JP2018053927A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウトボード側に制動装置が装着されるインホイールモータ駆動装置において軸受の長寿命化と車両搭載性を向上させる。【解決手段】電動モータ部Aと、減速機部Bと、車輪用軸受部Cとから構成され、ケーシング22を備えており、減速機部の少なくとも最終減速段が平行軸式歯車にであり、最終減速段の出力歯車35が、車輪用軸受部Cの外輪53の円筒部53bの直径より大きいピッチ円直径PCDを有し、減速機部Bの複数の減速段の歯車軸30a、36、S1、S2が転がり軸受42、43、44、45、46、47、48、49により支持され、転がり軸受42、43、44、45、46、47、48、49のうち、少なくともアウトボード側に配置された転がり軸受43、45、47、49が高炭素クロム軸受鋼からなり、焼入れ後に高温焼戻しが施された熱処理組織を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電動モータ部の出力軸と車輪用軸受部とを減速機部を介して連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、ホイールの内部に収められるため、車両のばね下重量となる。ばね下重量の増加は車両の乗り心地を悪化させるため、インホイールモータ駆動装置の小型軽量化は重要な要件である。電動モータの出力トルクは、電動モータのサイズおよび重量に比例するため、モータ単体で車両の駆動に必要なトルクを発生させようとすると、大型のモータが必要になる。そのため、電動モータを減速機と組み合わせて使用することで、小型化する手段が用いられる。
しかし、電動モータ、減速機、車輪用軸受を直列に並べると、ホイールからインボード側へのインホイールモータ駆動装置の張り出し量が大きくなる。ホイールハウジングのスペースが内燃機関の車両と同じである場合、車両が転舵、上下動した際、車体とインホイールモータ駆動装置との干渉が発生する。そのため、タイヤ可動範囲を減らすか、インホイールモータ駆動装置専用に車体を改造する必要がある。
従来技術として、インホイールモータ駆動装置において、サスペンション装置やブレーキ装置に干渉することを防止して車両搭載性を向上させるため、インホイールモータ駆動装置の軸方向寸法の短縮を図ったものが提案されている(特許文献1)。このインホイールモータ駆動装置では、電動モータと車輪への出力軸とを平行な2つの軸上に配置し、電動モータと減速機を異なる軸上に配置することで、インボード側への張り出しを抑えている。
特開2012−214202号公報
特許文献1に記載のインホイールモータ駆動装置では、減速機、車輪用軸受と電動モータが同軸配置でないため、減速機、車輪用軸受の半径方向外方にモータを配置することができる。しかし、車輪用軸受の半径方向外方に配置したことで、電動モータ、減速機、車輪用軸受を直列(同軸)に配置した場合には起こらないような、インホイールモータ駆動装置の駆動、動力伝達部位等とブレーキディスクの接近が発生する。
インホイールモータ駆動装置には、各回転軸を支持するために転がり軸受が組み込まれているが、インホイールモータ駆動装置とブレーキディスクが接近すると、アウトボード側の転がり軸受とブレーキディスクが接近するため、ブレーキの摩擦熱により、アウトボード側の転がり軸受が高温になることが懸念されることに着目した。
標準の熱処理を施した転がり軸受は、120℃程度までは寸法変化が少ないが、120℃を超える高温環境下で長時間使用すると寸法変化(膨張)が大きくなる。特に、内輪の膨張が大きくなると、軸受の内部すきまが過小になり、滑らかな回転が阻害されて短寿命となる。そのため、従来では、高温になるブレーキディスクとインホイールモータ駆動装置を近づけて、ユニットをアウトボード側に寄せることが困難で、インホイールモータ駆動装置の車両搭載性において大きな問題であることが分かった。この問題に着目したのが本発明である。
本発明は、上記の問題に鑑み、アウトボード側に制動装置が装着されるインホイールモータ駆動装置において、回転軸支持軸受の長寿命化を図りつつ、車両搭載性を向上させることを目的とする。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、電動モータ部と、減速機部と、車輪用軸受部とから構成され、ケーシングを備えており、前記減速機部の少なくとも最終減速段が平行軸式歯車による減速構造を有するインホイールモータ駆動装置において、前記最終減速段の出力歯車が、前記車輪用軸受部の外輪の円筒部の直径より大きいピッチ円直径を有し、前記減速機部の複数の減速段の歯車軸が転がり軸受により支持され、前記歯車軸を支持する転がり軸受のうち、少なくともアウトボード側に配置された転がり軸受が高炭素クロム軸受鋼からなり、焼入れ後に高温焼戻しが施された熱処理組織を有することを特徴とする。
上記の構成により、アウトボード側に制動装置が装着されるインホイールモータ駆動装置において、回転軸支持軸受の長寿命化を図りつつ、車両搭載性を向上させることができる。
上記の熱処理組織がさらに浸炭窒化処理が施されたものであることが望ましい。これにより、回転軸支持軸受の一層の長寿命化と寸法安定性を確保できる。
上記の車輪用軸受部が外輪回転タイプであることにより、車両搭載性が一層良好となる。内輪回転タイプの場合は、車両搭載性を確保すると共に、スプライン孔を有する既存のハブ輪の構造が適用できる。
本発明によれば、アウトボード側に制動装置が装着されるインホイールモータ駆動装置において、回転軸支持軸受の長寿命化を図りつつ、車両搭載性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を示し、図2のP−P線で矢視した縦断面図である。 図1のQ−G線で矢視したインホイールモータ駆動装置の一部断面を含む正面図である。 図1の歯車軸を支持する転がり軸受単体の縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の縦断面図である。 インホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車の概略構成を示す平面図である。 図5の電気自動車を示す後方断面図である。
本発明の第1の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を図1〜図3、図5および図6に基づいて説明する。まず、本実施形態のインホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車を図5、図6に基づいて説明する。図5は、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車11の概略平面図、図6は、電気自動車11を後方から見た概略断面図である。
電気自動車11は、図5に示すように、シャシー12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、後輪14に駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを装備する。後輪14は、図6に示すように、シャシー12のホイールハウジング15の内部に収容され、懸架装置(サスペンション)16を介してシャシー12の下部に固定されている。
懸架装置16は、左右に延びるサスペンションアームにより後輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットにより、後輪14が地面から受ける振動を吸収してシャシー12の振動を抑制する。左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時などの車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられている。懸架装置16は、路面の凹凸に対する追従性を向上させ、後輪14の駆動力を効率よく路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させる独立懸架式としている。
電気自動車11は、ホイールハウジング15の内部に、左右それぞれの後輪14を駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャシー12上にモータ、ドライブシャフトおよびデファレンシャルギヤ機構などを設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の後輪14の回転をそれぞれ制御することができるという利点を有する。
この実施形態の特徴的な構成を説明する前にインホイールモータ駆動装置21の全体構成を図1および図2に基づいて説明する。以下の説明では、インホイールモータ駆動装置21を車両に搭載した状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側と称し、中央寄りとなる側をインボード側と称する。特許請求の範囲におけるアウトボード側という用語は前記の意味で用いる。
図1は、図2のP−P線で矢視したインホイールモータ駆動装置縦断面図で、図2は、図1のQ−G線で矢視したインホイールモータ駆動装置の一部断面を含む正面図である。
図1および図2に示すように、インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させる電動モータ部Aと、電動モータ部Aの回転を減速して出力する減速機部Bと、減速機部Bからの出力を駆動輪としての後輪に伝達する車輪用軸受部Cとを備えている。電動モータ部A、減速機部B、および車輪用軸受部Cは、それぞれケーシング22に収容される。ケーシング22は図2に示すように一体構造とする他、分割可能な構造にすることもできる。
図1に示すように、電動モータ部Aは、ケーシング22に固定されたステータ23と、ステータ23の径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ24と、ロータ24の径方向内側に配置されてロータ24と一体回転するモータ回転軸25とを備えたラジアルギャップ型の電動モータ26で構成されている。モータ回転軸25は、毎分一万数千回転程度で高速回転可能である。ステータ23は磁性体コアにコイルを巻回することによって構成され、ロータ24は永久磁石等で構成されている。
モータ回転軸25は、その軸方向一方側の端部(図1の左側)が転がり軸受40により、軸方向他方側の端部(図1の右側)が転がり軸受41により、ケーシング22に対してそれぞれ回転自在に支持されている。
減速機部Bは、入力歯車30と、複数の中間歯車としての第1中間歯車31、第2中間歯車32、第3中間歯車33および第4中間歯車34と、出力歯車35とを有する。入力歯車30は入力軸30aを一体に有しており、この入力軸30aはスプライン嵌合(セレーション嵌合を含む。以下、同じ)によってモータ回転軸25と同軸に連結されている。第1中間歯車31および第2中間歯車32は第1中間軸S1と一体に形成され、第3中間歯車33および第4中間歯車34は第2中間軸S2と一体に形成されている。出力歯車35は、中空の出力歯車軸36と一体に形成されている。
歯車軸としての入力軸30a、第1中間軸S1、第2中間軸S2および出力歯車軸36は互いに平行に配置されている。入力軸30aは転がり軸受42、43によって、第1中間軸S1は転がり軸受44、45によって、第2中間軸S2は転がり軸受46、47によって、出力歯車軸36は転がり軸受48、49によって、それぞれケーシング22に対して回転自在に支持されている。上記の転がり軸受42〜49のうち、特に、アウトボード側に配置される転がり軸受43、45、47、49が、ブレーキディスク59の摩擦熱により高温環境下で使用されることになる。詳細は後述する。
図2に示すように、減速機部Bの入力軸30aの中心O1(モータ回転軸25の中心でもある)と車輪用軸受部Cの中心O4との間に、第1中間軸S1の中心O2と第2中間軸S2の中心O3が屈曲して配置され、インホイールモータ駆動装置21の外周輪郭のコンパクト化を図っている。これにより、既存の内燃機関の車両のホイール内に装着することができる。
図1に示すように、減速機部Bでは、入力歯車30と第1中間歯車31とが噛合し、第2中間歯車32と第3中間歯車33とが噛合し、第4中間歯車34と出力歯車35とが噛合している。第1中間歯車31の歯数は、入力歯車30および第2中間歯車32の歯数よりも多く、第3中間歯車33の歯数は、第2中間歯車32および第4中間歯車34の歯数よりも多く、出力歯車35の歯数は第4中間歯車34の歯数よりも多い。以上の構成から、モータ回転軸25の回転運動を3段階に減速する平行軸歯車減速機39が構成される。
本実施形態では、減速機39を構成する入力歯車30、各中間歯車31、32、33、34および出力歯車35として、はすば歯車を用いている。はすば歯車は、同時に噛合う歯数が増え、歯当たりが分散されるので音が静かで、トルク変動が少ない点で有効である。歯車のかみあい率や限界の回転数などを考慮して、各歯車のモジュールは1〜3程度に設定するのが好ましい。
車輪用軸受部Cは、外輪回転タイプの車輪用軸受50で構成される。車輪用軸受50は、車軸51と、車軸51の外周面に嵌合固定された一対の軸受内輪52、52と、車軸51の外周側に配置された外方部材としての軸受外輪53と、軸受内輪52の外周面の外周面に形成した複列のインナレース54と、軸受外輪53の内周面に形成した複列のアウタレース55と、インナレース54とアウタレース55の間に配置された複数の転動体としての玉56と、各玉56を保持する保持器(図示省略)とを備えた複列アンギュラ玉軸受である。
車軸51のインボード側端部には、ナックル100に取り付け固定されるフランジ部101が形成されている。また、車軸51のアウトボード側の軸端には雄ねじ部51cが形成されている。この雄ねじ部51cにナット58を螺合させて締め付けることにより、車輪用軸受50の分離が防止されると共に、軸受内部に予圧が付与される。
軸受外輪53のアウトボード側端部には、車輪取り付け用のフランジ部53aが形成されている。このフランジ部53aにブレーキディスク59および後輪のホイール102がハブボルト103を用いて取り付けられる。軸受外輪53のフランジ部53aよりもインボード側には、減速機39の出力歯車軸36の内周に配置される円筒部53bが形成される。円筒部53bの外周面に形成した雄スプラインと出力軸36の内周面に形成した雌スプラインとを嵌合させ、軸受外輪53と出力歯車軸36とがトルク伝達可能に連結される。これにより、減速機部Bの出力が後輪に伝達される。出力歯車35は、車輪用軸受部Cの外輪53の円筒部53bの直径より大きいピッチ円直径PCD(図2参照)を有する。
インホイールモータ駆動装置21では、電動モータ26の冷却や減速機39の潤滑および冷却のため、図示しない回転ポンプで潤滑油が各部に供給される。車輪用軸受50の軸受内部はグリースにより潤滑される。
インホイールモータ駆動装置21は、ホイールハウジング15(図6参照)の内部に収められ、ばね下荷重となるため、小型軽量化が必須である。前述した構成の平行軸歯車減速機39を電動モータ26と組み合わせることで、低トルクかつ高回転型の小型電動モータ26を使用することが可能となる。例えば、減速比11の平行軸歯車減速機39を用いた場合、毎分一万数千回転程度の高速回転の電動モータ26を使用することにより電動モータ26を小型化することができる。これにより、コンパクトなインホイールモータ駆動装置21を実現することができ、ばね下重量を抑えて走行安定性およびNVH特性に優れた電気自動車11を得ることができる。
本実施形態のインホイールモータ駆動装置21の全体構成は以上のとおりである。次に特徴的な構成を説明する。
図1に示すように、本実施形態のインホイールモータ駆動装置21では、装置の軸方向寸法を可及的に短縮するため、減速機部Bの入力軸30aを支持する転がり軸受42、43、第1中間軸S1を支持する転がり軸受44、45、第2中間軸S2を支持する転がり軸受46、47および出力歯車軸36を支持する転がり軸受48、49を、軸方向の位置を合わせて配置している。特に、ブレーキディスク59に面するアウトボード側の転がり軸受43、45、47および49の軸方向の位置を合わせて、ケーシング22のアウトボード側の端面の面一化を図り、構造面から、インホイールモータ駆動装置21をブレーキディスク59に近づけることを可能にしている。
本実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、上記のブレーキディスク59とケーシング22のアウトボード側の端面の近接配置に対応して、ブレーキの摩擦熱による高温環境が懸念されるアウトボード側の転がり軸受43、45、47および49が特徴的な構成を有する。例として、第2中間軸S2のアウトボード側を支持する転がり軸受47の単体図を図3に示す。
図3に示すように、転がり軸受47は、内輪105、外輪106、転動体としての玉107および保持器108からなる深溝玉軸受である。内輪105、外輪106および玉107は、高炭素クロム軸受鋼(例えば、SUJ2)からなり、焼入れ後、200℃以上の高温焼戻しが施されている。したがって、内輪105、外輪106および玉107は、高温焼戻しが施された熱処理組織を有する。
高炭素クロム軸受鋼は、焼入れにより硬化し通常の焼戻し処理(150〜180℃の温度)を行った場合、ミクロ組織中に残留オーステナイトが存在し、使用中の高温状態によって残留オーステナイトが分解し、相変態に伴って寸法変化が生じる。そのため、高温環境下で使用されるアウトボード側の転がり軸受47には、焼入れ後、200℃以上の高温焼戻しを施し、熱に対して不安定な残留オーステナイトを予め分解させておく熱処理を施している。これにより、高温環境下で長時間使用されても寸法変化(膨張)が抑えられ、軸受の内部すきまが過小になることなく滑らかな回転が維持でき、長寿命化が図れる。
さらに、転がり軸受47の内輪105、外輪106および玉107は、上記の焼入れ後200℃以上の高温焼戻し処理により、寸法安定性を確保することに加えて、硬さの低下に伴う寿命低下を補うために浸炭窒化処理が施されている。これにより、高温環境下で、長寿命かつ高い寸法安定性を維持することができる。浸炭窒化処理は、炭素を主体として窒素を同時に浸透拡散させる処理である。
以上の説明では、第2中間軸S2のアウトボード側を支持する転がり軸受47を例にしたが、その他の転がり軸受43、45、49も同じである。
高炭素クロム軸受鋼は、SUJ2の他、SUJ3、SUJ5あるいは、相当する材料として、例えば、ASTM A295規格の52100材やASTM A485規格のGrade1材、Grade2材などを適用してもよい。
以上説明したように、本実施形態のインホイールモータ駆動装置21では、ブレーキディスク59から熱が伝わり、転がり軸受43、45、47、49が120℃以上の環境下にさらされても、残留オーステナイトのマルテンサイト化を抑制できるため寸法変化しにくくなり、軸受の短寿命化を防ぐことができる。そのため、インホイールモータ駆動装置21をディスクブレーキ59に近づける(アウトボード側に寄せる)ことができ、ホイール102からのインボード側へのインホイールモータ駆動装置21の張り出し量を減らすことで、車体および懸架部品とのクリアランスを確保でき、車両搭載性が向上する。
インホイールモータ駆動装置21に外輪回転タイプの車輪用軸受50を用いた場合、車輪用軸受50の外周上に最終減速段の出力歯車35を配置できるため、出力歯車35をアウトボード側に寄せることが可能である。これに伴い、出力歯車35の支持軸受49および出力歯車35と噛合う中間歯車34の支持軸受47もアウトボード側に寄せられ、ブレーキディスク59に接近する。そのため、本実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21は、外輪回転タイプの車輪用軸受50を用いた場合に特に有効である。
次に、本発明の第2の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を図4に基づいて説明する。本実施形態のインホイールモータ駆動装置は、第1の実施形態のインホイールモータ駆動装置と比べて、減速機部の出力歯車と車輪用軸受部の構成が異なる。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、同じ機能を有する部位に同一の符号を付して、要点のみ省略する。
本実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、図4に示すように、車輪用軸受部Cの車輪用軸受50’が内輪回転タイプである。この場合は、車両搭載性を確保すると共に、スプライン孔を有する既存のハブ輪の構造が適用できる。車輪用軸受50’は、ハブ輪60と内輪52とからなる内方部材61と、外輪53’と、玉56および保持器(図示省略)を主な構成とする。ハブ輪60のアウトボード側の外周に車輪取り付け用のフランジ部60aが形成され、インボード側の小径段部に内輪52が嵌合され加締め固定されている。ハブ輪60の外周にアウトボード側の内側軌道面54”が形成され内輪52の外周にインボード側の内側軌道面54’が形成されている。図示は省略するが、車輪取り付け用のフランジ部60aには、ブレーキディスクおよびホイールが取り付けられる。
外輪53’の内周には、ハブ輪60の内側軌道面54”および内輪52の内側軌道面54’に対応して複列の外側軌道面55が形成されている。外輪53’の外周にフランジ部が形成され、ケーシング22にボルトで締結固定されている。
最終減速段の出力歯車35’は出力軸51’(出力歯車軸36’でもある)と一体に形成され、この出力軸51’が転がり軸受48’、49’によってケーシング22に回転自在に支持されている。出力軸51’は、ハブ輪60にスプライン嵌合し、トルク伝達可能に連結されている。本実施形態においても、出力歯車35’が、車輪用軸受部Cの外輪53’の円筒部53b’の直径より大きいピッチ円直径PCD(図2参照)を有する。
本実施形態においても、歯車軸としての入力軸30aを支持する転がり軸受42、43、第1中間軸S1を支持する転がり軸受44、45、第2中間軸S2を支持する転がり軸受46、47および出力歯車軸36’を支持する転がり軸受48’、49’のうち、アウトボード側に配置された転がり軸受43、45、47、49’の支持軸受は、高炭素クロム軸受鋼を焼入れ後、200℃以上の高温焼戻しが施され、さらに浸炭窒化処理が施されている。したがって、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態で説明した内容をすべて準用し、説明を省略する。
以上の実施形態のインホイールモータ駆動装置21の減速機部Bは、3段減速の平行軸歯車減速機39を用いたものを例示したが、これに限定されるものではなく、2段減速や4段減速以上のものにしてもよい。また、最終減速段が平行軸歯車減速構造とし、遊星歯車減速機と組み合わせた構成としてもよい。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
21 インホイールモータ駆動装置
22 ケーシング
25 モータ回転軸
26 電動モータ
30 入力歯車
30a 入力歯車車軸
31 第1中間歯車
32 第2中間歯車
33 第3中間歯車
34 第4中間歯車
35 出力歯車
35’ 出力歯車
36 出力歯車軸
36’ 出力歯車軸
39 減速機
42 転がり軸受
43 転がり軸受
44 転がり軸受
45 転がり軸受
46 転がり軸受
47 転がり軸受
48 転がり軸受
49 転がり軸受
50 車輪用軸受
53 外輪
53b 円筒部
53’ 外輪
53b’ 円筒部
A 電動モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部
S1 第1中間軸
S2 第2中間軸

Claims (4)

  1. 電動モータ部と、減速機部と、車輪用軸受部とから構成され、ケーシングを備えており、前記減速機部の少なくとも最終減速段が平行軸式歯車による減速構造を有するインホイールモータ駆動装置において、
    前記最終減速段の出力歯車が、前記車輪用軸受部の外輪の円筒部の直径より大きいピッチ円直径を有し、
    前記減速機部の複数の減速段の歯車軸が転がり軸受により支持され、
    前記歯車軸を支持する転がり軸受のうち、少なくともアウトボード側に配置された転がり軸受が高炭素クロム軸受鋼からなり、焼入れ後に高温焼戻しが施された熱処理組織を有することを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記熱処理組織がさらに浸炭窒化処理が施されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記車輪用軸受部が外輪回転タイプであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記車輪用軸受部が内輪回転タイプであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
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