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を上記混合物に一括投入し、分散剤を含む水系媒体を調製した。調製された水系媒体のpHは5.5であった。
(顔料分散液1の調製:顔料分散工程)
・スチレン 60.0質量部
・C.I.ピグメントイエロー 5.0質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−88) 0.5質量部
上記材料及び直径1.7mmのジルコニア粒子をアトライタ(三井三池化工機株式会社)に投入し、220rpmで5時間混合することで、スチレン中に着色剤及び荷電制御剤を分散した。分散後にジルコニア粒子を分離して顔料分散液1を作製した。
(重合性単量体組成物3の調製)
・スチレン 15.0質量部
・n−ブチルアクリレート(n−BA) 25.0質量部
・ポリエステル樹脂 6.0質量部
上記材料を混合し、2時間撹拌して、ポリエステル樹脂を溶解し、重合性単量体組成物3を得た。
(重合性単量体組成物4の調製)
顔料分散液1及び重合性単量体組成物3を混合した後、下記材料を添加した。
・離型剤1 6.0質量部
・可塑剤1 2.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.02質量部
添加後、混合しながら、65℃に加温した。65℃で30分間、保温しながらT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解して重合性単量体組成物4を得た。
(造粒/重合工程)
得られた重合性単量体組成物4を上記水系媒体中に投入した。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(25%トルエン溶液)10.0質量部を添加し、65℃、窒素パージ下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃に昇温し、撹拌しながら5時間反応した。
(蒸留/洗浄/乾燥/分級/外添工程)
重合反応終了後、容器内の温度を100℃に昇温し、4時間蒸留させた。その後、5℃/分で30℃まで反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpHを2とした状態で2時間撹拌しながら分散剤を溶解した。得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄した。十分通気をした後、乾燥して風力分級し、重量平均粒径7.0μm、重量平均分子量(Mw)31000のイエロートナー粒子1を得た。得られたイエロートナー粒子1の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、イエロートナー粒子1は結着樹脂、着色剤、可塑剤、及び離型剤を含有するコアとポリエステル樹脂を含有するシェルを形成したコアシェル構造であった。
100.0質量部の上記イエロートナー粒子1に、外添剤として、シリカ微粒子に対して20.0質量%のジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5質量部、及び、酸化チタン微粒子に対して15.0質量%のイソブチルトリメトキシシランで表面処理した疎水性酸化チタン微粒子(1次粒子の個数平均粒径:50nm)0.3質量部を添加し、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用いて、3000rpmで15分間混合して、イエロートナーY1を得た。
<イエロートナーY2〜Y19の製造例>
イエロートナーY1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表3の通りに変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてイエロートナーY2〜Y19を得た。
Figure 2018060118
<マゼンタトナーM1の製造例>
イエロートナーY1の製造例において、添加する顔料をC.I.ピグメントレッド122を3.0質量部、及びC.I.ピグメントレッド150を2.0質量部に変更すること、可塑剤1の添加量を4.0質量部に変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてマゼンタトナーM1を得た。
<マゼンタトナーM2〜M17の製造例>
マゼンタトナーM1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表4の通りに変更することを除いて、マゼンタトナーM1の製造例と同様にしてマゼンタトナーM2〜M17を得た。
Figure 2018060118
<シアントナーC1の製造例>
イエロートナーY1の製造例において、添加する顔料をC.I.ピグメントブルー15:3を5.0質量部に変更すること、可塑剤1の添加量を6.0質量部に変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてシアントナーC1を得た。
<シアントナーC2〜C19の製造例>
シアントナーC1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表5の通りに変更することを除いて、シアントナーC1の製造例と同様にしてシアントナーC2〜C19を得た。
Figure 2018060118
<実施例1>
評価機としてLBP9600C(キヤノン製)を、プリント速度がA4:40枚/分になるように改造したものを使用した。カートリッジは、市販のLBP9600Cカートリッジ中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、評価するトナーを充填したものを使用した。1ステーション(イエローステーション)にY1を詰めたトナーカートリッジ、2ステーション(マゼンタステーション)にM1を詰めたトナーカートリッジ、3ステーション(シアンステーション)にC1を詰めたトナーカートリッジをセットした。この状態では、転写材上に3色のトナーを重ねた時に、最も定着器側のトナーはY1になり、最も転写材側のトナーがC1になる。以下に示す耐ブリスター性、低温定着性、かぶりの評価を行った。結果を表6に示す。
耐ブリスター性
常温常湿環境下(25℃、50%RH)において、評価紙はHP社製LaserJet90(坪量90g/m2)を用い、トナーの載り量0.90mg/cm2(Y1:0.45mg/cm2、M1:0.45mg/cm2)で、2cm×2cmの面積の画像を出力した。定着温調を変化させながら、各濃度で出力した画像を目視によりブリスター発生の有無を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:ブリスター発生温度が155℃未満
B:ブリスター発生温度が155℃以上165℃未満
C:ブリスター発生温度が165℃以上175℃未満
D:ブリスター発生温度が175℃以上
低温定着性(単色)
常温常湿環境下(25℃、50%RH)において、評価紙はHP社製LaserJet90(坪量90g/m2)を用い、トナーの載り量0.23mg/cm2のハーフトーン画像を出力した。定着温調を変化させながら、定着後の画像の表面を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙(ダスパー K−3)で0.2m/秒の速度で5回摺擦したときの濃度低下率を分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10.0%以下になる定着温度を、最低定着温度とし、それを以下の評価基準に基づいて評価した。
A:最低定着温度が150℃未満
B:最低定着温度が150℃以上160℃未満
C:最低定着温度が160℃以上170℃未満
D:最低定着温度が170℃以上
同様の評価を各色のトナーで行った。
かぶり評価
評価機ごと高温高湿下(30℃/80%)で7日間放置した後、常温常湿下(23℃/60%)でさらに3日間放置し初期帯電をリセットした。それらを常温常湿環境(23℃/60%)で、予備回転なしにベタ白のA4画像を10枚出力し、画像のベタ白部の反射率を測定した。さらに未使用の紙の反射率を測定し、上記画像のベタ白部の反射率から引いてかぶり濃度とした。出力した10枚の画像について測定したかぶり濃度の平均値を、以下の評価基準にしたがって評価した。反射率は「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用いた。評価は、グロス紙モードで、光沢紙(HP Brochure Paper 200g, Glossy、HP社製、200g/m2)を用いて行った。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
<実施例2〜18、比較例1〜10>
表6に示すトナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表6に示す。なお、比較例1〜10のうち、比較例1は使用トナー中の離型剤量が、比較例2〜7は式(1)の関係が、比較例8は使用トナー中の可塑剤の結着樹脂への相溶性が、比較例9は使用トナー中の離型剤の結着樹脂への相溶性が、比較例10は一部の使用トナー(C19)中の離型剤量が、それぞれ本発明の規定を満たしていない例である。
Figure 2018060118

Claims (5)

  1. 複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
    前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法であって、
    前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
    前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が10.0%未満であり、
    前記可塑剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が14.0%以上であり、
    前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上含有し、
    前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
    W(n)=Wp(n)/Wr(n)
    としたとき、
    合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
    W(n+1)<W(n) 式(1)
    の関係が成立する、
    ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
    前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法であって、
    前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
    前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、
    前記可塑剤は、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、
    前記離型剤は、炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、
    前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、
    前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
    W(n)=Wp(n)/Wr(n)
    としたとき、
    合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
    W(n+1)<W(n) 式(1)
    の関係が成立する、
    ことを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記可塑剤が、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、或いは、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルである請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記離型剤が、炭化水素系ワックス、6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、或いは、6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記トナー粒子が、結着樹脂、着色剤、結晶性を有する可塑剤、及び離型剤を含有するコアと非晶性樹脂を含有するシェルを形成したコアシェル構造のトナー粒子である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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