JP2017198404A - アキュムレータ及びそれを備えた車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒の突沸による異音の発生を抑制し、圧縮機の耐久性を向上させながら、乾燥剤による液冷媒の気化促進と水分除去を支障無く行うことができるアキュムレータを提供する。【解決手段】アキュムレータ12は、圧縮機に吸い込まれる冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離する。液冷媒を内部に貯留するタンク57と、タンク内にて開口するガス冷媒吸込口64を有し、このガス冷媒吸込口から流入したガス冷媒を圧縮機の冷媒吸込側に流出させる出口配管61と、タンク内に配置され、冷媒中の水分を除去する乾燥剤63を備える。乾燥剤の上部は、出口配管のガス冷媒吸込口より上方に位置しており、下部はタンク内の液冷媒の最低液面位置Lminよりも下方に位置している。【選択図】図5

Description

本発明は、冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するために用いられるアキュムレータ、及び、それを備えて車両の車室内を空調する車両用空気調和装置に関するものである。
従来より例えば車両の車室内を空調する車両用空気調和装置等の冷媒回路には、圧縮機の冷媒吸込側にアキュムレータが接続されている。このアキュムレータは、流入した気液混合状態の冷媒を、液冷媒(液相冷媒)とガス冷媒(気相冷媒)とに分離し、液冷媒をタンク内に貯留すると共に、ガス冷媒を圧縮機に吸い込ませるものであるが、冷媒中の水分を除去するための乾燥剤が設けられたものもある(例えば、特許文献1参照)。
この乾燥剤は、例えばゼオライト等の粒子を袋等の中に封入して構成されており、冷媒中の水分除去の役割を奏するものであるが、更に、粒子間で冷媒の気化を促す機能も奏する。そして、この冷媒の気化は、液冷媒とガス冷媒との境界面(液冷媒の液面)を起点として徐々に進行するものであったが、乾燥剤の全部が液冷媒中に浸かってしまうと、タンク内の圧力が低下したとき(圧縮機の起動時等)に、乾燥剤を起点として急激な冷媒の気化(突沸)が発生し、多くの液冷媒がアキュムレータから流出して圧縮機に吸い込まれ、液圧縮が発生して耐久性が低下する。また、突沸によりアキュムレータから異音(騒音)が発生する問題もあった。
そこで、特許文献1では乾燥剤の一部を液冷媒の最高液面位置よりも上方に配置することで、乾燥剤の全部が液冷媒に浸かる問題を回避していた。
特開2014−52139号公報
しかしながら、サービス等で冷媒を封入したときには、液冷媒が最高液面位置を超えてしまう場合もあり、係る場合には、特許文献1の構造でも乾燥剤の全てが液冷媒に浸かってしまう問題があった。
また、特に車室内を冷房する運転モードではアキュムレータに貯留される液冷媒の量も少なくなるので、特許文献1の構造では乾燥剤の全てが液冷媒よりも上方に出てしまう可能性が高い。そのため、冷媒の気化促進も期待できなくなると共に、特許文献1の構造では液冷媒の落下経路を避けた位置に乾燥剤が配置されている関係上、水分除去機能も果たせなくなる問題もあった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷媒の突沸による異音の発生を抑制し、圧縮機の耐久性を向上させながら、乾燥剤による液冷媒の気化促進と水分除去を支障無く行うことができるアキュムレータ、及び、それを備えた車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明のアキュムレータは、圧縮機に吸い込まれる冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離するためのものであって、液冷媒を内部に貯留するタンクと、このタンク内にて開口するガス冷媒吸込口を有し、このガス冷媒吸込口から流入したガス冷媒を圧縮機の冷媒吸込側に流出させる出口配管と、タンク内に配置され、冷媒中の水分を除去する乾燥剤とを備え、この乾燥剤の上部は、出口配管のガス冷媒吸込口より上方に位置しており、乾燥剤の下部は、タンク内の液冷媒の最低液面位置よりも下方に位置していることを特徴とする。
請求項2の発明のアキュムレータは、上記発明において乾燥剤は、出口配管に保持されていることを特徴とする。
請求項3の発明のアキュムレータは、上記各発明においてタンク内にて開口し、冷媒を当該タンク内に流入させる入口配管を備え、乾燥剤は、入口配管からタンク内に流入した液冷媒の落下経路を避けた位置に配置されていることを特徴とする。
請求項4の発明のアキュムレータは、上記発明においてタンク内において入口配管の開口の下側に配置され、少なくとも一部がタンクの側壁から離間して設けられた邪魔板を備え、入口配管からタンク内に流入した液冷媒は、邪魔板とタンクの側壁との間から落下すると共に、乾燥剤は、邪魔板とタンクの底壁との間に挟まれたかたちで配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、この空気流通路から車室内に供給する空気と冷媒を熱交換させる室内熱交換器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、圧縮機の冷媒吸込側に接続された上記各発明のアキュムレータを備え、車室内を空調することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機に吸い込まれる冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離するためのアキュムレータにおいて、液冷媒を内部に貯留するタンクと、このタンク内にて開口するガス冷媒吸込口を有し、このガス冷媒吸込口から流入したガス冷媒を圧縮機の冷媒吸込側に流出させる出口配管と、タンク内に配置され、冷媒中の水分を除去する乾燥剤とを備えており、この乾燥剤の上部を、出口配管のガス冷媒吸込口より上方に配置したので、サービス等でタンク内の冷媒の液面が最高液面位置より高くなった場合にも、少なくとも乾燥剤の上部は液冷媒とガス冷媒との境界面(液冷媒の液面)よりも上に位置するようになる。
これにより、境界面における液冷媒の気化を促進する機能を確保することができるようになる。また、乾燥剤の全てが液冷媒に浸かることも回避されるので、突沸も解消若しくは抑制することができるようになり、圧縮機での液圧縮やアキュムレータ内での異音の発生を効果的に解消若しくは抑制することが可能となる。それにより、請求項5の発明の如き車両用空気調和装置の信頼性を向上させ、搭乗者の快適性も効果的に改善することができるようになる。
また、乾燥剤の下部を、タンク内の液冷媒の最低液面位置よりも下方に配置したので、タンク内の冷媒量が減少した場合にも、乾燥剤による境界面における液冷媒の気化促進機能も確保されると共に、冷媒からの水分除去も支障無く行うことができるようになる。
この場合、出口配管は通常タンク内において上下方向に配置されることになるので、請求項2の発明の如く乾燥剤を出口配管に保持させることで、請求項1の発明の如き乾燥剤の配置を極めて簡単に実現することができるようになる。
また、請求項3の発明によれば、上記各発明に加えてタンク内にて開口し、冷媒を当該タンク内に流入させる入口配管を備え、乾燥剤が、入口配管からタンク内に流入した液冷媒の落下経路を避けた位置に配置されているので、落下する液冷媒の乾燥剤への衝突を防止することができるようになる。これにより、ガス冷媒吸込口からの液冷媒の吸い込みを防止して、圧縮機の液圧縮の発生をより一層効果的に防止することができるようになる。
また、請求項4の発明によれば、上記発明に加えてタンク内において入口配管の開口の下側に配置され、少なくとも一部がタンクの側壁から離間して設けられた邪魔板を備え、入口配管からタンク内に流入した液冷媒が、邪魔板とタンクの側壁との間から落下すると共に、乾燥剤が、邪魔板とタンクの底壁との間に挟まれたかたちで配置されているので、落下する液冷媒の乾燥剤への衝突を回避しながら、請求項1や請求項2の発明の如きタンク内における乾燥剤の配置や保持構造を、安定的に維持することができるようになるものである。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である(暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード及び冷房モード)。 図1の車両用空気調和装置のコントローラの電気回路のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置のMAX冷房モード(最大冷房モード)のときの構成図である。 本発明を適用した一実施形態のアキュムレータの概略断面図である。 図4のアキュムレータのもう一つの概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明を適用した一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房モードを行い、更に、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モード(最大冷房モード)の各運転モードを選択的に実行するものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を車室内に放熱させる室内熱交換器としての放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6と、車室外に設けられて冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させる室内熱交換器としての吸熱器9と、本発明のアキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。
そして、この冷媒回路Rには所定量の冷媒と潤滑用のオイルが充填されている。尚、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードで開放される冷房用の電磁弁17を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは室内膨張弁8を介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。
また、過冷却部16と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房モードで開放される暖房用の電磁弁21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12の入口配管となって当該アキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の入口側に接続されている。
また、圧縮機2の吐出側と放熱器4の入口側の間の冷媒配管13Gには、暖房モード、除湿冷房モード、及び、冷房モードで開放され、除湿暖房モードとMAX冷房モードで閉じられるリヒート用の電磁弁30が介設されている。この場合、冷媒配管13Gは電磁弁30の上流側でバイパス配管35に分岐しており、このバイパス配管35は、除湿暖房モード及びMAX冷房モードで開放され、暖房モード、除湿冷房モード、及び、冷房モードで閉じられるバイパス用の電磁弁40を介して室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに連通接続されている。これらバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45が構成される。
このようなバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45を構成したことで、後述する如く圧縮機2から吐出された冷媒を室外熱交換器7に直接流入させる除湿暖房モードやMAX冷房モードと、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4に流入させる暖房モード、除湿冷房モード、冷房モードとの切り換えを円滑に行うことができるようになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱装置としての補助ヒータである。実施例の補助ヒータ23は電気ヒータであるPTCヒータにて構成されており、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の空気上流側となる空気流通路3内に設けられている。そして、補助ヒータ23に通電されて発熱すると、吸熱器9を経て放熱器4に流入する空気流通路3内の空気が加熱される。即ち、この補助ヒータ23が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を行い、或いは、それを補完する。
また、補助ヒータ23の空気上流側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。更に、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、FOOT(フット)、VENT(ベント)、DEF(デフ)の各吹出口(図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。
次に、図2において32はプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された制御装置としてのコントローラ(ECU)であり、このコントローラ32の入力には車両の外気温度(Tam)を検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる空気の温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力(吐出圧力Pd)を検出する吐出圧力センサ42と、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、アキュムレータ12から出て圧縮機2に吸い込まれる冷媒の温度である吸込冷媒温度(Ts)を検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の温度(放熱器4を経た空気の温度、又は、放熱器4自体の温度:放熱器温度TH)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器4内、又は、放熱器4を出た直後の冷媒の圧力:放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の温度(吸熱器9を経た空気の温度、又は、吸熱器9自体の温度:吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力(吸熱器9内、又は、吸熱器9を出た直後の冷媒の圧力)を検出する吸熱器圧力センサ49と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53と、室外熱交換器7の温度(室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度(後述する暖房モードのときにアキュムレータ12に流入する冷媒の温度:室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の冷媒圧力(室外熱交換器7内、又は、室外熱交換器7から出た直後の冷媒の圧力:室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。また、コントローラ32の入力には更に、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ23で加熱された直後の空気の温度、又は、補助ヒータ23自体の温度:補助ヒータ温度Tptc)を検出する補助ヒータ温度センサ50の出力も接続されている。
一方、コントローラ32の出力には、前記圧縮機2と、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吹出口切換ダンパ31と、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、補助ヒータ23、電磁弁30(リヒート用)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁40(バイパス用)の各電磁弁が接続されている。そして、コントローラ32は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定に基づいてこれらを制御する。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。コントローラ32は実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れと制御の概略について説明する。
(1)暖房モード
コントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(リヒート用)を開放し、電磁弁40(バイパス用)を閉じる。
そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A、電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
放熱器4(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。この場合、コントローラ32は、後述する目標吹出温度TAOから算出される目標放熱器温度TCO(放熱器温度THの目標値)から目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)を算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。また、コントローラ32は、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度(放熱器温度TH)及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SC(放熱器温度THと放熱器圧力PCIから算出される)をその目標値である所定の目標過冷却度TGSCに制御する。前記目標放熱器温度TCOは基本的にはTCO=TAOとされるが、制御上の所定の制限が設けられる。
また、コントローラ32はこの暖房モードにおいては、車室内空調に要求される暖房能力に対して放熱器4による暖房能力が不足する場合、その不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完するように補助ヒータ23の通電を制御する。それにより、快適な車室内暖房を実現し、且つ、室外熱交換器7の着霜も抑制する。このとき、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、空気流通路3を流通する空気は放熱器4の前に補助ヒータ23に通風されることになる。
ここで、補助ヒータ23が放熱器4の空気下流側に配置されていると、実施例の如くPTCヒータで補助ヒータ23を構成した場合には、補助ヒータ23に流入する空気の温度が放熱器4によって上昇するため、PTCヒータの抵抗値が大きくなり、電流値も低くなって発熱量が低下してしまうが、放熱器4の空気上流側に補助ヒータ23を配置することで、実施例の如くPTCヒータから構成される補助ヒータ23の能力を十分に発揮させることができるようになる。
(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却され、且つ、当該空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は冷却され、且つ、除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離されて圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
このとき、室外膨張弁6の弁開度は全閉とされているので、圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。更に、この除湿暖房モードにおいてコントローラ32は、補助ヒータ23に通電して発熱させる。これにより、吸熱器9にて冷却され、且つ、除湿された空気は補助ヒータ23を通過する過程で更に加熱され、温度が上昇するので車室内の除湿暖房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標放熱器温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御することで、吸熱器9での空気の冷却と除湿を適切に行いながら、補助ヒータ23による加熱で吹出口29から車室内に吹き出される空気温度の低下を的確に防止する。
これにより、車室内に吹き出される空気を除湿しながら、その温度を適切な暖房温度に制御することが可能となり、車室内の快適且つ効率的な除湿暖房を実現することができるようになる。また、前述した如く除湿暖房モードではエアミックスダンパ28は空気流通路3内の全ての空気を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とされるので、吸熱器9を経た空気を効率良く補助ヒータ23で加熱して省エネ性を向上させ、且つ、除湿暖房空調の制御性も向上させることができるようになる。
尚、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、補助ヒータ23で加熱された空気は放熱器4を通過することになるが、この除湿暖房モードでは放熱器4に冷媒は流されないので、補助ヒータ23にて加熱された空気から放熱器4が吸熱してしまう不都合も解消される。即ち、放熱器4によって車室内に吹き出される空気の温度が低下してしまうことが抑制され、COPも向上することになる。
(3)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離されて圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。この除湿冷房モードではコントローラ32は補助ヒータ23に通電しないので、吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(リヒート。暖房時よりも放熱能力は低い)される。これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を制御する。
(4)冷房モード
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。尚、コントローラ32はエアミックスダンパ28を制御し、図1に実線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気が、補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入すると共に、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。このとき室外膨張弁6は全開とされているので冷媒はそれを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着する。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離された後、圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気が吹出口29から車室内に吹き出されるので(一部は放熱器4を通過して熱交換する)、これにより車室内の冷房が行われることになる。また、この冷房モードにおいては、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(5)MAX冷房モード(最大冷房モード)
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図3に示す如く補助ヒータ23及び放熱器4に空気流通路3内の空気が通風されない状態とする。但し、多少通風されても支障はない。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、同様に圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。
ここで、前述した冷房モードでは放熱器4に高温の冷媒が流れているため、放熱器4からHVACユニット10への直接の熱伝導が少なからず生じるが、このMAX冷房モードでは放熱器4に冷媒が流れないため、放熱器4からHVACユニット10に伝達される熱で吸熱器9からの空気流通路3内の空気が加熱されることも無くなる。そのため、車室内の強力な冷房が行われ、特に外気温度Tamが高いような環境下では、迅速に車室内を冷房して快適な車室内空調を実現することができるようになる。また、このMAX冷房モードにおいても、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(6)各運転モードの切換
空気流通路3内を流通される空気は上記各運転モードにおいて吸熱器9からの冷却や放熱器4(及び補助ヒータ23)からの加熱作用(エアミックスダンパ28で調整)を受けて吹出口29から車室内に吹き出される。コントローラ32は外気温度センサ33が検出する外気温度Tam、内気温度センサ37が検出する車室内の温度、前記ブロワ電圧、日射センサ51が検出する日射量等と、空調操作部53にて設定された車室内の目標車室内温度(設定温度)とに基づいて目標吹出温度TAOを算出し、各運転モードを切り換えて吹出口29から吹き出される空気の温度をこの目標吹出温度TAOに制御する。
この場合、コントローラ32は、外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、放熱器温度TH、目標放熱器温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータに基づいて各運転モードの切り換えを行うことで、環境条件や除湿の要否に応じて的確に暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード及びMAX冷房モードを切り換え、快適且つ効率的な車室内空調を実現する。
(7)アキュムレータ12の構造
次に、図4及び図5を参照しながら、前述した本発明のアキュムレータ12の構造について説明する。各図はアキュムレータ12の概略断面図を示している。アキュムレータ12は冷媒配管13C(本発明の入口配管)を経て流入する気液混合冷媒を、液冷媒(液相冷媒)とガス冷媒(気相冷媒)とを分離するための所謂気液分離器である。このアキュムレータ12は、上下方向に所定寸法を有し、内部に所定容量を有するタンク57と、このタンク57内の上部に配置され、タンク57の上壁及び側壁から離間して設けられた邪魔板58と、タンク57の上壁から内部に進入し、邪魔板58を貫通して一旦タンク57内の底部まで降下した後に上昇し、上昇した先端が邪魔板58の下側で間隔を存して開口する出口配管61と、タンク57内に設けられた乾燥剤63とから構成されており、この出口配管61の先端をガス冷媒吸込口64としている。
この出口配管61の先端のガス冷媒吸込口64は、冷媒回路Rの設計上の最高液面位置Lmaxよりも高い位置にて上向きに開口している。前述した暖房モードでは、アキュムレータ12に流入する冷媒量も多くなる。最高液面位置Lmaxは、この暖房モードのときに最高となる液冷媒の液面であり、出口配管61のガス冷媒吸込口64はこの最高液面位置Lmaxよりも高い位置にて開口する。また、車両用空気調和装置1のサービス時等に、冷媒回路R内に冷媒が多く充填されると、図4に示す如くアキュムレータ12内の液冷媒の液面が最高液面位置Lmaxを超える場合がある。そこで、出口配管61のガス冷媒吸込口64は、このサービス時における液面の位置か、それ以上の位置に開口するように設定することで、設計上、ガス冷媒吸込口64にはアキュムレータ12内のガス冷媒のみが流入できるように構成されている。
一方、出口配管61の最下部はタンク57の底壁57Aの直上に少許間隔を存して位置しており、この最下部には小孔から成るオイル戻し孔62が形成されている。このオイル戻し孔62は、冷媒回路Rの設計上の最低液面位置Lminか、それより低い位置にて開口している。前述した冷房モードでは、アキュムレータ12に流入する冷媒に過熱度が付くため、図5に示す如くアキュムレータ12内に貯留される液冷媒の量も減少する。この液冷媒にはオイル(圧縮機2の潤滑用)も溶け込んでおり、オイル戻し孔62が液冷媒の液面よりも高くなってしまうと、圧縮機2にオイルを戻せなくなるため、最低液面位置Lminはこの冷房モードのときに最低となる液冷媒の液面とされ、出口配管61のオイル戻し孔62がこの最低液面位置Lmin以下の位置にて開口することで、アキュムレータ12内の液冷媒と共に貯留されるオイルを確実に圧縮機2に戻せるように構成されている。
この出口配管61の上端はタンク57の上壁から出て圧縮機2の吸込側に接続されている。そして、入口配管としての冷媒配管13Cがタンク57の上壁から内部に進入して開口している。邪魔板58はタンク57内において冷媒配管13Cの開口の下側に配置され、少なくとも一部がタンク57の側壁から離間している。尚、この邪魔板58は一部がタンク57の側壁に固定されるか、出口配管61に固定されることで保持されている。
また、乾燥剤63はゼオライト等の多数の乾燥剤粒子66を例えば布製の袋67内に収容したものである。この乾燥剤63は、邪魔板58を貫通した後、タンク57内の底部まで降下する出口配管61の上下方向に延在する部分に沿って配置され、当該出口配管61に結束バンド68にて保持されている。更に、乾燥剤63の上端は邪魔板58の下面に当接しており、乾燥剤63の下端はタンク57の底壁57Aの上面に当接している。即ち、乾燥剤63はタンク57内において、邪魔板58とタンク57の底壁57Aとの間に挟まれたかたちで上下方向に配置されている。
このような配置により、乾燥剤63の上部は出口配管61のガス冷媒吸込口64よりも上方に位置し、乾燥剤63の下部はタンク57内の前述した最低液面位置Lminよりも下方に位置することになる。
室外熱交換器7で蒸発したガス冷媒及び未蒸発の液冷媒は、前述した如く冷媒配管13A、電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13C(入口配管)から図4、図5に矢印で示す如くアキュムレータ12のタンク57内に流入する。タンク57内に流入した気液混合状態の冷媒中の液冷媒は、先ず邪魔板58に衝突して外側に広がり、矢印で示す如く邪魔板58の外縁とタンク57の側壁との間を通ってタンク57内の下部に落下する。
このとき、乾燥剤63の上端は邪魔板58の下面に当接しているので、乾燥剤63の位置は、邪魔板58の外縁から落下する液冷媒の落下経路を避けた位置となる。この邪魔板63から落下した液冷媒はタンク57内の下部に貯留され、流入したガス冷媒、及び、アキュムレータ12内で液冷媒が蒸発したガス冷媒は、矢印で示す如く出口配管61の先端と邪魔板58の間を経て出口配管61のガス冷媒吸込口64に流入する。
このガス冷媒吸込口64から出口配管61内に流入したガス冷媒は、出口配管61内を一旦流下した後、再び上昇してアキュムレータ12から出て行く。また、タンク57内には前述した如く冷媒と共に冷媒回路R内を循環するオイルも貯留される。このオイル及び液冷媒の一部は、出口配管61の最下部に形成されたオイル戻し孔62から出口配管61内に入って上昇し、アキュムレータ12から出て行く。
そして、アキュムレータ12から出た冷媒及びオイルのうちの液冷媒は、圧縮機2に至る過程で外部から吸熱し、蒸発するので、圧縮機2にはガス冷媒とオイルのみが吸い込まれるかたちとなる。
そして、乾燥剤63を構成する乾燥剤粒子66は、アキュムレータ12内に流入した冷媒中の水分を吸収して除去するものであるが、この乾燥剤粒子66間で液冷媒の気化を促進する機能も奏する。この液冷媒の気化は、液冷媒とガス冷媒との境界面(液面)を起点として徐々に進行するものであるが、乾燥剤63の上部は前述した如く出口配管61のガス冷媒吸込口64よりも上方に位置しており、下部は最低液面位置Lminよりも下方に位置しているので、図4に示す如くサービス時等に液冷媒の液面が最高液面位置Lmaxよりも高くなり、ガス冷媒吸込口64の位置に近づいても、乾燥剤63の上部は必ず液面よりも上方に位置すると共に、図5の如く液冷媒の液面が最低液面位置Lminまで低下しても、乾燥剤63の下部は必ず液面よりも下方に位置することになる。これにより、境界面における液冷媒の気化促進機能と、液冷媒中の水分除去機能が支障無く担保される。
以上詳述した如く、本発明によればアキュムレータ12のタンク57内に設けた乾燥剤63の上部を、出口配管61のガス冷媒吸込口64より上方に配置したので、サービス等でタンク57内の冷媒の液面が最高液面位置Lmaxより高くなった場合にも、少なくとも乾燥剤63の上部は液冷媒とガス冷媒との境界面(液冷媒の液面)よりも上に位置するようになる。
これにより、乾燥剤63による境界面における液冷媒の気化促進機能を確保することができるようになる。また、乾燥剤63の全てが液冷媒に浸かることも回避されるので、突沸も解消若しくは抑制することができるようになり、圧縮機2での液圧縮やアキュムレータ12内での異音の発生を効果的に解消若しくは抑制することが可能となる。それにより、車両用空気調和装置1の信頼性を向上させ、搭乗者の快適性も効果的に改善することができるようになる。
また、乾燥剤63の下部を、タンク57内の液冷媒の最低液面位置Lminよりも下方に配置したので、冷房モードの場合等にタンク57内の冷媒量が減少した場合にも、乾燥剤63による境界面における液冷媒の気化促進機能も確保されると共に、冷媒からの水分除去も支障無く行うことができるようになる。
また、乾燥剤63を、タンク57内において上下方向に配置された出口配管61に保持させているので、上記の如き乾燥剤63の配置を極めて簡単に実現することができるようになる。更に、乾燥剤63を、冷媒配管13C(入口配管)からタンク57内に流入した液冷媒の落下経路を避けた位置に配置しているので、落下する液冷媒が乾燥剤63に衝突することを防止することができるようになる。これにより、出口配管61のガス冷媒吸込口64から液冷媒が吸い込まれることを防止して、圧縮機2の液圧縮の発生をより一層効果的に防止することができるようになる。
また、実施例ではタンク57内において冷媒配管13C(入口配管)の開口の下側に配置されて少なくとも一部がタンク57の側壁から離間して設けられた邪魔板58が設けられ、冷媒配管13C(入口配管)からタンク57内に流入した液冷媒が、邪魔板58とタンク57の側壁との間から落下するようにしている。そして、乾燥剤63を、邪魔板58とタンク57の底壁57Aとの間に挟まれたかたちで配置しているので、落下する液冷媒の乾燥剤63への衝突を回避しながら、前述した如きタンク57内における乾燥剤63の配置や保持構造を、安定的に維持することができるようになる。
尚、実施例では車室内を空調する車両用空気調和装置1の冷媒回路Rに本発明のアキュムレータ12を用いたが、請求項5以外の発明ではそれに限らず、圧縮機の吸込側にアキュムレータを設ける冷媒回路を備えた種々の冷凍装置に本発明は有効である。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器(室内熱交換器)
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器(室内熱交換器)
12 アキュムレータ
13C 冷媒配管(入口配管)
57 タンク
58 邪魔板
61 出口配管
62 オイル戻し孔
63 乾燥剤
64 ガス冷媒吸込口
66 乾燥剤粒子
68 結束バンド
R 冷媒回路

Claims (5)

  1. 圧縮機に吸い込まれる冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離するためのアキュムレータにおいて、
    液冷媒を内部に貯留するタンクと、
    該タンク内にて開口するガス冷媒吸込口を有し、該ガス冷媒吸込口から流入したガス冷媒を前記圧縮機の冷媒吸込側に流出させる出口配管と、
    前記タンク内に配置され、冷媒中の水分を除去する乾燥剤とを備え、
    該乾燥剤の上部は、前記出口配管のガス冷媒吸込口より上方に位置しており、前記乾燥剤の下部は、前記タンク内の液冷媒の最低液面位置よりも下方に位置していることを特徴とするアキュムレータ。
  2. 前記乾燥剤は、前記出口配管に保持されていることを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
  3. 前記タンク内にて開口し、冷媒を当該タンク内に流入させる入口配管を備え、
    前記乾燥剤は、前記入口配管から前記タンク内に流入した液冷媒の落下経路を避けた位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアキュムレータ。
  4. 前記タンク内において前記入口配管の開口の下側に配置され、少なくとも一部が前記タンクの側壁から離間して設けられた邪魔板を備え、
    前記入口配管から前記タンク内に流入した液冷媒は、前記邪魔板と前記タンクの側壁との間から落下すると共に、
    前記乾燥剤は、前記邪魔板と前記タンクの底壁との間に挟まれたかたちで配置されていることを特徴とする請求項3に記載のアキュムレータ。
  5. 冷媒を圧縮する前記圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    該空気流通路から前記車室内に供給する空気と冷媒を熱交換させる室内熱交換器と、
    前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記圧縮機の冷媒吸込側に接続された請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のアキュムレータを備え、前記車室内を空調することを特徴とする車両用空気調和装置。
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