JP2017198798A - 高精細パターン形成用板状感光性樹脂版、板状感光性樹脂版の製造方法および印刷用凸版の製造方法 - Google Patents

高精細パターン形成用板状感光性樹脂版、板状感光性樹脂版の製造方法および印刷用凸版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷不良を防ぎ、版由来の欠陥なく、高精細パターンを印刷できる印刷用凸版を提供する。【解決手段】本発明の板状感光性樹脂版は、基材1と、この基材1の一方の面に形成された接着層2と、この接着層2の上に形成され、当該接着層2を保護する耐溶剤層3と、この耐溶剤層3の上に形成され、所定パターンの凸部を有する感光性樹脂層4と、基材1裏面に設けられ、降下塵や傷から保護する保護層5とを具備しており、保護層5の厚みは5μm以上、20μm以下である。これにより、版裏面に付着した異物が印刷に与える影響無く、良好な印刷物が得られる。【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロニクス分野における高精細なパターンを凸版印刷法で形成するために用いられる印刷用凸版を作製する際に用いる板状感光性樹脂版およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)や有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFT)に代表されるエレクトロニクス部門ではこのような機能性材料の薄膜形成方法として、ドライ成膜の蒸着法に代表される真空装置を使わない製造方法の検討が盛んに行なわれている。
蒸着法のように真空装置を使用する製造方法では、基材サイズの大型化とともに、装置自体のサイズも大きくなり、また製造における装置部材各所に求められる精度や管理手段が追従しなくなるケースが考えられる。また、装置価格も高価になり、製造コストを逼迫することが考えられる。
そこで、最近では有機材料を溶媒に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法や印刷法にて薄膜を形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜を形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細のパターニングは、これらのウェットコーティング法では難しいと考えられている。よって、塗り分けパターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が有効である。
さらに、各種印刷法の中でも、基材としてガラス基材を用いる場合、グラビア印刷法のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が最適である。また、基材としてフレキシブルなものを用いた場合でも、これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(例えば、特許文献1参照)、凸版印刷による方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
凸部が樹脂材料からなる高精細な印刷版である印刷用凸版の製造には、樹脂材料として感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法(フォトリソ法)が用いられる。フォトリソ法により印刷用凸版を形成するには、基材上に各種印刷法やスピンコートなどの塗布により感光性樹脂層を形成した樹脂材(版材)を、遮光部と透光部からなるマスクを用いて露光し、次いで現像することにより、凸部が形成され、印刷用凸版となる。感光性樹脂層を形成する感光性樹脂にネガ型の感光性樹脂(光硬化性樹脂)を用いた場合、露光工程でフォトマスクの透光部を通過した光が照射された部分が硬化し、現像工程によって、光が照射されない部分が除去される。
エレクトロニクス分野で用いられる微細なパターニングに凸版印刷法を用いた場合、パターン自体の仕上がり精度が転写に大きく影響する。ここで言う精度とは、凸部の幅や高さの仕上がりのことをいう。また、これらを達成するために版を構成する材料で高価な感光性樹脂や高機能性樹脂を用いることにより、製造コストは上昇し、市場競争で後退してしまうこともあり、常に製造環境を検討しながら、省材料化の課題も同時に抱えている。
従来では印刷用凸版を作成する方法として全面に感光性樹脂が塗布されている板状感光性樹脂版を露光し、現像することによりパターン形成するフォトリソ法が用いられているが、製版工程での歩留まりは製品化する手前の部材作製のため、収率が高くなければ、生産性に優れているとは言えない。
また、この生産性の観点で、板状感光性樹脂版はロールツーロールで製造されることが多いが、この製造方法の場合、必ずしも大量で作製するようなロールツーロールである必要は無く、耐刷性が得られるのであれば、むしろ1枚あたりの版材は高品質な版材が求められ、大量に作製する必要もない。また高品質な印刷を実現するためには、従来の印刷版では懸念されない点にも十分配慮する必要がある。
しかし、高品質なものを求めるほど、感光性樹脂自体の価格も上昇するため、作製前、作製中、作製後においては、それぞれに厳密な管理が必要とされる。特に作製後に関しては、作製プロセスで要した時間やユーティリティの費用も材料コストに乗ることから、特に注意が必要である。
以上のことを鑑み、本発明では、印刷不良を防ぎ、高精細パターンを印刷できる印刷用凸版およびそれを用いた高精細なエレクトロニクス部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、高精細パターンを印刷する印刷用凸版の作製に用いる板状感光性樹脂板に関するものであって、基材の表面に、接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層がこの順で積層された積層構造を具備し、基材の裏面全体を覆う保護層が設けられており、この保護層の厚みは、5μm以上20μm以下を特徴とする板状感光性樹脂版としたものである。
また、保護層は、親水性ポリマーからなることが好ましい。
また、保護層に用いる親水性ポリマーは、ポリビニルアルコールであることが好ましい。
また、本発明は、高精細パターンを印刷する印刷用凸版の作製に用いる感光性樹脂板の製造方法に関するものであって、基材の表面に、接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層をこの順で積層し、基材の裏面全体を覆うように保護層を設けることを特徴とする。
また、本発明に係る印刷用凸版の製造方法は、上記の板状感光性樹脂版の感光性樹脂層をパターニングした後、保護層を除去することにより印刷用凸版を作製することを特徴とする。
また、本発明に係る電子デバイスの製造方法は、上記の製造方法により作製された印刷用凸版を用いて作製することを特徴とする。
本発明によれば、印刷不良を防ぎ、高精細パターンを印刷できる印刷用凸版およびそれを用いた高精細なエレクトロニクス部材の製造方法を提供することができる。
従来用いられている板状感光性樹脂版およびパターン作製後の印刷用凸版の構成を模式的に示す縦断側面図。 本発明の実施の形態に係る板状感光性樹脂版およびパターン作製後の印刷用凸版の構成を模式的に示す縦断側面図。 本発明の実施の形態に係る印刷物製造装置の構成を概略的に示す摸式図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明に係る板状感光性樹脂版および印刷用凸版を用いた印刷物は、ディスプレイの表示画面を構成するエレクトロニクス部材として好適に利用できる。エレクトロニクス部材としては、例えば、有機EL素子、薄膜トランジスタを例示することができる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、従来用いられている板状感光性樹脂版(図1(a))およびパターン作製後の印刷用凸版(図1(b))の構成を模式的に示す縦断側面図である。図1(a)に示すように、従来の板状感光性樹脂版は、基材1の一方の面に、接着層2、耐溶剤層3、所定パターンの凸部を有する感光性樹脂層4(パターニング前)が、この順で積層形成されている。また、図1(b)に示すように、印刷用凸版は、図1(a)に示す板状感光性樹脂板の感光性樹脂層4がパターニングされ、感光済樹脂凸部4’(パターニング後)が形成されている。
図2は、本発明の実施の形態に係る板状感光性樹脂版(図2(a))およびパターン作製後の印刷用凸版(図2(b))の構成を模式的に示す縦断側面図である。図2(a)に示す板状感光性樹脂版は、図1(a)に示す従来の板状感光性樹脂版と比べ、保護層5が基材1の接着層2が積層されている面とは反対側の面(以下、「裏面」ともいう)に積層形成されている。
基材1としては、金属や樹脂フィルムを用いることができる。金属を用いることにより、基材1全体が塗工液中の溶剤に対し膨潤することがないため、寸法安定性の良い版として好適に用いることができる。使用される金属としては、Fe、Ni、Cu、Znなどを挙げることができる。また、ステンレスといった金属の合金であってもよい。樹脂フィルムを用いる場合は、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムを挙げることができる。
接着層2は、耐溶剤層3と基材1との接着性を高めることを目的とした層であるため、耐水性で基材1として用いた物質との接着性が良い樹脂材であれば特に限定されないが、これらの条件を満たす樹脂としてエポキシ系、ポリエステルウレタン系の熱硬化性樹脂が好ましい。
耐溶剤層3は、接着層2を保護することを目的とした層であるため、耐溶剤性と接着性の両方を持ち合わせた樹脂材であれば特に限定されないが、例えば、これらの条件を満たす樹脂として、接着層2と同一の樹脂材に後述する感光性樹脂層4の主成分と同一のものを添加して用いることが好ましい。接着層2と同一の樹脂材に感光性樹脂層4の主成分と同一のものを添加した樹脂を用いることにより、耐溶剤性を持ちつつ感光性樹脂層4との界面の相溶性が向上して接着性を高めることができる。耐溶剤層3に用いる樹脂としては、インキに対する耐溶剤性があればよく、例えば、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロース誘導体などや、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂から一種類以上を選択することができる。
感光性樹脂層4に用いる樹脂としては、感光性樹脂を用いる場合の主成分となるポリマーとして、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などから一種類以上を選択することができるが、機能性材料などといった塗工液を塗布する場合、特に有機溶剤に対する耐溶剤性の観点から、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂が望ましい。
また、少なくとも、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミドやこれらの誘導体といった水溶性溶剤に可溶なものを一種類以上含有することにより水を用いた現像が可能となるため、これらの内から一つ以上を選択し用いることが最も望ましい。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が適している。
上記感光性樹脂には感光性樹脂の重合のために光重合開始剤が添加される。例としては、この用途に適するものであれば特に制限は無く、公知に報告されているものを用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX:日本化薬製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)又はビイミダゾール化合物などがあり、これらに限定されるものではない。また、これらの光重合開始剤は、必要に応じて適宜に複数のものを混合して使用しても良い。
なお、必要に応じ、この印刷用凸版を製造する場合には、感光性樹脂層に用いる樹脂として、硬化後の樹脂が異物による擦れや局所的な印圧の上昇に耐性のある、耐傷性の高い樹脂を用いることが好ましい。
この観点からから選ばれる樹脂としては熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ベークライト、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの硬度が高く、耐傷性のある樹脂が用いられ、さらにこれらは耐溶剤性にも優れているため、特に望ましい。
また、塗工液として有機溶剤を用いている場合には、水現像タイプの感光性樹脂が有機溶剤への耐性も高く好適である。水現像タイプの感光性樹脂としては、公知のもので構わないが、例えば、親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマと光重合開始材とを構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは親水性ポリマーとして、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体を用いることができる。
また、不飽和結合を含むモノマとしては、例えば、ビニル結合を有するメタクリレート類を用いることができる。また、光重合開始剤としては、例えば、芳香族カルボニル化合物を用いることができる。
また、感光性樹脂層4の厚みは、20μm以上、100μm以下であることが好ましい。感光性樹脂層4の厚みが20μm未満の場合、被印刷基材がガラスや金属といった硬度の高い素材のときに、被印刷基材や被印刷基材上にあるパターンが傷つくことがある。また、感光性樹脂層4の厚みが100μmを超える場合、基材1と感光性樹脂層4の界面近傍または感光性樹脂層4において力学的な変形や破壊が発生し、また溶剤による感光性樹脂層4の膨潤の度合いが大きくなってしまう。
保護層5は、剥離性に優れている素材であれば特に限定されないが、ポリビニルアルコールであることが望ましい。またポリビニルアルコール以外でもこれらの条件を満たす素材として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリプロピレン、二トロセルロース、フッ素ポリマーなどが挙げられるが保護層5を剥離する際に基材1の裏面にダメージを与えないためにも、フィルムタイプではなく、液状かつ塗工できる粘度であることが望ましい。
この保護層5は、感光性樹脂層4へのパターン形成前(感光済樹脂凸部4’形成前)までの間で発生し得る、付着した異物や外部からの衝撃による感光性樹脂層4へのダメージ保護を目的としている。そのため、裏面に付着した異物が印刷への影響を与えないために感光性樹脂版を使用する際は当該保護層5を除去して使用する。また、保護層5を除去した際に裏面に接着質の残渣を発生させないためにも、保護層5に使用する素材中には接着剤を使用していないことが望ましく、塗工可能であるものを選択することが望ましい。この観点からポリビニルアルコールであることが適している。それは、水溶性で取扱いも容易であり、かつ、汎用的で比較的安価であり、生産コスト面の点でも優れているからである。また、塗工が比較的容易という点でも優位性があると考えられる。上記したポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリプロピレン、二トロセルロース、フッ素ポリマーであると、この点で、酸やアルカリを必要とするため、ポリビニルアルコールよりは簡便性の点や管理の点で劣ることが考えられる。ポリビニルアルコールの塗工方式はスピンコート法、スプレー法、また直接塗工としてダイコート法といった塗工法を用いることが望ましい。
また、この保護層5は親水性ポリマーの場合、感光性樹脂に同特性(親水性)の材料を選択すれば、パターン形成時の現像工程に、裏面に純水を吹き付ける工程を導入することで、パターン形成と同時に保護層を除去することが可能である。
保護層5に用いるポリビニルアルコールとしては、けん化度の著しく低いものやけん化度の著しく高いものであると水溶性を有さないものを除き、一般的に水溶性なものを用いることができる。また保護層5の厚さは、5μm以上、20μm以下であることが好ましい。保護層5の厚さが5μm未満の場合は、保護層5としての役割上、外的障害物に対し保護性が劣ることがある。また、保護層5の厚さが20μmになると、保護層5による基材1の裏面付着の降下塵やハンドリングによる傷の保護の十分な能力を満たすようになるため、これ以上保護層5の厚みを厚くすることは必要ないと考えられる。また、保護層5は、図2(a)に示すように基材1の裏面全体を覆うように形成されることが望ましい。
本発明の実施の形態に係る印刷用凸版の製造方法としては、フォトマスクを用いて板状感光性樹脂版材の感光性樹脂層4をパターン露光し樹脂を硬化させ、未硬化部分の樹脂を洗い流し現像する。現像後に乾燥し、その後、露光を行い、所定パターンのレリーフを形成するフォトリソ法や、レーザーアブレーションや切削加工で形成するといった、公知の方法を用いることができるが、その方法の容易さから、感光性樹脂を用いたフォトリソ法を用いることが望ましい。
また、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版の製造方法では、現像工程後に保護層5を除去し、その後、露光工程を行う。
次に、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いた印刷物の製造方法について図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いた印刷物製造装置の構成を概略的に示す図である。例えば、図3に示すように、インキ補充装置46から印刷用凸版41へのインキング装置であるアニロックスロール43へ塗工液47の補充を行い、アニロックスロール43に補充された塗工液47のうち余剰なものはドクタ装置により除去する。
なお、インキ補充装置46には、滴下型の補充装置の他に、ファウンテンロールやスリットコータ、ダイコータ、キャップコータなどのコータやそれらを組み合わせたものなどを用いることもできる。ドクタ装置には、ドクターロールの他にドクターブレードを用いることもできる。
ドクタ装置により余剰な塗工液が除去された後、本発明に係る印刷用凸版41へのインキングを行う。円筒状のシリンダ42の側面部分に取付けられた状態の印刷用凸版41へインキングされた塗工液47は、被印刷基材45へ印刷される。なお、被印刷基材45の材質は問わないが、例えば、紙、プラスチックフィルム、ガラス、金属等を挙げることができる。被印刷基材45へ印刷された塗工液47を必要に応じて乾燥させることにより印刷物を形成する。
本発明に係る板状感光性樹脂版は、従来の印刷版では懸念されないハンドリングで発生する傷や版材に付着する降下塵から保護することができるため、特に微細なパターニングを必要とするエレクトロニクス分野で展開可能な凸部パターンを提供することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
[実施例1]
(機能性材料形成用塗工液(印刷用インキ)の調製)
機能性材料の印刷用インキとして、塗布法でも結晶性を有する有機半導体のビストリイソプロピルシリルエチニルペンタセンをテトラリンに1質量%で調整、溶解させたインキを作製した。
(印刷用凸版の作製)
大きさとして、縦500mm、横500mm、厚さ500μmのSUS304ステンレスシートを基材として用意し、基材の一方面上に、ポリビニルアルコールを用い、ダイコート法にて厚み20μmの膜を成膜した。基材のポリビニルアルコールを成膜していない面上にエポキシ系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、25μmの厚さの接着材層を形成し、その後、接着材層上にポリスチレン系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの耐溶剤層を形成した。次に、耐溶剤層上にスピンコート法を用いて50μmの厚さのポリアミド系樹脂からなる感光性樹脂層を形成し、板状感光性樹脂版を得た。パターニングは25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを印刷用凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて基材にあるアライメントマークを読み取り、上記で得た板状感光性樹脂版の感光性樹脂層に露光した。プロキシミティギャップは100μmで、露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である純水を噴射し現像後に凸部パターン形状を得た。現像後、熱風乾燥を行い、後露光した後、印刷用凸版を得た。またその際には基材裏面に純水を吹き付ける機構を備えた現像装置を用いており、凸部パターン形成時にポリビニルアルコール保護層を除去している。
<被転写基材への印刷>
上記で作製したインキと印刷用凸版を用い、凸版印刷を用いて被転写基材への印刷を実施したところ、面内均一で良好な印刷結果が得られた。また、半導体による電気特性も良好な結果が得られた。
[比較例1]
<保護層が無い場合>
(印刷用凸版の作製)
大きさとして、縦500mm、横500mm、厚さ500μmのSUS304ステンレスシートを基材として用意し、基材の一方面上にエポキシ系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、25μmの厚さの接着材層を形成し、その後、接着剤層上にポリスチレン系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの耐溶剤層を形成した。次に、耐溶剤層上にスピンコート法を用いて50μmの厚さのポリアミド系樹脂からなる感光性樹脂層を形成し、板状感光性樹脂版を得た。パターニングは25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを印刷用凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて基材にあるアライメントマークを読み取り、上記で得た板状感光性樹脂版の感光性樹脂層に露光した。プロキシミティギャップは100μmで、露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である純水を噴射し現像後に凸部パターン形状を得た。現像後、熱風乾燥を行い、後露光した後、印刷用凸版を得た。
[比較例2]
<保護層の厚みが4μmの場合>
(印刷用凸版の作製)
大きさとして、縦500mm、横500mm、厚さ500μmのSUS304ステンレスシートを基材として用意し、基材の一方面上に、ポリビニルアルコールを用い、ダイコート法にて厚み4μmの膜を成膜した。その後、基材のポリビニルアルコールを成膜していない面上にエポキシ系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、25μmの厚さの接着材層を形成し、その後、接着材層上にポリスチレン系樹脂の塗工液をスピンコート法で塗布し、乾燥させることにより、厚さ30μmの耐溶剤層を形成した。次に、耐溶剤層上にスピンコート法を用いて50μmの厚さのポリアミド系樹脂からなる感光性樹脂層を形成し、板状感光性樹脂版を得た。パターニングは25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを印刷用凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて基材にあるアライメントマークを読み取り、上記で得た板状感光性樹脂版の感光性樹脂層に露光した。プロキシミティギャップは100μmで、露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である純水を噴射し現像後に凸部パターン形状を得た。現像後、熱風乾燥を行い、後露光した後、印刷用凸版を得た。
<被転写基材への印刷>
上記で作製したインキと印刷用凸版を用い、実施例と同様に被転写基材への印刷を実施した。
<印刷用凸版および印刷物評価>
以下の表1に、実施例と比較例1および比較例2の印刷用凸版について、保護層有無、外観検査結果、および印刷テスト(印刷欠け、電気特性)結果を示す。印刷パターンに欠陥がある場合、電気的ショート(短絡)が発生し、電流が流れないという電気特性になる。
表1に示す結果より、実施例に係る印刷用凸版であれば、最適な印刷が可能で、保護層が有る版は保護層剥離後の外観検査結果、印刷テスト結果において良好な結果が得られた。逆に、比較例1の保護層が無い版では裏面に付着した異物による凸パターンの欠陥が確認され、印刷物での印刷欠けや発光ムラが顕著に確認された。これは基材裏面に付着した降下塵が版材と版胴に残ったまま巻きつけられたことで、裏面から突起がでて、局所的に印刷がされてないところが発生した。裏面に異物が付着したままパターンを形成したことで、パターン形状も直進性に欠け、ゆがんだ形状となっていた。また、比較例2の保護層が4μmの場合は降下塵が付着し、保護しきれず、剥離後に跡が残っていたために、比較例1よりは軽微であるが、わずかにムラが発生した。
本発明に係る板状感光性樹脂版およびこれを用いた印刷用凸版は、高精細で印刷欠けや印刷ムラをなくした均一性の高い印刷が可能となるため、有機EL発光素子や薄膜トランジスタなどのエレクトロニクス部材で高精細かつ高い均一性が要求されるものに有用である。
1 基材
2 接着層
3 耐溶剤層
4 感光性樹脂層
4’ 感光済樹脂凸部
5 保護層
41 印刷用凸版
42 版胴
43 アニロックスロール
44 定盤
45 基板
46 インキチャンバー
47 通液部

Claims (6)

  1. 高精細パターンを印刷する印刷用凸版の作製に用いる板状感光性樹脂版であって、
    基材の表面に、接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層がこの順で積層された積層構造を具備し、
    前記基材の裏面全体を覆う保護層が設けられ、
    前記保護層の厚みが5μm以上、20μm以下であることを特徴とする、板状感光性樹脂版。
  2. 前記保護層が親水性ポリマーからなることを特徴とする、請求項1記載の板状感光性樹脂版。
  3. 前記保護層に用いる親水性ポリマーがポリビニルアルコールであることを特徴とする、請求項1記載の板状感光性樹脂版。
  4. 高精細パターンを印刷する印刷用凸版の作製に用いる板状感光性樹脂版の製造方法であって、
    基材の表面に、接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層をこの順で積層し、前記基材の裏面全体を覆うように保護層を設け、
    前記保護層の膜厚は、5μm以上、20μm以下であることを特徴とする、板状感光性樹脂版の製造方法。
  5. 請求項1記載の板状感光性樹脂版の前記感光性樹脂層をパターニングした後、前記保護層を除去することにより印刷用凸版作製することを特徴とする、印刷用凸版の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法により作製された印刷用凸版を用いて作製することを特徴とする、電子デバイスの製造方法。
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