JP2017179115A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた裏移り防止効果と耐摩耗性を与えられ印刷時のパイリングと特に酸化重合乾燥型インキの印刷で起こる圧胴汚れが解消できる印刷インキ組成物を提供する。【解決手段】印刷インキ中に、体積平均粒径が2〜9μmの範囲であって、粒径10μmを超える粒子の体積含有率が5容量%超20容量%以下である複合粒子(A)を分散させた印刷インキ組成物。複合粒子(A)は、印刷インキに溶解しないワックスのような固形高分子粒子(A−1)と、主としてその外周に付着した平均粒径5〜10000nmの無機微粒子(A−2)からなる。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷インキ組成物、特にオフセット平版印刷機(なかでも、オフセット枚葉機)での印刷に適した印刷インキ組成物に関する。
オフセット平版インキで刷られた印刷物の印刷面は、印刷直後に他の印刷物の裏面などと接触して擦られる。印刷機で刷られた印刷物は積み重ねられ、印刷面は印刷されたインキの組成物が接触物の表面に融着するいわゆる裏移りと呼ばれるブロッキング現象を起こす場合がある。このブロッキング現象が生じると、印刷面を著しく劣化させるとともに接触物表面を汚染するという問題を引き起こす。
また、特に酸化重合により乾燥する枚葉印刷インキにおいて、片面を印刷した後に裏側を印刷する場合(両面印刷の場合)、印刷機の金属製圧胴に先刷りの印刷面が接触するので多量の印刷物を刷ると圧胴に未乾燥のインキや剥離したインキが付着してしまい印刷物が汚れる圧胴汚れが見受けられる。その場合は、印刷機のオペレーターが圧胴の汚れを拭き取る作業が生じるため印刷の作業効率が著しく悪くなる。
また、紫外線硬化型インキの枚葉印刷の場合も同様で、十分な紫外線照射による乾燥が得られない時に未乾燥のインキや剥離したインキが付着してしまい印刷物が汚れてしまうブロッキング現象が発生する。
また、グラビア印刷においても紙やフィルムなどに印刷した後、巻き取られた紙やフィルムが未乾燥のインキによって裏面が汚れることがあり、酷い時には接着してしまうなどのブロッキング現象や、印刷後の印刷物面同士や印刷物面と裏面との接触で擦られてしまうなどの問題がある。
このような問題点を解決するため、現行、特に酸化重合乾燥のオフセット印刷インキはコーンスターチ、シリコーン処理コーンスターチ、シリコーン処理タピオカスターチなどを印刷面へ散布してブロッキング現象を防止している。しかし、これらスターチの散布は、粉塵による印刷室内の汚れ、機器の誤作動やオペレーターの健康被害などが生じるおそれが高く、多くの問題を抱えている。
また、印刷適性上問題にならない量の微細な粒子であるスターチやシリコーン処理スターチなどを印刷インキへ添加することが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術においても、十分な裏移り防止効果は得られていないし印刷物の光沢の落ちも激しい。
近年は、グラビア印刷を含むオフセット印刷インキ中にオレフィン系樹脂粉末やワックスのような固形高分子からなる微粒子を添加して、印刷後の印刷表面に非粘着性や滑性を付与する突起を形成させて印刷面の粘着性の防止や耐摩耗性の向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この提案の固形高分子からなる微粒子は体積平均粒度が0.3〜20μmで、好ましいものは0.3〜15μmである。しかし、このような固形高分子からなる微粒子の体積平均粒子径が2μm以下の場合はブロッキング防止効果及び耐摩耗性効果が劣り、かつ体積平均粒子径が10μm以上の粗大な平均粒子径の固形高分子は、印刷適性上問題があり、版残りやブランケット残りなどのパイリング現象が起きてしまう。また、仮に印刷が極めて小ロットで印刷が可能な場合でも印刷物は大きな突起とオレフィン系樹脂粉末やワックスのような固形高分子のみではインキ成分との濡れの悪さにより光沢が低下してしまう。
更に印刷層の厚みに対してオレフィン系樹脂粉末の粒子径が2〜50倍の微粒子を添加している同様な提案がある(例えば、特許文献3参照)。ところが通常の印刷されたオフセット平版印刷インキの厚みは0.2〜2μm程度なのでオレフィン系樹脂粉末の平均粒子径は0.4μm〜100μmとなり印刷適性上の問題点と印刷物の光沢が劣る粗大粒子を含んでいる。また、この文献ではオレフィン樹脂以外を核としその表面にオレフィン樹脂を含有する粒子として保護コロイド粒子も提案されているが耐摩耗性及びブロッキング防止の点で十分とは言えない。
また、アクリル/コアシェルポリマーを含有する印刷インキの提案もあるが(例えば、特許文献4参照)、この提案における印刷インキは耐摩耗性とブロッキング防止効果が劣っている。また、水溶性高分子のポリビニールアルコール系樹脂粉末を印刷インキに添加する提案もあるが(例えば、特許文献5参照)、この提案では耐摩耗性効果は非常に劣っている。
上記したように、通常の印刷されたインキの厚みは0.2〜2μm程度なので、一般に、印刷面にこのような非粘着で滑性の突起を形成するための固形高分子粒子の粒径は2μm以上のある範囲に調節された粒度分布を持つものであることが望ましい。その理由は、固形高分子粒子の平均粒径が2μm未満であると固形高分子粒子が印刷されたインキ層中に埋もれてしまい非粘着性や滑剤としての効果が得られなくなってしまうためである。この点からすると、平均粒子径が0.08〜0.3μmのポリオレフィンワックスの添加が提案されている水性分散液及び印刷方法(例えば、特許文献6参照)は、耐摩耗性効果とブロッキング防止効果が著しく劣る。
逆に、固形高分子粒子の粒径がインク厚みに対して大きすぎると、印刷中に粒子がインキングロール、版あるいはブランケット上に残りこれが徐々に蓄積しパイリングして印刷画質を劣化させたり、版上で凝集して突起を生じた部分が白抜けするいわゆるヒッキー現象を引き起こしたりする。しかしながら固形高分子粒子をこのような所望の粒度範囲に調製し、かつインキ中に安定に分散させることは困難であり、現状では大粒径粒子を含むことから生じる版汚れやブランケット汚れなどのパイリング問題を完全に解決するまでには至っていない。
また、粒子径が1.0〜10.0μmの真球の水性ポリオレフィンワックスの印刷インキへの提案もある(例えば、特許文献7参照)。ところが、オフセット平版印刷インキが油性の為、湿し水を使用するオフセット平版インキでは乳化バランスが崩れ易い。また、界面活性剤の添加も印刷適性上問題となり版残りなどのパイリングが起こる。更にインキの濡れが悪い為、印刷物の光沢の劣化が激しい。
また、UV用の裏移り防止効果があるものとして真球状ポリメタクリレートを添加する提案もある(例えば、特許文献8参照)が、この粒子は耐摩耗性効果はまったくない。
なお、高速印刷の場合にはインキが版から転写する際などに固形高分子粒子が分離して飛び散るいわゆるミスティングの原因になる問題もある。これらは、固形高分子粒子がインキビヒクルとの親和性が低いことによるものであり、この観点から分散粒子の表面をビヒクルと親和性のある界面に改質することが重要となっている。
印刷面と裏面あるいは他の物質表面との間の非粘着性及びすべり性も重要で、印刷面の表面に突起として存在するワックスなどが時として著しい低摩擦係数を実現することがあり、このような場合印刷物を積み重ねることが難しくなる。特にPTFE単独微粒子の添加がこの問題を引き起こす。これを調節する方法として、印刷インキ中に適当な粒径の無機粉末が添加されるが印刷物の透明度や光沢度を低下させ、信頼性のある摩擦係数制御を実現するには至っていない。
このような点に対して、本出願人はすでにワックスと無機微粒子とからなる複合粒子を用いた印刷インキ組成物が、耐パイリング性を改善でき、耐摩耗性も良好で、印刷物の光沢も保持できる印刷インキ組成物を提案している(例えば、特許文献9参照)。ところで、この印刷インキ組成物は、概ね良好な印刷適性を有しているが、特に、酸化重合乾燥型の枚葉インキに使用した場合、ブロッキング効果や圧胴汚れ防止の効果においてさらなる特性の向上を求められている。
特開平01−306481号公報 特許第3651892号公報 特開2010−47670号公報 特表2014−514367号公報 特許第5669345号公報 特許第4143165号公報 特開2013−216734号公報 特開平07−331152号公報 特許第4869946号公報
本発明は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、オフセット印刷に好適な印刷インキにおいて、従来から課題となっていた以下の問題の解決された印刷インキ組成物を提供することを主たる目的とする。
(1)耐摩耗性に優れ、かつ優れたブロッキング防止効果を奏するとともにヒッキー現象を起こすことのない版汚れやブランケット汚れなどを解消した印刷インキ組成物を提供する。
(2)酸化重合乾燥型印刷インキを用いてオフセット枚葉用の両面印刷を行った場合に、先刷りインキが圧胴に取られず圧胴を汚すことがなく、かつ先刷りの印刷物を汚さないで高光沢を有する印刷物を与える印刷インキ組成物を提供する。
(3)紫外線硬化型印刷インキにおいても、良好な耐摩耗性を示すとともに紫外線照射が十分でなく未乾燥が原因で起こるブロッキング現象を防止する効果のある印刷インキ組成物を提供する。
(4)溶剤型のグラビアインキに対してもパイリングの少なく、優れた耐摩耗性効果があり、かつ優れたブロッキング防止効果を与える印刷インキ組成物を提供する。
本発明は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、印刷インキにおいて従来から課題となっていた以上の問題の解決された印刷インキ組成物を提供することを主たる目的とする。
本発明の印刷インキ組成物は、印刷インキ中に、複合粒子(A)を含有する印刷インキ組成物であって、前記複合粒子(A)が、印刷インキ中に溶解しない樹脂、ワックス又はこれらの混合物からなる固形高分子粒子(A−1)と平均粒径5〜1000nmの無機微粒子(A−2)とからなり、前記複合粒子(A)の体積平均粒径は2〜9μmの範囲内であって、粒径10μmを超える粒子の体積含有率が5容量%超20容量%以下であり、前記無機微粒子(A−2)が前記固形高分子粒子(A−1)の表面を被覆するように付着して前記複合粒子(A)が形成されていることを特徴とする。
本発明の印刷インキ組成物は、従来固形高分子粒子を添加する場合に問題となっていた印刷時のパイリングや版残りが改善されており、しかも印刷時及び印刷後の印刷面の耐摩耗性を向上させた優れた印刷物となり、印刷物の積み重ねによるブロッキング現象を著しく低減できる。
また、固形高分子粒子の表面を無機微粒子が被覆しているので、インキビヒクルとの親和性が良好で、ヒッキー現象等を起こすことがなく、かつ特に酸化重合乾燥型のオフセット枚葉用の両面印刷の場合の先刷りインキが圧胴に取られず圧胴を汚すことがなくなるため、先刷りの印刷物を汚さないで高光沢を有する印刷物を与えることができる。
また、複合粒子は、インキビヒクル中に少量添加しても顕著な滑り特性の改善効果があり、印刷物の透明度や光沢度を低下させることはない。
本発明は、上記したように印刷インキ中に、複合粒子(A)を含有させた印刷インキ組成物であり、特に複合粒子(A)に特徴を有する。以下、本発明をより詳細に説明する。
まず、本発明で用いる印刷インキは、公知の印刷インキであれば特に限定されずに用いることができ、なかでもオフセットインキが好ましい。
ここで使用するオフセットインキは、例えば、一般に使用される酸化重合型のオフセット平版インキ、紫外線硬化型のオフセット平版インキ、溶剤型のグラビアインキ等、が挙げられる。
例えば、酸化重合型オフセット平版用インキとしては、顔料として黒インキのカーボンブラック、藍インキのフタロシアニンブルー、紅インキのブリリアントカーミン6Bや黄インキのピグメントイエローなどのアゾ系顔料、キナクリドン顔料など15〜25質量%、固着成分としてはロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂などの合成樹脂成分を20〜30質量%、大豆油、亜麻仁油、大豆油脂肪酸ブチルエステルなどの半乾性油や乾性油を20〜40質量%、アロマフリーなどの鉱油20〜30質量%、ドライヤーや酸化防止剤などの助剤1〜10質量%で構成されたインキが使用できる。
また、例えば、紫外線硬化型平版インキとしては、酸化重合型平版インキに使用している顔料15〜25質量%、固着剤は各種のアクリル系プレポリマーやモノマー(例えばビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ジペンエリスリトールペンタアクリルレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物やメタクリレートなど)を60〜70質量%、光重合開始剤(例えば、ラジカル反応タイプとしてはアルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、オキシムエステル系、分子内水素引き抜きタイプ、カチオン反応タイプなどやこれらのブレンドなど)を5〜10質量%、助剤としては重合禁止剤やインキ硬さ調整用ベントナイトなど5〜10質量%、で構成されたインキが使用できる。
グラビアインキとしては、オフセット平版インキに使用している顔料が使用でき、添加量は5〜30質量%、体質顔料として例えば脂肪酸処理炭酸カルシウム、ロジン酸処理カルシウムを0〜5質量%、固着剤は(例えば、ニトロセルロース、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ロジン系やこれらの混合樹脂などの合成樹脂)20〜40質量%、溶剤は低沸点で樹脂との相溶性の良い溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルシクロへキサン、シクロヘキサノン、エチレングリコール類やこれらの混合液など)40〜70質量%、沈降防止剤などの補助剤0〜10質量%で構成されたインキが使用できる。
本発明に用いる複合粒子(A)は、通常、無機微粒子(A−2)が実質的に固形高分子粒子(A−1)の表面を被覆するように付着(一部が埋没した形態も含む)しており、その体積平均粒径は2〜9μmの範囲内であり、好ましくは4〜8μmである。なお、ここで「被覆」とは、多数の無機微粒子(A−2)が固形高分子粒子(A−1)の表面に、上記したブロッキング現象やヒッキー現象を抑制する程度に点在していればよく、完全に覆っている必要はない。
また、本明細書中における「体積平均粒径」は、ベックマンコールター社製のコールターカウンターにより測定された体積平均粒径値である。印刷インキ組成物中に含まれる複合粒子(A)の平均粒径が2μmを下回ると、本発明の本来の目的である耐摩耗性やブロッキング性を与える有効成分として作用しなくなるので好ましくない。また、平均粒径が9μmを超える場合には、耐摩耗性やブロッキング性の改善に対しては効果的であるが、版、ブランケット、あるいはインキングロール上にパイリングして版汚れなどの原因となり、光沢度や透明度を劣化させるので好ましくない。平均粒径が9μm以下であっても、複合粒子の粒度分布が広く10μmを超える粒子を20容量%を超えて含む場合、特にパイリングし易くかつ版残りが多くなる為、好ましくない。また、10μmを超える粒子が5容量%以下である場合、特に、酸化重合乾燥型のオフセット枚葉用の両面印刷の場合の先刷りインキが圧胴に取られて圧胴を汚すおそれがあり好ましくない。この10μmを超える粒子の含有量は、好ましくは6〜18容量%である。なお、この容量%は、無機微粒子(A−2)全体を100容量%としたとき、粒径が10μmを超える粒子の割合を示したもので体積%と同義である。
本発明に用いる固形高分子粒子(A−1)としては、フッ素樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂、天然ワックス、合成ワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン、ポリプロピレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合ワックス、エステルワックス、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、アマイドワックス、などのワックス又はこれらの複合物からなる粉体等が例示される。これらの粉体は、融点が70℃〜400℃のもの、又は融点のない架橋物を用いることができる。なお、本発明に使用されるワックスは長鎖の炭化水素鎖を含み、粘度がある温度で急激に低下する物質の総称であり、本発明には炭化水素鎖中の炭素数が少なくとも10個以上のパラフィン鎖を含むワックスが適している。
本発明に用いる無機微粒子(A−2)としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ベントナイト、モンモリロナイトなどから選ばれる金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素のような金属窒化物、炭化珪素のような金属炭化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムのような金属硫酸化物、炭酸カルシウム、二硫化炭素をはじめとする硫化物、蛍石、フッ化炭素などのフッ化物の一種あるいは混合物からなる微粒子で一次平均粒径が5nmから1000nmのものが用いられる。無機微粒子(A−2)の平均粒径は、水に分散した状態で日機装(株)製ナノトラックUPA−EXによって測定された値である。なお、通常粒径が100nm以下の粒子は凝集した粒子を含む粒子径として測定される。これらの一次平均粒子径は複合粒子(A)の表面に付着した状態で存在し得るため、実際に使用されている状態での粒子径は粒子表面の電子顕微鏡画像によって測定される。
複合粒子は(A)は、母体となる固形高分子粒子(A−1)と無機微粒子(A−2)を、所望の割合に配合した後、ヘンシェルミキサー、サンドグラインダー、ビーズミル、アトライター、ボールミル、ニーダー、ロールミル、2軸混練機、トルネードミル、ジェットミル、ピンミル、機械式ミル、などを用いて、高速かつ、強剪断力下で、所望の温度以下で混合することにより樹脂粒子又はワックス粒子の表面に均一に無機微粒子を被着させて得ることができる。また固形高分子粒子(A−1)は先に微細化と球形化処理を行い、後に無機微粒子(A−2)を表面に付着させることもできる。この場合、固形高分子粒子(A−1)は融点以上に加熱溶融させ、後に冷却する方法やスプレー法等により得ることができる。
これらの混合工程においては、固形高分子粒子(A−1)の破砕・摩耗によって微粒子が生じ、その表面に、さらに無機微粒子が付着するので、混合条件を選択することによって複合粒子(A)の粒子径は比較的自由に調節することができる。このような混合工程で得られた複合粒子(A)は、実質的に、無機微粒子(A−2)によって、その表面が被覆されたものが多いが、たとえば摩耗粉が再結合して形成される複合粒子では無機微粒子は複合粒子の内部にも存在する。
また、固形高分子粒子(A−1)として高分子量で強粘弾性のものを使用した場合、一般に粒子の安定した微細化が難しくなるが、上記実施形態においては無機微粒子(A−2)を混合しているため、その作用により得られる複合粒子(A)の体積平均粒径を2〜9μmとするような微細化が容易に、安定してできる。したがって、本発明の複合粒子(A)を簡易な操作で、安定して製造できる。
このとき、固形高分子粒子(A−1)100質量部に対して無機微粒子(A−2)を0.5〜50質量部の範囲で含有させて混合することが好ましく、2〜20質量部の範囲とすることがより好ましい。このような範囲で混合することで、固形高分子粒子(A−1)の表面に無機微粒子を分散させて付着させることができる。
このようにして得られた複合粒子(A)は、分級工程を経て、所望の粒度に調製されて印刷インキ中に添加される。添加に際しては、印刷インキに直接添加する方法、あらかじめ印刷インキのビヒクル中で予備混合してペーストとしておき、このペーストをインキの製造工程においてインキ中に添加する方法、など任意の方法でインキ中に添加することができ、いずれの方法で添加しても良好な結果を得ることができる。印刷インキの複合粒子への添加は、ニーダー、ロールミル、ビーズミルなどで行うことができる。
以下に本発明の実施例を説明する。
各実施例において印刷インキ中へ添加する複合粒子(A)は、単に複合粒子と記載している。
(実施例1)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の複合粒子Aを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物1を作製した。
複合粒子A:融点120℃のポリエチレン粒子100質量部に、一次平均粒径12nmのシリカ粉10質量部を被覆させたもの。この複合粒子Aの平均粒径は3μmであり、粒径10μm以上の粒子を6容量%含む。
(実施例2)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の複合粒子Bを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物2を作製した。
複合粒子B:融点135℃、酸価30の酸化ポリエチレン粒子100質量部に、一次平均粒径12nmのシリカ粉4質量部を被覆させたもの。この複合粒子Bの平均粒径は7μmであり、粒径10μm以上の粒子を12容量%含む。
(実施例3)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の複合粒子Cを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物3を作製した。
複合粒子C:融点135℃、酸価6の球形酸化ポリエチレン粒子(球形度0.8以上、25℃における針入度<1.0)100質量部に、一次粒径10nmのアルミナ粉2質量部と一次粒径500nmのベントナイト粉5質量部を含有させたもの。この複合粒子Cの平均粒径は8μmであり、粒径10μm以上の粒子を18容量%含む。なお、ここで言う「球形度」は該ポリエチレン粒子の投影像における短径/長径の比で表したものであり、「針入度」はJIS K−2235−5.4 に準拠して100gの加重をかけた針が25℃、5秒間で試料膜中に侵入する深さを10−1mmを単位量として表したものである。
(実施例4)
オフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の複合粒子Dを1.5質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物4を作製した。
複合粒子D:融点105℃のフィッシャー・トロプッシュワックス(Fisher-Tropsch Wax;サゾールワックス社製)100質量部に、一次平均粒径10nmのシリカ粉10質量部及びモンモリロナイトの4級アンモニウム塩5質量部を被覆させたもの。この複合粒子Dの平均粒径は7μmであり、粒径10μm以上の粒子を20容量%含む。
(実施例5)
オフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の複合粒子Eを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物5を作製した。
複合粒子E:融点125℃のポリエチレン粒子100質量部に対して、一次粒径50nmのロジン酸処理炭酸カルシウム10質量部を被覆させたもの。この複合粒子Eの平均粒径は9μmであり、粒径10μm以上の粒子を20質量%含む。
(実施例6)
オフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の複合粒子Fを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物6を作製した。
複合粒子F:融点310℃のポリテトラフルオロエチレン粒子100質量部に対して、一次粒径80nmの脂肪酸処理炭酸カルシウム粉5質量部を被覆させたもの。この複合粒子Fの平均粒径は4μmであり、粒径10μm以上の粒子が6容量%含む。
(実施例7)
紫外線硬化型のオフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の複合粒子Gを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物7を作製した。
複合粒子G:融点310℃のポリテトラフルオロエチレン粒子100質量部に対して、一次粒径10nmのシリカ粉10質量部を被覆させたもの。この複合粒子Gの平均粒径は5μmであり、粒径10μm以上の粒子が7容量%含む。
(実施例8)
蒸発乾燥タイプの溶剤グラビアインキ100質量部に対して、次の複合粒子Hと実施例1の複合粒子Aの各1質量部を配合した後、ビーズミルで混合し、印刷インキ組成物8を作製した。
複合粒子H:融点102℃のエチレン−酢酸ビニル共重合ワックス100質量部に、一次粒径10nmのシリカ粉の30質量部を被覆させたもの。この複合粒子Hの平均粒径は6μmであり、粒径10μm以上の粒子を18容量%含む。
(比較例1)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の粒子Iを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物9を作製した。
粒子I:融点120℃のポリエチレン粒子で平均粒径は5μmであり、粒径10μm以上の粒子を4容量%含む。
(比較例2)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の複合粒子Jを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物10を作製した。
複合粒子J:融点120℃のポリエチレン粒子100質量部に、一次平均粒径12nmのシリカ粉10質量部を被覆させたもの。この複合粒子Jの平均粒径は4μmであり、粒径10μm以上の粒子を4容量%含む。
(比較例3)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の粒子Kを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物11を作製した。
粒子K:融点130℃のポリエチレン粒子で平均粒径は8μmであり、粒径10μm以上の粒子を22容量%含む。
(比較例4)
オフセット枚葉機用印刷インキ100質量部に対して、次の粒子Lを2質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物12を作製した。
粒子L:融点105℃の球状のフィッシャー・トロプッシュワックス(Fisher-Tropsch Wax;サゾールワックス社製)で平均粒径は7μmであり、粒径10μm以上の粒子を15容量%含む。
(比較例5)
オフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の複合粒子Mを1.5質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物13を作製した。
複合粒子M:融点105℃のフィッシャー・トロプッシュワックス100質量部に、一次平均粒径10nmのシリカ粉10質量部及びモンモリロナイトの4級アンモニウム塩10質量部を被覆させたもの。この複合粒子Mの平均粒径は8μmであり、粒径10μm以上の粒子を22容量%含む。
(比較例6)
紫外線硬化型のオフセット枚葉機用インキ100質量部に対して、次の粒子Nを3質量部配合した後、3本ロールミルで混合し、印刷インキ組成物14を作製した。
粒子N:融点310℃のポリテトラフルオロエチレン粒子の平均粒径は3μmであり、粒径10μm以上の粒子を1容量%含む。
(比較例7)
蒸発乾燥タイプの溶剤グラビアインキ100質量部に対して、次の粒子Oを2質量部を配合した後、ビーズミルで混合し、印刷インキ組成物15を作製した。
粒子O:融点120℃のポリエチレン粒子の平均粒径は8μmであり、粒径10μm以上の粒子を18容量%含む。
各実施例及び比較例で得られたインキについてオフセット枚葉印刷機の常温乾燥方式及び紫外線硬化方式あるいはグラビア印刷機で紙に印刷させ試験を行った。この試験結果を表1に示した。
評価用印刷インキ:
上記実施例及び比較例における、複合粒子等を混合する前の印刷インキとしては、オフセット枚葉平版各種性能評価用ベースインキ(紅インキ、藍インキ)、オフセット枚葉平版UV各種性能評価用ベースインキ(紅インキ、藍インキ)及びグラビア各種性能評価用ベースインキ(紅インキ、藍インキ)を使用した。
印刷条件:
オフセット枚葉平版印刷機:菊半裁4色オフセット印刷機((株)桜井グラフィックシステムズ(製)、CTP版:SCREEN PT−R4300、印刷スピード:10,000枚/Hr)
UV照射機:TUJ−690(東邦精機株式会社(製))
・油性印刷インキ/常温乾燥方式、
用紙:三菱製紙株式会社(製) 両面特アート紙
・紫外線硬化インキ/120W/cmメタルハライドランプ、
用紙:北陸製紙(株)マリコートボール紙
グラビア印刷機:
FB型グラビア印刷機:富士機械工業(株)
機械速度:250m/min、給紙:巻き出し巻取り,径φ1,000mm
用紙:三菱製紙株式会社(製)片アート紙
Figure 2017179115
表中の試験結果は、それぞれ次の方法で評価した結果である。
耐パイリング性:
オフセット印刷機にて酸化重合乾燥インキ及び紫外線硬化乾燥インキにおいてそれぞれ2000枚の印刷を行った後のそれぞれの印刷の場合の版、ブランケット及びインキングロール面への析出物の有無及び汚れの度合いで評価する。すなわち、固形高分子の析出が全く見られず、印刷面が印刷初期と同様の画像品質が維持されるものを○とし、固形高分子が析出して印刷面を劣化させた場合を×、その中間を△とした。
また、グラビア印刷の場合はグラビア印刷機にて印刷時に製版したシリンダーに固形高分子の析出が全く見られず、印刷面が印刷初期と同様の画像品質が維持されるものを○とし、固形高分子が析出して印刷面を劣化させた場合を×、その中間を△とした。
耐圧胴汚れ性(酸化重合乾燥インキの枚葉用印刷インキについて評価):
オフセット枚葉平版印刷機にて2000枚の表印刷を行った後、積み重ねて一日放置後、裏返して裏面を印刷させ金属製の圧胴に先刷りの印刷インキがどの程度付着して汚れるか目視で判定する。圧胴汚れがほとんどない良好なものを◎、汚れが僅かだが問題ないものを○、やや汚れたものを△、激しく汚れたものを×とした。
耐ブロッキング性:
印刷機で刷られた印刷物を印刷直後に印刷面同士を重ね加重2kg/cmにて室温温度40℃、湿度60%で24時間放置後、印刷面同士の付着状況、裏移りの状態を目視にて評価した。裏移りが、ないものを◎、ほとんど見られないものを○、多少見られるものを△、裏移りが多く見られるものを×とした。
印刷物の耐摩耗性:
印刷物を24時間乾燥後に東洋精機学振型摩擦試験機にて、加重500g、20往復の条件でアート白紙面に、印刷されたベタの印字部を摩擦した後の摩耗による画像の劣化度合いを5段階で評価した。擦れ汚れがほとんどなく良好なものを5、ごく僅かに擦れ汚れたものを4、僅かに擦れ汚れたものを3、擦れ汚れがやや多いものを2、擦れ汚れが激しいものを1とした。
印刷物の光沢評価:
乾燥後のベタ印字面の入射角60度での入射光強度と反射角60度での反射光強度の比(%)で測定〔光沢計:GM−3D、(株)村上色彩技術研究所製〕し、この結果を参考にして目視評価にて高光沢な印刷物になっているかどうか総合的に評価した。
高光沢で良好な印刷物になっているものを◎、やや良好なものを○、やや劣るものを△、劣るものを×とした。
なお、上記した実施例及び比較例で使用した印刷インキの詳細な組成は以下の通りである。
オフセット枚葉平版各種性能評価用ベースインキは以下の構成であり、使用されたロジン変性フェノール樹脂ワニスは下記の構成により得られたものである。
(紅インキ)カーミン6B(製品名:ECR101、大日精化工業(製))8〜22質量%、ロジン変性フェノール樹脂ワニス60〜70質量%、AF-ソルベント6号(商品名、日本石油(株)製溶剤)5〜10質量%、コバルト、マンガン複合の乾燥促進剤1質量%(商品名:ペトロドライヤーEF、T&K TOKA(製))、その他の添加剤 5〜10質量%からなる。この処方にてビーズミル及び3ロールにてグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い5.0μm以下の粒度になるまで分散した。最終調整は粘着性:タック値(インコメーター測定器 東洋精機製作所(製) :JIS K 5701 4.2 2000に準拠し32℃、1分後の値)を6〜9に調整し、かつインキの流動性:フロー値(スプレッドメーター測定器、東洋精機製作所(製):JIS K 5701 4.1 2000に準拠し25℃、1分後の直径値)で37〜40mmになるように調整した。
(藍インキ)フタロシアニンブルー(製品名:ECB−303、大日精化工業(製)) 18〜22質量%、ロジン変性フェノール樹脂ワニス60〜70質量%、AF-ソルベント6号(商品名、日本石油(株)製溶剤)5〜10質量%、コバルト、マンガン複合の乾燥促進剤1質量%(商品名:ペトロドライヤーEF、T&K TOKA(製))、その他の添加剤 5〜10質量%からなる。この処方にてビーズミル及び3ロールにてグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い5.0μm以下の粒度になるまで分散した。最終調整は粘着性:タック値(インコメーター測定器 東洋精機製作所(製) :JIS K 5701 4.2 2000に準拠し32℃、1分後の値)を6〜9に調整し、かつインキの流動性:フロー値(スプレッドメーター測定器、東洋精機製作所(製):JIS K 5701 4.1 2000に準拠し25℃、1分後の直径値)で37〜40mmになるように調整した。
ロジン変性フェノール樹脂ワニスの処方:タマノール463(製品名、荒川化学工業(製))30〜40質量%、アルキド樹脂 HL−17(商品名、東新油脂(製))1〜5質量%、大豆白絞油(日清製油(製))25〜35質量%、大豆油脂肪酸N−ブチルエステル SFB−2(商品名、東新油脂(製))10〜20質量%、AFソルベント5号(商品名、日本石油(株)製溶剤)15〜25質量%、オクトープアルミT(商品名、ホープ製薬(製))0.5〜1質量%を180℃〜230℃にて加熱混合し樹脂を溶解させ粘度をコーンアンドプレート型粘度で25℃にてシェアレート100/Sにおける粘度35〜40Pa・sになるように調整しワニスとさせる。
オフセット枚葉平版UV各種性能評価用ベースインキ(紅インキ、藍インキ)は以下の構成からなるものを使用した。
(紅インキ)カーミン6B(製品名:ECR101、大日精化工業(製))20〜25質量%、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(製品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社(製))20〜30質量%、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート(商品名:CN121、アルケマ(製))20〜30質量%、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(製品名:KAYARAD T−1420(T)、アルケマ(製))5〜10質量%、光重合開始剤:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)〕−2−モノフォリノプロパン−1−オン(製品名:IRUGACURE907、BASF(製))5〜10質量%、その他の添加剤1〜10質量%からなる。この処方にてビーズミル及び3ロールにてグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い5.0μm以下の粒度になるまで分散した。最終調整は粘着性:タック値(インコメーター測定器、東洋精機製作所(製):JIS K 5701 4.2 2000に準拠し32℃、1分後の値)を5〜8に調整し、かつインキの流動性:フロー値(スプレッドメーター測定器、東洋精機製作所(製):JIS K 5701 4.1 2000に準拠し25℃、1分後の直径値)で35〜38mmに調整した。
(藍インキ)フタロシアニンブルー(製品名:ECB−303、大日精化工業(製))20〜25質量%、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(製品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社(製))20〜30質量%ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート(製品名:CN121、アルケマ(製))20〜30質量%、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(製品名:KAYARAD T−1420(T)、アルケマ(製))5〜10質量%、光重合開始剤:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)〕−2−モノフォリノプロパン−1−オン(製品名:IRUGACURE907:BASF(製))5〜10質量%、その他の添加剤1〜10質量%からなる。この処方にてビーズミル及び3ロールにてグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い5.0μm以下の粒度になるまで分散した。最終調整は粘着性:タック値(インコメーター測定器、東洋精機製作所(製) :JIS K 5701 4.2 2000に準拠し32℃、1分後の値)を5〜8に調整し、かつインキの流動性:フロー値(スプレッドメーター測定器、東洋精機製作所(製):JIS K 5701 4.1 2000に準拠し25℃、1分後の直径値)で35〜38mmに調整した。
グラビア各種性能評価用ベースインキ(紅インキ)
レーキレッドC#405(F)(製品名、大日精化工業(製))の紅顔料 10〜20質量%、硝化綿ドープ(商品名:ニトロンNCドープNO.5、大成化工(製))20〜40質量%、イマヅ99%IPA変性エタノール(製品名、今津薬品工業(製))15〜25質量%、酢酸エチル15〜25質量%、イソプロピルアルコール10〜20質量%、その他の添加剤1〜10質量%からなる。
この処方にてビーズミルにて顔料をグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い20μm以下の粒度になるまで分散した。ザーンカップNO.3(商品名、離合社(製))により(JIS K 5600−2−2のフローカップによる粘度測定法に準拠)にて15〜20秒になるように上記溶剤の組み合わせにて後添加し粘度を調整した。
グラビア各種性能評価用ベースインキ(藍インキ)
フタロシアニンブルー(製品名:ECB−303、大日精化工業(製))の藍顔料10〜20質量%、硝化綿ドープ(商品名:ニトロンNCドープNO.5、大成化工(製))20〜40質量%、イマヅ99%IPA変性エタノール(商品名、今津薬品工業(製))15〜25質量%、酢酸エチル15〜25質量%、イソプロピルアルコール10〜20質量%、その他の添加剤1〜10質量%からなる。
この処方にてビーズミルにて顔料をグラインドゲージ:東洋精機製作所(製)による粒度測定(JIS K 5701 4.3 2000に準拠)を行い20μm以下の粒度になるまで分散した。ザーンカップNO.3(離合社(製))により(JIS K 5600−2−2のフローカップによる粘度測定法に準拠)にて15〜20秒になるように上記溶剤の組み合わせにて後添加し粘度を調整した。
以上より、本発明の印刷インキ組成物は、印刷時のパイリングや版残りが改善でき、印刷時及び印刷後の印刷面の耐摩耗性を向上させた優れた印刷物となり、ブロッキング現象を効果的抑制でき、さらに、圧胴汚れをも抑制でき、高光沢な印刷物を得られることがわかった。
本発明は各種印刷インキ組成物、特にオフセット平版印刷用インキ組成物(なかでも、オフセット枚葉機用印刷インキ組成物)として適している。

Claims (4)

  1. 印刷インキ中に、複合粒子(A)を含有する印刷インキ組成物であって、
    前記複合粒子(A)が、印刷インキ中に溶解しない樹脂、ワックス又はこれらの混合物からなる固形高分子粒子(A−1)と平均粒径5〜1000nmの無機微粒子(A−2)とからなり、前記複合粒子(A)の体積平均粒径は2〜9μmの範囲内であって、粒径10μmを超える粒子の体積含有率が5容量%超20容量%以下であり、前記無機微粒子(A−2)が前記固形高分子粒子(A−1)の表面を被覆するように付着して前記複合粒子(A)が形成されていることを特徴とする印刷インキ組成物。
  2. 印刷インキ中に、複合粒子(A)を含有する印刷インキ組成物であって、
    前記複合粒子(A)が、印刷インキ中に溶解しない樹脂、ワックス又はこれらの混合物からなる固形高分子粒子(A−1)と平均粒径5〜1000nmの無機微粒子(A−2)とからなり、前記複合粒子(A)の体積平均粒径は2〜9μmの範囲内であって、粒径10μmを超える粒子の体積含有率が5容量%超20容量%以下であり、
    前記複合粒子(A)は、前記固形高分子粒子(A−1)100質量部に対して前記無機微粒子(A−2)を0.5〜50質量部の範囲で含有しており、前記無機微粒子(A−2)が前記固形高分子粒子(A−1)の表面を被覆するように付着して前記複合粒子(A)が形成されていることを特徴とする印刷インキ組成物。
  3. 前記無機微粒子(A−2)が、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫酸化物、硫化物、及びフッ化物の一種あるいはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷インキ組成物。
  4. 前記固形高分子粒子(A−1)の融点が70℃以上であって、JIS K−2235−5.4に準拠して100gの加重をかけた針が25℃、5秒で試料膜中に進入する深さを10−1mmを単位として表した針入度が10以下のワックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷インキ組成物。
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