JP2017197936A

JP2017197936A - 壁パネルの製造方法

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Publication number: JP2017197936A
Application number: JP2016088158A
Authority: JP
Inventors: 長瀬　秀明; Hideaki Nagase; 秀明長瀬; 伸明松居; Nobuaki Matsui; 洋明後藤; Hiroaki Goto
Original assignee: Noritz Corp; RB Corp
Current assignee: Noritz Corp; RB Corp
Priority date: 2016-04-26
Filing date: 2016-04-26
Publication date: 2017-11-02
Anticipated expiration: 2036-04-26
Also published as: JP6892224B2

Abstract

【課題】基材の端部を裏面側に折り曲げ、裏面に補強材（石膏ボード）を積層して形成される壁パネルの表面に、平滑度が高い状態でインクジェット印刷を可能とし、印刷精度が良く安定した仕上がり状態で絵柄層を得ることができる壁パネル製造方法を提供する。【解決手段】基材表面１５に絵柄層７を印刷するインクジェット印刷工程後に、基材２の端部を裏面側に折り曲げて折曲部１０を形成する折り曲げ工程と、基材の裏面１１に折曲部１０と略同高さの補強材３を貼付する補強材貼付工程と、補強材貼付工程後に絵柄層７の上にクリア層８を塗布するクリア塗布工程を順次行って、基材表面１５に絵柄層７が設けられ、裏面側に折曲部１０を有するとともに補強材３が貼付された壁パネルを製造する。【選択図】図３

Description

本発明は、壁パネルの製造方法に関し、インクジェットで印刷して成る、例えば、浴室の壁パネルの製造方法に関するものである。

浴室等の壁パネルについては、色柄の種類が多いために、短いリードタイムで出荷するには多くの在庫を準備する必要がある。この色柄の絵付けを出荷直前にすることによって、在庫が不要又は少なくすることができ、柄のバリエーションを増やすことが可能となる。このように、出荷直前に絵付けする手段として、インクジェット印刷が有効である。

従来、壁パネルの装飾として表面にインクジェット印刷をすることは周知である（特許文献１〜４参照）。

特許文献１は、金属基板上にインクジェット受理層を設け、インクジェット印刷によりインクジェット受理層に着色模様を形成するとともに、透明樹脂を噴射し保護膜層を設け、その後所定のパネル形状に折り曲げ加工する金属装飾パネルの製造方法が記載されている。

特許文献２には、基板上にインクジェット印刷を行い、その後基板を折り曲げ、フランジを形成するパネルが記載されている。特許文献３には、インクジェット印刷を行い、クリアを塗布した後に、基材を折り曲げて形成される化粧板が記載されている。特許文献４には、基材を折り曲げてからインクジェット印刷を施し絵柄を付す加飾パネルが記載されている。

本出願人は、基材の外周を折り曲げて折曲部を形成し、基材の裏面に補強材（石膏ボード）を接着剤で貼り付けて積層して壁パネル本体を形成し、壁パネル本体の基材の表面にインクジェット印刷を行い、柄層を設ける技術を、提案している（特願２０１５−１０６００９）。

特開平１０−２９６９０６号公報特開２００７−１９７９３１号公報特許第５２７４７５２号公報特開２００７−２４５４６７号公報

本発明は、単に、基材にインクジェット印刷及び折り曲げ加工が施されて形成される金属装飾パネルの製造方法ではなく、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成し、基材の裏面に補強材（石膏ボード）を積層して形成される壁パネルの製造方法であって、その表面に絵柄層、クリア層が設けられた壁パネルについて、印刷精度が良く安定した仕上がり状態の絵柄層とクリア層を備えた壁パネルを得ることを目的とする発明である。

インクジェット印刷では、基材表面とインクジェットヘッドとの間のクリアランスが小さすぎると、インクジェットヘッドが基材表面にぶつかり、大きいとインクジェットの着弾精度が悪くなる。従って、基材表面とインクジェットヘッドとの間のクリアランスを一定に保つ必要がある。

しかしながら、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成し、基材の裏面に補強材を積層して壁パネル本体を形成し、壁パネル本体の基材の表面にインクジェット印刷を行い、柄層を設ける技術によると、基材の厚み公差と補強材の厚み公差などが積み重なり、基材表面とインクジェットヘッドとの間のクリアランスを一定に保つことが容易ではない。また、クリア層形成後に基材を折り曲げると、絵柄層よりも一般的に膜厚が厚いクリア層には割れ等が発生する虞がある。

本発明は、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成し、基材の裏面に補強材（石膏ボード）を積層して形成される壁パネルであって、基材表面にインクジェット印刷により柄層が設けられた壁パネルについて、安定した仕上がり状態の壁パネルの製造方法を実現することを課題とする。

本発明は上記課題を解決するために、基材表面に絵柄層が設けられ、基材の端部が折り曲げられて形成される壁パネルの製造方法において、基材に絵柄層を印刷するインクジェット印刷工程後に、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成する折り曲げ工程と、基材裏面に折曲部と略同高さの補強材を貼付する補強材貼付工程が設けられており、補強材貼付工程後に絵柄層の上にクリア層を塗布するクリア塗布工程が設けられていることを特徴とする壁パネルの製造方法を提供する。

インクジェット印刷工程、折り曲げ工程、補強材貼付工程、クリア塗布工程が連続してインラインで行われることが好ましい。

基材の端部に設けられた折曲部を除く基材裏面の略全面に補強材が速乾性の接着剤を用いて貼付されていることをが好ましい。

本発明に係る壁パネルの製造方法によれば、本発明は、基材の表面が最も平滑度が高い状態でインクジェット印刷を行い絵柄層を形成した後で、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成し、基材の裏面に補強材（石膏ボード）を積層して壁パネルを製造する方法であるので、精度が良い絵柄層およびクリア層を形成でき、安定した仕上がり状態の壁パネルを得ることができる。

本発明に係る壁パネルの製造方法の実施例を説明する図であり、（ａ）、（ｂ）は平板状の基材の斜視図と一部断面図であり、（ｃ）、（ｄ）は平板状の基材の表面にインクジェット印刷によって絵柄層を印刷した状態を示す斜視図と一部断面図である。上記実施例の壁パネルの製造方法を説明する図であり、（ａ）は基材の端部を折り曲げ加工した状態を示し、（ｂ）は基材に補強材を合わせて接着する前の状態を示す斜視図である。（ａ）は絵柄層の印刷された基材と補強材を接着してなる壁パネル本体を示し、（ｂ）は上記実施例の壁パネルの製造方法で製造された壁パネルの一部断面図を示す。上記実施例の壁パネルの応用例を説明する図であり、（ａ）は、応用例の壁パネルの一部（壁パネルを裏面側から見た左側の側端部）を示す図であり、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ断面を示す図である。上記応用例の壁パネルの特徴を説明するために２枚の壁パネルの連結について説明する図であり、（ａ）は隣接した２枚の壁パネルを示す斜視図であり、（ｂ）は連結材を示す斜視図であり、（ｃ）は２枚の壁パネルの連結構造を示す平面図である。

本発明に係る壁パネルの製造方法を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。

本発明に係る壁パネルの製造方法の実施例を図１〜図３において説明する。本発明に係る壁パネルの製造方法で製造する壁パネル１は、図３（ｂ）に一部断面図で示すように、主な構成要素として、互いに接着剤１３で接着された基材２と補強材３からなる壁パネル本体４を備えている。

より具体的には、基材２は、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、表面に軟質樹脂層５を有するメッキ鋼板６を使用する。基材２は、後記するが、その表面にインクジェット印刷によって絵柄層７を印刷した後に、折り曲げ加工し、その裏面に補強材３を速乾性の接着剤で接着し壁パネル本体４を形成する。

さらに、絵柄層７の表面にクリア剤を塗布してクリア層８を形成する。なお、本明細書および本発明において「絵柄層」とは、色彩、絵柄、模様、デザインなどを形成する層を言う。

補強材３として、石膏ボードを使用する。補強材３の平面度が悪く凹凸があると、その表面に接着される基材２ないし絵柄層８にも凹凸が生じので、補強材３として使用する石膏ボードは、８〜２０ｍｍ程度の厚みであり、その厚みのばらつきが１ｍｍ以下の精度のものを使用する。補強材３は、石膏ボードに限られず、断熱材と石膏ボードの２層で形成されたものを用いてもよい。

以下、本発明に係る壁パネルの製造方法の詳細を工程順に説明し、その特徴をより明確にする。

（１）印刷工程
図１（ａ）、（ｂ）に示す平板状の基材２の軟質樹脂層５の表面に、インクジェット印刷によって、図１（ｃ）、（ｄ）に示すような絵柄層７を形成する。このインクジェット印刷をする際には、折り曲げ加工を施す基材２の折り曲げ代（折り曲げしろ）９には印刷しない。

本実施例では、折り曲げ代９は、印刷すべき部分の外周（端部）であり、その巾は、例えば、８ｍｍ〜２０ｍｍ程度である。この折り曲げ代９に、ミスト状のインクが、若干飛び散っても、後記する裏面側（絵柄層７とは反対側）への折り曲げ加工によって遮へい箇所（使用状態では見えない箇所）となるため、見た目が悪くなることなく、問題とならない。

基材２は、厚みのバラツキが、例えば、数ミクロン程度で微小であるので、インクジェットのヘッドと基材２の表面１５のクリアランス（隙間）を、ほぼ一定で、安定的に保つことが可能となる。そのために、インクジェット印刷によって、印刷精度が良く安定した仕上がり状態で、絵柄層７を形成することができる。

（２）基材の折曲部の折り曲げ工程
表面に絵柄層７をインクジェット印刷した基材２の折り曲げ代９（図１（ｃ）参照）を、図２（ａ）に示すように、裏面１１側に、折り曲げ加工によって折り曲げて折曲部１０を形成する。

折曲部１０の折り曲げ高さ（基材２の端部が折り曲げられてその裏面１１から立ち上がった高さ）ｈは、補強材３の厚さｔ（図２（ｂ）参照）と略同じ寸法とし、補強材３の厚さに応じて異なるが、例えば、８ｍｍ〜２０ｍｍ程度である。ここで、略同じ寸法とは、折曲部１０の折り曲げ高さｈと補強材３の厚さｔの差が２ｍｍ以内であることを言う。

（３）補強材貼付工程
次に、補強材３を用意して、貼り付け面となる補強材３の表面１２または基材２の裏面１１に、速乾性の接着剤１３を塗布する。ここで速乾性の接着剤とは、例えば１５分以内で硬化するような接着剤を言う。

そして、補強材３の表面１２を、図２（ｂ）に示すように、基材２の裏面１１に向き合わせて、互いに当接し圧力をかけて接着し、図３（ａ）に示すように、基材２の裏面１１に補強材３を貼付して、表面１５にすでに絵柄層７の形成された壁パネル本体４を形成する。

（４）クリア塗布工程
次に、基材２の表面１５に形成された絵柄層７の表面１６に、クリア剤を塗布し、図３（ｂ）に示すようなクリア層８を形成する。クリア層８は、透明、または半透明の樹脂膜からなり、絵柄層７を保護するとともに、光沢を付与する。

このような工程からなる壁パネルの製造方法によって、図３（ｂ）に示すとおり、補強材３の表面１２に基材２が接着され、さらに基材２の表面１５にインクジェットによる絵柄層７が形成され、さらに絵柄層７の表面１６にクリア層８が形成されて成る、本発明の壁パネル１が製造される。

以上のとおり、本発明の基材２の表面に絵柄層７が設けられて成る壁パネルの製造方法は、基材２の表面１５にインクジェット印刷を行い絵柄層７を形成してから、基材２の端部の折り曲げ代９を、裏面側に折り曲げて折曲部１０を形成し、基材２の裏面１１に折曲部１０の折り曲げ高さｈと略同じ寸法の厚さｔを有する補強材３を貼付し、さらに絵柄層７の表面１６にクリア層８を形成することを特徴とし、これらの工程を連続してインラインで行う方法である。

前記したとおり、基材２の端部の折り曲げ代９を折り曲げて折曲部１０を形成し、基材２の裏面に補強材３を積層して壁パネル本体４を形成し、壁パネル本体４の基材２の表面１５にインクジェット印刷を行い、絵柄層７を設ける製造方法によると、基材２の厚み公差と補強材３の厚み公差などが積み重なり、基材２の表面１５とインクジェットヘッドとの間のクリアランスを一定に保つことが容易ではない。

しかしながら、本発明に係る壁パネルの製造方法によると、折り曲げ及び補強材３を積層する前であって、最も平滑度の高い状態（厚みのバラツキが、例えば、数ミクロン程度）の基材２の表面１５に、インクジェット印刷を行うために、基材２の表面１５とインクジェットのヘッドとのクリアランスがほぼ一定の状態で、安定的に印刷が可能となるので、印刷精度を向上させ、安定した仕上がり状態で絵柄層７を得ることができる。

また、クリア層８の形成後に基材２を曲げると、絵柄層７よりも一般的に膜厚が厚いクリア層８には割れ等が発生する虞があるが、折曲部１０を形成した後に折曲部１０と略同一高さの補強材３を貼付してからクリア塗布することで、割れ等を発生させずに、さらに安定したクリア塗布に必要な平滑度を確保した上でクリア層８を形成することができる。

（応用例）
上記構成は、本発明の壁パネルの製造方法の実施例の基本的な構成であるが、さらに、壁パネル同士の連結、壁パネルの用途など、使用状況などに応じて、上記実施例の壁パネルの製造方法は、いろいろな種類の壁パネルの製造方法に応用されるが、そのような応用例の一つを図４、図５に示すような構成の壁パネル２１の製造方法において説明する。

この応用例の壁パネル２１の製造方法は、上記実施例の壁パネルの製造方法と基本的には同じであるが、壁パネル２１は、隣接する壁パネル同士を連結するための構成を備えているので、そのための工程が加わることを特徴とする。この応用例の壁パネルの製造方法の特徴とする工程を中心に、以下説明する。

応用例の壁パネルの製造方法においても、上記実施例の壁パネルの製造方法と同様に、まず、基材２の表面１５に、上記実施例の場合と同様に、インクジェット印刷によって、図１（ｃ）、（ｄ）に示すように、絵柄層７を印刷する。

次に、基材２の端部の折り曲げ代を折り曲げて折曲部を形成するが、これをさらに詳細に説明する。基材２の上端部では、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、裏面側に向けて水平な折曲部２３（図４（ｂ）では２点鎖線で示す）を形成し、さらに下方へ折り返して折返部２４を形成する。

この水平な折曲部２３の折り曲げ高さｈ（図４（ｂ）参照）は、実施例の折曲部１０の折り曲げ高さｈと同様に、補強材３の厚さｔ（図４（ｂ）参照）と略同じ寸法である。壁パネル２１の下端部でも、図示はしないが同様に、水平な折曲部２３と上方への折返部２４を形成する。

隣接する２枚の壁パネル２１を互いに連結するために、壁パネル２１の左右の側端部では、それぞれ図４（ａ）、（ｂ）に示すように、基材２を裏面側へ折り曲げて垂直な折曲部２８を形成し、さらに基材２の裏面１１に沿う垂直な折返部２９を形成する。垂直な折曲部２８の折り曲げ高さｈは、補強材３の厚さｔと略同じである。

壁パネル２１の側端部における基材２の主面部３０（表が表面１５で裏が裏面１１）、折曲部２３および折返部２９で囲まれる空間に、縦桟３２を挿入し、図５（ａ）に示すように、折返部２９に予め形成したダボを縦桟３２に予め形成したダボ孔に係合してなる固定部３３で、折返部２９と縦桟３２を固定する。

そして、上記実施例と同様に、基材２の裏面１１に補強材３を速乾性の接着剤１３によって接着して壁パネル本体を形成する。さらに、上記実施例の図３（ｂ）に示す場合と同様に、絵柄層７の表面にクリア剤を塗布してクリア層８を形成する。これによって、応用例の壁パネル２１が形成される。

このような応用例の壁パネルの製造方法によって形成された２枚の壁パネル２１を連結する構成を、以下参考までに、図５を参照して説明する。互いに連結する２枚の壁パネル２１を図５（ａ）に示すように、互いに左右隣接して配置する。

そして、表面にテーパ付き突起部３４を有する図５（ｂ）、（ｃ）に示すような連結材３５によって、その突起部３４を、縦桟３２に形成された連結材嵌合用のスリット３７に嵌合することで、図５（ｃ）に示すように、２枚の壁パネル２１を連結することができる。なお、２枚の壁パネル２１の連結端には、必要に応じて目地材３８を装入する。

以上、本発明に係る壁パネルの製造方法を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。

本発明に係る壁パネルの製造方法は上記のような構成であるから、浴室の壁パネルだけでなく、建築物のいろいろな箇所の構造用、仕切り用など、各種の用途の壁パネルの製造方法としても適用可能である。

１壁パネル
２基材
３補強材
４壁パネル本体
５軟質樹脂層
６メッキ鋼板
７絵柄層
８クリア層
９折り曲げ代
１０折曲部
１１基材の裏面
１２補強材の表面
１３接着剤
１５基材の表面
１６絵柄層の表面
２１壁パネル
２３基材の上下端部の折曲部
２４基材の上下端部の折返部
２８基材の側端部の折曲部
２９基材の側端部の折返部
３０基材の主面部
３２縦桟
３３基材の折返部と縦桟の固定部
３４テーパ付き突起部
３５連結材
３７縦桟のスリット
３８目地材

Claims

基材表面に絵柄層が設けられ、基材の端部が折り曲げられて形成される壁パネルの製造方法において、基材に絵柄層を印刷するインクジェット印刷工程後に、基材の端部を折り曲げて折曲部を形成する折り曲げ工程と、基材裏面に折曲部と略同高さの補強材を貼付する補強材貼付工程が設けられており、補強材貼付工程後に絵柄層の上にクリア層を塗布するクリア塗布工程が設けられていることを特徴とする壁パネルの製造方法。
請求項１に記載の壁パネルの製造方法において、インクジェット印刷工程、折り曲げ工程、補強材貼付工程、クリア塗布工程が連続してインラインで行われることを特徴とする壁パネルの製造方法。
請求項１または２に記載の壁パネルの製造方法において、基材の端部に設けられた折曲部を除く基材裏面の略全面に補強材が速乾性の接着剤を用いて貼付されていることを特徴とする壁パネルの製造方法。