JP2017197884A - 優れた消臭抗菌性能を有する衛生用品用繊維布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、肌に直接触れる衛生用品には抗菌性能や消臭性能が求められ、介護現場や病院での利用に際しては、衛生用品の使用や着用による臭いの発生を抑えるばかりでなく、室内への嫌な臭いの放散を抑えることができ、もちろん細菌の繁殖を抑えることができる衛生用品用繊維布帛を提供することを目的とする。さらに詳しくは、黄色ブドウ球菌及びA型インフルエンザウイルスの活性を抑え、アンモニアやメチルメルカプタンなどの***臭を消臭する衛生用品用繊維布帛を提供することを目的とする。さらに、前記衛生用品用繊維布帛を少なくとも一部に用いた衛生用品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の衛生用品用繊維布帛は、衛生用品に用いられる繊維布帛であって、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤を含有する消臭抗菌剤が固着していることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、ガーゼ、包帯、ギブス用包帯、タオル、枕カバーなどの衛生用品であって、優れた消臭及び抗菌性能を発揮する衛生用品用の繊維布帛及び衛生用品に関する。
医療現場や家庭等における衛生用品には細菌の繁殖を抑制することや感染予防の機能などが求められている。近年は高齢化の進展にともない看護や介護現場、あるいは病院における感染予防や嫌な臭いに対する消臭の要求が高まってきている。
特許文献1には、セルロース繊維と塩基性染料型繊維とを混用した消臭抗菌性繊維布帛であって、ポリアミンと特定の金属粒子と親水剤を含有し、洗濯50回後のアンモニア等減少率、黄色ブドウ球菌の静菌活性値を特定の値以上とした消臭抗菌性繊維布帛の発明が開示されており、加齢臭に対する消臭性能、抗菌性能、吸水拡散性能に優れ、さらに着用感に優れる消臭抗菌性繊維について記載されている。
しかしながら、特許文献1の発明は、セルロース繊維と塩基性染料型繊維とを混用した繊維布帛に限定されるうえに、インナーやスポーツ衣料として好適なものであるが、本発明の衛生用品用では特に看護や介護の現場で懸念される***臭由来の臭いに対する消臭性能について十分であるとは言い難かった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、肌に直接触れる衛生用品には抗菌性能や消臭性能が求められ、介護現場や病院での利用に際しては、衛生用品の使用や着用による臭いの発生を抑えるばかりでなく、室内の嫌な臭いの放散を抑えることができる。併せて細菌の繁殖を抑えることができる衛生用品用繊維布帛を提供することを目的とする。より詳しくは、黄色ブドウ球菌及びA型インフルエンザウイルスの活性を抑え、アンモニアやメチルメルカプタンなどの***臭を消臭する衛生用品用繊維布帛を提供すること、及び前記衛生用品用繊維布帛を少なくとも一部に用いた衛生用品を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]衛生用品に用いられる繊維布帛であって、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤を含有する消臭抗菌剤が固着していることを特徴とする衛生用品用繊維布帛。
[2]前記金属塩が、銅と亜鉛、マンガン、コバルト、又はニッケルから選ばれる少なくとも1種類、又は銅の金属塩を含む前項1に記載の衛生用品用繊維布帛。
[3]5種類の悪臭からなる混合臭に対する消臭除去率が70%以上である前項1または2に記載の衛生用品用繊維布帛。
[4]前項1〜3のいずれか1項に記載の衛生用品用繊維布帛を少なくとも一部に用いた衛生用品。
[1]の発明では、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤を含有する消臭抗菌剤が繊維布帛に固着しているので、例えば、ガーゼ、包帯、ギブス用包帯、タオル、枕カバー等の衛生用品として使用したり、着用したりした際の臭いの発生を抑えるばかりでなく、介護現場や病院などで室内への嫌な臭いの放散を抑えることができ、併せて細菌の繁殖を抑えることができる。より具体的には、アンモニアやメチルメルカプタンなどの***臭を消臭し、黄色ブドウ球菌及びA型インフルエンザウイルスの活性を抑えることができる肌に直接触れる衛生用品用に好適な繊維布帛とすることができる。
[2]の発明では、金属塩が、銅と亜鉛、マンガン、コバルト、又はニッケルから選ばれる少なくとも1種類、又は銅の金属塩を含むので、嫌な臭いをも消臭できるうえに、細菌の繁殖を抑えることができる。すなわち、アンモニアやメチルメルカプタンなどの***臭を消臭し、黄色ブドウ球菌及びA型インフルエンザウイルスの活性を抑える繊維布帛を得ることができる。
[3]の発明では、5種類の悪臭からなる混合臭に対する消臭除去率が70%以上であるので、例えば長期間の使用によりこもった臭いやおむつ替えなどで付着した嫌な臭いに対して優れた消臭性能を発揮する。
[4]の発明では、前項1〜3のいずれか1項に記載の衛生用品用繊維布帛を少なくとも一部に用いた衛生用品は、特に限定されないがガーゼ、包帯、ギブス用包帯、タオル、枕カバー等を挙げることがきる。これらの衛生用品は、使用したり着用したりした際の臭いの発生を抑えるばかりでなく、介護現場や病院などで付着した嫌な臭いの室内への放散を抑えることができるばかりでなく、細菌の繁殖を抑えることができる。
本発明に係る繊維布帛の一実施形態を図1に示す。衛生用品用繊維布帛1は、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤を含有する消臭抗菌剤2が固着していることを特徴とする。
本発明によれば、例えばガーゼ、包帯、ギブス用包帯、タオル、枕カバー等の衛生用品として使用したり着用したりした際の臭いの発生を抑えるばかりでなく、介護現場や病院などで付着した嫌な臭いの室内への放散を抑えることができるうえに細菌及びウイルスの繁殖を抑えることができる。具体的には、アンモニアやメチルメルカプタンなどの***臭を消臭し、黄色ブドウ球菌及びA型インフルエンザウイルスの活性を抑えることができる肌に直接触れる衛生用品用に好適な繊維布帛とすることができる。さらに、5種類の悪臭からなる混合臭に対する消臭除去率が70%以上であるのが好ましく、長期間の使用によりこもった臭いやおむつ替えなどで付着した優れた消臭性能を発揮する。混合臭は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、インドールの5種類の悪臭からなる悪臭である。
本発明の衛生用品用繊維布帛1は、あらかじめ用意した金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤とを含有する消臭抗菌剤2に繊維布帛3を接触させた後に、乾燥させることで消臭抗菌剤2が固着した衛生用品用繊維布帛1を得ることができる。乾燥は風乾でもよいが乾燥機にて乾燥させるのが好ましい。また、消臭抗菌剤2に接触させる前に、紡績油剤や撚糸工程や整経工程、製織や製編工程での油剤を除去する精練処理を施しておくのが好ましい。なお、消臭抗菌剤2に浸透性向上剤を添加してもよい。
本発明の繊維布帛3に用いる繊維としては、特に限定されないが、綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維、レ−ヨン繊維等のセルロース系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維からなるもの等を使用できる。
本発明の繊維布帛3の形態としては、特に限定されず編物、織物、不織布等のいずれであってもよく、衛生用品の用途に合わせて選択し、糸の太さや構成やその比率、織組織や編組織等を適宜設計すればよい。例えば、ガーゼでは柔らかく目付が粗い織物が好ましく、包帯では腕や足の関節部への適用等を考慮すると伸縮性が有するのが好ましいので、織物や編物が好ましい。特に関節部では動かし易くはずれ難いことから筒編が好ましい。不織布としては特に限定されず、例えばスパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ウォーターニードル不織布を挙げることができる。
本発明の消臭抗菌剤2は、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤とを含有する消臭抗菌剤液である。さらに、繊維布帛3との固着性を高めるためにバインダー樹脂を添加するのが好ましい。
前記金属塩とケイ酸塩との複合体の金属塩は、銅と亜鉛、マンガン、コバルト、又はニッケルから選ばれる少なくとも1種類、又は銅の金属塩を含むことが好ましく、前記ケイ酸塩として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムを挙げることができる。
前記多孔質物質は、表面積が大きく悪臭の吸着能力の優れており、例えばこのような多孔質物質としては、無機多孔質物質を挙げることができ、例えば酸化珪素、ゼオライト、多孔質シリカ、活性炭、シリカゲル、麦飯石、珪藻土等が挙げられる。なかでも、アンモニアガス、インドール等に対して優れた吸着能を有するゼオライトや酸化珪素を用いるのが好ましい。
また、ゼオライトは、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して三次元的に結合した骨格構造をしている。この骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開き、水や有機分子など様々な分子を骨格中に取り込むことから、吸着剤として非常に有用なものである。ゼオライトには、種々のものが存在し、なかでも人工ゼオライトのMFI型ゼオライトは、結晶構造に由来する2種類の細孔が三次元的につながっていることから、吸着剤として非常に効果がある。MFI型ゼオライトを、吸着剤として使用すれば、アンモニア、インドール等の塩基性ガスに優れた吸着能を発揮する。
前記アミン化合物としては、ヒドラジン誘導体あるいは、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物を挙げられる。ヒドラジン誘導体は、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。なかでも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。
このようなヒドラジン誘導体を用いることによりアルデヒド類に対して化学反応を起こし優れた吸着作用を発揮し悪臭除去性能を確保することができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられる。なお、このようなヒドラジン誘導体の水に対する溶解度は25℃において5g/L以下であるのが望ましい。水に対する溶解度がこの範囲内であれば、洗濯等によって水と接触することがあっても、ヒドラジン誘導体がこの水に溶解して流出してしまうことが防止される。
また、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、例えばポリアミン化合物を担持した多孔質二酸化ケイ素、ポリアミン化合物を担持したケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン等が挙げられる。具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物は、特にアルデヒドガスの消臭に有効で、また、無機ケイ素化合物は塩基性ガスの消臭に有効であって、さらに無機多孔質物質、金属塩、金属酸化物、水酸化金属の中から選び組み合わせることで、様々な臭気を効果的に消臭することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを挙げることができる。アニオン界面活性剤としては、ヒドロキシエチリデンホスホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、又はモノアルキルホスフェートから選ばれる少なくとも1種類が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアリールエーテルから選ばれる少なくとも1種類が好ましい。
消臭抗菌剤2は、バインダー樹脂とともに繊維布帛3に固着する。固着量は、0.1g/m2〜5g/m2(乾燥重量)とするのが好ましい。0.1g/m2未満では十分な消臭抗菌性能が得られなくなるので好ましくない。また、5g/m2を超えても大きな消臭抗菌性能の向上は乏しく、徒にコストを増大することになり好ましくない。より好ましくは0.5g/m2〜3g/m2(乾燥重量)である。
前記バインダー樹脂としては、どのような樹脂でも使用することができる。例えば、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してバインダー樹脂としてもよい。
消臭抗菌剤2は、バインダー樹脂とともに水に分散させた水分散液からなる処理液を調合、すなわち金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物に、界面活性剤と水を加えて攪拌した後にバインダー樹脂と水を加えてさらに攪拌して水分散液からなる処理液を調合する。この時、消臭抗菌剤2とバインダー樹脂を可能な限り分散させることが好ましく、バインダー樹脂は水との間でエマルジョン状態を形成することがより好ましい。このように、あらかじめ消臭抗菌剤2を水に分散させておいてから、バインダー樹脂を分散するのが、消臭抗菌剤2とバインダー樹脂をより均一に分散させることができるので好ましい。
また、前記消臭抗菌剤2の処理液には、他に分散剤や、増粘剤などの各種添加剤を、各種特性向上のため配合してもよい。こうして得られた処理液に繊維布帛3を接触させればよく、繊維布帛3の両面でも、全部であっても良い。方法としては、特に限定されるものではないが、例えば浸漬法、スプレ−法、コ−ティング法等が挙げられる。
前記消臭抗菌剤2の処理液を接触させた後に乾燥させるが、乾燥手段としては、加熱処理する方法が乾燥効率やバインダー樹脂をキュアできるので好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、消臭抗菌剤2の固着性をより高め、消臭抗菌性能及び抗ウイルス性能の持続耐久性を一層向上させることができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
銅ケイ酸塩5質量部、酸化ケイ素10質量部、ヒドラジド化合物3質量部、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.5質量部と水61.5質量部を加えた後、撹拌機により撹拌を行い、水分散液を得た。この分散液にアクリル系バインダー樹脂(固形分50%)10質量部を加え、よく撹拌して均一な処理液を得た。次に、綿100%のガーゼ(目付100g/m2)を用意し、該処理液に浸漬したのちマングルで絞った。ピックアップ率は83.0%であった。次に、温度100℃で3分間乾燥させた。消臭抗菌剤の付着量は、銅ケイ酸塩0.5g/m2、酸化ケイ素1.0g/m2、ヒドラジド化合物0.3g/m2、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.05g/m2、アクリル系バインダー樹脂1.0g/m2であった。
銅ケイ酸塩5質量部、酸化ケイ素10質量部、ヒドラジド化合物3質量部、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.5質量部と水61.5質量部を加えた後、撹拌機により撹拌を行い、水分散液を得た。この分散液にアクリル系バインダー樹脂(固形分50%)10質量部を加え、よく撹拌して均一な処理液を得た。次に、綿100%のガーゼ(目付100g/m2)を用意し、該処理液に浸漬したのちマングルで絞った。ピックアップ率は83.0%であった。次に、温度100℃で3分間乾燥させた。消臭抗菌剤の付着量は、銅ケイ酸塩0.5g/m2、酸化ケイ素1.0g/m2、ヒドラジド化合物0.3g/m2、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.05g/m2、アクリル系バインダー樹脂1.0g/m2であった。
<実施例2〜5、比較例1〜5>
実施例と比較例の各消臭抗菌剤処理液の配合を表1に、各消臭抗菌剤成分の衛生用品への固着量(乾燥重量)を表2に示した。そして、消臭性能として悪臭の除去率、抗菌性能の評価として黄色ブドウ球菌の静菌活性値及び抗ウイルス試験結果と、各評価を表3示した。
実施例と比較例の各消臭抗菌剤処理液の配合を表1に、各消臭抗菌剤成分の衛生用品への固着量(乾燥重量)を表2に示した。そして、消臭性能として悪臭の除去率、抗菌性能の評価として黄色ブドウ球菌の静菌活性値及び抗ウイルス試験結果と、各評価を表3示した。
表3から分かるように、実施例1〜5においては、混合臭並びに単一臭のアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、インドールのそれぞれのガスに対して優れた消臭性能を発揮した。さらに、抗菌性試験及び抗ウイルス試験に対しても優れた結果も示した。このように消臭性能、抗菌、抗ウイルス性能のいずれにおいても優れた性能を示した。
一方、比較例1〜5では、一部の悪臭に対しては消臭性能を発揮する結果や、抗菌性能を示す結果が得られたものの、消臭、抗菌、抗ウイルスの全てにおいて十分な性能を発揮するものではなかった。
<混合臭の消臭性試験>
なお上記実施例、比較例における混合臭の消臭性の測定は、ISO 17299−5(金属酸化物半導体センサ法)に準拠し行った。混合臭としては、***臭を選択し、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、インドールの5種類し、除去率が70%以上を「○」、70%未満を「×」と評価し、「○」を合格とした。
なお上記実施例、比較例における混合臭の消臭性の測定は、ISO 17299−5(金属酸化物半導体センサ法)に準拠し行った。混合臭としては、***臭を選択し、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、インドールの5種類し、除去率が70%以上を「○」、70%未満を「×」と評価し、「○」を合格とした。
<単一臭の消臭性試験>
また、単一臭の消臭性の測定は、SEKマーク繊維製品認証基準(JEC301 平成27年4月1日改訂、一般社団法人繊維評価技術協議会)に準拠し行い、上記の混合臭として測定した臭いそれぞれを単一臭で測定した。
また、単一臭の消臭性の測定は、SEKマーク繊維製品認証基準(JEC301 平成27年4月1日改訂、一般社団法人繊維評価技術協議会)に準拠し行い、上記の混合臭として測定した臭いそれぞれを単一臭で測定した。
(メチルメルカプタン消臭性能)
試験試料(10cm×10cm)を内容量5Lの袋内に入れた後、袋内において濃度が8ppmとなるようにメチルメルカプタンガスを3L注入し、2時間経過後にメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定し、試験試料を入れない以外は同様にしてブランクを用意し、このブランクのメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定し、両者の測定値よりメチルメルカプタンガスを除去した量を算出し、これよりメチルメルカプタンガスの除去率(%)を算出した。
試験試料(10cm×10cm)を内容量5Lの袋内に入れた後、袋内において濃度が8ppmとなるようにメチルメルカプタンガスを3L注入し、2時間経過後にメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定し、試験試料を入れない以外は同様にしてブランクを用意し、このブランクのメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定し、両者の測定値よりメチルメルカプタンガスを除去した量を算出し、これよりメチルメルカプタンガスの除去率(%)を算出した。
(アンモニア消臭性能)
メチルメルカプタンに代えてアンモニアガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にしてアンモニアの除去率(%)を算出した。
メチルメルカプタンに代えてアンモニアガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にしてアンモニアの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
メチルメルカプタンに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が4ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
メチルメルカプタンに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が4ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
メチルメルカプタンに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が30ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
メチルメルカプタンに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が30ppmとなるように注入した以外は、上記メチルメルカプタン消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
(インドール消臭性能)
試験試料(5cm×10cm)を内容量500mlの三角フラスコに入れた後、インドール液を5μl注入し、2時間経過後にガスクロマトグラフィーにて測定し、試験試料を入れない以外は同様にしてブランクを用意し、このブランクを同様に測定し、両者の測定値よりインドールの除去率(%)を算出した。
試験試料(5cm×10cm)を内容量500mlの三角フラスコに入れた後、インドール液を5μl注入し、2時間経過後にガスクロマトグラフィーにて測定し、試験試料を入れない以外は同様にしてブランクを用意し、このブランクを同様に測定し、両者の測定値よりインドールの除去率(%)を算出した。
単一臭の消臭性能評価は、単一臭の除去率が85%以上であるものを「◎」、除去率が70%以上85%未満であるものを「○」、除去率が70%未満であるものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
<抗菌性試験>
抗菌性の測定は、JIS L1902:2008、菌液吸収法に準拠し行った。静菌活性値2.0以上が合格である。
抗菌性の測定は、JIS L1902:2008、菌液吸収法に準拠し行った。静菌活性値2.0以上が合格である。
<抗ウイルス性試験>
ウイルス性の測定は、ISO18184に準拠し行った。抗ウイルスの活性値3.0以上が合格である。
ウイルス性の測定は、ISO18184に準拠し行った。抗ウイルスの活性値3.0以上が合格である。
医療現場や家庭等において使用されるガーゼ、包帯、ギブス用包帯、タオル、枕カバーなどの臭いの発生を抑えるばかりでなく、室内への嫌な臭いの放散を抑えることができ、もちろん細菌及びA型インフルエンザウイルスの繁殖を抑えることができる肌に直接触れる衛生用品を提供できる。
1…衛生用品用繊維布帛
2…消臭抗菌剤
3…繊維布帛
2…消臭抗菌剤
3…繊維布帛
Claims (4)
- 衛生用品に用いられる繊維布帛であって、金属塩とケイ酸塩との複合体と、多孔質物質と、アミン化合物と、界面活性剤を含有する消臭抗菌剤が固着していることを特徴とする衛生用品用繊維布帛。
- 前記金属塩が、銅と亜鉛、マンガン、コバルト、又はニッケルから選ばれる少なくとも1種類、又は銅の金属塩を含む請求項1に記載の衛生用品用繊維布帛。
- 5種類の悪臭からなる混合臭に対する消臭除去率が70%以上である請求項1または2に記載の衛生用品用繊維布帛。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生用品用繊維布帛を少なくとも一部に用いた衛生用品。
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