JP2017193671A - 活性エネルギー線硬化型印刷用インキおよび印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型印刷用インキおよび印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、良好な静置流動性、および良好な連続印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物、(メタ)アクリレート化合物、樹脂および顔料を含有する、活性エネルギー線硬化型インキ。一般式(1) Q−(−X−Y)n(式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−または−CH2NHCOCH2NH−Y2−、ただし、Y2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、一般式(2)で示される基)【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型印刷用インキに関する。
近年、オフセット印刷は、活性エネルギー線硬化型インキが活性エネルギー線の瞬間照射により瞬時乾燥(硬化)が可能であるため、印刷直後から後加工(書籍化、パッケージの断裁、折り加工、ニス塗工など)が実施でき、短納期化が可能になり生産性が大きく向上できるため、1日程度の乾燥時間を要する酸化重合型インキからの代替が急速に進んでいる。
オフセット印刷用インキは、インキ中で顔料は、微細に分散された状態で存在しており、これが良好な印刷紙面の品質(色再現性、光沢、透明性等)を得る上で必要不可欠である。
一方、オフセット印刷は、印刷版上で非画線部に湿し水が供給されることでインキと湿し水の反発によりインキ層の画像を形成し、得られた画像がブランケットを介して紙面へ転写され印刷物を得る印刷方式である。そのため連続印刷中は、通常インキ中へ湿し水が混入しインキが乳化された状態で使用される。さらに連続印刷する枚数の多い長時間の印刷では継続的にインキ中に湿し水が供給され乳化が進行する。この乳化が進行していく状態において、オフセット印刷用インキは、印刷初期から終了にかけて同等性能の印刷物(印刷初期から終了までの、各印刷紙面間の印刷濃度の変化が小さいこと、乳化されたインキによる汚れ(地汚れ)が発生しないこと)が得られること、かつ乳化されたインキによる印刷機の汚れ(乳化したインキが印刷機の湿し水供給ローラ上へ付着し汚れが発生すること(湿し水供給ローラの汚れは湿し水の供給量を不安定化するため印刷機を停止した洗浄が必要となり生産性が低下する))が発生しにくいこと、等の適性(以下、総称して連続印刷適性という)を具備する必要がある。これらの適性を保持するためには、乳化状態においても、顔料が微細に分散された状態が適切な範囲で維持される必要がある。
また、オフセット印刷用インキは、顔料が微細に分散されているため粘性面ではチキソトロピック性が高くなりインキの静置流動性が低下する。静置流動性が低いインキは、長時間の印刷を行うと印刷機内のインキ供給元であるインキつぼ内でインキの流動性が低下してしまう。そのため、印刷機への(印刷版への)インキ供給が滞り印刷紙面の濃度低下が発生し紙面品質が損なわれる問題がある。
そこで、特許文献1では、3官能(メタ)アクリレートとポリエステルを顔料分散に使用した活性エネルギー線硬化型印刷用インキが開示されている。
特開2003−342514号公報
しかし、従来の活性エネルギー線硬化型インキは、酸化重合型インキに比べ、連続印刷適性および静置流動性が著しく劣っていた。そのため、連続印刷時の初期の印刷品質が、終期には維持し難く印刷品質が低下しやすい問題があった。さらに、乳化したインキによる湿し水供給ローラの汚れが発生しやすく、紙面品質の低下が起こるため、印刷を停止して湿し水供給ローラを洗浄する回数が増えることで生産性が低下する問題があった。
本発明は、良好な静置流動性、および良好な連続印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、下記一般式(1)で示される化合物、(メタ)アクリレート化合物、樹脂および顔料を含有する。
一般式(1) Q−(−X−Y)n
(式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SONH−Y2−または−CHNHCOCHNH−Y2−、ただしY2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、下記一般式(2)で示される基)
一般式(2)
Figure 2017193671
(式中、Y3は、水素原子、ハロゲン原子、−NO、−NHまたは−SOH、kは1〜4の整数、k=1〜3の場合、Y3はベンゼン環のカルボキシル基結合部位を除く任意の位置に結合、ただし、Y3が水素原子の場合はkは4、その他の場合でkが1〜3の場合は残りのY3は水素原子、mは1〜6の整数を表す。)
上記の本発明によれば、一般式(1)で示される化合物を使用することで、顔料に微細な分散状態の安定性が向上することで、連続印刷適性が向上したことに加え、インキのチキソトロピック性を低下できたことで良好な静置流動性が得られた。
本発明により良好な静置流動性、および良好な連続印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型インキを提供できる。
まず、本発明で用いる用語を定義する。本発明における活性エネルギー線とは、(メタ)アクリロイル基が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーを有する紫外線、電子線等を意味する。また、(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物である。また、モノマーは、エチレン性不飽和二重結合含有単量体である
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、下記一般式(1)で示される化合物、(メタ)アクリレート化合物、および樹脂を含有する。
一般式(1) Q−(−X−Y)n
(式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SONH−Y2−または−CHNHCOCHNH−Y2−、ただしY2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、下記一般式(2)で示される基)
一般式(2)
Figure 2017193671
(式中、Y3は、水素原子、ハロゲン原子、−NO、−NHまたは−SOH、kは1〜4の整数、k=1〜3の場合、Y3はベンゼン環のカルボキシル基結合部位を除く任意の位置に結合、ただし、Y3が水素原子の場合はkは4、その他の場合でkが1〜3の場合は残りのY3は水素原子、mは1〜6の整数を表す。)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ(以下、インキともいう)は、印刷インキとして使用できる。印刷インキは、例えばオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等、公知の印刷方法で使用できるところ、オフセット印刷が好ましい。
本発明のインキは、(メタ)アクリレート化合物と、樹脂と、顔料と、一般式(1)で示される化合物とを含むところ、光硬化型インキである場合、さらに光重合開始剤を含むことが好ましい。これに対して、インキが電子線硬化型インキの場合、必ずしも光重合開始剤を含む必要はない。
本発明において(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロリル基を1つ以上有する化合物である。(メタ)アクリレート化合物は、通常、活性エネルギー線硬化型インキに使用されている化合物を使用できる。そのため、(メタ)アクリレート化合物は、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーを使用することができるところ、特に印刷物の乾燥性(硬化性ないし重合性ともいう)の観点から3官能以上のモノマーを組み合わせて使用することが好ましい。乾燥性が十分であれば、ブロッキング(重ね置きした印刷物の下側印刷物のインキが上側印刷物の裏側に付着すること)、擦れ(印刷部が他の紙面とのこすれなどで傷がつくこと)等が発生せず品質が良好な印刷物を作製できる。
3官能以上のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
3官能モノマーは、例えばグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能以上のモノマーは、例えばペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとして、これらのモノマーに、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体を反応させた(メタ)アクリレートの変性体も好ましい。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーは、脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(例えば、アルキレンオキサイドの2〜20ユニット付加体)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体が好ましい。アルキレンオキサイドは、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド等が好ましい
前記変性体のうち3官能モノマーは、例えばグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(C2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、前記変性体のうち4官能以上のモノマーは、例えばペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(炭素数2〜20)アルキレンオキサイドテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレートジトリメチロールエタンポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(炭素数5〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレートトリペンタエリスリトールポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(炭素数2〜20)アルキレン(炭素数2〜20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物は、単独または2種類以上を併用できる。
(メタ)アクリレート化合物は、インキを作製することが可能であれば任意の含有量で
インキ中に使用することができる。例えば、印刷インキ中に10〜60質量%の範囲で使用することが好ましい。これにより十分な乾燥性が得られる。
本発明において樹脂は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が好ましい。樹脂を含むとインキは、粘度が向上し、耐乳化性を向上する。樹脂は、(メタ)アクリレート化合物との相溶性が良好で溶解可能な樹脂が好ましい。なお溶解性は、樹脂50gおよびジトリメチロールプロパンテトラアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50gとを容器に仕込み、100℃で熱溶解させる。次いで25℃で一日放置後、樹脂の析出ないし溶液の濁り等が新たに生じないことである。なお、前記熱溶解後、前記溶液には、印刷物の品質に影響がない程度の濁りがあっても良い。
樹脂は、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリビニルアセタール、ジアリルフタレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの中でもジアリルフタレート樹脂は、一般式(1)で示される化合物と併用した場合、連続印刷適性、静置流動性が著しく向上するため特に好ましい。ジアリルフタレート樹脂は、オルソジアリルフタレート樹脂、イソジアリルフタレート樹脂のいずれを使用することも可能であり、これらを単独または併用できる。
樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
樹脂は、顔料100質量部に対して、5〜25質量部含有することが好ましい。この範囲であれば、一般式(1)で示される化合物と併用した場合、連続印刷適性および静置流動性がより向上する。
本発明において顔料は、公知の顔料であり有機顔料、無機顔料が好ましい。
有機顔料は、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料;β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料。銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料。キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系などの多環式顔料および複素環式顔料、無機顔料はカーボンブラックなどの公知公用の各種顔料が使用できる。
有機顔料をC.I.カラーインデックスで示すと、例えばピグメントイエロー(以下PYと略す)1、PY3、PY12、PY13、PY14、PY17、PY18、PY24、PY74、PY83、PY93、PY94、PY95、PY100、PY108、PY104、PY138、PY139、PY174、PY150、PY151、PY154、PY155、PY167、PY180、PY185等、ピグメントレッド(以下PRと略す)1、PR3、PR5、PR21、PR114、PR48、PR49、PR50、PR52、PR57、PR57:1、PR81、PR83、PR90、PR122、PR144、PR146、PR147、PR148、PR150、PR166、PR170、PR176、PR177、PR168、PR169、PR172、PR173、PR174、PR184、PR185、PR187、PR193、PR202、PR214、PR242、PR254、PR255、PR264、PR266、PR269等、ピグメントブルー(以下PBと略す)1、PB2、PB14、PB15、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB60、PB62等、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)1、PV2、PV3、PV4、PV12、PV23、PV39、ピグメントグリーン(以下PGと略す)1、PG2、PG3、PG4、PG7、PG36、PG45、PG58等、ピグメントブラウン25、ピグメントオレンジ(以下POと略す)5、PO13、PO34、PO36、PO38、PO39、PO51、PO74等、
無機顔料をC.I.カラーインデックスで示すと、例えばピグメントブラック(以下PBLと略す)PBL7等が挙げられる。
顔料は、印刷紙面上に目的の濃度が再現可能であれば任意の含有量でインキ中に使用することが可能である。例えば、インキ中に5〜30質量%含有することが一般的である。
本発明において一般式(1)で示される化合物は、樹脂と併用して顔料の分散に使用することが好ましい。インキが一般式(1)で示される化合物を含むと樹脂と顔料の親和性が大きく向上し、顔料の微細な分散状態を安定的に維持できる。これは印刷時に乳化したインキ中でも同様に安定的な顔料の微細な分散状態を保持できるため連続印刷が向上する。また、同時にインキの粘性は、チキソトロピック性が低下するため静置安定性が向上する。
一般式(1)で示される化合物は、Q−(−X−Y)n である。
ただし、式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SONH−Y2−または−CHNHCOCHNH−Y2−、ただしY2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、下記一般式(2)で示される基であり、一般式(2)は、下記化学式で示される。
一般式(2)
Figure 2017193671
ただし式中、Y3は、水素原子、ハロゲン原子、−NO、−NHまたは−SOH、kは1〜4の整数、k=1〜3の場合、Y3はベンゼン環のカルボキシル基結合部位を除く任意の位置に結合、ただし、Y3が水素原子の場合はk=4、その他の場合でk=1〜3の場合は残りのY3は水素原子、mは1〜6の整数を表す。
ここで一般式(1)で示される化合物におけるQは、n価の有機色素残基である。かかる有機色素残基は、被分散体である有機色素に由来することが好ましい。これにより一般式(1)で示される化合物は、Qが顔料親和部位となり、−(−X−Y)n部位が分散安定化部位となるためインキ中で顔料の微細な分散状態を安定的に維持し易い。
一般式(1)で示される化合物は任意の構造を使用可能であるところ、−(−X−Y)n部位は、フタルイミドメチル基(Xは直接結合、Y(フタルイミド基)はm=1、Y3:水素原子、k=4)であることが好ましい。フタルイミドメチル基を有すると、樹脂との親和性がより向上するため、インキの連続印刷適性、および静置流動性がより向上する。
インキ中に顔料として銅フタロシアニンを用いる場合、Qは銅フタロシアニン残基が好ましく、下記化学式(1)で示される化合物および化学式(2)で示される化合物が好ましい。なお、銅フタロシアニン残基には置換基としてフタルイミドメチル基(フタルイミドメチレン基ともいう)を導入した。
化学式(1)
Figure 2017193671

化学式(2)
Figure 2017193671
化学式(1)および化学式(2)ともCu-pcは、銅フタロシアニン残基
また、顔料としてキナクリドンを用いる場合、Qはキナクリドン残基が好ましく、下記化学式(3)で示される化合物が好ましい。などキナクリドン残基には置換基としてフタルイミドメチル基を導入した。
化学式(3)
Figure 2017193671
ただし、QRNは、キナクリドン残基
また、顔料としてピグメントイエロー12を用いる場合、Qはピグメントイエロー残基が好ましく、下記化学式(4)で示される化合物が好ましい。なお、ピグメントイエロー12残基には置換基としてフタルイミドメチル基を導入した。
化学式(4)
Figure 2017193671
ただし、PY12は、ピグメントイエロー12残基
また、顔料としてピグメントイエロー13を用いる場合、Qはピグメントイエロー13残基が好ましく、下記化学式(5)で示される化合物が好ましい。なお、ピグメントイエロー13残基には置換基としてフタルイミドメチル基を導入した。
化学式(5)
Figure 2017193671
ただし、PY13は、ピグメントイエロー13残基
なお、本発明に用いる顔料および一般式(1)で示される化合物は、上記の組合せに限定されないことはいうまでもない。
一般式(1)で示される化合物は、公知の合成方法で作製できる。例えば、有機顔料を変性する方法、または原料に置換基をあらかじめ導入し、その後合成する方法等により作製できる。また、例えば特開2007−191699に記載された方法も挙げられる。シアン顔料の場合は、例えばフタロシアニン顔料を変性して合成することができる。イエロー顔料の場合は、例えばPY12を原料として置換基を導入し合成することができる。
導入する置換基は、酸性置換基、塩基性置換基、中性置換基等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物は単独、または2種類以上を併用できる。
一般式(1)で示される化合物は、例えば、インキ中に0.01〜10質量%を含有することが好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がさらに好ましい。この範囲であれば連続印刷適性、静置流動性がさらに向上し、インキの色相を良好に維持できる。
インキが、光硬化型インキの場合、光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤は、一般的な光開裂型開始剤、水素引き抜き型開始剤が好ましい。光開裂型開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド化合物、アセトフェノン化合物等が挙げられる。水素引き抜き型開始剤は、ベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド化合物は、例えば2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドまたは2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
アセトフェノン化合物は、例えば2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジル-1-ブタノンまたは2-ジメチルアミノ)-2-(4メチルベンジル)-1^-4モルホリノフェニル)ブタン-1オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オンまたはオリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物は、例えば4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
チオキサントン化合物は、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9Hチオキサントン−2−イロキシ−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩等が挙げられる。
その他として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。
光重合開始剤は、インキ中に3〜20質量%を配合するのが一般的である。
光重合開始剤は、単独または2種類以上を併用できる。
インキが光重合開始剤を含む場合、触媒を配合できる。触媒は、第三級アミン化合物が好ましい。なお、第三級アミン化合物は、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、α−モルフォリノアルキルフェノン化合物およびジアルキルアミノベンゾフェノン化合物以外の化合物である。
第三級アミン化合物は、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。
第三級アミン化合物は、目的の光重合開始剤の触媒効果が得られれば任意の含有量でインキ中に配合できる。第三級アミン化合物は、インキ中に0.3〜5質量%を配合するのが一般的である。
第三級アミン化合物は、単独または2種類以上を併用できる。
インキは、さらに添加剤、体質顔料を配合できる。添加剤は、ワックス、重合禁止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独または2種類以上を併用できる。
ワックスは、印刷物に耐摩擦性、ブロッキング防止、スベリ性、スリキズ防止性を付与できる。ワックスは、天然ワックスおよび合成ワックスがある。天然ワックスは、例えばカルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。合成ワックスは、例えばフィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックスシリコーン化合物等が挙げられる。
重合禁止剤は、印刷インキに保存安定性を付与できる。重合禁止剤は、例えば(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロ_ソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
体質顔料は、インキに粘度を付与できる。体質顔料は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、タルク、シリカ等が挙げられる。体質顔料は、単独または2種類以上を併用できる。
体質顔料の配合量はインキ中に0.1〜10質量%程度である。添加剤の配合量は、インキ中にそれぞれ0.1〜10質量%程度である。
インキの作製は、(メタ)アクリレート化合物、樹脂、顔料、一般式(1)で示される化合物とを共に混練機に投入して撹拌混合を行い製造することができる。光重合開始剤、光重合開始剤の触媒、添加剤、体質顔料等を使用する場合は、先の顔料等と共に混練機に投入して撹拌混合を行い製造することができる。
混練機に投入する前、顔料等の各材料を予め配合し予備的な攪拌を加えた後、混練機に投入しインキを製造することも好ましい。また、顔料以外の成分を予め(メタ)アクリレート化合物へ各々溶解しワニスとして添加することも好ましい。また、フラッシング法を使用してインキを製造することもできる。
ワニスを作製する際は、顔料以外の成分を溶解する溶媒成分として(メタ)アクリレート化合物を用いる。これにより樹脂の流動性が向上し顔料等の成分の混合性が向上する。使用可能な(メタ)アクリレート化合物は前記載の(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。これらの(メタ)アクリレート化合物は、単独または2種類以上を併用できる。
前記撹拌混合の際、適宜、冷却して温度を20〜120℃程度に保持すると品質の良いインキが得やすくなる。混練機は、例えばニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー、ニーダー等の練肉混合装置が挙げられる。
インキは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を基本色として、前述した顔料から得られる色のインキを任意に作製できる。
本発明の印刷物は、基材と、活性エネルギー線硬化型インキから形成されたインキ層を備えている。
インキ層の形成は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等、公知の印刷方法で使用できるところ、オフセット印刷が好ましい。なおオフセット印刷は、平版印刷ともいう
インキ層の厚みは、通常0.5〜4μm程度である。
基材は、印刷物に使用されている公知の素材を使用できる。基材は、例えば上質紙等の非塗工紙、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙等の塗工紙、白板紙、ボールコート等の板紙、合成紙、アルミ蒸着紙、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートが挙げられる。
インキは、印刷で形成したインキ層に対して活性エネルギー線を照射して乾燥(硬化)することで硬化物としている。活性エネルギー線は、例えば紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波等であるところ、ラジカル性活性種を発生させ得るならばいかなるエネルギー線でも良く、可視光線、赤外線、レーザー光線でもよい。紫外線の光源は、例えば超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ヘリウム・カドミニウムレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、LEDランプ等がある。光源は、オフセット印刷等の光硬化型インキに用いられるものであればよい。具体的には、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプなどでは40W〜240W、LEDランプでは2W〜20W程度の光源が好ましい。なお、印刷速度、装置構成上の印刷物とランプの距離、インキ層の乾燥状態に合わせ、光源の本数等を適宜調整して使用できる。
本発明の印刷物は、例えばフォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種
包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印
刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)、広告、チラシ、パンフレット
用印刷物などに使用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。本実施例において「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。また、表中の配合量は、質量部である。
1.樹脂ワニスの作製
まず樹脂ワニスを製造した。ワニスは、ジアリルフタレート樹脂/ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート/ハイドロキノンを質量比で30/69.9/0.1の割合で仕込み、空気気流下、100℃で撹拌混合を行い溶解させて製造した。
2.活性エネルギー線硬化型印刷インキの作製
(実施例1)
ピグメントブルー15:3 18.0部、化学式(1)で示される化合物0.9部、樹脂ワニス42.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10.0部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート12.0部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンテトラアクリレート7.05部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モロフォリノプロパン−1オン3.0部、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.0部、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン1.0部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド1.0部、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン0.05部、炭酸マグネシウム3.0部を測り取り、攪拌した後、3本ロールミルにて分散し、ろ過を行うことでインキを得た。
(実施例2〜6)
実施例1の配合を表1に記載された通りに変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、それぞれ実施例2〜9のインキを得た。
(比較例1〜2)
実施例1の配合を表1に記載された通りに変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、それぞれ比較例1〜2のインキを得た。
得られたインキについて以下の試験を実施した。
1.連続印刷適性(印刷紙面間の濃度、地汚れ)
得られたインキについて、下記印刷機を使用して連続印刷テストを行い、それぞれ30
00枚、8000枚、12000枚、16000枚毎にサンプリングを行い印刷物の濃度安定性、および印刷物の汚れ(地汚れ)の有無の目視観察、を実施した。評価基準は下記の通りである。
<地汚れ>
〇:インキ層非形成部に汚れが無く、良好な印刷物が得られた。
△:インキ層非形成部にわすかに汚れたが実用可能な印刷物が得られた。
×:インキ層非形成部に汚れがあり、実用不可の印刷物が得られた。
<濃度安定性>
上記同様に連続印刷テストを行い、印刷開始後200枚目の印刷物の濃度値を基準とし、各印刷枚数での印刷物べた部の濃度値を測定し、上記基準に対する濃度変化を比率で示した。値が1に近いほど濃度を維持しており良好である。印刷物の濃度の測定はX-riteEXACT(D50、2度視野、ISOStatusE)(ビデオジェット・エックスライト社製)を用いた。
2.連続印刷適性(湿し水供給ローラの汚れ)
得られたインキについて、上記同様に連続印刷テストを行い、それぞれ5000枚、15000枚、30000枚で印刷機を停止し、湿し水供給ローラの汚れの状態を目視で確認し、必要に応じて湿し水供給ローラを洗浄した。評価基準は、各枚数まで印刷するにあたり必要な洗浄回数として記載した。
(印刷条件)
・オフセット印刷機:LITHRONE26(小森コーポレーション製)
・PS(presensitized plate)版:XP−F(FFGS社製)
・用紙:パールコートN(三菱製紙社製)
・湿し水:水道水/アストロマーク3(日研化学研究所社製)/イソプロピルアルコール=95重量%/2重量%/3重量%の比率で混合
・印刷条件:温度25±1℃、印刷速度8000枚/時
・印刷操作条件:湿し水供給装置の目盛りを印刷物に汚れが生じない最小値に設定した。
2.静置流動性評価
得られたインキを25℃雰囲気で60°に傾けた真鍮製の傾斜板の上に3g垂らし、インキの着地点から10分間に流動した距離を測定し静置流動性として評価した。なお、評価基準は、インキの流れた長さが長いほど良好であるとした。単位はmmで表記する。
Figure 2017193671
表1の結果より実施例1〜6は、静置流動性が良好である。また、連続印刷を行ったときに地汚れが少ないため損紙が少なく印刷物の生産性が向上する。また、連続印刷を行ったときにインキ層の濃度変化が抑制できたことで、一旦、印刷機を停止して洗浄を行う回数を低減できる点でも印刷物の生産性が向上する。
一方、比較例1および2は、化学式(1)で示される化合物を含まないため、インキの静置流動性が従来同様であった。また、連続印刷の際、インキ中で顔料を微細な分散状態に保つことができないため、上記効果が得られず生産性を向上させることが出来なかった。

本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、下記一般式(1)で示される化合物、(メタ)アクリレート化合物、ジアリルフタレート樹脂および顔料を含有する。
一般式(1)
Q−(−X−Y)n
(式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−または−CH2NHCOCH2NH−Y2−、ただしY2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、下記一般式(2)で示される基)
一般式(2)

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物、(メタ)アクリレート化合物、樹脂および顔料を含有する、活性エネルギー線硬化型インキ。
    一般式(1) Q−(−X−Y)n
    (式中、Qはn価の有機色素残基、nは1〜4の整数、Xは直接結合(Xを介さずQ−Yとなるもの)、−CONH−Y2−、−SONH−Y2−または−CHNHCOCHNH−Y2−、ただしY2は直接結合(Y2を介さずYと結合する)、または置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基、Yは、下記一般式(2)で示される基)
    一般式(2)
    Figure 2017193671
    (式中、Y3は、水素原子、ハロゲン原子、−NO、−NHまたは−SOH、kは1〜4の整数、k=1〜3の場合、Y3はベンゼン環のカルボキシル基結合部位を除く任意の位置に結合、ただし、Y3が水素原子の場合はkは4、その他の場合でkが1〜3の場合は残りのY3は水素原子、mは1〜6の整数を表す。)
  2. 活性エネルギー線硬化型インキ中に前記一般式(1)で示される化合物を0.01〜10質量%含む、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  3. 前記樹脂がジアリルフタレート樹脂である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  4. オフセット印刷用インキであることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  5. 基材と、請求項1〜4記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化物であるインキ層とを備えた、印刷物。


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