JP2017531003A - スルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体 - Google Patents

スルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2017531003A
JP2017531003A JP2017519839A JP2017519839A JP2017531003A JP 2017531003 A JP2017531003 A JP 2017531003A JP 2017519839 A JP2017519839 A JP 2017519839A JP 2017519839 A JP2017519839 A JP 2017519839A JP 2017531003 A JP2017531003 A JP 2017531003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
atom
fluoro
alkyl
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2017519839A
Other languages
English (en)
Inventor
コセムント,ディルク
リューキング,ウルリッヒ
ジーマイスター,ゲルハルト
ショルツ,アルネ
リーナウ,フィリップ
Original Assignee
バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト, バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト filed Critical バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2017531003A publication Critical patent/JP2017531003A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/02Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings
    • C07D405/04Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/08Drugs for disorders of the urinary system of the prostate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/32One oxygen, sulfur or nitrogen atom
    • C07D239/42One nitrogen atom

Abstract

本発明は、本明細書に記載され、かつ定義されるような一般式(I)のスルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体、ならびにそれらの調製方法、障害の、特に過剰増殖性障害および/もしくはウイルス誘導性感染症の、ならびに/または心血管疾患の処置ならびに/または予防のためのそれらの使用に関する。本発明は、さらに一般式(I)の化合物の調製において有用な中間体化合物にも関する。R2は、基(a)を表す。【化1】

Description

本発明は、本明細書に記載され、かつ定義されるような一般式(I)のスルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体、ならびにそれらの調製方法、障害の、特に過剰増殖性障害および/もしくはウイルス誘導性感染症の、ならびに/または心血管疾患の処置ならびに/または予防のためのそれらの使用に関する。本発明は、さらに一般式(I)の化合物の調製において有用な中間体化合物にも関する。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)タンパク質のファミリーは、細胞***周期の重要な調節因子であるメンバー(細胞周期CDK)、遺伝子転写の調節に関与するメンバー(転写CDK)、およびその他の機能を有するメンバーからなる。CDKは、活性化のために調節性サイクリンサブユニットとの結合を必要とする。細胞周期CDKのCDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、およびCDK6/サイクリンDは、順次的に活性化され、細胞を細胞***周期に誘導して通過させる。転写CDKのCDK9/サイクリンTおよびCDK7/サイクリンHは、カルボキシ末端ドメイン(CTD)のリン酸化によりRNAポリメラーゼIIの活性を調節する。正の転写因子b(P−TEFb)は、CDK9と、4つのサイクリンパートナー、すなわちサイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bのうち1つとのヘテロ二量体である。
CDK9(NCBI GenBank Gene ID 1025)は、転写調節のみに関与するのに対して、CDK7はさらに、CDK活性化キナーゼ(CAK)として細胞周期調節に関与する。
RNAポリメラーゼIIによる遺伝子の転写は、プロモーター領域での開始前複合体の集合ならびにCDK7/サイクリンHによるCTDのSer5およびSer7のリン酸化によって開始される。遺伝子の主な部分について、RNAポリメラーゼIIは、DNA鋳型に沿って20〜40のヌクレオチドを移動した後に、mRNA転写を停止させる。RNAポリメラーゼIIのこのプロモーター近傍休止は、負の伸長因子により媒介され、様々な刺激に応答して迅速に誘導される遺伝子の発現を調節するための主な制御機構として認識されている(非特許文献1)。P−TEFbは、RNAポリメラーゼIIのプロモーター近傍休止の克服ならびにCTDのSer2のリン酸化による、加えて負の伸長因子のリン酸化および不活性化による生産的伸長状態への移行にも決定的に関与している。
P−TEFb自体の活性は、いくつかの機構により調節される。細胞のP−TEFbの約半分は、7SK核内低分子RNA(7SK snRNA)、La関連タンパク質7(LARP7/PIP7S)およびヘキサメチレンビス−アセトアミド誘導性タンパク質1/2(HEXIM1/2、非特許文献2)との不活性複合体中に存在する。P−TEFbの残りの半分は、ブロモドメインタンパク質のBrd4(非特許文献3)を含有する活性複合体中に存在する。Brd4は、アセチル化ヒストンとの相互作用により、遺伝子転写のためにプライミングされたクロマチン領域にP−TEFbを動員する。その正および負の調節因子と交互に相互作用することにより、P−TEFbは、機能的平衡に維持される。すなわち、7SK snRNA複合体に結合したP−TEFbは、活性P−TEFbが細胞転写および細胞増殖の必要に応じてそこから放出され得る貯蔵庫に相当する(非特許文献4)。さらに、P−TEFbの活性は、リン酸化/脱リン酸化、ユビキチン化、およびアセチル化を含む翻訳後修飾により調節される(非特許文献1に概説されている)。
P−TEFbヘテロ二量体のCDK9キナーゼ活性の調節を失った活性は、様々なヒトの病理学的状況、例えば過剰増殖性疾患(例えば、癌)、ウイルス誘導性感染症または心血管疾患などと関連している。
癌は、増殖および細胞死(アポトーシス)の不均衡により媒介される過剰増殖性障害であると見なされる。高レベルの抗アポトーシスBcl−2ファミリータンパク質は、様々なヒト腫瘍中に見出され、腫瘍細胞の長期生存および治療抵抗性の原因である。P−TEFbキナーゼ活性の阻害は、RNAポリメラーゼIIの転写活性を減少させて、短命な抗アポトーシスタンパク質、特にMcl−1およびXIAPの低下をもたらし、アポトーシスに至る腫瘍細胞の能力を再度組み込むことが示された。形質転換された腫瘍表現型(Myc、NF−kB応答性遺伝子転写物、有糸***キナーゼなど)と関連する多数のその他のタンパク質は、短命なタンパク質である、またはP−TEFb阻害により媒介されるRNAポリメラーゼII活性の減少に感受性のある短命な転写物によりコードされるかのいずれかである(非特許文献5に概説されている)。
多くのウイルスは、それら自身のゲノム転写のために宿主細胞の転写機構に依存する。HIV−1の場合、RNAポリメラーゼIIは、ウイルスLTR内のプロモーター領域に動員される。ウイルス転写活性化因子(Tat)タンパク質は、新生ウイルス転写物に結合し、P−TEFbの動員によりプロモーター近傍でのRNAポリメラーゼIIの休止を克服し、それによりP−TEFbが転写伸長を促進する。さらに、Tatタンパク質は、7SK snRNA複合体内のP−TEFb阻害タンパク質HEXIM 1/2の置換により、活性P−TEFb部分を増加させる。最近のデータでは、P−TEFbのキナーゼ活性の阻害が、宿主細胞に対して細胞毒性ではないキナーゼ阻害剤濃度でHIV−1複製をブロックするのに十分であることを示した(非特許文献5に概説されている)。同様に、ウイルスタンパク質によるP−TEFbの動員は、その他のウイルス、例えば、B細胞癌関連エプスタイン・バーウイルスでは、核抗原EBNA2タンパク質がP−TEFbと相互作用すること(非特許文献6)、およびヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV−1)では、転写活性化因子TaxがP−TEFbを動員すること(非特許文献7)などについて報告されている。
心肥大、すなわち機械的過負荷および圧力(血行力学的ストレス、例えば、高血圧、心筋梗塞)に対する心臓の適応応答は、長期にわたると心不全および死に至り得る。心肥大は、心筋細胞における転写活性の増加およびRNAポリメラーゼIIのCTDリン酸化と関連することが示された。P−TEFbは、不活性な7SK snRNA/HEXIM1/2複合体からの解離により活性化されることが見出された。これらの知見は、心肥大を処置する治療アプローチとしてのP−TEFbキナーゼ活性の薬理学的阻害を示唆している(非特許文献8に概説されている)。
要約すると、複数系統の証拠は、P−TEFbヘテロ二量体(=CDK9と4つのサイクリンパートナー、すなわちサイクリンT1、サイクリンK、サイクリンT2aまたはT2bのうち1つ)のCDK9キナーゼ活性の選択的阻害が、疾患、例えば癌、ウイルス性疾患、および/または心臓の疾患などを処置するための革新的アプローチを表すことを示唆している。CDK9は、少なくとも13の密接に関連したキナーゼのファミリーに属し、その細胞周期CDKのサブグループが、細胞増殖の調節において複数の役割を果たす。したがって、細胞周期CDK(例えば、CDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK6/サイクリンD)とCDK9との共阻害は、正常な増殖組織、例えば腸粘膜、リンパ器官および造血器官、ならびに生殖器などに影響を与えると予想される。CDK9キナーゼ阻害剤の治療限界を最大化するために、CDK9に対して高い選択性を有する分子が必要である。
CDK阻害剤、概してそれに加えてCDK9阻害剤が、多数の様々な刊行物に記載されている。
特許文献1および特許文献2の両方とも、概してCDK阻害剤として2,4二置換アミノピリミジンについて記載している。これらの化合物のいくつかは、それぞれ選択的CDK9阻害剤(特許文献1)として、およびCDK5阻害剤(特許文献2)として作用する可能性があることも主張されているが、具体的なCDK9 IC50(特許文献1)またはCDK5 IC50(特許文献2)のデータは提示されていない。これらの化合物は、ピリミジンコアの5位にフルオロ原子を含有しない。
特許文献3は、4,6二置換アミノピリミジンについて開示し、これらの化合物が様々なタンパク質キナーゼ、例えばCDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6およびCDK9などのタンパク質キナーゼ活性に対して阻害効果を示すことを実証している(好ましくは、CDK9阻害(実施例80))。
特許文献4は、4,6二置換アミノピリミジンについて開示し、これらの化合物が様々なタンパク質キナーゼ、特にCDK2、CDK4、およびCDK9のタンパク質キナーゼ活性に対して阻害効果を示すことを実証している。
特許文献5は、特にCDK2、CDK7およびCDK9のタンパク質キナーゼ阻害剤としてピリミジンおよび[1,3,5]トリアジン誘導体について開示している。
特許文献6は、選択的CDK9阻害剤として置換トリアジン誘導体について開示している。
特許文献7は、選択的CDK9阻害剤として二置換トリアジン誘導体について開示している。
特許文献8は、選択的CDK9阻害剤として二置換ピリジン誘導体について開示している。
特許文献9は、選択的CDK9阻害剤として置換4−アリール−N−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミンについて開示している。
特許文献10は、特許文献11、特許文献12および特許文献13に対応し、キナーゼ阻害剤としてトリアジン誘導体について記載しているが、強力なまたは選択的なCDK9阻害剤については開示していない。
特許文献14は、アミノピリジン誘導体およびアミノピリミジン誘導体ならびにCDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8またはCDK9阻害剤としてのそれらの使用について開示している。
特許文献15は、CDK阻害剤として有用なアミノピリジン誘導体について記載している。
特許文献16は、CDK9の阻害剤として、置換4−フェニルピリジン−2−アミンから誘導されるカルボキサミドについて開示している。
特許文献17は、CDK9の阻害剤としてフェニル−ヘテロレイル(heterorayl)アミンについて開示している。その他のCDKアイソフォームよりもCDK9に対する選択性が好ましいが、CDK阻害データの開示は、CDK9に限定されている。ピリミジンコアのC4位に結合した二環式環系は、開示されていない。ピリミジンコアのC4に結合した基の中に、アルコキシフェニルが包含されると見なされ得るが、ピリミジン環のC5に結合したフルオロ原子、およびピリミジンのC2におけるアニリンを特徴とし、メタ位において置換スルホニル−メチレン基を特徴として持つ具体的な置換パターンについて示唆されていない。実施例において示される化合物は、典型的にはRとして置換シクロアルキル基を特徴として持つが、フェニルではない。
特許文献18は、CDK9の阻害剤として3−(アミノアリール)−ピリジン化合物について開示している。ビアリールコアは、必然的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
特許文献19は、CDK9の阻害剤として、2−アミノピリジンコアを特徴として持つ置換ビ−ヘテロアリール化合物について開示している。ビアリールコアは、必然的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
特許文献20は、CDK9の阻害剤として、置換4−(ヘテロアリール)−ピリジン−2−アミンから誘導されるカルボキサミドについて開示している。
特許文献21は、CDK9の阻害剤としてN−アシルピリミジンビアリール化合物について開示している。
特許文献22は、CDK9の阻害剤としてピリミジンビアリール化合物について開示している。ビアリールコアは、必然的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
特許文献23は、CDK9の阻害剤としてピリミジンビアリール化合物について開示している。ヘテロ芳香族コアに結合したアミノ基の置換Rは、非芳香族基に限定されるが、置換フェニルを包含しない。さらに、ビアリールコアは、必然的に2つのヘテロ芳香族環からなる。
非特許文献9は、2−アニリノ−4−(チアゾール−5−イル)ピリミジン転写CDK阻害剤について記載し、これは動物モデルにおいて抗癌活性を示す。
特許文献24は、CDK9の阻害剤として4,6−二置換アミノピリミジン誘導体について開示している。
特許文献25は、CDK9の阻害剤として4,6−二置換アミノピリミジン誘導体について開示している。
特許文献26は、CDK9の選択的阻害剤として二置換5−フルオロピリミジンについて開示している。
特許文献27は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホキシイミン基を含有する二置換5−フルオロピリミジン誘導体について開示している。
特許文献28は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホン基を含有する置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体について開示している。
特許文献29は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホン基を含有する置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体について開示している。
特許文献30は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホン基を含有する置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体について開示している。
特許文献31は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホキシイミン基を含有する置換4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン誘導体について開示している。
特許文献32は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホキシイミン基を含有する置換5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体について開示している。
特許文献33は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホキシイミン基を含有する置換N−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体について開示している。
特許文献34は、CDK9の選択的阻害剤として、スルホキシイミン基を含有する5−フルオロ−N−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体について開示している。
特許文献35は、置換トリアジンキナーゼ阻害剤について開示している。選択された化合物について、CDK1およびCDK4の試験データが提示されているが、CDK9のデータは提示されていない。
特許文献36は、タンパク質キナーゼ、例えばERK2、GSK3、PKAまたはCDK2などの阻害剤として、ヘテロアリール(ピリミジン、トリアジン)置換ピロールについて記載している。
特許文献37は、ヒストンデアセチラーゼおよび/またはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤として、トリアジン誘導体およびピリミジン誘導体について開示している。選択された化合物について、CDK2の試験データが記載されている。
特許文献38(特許文献39、特許文献40、特許文献41、特許文献42に対応する)は、アリールトリアジンおよびその使用に関するものであり、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼβ(LPAAT−β)活性および/または腫瘍細胞などの細胞の増殖を阻害することを含む。
特許文献43は、VEGFRおよびCDKキナーゼ、特にVEGFR2、CDK1およびCDK2の阻害剤として、スルホキシイミン置換アニリノ−ピリミジンについて開示し、これはピリミジン環に直接結合した芳香族環を有さず、アニリン基に直接結合したスルホキシイミン基を有している。CDK9のデータは開示されていない。
特許文献44は、キナーゼ阻害剤として有用な、ピリミジンコアを有するカルバモイルスルホキシイミドについて記載している。CDK9データは提示されていない。フルオロピリミジンコアを有する分子は、例示されていない。
特許文献45は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤としてピリミジン誘導体について記載している。CDK9は言及されていなく、CDK9のデータは提示されていない。
特許文献46は、フェニルアミノピリ(ミ)ジン化合物およびキナーゼ阻害剤、特にJAK2キナーゼ阻害剤としてのそれらの使用に関する。具体的な実施例は、主にピリミジンコアを有する化合物に集中している。
特許文献47は、JNKキナーゼ阻害剤として置換ピリミジニルアミンについて記載している。具体的な実施例は、主にピリミジンコアを有する化合物に集中している。
特許文献48は、TBK1および/またはIKKイプシロンの阻害剤としてのアミノ−ピリミジン化合物に関する。具体的な実施例は、主にピリミジンコアを有する化合物に集中している。
特許文献49は、TBK1および/またはIKKイプシロンの阻害剤としてのアミノ−ピリミジン化合物に関する。
特許文献50は、様々なタンパク質キナーゼの阻害剤として尿素置換アニリノ−ピリミジンについて開示している。
特許文献51は、ポロ様キナーゼ−1の阻害剤として、とりわけアニリン部に結合したスルホンアミド部分により本発明の化合物とは異なる4−ピリミジニルアミノ−ベンゼンスルホンアミド誘導体について開示している。
国際公開第2008129070号パンフレット 国際公開第2008129071号パンフレット 国際公開第2008129080号パンフレット 国際公開第2005026129号パンフレット 国際公開第2009118567号パンフレット 国際公開第2011116951号パンフレット 国際公開第2012117048号パンフレット 国際公開第2012117059号パンフレット 国際公開第2012143399号パンフレット 欧州特許第1218360(B1)号明細書 米国特許出願公開第2004116388(A1)号明細書 米国特許第7074789(B2)号明細書 国際公開第2001025220(A1)号パンフレット 国際公開第2008079933号パンフレット 国際公開第2011012661号パンフレット 国際公開第2011026917号パンフレット 国際公開第2012066065号パンフレット 国際公開第2012066070号パンフレット 国際公開第2012101062号パンフレット 国際公開第2012101063号パンフレット 国際公開第2012101064号パンフレット 国際公開第2012101065号パンフレット 国際公開第2012101066号パンフレット 国際公開第2011077171号パンフレット 国際公開第2014031937号パンフレット 国際公開第2013037896号パンフレット 国際公開第2013037894号パンフレット 国際公開第2014060376号パンフレット 国際公開第2014060375号パンフレット 国際公開第2014060493号パンフレット 国際公開第2014076028号パンフレット 国際公開第2014076091号パンフレット 国際公開第2014076111号パンフレット 国際公開第2015001021号パンフレット 国際公開第2004009562号パンフレット 国際公開第2004072063号パンフレット 国際公開第2010009155号パンフレット 国際公開第2003037346号パンフレット 米国特許第7618968(B2)号明細書 米国特許第7291616(B2)号明細書 米国特許出願公開第2008064700(A1)号明細書 米国特許出願公開第2003153570(A1)号明細書 国際公開第2005037800号パンフレット 国際公開第2008025556号パンフレット 国際公開第2002066481号パンフレット 国際公開第2008109943号パンフレット 国際公開第2009032861号パンフレット 国際公開第2011046970号パンフレット 国際公開第2012142329号パンフレット 国際公開第2012139499号パンフレット 国際公開第2014106762号パンフレット
Cho et al.,Cell Cycle 9,1697,2010 He et al.,Mol Cell 29,588,2008 Yang et al.,Mol Cell 19,535,2005 Zhou&Yik,Microbiol Mol Biol Rev 70,646,2006 Wang&Fischer,Trends Pharmacol Sci 29,302,2008 Bark−Jones et al.,Oncogene,25,1775,2006 Zhou et al.,J Virol.80,4781,2006 Dey et al.,Cell Cycle 6,1856,2007 Wang et al.,Chemistry&Biology 17,1111−1121,2010
CDKの様々な阻害剤が知られているという事実にもかかわらず、疾患、例えば過剰増殖性疾患、ウイルス性疾患、および/または心臓の疾患などの処置に使用される選択的CDK9阻害剤が依然として必要であり、これらは先行技術から知られている化合物に優る1つ以上の以下のような利点を提供する。
・活性および/または有効性の改善
・各々の治療必要性による有益なキナーゼ選択性プロファイル
・副作用プロファイルの改善、例えばより少ない望ましくない副作用、より低強度の副作用、または(細胞)毒性の減少など
・物理化学的特性、例えば水中および体液中での溶解度などの改善
・例えば、用量減少またはより容易な投薬スキームを可能にする、薬物動態特性の改善
・例えば、より短い合成経路またはより容易な精製による、より容易な原薬製造。
本発明の特定の目的は、先行技術から知られている化合物と比較して、例えば、以下の方法1b.「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」および方法2b.「CDK2/CycE高ATPアッセイ」を使用して決定されるような、好ましくは高ATP濃度で、CDK2/サイクリンEと比較した場合にCDK9/サイクリンT1に対して選択性の増加を示す、CDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の別の目的は、先行技術から知られている化合物と比較して、CDK9活性を阻害する効力の増加を示す(CDK9/サイクリンT1に対するより低いIC50値により実証される)CDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の別の目的は、先行技術から知られている化合物と比較して、高ATP濃度でCDK9活性を阻害する効力の増加を示すCDK9キナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の、別の特定の目的は、CDK9キナーゼ阻害剤を提供することであり、これは先行技術から知られている化合物と比較して、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などにおいて抗増殖活性の改善を示す。
さらに、CDK9キナーゼ阻害剤を提供することも本発明の目的であり、これは先行技術から知られている化合物と比較して、好ましくは高ATP濃度で、CDK2/サイクリンEと比較した場合にCDK9/サイクリンT1に対して高度に選択的である、および/またはCDK9活性を阻害する効力の増加を示す、および/または腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780もしくはMOLM−13などにおいて抗増殖活性の改善を示す、および/または先行技術から知られている化合物と比較して、高ATP濃度でCDK9活性を阻害する効力の増加を示す。
本発明は、一般式(I)
Figure 2017531003
(式中、
は、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C〜C−アルキル−およびヘテロアリール−C〜C−アルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から同一にまたは異なって選択される1個または2個または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、−SF、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
本発明による化合物は、式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)により包含される以下に列挙された式の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、ならびに式(I)により包含され、例示的実施形態として以下で言及される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、ここで式(I)により包含され、以下で言及される化合物は、すでに塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない。
本発明による化合物は、それらの構造に応じて、立体異性体形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在してよい。本発明はそれゆえ、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な構成要素は、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーのこのような混合物から既知の手法で単離され得る。
本発明による化合物が互変異性体形態であり得る場合、本発明はすべての互変異性体形態を包含する。
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例えば遊離塩基として、もしくは遊離酸として、もしくは両性イオンとして存在し得る、または塩の形態で存在し得る。この塩は、任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、特に薬学で通例使用される、任意の生理学的に許容される有機または無機付加塩であってよい。
本発明の目的において好ましい塩は、本発明による化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、医薬用途それ自体に好適ではないが、例えば、本発明による化合物の単離または精製のために使用され得る塩もまた含まれる。
「生理学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性な、無機または有機酸付加塩を指し、例えば、S.M.Berge,et al.「Pharmaceutical Salts,」J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照のこと。
本発明による化合物の生理学的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸、硝酸の塩または有機酸、例えばギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモン酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸(naphthalinedisulfonic)、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸、もしくはチオシアン酸などとの塩を包含する。
本発明による化合物の生理学的に許容される塩はまた、従来の塩基の塩、例えば、例として好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)ならびにアンモニアまたは1〜16個のC原子を有する有機アミン、例えば、例として好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、1,6−ヘキサジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基、および1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールなどから誘導されるアンモニウム塩などを含む。さらに、本発明による化合物は、例えば、薬剤、例えばハロゲン化低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物など、ジアルキル硫酸、例えばジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸など、長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物など、ハロゲン化アラルキル、例えばベンジルおよびフェネチル臭化物など、ならびにその他のものなどによる塩基性窒素含有基の四級化により得ることができる第4級アンモニウムイオンとの塩を形成してよい。好適な第4級アンモニウムイオンの例は、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−プロピル)アンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウム、またはN−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムである。
本発明は、本発明における化合物のすべての可能な塩を、単一の塩として、または塩の任意の混合物として任意の比で含む。
溶媒和物は、固体状態または液体状態において配位により溶媒分子と錯体を形成する、本発明による化合物のそれらの形態について、本発明の目的において使用される用語である。水和物は、溶媒和物の特別な形態であり、この配位は水と生じる。水和物は、本発明の範囲内において溶媒和物として好ましい。
本発明はまた、本発明における化合物のすべての好適な同位体異型を含む。本発明の化合物の同位体異型は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが原子質量が通常または主に天然に見られる原子質量とは異なる原子で置き換えられるものと定義される。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれH(重水素)、H(三重水素)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなどが挙げられる。本発明における化合物のある種の同位体異型、例えば、Hまたは14Cなどの1個以上の放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。トリチウム化同位体および炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易性および検出能のために特に好ましい。さらに、重水素などの同位体による置換は、より高い代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えばインビボ半減期の増加または必要投与量の減少をもたらす場合があり、それゆえ状況次第で、置換が好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体異型は、一般に当業者には既知の従来の手順により、例えば、好適な試薬の適切な同位体異型を使用して、以下の実施例に記載される例示的な方法により、または調製物などにより調製され得る。
加えて、本発明はまた、本発明による化合物のプロドラッグを包含する。「プロドラッグ」という用語は、それ自体は生物学的に活性または不活性であってよいが、体内でそれらの滞留時間中に本発明による化合物に(例えば、代謝または加水分解により)変換される化合物を包含する。
さらに、本発明は、本発明における化合物のすべての可能な結晶形態、または多形体を、単一の多形体として、または任意の比で2種以上の多形体混合物としてのいずれかで含む。
したがって、本発明は、本発明における化合物のすべての可能な塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、そのプロドラッグ(例えば、エステル)、およびジアステレオ異性体形態を、単一の塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、そのプロドラッグ(例えば、エステル)、もしくはジアステレオ異性体形態として、または2種以上の塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、そのプロドラッグ(例えば、エステル)、もしくはジアステレオ異性体形態の混合物として任意の比で含む。
本発明の目的において、置換基は、別段の指定がない限り、以下の意味を有する。
「ハロゲン原子」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表し、特に塩素またはフッ素、好ましくはフッ素を表す。
「アルキル−」という用語は、具体的に示される数の炭素原子、例えば、C〜C10、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルラジカルを表し、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、ペンチル−、イソペンチル−、ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル−、ノニル−、デシル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、neo−ペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−、または1,2−ジメチルブチル−を表す。炭素原子の数が具体的に示されていない場合、「アルキル−」という用語は、通例1〜9個、特に1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルラジカルを表す。特に、アルキル基は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有し(「C〜C−アルキル−」)、例えば、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、tert−ブチル−、ペンチル−、イソペンチル−、ヘキシル−、2−メチルブチル−、1−メチルブチル−、1−エチルプロピル−、1,2−ジメチルプロピル−、neo−ペンチル−、1,1−ジメチルプロピル−、4−メチルペンチル−、3−メチルペンチル−、2−メチルペンチル−、1−メチルペンチル−、2−エチルブチル−、1−エチルブチル−、3,3−ジメチルブチル−、2,2−ジメチルブチル−、1,1−ジメチルブチル−、2,3−ジメチルブチル−、1,3−ジメチルブチル−、または1,2−ジメチルブチル−である。好ましくは、アルキル基は、1、2または3個の炭素原子を有し(「C〜C−アルキル−」)、すなわちメチル−、エチル−、n−プロピル−またはイソプロピル−である。
「C〜C−シクロアルキル−」という用語は、3、4、5、6または7個の炭素原子を含有する、飽和または部分不飽和の一価単環式炭化水素環を好ましくは意味すると理解されるべきである。C〜C−シクロアルキル−基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル−、シクロブチル−、シクロペンチル−、シクロヘキシル−またはシクロヘプチル−基である。シクロアルキル−環は非芳香族であるが、1つ以上の二重結合を含有し得ることがあってもよく、例えば、シクロアルケニル−、例えばシクロプロペニル−、シクロブテニル−、シクロペンテニル−、シクロヘキセニル−またはシクロヘプテニル−基などであり、この環と分子の残部との間の結合は、飽和または不飽和であろうと環の任意の炭素原子に対するものであってよい。特に、シクロアルキル−基は、C〜C−シクロアルキル−、C〜C−シクロアルキル−またはシクロヘキシル−基である。
「C〜C−シクロアルキル−」という用語は、3、4または5個の炭素原子を含有する、飽和一価単環式炭化水素環を好ましくは意味すると理解されるべきである。特に、C〜C−シクロアルキル−基は、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル−、シクロブチル−またはシクロペンチル−基などである。好ましくは、「C〜C−シクロアルキル−」基は、シクロプロピル−基である。
「C〜C−シクロアルキル−」という用語は、3、4、5または6個の炭素原子を含有する、飽和一価単環式炭化水素環を好ましくは意味すると理解されるべきである。特に、C〜C−シクロアルキル−基は、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル−、シクロブチル−、シクロペンチル−またはシクロヘキシル−基などである。
「ヘテロシクリル−」という用語は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、さらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子含有基を含有する、飽和または部分不飽和の一価単環式または二環式炭化水素環を意味すると理解されるべきである。特に、「ヘテロシクリル−」という用語は、「4〜10員ヘテロ環式環」を意味すると理解されるべきである。
「4〜10員ヘテロ環式環」という用語は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子を含有し、さらに酸素、硫黄、窒素から選択される1、2または3個のヘテロ原子含有基を含有する、飽和または部分不飽和の一価単環式または二環式炭化水素環を意味すると理解されるべきである。C〜C−ヘテロシクリル−は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子およびさらに少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリル−を意味すると理解されるべきである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4〜10員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5〜11員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6〜12員である。
ヘテロ環式環は、例えば、単環式ヘテロ環式環、例えばオキセタニル−、アゼチジニル−、テトラヒドロフラニル−、ピロリジニル−、1,3−ジオキソラニル−、イミダゾリジニル−、ピラゾリジニル−、オキサゾリジニル−、イソオキサゾリジニル−、1,4−ジオキサニル−、ピロリニル−、テトラヒドロピラニル−、ピペリジニル−、モルホリニル−、1,3−ジチアニル−、チオモルホリニル−、ピペラジニル−、またはキヌクリジニル−基などである。ヘテロ環式環は、1つ以上の二重結合を含有し得ることがあってもよく、例えば、4H−ピラニル−、2H−ピラニル−、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル−、1,3−ジオキソリル−、4H−1,3,4−チアジアジニル−、2,5−ジヒドロフラニル−、2,3−ジヒドロフラニル−、2,5−ジヒドロチエニル−、2,3−ジヒドロチエニル−、4,5−ジヒドロオキサゾリル−、4,5−ジヒドロイソオキサゾリル−、もしくは4H−1,4−チアジニル−基である、またはそれはベンゾ縮合してよい。
特に、C〜C−ヘテロシクリル−は、3、4、5、6、または7個の炭素原子およびさらに少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリル−を意味すると理解されるべきである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4〜8員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5〜9員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6〜10員である。
特に、C〜C−ヘテロシクリル−は、3、4、5または6個の炭素原子およびさらに少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有するヘテロシクリル−を意味すると理解されるべきである。したがって、1個のヘテロ原子の場合、環は4〜7員であり、2個のヘテロ原子の場合、環は5〜8員であり、3個のヘテロ原子の場合、環は6〜9員である。
特に、「ヘテロシクリル−」という用語は、3、4または5個の炭素原子、および上述したヘテロ原子含有基のうち1、2または3個を含有するヘテロ環式環(「4〜7員ヘテロ環式環」)を意味すると理解されるべきであり、より具体的には、環は4または5個の炭素原子、および上述したヘテロ原子含有基のうち1、2または3個を含有し得(「5〜7員ヘテロ環式環」)、より具体的には、ヘテロ環式環は「6員ヘテロ環式環」であり、これは、4個の炭素原子および上述したヘテロ原子含有基のうち2個または5個の炭素原子および上述したヘテロ原子含有基のうち1個、好ましくは4個の炭素原子および上述したヘテロ原子含有基のうち2個を含有すると理解されるべきである。
「C〜C−アルコキシ−」という用語は、式−O−アルキル(式中、「アルキル」という用語は上で定義される)の直鎖または分岐鎖飽和一価炭化水素基を好ましくは意味すると理解されるべきであり、例えば、メトキシ−、エトキシ−、n−プロポキシ−、iso−プロポキシ−、n−ブトキシ−、iso−ブトキシ−、tert−ブトキシ−、sec−ブトキシ−、ペンチルオキシ−、iso−ペンチルオキシ−、n−ヘキシルオキシ−基、またはそれらの異性体である。特に、「C〜C−アルコキシ−」基は、「C〜C−アルコキシ−」、「C〜C−アルコキシ−」、メトキシ−、エトキシ−、またはプロポキシ−基、好ましくはメトキシ−、エトキシ−またはプロポキシ−基である。さらに、「C〜C−アルコキシ−」基、特にメトキシ−またはエトキシ−基が好ましい。
「C〜C−フルオロアルコキシ−」という用語は、上で定義されるような直鎖または分岐鎖飽和一価C〜C−アルコキシ−基(式中、水素原子のうち1個以上が、1個以上のフルオロ原子で同一にまたは異なって置き換えられる)を好ましくは意味すると理解されるべきである。C〜C−フルオロアルコキシ−基は、例えば、1,1−ジフルオロメトキシ−、1,1,1−トリフルオロメトキシ−、2−フルオロエトキシ−、3−フルオロプロポキシ−、2,2,2−トリフルオロエトキシ−、3,3,3−トリフルオロプロポキシ−、特に「C〜C−フルオロアルコキシ−」基である。
「アルキルアミノ−」という用語は、上で定義されるような1個の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するアルキルアミノ基を好ましくは意味すると理解されるべきである。例えば、(C〜C)−アルキルアミノ−は、1、2または3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味し、(C〜C)−アルキルアミノ−は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味する。「アルキルアミノ−」という用語は、例えば、メチルアミノ−、エチルアミノ−、n−プロピルアミノ−、イソプロピルアミノ−、tert.−ブチルアミノ−、n−ペンチルアミノ−またはn−ヘキシルアミノ−を含む。
「ジアルキルアミノ−」という用語は、上で定義されるような、互いに独立した2個の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するアルキルアミノ基を好ましくは意味すると理解されるべきである。例えば、(C〜C)−ジアルキルアミノ−は、2個のアルキル基の各々が1個のアルキル基当たり1〜3個の炭素原子を有するジアルキルアミノ基を表す。「ジアルキルアミノ−」という用語は、例えば、N,N−ジメチルアミノ−、N,N−ジエチルアミノ−、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ−、N−t−ブチル−N−メチルアミノ−、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ−およびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−を含む。
「環状アミン」という用語は、4〜10個、好ましくは4〜7個の環原子を有し、その少なくとも1個の環原子が窒素原子である飽和単環式基を好ましくは意味すると理解されるべきである。好適な環状アミンは、特にアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンであり、これらは1または2個のメチル−基により置換され得ることがあってもよい。
「ハロ−C〜C−アルキル−」という用語は、直鎖または分岐鎖飽和一価炭化水素基(式中、「C〜C−アルキル−」という用語は上で定義され、1個以上の水素原子がハロゲン原子で同一にまたは異なって置き換えられる、すなわち1個のハロゲン原子が、別の原子から独立している)を好ましくは意味すると理解されるべきである。特に、ハロゲン原子はフッ素である。好ましくは、ハロ−C〜C−アルキル−基は、フルオロ−C〜C−アルキル−基、例えば−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、または−CHCFなどであり、より好ましくは、それは−CFである。
「フェニル−C〜C−アルキル−」という用語は、フェニル−基(式中、水素原子のうち1個が、上で定義されるようなC〜C−アルキル−基で置き換えられ、これがフェニル−C〜C−アルキル−基を分子の残部に連結する)を好ましくは意味すると理解されるべきである。特に、「フェニル−C〜C−アルキル−」は、フェニル−C〜C−アルキル−であり、好ましくは、それはベンジル−基である。
「ヘテロアリール−」という用語は、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の環原子(「5〜14員ヘテロアリール−」基)、特に5個の環原子(「5員ヘテロアリール−」)または6個の環原子(「6員ヘテロアリール−」)または9個の環原子(「9員ヘテロアリール−」)または10個の環原子(「10員ヘテロアリール−」)を有する一価芳香族環系を好ましくは意味すると理解されるべきであり、同一または異なっていてよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、このヘテロ原子が、例えば酸素、窒素または硫黄などであり、単環式、二環式、または三環式であり得、加えていずれの場合もベンゾ縮合され得る。特に、ヘテロアリール−は、チエニル−、フラニル−、ピロリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、イソオキサゾリル−、イソチアゾリル−、オキサジアゾリル−、トリアゾリル−、チアジアゾリル−、テトラゾリル−など、およびそのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル−、ベンゾチエニル−、ベンゾオキサゾリル−、ベンゾイソオキサゾリル−、ベンゾイミダゾリル−、ベンゾトリアゾリル−、インダゾリル−、インドリル−、イソインドリル−など、またはピリジル−、ピリダジニル−、ピリミジニル−、ピラジニル−、トリアジニル−など、およびそのベンゾ誘導体、例えばキノリニル−、キナゾリニル−、イソキノリニル−など、またはアゾシニル−、インドリジニル−、プリニル−など、およびそのベンゾ誘導体、またはシンノリニル−、フタラジニル−、キナゾリニル−、キノキサリニル−、ナフチリジニル−、プテリジニル−、カルバゾリル−、アクリジニル−、フェナジニル−、フェノチアジニル−、フェノキサジニル−、キサンテニル−、もしくはオキセピニル−などから選択される。好ましくは、ヘテロアリール−は、単環式ヘテロアリール−、5員ヘテロアリール−または6員ヘテロアリール−から選択される。
「5員ヘテロアリール−」という用語は、5個の環原子を有する一価芳香族環系を好ましくは意味すると理解され、同一または異なっていてよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、このヘテロ原子が、例えば酸素、窒素または硫黄などである。特に、「5員ヘテロアリール−」は、チエニル−、フラニル−、ピロリル−、オキサゾリル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピラゾリル−、イソオキサゾリル−、イソチアゾリル−、オキサジアゾリル−、トリアゾリル−、チアジアゾリル−、テトラゾリル−から選択される。
「6員ヘテロアリール−」という用語は、6個の環原子を有する一価芳香族環系を好ましくは意味すると理解され、同一または異なっていてよい少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、このヘテロ原子が、例えば酸素、窒素または硫黄などである。特に、「6員ヘテロアリール−」は、ピリジル−、ピリダジニル−、ピリミジニル−、ピラジニル−、トリアジニル−から選択される。
「ヘテロアリール−C〜C−アルキル−」という用語は、各々が上で定義されるようなヘテロアリール−、5員ヘテロアリール−または6員ヘテロアリール−基(式中、水素原子のうち1個が、上で定義されるようなC〜C−アルキル−基で置き換えられ、これがヘテロアリール−C〜C−アルキル−基を分子の残部に連結する)を好ましくは意味すると理解されるべきである。特に、「ヘテロアリール−C〜C−アルキル−」は、ヘテロアリール−C〜C−アルキル−、ピリジニル−C〜C−アルキル−、ピリジニルメチル−、ピリジニルエチル−、ピリジニルプロピル−、ピリミジニル−C〜C−アルキル−、ピリミジニルメチル−、ピリミジニルエチル−、ピリミジニルプロピル−、好ましくはピリジニルメチル−もしくはピリジニルエチル−またはピリミジニルエチル−もしくはピリミジニルプロピル−基である。
本明細書で使用される場合、「脱離基」という用語は、結合電子を受け取る安定な種として化学反応において置換される原子または原子の群を指す。好ましくは、脱離基は、ハロ、特にクロロ、ブロモまたはヨード、メタンスルホニルオキシ−、p−トルエンスルホニルオキシ−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ−、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ−、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ−、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、(4−tertブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ−、ベンゼンスルホニルオキシ−、および(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシ−を含む群から選択される。
「C〜C10」という用語は、本明細書全体を通して使用される場合、例えば、「C〜C10−アルキル−」の定義との関連において、1〜10の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキル−基を意味すると理解されるべきである。この「C〜C10」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C、C〜C10、C〜C、C〜C10として解釈されるべきであるとさらに理解されるべきである。
同様に、本明細書で使用される場合、「C〜C」という用語は、本明細書全体を通して使用される場合、例えば、「C〜C−アルキル−」、「C〜C−アルコキシ−」の定義との関連において、1〜6の有限数の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル−基を意味すると理解されるべきである。この「C〜C」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜Cとして解釈されるべきであるとさらに理解されるべきである。
同様に、本明細書で使用される場合、「C〜C」という用語は、本明細書全体を通して使用される場合、例えば、「C〜C−アルキル−」、「C〜C−アルコキシ−」または「C〜C−フルオロアルコキシ−」の定義との関連において、1〜3の有限数の炭素原子、すなわち1、2または3個の炭素原子を有するアルキル−基を意味すると理解されるべきである。この「C〜C」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C〜C、C〜C、C〜Cとして解釈されるべきであるとさらに理解されるべきである。
さらに、本明細書で使用される場合、「C〜C」という用語は、本明細書全体を通して使用される場合、例えば、「C〜C−シクロアルキル−」の定義との関連において、3〜6の有限数の炭素原子、すなわち3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル−基を意味すると理解されるべきである。この「C〜C」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜Cとして解釈されるべきであるとさらに理解されるべきである。
さらに、本明細書で使用される場合、「C〜C」という用語は、本明細書全体を通して使用される場合、例えば、「C〜C−シクロアルキル−」の定義との関連において、3〜7の有限数の炭素原子、すなわち3、4、5、6または7個の炭素原子、特に3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル−基を意味すると理解されるべきである。この「C〜C」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜C、C〜Cとして解釈されるべきであるとさらに理解されるべきである。
結合における記号
Figure 2017531003
は、分子中の連結部位を示す。
本明細書で使用される場合、「1回以上」という用語は、例えば、本発明における一般式の化合物の置換基に関する定義において、1、2、3、4または5回、特に1、2、3または4回、より具体的には1、2または3回、より一層具体的には1または2回を意味すると理解される。
複数形の単語の化合物、塩、水和物、溶媒和物などが本明細書で使用される場合、これは単一の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物なども意味すると解釈される。
別の実施形態では、本発明は、一般式(I)
(式中、
は、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SF基、C〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表し、
は、水素原子またはフルオロ原子を表し、
5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)
(式中、
は、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SF基、C〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表し、
は、水素原子またはフルオロ原子を表し、
5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロメチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表し、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、
は、C〜C−アルキル−基を表し、
式中、この基は、C〜C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、および環状アミンの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、
は、水素原子またはフルオロ原子を表し、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、
は、C〜C−アルキル−基を表し、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
は、水素原子を表し、
は、水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表し、
は、水素原子を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、
は、C〜C−アルキル−基を表し、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
は、水素原子を表し、
は、水素原子およびフルオロ原子から選択される基を表し、
は、水素原子を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、
は、メチル−またはエチル−基を表し、
は、基
Figure 2017531003
を表し、
は、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
は、水素原子を表す)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C〜C−アルキル−およびヘテロアリール−C〜C−アルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から同一にまたは異なって選択される1個または2個または3個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−、4〜7員ヘテロシクリル−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C〜C−アルキル−およびヘテロアリール−C〜C−アルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミンの群から同一にまたは異なって選択される1個または2個または3個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−、エチル−、プロパン−2−イル−、tert−ブチル−、シクロプロピル−、シクロヘキシル−またはフェニル−から選択される基を表し、
式中、この基は、ヒドロキシまたはメトキシ−の群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−基を表し、
式中、この基は、C〜C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、および環状アミンの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−、エチル−、プロパン−2−イル−、シクロプロピル−、tert−ブチル−、シクロペンチル−、シクロヘキシル−またはフェニル−から選択される基を表し、
式中、この基は、C〜C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、および環状アミンの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、Rは、C〜C−アルキル−基を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、Rは、メチル−またはエチル−基を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、Rは、メチル−基を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I)(式中、Rは、エチル−基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表し、
式中、
5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
式中、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表し、
式中、
5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロメチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表し、
式中、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表し、
式中、
、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表し、
式中、
は、水素、フルオロまたはクロロ原子から選択される基を表し、式中、
は、水素を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表し、
式中、
は、水素またはフルオロ原子から選択される基を表し、式中、
は、水素を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、基
Figure 2017531003
を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、RおよびRは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、−SF、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SFもしくはC〜C−アルキル−基、またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、または−SFもしくはメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、−SF、メチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、または−SFもしくはメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、またはメチル−基を表し、Rは、水素原子またはフルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、または−SFもしくはメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子もしくはフルオロ原子、またはメチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、フルオロ原子を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−基を表し、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、−SF、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SFもしくはC〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SFもしくはC〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子または−SFもしくはメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子、またはメチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−、エチル−またはトリフルオロメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子またはメチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチル−基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、フルオロ原子を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子、フルオロ原子またはクロロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子またはフルオロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、フルオロ原子を表す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、R5a、R5bは、互いに独立して水素、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、R5a、R5bは、互いに独立して水素、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロメチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、R、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、RおよびRは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)(式中、RおよびRは、互いに独立して水素原子およびフルオロ原子から選択される基を表す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素、パラ−フルオロ、またはパラ−クロロを表し、ここでパラは、分子の残部に対するRの結合点を指し、式中、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、パラ−フルオロを表し、ここでパラは、分子の残部に対するRの結合点を指し、式中、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
別の特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、パラ−フルオロを表し、ここでパラは、分子の残部に対するRの結合点を指す)の化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素原子を表す)の化合物に関する。
本発明は、上記式(I)の化合物に関する本発明のあらゆる実施形態内における、あらゆるサブコンビネーションに関すると理解されるべきである。
さらにより具体的には、本発明は、本明細書の以下の実施例セクションに開示されている式(I)の化合物を包含する。
上述した好ましい実施形態のうち2つ以上の組み合わせが、非常に特に好ましい。
特に、本発明の好ましい主題は、
・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン、
・N−{3−[(エチルスルホニル)−メチル]フェニル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン−2−アミン、
・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−フルオロ−5−[(メチルスルホニル)−メチル]フェニル}ピリミジン−2−アミン、および
・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−メチル−5−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン
から選択される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩である。
一般用語で、または好ましい範囲で詳述されてきたラジカルの上述した定義は、式(I)の最終生成物にも適用され、同様に、いずれの場合にも調製に必要な出発材料または中間体にも適用される。
本発明は、さらに式(6)(式中、R、R、RおよびRは、本発明による式(I)の化合物について定義される通りである)の化合物
Figure 2017531003
ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩に関する。
本発明は、さらに式(I)の化合物を調製するための、式(6)(式中、R、R、RおよびRは、本発明による式(I)の化合物について定義される通りである)の化合物
Figure 2017531003
ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩の使用に関する。
本発明による化合物は、予測が不可能であった有益な薬理学的および薬物動態学的作用スペクトルを示す。
したがって、それらは、ヒトおよび動物における障害の処置および/または予防のための薬剤としての使用に好適である。
本発明の範囲内で、「処置」という用語は予防を含む。
本発明による化合物の医薬活性は、CDK9の阻害剤としての、それらの作用により説明され得る。したがって、一般式(I)による化合物に加えてそれらの塩、溶媒和物および溶媒和物の塩は、CDK9の阻害剤として使用される。
さらに、本発明による化合物は、CDK9活性の阻害について特に高い効力を示す(CDK9/CycT1アッセイにおいて低いIC50値により実証される)。
本発明との関連において、CDK9に対するIC50値は、以下の方法セクションに記載される方法によって決定され得る。好ましくは、その値は、以下の材料および方法セクションに記載される方法1a.(「CDK9/CycT1キナーゼアッセイ」)に従って決定される。
驚くべきことに、一般式(I)による化合物に加えてそれらの塩、溶媒和物および溶媒和物の塩は、その他のサイクリン依存性タンパク質キナーゼと比較して、好ましくはCDK2と比較して、特に高ATP濃度でCDK9を選択的に阻害することが分かった。したがって、一般式(I)による化合物に加えてそれらの薬学的に許容される塩は、好ましくはCDK9の選択的阻害剤として使用される。
一般式(I)による本発明の化合物は、CDK2阻害よりも、特に高ATP濃度で有意に強力なCDK9阻害を示す。
本発明との関連において、CDK2に対するIC50値は、以下の方法セクションに記載される方法によって決定され得る。好ましくは、その値は、以下の材料および方法セクションに記載される方法2a.(「CDK2/CycEキナーゼアッセイ」)に従って決定される。
さらに、先行技術に記載されているCDK9阻害剤と比較した場合、一般式(I)による本発明の好ましい化合物は、CDK9活性の阻害について高ATP濃度で驚くほど高い効力を示し、これは、CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイにおけるそれらの低いIC50値によって実証される。したがって、これらの化合物は、高い細胞内ATP濃度ゆえにCDK9/CycT1キナーゼのATP結合ポケットと競合してしまうという可能性がより低い(R.Copeland et al.,Nature Reviews Drug Discovery 2006,5,730−739)。この特性によって、本発明の化合物は、古典的なATP競合キナーゼ阻害剤と比較した場合に、より長期にわたって細胞内のCDK9/CycT1を特に阻害することができる。このことは、患者または動物への投薬後の、薬物動態学的クリアランスの媒介により低下した阻害剤の血清濃度において抗腫瘍細胞有効性を増加させる。
本発明との関連において、高ATP濃度でのCDK9に対するIC50値は、以下の方法セクションに記載される方法によって決定され得る。好ましくは、その値は、以下の材料および方法セクションに記載されるような方法1b(「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」)に従って決定される。
本発明との関連において、高ATP濃度でのCDK2に対するIC50値は、以下の方法セクションに記載される方法によって決定され得る。好ましくは、その値は、以下の材料および方法セクションに記載されるような方法2b.(「CDK2/CycE高ATPキナーゼアッセイ」)に従って決定される。
さらに、式(I)による本発明の好ましい化合物は、先行技術に記載されているCDK9阻害剤と比較して、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などにおいて抗増殖活性の改善を示す。
本発明との関連において、腫瘍細胞株、例えばHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780またはMOLM−13などにおける抗増殖活性は、以下の材料および方法セクションに記載されるような方法3.(「増殖アッセイ」)に従って好ましくは決定される。
本発明のさらなる主題は、障害の、好ましくはCDK9活性に関連する、またはそれにより媒介される障害の、特に過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の、より好ましくは過剰増殖性障害の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の化合物は、CDK9の活性または発現を阻害するために使用されてよい。したがって、式(I)の化合物は、治療剤として有益であると予想される。したがって、別の実施形態では、本発明は、このような処置を必要とする患者においてCDK9活性に関連する、またはそれにより媒介される障害を処置する方法を提供し、この方法は、患者に有効量の上で定義されるような式(I)の化合物を投与することを含む。ある種の実施形態では、CDK9活性に関連する障害は、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症および/または心血管疾患のもの、より好ましくは過剰増殖性障害、特に癌である。
「処置すること」または「処置」という用語は、本明細書全体を通して記載される場合、慣習的に使用され、例えば、疾患または障害、例えば癌腫などの状態と闘うこと、その状態を緩和すること、減少させること、軽減すること、改善することを目的とした対象の管理またはケアである。
「対象」または「患者」という用語は、細胞増殖性障害もしくはプログラム細胞死(アポトーシス)の減少もしくは不全に関連する障害に罹患し得る生物、またはそれ以外で本発明の化合物の投与から恩恵を受けることができる生物、例えばヒトおよび非ヒト動物などを含む。好ましいヒトとしては、本明細書に記載されるような細胞増殖性障害または関連する状態に罹患している、または罹患しやすいヒト患者が挙げられる。「非ヒト動物」という用語は、脊椎動物、例えば、哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコおよびげっ歯類、例えばマウスなど、ならびに非哺乳動物、例えばニワトリ、両生類、爬虫類などを含む。
「CDK9に関連する、またはそれにより媒介される障害」という用語は、CDK9活性、例えば、CDK9の過活性と関連する、またはそれを示唆する疾患、およびこれらの疾患に伴う状態を含むこととする。「CDK9に関連する、またはそれにより媒介される障害」の例としては、CDK9活性を調節する遺伝子、例えばLARP7、HEXIM1/2もしくは7sk snRNAなどの突然変異によるCDK9活性の増加に起因する障害、またはウイルスタンパク質、例えばHIV−TATもしくはHTLV−TAXなどによる、CDK9/サイクリンT/RNAポリメラーゼII複合体の活性化によるCDK9活性の増加に起因する障害、または***促進シグナル伝達経路の活性化によるCDK9活性の増加に起因する障害が挙げられる。
「CDK9の過活性」という用語は、正常な非疾患細胞と比較した場合にCDK9の酵素活性の増加を指す、またはこの用語は、望ましくない細胞増殖、もしくはプログラム細胞死(アポトーシス)の減少もしくは不全をもたらすCDK9活性の増加、もしくはCDK9の構成的活性化をもたらす突然変異を指す。
「過剰増殖性障害」という用語は、望ましくないまたは制御不能な細胞増殖を伴う障害を含み、この用語は、プログラム細胞死(アポトーシス)の減少または不全を伴う障害を含む。本発明の化合物は、細胞増殖および/もしくは細胞***を予防する、阻害する、ブロックする、減少させる、低減させる、制御するなどのために、ならびに/またはアポトーシスを引き起こすために利用され得る。本方法は、それを必要とする対象、例えば哺乳動物を含み、ヒトを含む対象に、障害を処置または予防するのに効果的な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を投与することを含む。
本発明との関連において過剰増殖性障害としては、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼすその他の過形成、子宮内膜症、骨障害、血管新生または血管増殖性障害、肺高血圧、線維性障害、メサンギウム細胞増殖性障害、結腸ポリープ、多発性嚢胞腎、良性前立腺過形成(BPH)、ならびに固形腫瘍、例えば***、気道、脳、生殖器官、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌、およびそれらの遠隔転移などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの障害としては、リンパ腫、肉腫および白血病も挙げられる。
乳癌の例としては、浸潤性乳管癌腫、浸潤性小葉癌腫、非浸潤性乳管癌腫、および非浸潤性小葉癌腫、ならびにイヌまたはネコの乳癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。
気道の癌の例としては、小細胞および非小細胞肺癌腫、加えて気管支腺腫、胸膜肺芽腫、ならびに中皮腫が挙げられるが、これらに限定されない。
脳癌の例としては、脳幹および視床下部神経膠腫、小脳および大脳星細胞腫、膠芽腫、髄芽腫、上衣腫、加えて神経外胚葉性腫瘍および松果体腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
***の腫瘍としては、前立腺癌および精巣癌が挙げられるが、これらに限定されない。女性生殖器の腫瘍としては、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌、加えて子宮の肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
消化管の腫瘍としては、肛門癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌、唾液腺癌、および肛門腺癌が挙げられるが、これらに限定されない。
尿路の腫瘍としては、膀胱癌、陰茎癌、腎臓癌、腎盂癌、尿管癌、尿道癌、ならびに遺伝性および散発性乳頭状腎癌が挙げられるが、これらに限定されない。
眼癌としては、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。
肝臓癌の例としては、肝細胞癌腫(線維層板変異体を伴う、または伴わない肝臓細胞癌腫)、胆管癌(肝内胆管癌腫)、および混合型肝細胞胆管癌が挙げられるが、これらに限定されない。
皮膚癌としては、扁平上皮癌腫、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、および肥満細胞腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
頭頸部癌としては、喉頭癌、下咽頭癌、鼻咽頭癌、口腔咽頭癌、***および口腔癌、扁平上皮細胞癌、ならびに口腔黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない。
リンパ腫としては、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
肉腫としては、軟組織肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、横紋筋肉腫、悪性組織球増殖症、線維肉腫、血管肉腫、血管周皮細胞腫、および平滑筋肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
白血病としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、および有毛細胞白血病が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物および方法で処置される場合がある線維性増殖性障害、すなわち、細胞外マトリックスの異常形成としては、肺線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、肝硬変、ならびに腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶、および糸球体症などを含むメサンギウム細胞増殖性障害が挙げられる。
本発明の化合物を投与することにより処置される場合がある、ヒトまたはその他の哺乳動物におけるその他の状態としては、腫瘍成長、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症、未熟児網膜症および加齢黄斑変性症を含む網膜症、関節リウマチ、乾癬、ならびに水疱性類天疱瘡、多形性紅斑および疱疹状皮膚炎を含む、表皮下水疱形成と関連した水疱性障害が挙げられる。
本発明の化合物はまた、気道および肺の疾患、胃腸管の疾患に加えて膀胱および胆管の疾患を予防および処置するために使用されてよい。
上述した障害は、ヒトにおいて十分に特徴付けられているが、哺乳動物を含むその他の動物においても類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することにより処置され得る。
本発明のさらなる態様では、本発明による化合物は、感染症、特にウイルス誘導性感染症を予防および/または処置する方法に使用される。日和見疾患を含むウイルス誘導性感染症は、レトロウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、フラビウイルス科、および/またはアデノウイルスにより引き起こされる。本方法のさらに好ましい実施形態では、レトロウイルスは、レンチウイルスまたはオンコレトロウイルスから選択され、このレンチウイルスは、HIV−1、HIV−2、FIV、BIV、SIV、SHIV、CAEV、VMVまたはEIAVを含む群から選択され、好ましくはHIV−1またはHIV−2であり、このオンコレトロウイルスは、HTLV−I、HTLV−IIまたはBLVの群から選択される。本方法のさらに好ましい実施形態では、ヘパドナウイルスは、HBV、GSHVまたはWHVから選択され、好ましくはHBVであり、ヘルペスウイルスは、HSV I、HSV II、EBV、VZV、HCMVまたはHHV8を含む群から選択され、好ましくはHCMVであり、フラビウイルス科は、HCV、ウエストナイル熱または黄熱から選択される。
一般式(I)による化合物はまた、心血管疾患、例えば、心肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、血管神経性浮腫、大動脈弁狭窄、大動脈瘤、不整脈、不整脈源性右室異形成、動脈硬化、動静脈奇形、心房細動、ベーチェット症候群、徐脈、心タンポナーデ、心臓肥大、鬱血性心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、心血管疾患予防、頸動脈狭窄症、脳出血、チャーグ・ストラウス症候群、糖尿病、エプスタイン奇形、アイゼンメンゲル複合、コレステロール塞栓症、細菌性心内膜炎、線維筋性異形成、先天性心臓欠陥、心疾患、鬱血性心不全、心臓弁膜症、心臓発作、硬膜外血腫、血腫、硬膜下、ヒッペル・リンドウ病、充血、高血圧、肺高血圧、肥大成長、左心室肥大、右心室肥大、左心低形成症候群、低血圧、間欠性跛行、虚血性心疾患、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、延髄外側症候群、QT延長症候群僧帽弁逸脱、モヤモヤ病、皮膚粘膜リンパ節症候群、心筋梗塞、心筋虚血、心筋炎、心膜炎、末梢血管疾患、静脈炎、結節性多発動脈炎、肺動脈閉鎖、レイノー病、再狭窄、スネドン症候群、狭窄、上大静脈症候群、シンドロームX、頻拍、高安動脈炎、遺伝性出血性毛細血管拡張症、毛細血管拡張症、側頭動脈炎、ファロー四徴症、閉塞性血栓性血管炎、血栓症、血栓塞栓症、三尖弁閉鎖、静脈瘤、血管疾患、血管炎、血管けいれん、心室細動、ウィリアムズ症候群、末梢血管疾患、静脈瘤および下腿潰瘍、深部静脈血栓症、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群などの予防および/または処置に有用である。心肥大、成人先天性心疾患、動脈瘤、アンギナ、狭心症、不整脈、心血管疾患予防、心筋症、鬱血性心不全、心筋梗塞、肺高血圧、肥大成長、再狭窄、狭窄、血栓症および動脈硬化が好ましい。
本発明のさらなる主題は、薬剤としての、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、障害の、特に上述した障害の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置および/または予防のための、本発明による一般式(I)の化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、薬剤として使用するための本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、上述した障害の処置および/または予防に使用するための本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防に使用するための本発明による化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置および/または予防に使用するための本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、上述した障害の処置方法および/または予防方法に使用するための本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置方法および/または予防方法に使用するための本発明による化合物である。
本発明の好ましい主題は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置方法および/または予防方法に使用するための本発明による化合物である。
本発明のさらなる主題は、障害の、特に上述した障害の処置および/または予防のための薬剤の製造における、本発明による化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防のための薬剤の製造における、本発明による化合物の使用である。
本発明の好ましい主題は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置および/または予防のための薬剤の製造における、本発明による化合物の使用である。
本発明のさらなる主題は、有効量の本発明による化合物を使用する、障害の、特に上述した障害の処置方法および/または予防方法である。
本発明のさらなる主題は、有効量の本発明による化合物を使用する、過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置方法および/または予防方法である。
本発明の好ましい主題は、有効量の本発明による化合物を使用する、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置方法および/または予防方法である。
本発明の別の態様は、少なくとも1種以上のさらなる活性成分と組み合わせて、本発明による一般式(I)の化合物を含む医薬組み合わせに関する。
本明細書で使用される場合、「医薬組み合わせ」という用語は、活性成分として本発明による一般式(I)の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種のその他の活性成分との組み合わせを指し、さらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒を含む、またはそれらを含まない。
本発明の別の態様は、不活性かつ非毒性の薬学的に好適なアジュバントと組み合わせて、本発明による一般式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、少なくとも1種の医薬活性剤と少なくとも1種のさらなる成分、担体、希釈剤および/または溶媒とのガレヌス製剤を指す。
本発明の別の態様は、障害の、特に上述した障害の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、障害の、特に上述した障害の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、肺癌腫、特に非小細胞肺癌腫、前立腺癌腫、特にホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫を含む子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色種、卵巣癌腫または白血病、特に急性骨髄性白血病の処置および/または予防のための、本発明による医薬組み合わせおよび/または医薬組成物に関する。
式(I)の化合物は、単独の医薬品として、または1種以上の追加の治療剤と組み合わせて投与されてよく、この組み合わせは、許容できない有害作用を引き起こさない。この医薬組み合わせは、式(I)の化合物および1種以上の追加の治療剤を含有する単一の医薬投与製剤を投与すること、加えて式(I)の化合物および各追加の治療剤を、それ自体別個の医薬投与製剤で投与することを含む。例えば、式(I)の化合物および治療剤は、単一の経口投与組成物、例えば錠剤もしくはカプセル剤などで一緒に患者に投与されてよい、または各薬剤は別個の投与製剤で投与されてよい。
別個の投与製剤が使用される場合、式(I)の化合物および1種以上の追加の治療剤は、本質的に同時に(例えば、並行して)または別々に時間差で(例えば、連続して)投与されてよい。
特に、本発明の化合物は、その他の抗腫瘍剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、植物由来抗腫瘍剤、ホルモン療法剤、トポイソメラーゼ阻害剤、カンプトテシン誘導体、キナーゼ阻害剤、標的薬物、抗体、インターフェロンおよび/または生物学的応答調節剤、抗血管新生化合物、ならびにその他の抗腫瘍薬物などとの固定の組み合わせまたは別個の組み合わせで使用されてよい。これに関連して、以下のものは、本発明の化合物と組み合わせて使用されてよい二次薬剤の例に関する非限定的一覧である:131I−chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY80−6946、BAY1000394、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、フォテムスチン、フルベストラント、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125種、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、リュープロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103種、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパラガーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカライド−K、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、塩化ラジウム−223、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプリューセル−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラス微小球、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
本発明の化合物はまた、放射線治療および/または外科的介入と組み合わせて癌処置に用いられてよい。
概して、本発明の化合物または組成物と組み合わせた細胞傷害剤および/または細胞増殖抑制剤の使用は、
(1)いずれかの薬剤の単独投与と比較した場合、腫瘍の成長を減少させることに良好な有効性をもたらす、もしくは腫瘍を排除さえする、
(2)投与される化学療法剤のより少ない量での投与を可能にする、
(3)有害な薬理学的合併症が、単剤化学療法およびある種のその他の併用療法で観察されるものよりも少なく、患者に十分に忍容される化学療法処置を可能にする、
(4)哺乳動物、特にヒトにおける、より広範囲の様々な癌型の処置を可能にする、
(5)処置される患者の間でより高い奏効率を可能にする、
(6)標準的な化学療法処置と比較して、処置される患者の間でより長期の生存期間を可能にする、
(7)腫瘍進行の時間をより長くする、ならびに/または
(8)その他の癌剤の組み合わせが拮抗作用をもたらす既知の場合と比較して、単独で使用される薬剤のものと少なくとも同様に良好な有効性および忍容性結果をもたらすために役立つだろう。
さらに、式(I)の化合物は、それ自体でまたは組成物中で、研究および診断において、または当該技術分野において周知の分析参照基準などとして利用されてよい。
本発明による化合物は、全身的におよび/または局所的に作用し得る。この目的のために、それらは好適な方法で、例えば経口、非経口、経肺、経鼻、舌下、経舌、経頬、直腸、皮膚、経皮、結膜もしくは耳経路により、またはインプラントもしくはステントなどとして投与され得る。
これらの投与経路について、本発明による化合物を好適な適用形態で投与することが可能である。
経口投与に好適なのは、先行技術に記載されているように作用し、本発明による化合物を迅速にならびに/または修飾形態で送達し、本発明による化合物を結晶形態および/もしくは非晶質形態および/もしくは溶解形態で含む投与形態であり、例えば、錠剤(コーティング錠剤もしくは非コーティング錠剤、例えば、腸溶性コーティングを施した錠剤もしくはその溶解が遅延される、もしくは不溶性であって本発明による化合物の放出を制御するコーティングを施した錠剤)、口腔内で迅速に分解する錠剤、またはフィルム/ウエハー剤、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬ゼラチンカプセル剤もしくは軟ゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤もしくは液剤などである。
非経口投与は、吸収ステップを回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内もしくは腰椎内で)または吸収を含んで(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内で)行われ得る。非経口投与に好適な投与形態は、とりわけ液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥物または滅菌散剤の形態での、注射および注入用の調製物である。
その他の投与経路に好適な例は、吸入用の医薬形態(とりわけ、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻剤/液剤/噴霧剤、経舌、舌下または経頬で投与される錠剤、フィルム/ウエハー剤またはカプセル剤、坐剤、眼または耳用の調製物、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏剤、クリーム、経皮治療システム(例えば、膏薬など)、乳液剤、ペースト剤、泡剤、散布粉剤、インプラントまたはステントである。
本発明による化合物は、記載される投与形態に変換され得る。これは、それ自体既知の手法で、不活性かつ非毒性の薬学的に好適なアジュバントと混合することにより行われ得る。これらのアジュバントとしては、とりわけ、担体(例えば、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成ポリマーおよび天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸など)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば酸化鉄など)ならびに風味および/または臭気マスキング剤が挙げられる。
本発明は、本発明による少なくとも1種の化合物を、通常1種以上の不活性かつ非毒性の薬学的に好適なアジュバントと共に含む薬剤、および上述した目的のためのそれらの使用をさらに提供する。
本発明の化合物が医薬としてヒトまたは動物に投与される場合、それらはそれ自体で投与され得る、または例えば、0.1%〜99,5%(より好ましくは、0.5%〜90%)の活性成分を、1種以上の不活性かつ非毒性の薬学的に好適なアジュバントと組み合わせて含む医薬組成物として投与され得る。
選択された投与経路にかかわらず、一般式(I)の本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は、当業者に既知の従来の方法により、薬学的に許容される剤形へと製剤化される。
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量レベルおよび投与の時間経過は、患者に毒性を示すことなく、特定の患者にとって所望の治療応答を達成するのに効果的な量の活性成分を得るように変更されてよい。
材料および方法:
以下の試験および実施例における百分率データは、別段の指示がない限り、重量百分率であり、部は重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈率および濃度データは、いずれの場合も体積に基づく。
実施例は、選択した生物学的アッセイにおいて1回以上試験した。2回以上試験した場合、データは平均値として、または中央値としてのいずれかで報告し、ここで
・平均値は、算術平均値とも称し、得られた値の和を試験した回数で除したものを表し、
・中央値は、昇順または降順で並べた場合の値の群における中央の数値を表す。データセットにおける値の数が奇数である場合、中央値は中央の値である。データセットにおける値の数が偶数である場合、中央値は2つの中央の値の算術平均である。
実施例を1回以上合成した。2回以上合成した場合、生物学的アッセイからのデータは、1つ以上の合成バッチの試験から得られたデータセットを利用して算出した平均値または中央値を表す。
化合物のインビトロ薬理学的特性は、以下のアッセイおよび方法により決定することができる。
1a.CDK9/CycT1キナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載したようなCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
昆虫細胞中で発現させて、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーにより精製した組換え全長Hisタグ付きヒトCDK9およびCycT1を、Invitrogen(カタログ番号PV4131)から購入した。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチドのビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を使用し、これは、例えばJERINI Peptide Technologies(ベルリン、独国)という会社から購入することができる。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nlを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、独国)中にピペットで分注し、水性アッセイ緩衝液[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mM ジチオスレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK9/CycT1の溶液2μlを添加し、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物と酵素とをあらかじめ結合させた。次いで、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は10μMである)および基質(1.67μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は1μMである)の溶液3μlを添加することによりキナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間を25分間としてインキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲内となるよう適合するように選択して、典型的な濃度は、1μg/mLの範囲内であった。EDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH pH7.0中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、コドレ、仏国]およびBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[番号558389]および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])の溶液5μlを添加することにより反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。その後、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することにより、リン酸化基質の量を評価した。したがって、350nmでの励起後における620nmおよび665nmでの蛍光発光を、HTRFリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、オッフェンブルク、独国)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害剤を用いない酵素反応=0%阻害、すべてのその他のアッセイ構成要素を用いるが、酵素は用いない=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内における11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nMの、1:3.4の段階希釈により、DMSO中において100倍濃縮溶液レベルでアッセイする前に別々に調製した希釈系列)で、各濃度について2反復値として試験し、社内ソフトウェアを使用した4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
1b.CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ
酵素および試験化合物のプレインキュベート後の、高ATP濃度における本発明の化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載したようなCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
昆虫細胞中で発現させて、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーにより精製した組換え全長Hisタグ付きヒトCDK9およびCycT1は、Invitrogen(カタログ番号PV4131)からの購入品であった。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチドのビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を使用し、これは、例えばJERINI peptide technologies(ベルリン、独国)という会社から購入することができる。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nlを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、独国)中にピペットで分注し、水性アッセイ緩衝液[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mM ジチオスレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK9/CycT1の溶液2μlを添加し、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物と酵素とをあらかじめ結合させた。次いで、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、3.3mM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は2mMである)および基質(1.67μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は1μMである)の溶液3μlを添加することによりキナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間を25分間としてインキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲内となるよう適合するように選択して、典型的な濃度は、0.5μg/mLの範囲内であった。EDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH pH7.0中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、コドレ、仏国]およびBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[番号558389]および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])の溶液5μlを添加することにより反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。その後、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することにより、リン酸化基質の量を評価した。したがって、350nmでの励起後における620nmおよび665nmでの蛍光発光を、HTRFリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、オッフェンブルク、独国)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害剤を用いない酵素反応=0%阻害、すべてのその他のアッセイ構成要素を用いるが、酵素は用いない=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内における11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nMの、1:3.4の段階希釈により、DMSO中において100倍濃縮溶液レベルでアッセイする前に別々に調製した希釈系列)で、各濃度について2反復値として試験し、社内ソフトウェアを使用した4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
2a.CDK2/CycEキナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、以下の段落に記載したようなCDK2/CycE TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
昆虫細胞(Sf9)中で発現させて、グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製したGSTとヒトCDK2との組換え融合タンパク質およびGSTとヒトCycEとの組換え融合タンパク質を、ProQinase GmbH(フライブルク、独国)から購入した。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチドのビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を使用し、これは、例えばJERINI Peptide Technologies(ベルリン、独国)という会社から購入することができる。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nlを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、独国)中にピペットで分注し、水性アッセイ緩衝液[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mM ジチオスレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycEの溶液2μlを添加し、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物と酵素とをあらかじめ結合させた。次いで、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は10μMである)および基質(1.25μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は0.75μMである)の溶液3μlを添加することによりキナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間を25分間としてインキュベートした。CDK2/CycEの濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲内となるよう適合するように選択して、典型的な濃度は、130ng/mLの範囲内であった。EDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH pH7.0中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、コドレ、仏国]およびBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[番号558389]および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077])の溶液5μlを添加することにより反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。その後、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することにより、リン酸化基質の量を評価した。したがって、350nmでの励起後における620nmおよび665nmでの蛍光発光を、TR−FRETリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、オッフェンブルク、独国)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害剤を用いない酵素反応=0%阻害、すべてのその他のアッセイ構成要素を用いるが、酵素は用いない=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内における11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nMの、1:3.4の段階希釈により、DMSO中において100倍濃縮溶液レベルでアッセイする前に別々に調製した希釈系列)で、各濃度について2反復値として試験し、社内ソフトウェアを使用した4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
2b.CDK2/CycE高ATPキナーゼアッセイ:
2mM アデノシン三リン酸(ATP)における本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、以下の段落に記載したようなCDK2/CycE TR−FRET(TR−FRET=時間分解蛍光エネルギー移動)アッセイを用いて定量化した。
昆虫細胞(Sf9)中で発現させて、グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製したGSTとヒトCDK2との組換え融合タンパク質およびGSTとヒトCycEとの組換え融合タンパク質は、ProQinase GmbH(フライブルク、独国)からの購入品であった。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチドのビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を使用し、これは、例えばJERINI peptide technologies(ベルリン、独国)という会社から購入することができる。
アッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nlを、黒色低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、フリッケンハウゼン、独国)中にピペットで分注し、水性アッセイ緩衝液[50mM Tris/HCl pH8.0、10mM MgCl、1.0mM ジチオスレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycEの溶液2μlを添加し、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に試験化合物と酵素とをあらかじめ結合させた。次いで、アッセイ緩衝液中の溶液ATP(3.33mM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は2mMである)および基質(1.25μM→5μlのアッセイ体積中の最終濃度は0.75μMである)を3μl添加することによりキナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間を25分間としてインキュベートした。CDK2/CycEの濃度を酵素ロットの活性に応じて調整し、アッセイが線形範囲内となるよう適合するように選択して、典型的な濃度は、15ng/mlの範囲内であった。EDTA水溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH pH7.0中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、コドレ、仏国]およびBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[番号558389]および1.2nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077、代替品としてCisbio Bioassays製のテルビウム−クリプタート標識抗マウスIgG抗体を使用することができる])の溶液5μlを添加することにより反応を停止させた。
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートし、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。その後、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することにより、リン酸化基質の量を評価した。したがって、350nmでの励起後における620nmおよび665nmでの蛍光発光を、TR−FRETリーダー、例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、オッフェンブルク、独国)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害剤を用いない酵素反応=0%阻害、すべてのその他のアッセイ構成要素を用いるが、酵素は用いない=100%阻害)。通常、試験化合物は同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内における11の異なる濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nMの、1:3.4の段階希釈により、DMSO中において100倍濃縮溶液レベルでアッセイする前に別々に調製した希釈系列)で、各濃度について2反復値として試験し、社内ソフトウェアを使用した4パラメータフィットによりIC50値を算出した。
3.増殖アッセイ:
培養した腫瘍細胞(HeLa、ヒト子宮頸部腫瘍細胞、ATCC CCL−2、NCI−H460、ヒト非小細胞肺癌腫細胞、ATCC HTB−177、A2780、ヒト卵巣癌腫細胞、ECACC番号93112519、DU145、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫細胞、ATCC HTB−81、HeLa−MaTu−ADR、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫細胞、EPO−GmbH ベルリン、Caco−2、ヒト結腸直腸癌腫細胞、ATCC HTB−37、B16F10、マウス黒色腫細胞、ATCC CRL−6475)を、96ウェルマルチタイタープレート中、10%ウシ胎児血清を補充したそれらの各々の増殖培地200μL中に5,000細胞/ウェル(DU145、HeLa−MaTu−ADR)、3,000細胞/ウェル(NCI−H460、HeLa)、2,500細胞/ウェル(A2780)、1,500細胞/ウェル(Caco−2)、または1,000細胞/ウェル(B16F10)の密度で播種した。24時間後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞をクリスタルバイオレットで染色し(以下を参照のこと)、一方でその他のプレートの培地を新鮮な培養培地(200μl)で置き換えて、それに試験物質を様々な濃度(0μM、加えて0.001〜10μMの範囲内で、溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)で添加した。細胞を試験物質の存在下で4日間インキュベートした。細胞をクリスタルバイオレットで染色することにより、細胞増殖を決定した。20μl/測定点の11%グルタルアルデヒド溶液を室温で15分間添加することにより、細胞を固定した。固定した細胞の水による3回の洗浄サイクル後、プレートを室温で乾燥した。100μl/測定点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH3.0)を添加することにより、細胞を染色した。染色した細胞の水による3回の洗浄サイクル後、プレートを室温で乾燥した。100μl/測定点の10%酢酸溶液を添加することにより、染料を溶解させた。595nmの波長での測光により吸光を決定した。ゼロ点プレートの吸光値(=0%)および未処理(0μm)細胞の吸光(=100%)を基準として測定値を正規化することにより、細胞数の変化をパーセントで算出した。4パラメータフィットを用いて、IC50値(最大効果の50%における阻害濃度)を決定した。
非接着性MOLM−13ヒト急性骨髄性白血病細胞(DSMZ ACC 554)を、96ウェルマルチタイタープレート中、10%ウシ胎児血清を補充した100μLの増殖培地中に5,000細胞/ウェルの密度で播種した。24時間後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞生存能を、Cell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて決定し、一方で50μLの試験化合物含有培地を、その他のプレートのウェルに添加した(0.001〜10μMの範囲の最終濃度およびDMSO対照、溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)。細胞生存能を72時間の曝露後にCell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて評価した。ビヒクル(DMSO)処理細胞(=100%)および化合物の曝露直前に得た測定読み取り値(=0%)を基準として正規化した測定データに対して4パラメータフィットを用いて、IC50値(最大効果の50%における阻害濃度)を決定した。
[実施例]
調製実施例
式(I)の化合物の一般的合成
本発明による式(I)の4−(ベンゾフラン−7−イル)置換5−フルオロ−ピリミジン誘導体の合成は、以下のスキーム1およびスキーム2により実施することができる。
以下に記載されている経路に加えて、その他の経路もまた使用し、有機合成に関する当業者の共通の一般知識に従って目標化合物を合成してよい。したがって、以下のスキームに例示した変換の順番は、限定することを意図するものではなく、様々なスキームの好適な合成ステップを組み合わせて、さらなる合成順序を形成することができる。加えて、置換基R、R、Rおよび/またはRのいずれの相互変換も、例示した変換前および/または変換後に達成することができる。これらの修飾は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、金属触媒カップリング反応、置換または当業者に既知のその他の反応などであり得る。これらの変換は、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものを含む。適切な保護基ならびにそれらの導入および切断は、当業者には周知である(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis,4th edition,Wiley 2006を参照のこと)。具体例を次の段落に記載する。さらに、当業者には周知であるように、2つ以上の連続するステップを、その連続するステップの合間に後処理を実施することなく実施してよい可能性があり、例えば、「ワンポット」反応である。
Figure 2017531003
Figure 2017531003
第1ステップでは、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(1、CAS番号2927−71−1)を式(2)のボロン酸誘導体R−B(OR)(式中、Rは、一般式(I)の化合物について定義した通りである)と反応させて、式(3)の化合物を得る。ボロン酸誘導体(2)は、好ましくはボロン酸(R=−H)、またはあるいは、ボロン酸のエステル、例えば、そのイソプロピルエステル(R=−CH(CH)、もしくはピナコールから誘導した環状エステル(式中、−B(OR)は、−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH−C(CH−)を形成する)であってよい。ボロン酸およびそれらのエステルは市販されていて、当業者には周知であり、例えば、D.G.Hall,Boronic Acids,2005 WILEY−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,ISBN 3−527−30991−8および当該文献で引用された参考文献を参照のこと。
カップリング反応は、パラジウム触媒により、例えば、Pd(0)触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd(dba)]などにより、またはPd(II)触媒、例えばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPhCl]、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンなどにより、または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドにより、好ましくは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)−ジクロルメタンにより触媒される。
反応は、溶媒、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、THF、またはイソプロパノールなどと水との混合物中で、塩基、例えば炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなどの存在下で好ましくは実施する。
以下のステップでは、式(3)の化合物を、式(4)(式中、R、RおよびRは、一般式(I)について定義される通りである)のアニリンとのカップリング反応で反応させて、式(I)の化合物を得る。
このカップリング反応は、パラジウム触媒C−Nクロスカップリング反応により実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に関する概説については、例えば、a)L.Jiang,S.L.Buchwald in 「Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions」,2nd ed.:A.de Meijere,F.Diederich,Eds.:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照のこと)。
容易に活性化され、活性なモノ配位Pd(0)錯体の形成を確実にするビアリールモノホスフィンに基づく、好適なパラジウムプレ触媒の使用が好ましい(例えば、a)S.L.Buchwald et al,J.Am.Chem.Soc.2008,130,6686、b)S.L.Buchwald et al,J.Am.Chem.Soc.2008,130,13552を参照のこと)。反応は、弱塩基の存在下において高温で行う(例えば、a)S.L:Buchwald et al,Tet.Lett.2009,50,3672を参照のこと)。
クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてリン酸カリウム、ならびに溶媒としてトルエンおよび1−メチルピロリジン−2−オンの混合物の本明細書に記載される使用が特に好ましい。反応は、アルゴン下で3〜48時間高温で、例えば130℃で電子レンジ中または油浴中において好ましくは行う。
あるいは、このカップリング反応は、アルコール、例えば1−ブタノール中などで、または不活性溶媒、例えばDMF、THF、DME、ジオキサンもしくはこのような溶媒の混合物中などで、酸、例えば塩化水素または4−メチルベンゼンスルホン酸などの存在下において実施することができる。好ましくは、反応は高温、例えば140℃で実施する。
式(4)のアニリンは、ある種の場合に市販されている、または当業者には既知の方法により、例えば、対応する3−アミノベンジルアルコールから、その中に含有されるヒドロキシ基を好適な脱離基、例えばクロロもしくはブロモなどに変換し、続いて一般式R−SH(式中、Rは、一般式(I)の化合物について定義した通りである)のチオールとの求核置換により、構造(以下のスキーム2を参照のこと)のための、式(5)のアニリン中間体を得て調製することができる。
式(5)のこのアニリン中間体を、酸化によって式(4)の対応するスルホン含有アニリンに変換することができる。典型的には、この酸化は、3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(mCPBA、メタ−クロロ安息香酸としても知られる)を用いて、ジクロロメタン中において0℃〜25℃の温度で実施する。
必要であれば、この3−アミノベンジルアルコール中に存在するアミノ基を、好適な保護基で保護することができる。類似体中に存在するアミノ基の保護基ならびにそれらの導入方法および除去方法は、当業者には周知であり、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in:Protective Groups in Organic Synthesis,4th edition,Wiley(2006)を参照のこと。同様に、ニトロ基が、このアミノ基の不活性前駆体基として機能することができ、これは当業者には周知の方法を使用したニトロ前駆体の還元、例えば、塩酸水溶液中の塩化チタン(III)による還元時などに放出される。
式R−SHのチオールは、当業者には既知であり、多数の種類が市販されている。
本発明による式(I)の二置換5−フルオロ−ピリミジンの合成はまた、スキーム2に示す代替合成順序により実施することができる。
第1ステップでは、スキーム1により調製することができる式(3)の化合物を、式(5)(式中、R、RおよびRは、一般式(I)について定義される通りである)のアニリン中間体とのカップリング反応で反応させて、式(6)の化合物を得る。
このカップリング反応は、パラジウム触媒C−Nクロスカップリング反応により実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に関する概説については、例えば、a)L.Jiang,S.L.Buchwald in 「Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions」,2nd ed.:A.de Meijere,F.Diederich,Eds.:Wiley−VCH:Weinheim,Germany,2004を参照のこと)。
容易に活性化され、活性なモノ配位Pd(0)錯体の形成を確実にするビアリールモノホスフィンに基づく、好適なパラジウムプレ触媒の使用が好ましい(例えば、a)S.L.Buchwald et al,J.Am.Chem.Soc.2008,130,6686、b)S.L.Buchwald et al,J.Am.Chem.Soc.2008,130,13552を参照のこと)。反応は、弱塩基の存在下において高温で行う(例えば、a)S.L:Buchwald et al,Tetrahedron Lett.2009,50,3672を参照のこと)。クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、塩基としてリン酸カリウム、ならびに溶媒としてトルエンおよび1−メチルピロリジン−2−オンの混合物の本明細書に記載される使用が最も好ましい。反応は、アルゴン下で3〜48時間高温で、例えば130℃で電子レンジ中または油浴中において好ましくは行う。
別の好ましい変形形態は、ジオキサン中におけるトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)および炭酸セシウムの使用である。
反応は、アルゴン下で3〜48時間高温で、例えば130℃で電子レンジ中または油浴中において好ましくは行う。
Figure 2017531003
Figure 2017531003
第2ステップでは、式(6)の化合物のチオエーテル部分を酸化して、式(I)の所望の化合物を得る。酸化は、好適な溶媒中における酸化剤の使用により実施する。アセトン中における過マンガン酸カリウムの使用、またはジクロロメタン中における3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸の使用が好ましい。
化合物の調製:
化学の説明において、および以下の実施例において使用する略語は、以下のものである:CDCl(重水素化クロロホルム)、cHex(シクロヘキサン)、d(二重線)、DCM(ジクロロメタン)、DIPEA(ジ−イソ−プロピルエチルアミン)、DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、eq(当量)、ES(エレクトロスプレー)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、iPrOH(イソ−プロパノール)、mCPBA(メタ−クロロ過安息香酸)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、MS(質量分析)、NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NMR(核磁気共鳴)、p(五重線)、Pd(dppf)Cl(ジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体)、iPrOH(イソ−プロパノール)、q(四重線)、RT(室温)、s(一重線)、sat.aq.(飽和水性)、SiO(シリカゲル)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、tr(三重線)。
実施例のIUPAC名は、ACD LABS製のプログラム「ACD/Nameバッチバージョン12.01」を使用して生成した。
[実施例1]
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン
Figure 2017531003
中間体1.1の調製:1−[(メチルスルファニル)メチル]−3−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
ナトリウムメタンチオラート(13.5g、192mmol)を、エタノール(360mL)中の1−(クロロメチル)−3−ニトロベンゼン(30.0g、175mmol)の攪拌溶液に−15℃で2回に分けて添加した。冷浴を除去し、バッチを室温で3時間攪拌した。バッチをブラインで希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過して濃縮し、所望の生成物(32.2g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.18(m,1H),8.11(m,1H),7.66(m,1H),7.50(m,1H),3.75(s,2H),2.01(s,3H).
中間体1.2の調製:1−[(メチルスルホニル)メチル]−3−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(77%、26.9g、120mmol)を、DCM(1305mL)中の1−[(メチルスルファニル)メチル]−3−ニトロベンゼン(10.0g)の攪拌溶液に0℃で添加した。バッチを0℃で30分間攪拌し、次いで室温で2.5時間攪拌した。バッチを水(300mL)で希釈してから、重炭酸ナトリウム(11.0g)を添加した。バッチをDCMで2回抽出した。組み合わせた有機層を、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM/エタノール 95:5)により精製し、最後に酢酸エチルから再結晶させて所望の生成物(6.2g、28.9mmol)を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ=8.28(m,1H),8.22(m,1H),7.83(m,1H),7.69(m,1H),4.68(s,2H),2.93(s,3H).
中間体1.3の調製:3−[(メチルスルホニル)メチル]アニリン
Figure 2017531003
およそ10%塩酸水溶液(162mL、Merck Schuchardt OHG)中の塩化チタン(III)溶液(およそ15%)を、THF(250mL)中の1−[(メチルスルホニル)メチル]−3−ニトロベンゼン(5.1g、23.8mmol)の攪拌溶液に室温で添加し、バッチを16時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、反応混合物のpH値を10に調整してから、バッチを酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮して所望の生成物(4.5g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ=6.97(m,1H),6.51(m,3H),5.13(br,2H),4.23(s,2H),2.83(s,3H).
中間体1.4の調製:2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン
Figure 2017531003
1,2−ジメトキシエタン(25.4mL)および炭酸カリウムの2M水溶液(7.35mL)中に2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(818mg、4.90mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)、(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ボロン酸(1g、5.39mmol、ABCR GmbH&CO.KG)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)−ジクロルメタン(400.2mg、0.49mmol)を含むバッチを、アルゴンを使用して脱気した。バッチをアルゴン雰囲気下で90分間、周囲温度で攪拌した。バッチを酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、所望の生成物(834mg、3.13mmol)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=9.06(d,1H),8.21(d,1H),7.78(dd,1H),7.38−7.32(m,1H),7.25(d,1H).
最終生成物の調製:
トルエン(8ml)およびNMP(2mL)中の3−[(メチルスルホニル)メチル]アニリン(105mg、0.563mmol、中間体1.3)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン(100mg、0.375mmol、中間体1.4)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(23.2mg、0.028mmol、ABCR GmbH&Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(13.4mg、0.028mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)ならびにリン酸カリウム(398mg、1.87mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下において130℃で3時間攪拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、所望の生成物(9.1mg、0.02mmol)を得た。
Figure 2017531003
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=9.95(s,1H),8.71(d,1H),8.20(d,1H),7.84(s,1H),7.79(d,2H),7.36−7.27(m,2H),7.23(d,1H),7.01(d,1H),4.41(s,2H),2.89(s,3H).
[実施例2]
N−{3−[(エチルスルホニル)メチル]フェニル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン−2−アミン
Figure 2017531003
中間体2.1の調製:1−[(エチルスルファニル)メチル]−3−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
ナトリウムエタンチオラート(5.39g、64.1mmol)を、エタノール(120mL)中の1−(クロロメチル)−3−ニトロベンゼン(10.0g、58.2mmol)の攪拌溶液に−15℃で2回に分けて添加した。冷浴を除去し、バッチを室温で3時間攪拌した。追加のナトリウムエタンチオラート(2.45g、29.1mmol)を添加した。バッチを16時間攪拌した。次いで、バッチをブラインで希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過して濃縮し、所望の生成物(10.15g、51.4mmol))を得て、これをさらに精製することなく使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(t,1H),8.11(dt,1H),7.68(d,1H),7.54−7.46(m,1H),3.81(s,2H),2.46(q,2H),1.25(t,3H).
中間体2.2の調製:1−[(エチルスルホニル)メチル]−3−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(77%、1.98g、8.03mmol)を、DCM(70mL)中の1−[(エチルスルファニル)メチル]−3−ニトロベンゼン(800mg、中間体2.1)の攪拌溶液に0℃で添加した。バッチを0℃で30分間攪拌し、次いで室温で18時間攪拌した。バッチを水(100mL)で希釈してから、重炭酸ナトリウム(735mg)を添加した。バッチをDCMで2回抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、所望の生成物(824mg、3.59mmol)を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ=8.31(t,1H),8.28−8.22(m,1H),7.86(d,1H),7.75−7.68(m,1H),4.70(s,2H),3.09(q,2H),1.24(t,3H).
中間体2.3の調製:3−[(エチルスルホニル)メチル]アニリン
Figure 2017531003
およそ10%塩酸水溶液(16.5mL、Merck Schuchardt OHG)中の塩化チタン(III)溶液(およそ15%)を、THF(42mL)中の1−[(エチルスルホニル)メチル]−3−ニトロベンゼン(810mg、3.53mmol、中間体2.2)の攪拌溶液に室温で添加し、バッチを67時間攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、反応混合物を中和してから、バッチを酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、所望の生成物(560mg、2.67mmol)を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ=7.00(t,1H),6.62−6.48(m,3H),5.14(s,2H),4.24(s,2H),2.97(q,2H),1.20(t,3H).
最終生成物の調製:
トルエン(7.2ml)およびNMP(1.8mL)中の3−[(エチルスルホニル)メチル]アニリン(106mg、0.5mmol、中間体2.3)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン(90mg、0.338mmol、中間体1.4)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(20.9mg、0.025mmol、ABCR GmbH&Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(12.1mg、0.025mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)ならびにリン酸カリウム(358mg、1.68mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下において130℃で3時間攪拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、所望の生成物(37.5mg、0.09mmol)を得た。
Figure 2017531003
H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ=9.95(s,1H),8.72(d,1H),8.20(d,1H),7.85(d,1H),7.82−7.76(m,2H),7.35−7.28(m,2H),7.23(d,1H),7.00(d,1H),4.38(s,2H),3.00(q,2H),1.18(t,3H).
[実施例3]
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−フルオロ−5−[(メチルスルホニル)−メチル]フェニル}ピリミジン−2−アミン
Figure 2017531003
中間体3.1の調製:1−フルオロ−3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
ナトリウムメタンチオラート(1.22g、17.4mmol)を、エタノール(33mL)中の1−(クロロメチル)−3−フルオロ−5−ニトロベンゼン(3.00g、15.8mmol、HE Chemical)の攪拌溶液に0℃で3回に分けて添加した。氷浴を除去し、バッチを室温で18時間攪拌した。さらにナトリウムメタンチオラート(0.33g、4.7mmol)を添加し、バッチを室温でさらに5時間攪拌した。バッチをブラインで希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過して濃縮し、所望の生成物(3.4g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.00(m,1H),7.81(m,1H),7.42(m,1H),3.74(s,2H),2.02(s,3H).
中間体3.2の調製:1−フルオロ−3−[(メチルスルホニル)メチル]−5−ニトロベンゼン
Figure 2017531003
3−クロロベンゼンペルオキシカルボン酸(77%、3.68g、16.4mmol)を、DCM(178mL)中の1−フルオロ−3−[(メチルスルファニル)メチル]−5−ニトロベンゼン(1.50g)の攪拌溶液に0℃で添加した。バッチを0℃で30分間攪拌し、次いで室温で2.5時間攪拌した。バッチを水(450mL)で希釈してから、重炭酸ナトリウム(1.50g)を添加した。バッチをDCMで2回抽出した。組み合わせた有機層を、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮して粗生成物(3.33g)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
中間体3.3の調製:3−フルオロ−5−[(メチルスルホニル)メチル]アニリン
Figure 2017531003
およそ10%塩酸水溶液(29mL、Merck Schuchardt OHG)中の塩化チタン(III)溶液(およそ15%)を、THF(45mL)中の粗1−フルオロ−3−[(メチルスルホニル)メチル]−5−ニトロベンゼン(1.00g)の攪拌溶液に室温で添加し、バッチを16時間攪拌した。バッチを氷浴で冷却しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応混合物のpH値を8〜9に調整した。その温度でさらに30分間攪拌を続けてから、バッチを酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 1:1〜酢酸エチル)により精製し、所望の生成物(262mg、1.29mmol)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ=6.48(m,2H),6.39(m,1H),4.11(s,2H),3.88(br,2H),2.79(s,3H).
最終生成物の調製:
トルエン(7.2ml)およびNMP(1.8mL)中の3−フルオロ−5−[(メチルスルホニル)メチル]アニリン(118mg、0.506mmol、中間体3.3)、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン(90mg、0.338mmol、中間体1.4)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加物(20.9mg、0.025mmol、ABCR GmbH&Co.KG)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(12.1mg、0.025mmol、Aldrich Chemical Company Inc.)ならびにリン酸カリウム(358mg、1.68mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下において130℃で3時間攪拌した。冷却後、バッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、Whatmanフィルターを使用して濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、所望の生成物(65mg、0.15mmol)を得た。
Figure 2017531003
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=10.22(s,1H),8.77(d,1H),8.18(d,1H),7.92(dt,1H),7.79(dd,1H),7.55(s,1H),7.37−7.29(m,1H),7.24(d,1H),6.86−6.80(m,1H),4.45(s,2H),2.93(s,3H).
[実施例4]
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−メチル−5−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン
Figure 2017531003
中間体4.1の調製:
3−(クロロメチル)−5−メチルアニリン
Figure 2017531003
DCM(140mL)中の3−アミノ−5−メチル−ベンジルアルコール(5g、33.9mmol、GL Syntech LLC、ハットフィールド、ペンシルベニア州)の攪拌溶液に、塩化チオニル(7.4mL、102mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温で一晩反応させた。次いで、混合物を減圧下で濃縮した。得られた材料をDCM中に再度溶解し、蒸発乾固して粗3−(クロロメチル)−5−メチルアニリン(7g)を得た。
中間体4.2の調製:
3−メチル−5−[(メチルスルファニル)メチル]アニリン
Figure 2017531003
中間体4.2を、3−(クロロメチル)−5−メチルアニリン(中間体4.1)を使用して、中間体1.1の調製において記載されているのと同様の条件下で調製した。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=6.33−6.27(m,1H),6.27−6.21(m,2H),4.95(s,2H),3.47(s,2H),2.12(s,3H),1.94(s,3H).
中間体4.3の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−メチル−5−[(メチルスルファニル)メチル]フェニル}ピリミジン−2−アミン
Figure 2017531003
中間体4.3を、2−クロロ−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン(中間体1.4)および3−メチル−5−[(メチルスルファニル)メチル]アニリン(中間体4.2)を使用して、実施例1(最終生成物)の調製において記載されているのと同様の条件下で調製した。バッチをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=9.77(s,1H),8.71(d,1H),8.20(d,1H),7.76(dd,1H),7.60(s,1H),7.50(s,1H),7.33(dd,1H),7.23(d,1H),6.71(s,1H),3.59(s,2H),2.25(s,3H),1.94(s,3H).
最終生成物の調製:
過マンガン酸カリウム(110.5mg、0.69mmol)を、アセトン(4mL)中の5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−メチル−5−[(メチルスルファニル)メチル]フェニル}ピリミジン−2−アミン(88mg、0.22mmol、中間体4.3)の攪拌溶液に添加した。バッチを40℃で90分間攪拌した。冷却後、反応混合物をCeliteパッドに通して濾過した。フィルターパッドをアセトンで洗浄し、組み合わせた濾液を減圧下で蒸発させた。得られた残留物を分取HPLCにより精製し、所望の生成物(20.6mg、0.048mmol)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=9.87(s,1H),8.71(d,1H),8.20(d,1H),7.78(dd,1H),7.64(s,2H),7.35−7.29(m,1H),7.23(d,1H),6.82(s,1H),4.36(s,2H),2.89(s,3H),2.28(s,3H).
以下の表1は、実施例セクションにおいて記載された化合物に関する概要を提供する。
Figure 2017531003
結果:
表2:本発明による化合物のCDK9およびCDK2の阻害
IC50(最大効果の50%における阻害濃度)値をnMで示し、「n.t.」は、このアッセイにおいて化合物を試験していないことを意味する。
1:実施例番号
2:CDK9:材料および方法の方法1a.に記載されているようなCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
3:CDK2:材料および方法の方法2a.に記載されているようなCDK2/CycEキナーゼアッセイ
4:CDK2よりもCDK9への選択性:材料および方法の方法1a.および方法2a.によるIC50(CDK2)/IC50(CDK9)
5:高ATP CDK9:材料および方法の方法1b.に記載されているようなCDK9/CycT1キナーゼアッセイ
6:高ATP CDK2:材料および方法の方法2b.に記載されているようなCDK2/CycEキナーゼアッセイ
7:高ATP CDK2よりも高ATP CDK9への選択性:材料および方法の方法1b.および方法2b.によるIC50(高ATP CDK2)/IC50(高ATP CDK9)
Figure 2017531003
表3aおよび表3b:材料および方法の方法3.に記載されるように決定した、本発明による化合物によるHeLa、HeLa−MaTu−ADR、NCI−H460、DU145、Caco−2、B16F10、A2780およびMOLM−13細胞(対応する適応症については、表3aを参照のこと)の増殖の阻害。
すべてのIC50(最大効果の50%における阻害濃度)値をnMで示し、「n.t.」は、このアッセイにおいて化合物を試験していないことを意味する。
1:実施例番号
2:HeLa細胞増殖の阻害
3:HeLa−MaTu−ADR細胞増殖の阻害
4:NCI−H460細胞増殖の阻害
5:DU145細胞増殖の阻害
6:Caco−2細胞増殖の阻害
7:B16F10細胞増殖の阻害
8:A2780細胞増殖の阻害
9:MOLM−13細胞増殖の阻害
これらの細胞株は、表3aに示すような以下の適応症を表す。
Figure 2017531003
Figure 2017531003

Claims (20)

  1. 一般式(I)
    Figure 2017531003
    (式中、
    は、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル−、ヘテロアリール−、フェニル−C〜C−アルキル−およびヘテロアリール−C〜C−アルキル−から選択される基を表し、
    前記基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から同一にまたは異なって選択される1個または2個または3個の置換基で置換されていてもよく、
    は、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、−SF、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
    5a、R5bは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
    、Rは、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  2. が、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
    前記基が、ヒドロキシ、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、C〜C−フルオロアルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)、−C(O)OH、−C(O)NHの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
    が、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    が、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SF基、C〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表し、
    が、水素原子またはフルオロ原子を表し、
    5a、R5bが、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し、
    、Rが、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C〜C−アルキル−、C〜C−アルコキシ−、ハロ−C〜C−アルキル−、C〜C−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  3. が、C〜C−アルキル−、C〜C−シクロアルキル−から選択される基を表し、
    前記基が、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ−、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)の群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
    が、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    が、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子、−SF基、C〜C−アルキル−基またはフルオロ−C〜C−アルキル−基を表し、
    が、水素原子またはフルオロ原子を表し、
    5a、R5bが、互いに独立して水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、メチル−、メトキシ−、ハロメチル−、フルオロメトキシ−から選択される基を表し、
    、Rが、互いに独立して水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  4. が、C〜C−アルキル−基を表し、
    前記基が、C〜C−アルコキシ、−NH、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、および環状アミンの群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく、
    が、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    が、水素原子、フルオロ原子もしくはクロロ原子または−SF、メチル−、エチル−もしくはトリフルオロメチル−基を表し、
    が、水素原子またはフルオロ原子を表し、
    、Rが、互いに独立して水素原子、フルオロ原子およびクロロ原子から選択される基を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  5. が、C〜C−アルキル−基を表し、
    が、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    が、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
    が、水素原子を表し、
    が、水素原子およびフルオロ原子から選択される基を表し、
    が、水素原子を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  6. が、基
    Figure 2017531003
    を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  7. が、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
    が、水素原子を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  8. が、メチル−またはエチル−基を表し、
    が、基
    Figure 2017531003
    を表し、
    が、水素原子もしくはフルオロ原子またはメチル−基を表し、
    が、水素原子を表す、請求項1に記載の一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  9. ・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン、
    ・N−{3−[(エチルスルホニル)−メチル]フェニル}−5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)ピリミジン−2−アミン、
    ・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−フルオロ−5−[(メチルスルホニル)−メチル]フェニル}ピリミジン−2−アミン、および
    ・5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−7−イル)−N−{3−メチル−5−[(メチルスルホニル)メチル]−フェニル}ピリミジン−2−アミン
    から選択される、請求項1に記載の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  10. 過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防における使用のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物。
  11. 黒色腫、子宮頸癌腫、肺癌腫、卵巣癌腫、前立腺癌腫、結腸直腸癌腫または白血病の処置および/または予防における使用のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物。
  12. 過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  13. 肺癌腫、前立腺癌腫、子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色腫、卵巣癌腫または白血病の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  14. 非小細胞肺癌腫、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌腫、子宮頸癌腫、多剤耐性ヒト子宮頸癌腫、結腸直腸癌腫、黒色腫、卵巣癌腫または急性骨髄性白血病の処置および/または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  15. 少なくとも1種以上のさらなる活性成分と組み合わせて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組み合わせ。
  16. 不活性かつ非毒性の薬学的に好適なアジュバントと組み合わせて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  17. 過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の記処置および/または予防のための、請求項15に記載の医薬組み合わせ。
  18. 過剰増殖性障害、ウイルス誘導性感染症の、および/または心血管疾患の処置および/または予防のための、請求項16に記載の医薬組成物。
  19. 一般式(6)
    Figure 2017531003
    (式中、R、R、RおよびRは、一般式(I)の前記化合物について請求項1〜8のいずれか1項により定義される通りである)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物または溶媒和物の塩。
  20. 一般式(I)の化合物を調製するための、一般式(6)
    Figure 2017531003
    (式中、R、R、RおよびRは、一般式(I)の前記化合物について請求項1〜8のいずれか1項により定義される通りである)の化合物ならびにそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物または溶媒和物の塩の使用。
JP2017519839A 2014-10-16 2015-10-13 スルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体 Withdrawn JP2017531003A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14189241 2014-10-16
EP14189241.4 2014-10-16
PCT/EP2015/073609 WO2016059011A1 (en) 2014-10-16 2015-10-13 Fluorinated benzofuranyl-pyrimidine derivatives containing a sulfone group

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017531003A true JP2017531003A (ja) 2017-10-19

Family

ID=51844508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017519839A Withdrawn JP2017531003A (ja) 2014-10-16 2015-10-13 スルホン基を含有するフッ化ベンゾフラニル−ピリミジン誘導体

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9902716B2 (ja)
EP (1) EP3207037B1 (ja)
JP (1) JP2017531003A (ja)
CN (1) CN107207475A (ja)
CA (1) CA2964683A1 (ja)
ES (1) ES2720525T3 (ja)
WO (1) WO2016059011A1 (ja)

Family Cites Families (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025220A1 (en) 1999-10-07 2001-04-12 Amgen Inc. Triazine kinase inhibitors
ATE430742T1 (de) 2000-12-21 2009-05-15 Smithkline Beecham Corp Pyrimidinamine als angiogenesemodulatoren
GB0103926D0 (en) 2001-02-17 2001-04-04 Astrazeneca Ab Chemical compounds
WO2003037346A1 (en) 2001-10-31 2003-05-08 Cell Therapeutics, Inc. 6-phenyl-n-phenyl-(1,3,5) -triazine-2,4-diamine derivatives and related compounds with lysophphosphatidic acid acyltransferase beta (lpaat-beta) inhibitory activity for use in the treatment of cancer
ES2392426T3 (es) 2002-07-18 2012-12-10 Janssen Pharmaceutica Nv Inhibidores de quinasas con triazina sustituida
DE10239042A1 (de) 2002-08-21 2004-03-04 Schering Ag Makrozyclische Pyrimidine, deren Herstellung und Verwendung als Arzneimittel
CA2515132C (en) 2003-02-07 2012-01-03 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Heteroaryl substituted pyrroles useful as inhibitors of protein kinases
EP1678147B1 (en) 2003-09-15 2012-08-08 Lead Discovery Center GmbH Pharmaceutically active 4,6-disubstituted aminopyrimidine derivatives as modulators of protein kinases
DE10349423A1 (de) 2003-10-16 2005-06-16 Schering Ag Sulfoximinsubstituierte Parimidine als CDK- und/oder VEGF-Inhibitoren, deren Herstellung und Verwendung als Arzneimittel
CA2589793A1 (en) 2004-12-17 2006-06-22 Astrazeneca Ab 4-(4-(imidazol-4-yl)pyrimidin-2-ylamino) benzamides as cdk inhibitors
DE102006041382A1 (de) 2006-08-29 2008-03-20 Bayer Schering Pharma Ag Carbamoyl-Sulfoximide als Proteinkinaseinhibitoren
DE102006042143A1 (de) 2006-09-08 2008-03-27 Bayer Healthcare Aktiengesellschaft Neue substituierte Bipyridin-Derivate und ihre Verwendung
WO2008060248A1 (en) 2006-11-15 2008-05-22 S*Bio Pte Ltd. Indole sustituted pyrimidines and use thereof in the treatment of cancer
EP2094682A2 (en) 2006-12-22 2009-09-02 Novartis AG Heteroaryl-heteroaryl compounds as cdk inhibitors for the treatment of cancer, inflammation and viral infections
US20100093776A1 (en) 2006-12-22 2010-04-15 Novartis Ag Organic Compounds and Their Uses
PL2152701T3 (pl) 2007-03-12 2016-10-31 Związki fenyloaminopirymidyny i ich zastosowania
JP5566880B2 (ja) 2007-04-24 2014-08-06 インゲニウム ファーマシューティカルズ ジーエムビーエイチ プロテインキナーゼの阻害剤としての4,6−二置換アミノピリミジン誘導体
JP5379787B2 (ja) 2007-04-24 2013-12-25 インゲニウム ファーマシューティカルズ ジーエムビーエイチ プロテインキナーゼの阻害剤
JP5693951B2 (ja) 2007-04-24 2015-04-01 アストラゼネカ エービー プロテインキナーゼの阻害剤
WO2008132138A1 (en) 2007-04-25 2008-11-06 Ingenium Pharmaceuticals Gmbh Derivatives of 4,6-disubstituted aminopyrimidines
US8530480B2 (en) 2007-09-04 2013-09-10 The Scripps Research Institute Substituted pyrimidinyl-amines as protein kinase inhibitors
WO2009029998A1 (en) 2007-09-06 2009-03-12 Cytopia Research Pty Ltd Retrometabolic compounds
GB0805477D0 (en) 2008-03-26 2008-04-30 Univ Nottingham Pyrimidines triazines and their use as pharmaceutical agents
NZ602832A (en) 2008-07-14 2014-04-30 Gilead Sciences Inc Fused heterocyclic hdac inhibitor compounds
US8415381B2 (en) 2009-07-30 2013-04-09 Novartis Ag Heteroaryl compounds and their uses
MX2012002752A (es) 2009-09-04 2012-04-19 Novartis Ag Compuestos de heteroarilo como inhibidores de cinasa.
CN102791697A (zh) 2009-10-12 2012-11-21 瑞科西有限公司 作为TBKL和/或IKKε抑制剂的氨基-嘧啶化合物
HU0900798D0 (en) 2009-12-21 2010-03-01 Vichem Chemie Kutato Kft 4-phenylamino-pyrimidine derivatives having protein kinase inhibitor activity
US20130079345A1 (en) 2010-03-22 2013-03-28 Bayer Intellectual Property Gmbh Pharmaceutically active disubstituted triazine derivatives
WO2012066065A1 (en) 2010-11-17 2012-05-24 Novartis Ag Phenyl-heteroaryl amine compounds and their uses
JP2013542967A (ja) 2010-11-17 2013-11-28 ノバルティス アーゲー 3−(アミノアリール)−ピリジン化合物
WO2012101064A1 (en) 2011-01-28 2012-08-02 Novartis Ag N-acyl pyrimidine biaryl compounds as protein kinase inhibitors
WO2012101066A1 (en) 2011-01-28 2012-08-02 Novartis Ag Pyridine biaryl amine compounds and their uses
WO2012101063A1 (en) 2011-01-28 2012-08-02 Novartis Ag N-acyl pyridine biaryl compounds and their uses
WO2012101065A2 (en) 2011-01-28 2012-08-02 Novartis Ag Pyrimidine biaryl amine compounds and their uses
US20130303507A1 (en) 2011-01-28 2013-11-14 Novartis Ag Substituted hetero-biaryl compounds and their uses
JP5947818B2 (ja) 2011-03-02 2016-07-06 リード ディスカバリー センター ゲーエムベーハー 薬学的活性化二置換ピリジン誘導体
CN103582482B (zh) 2011-03-02 2016-10-12 利德探索中心有限公司 药学活性的二取代的三嗪衍生物
JP2014510794A (ja) 2011-04-12 2014-05-01 アルツハイマーズ・インスティテュート・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド IKK関連キナーゼεおよびTANK結合キナーゼ1の阻害剤の組成物および治療的使用
CN102731413A (zh) 2011-04-15 2012-10-17 上海医药工业研究院 一种脲类化合物、其制备方法、其中间体及其应用
ES2613103T3 (es) 2011-04-19 2017-05-22 Bayer Intellectual Property Gmbh 4-Aril-n-fenil-1,3,5-triacin-2-aminas sustituidas
EP2527332A1 (en) 2011-05-24 2012-11-28 Bayer Intellectual Property GmbH 4-Aryl-N-phenyl-1,3,5-triazin-2-amines containing a sulfoximine group as CDK9 inhibitors
EP2755956B1 (en) 2011-09-16 2016-05-18 Bayer Intellectual Property GmbH 2,4-disubstituted 5-fluoro-pyrimidines as selective cdk9 inhibtors
ES2588102T3 (es) 2011-09-16 2016-10-28 Bayer Intellectual Property Gmbh Derivados de 5-fluoro-pirimidina disustituidos que contienen un grupo sulfoximina
LT2887943T (lt) 2012-08-23 2018-05-25 Virostatics Srl Nauji 4,6-di-pakeistieji aminopirimidino dariniai
CA2888381A1 (en) 2012-10-18 2014-04-24 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 4-(ortho)-fluorophenyl-5-fluoropyrimidin-2-yl amines containing a sulfone group
EP2909200B1 (en) 2012-10-18 2016-11-23 Bayer Pharma Aktiengesellschaft N-(pyridin-2-yl)pyrimidin-4-amine derivatives containing a sulfone group
CN104854091B (zh) 2012-10-18 2018-04-03 拜耳药业股份公司 含砜基团的5‑氟‑n‑(吡啶‑2‑基)吡啶‑2‑胺衍生物
CA2891358C (en) 2012-11-15 2021-05-18 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 5-fluoro-n-(pyridin-2-yl)pyridin-2-amine derivatives containing a sulfoximine group
US9499492B2 (en) 2012-11-15 2016-11-22 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 4-(ortho)-fluorophenyl-5-fluoropyrimidin-2-yl amines containing a sulfoximine group
TW201418243A (zh) 2012-11-15 2014-05-16 Bayer Pharma AG 含有磺醯亞胺基團之n-(吡啶-2-基)嘧啶-4-胺衍生物
US20150368209A1 (en) 2013-01-07 2015-12-24 École Polytechnique Fédérale De Lausanne (Epfl) 4-Pyrimidinylamino-benzenesulfonamide derivatives and their use for the inhibition of polo-like kinase 1 (PLK1) for the treatment of cancer and their use for the treatment of bacterial infections
CA2917096C (en) 2013-07-04 2021-05-18 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Sulfoximine substituted 5-fluoro-n-(pyridin-2-yl)pyridin-2-amine derivatives and their use as cdk9 kinase inhibitors
WO2015136028A1 (en) 2014-03-13 2015-09-17 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 5-fluoro-n-(pyridin-2-yl)pyridin-2-amine derivatives containing a sulfone group

Also Published As

Publication number Publication date
US9902716B2 (en) 2018-02-27
CA2964683A1 (en) 2016-04-21
EP3207037B1 (en) 2019-01-23
WO2016059011A1 (en) 2016-04-21
ES2720525T3 (es) 2019-07-22
CN107207475A (zh) 2017-09-26
EP3207037A1 (en) 2017-08-23
US20170226092A1 (en) 2017-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6371385B2 (ja) スルホキシイミン置換5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体およびそのcdk9キナーゼ阻害薬としての使用
JP5955948B2 (ja) スルホキシミン基を含有する4−アリール−n−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミン
JP6263193B2 (ja) スルホキシイミン基を含んでいる5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体
JP6277195B2 (ja) スルホン基を含んでいる5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体
JP6300818B2 (ja) スルホキシイミン基を含有する4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン
JP5982490B2 (ja) 二置換5−フルオロ−ピリミジン
JP2015536311A (ja) スルホン基を含有する4−(オルト)−フルオロフェニル−5−フルオロピリミジン−2−イルアミン
JP6263194B2 (ja) スルホキシイミン基を含んでいるn−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体
JP6605493B2 (ja) 新規大環状化合物
JP2017508757A (ja) スルホン基を含有する5−フルオロ−n−(ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン誘導体
JP6277196B2 (ja) スルホン基を含んでいるn−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体
JP6847099B2 (ja) 新規な大環状スルホンジイミン化合物
JP6503372B2 (ja) スルホンジイミン基を含むジ置換5−フルオロピリミジン誘導体
CA2964696C (en) Fluorinated benzofuranyl-pyrimidine derivatives containing a sulfoximine group
EP3207037B1 (en) Fluorinated benzofuranyl-pyrimidine derivatives containing a sulfone group

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181010

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20190417