JP2018060118A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、プリンターや複写機において高速化や低消費電力化が求められており、定着性能に優れる画像形成方法が求められている。良好な定着性能を得るためには、定着時にトナーが素早く軟化し、かつ定着部材から分離することが重要である。
定着時にトナーが素早く軟化することで、低い定着温度で転写材に定着することが可能となる。定着時にトナーを素早く軟化させる手法としては、トナー中にエステルワックスや結晶性ポリエステルなどの可塑剤を添加する方法がある。
通常、画像形成に用いられるトナーには、定着部材から分離させるための添加剤として離型剤が含有されている。トナー中に含有された離型剤が、定着時にトナー表面に染み出すことにより、オフセットなどの画像弊害を抑制することができる。
特に、複数色のトナー像を形成する場合には、トナーの素早い軟化と離型性の両方の性能を両立することが重要である。どちらかの性能が不足すると、局所的に定着画像が剥がれてしまうブリスターと呼ばれる画像弊害が起きやすくなる。
ブリスター対策として、色ごとにワックス種を変更する方法(特許文献1参照)が報告されている。しかしこの方法では、組み合わせる色によって最適な定着温度が異なってしまう可能性がある。その場合、最も厳しい組み合わせの定着温度に合わせざるをえないため、高速化や低消費電力化の効果は得にくい。
またブリスター対策として、色ごとにトナー粒子表面のワックス量を変更する方法(特許文献2参照)が報告されている。しかし本発明者らの検討によると、この方法では離型性は十分に発揮されるものの、転写材との定着性に改善の余地を有していることが分かった。
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が10.0%未満であり、
前記可塑剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が14.0%以上であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、
前記可塑剤は、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、
前記離型剤は、炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することを特徴とする画像形成方法である。
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することが必須である。
前記トナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、前記離型剤は炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、前記可塑剤は3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することを特徴とする画像形成方法である。
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立することが必須である。また、W(n)とW(n+1)の比W(n)/W(n+1)は1.30以上が好ましい。
離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性の測定には、示差走査熱量分析(DSC)装置を用いる。
本発明において、トナーを懸濁重合法によって製造する場合には、トナーから結着樹脂のみを分離することは困難である。そのため、各トナーの結着樹脂に相当する非晶性樹脂Aを別途作製する必要がある。
非晶性樹脂Aと離型剤もしくは可塑剤を100:5の割合で混合した混合物0.4gを、トルエン2mlに投入し、必要に応じて加熱して均一な溶解液を作製する。上記溶解液をロータリーエバポレータにて120℃まで加熱し、突沸しないように徐々に減圧する。50mbarまで減圧して2時間乾燥を行ったものを樹脂組成物とした。
離型剤及び可塑剤の結着樹脂への相溶性は、示差走査熱量分析(DSC)装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて、非晶性樹脂Aと離型剤を配合して得られる樹脂組成物、および非晶性樹脂Aと可塑剤を配合して得られる樹脂組成物を測定することで算出する。
離型剤の結着樹脂への相溶性:〔{Tg(A)−Tg(AR)}/Tg〕×100
可塑剤の結着樹脂への相溶性:〔{Tg(A)−Tg(AP)}/Tg〕×100
非晶性樹脂A、離型剤及び可塑剤の構造は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて決定する。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて測定試料を調製する。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
測定装置 :Spectrum One (Perkin−Elmer社製)測定方法:1回反射ATR法
Range Start:4000cm-1
End:400cm-1(KRS−5のATR結晶)
Scan number:32
Resolution:4.00cm-1
Advanced:CO2/H2O補正あり
トナー及び非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
離型剤及び可塑剤の融点は示差走査熱量分析(DSC)装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定した際の、最大吸熱ピークのピーク温度として算出する。
(水系媒体の調製)
・イオン交換水 1000.0質量部
・リン酸ナトリウム 14.0質量部
・10%塩酸 4.5質量部
上記材料を、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて撹拌し混合物を得た。得られた混合物は窒素パージしながら65℃で60分間保温した。次に、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を上記混合物に一括投入し、分散剤を含む水系媒体を調製した。調製された水系媒体のpHは5.5であった。
・スチレン 60.0質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−88) 0.5質量部
上記材料及び直径1.7mmのジルコニア粒子をアトライタ(三井三池化工機株式会社)に投入し、220rpmで5時間混合することでスチレン中に荷電制御剤を分散した。分散後にジルコニア粒子を分離して荷電制御剤分散液1を作製した。
・スチレン 15.0質量部
・n−ブチルアクリレート(n−BA) 25.0質量部
上記材料を混合し、2時間撹拌して、重合性単量体組成物1を得た。
荷電制御剤分散液1及び重合性単量体組成物1を混合した後、下記材料を添加した。
・ジビニルベンゼン 0.02質量部
添加後、混合しながら、65℃に加温した。65℃で30分間、保温しながらT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmで均一に溶解して重合性単量体組成物2を得た。
得られた重合性単量体組成物2を上記水系媒体中に投入した。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(25%トルエン溶液)10.0質量部を添加し、65℃、窒素パージ下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃に昇温し、撹拌しながら5時間反応した。
重合反応終了後、容器内の温度を100℃に昇温し、4時間蒸留させた。その後、5℃/分で30℃まで反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpHを2とした状態で2時間撹拌しながら分散剤を溶解した。得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄した。十分通気をした後、乾燥して非晶性樹脂Aを得た。得られた非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は30000、ガラス転移温度は54℃であった。
離型剤としては以下の表1に記載のものを用いた。
可塑剤としては以下の表2に記載のものを用いた。
・テレフタル酸 15.00質量部
・イソフタル酸 15.00質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 70.00質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム 0.03質量部
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、上記成分を仕込み、窒素雰囲気下、220℃で17時間反応を行い、さらに10mmHg以上20mmHg以下の減圧下で0.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10質量部添加して、175℃で2.0時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9500、ガラス転移温度は73℃、酸価は8.0mgKOH/gであった。
(水系媒体の調製)
・イオン交換水 1000.0質量部
・リン酸ナトリウム 14.0質量部
・10%塩酸 4.5質量部
上記材料を、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて撹拌し混合物を得た。得られた混合物は窒素パージしながら65℃で60分間保温した。次に、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を上記混合物に一括投入し、分散剤を含む水系媒体を調製した。調製された水系媒体のpHは5.5であった。
・スチレン 60.0質量部
・C.I.ピグメントイエロー 5.0質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−88) 0.5質量部
上記材料及び直径1.7mmのジルコニア粒子をアトライタ(三井三池化工機株式会社)に投入し、220rpmで5時間混合することで、スチレン中に着色剤及び荷電制御剤を分散した。分散後にジルコニア粒子を分離して顔料分散液1を作製した。
・スチレン 15.0質量部
・n−ブチルアクリレート(n−BA) 25.0質量部
・ポリエステル樹脂 6.0質量部
上記材料を混合し、2時間撹拌して、ポリエステル樹脂を溶解し、重合性単量体組成物3を得た。
顔料分散液1及び重合性単量体組成物3を混合した後、下記材料を添加した。
・離型剤1 6.0質量部
・可塑剤1 2.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.02質量部
添加後、混合しながら、65℃に加温した。65℃で30分間、保温しながらT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解して重合性単量体組成物4を得た。
得られた重合性単量体組成物4を上記水系媒体中に投入した。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(25%トルエン溶液)10.0質量部を添加し、65℃、窒素パージ下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃に昇温し、撹拌しながら5時間反応した。
重合反応終了後、容器内の温度を100℃に昇温し、4時間蒸留させた。その後、5℃/分で30℃まで反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpHを2とした状態で2時間撹拌しながら分散剤を溶解した。得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄した。十分通気をした後、乾燥して風力分級し、重量平均粒径7.0μm、重量平均分子量(Mw)31000のイエロートナー粒子1を得た。得られたイエロートナー粒子1の断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、イエロートナー粒子1は結着樹脂、着色剤、可塑剤、及び離型剤を含有するコアとポリエステル樹脂を含有するシェルを形成したコアシェル構造であった。
イエロートナーY1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表3の通りに変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてイエロートナーY2〜Y19を得た。
イエロートナーY1の製造例において、添加する顔料をC.I.ピグメントレッド122を3.0質量部、及びC.I.ピグメントレッド150を2.0質量部に変更すること、可塑剤1の添加量を4.0質量部に変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてマゼンタトナーM1を得た。
マゼンタトナーM1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表4の通りに変更することを除いて、マゼンタトナーM1の製造例と同様にしてマゼンタトナーM2〜M17を得た。
イエロートナーY1の製造例において、添加する顔料をC.I.ピグメントブルー15:3を5.0質量部に変更すること、可塑剤1の添加量を6.0質量部に変更することを除いて、イエロートナーY1の製造例と同様にしてシアントナーC1を得た。
シアントナーC1の製造例において、添加する離型剤及び可塑剤の種類及び添加量を表5の通りに変更することを除いて、シアントナーC1の製造例と同様にしてシアントナーC2〜C19を得た。
評価機としてLBP9600C(キヤノン製)を、プリント速度がA4:40枚/分になるように改造したものを使用した。カートリッジは、市販のLBP9600Cカートリッジ中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、評価するトナーを充填したものを使用した。1ステーション(イエローステーション)にY1を詰めたトナーカートリッジ、2ステーション(マゼンタステーション)にM1を詰めたトナーカートリッジ、3ステーション(シアンステーション)にC1を詰めたトナーカートリッジをセットした。この状態では、転写材上に3色のトナーを重ねた時に、最も定着器側のトナーはY1になり、最も転写材側のトナーがC1になる。以下に示す耐ブリスター性、低温定着性、かぶりの評価を行った。結果を表6に示す。
常温常湿環境下(25℃、50%RH)において、評価紙はHP社製LaserJet90(坪量90g/m2)を用い、トナーの載り量0.90mg/cm2(Y1:0.45mg/cm2、M1:0.45mg/cm2)で、2cm×2cmの面積の画像を出力した。定着温調を変化させながら、各濃度で出力した画像を目視によりブリスター発生の有無を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:ブリスター発生温度が155℃未満
B:ブリスター発生温度が155℃以上165℃未満
C:ブリスター発生温度が165℃以上175℃未満
D:ブリスター発生温度が175℃以上
常温常湿環境下(25℃、50%RH)において、評価紙はHP社製LaserJet90(坪量90g/m2)を用い、トナーの載り量0.23mg/cm2のハーフトーン画像を出力した。定着温調を変化させながら、定着後の画像の表面を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙(ダスパー K−3)で0.2m/秒の速度で5回摺擦したときの濃度低下率を分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10.0%以下になる定着温度を、最低定着温度とし、それを以下の評価基準に基づいて評価した。
A:最低定着温度が150℃未満
B:最低定着温度が150℃以上160℃未満
C:最低定着温度が160℃以上170℃未満
D:最低定着温度が170℃以上
評価機ごと高温高湿下(30℃/80%)で7日間放置した後、常温常湿下(23℃/60%)でさらに3日間放置し初期帯電をリセットした。それらを常温常湿環境(23℃/60%)で、予備回転なしにベタ白のA4画像を10枚出力し、画像のベタ白部の反射率を測定した。さらに未使用の紙の反射率を測定し、上記画像のベタ白部の反射率から引いてかぶり濃度とした。出力した10枚の画像について測定したかぶり濃度の平均値を、以下の評価基準にしたがって評価した。反射率は「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用いた。評価は、グロス紙モードで、光沢紙(HP Brochure Paper 200g, Glossy、HP社製、200g/m2)を用いて行った。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
表6に示すトナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表6に示す。なお、比較例1〜10のうち、比較例1は使用トナー中の離型剤量が、比較例2〜7は式(1)の関係が、比較例8は使用トナー中の可塑剤の結着樹脂への相溶性が、比較例9は使用トナー中の離型剤の結着樹脂への相溶性が、比較例10は一部の使用トナー(C19)中の離型剤量が、それぞれ本発明の規定を満たしていない例である。
Claims (5)
- 複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が10.0%未満であり、
前記可塑剤は、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測され、前記結着樹脂への相溶性が14.0%以上であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法。 - 複数のトナー像が重ね合わされた合成未定着トナー像を転写材上に形成する工程と、
前記転写材上の前記合成未定着トナー像に接触し、前記合成未定着トナー像に熱を与える定着器によって、前記合成未定着トナー像を前記転写材上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記トナー像を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び可塑剤を含有するトナー粒子を有し、
前記結着樹脂はスチレンアクリル系樹脂であり、
前記可塑剤は、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、結晶性ポリエステル及びその誘導体、芳香族エステル類、脂肪酸アミドからなるグループから選択される融点が60℃以上100℃以下の可塑剤であり、
前記離型剤は、炭化水素系ワックス、4価以上6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、4価以上6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、マイクロクリスタリンワックスからなるグループから選択される離型剤であり、
前記トナー粒子は、前記結着樹脂100.0質量部に対し、前記離型剤を3.0質量部以上で含有し、
前記転写材側から数えてn番目のトナー像を構成するトナー粒子中に含有される、離型剤の質量基準での含有割合をWr(n)、可塑剤の質量基準での含有割合をWp(n)とし、離型剤の含有割合と可塑剤の含有割合との比をW(n):
W(n)=Wp(n)/Wr(n)
としたとき、
合成未定着トナー像を構成する全てのトナー像について、常に、下記式(1)
W(n+1)<W(n) 式(1)
の関係が成立する、
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記可塑剤が、3価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、或いは、3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルである請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記離型剤が、炭化水素系ワックス、6価以下のアルコールと脂肪酸のエステル、或いは、6価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記トナー粒子が、結着樹脂、着色剤、結晶性を有する可塑剤、及び離型剤を含有するコアと非晶性樹脂を含有するシェルを形成したコアシェル構造のトナー粒子である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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