JP2014083070A - ギプス用抗菌消臭性下巻き材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
悪臭成分を速やかに吸着し、長期間に亘って皮膚表面等における菌の繁殖を防ぐことができ、且つ、皮膚への刺激が少ない、ギプス用抗菌消臭性下巻き材を提供する。
【解決手段】
セルロース系繊維を含む布帛であって、その表面及び/又は内部に、
二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物とポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩が付与されてなり、湿潤時にpH5.0〜8.0を示すことを特徴とするギプス用抗菌消臭性下巻き材。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療現場において治療処置のために皮膚等の体表面を被覆し、人体からの分泌液や滲出液等を処理したり、菌の増殖を抑制し、悪臭の発散を防止して、皮膚を衛生的な状態に保つ抗菌消臭性繊維製品に関する。特に、本発明は、ギプス等の外固定材の下巻き用包帯として好適に使用するギプス用抗菌消臭性下巻き材に関する。
従来から、創傷や疾病の治療処置の際に、患部を被覆(保護)、圧迫、固定するために各種包帯を患部に直接又は間接的に当てて使用している。
包帯の使用に当たっては、患部への菌浸入を防止する為に、包帯を使用する患部を消毒したり、包帯自体を滅菌したりする処置がなされている。
包帯が長期間にわたって使用される場合は、皮膚からの発汗や体脂等の分泌液、滲出液、垢等により皮膚表面に菌が増殖し易くなり、更に外部からの汚染の可能性も高まる。このような感染等のリスクを低減するため、患部の洗浄や包帯の交換が必要とされる。
また、骨折、捻挫及び脱臼の治療等に使用されるギプス等のような外固定材を適用する場合、外固定材を装着する前に下巻き用包帯で皮膚を被覆して、外固定材と皮膚との摩擦を緩和し、人体からの分泌液、滲出液等を吸収する。この様な場合、治療の必要性からギプスが長期間にわたって装着された状態が続く為、患部の洗浄や包帯の交換を頻繁に行うことは不可能である。このため、汗や垢により皮膚表面で菌が繁殖し、また、アンモニア、酢酸、硫化水素、メチルメルカプタンなどの悪臭や痒みを発生させるという問題がある。更に、皮膚に傷や術後創がある場合には、感染により化膿するおそれがある。そのため、皮膚表面等における菌の繁殖を防ぎ、悪臭や痒みの発生を防ぐことができる下巻き材が求められている。
特許文献1には、疎水性繊維ウェブと活性炭粒子を含有するシートとを積層させ、疎水性繊維ウェブが活性炭粒子含有シートに貫入されている臭吸収用ウェブであって、ギプスの下巻き用として使用されることが記載されているが、この臭吸収用ウェブは、消臭効果を有するが、菌の繁殖を抑制することはできない。
また、特許文献2には、銀、銅又は亜鉛イオンを担持するゼオライトを含有する合成繊維を含む、ギプス下巻き用不織布が開示されている。しかしながら、合成樹脂中にゼオライトを含有させ紡糸したものは、ゼオライトの露出面積が小さく、消臭性や抗菌性は十分とはいえなかった。
特開昭61−58656号公報 特開平5−154174号公報
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、悪臭成分を速やかに吸着し、長期間に亘って皮膚表面における菌の繁殖を防ぐことができ、且つ、皮膚への刺激が少ない、ギプス用抗菌消臭性下巻き材を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、セルロース系繊維を含む布帛に二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物等特定の物質を付与することにより、ギプス装着時に使用する下巻き材として、汗・体脂に長期間曝される環境下でも、菌の繁殖を抑え、患者から発生する複数の悪臭を速やかに消臭することができ、その抗菌効果と消臭効果を長期間に亘り維持することが可能であることを見出し、これに基づいて本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、
セルロース系繊維を含む布帛であって、その表面及び/又は内部に、
二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物とポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩が付与されてなり、湿潤時にpH5.0〜8.0を示すことを特徴とするギプス用抗菌消臭性下巻き材である。
また、ポリヒドラジド化合物及び/またはポリフェノールが付与されてなることが好ましい。
また、ギプス用抗菌消臭性下巻き材が伸縮性筒状編地であることが好ましい。
本発明によって、ギプス装着時に発生する複数の悪臭成分を速やかに消臭することができ、なおかつ長期間にわたってその消臭性と抗菌性を維持することが可能で、更に、肌に対して刺激を与えにくいギプス用抗菌消臭性下巻き材を提供することができる。
本発明は、セルロース系繊維を含む布帛であって、その表面及び/又は内部に、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物と、ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩が付与されてなる、湿潤時にpH5.0〜8.0を示すことを特徴とするギプス用抗菌消臭性下巻き材である。
本発明の下巻き材に使用されるセルロース系繊維としては、特に限定するものではなく、天然セルロース繊維(パルプ、ケナフ、木綿、麻等)、再生セルロース繊維(レーヨン等)、半合成セルロース繊維(アセテート等)の中から1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、セルロース系繊維と合わせて、ポリエステル、ポリウレタン等の繊維を混紡・交撚して用いたり、交編・交織してなる編織物を用いることができるが、セルロース系繊維を編織物の総重量の20〜100%用いることが好ましい。20%より少ないと吸水性が劣るおそれがある。
また、用いるセルロース系繊維が綿繊維である場合、不純物をなくすため、晒した綿繊維を使用することにより、ギプス用下巻き材に適度な吸水性が付与され、ベタツキ感などの不快感を解消することができる。
また、前記セルロース系繊維を用いた下巻き材の形態としては、織物、編物、不織布等が挙げられ、特に限定するものではないが、下巻き材が伸縮性筒状編地であることが好ましい。編み組織は、特に限定されないが、患部への適度なフィット性からリブ組織の緯編みまたは丸編みが好適である
また、本発明に用いられる、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の具体例としては、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の無定形複合物が挙げられる。これら複合物の製造方法については特に限定はされないが、例えば、塩化亜鉛や硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛化合物を、ケイ酸ナトリウムの水溶液と混合させることにより反応させてスラリーを形成後、スラリーを乾燥させたもの等が挙げられる。
二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物が付与された布帛は、湿潤時に、pH5.0〜8.0を示し、ギプス用下巻き材に用いた場合、発汗した場合にも、皮膚に刺激を与えにくいものとなる。
二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の粒径は、10μm以下であることが好ましい。10μmより大きいと十分なpH緩衝性が得られないおそれがあり、下巻き材の風合いを損なうおそれがある。
二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物の付与量は、布帛に対して3.0〜8.0g/m(固形分)であることが好ましい。3.0g/m未満であると十分なpH緩衝性が得られず、8.0g/mより多いと風合いが硬くなるおそれがあり、さらには薬剤コストが高くなる。また、付与する物質(固形分)全体の20重量%以上が好ましい。付与量が20重量%未満であると、十分なpH緩衝性が得られないおそれがある。
また、ポリカルボン酸及び/又はその塩であるポリカルボン酸塩としては、カルボキシル基を分子内に2つ以上有するものであれば特に限定するものではないが、なかでも金属イオンとキレート結合するものが好ましく、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリヒドロキシルアクリル酸、ポリマレイン酸、及び、これらを構成する単量体の一部が他の単量体成分(アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシアクリル酸、マレイン酸、エチレン等のビニル系単量体等)により共重合されたポリカルボン酸等を挙げることができる。また、これらの中でも、ギプス内の有機物が腐敗、分解して生じた アンモニア、硫化水素等の各種悪臭成分に対する効果がより良好となるという観点から、ポリアクリル酸及び/又はその塩を用いることが好ましい。さらに、このようなポリカルボン酸の重量平均分子量としては、1,000〜30,000であることが好ましく、2,000〜20,000であることがより好ましい。
また、ポリカルボン酸の塩としては、前記ポリカルボン酸の塩が挙げられる。そして、これらの塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩;アルカノールアミン塩;第四級アンモニウム塩が挙げられる。また、これらの塩の中でも、加工時のアンモニア臭やアミン臭、繊維製品に残留するアミン臭を防ぐという観点から、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
さらに、これらのポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸の塩としては、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸の塩の付与量は、布帛に対して0.5〜1.5g/m(固形分)であることが好ましい。0.5g/m未満であると十分な抗菌性が得られず、1.5g/mより多いと風合いが硬くなるおそれがあり、さらには薬剤コストが高くなる。また、付与する物質(固形分)全体の4.5重量%以上が好ましい。付与量が4.5重量%未満であると、十分な抗菌性が得られないおそれがある。
また、本発明の下巻き材には、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物と、ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩に加え、ヒドラジド化合物及び/またはポリフェノールが、該下巻き材を構成するセルロース系繊維を含む布帛の表面及び/又は内部に付与されてなることが好ましい。
ポリヒドラジド化合物としては、分子内にヒドラジド基(―NH―NH)を2つ以上有するものであれは特に限定するものではないが、例えば、アジピン酸ジヒドラジド化合物、マロン酸ジヒドラジド化合物、オキシジプロピオン酸ジヒドラジド化合物、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、1−ヒドラジノカルボエチル−3−ヒドラジノヒドラジノカルボイソプロピル−5−(2−メチルメルカプトエチル)ヒダントイン、N,N’−ジヒドラジノカルボエチルピペラジンなどが挙げられる。
また、ポリフェノールとしては、カキノキ科、ネムノキ亜科、セリ科、マツ科、バラ科、ブナ科などの植物科から抽出されたタンニンが挙げられる。これらの植物からの抽出方法としては、特に限定されないが、例えば、特許第3919729号公報に記載の方法で抽出できる。本発明では、ポリフェノール化合物の具体的な例として、柿タンニン等の縮合型タンニンが好ましく用いられる。更に、アルコールと併用することにより更に縮合することにより高分子化し、耐久性のあるものが得られる。
用いられるアルコールとしてはエタノールやイソプロパノールの様な1価の低級アルコールがあげられる。
ポリヒドラジド化合物及び/またはポリフェノールの総付与量としては、布帛に対して3〜40g/m(固形分)であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30g/mである。付与量が3g/m未満であると、消臭物質の量が少ないために目的とする消臭性能が得られないおそれがある。また、付与量が40g/mよりも多くなると、風合いが硬くなったり、チョークマーク(摩擦により摩擦部分が白くなる現象)が発生するおそれなどがある。
本発明においては、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物と、ポリカルボン酸及び/又はその塩であるポリカルボン酸塩と、 ポリヒドラジド化合物やポリフェノールから選ばれる1種以上の消臭物質をバインダー樹脂とともに溶媒に分散させた分散液を用いて布帛に付与する。用いられる溶媒としては、これらを分散させることができるものであればよく、特に制限されないが、例えば、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。また、親水性溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタメチレングリコール等のグリコール類を挙げることができる。
また、本発明において使用されるバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられるが、なかでも皮脂に対する耐久性及び物理耐久性に優れる点でシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
バインダー樹脂の混合量(固形分)は、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物と、ポリカルボン酸及び/又はその塩であるポリカルボン酸塩と、ポリヒドラジド化合物やポリフェノールから選ばれる1種以上の消臭物質全体の量(固形分)に対して、30〜150重量%であることが好ましく、さらに好ましくは50〜100重量%である。バインダー樹脂の量が30重量%未満であると、消臭物質等を十分に担持できないおそれがある。また、バインダー樹脂の量が150重量%を超えると、消臭物質等がバインダー樹脂内に埋没し、目的とする抗菌消臭効果を得ることができないおそれがある。
上記分散液を布帛に付与する方法としては、パディング法、スプレー法、グラビア法、コーティング法など様々な方法があり、特に限定するものではないが、なかでも生産性の点でパディング法が好ましい。
さらに本発明においては、分散液を付与した後に布帛を乾燥させ、さらに、必要に応じて熱処理することができる。このような乾燥及び熱処理の条件は、布帛素材や必要とされる性能に応じて適宜設定することができる。
このような分散液においては、消臭物質等の分散状態をさらに良好にしたり、微分散後の再凝集を防ぐために、分散液を調製する際に、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールのエチレンオキサイド付加物等の非イオン界面活性剤;スルホン酸型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型のアニオン界面活性剤等の従来公知の乳化剤を適宜併用することができる。
また、このような分散液の粘度調整のために、ザンタンガム、グアーガム、アラビアガム等の天然多糖類;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤;ポバール系増粘剤;アクリル系増粘剤;ポリアマイド系増粘剤等の従来公知の増粘剤を適宜使用することもできる。
また、前記消臭物質等は、前記セルロース系繊維を含む布帛の表面及び/又は内部に存在している。布帛の内部に消臭物質等が存在しているものは、布帛表面に付与しただけのものに比べ、布帛の消臭性物質等の担持率や繊維への密着性が向上し、長期間着用しても消臭性物質等の脱落が少なくなり好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における各測定方法および評価方法は次の通りである。
消臭率評価
各臭気性ガス(アンモニアガス濃度100ppm、酢酸ガス濃度50ppm、硫化水素ガス濃度40ppm、メチルメルカプタンガス濃度30ppm)を単独で注入したポリエチレン容器(容量500mL)に、試料(8cm×12.5cm 未使用品試料)を入れ、120分後のガス濃度を、北川式ガス検知管を用いて測定し、下記式に基づいて消臭率(%)を算出した。
消臭率(%) = {(初期ガス濃度)−(120分経過後のガス濃度)} /初期ガス濃度×100
消臭率が70%以上であれば有意性があると判断した。
2週間装着後試料の残存臭気濃度評価
ガラス容器(容量500mL)内にギプス用下巻き材として2週間装着した試料(8cm×12.5cm)を入れ、40℃に保たれた恒温槽内で、2時間放置し、アンモニアと酢酸は、北川式ガス検知管を用い、硫化水素は、FPD付きガスクロマトグラフにて、残存臭気の濃度を測定した。
抗菌性評価
JIS L1902に準じ、黄色ブドウ球菌の殺菌活性値を算出し、SEK赤ラベルの合格基準(一般社団法人繊維評価技術協議会における制菌加工(特定用途)基準、洗濯回数0回)を満たしているものを「○」、満たさなかったものを「×」とした。
湿潤時のpH
試料を0.5g切片にカットし、25gの中和水(pH6.9)及び希塩酸溶液(pH5.0)と水酸化ナトリウム溶液(pH9.0)に、それぞれ10分間浸漬後、各溶液のpHを測定した。pHがより中性に近いほどpH緩衝性能が高いと判断した。
(1)基材の作製
30番手の綿糸を用いて、幅7.5cm筒状丸編物を作製した。
(2)消臭剤等の作製
(2-1) 二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の作製
下記成分からなる液1および液2をそれぞれ調製した。
<液1の成分>
硫酸亜鉛・7水和物(和光純薬工業株式会社製) 39.6重量%
水 60.4重量%

<液2の成分>
3号ケイ酸ソーダ(東曹産業株式会社製) 29.4重量%
水 70.6重量%

なお、本実施例で使用したケイ酸ソーダは、NaO:SiOのモル比が、1:3.2であるものを用いた。また、以下で使用する3号ケイ酸ソーダについても同様である。
次いで、液1(100mL)と液2(340mL)を室温で混合して作製したゲルを、200mL採取した。
次いで、採取したゲルに下記成分からなる液3および液4を、それぞれ液温40℃に調整した状態で同時に100mL滴下し、90分間攪拌してスラリーを作製した。

<液3の成分>
硫酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製) 10.8重量%
水 89.2重量%

<液4の成分>
3号ケイ酸ソーダ(東曹産業株式会社製) 0.18重量%
水 99.82重量%

次いで、得られたスラリーをフィルターろ過し、フィルター上の残留物を水で洗浄した。その後、前記残留物を100℃で乾燥させ、さらに粉砕して二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を得た。
下記処方により、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物とポリカルボン酸塩とバインダー樹脂等を混合した。

二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物 12.0重量%
ポリカルボン酸塩(大和化学工業株式会社製、アモルデンMTS、固形分:15重量%) 3.0重量%
シリコーン樹脂(日華化学株式会社製、ネオステッカーSI、固形分:40重量%) 5.0重量%
ウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−99、固形分:20重量%) 5.0重量%
水 75.0重量%

その後、公知のディップニップ処理によってピックアップ率80重量%で基材に含浸させ、次いで150℃で1分間湿熱加熱し、ギプス用抗菌消臭性下巻き材を得た。付与量(固形分)は、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物5.2g/m、ポリカルボン酸塩0.9g/mであった。評価結果を表1に示す。
下記処方により、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物とポリカルボン酸塩とポリフェノールとバインダー樹脂等を混合した。

二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物 12.0重量%
ポリカルボン酸塩(大和化学工業株式会社製、アモルデンMTS、固形分:15重量%) 3.0重量%
ポリフェノール(リリース科学工業株式会社製 パンシルFG−25) 5.0重量%
シリコーン樹脂(日華化学株式会社製、ネオステッカーSI、固形分:40重量%) 5.0重量%
ウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−99、固形分:20重量%) 5.0重量%
水 70.0重量%

その後、公知のディップニップ処理によってピックアップ率80重量%で基材に含浸させ、次いで150℃で1分間湿熱加熱し、ギプス用抗菌消臭性下巻き材を得た。付与量(固形分)は、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物5.2g/m、ポリカルボン酸塩0.9g/m、ポリフェノール1.0g/mであった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、基材に何も付与しなかった丸編物を比較例1とした。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
下記処方により、ポリカルボン酸塩とバインダー樹脂等を混合した。

ポリカルボン酸塩(大和化学工業株式会社製、アモルデンMTS、固形分:15重量%) 3.0重量%
シリコーン樹脂(日華化学株式会社製、ネオステッカーSI、固形分:40重量%) 5.0重量%
ウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−99、固形分:20重量%) 5.0重量%
水 87.0重量%

その後、実施例1と同様にして比較例2のギプス用抗菌消臭性下巻き材を得た。付与量(固形分)は、ポリカルボン酸塩0.9g/mであった。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
下記処方により、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物とバインダー樹脂等を混合した。

二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物
12.0重量%
シリコーン樹脂(日華化学株式会社製、ネオステッカーSI、固形分:40重量%) 5.0重量%
ウレタン樹脂(三洋化成工業株式会社製、パーマリンUA−99、固形分:20重量%) 5.0重量%
水 78.0重量%

その後、実施例1と同様にして比較例3のギプス用下巻き材を得た。付与量(固形分)は、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物5.2g/mであった。評価結果を表1に示す。
[評価]
実施例1及び2のギプス用下巻き材はいずれも、アンモニア、酢酸、硫化水素の各悪臭に対し、優れた消臭率を発揮し、且つ、2週間経過しても、消臭性能及び抗菌性能が維持されており、優れていた。
実際に2週間装着した試料自体の官能評価においても、ほとんど臭いを感じられないという結果であった。
また、2週間使用後においてのpH緩衝作用が良好で、いずれも中性領域で安定していた。
一方、比較例1〜3の下巻き材は、臭気全般に対し、十分な消臭率を発揮することができなかった。
pHの緩衝作用も不安定であった。
Figure 2014083070

Claims (3)

  1. セルロース系繊維を含む布帛であって、その表面及び/又は内部に、
    二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物とポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩が付与されてなり、湿潤時にpH5.0〜8.0を示すことを特徴とするギプス用抗菌消臭性下巻き材。
  2. セルロース系繊維を含む布帛であって、その表面及び/又は内部に、
    ポリヒドラジド化合物及び/またはポリフェノールが付与されてなる請求項1記載のギプス用抗菌消臭性下巻き材。
  3. ギプス用抗菌消臭性下巻き材が伸縮性筒状編地である請求項1または2記載のギプス用抗菌消臭性下巻き材。
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