JP2017174689A - カーボンナノチューブ線材及びカーボンナノチューブ線材接続構造体 - Google Patents

カーボンナノチューブ線材及びカーボンナノチューブ線材接続構造体 Download PDF

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泰 木原
一富 三好
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一富 三好
賢悟 水戸瀬
Kengo Mitose
賢悟 水戸瀬
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Abstract

【課題】カーボンナノチューブ線材と端子との界面接続における導電性の低下を抑制して、端子との接合部における良好な導電性及び強度を実現することができるカーボンナノチューブ線材、及びカーボンナノチューブ接続構造体を提供する。【解決手段】カーボンナノチューブ(CNT)線材11は、CNT線材11の長手方向端部11aに接続される端子20との接合部30に設けられ且つCNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1に配置された金属含有部材31を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のカーボンナノチューブを束ねてなるカーボンナノチューブ束の複数を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材、及びカーボンナノチューブ線材と該線材の長手方向端部に接続される端子とを備えるカーボンナノチューブ線材接続構造に関する。
従来、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、一又は複数の線材からなる芯線と、該芯線を被覆する絶縁被覆とからなる電線が用いられている。芯線を構成する線材の材料としては、通常、電気特性の観点から銅又は銅合金が使用されるが、近年、軽量化の観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が提案されている。例えば、アルミニウムの比重は銅の比重の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の導電率の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)であり、アルミニウム線材に、銅線材と同じ電流を流すためには、アルミニウム線材の断面積を、銅の線材の断面積の約1.5倍と大きくする必要があるが、そのように断面積を大きくしたアルミニウム線材を用いたとしても、アルミニウム線材の質量は、純銅の線材の質量の半分程度であることから、アルミニウム線材を使用することは、軽量化の観点から有利である。
上記のような背景のもと、昨今では、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化が進められており、これに伴い、各種電気機器、制御機器などの配設数が増加するとともに、これら機器に使用される電気配線体の配線数も増加する傾向にある。また、その一方で、環境対応のために自動車等の移動体の燃費を向上させるため、線材の軽量化が強く望まれている。
こうした更なる軽量化を達成するための新たな手段の一つとして、カーボンナノチューブを線材として活用する技術が新たに提案されている。カーボンナノチューブは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、あるいは略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、電流容量、弾性、機械的強度等の特性に優れるため、電力線や信号線に使用されている金属に代替する材料として注目されている。
カーボンナノチューブの比重は、銅の比重の約1/5(アルミニウムの約1/2)であり、また、カーボンナノチューブ単体は、銅(抵抗率1.68×10−6Ω・cm)よりも高導電性を示す。したがって理論的には、複数のカーボンナノチューブを撚り合わせてカーボンナノチューブ集合体を形成すれば、更なる軽量化、高導電率の実現が可能となる。しかしながら、nm単位のカーボンナノチューブを撚り合わせて、μm〜mm単位のカーボンナノチューブ線材を作製した場合、構成単位となる1本当たりの外径が非常に小さいため、カーボンナノチューブ間の接触抵抗や内部欠陥形成が要因となり、線材全体の抵抗値が増大してしまうという問題があることから、カーボンナノチューブをそのまま線材として使用することが困難であった。また、カーボンナノチューブ線材に端子を接続してカーボンナノチューブ線材接続構造体を作製する場合、車両などの移動体用の接続構造体に求められる電気的特性、機械的強度を実現するために、カーボンナノチューブ線材と端子との接合部における導電性、強度等を確保する必要があった。
そこで、カーボンナノチューブ撚線(線材)の端部でCVD(chemical vapor Deposition)等によってCNTを成長させ、当該端部から伸びた成長CNTを他のカーボンナノチューブ撚線或いはその成長CNTと接続することにより、カーボンナノチューブ撚線同士の接続強度や電気的特性を実現することが可能な製造方法が提案されている(特許文献1)。
特開2013−47402号公報
しかしながら、上記特許文献では、複数のカーボンナノチューブを撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材の端部同士を、成長CNTを介して接続することが開示されているにすぎず、カーボンナノチューブ線材と端子との接合部における導電性、強度については開示されていない。特に、カーボンナノチューブ線材(炭素)と金属製端子(銅等)は異種材料であり、接合部に異種材料の界面が形成されることから、カーボンナノチューブ線材に金属製端子を接合し難いという問題がある。
本発明の目的は、カーボンナノチューブ線材と端子との界面接続における導電性の低下を抑制して、端子との接合部における良好な導電性及び強度を実現することができるカーボンナノチューブ線材、及びカーボンナノチューブ接続構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ線材は、複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材であって、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部に接続される端子との接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部の側面に配置された所定金属含有部材を備えることを特徴とする。
前記カーボンナノチューブ線材は、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に亘って含有された他の金属部材を有し、前記カーボンナノチューブ線材におけるカーボンナノチューブに対する前記所定金属の金属含有量が、前記カーボンナノチューブに対する前記他の金属部材の金属含有量よりも大きい。
また、前記所定金属含有部材が、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部を被覆する被覆層であり、前記被覆層が、前記接合部の全体に亘って形成されている。
前記所定金属含有部材に含有される所定金属は、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
前記所定金属は、遷移金属であるのが好ましい。
前記所定金属含有部材は、前記所定金属が含有された導電性接着剤を硬化した物である。
また、前記カーボンナノチューブ線材は、異種元素がドープされているのが好ましい。
また、前記カーボンナノチューブ線材を構成するカーボンナノチューブが、2層又は3層の層構造を有するのが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブ線材接続構造体は、複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材に接続される端子とを備えるカーボンナノチューブ線材接続構造体であって、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部と前記端子とが接合された接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部の側面と前記端子の内側面との間に介在する所定金属含有部材を備えることを特徴とする。
複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材に接続される端子とを備えるカーボンナノチューブ線材接続構造体であって、前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部と前記端子とが接合された接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記端部の側面と前記端子の内側面との間に介在する所定金属含有部材を備え、前記所定金属含有部材に含有される金属は、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料であることを特徴とする。
前記接合部において、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部が、前記所定金属含有部材を介して前記端子に圧着されている。
本発明によれば、所定金属含有部材が、カーボンナノチューブ線材の長手方向端部に接続される端子との接合部に設けられ、且つカーボンナノチューブ線材の上記長手方向端部の側面に配置されるので、カーボンナノチューブ線材の側面と端子との間に所定金属含有部材を介在させることができ、カーボンナノチューブ線材が、当該所定金属含有部材を介して端子と良好に接合される。したがって、カーボンナノチューブ線材と端子との界面接続における導電性の低下を抑制して、端子との接合部における良好な導電性及び強度を実現することができる。
また、上記所定金属含有部材に含有される所定金属が、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料であるので、当該所定金属含有部材と端子との界面接続における導電性が良好となり、端子との接合部においてより良好な導電性及び強度を実現することができる。
本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材接続構造体の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は圧着前の状態を示す斜視図、(c)は、カーボンナノチューブ線材と端子との接合部の線I−Iに沿う断面図を示す。 (a)〜(d)は、図1のカーボンナノチューブ線材接続構造体の製造方法の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、図2のカーボンナノチューブ線材接続構造体の製造方法の変形例を示す図である。 (a)〜(d)は、図1のカーボンナノチューブ線材接続構造体の変形例及びその製造方法を示す図である。 図1のカーボンナノチューブ線材接続構造体における端子の変形例を示す斜視図であり、(a)は圧着後、(b)は圧着前の状態を示す。 図1のカーボンナノチューブ線材接続構造体における端子の他の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<カーボンナノチューブ線材接続構造体の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ線材接続構造体の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は圧着前の状態を示す斜視図、(c)は、カーボンナノチューブ線材と端子との接合部の線I−Iに沿う断面図を示す。なお、図1におけるカーボンナノチューブ線材接続構造体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
図1(a)及び(b)に示すように、カーボンナノチューブ線材接続構造体1(以下、CNT線材接続構造体という)は、複数のカーボンナノチューブ束11A(以下、CNT束という)を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材11(以下、CNT線材という)と、CNT線材11に接続される端子20とを備える。本実施形態では、CNT電線10が、CNT線材11と、該CNT線材を被覆する絶縁被覆12とを有しており、CNT電線10の端部に端子20が取り付けられている。
(端子の構成)
端子20は、不図示の外部端子と電気的に接続されるコネクタ部21と、該コネクタ部と連結され且つCNT電線10と圧着される電線圧着部22と、コネクタ部21と電線圧着部22とを連結するトランジション部23とを有する。この端子20は、金属基体からなり、この金属基体を金属材料(銅、アルミニウム、鉄、またはこれらを主成分とする合金等)からなる母材のみで構成するか、或いは導電性と強度を確保するために母材上に金属を主成分とするめっき層を設けて構成することができる。
めっき層は、母材の一部あるいは全部に適宜設けられるものであり、接点特性や耐環境性の観点からすずや銀、金等の貴金属が好ましい。めっき層は1層以上あっても良く、例えば鉄(Fe)やニッケル(Ni)、コバルト(Co)またはこれらを主成分とする合金等の下地をさらに設けてもよい。このめっき層の厚さは、母材の保護及びコスト等を考慮し、合計で0.3μm〜3.0μmである。めっき層が母材の一部に設けられる場合、当該めっき層は、ストライプやスポットなどの形状で形成される。CNTに対して1層目に相当するめっき層は、カーボンナノチューブとの密着力に優れた金属、2層目以上は電気伝導の優れた金属であることが好ましい。
コネクタ部21は、雄型圧着端子等の挿入タブの挿入を許容するボックス部であり、挿入タブを収容するための収容口21aを有している。本実施形態ではコネクタ部21が雌型端子であるが、雄型端子等の他の形状であってもよい。
トランジション部23は、コネクタ部21と電線圧着部22の橋渡しとなる部分であり、幅方向断面略コの字型に形成されている。トランジション部23は立体的に形成されていても、平面的に形成されていてもよいが、端子長手方向の曲げに対する機械的強度の観点からは、長手方向の断面2次モーメントが大きくなるように設計するのが好ましい。
電線圧着部22は、トランジション部23を介してコネクタ部21に連結された線材圧着部22Aと、線材圧着部22Aと長手方向(図中のX方向)に沿って並べて設けられ、線材圧着部22Aのトランジション部23とは反対側に配置された被覆圧着部22Bとを有しており、これらが上記金属基体にて一体成形されている。電線圧着部22の内側面22aには、複数の突起あるいはセレーションなどで形成される凹凸部24が設けられている。
圧着前の線材圧着部22Aは、図1(b)に示すように、幅方向断面略U型に形成された部位であり、バレル底部22A−1と、その幅方向(図中のY方向)に関してその両側から斜め外側上方に延出する一対のバレル片22A−2,22A−2とで構成されている。圧着前の被覆圧着部22Bも、線材圧着部22Aと同様、幅方向断面略U型に形成された部位であり、バレル底部22B−1と、幅方向Yに関してその両側から斜め外側上方に延出する一対のバレル片22B−2,22B−2とで構成されている。一対のバレル片22A−2,22A−2及び一対のバレル片22B−2,22B−2は、それぞれ内側に折り曲げて加締められており、線材圧着部22AがCNT線材11の長手方向端部11aに、被覆圧着部22Bが絶縁被覆12にそれぞれ接合されている。
(所定金属含有部材の構成)
図1(c)は、CNT線材11と端子20との接合部30の線I−Iに沿う断面図である。同図に示すように、CNT線材接続構造体1は、CNT線材11の長手方向端部11aと端子20とが接合された接合部30に設けられ、且つCNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と端子20の内側面22aとの間に介在する所定金属含有部材31を備える。本実施形態では、接合部30は、CNT線材11の長手方向端部11aと、線材圧着部22Aのバレル底部22A−1及び一対のバレル片22A−2,22A−2とが圧着された部位であり、この接合部30において、CNT線材11の長手方向端部11aが所定金属含有部材31を介して端子20に圧着されている。好ましくは、所定金属含有部材31は、CNT線材11の長手方向端部11aを被覆する被覆層であり、該被覆層が接合部30の全体に亘って形成されている。
所定金属含有部材31は、導電性部材であり、後述する所定金属が含有された流動性部材を固化或いは硬化した物である。流動性部材は、ペースト状はんだ、めっき又は導電性接着剤である。
上記ペースト状はんだは、例えばはんだ粉末とフラックスとを所定比率で混合したクリームはんだに、後述する所定金属が含有されてなる。はんだ粉末は、例えばSn−Pb系の鉛含有はんだや、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系などの鉛フリーはんだである。フラックスは、例えば樹脂、添加剤及び溶剤からなり、金属表面の酸化防止、酸化膜の除去、再酸化防止などの役割を果たす。
上記めっきは、例えば後述する所定金属が含有されためっきであり、はんだめっき、銅めっき、ニッケルめっき、ニッケル−亜鉛合金めっき、パラジウムめっき、コバルトめっき、錫めっき又は銀めっきである。
上記導電性接着剤は、例えば導電性材料からなるフィラーが充填されたエポキシ系などの導電性樹脂に、後述する所定金属が含有されてなる。
また、銅ナノ粒子、銀ナノ粒子、金ナノ粒子などの金属微粒子を使用した接合材料を用いても良い。
所定金属含有部材31に含有される所定金属は、遷移金属が好ましい。また、所定金属含有部材31に含有される所定金属は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)及びコバルト(Co)からなる群から選択される少なくとも1つの材料であるのが好ましく、これらの合金であってもよい。上記の1又は複数の材料が所定金属含有部材31に含有されていると、上記所定金属の結晶構造とCNT線材11におけるCNTの結晶構造との相性が良好であるため、所定金属含有部材31と端子20との界面接続における導電性が良好となる。遷移金属は、他の金属と化合物を容易に形成する特徴を有しており、複数の遷移金属を構成させることにより、異なる金属との界面おいて優れた密着性、電気伝導性を発現させることが出来る。とりわけ、電気伝導率の高い、銅、銀、金、ニッケルの層を設けることにより、接合界面の電気伝導が良好となる。また、所定金属含有部材31に含有される金属は、六方晶金属であるのが好ましい。CNT線材11と端子20との接合部30で優れた導電性を実現することができる。
本実施形態では、CNT線材接続構造体1が、CNT線材11と端子20との接合部30に所定金属含有部材31を備えるが、CNT線材11自体が所定金属含有部材31を備えていてもよい。すなわち、CNT線材11が、CNT線材11の長手方向端部11aに接続される端子20との接合部30に設けられ且つCNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1に配置された金属含有部材31を備えていてもよい。
(CNT線材及びCNTの構成)
CNT線材11は、1層以上の層構造を有するCNTの複数が束ねられてなるCNT束11A,11A同士を撚り合わせて構成されている(図1(b))。CNT線材11の外径は、0.01〜1mmである。
CNT線材11は、複数のCNTが纏められた束状体となっており、これら複数のCNTの軸方向がほぼ揃って配されている。CNT線材11は、CNT束11Aに異種元素がドープされてなるカーボンナノチューブ複合体の複数を撚り合わせて構成されてもよい。
CNTは、単層構造又は複層構造を有する筒状体であり、それぞれSWNT(single-walled nanotube)、MWNT(multi-walled nanotube)と呼ばれる。例えば、2層構造を有するCNTは、六角形格子の網目構造を有する2つの筒状体が略同軸で配された3次元網目構造体となっており、DWNT(Double-walled nanotube)と呼ばれる。構成単位である六角形格子は、その頂点に炭素原子が配された六員環であり、他の六員環と隣接してこれらが連続的に結合している。
CNTの性質は、上記のような筒状体のカイラリティ(chirality)に依存する。カイラリティは、アームチェア型、ジグザグ型、及びそれ以外のカイラル型に大別され、アームチェア型は金属性、カイラル型は半導体性、ジグザグ型はその中間の挙動を示す。よってCNTの導電性はいずれのカイラリティを有するかによって大きく異なり、CNT集合体の導電性を向上させるには、金属性の挙動を示すアームチェア型のCNTの割合を増大させることが重要とされてきた。一方、半導体性を有するカイラル型のCNTに電子供与性もしくは電子受容性を持つ物質(異種元素)をドープすることにより、金属的挙動を示すことが分かっている。また、一般的な金属では、異種元素をドープすることによって金属内部での伝導電子の散乱が起こって導電性が低下するが、これと同様に、金属性CNTに異種元素をドープした場合には、導電性の低下を引き起こす。
このように、金属性CNT及び半導体性CNTへのドーピング効果は、導電性の観点からはトレードオフの関係にあると言えることから、理論的には金属性CNTと半導体性CNTとを別個に作製し、半導体性CNTにのみドーピング処理を施した後、これらを組み合わせることが望ましい。しかし、現状の製法技術では金属性CNTと半導体性CNTとを選択的に作り分けることは困難であり、金属性CNTと半導体性CNTが混在した状態で作製される。このため、金属性CNTと半導体性CNTの混合物からなるCNT線材の導電性を向上させるには、異種元素・分子によるドーピング処理が効果的となるCNT構造を選択することが好ましい。
複数のCNTの集合体で構成されるCNT束11Aにおいて、複数のCNTの個数に対する、2層構造又は3層構造を有するCNTの個数の和の比率が50%以上であるのが好ましく、75%以上であるのがより好ましい。すなわち、一のCNT束を構成する全CNTの総数をNTOTAL、上記全CNTのうち2層構造を有するCNT(2)の数の和をNCNT(2)、上記全CNTのうち3層構造を有するCNT(3)の数の和をNCNT(3)としたとき、下記式(1)で表すことができる。
(NCNT(2)+NCNT(3))/NTOTAL×100(%)≧50(%) ・・・(1)
2層構造又は3層構造のような層数が少ないCNTは、それより層数の多いCNTよりも比較的導電性が高い。また、ドーパントは、CNTの最内層の内部、もしくは複数のCNTで形成されるCNT間の隙間に導入される。CNTの層間距離はグラファイトの層間距離である0.335nmと同等であり、多層CNTの場合その層間にドーパントが入り込むことはサイズ的に困難である。このことからドーピング効果はCNTの内部および外部にドーパントが導入されることで発現するが、多層CNTの場合は最外層および最内層に接していない内部に位置するチューブのドープ効果が発現しにくくなる。以上のような理由により、複層構造のCNTにそれぞれドーピング処理を施した際には、2層構造又は3層構造を有するCNTでのドーピング効果が最も高い。また、ドーパントは、強い求電子性もしくは求核性を示す、反応性の高い試薬であることが多い。単層構造のCNTは多層よりも剛性が弱く、耐薬品性に劣るためにドーピング処理を施すと、CNT自体の構造が破壊されてしまうことがある。よって本発明ではCNT集合体に含まれる2層構造又は3層構造を有するCNTの個数に着目する。また、2層又は3層構造のCNTの個数の和の比率が50%未満であると、単層構造或いは4層以上の複層構造を有するCNTの比率が高くなり、CNT集合体全体としてドーピング効果が小さくなり、高導電率が得にくくなる。よって、2層又は3層構造のCNTの個数の和の比率を上記範囲内の値とする。
CNTにドープされるドーパントは、導電性が向上すれば特に限定はないが、例えば硝酸、硫酸、ヨウ素、臭素、カリウム、ナトリウム、ホウ素及び窒素からなる群から選択される1つ以上の異種元素もしくは分子である。
また、CNT束11Aを構成するCNTの最外層の外径は5.0nm以下であるのが好ましい。CNT束11Aを構成するCNTの最外層の外径が5.0nmを超えると、CNT間および最内層の隙間に起因する空孔率が大きくなり、導電性が低下してしまうため、好ましくない。したがって、CNT束11Aを構成するCNTの最外層の外径を5.0nm以下とする。
CNT線材11は、線材全体の強度及び導電性の観点から、その分散された他の金属部材を有していてもよい。他の金属部材は、例えば長尺状の線材或いは粒子であり、このような形状を有する他の金属部材がCNTに混合されている。上記他の金属部材の金属は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金を主成分とする材料である。
本発明における所定金属含有部材31は、上述のように、CNT線材11の長手方向端部11aに配置されるものであり、CNT線材11の長手方向に亘って含有される他の金属部材とは異なる。本発明のCNT線材11の接合部におけるCNT線材に対する含有量は、1wt%〜80wt%が好ましく、より好ましくは10〜50wt%である。1wt%以上とすることで接続部の金属含有量が増え金属圧着時の勘合がし易くなり、80wt%以下とすることで導電性と重さのバランスを担保でき、50wt%以下とすることで導電性と重さをより好適に保つことができる。また、CNT線材11におけるCNTに対する上記所定金属の金属含有量は、当該CNTに対する上記他の金属部材の金属含有量よりも大きい。尚、本発明のCNT線材11は、炭素(C)を主成分とする線材であり、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属を主成分とする線材と異なることは言うまでもない。
<カーボンナノチューブ線材接続構造体の製造方法>
図2(a)〜(d)は、図1のカーボンナノチューブ線材接続構造体1の製造方法の一例を示す図である。
先ず、CNT電線10の絶縁被覆12の一部を剥いで、CNT線材11の長手方向端部11aを露出させたものを準備する(図2(a))。次いで、銅または銅合金の金属基体からなる板材を圧延して、所定厚さの板材を作製する。このとき、必要に応じて、母材からなる板材全体或いは板材の一部にめっき層を設けて金属部材を形成し、また、繰り返し形状の構成単位となる各板状部位における圧着部用板状体の表面に凹凸部を形成する。その後、この金属基体からなる板材を、プレス加工(1次プレス)にて、複数の圧着端子が平面展開した状態となるように、繰り返し形状で打ち抜く。その後、繰り返し形状の構成単位となる各板状部位に曲げ加工を施して(2次プレス)、コネクタ部21、トランジション部23及び線材圧着部22を有する端子20を形成する。
次に、上記のように作製された端子20をCNT線材11の長手方向端部11aと圧着し、CNT線材接続構造体1’を形成する(図2(b))。このとき、線材圧着部22Aのバレル底部22A−1にCNT線材11の長手方向端部11aを載置すると共に、被覆圧着部22Bのバレル底部22B−1に絶縁被覆12を載置して、一対のバレル片22A−2,22A−2及び一対のバレル片22B−2,22B−2をそれぞれ内側に折り曲げて加締める。これにより、線材圧着部22AがCNT線材11の長手方向端部11aに、被覆圧着部22Bが絶縁被覆12にそれぞれ接合され、CNT線材11の長手方向端部11aと線材圧着部22Aとの接合部30が形成される。
次に、上記所定金属を含有するペースト状はんだなどの流動性部材31’が保持されたディスペンサ40を接合部30の上方に配置し、ディスペンサDのノズル先端から流動性部材を滴下して、接合部30に流動性部材31’を塗布する。これにより、流動性部材31’が接合部30内に到達し、CNT線材11におけるCNT束11A間の空隙部や、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部22Aの内側面との間の空隙部に充填される。そして、接合部30の上方から当該接合部30の全体又は部分的にレーザ光Lを照射して流動性部材31’を加熱、溶融し(図2(d))、その後冷却して硬化する。これにより、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部22Aの内側面22aとの間に所定金属含有部材31が形成され、CNT線材接続構造体1が作製される。
CNT線材11は、銅やアルミニウムの金属線に較べ低弾性でかつ線径が細いので、従来の端末部の様な加締め等による機械的保持では十分な保持力が得られない。そこで、接合部30に所定金属含有部材31を配置して、複数のCNTを強固に束ねて端子20との圧着時に所定金属含有部材31を塑性変形させることにより、CNT端末でのCNT保持力が安定し、CNT線材11と端子20との良好な機械的接続を実現することができる。CNT線材11全体をハンダや導電性接着剤で覆い、その後、その部位を端子で加締めても良い。
また、一本のCNT束11Aの外径は数十nm程度と極めて小さく、ミクロンオーダ−の外径を有するCNT線材を作製するには多数本のCNT束を纏める必要があるが、CNT線材11の長手方向端部11aに所定金属含有部材31を配置することで、当該端部において複数のCNT束11Aを互いに固定することができ、製造時における作業性や取扱性を向上することが可能となる。
なお、図2に示す製造方法では、接合部30の上方から当該接合部30全体にレーザ光Lを照射するが、これに限らず、流動性部材31’が導電性接着剤である場合には、当該接合部30の一部を加熱することで(部分加熱)、流動性部材31’を硬化させてもよい。
また、図2に示す製造方法では、ペースト状はんだを用いて所定金属含有部材31を形成する場合を説明したが、はんだめっきを用いて所定金属含有部材31を形成することもできる。例えば、図3(a)に示すように、CNT電線10の絶縁被覆12の一部を剥いで、CNT線材11の長手方向端部11aを露出させたものを準備する。そして、CNT線材11の長手方向端部11aをはんだ槽40の溶融はんだに浸漬し、はんだ槽40内の超音波振動板41を用いて溶融はんだに超音波振動を付与し、所定時間経過後、長手方向端部11aを溶融はんだから引き上げる。これにより、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1に、はんだめっきからなる所定金属含有部材31が配置される(図3(b))。
その後、図2(b)に示す方法と同様にして、線材圧着部22Aのバレル底部22A−1にCNT線材11の端部11aを設置すると共に、被覆圧着部22Bのバレル底部22B−1に絶縁被覆12を設置して、一対のバレル片22A−2,22A−2及び一対のバレル片22B−2,22B−2をそれぞれ内側に折り曲げて加締める。これにより、線材圧着部22AがCNT線材11の長手方向端部11aに、被覆圧着部22Bが絶縁被覆12にそれぞれ接合される。すなわち、溶融はんだを用いる図3の製造方法では、圧着前に、CNT線材11の長手方向端部11aに流動性部材31’を塗布して、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1に所定金属含有部材31を形成する。本製造方法によれば、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部22Aの内側面22aとの間に、所定金属含有部材31を確実に介在させることができる。
図4(a)〜(d)は、図1のCNT線材接続構造体1の変形例及びその製造方法を示す図である。図1のCNT線材接続構造体1は、CNT線材11といわゆるオープンバレル型の端子20との接続構造を有するが、これに限らず、CNT線材11とクローズドバレル型の端子との接続構造を有していてもよい。
具体的には、端子60は、不図示の外部端子と電気的に接続されるコネクタ部21と、該コネクタ部とトランジション部23を介して設けられ、CNT電線10と圧着される電線圧着部61とを備える(図4(a))。電線圧着部61は、トランジション部23側が閉塞された形状(片端閉塞形状)を有する筒部材であって、CNT電線10の絶縁被覆12と圧着される被覆圧着部61Aと、電線挿入口62側からトランジション部23側に向かって縮径する縮径部61Bと、CNT線材11と圧着される線材圧着部61Cと、挿入口62側からトランジション部23側に向かって更に縮径し、その端部が溶接により閉塞される縮径部61Dとを有している。コネクタ部21及びトランジション部23の構成は、図1の端子20と同じであるので、その説明を省略する。
この電線圧着部61は、例えば平面展開した金属基体を立体的にプレス加工すると共に、断面が略C字型となる筒状体を形成し、この筒状体の開放部分(突き合わせ部)をレーザ溶接することにより形成される。筒状体のレーザ溶接は、該筒状体の長手方向(X方向)に沿って行われるため、その長手方向と略同一の方向に帯状溶接部(溶接ビード)が形成され、これにより電線圧着部61が形成される。また、電線圧着部61を形成した後、電線圧着部61のトランジション部23側の端部がレーザ溶接によって封止されるのが好ましい。この封止溶接は、圧着端子の長手方向に対して垂直な方向(Y方向)に沿って行われる。この封止溶接により、トランジション部20側からの水分等の浸入が防止される。また、線材圧着部61Cの内周面61aには、複数の突起或いはセレーション等で形成される凹凸部63が設けられてもよい(図4(b))。
端子60を用いてCNT線材接続構造体1Aを作製する場合、先ず、電線圧着部61内におけるトランジション部23側端部の内部空間64に、流動性部材65’(例えば、ペースト状はんだ)を所定量充填する(図4(b))。次に、CNT線材11の長手方向端部11aを電線圧着部61内に挿入し、線材圧着部61CにCNT線材11の長手方向端部11aを載置すると共に、被覆圧着部61Aに絶縁被覆12を載置する(図4(c))。このとき、長手方向端部11aの先端が流動性部材65’に到達し、流動性部材65’が、内部空間64から長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部61Cの内周面61aとの間の空間に流れ込む。そして、電線圧着部61に熱エネルギーを付与して、当該電線圧着部61を介して流動性部材65’を部分的又は全体的に加熱、溶融し、その後冷却して固化する。
次いで、電線圧着部61を加締めて、電線圧着部61をCNT線材11と圧着する(図4(d))。これにより、CNT線材11の長手方向端部11aと端子60の線材圧着部61Cとの接合部66が形成され、この接合部66において、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部61Cの内側面61aとの間に所定金属含有部材65が形成される。尚、圧着時に電線圧着部61の全体を加締めずに、被覆圧着部61Aのみを加締めて被覆圧着部61Aと絶縁被覆12とを圧着してもよい。本変形例によっても、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部61Cの内側面61aとの間に所定金属含有部材65を確実に介在させることができる。また、所定金属含有部材65が圧着荷重に対する緩衝材の役割を果たすため、圧着によってCNT線材11の機械的、電気的特性が劣化するのを防止することができる。
上述したように、本実施形態によれば、所定金属含有部材31が、CNT線材11の長手方向端部11aに接続される端子20との接合部30に設けられ、且つCNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1に配置されるので、CNT線材11の側面11a−1と端子20との間に所定金属含有部材31を介在させることができ、CNT線材11が、当該所定金属含有部材を介して端子20と良好に接合される。したがって、CNT線材11と端子20との界面接続における導電性の低下を抑制して、端子20との接合部30における良好な導電性及び強度を実現することができる。
また、所定金属含有部材31に含有される所定金属が、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料であるので、所定金属含有部材31と端子20との界面接続における導電性が良好となり、端子20との接合部30においてより良好な導電性及び強度を実現することができる。
以上、本発明の実施形態に係るCNT接続構造体およびその製造方法について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
上記実施形態では、CNT線材接続構造体は、CNT電線10とオープンバレル型の端子20との接続構造、或いはCNT電線10とクローズドバレル型の端子60との接続構造を有しているが、CNT電線と他の形状の端子との接続構造を有していてもよい。
例えば、図5(a)において、CNT線材接続構造体1Bの端子70は、不図示の外部端子と電気的に接続されるコネクタ部21と、該コネクタ部とトランジション部23を介して設けられ、CNT電線10と圧着される電線圧着部71とを備えている。
圧着前の電線圧着部71は、図5(b)に示すように、長手方向に関してその両端が開放した形状(両端開放形状)を有する筒部材であって、トランジション部23を介してコネクタ部21に連結され且つCNT線材11と圧着される線材圧着部71Aと、線材圧着部71Aのトランジション部23とは反対側に配置され、絶縁被覆12と圧着される被覆圧着部71Bとを有しており、これらが金属基体にて一体成形されている。電線圧着部71は、被覆圧着部71Bの長手方向端部に電線挿入口72を有すると共に、線材圧着部71Aの長手方向端部に開口73を有している。コネクタ部21及びトランジション部23の構成は、図1の端子20と基本的に同じであるので、その説明を省略する。
端子70を用いてCNT線材接続構造体1Bを作製する場合には、例えば、CNT線材11の長手方向端部11aに流動性部材を塗布する。そして、電線挿入口72からCNT線材11の長手方向端部11aを挿入し、線材圧着部71AにCNT線材11の長手方向端部11aを載置すると共に、被覆圧着部71Bに絶縁被覆12を載置する(図5(b))。これにより、流動性部材が、CNT線材11におけるCNT束11A間の空隙部や、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部71Aの内側面との間の空隙部に充填される。
次いで、電線圧着部71を加締めて電線圧着部71をCNT線材11に圧着し、更に電線圧着部71に熱エネルギーを付与して、当該電線圧着部71を介して流動性部材を部分的又は全体的に加熱、溶融し、その後冷却して固化する(図5(a))。これにより、CNT線材11の長手方向端部11aと端子70の線材圧着部71Aとが接合された接合部75が形成され、この接合部75において、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部71Aの内側面との間に所定金属含有部材74が形成される。本接続構造体によっても、CNT線材11の長手方向端部11aの側面11a−1と線材圧着部71Aの内側面との間に所定金属含有部材74を介在させることができる。
また、図1のCNT線材接続構造体1では、端子のコネクタ部が雌型端子であるが、コネクタ部の細部形状は、特に限定されず、外部端子と係止あるいは嵌合して電気的に接続し得るものであれば、他の形状を有していてもよい。例えば図6に示すように、丸型端子80は、電線圧着部22と平板状のトランジション部81を介して一体接続され、中央の孔82にボルト等が挿通されて他の部材に固定されるリング部83を有していてもよい。
また、他の変形例として、CNT線材接続構造体が、雌型端子のコネクタ部に代えて、雄型端子のコネクタ部を有していてもよく、雄型端子が、例えば長尺状の接続部(挿入タブ)であってもよい。
1 CNT線材接続構造体
1’ CNT線材接続構造体
1A CNT線材接続構造体
1B CNT線材接続構造体
11 CNT線材
11A CNT束
11a 長手方向端部
11a−1 側面
12 絶縁被覆
20 端子
20a 内側面
21 コネクタ部
22 電線圧着部
22A 線材圧着部
22A−1 バレル底部
22A−2,22A−2 一対のバレル片
22B 被覆圧着部
22B−1 バレル底部
22B−2,22B−2一対のバレル片
22a 内側面
23 トランジション部
24 凹凸部
30 接合部
31 所定金属含有部材
31’ 流動性部材
40 はんだ槽
41 超音波振動板
60 端子
61 電線圧着部
61A 被覆圧着部
61B 縮径部
61C 線材圧着部
61D 縮径部
61a 内周面
62 電線挿入口
63 凹凸部
64 内部空間
65’ 流動性部材
65 所定金属含有部材
66 接合部
70 端子
71 電線圧着部
71A 線材圧着部
71B 被覆圧着部
72 電線挿入口
74 所定金属含有部材
75 接合部
80 丸形端子
81 トランジション部
82 孔
83 リング部
D ディスペンサ
L レーザ光

Claims (11)

  1. 複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材であって、
    前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部に接続される端子との接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部の側面に配置された所定金属含有部材を備えることを特徴とする、カーボンナノチューブ線材。
  2. 前記カーボンナノチューブ線材の長手方向に亘って含有された金属部材を有し、
    前記カーボンナノチューブ線材におけるカーボンナノチューブに対する前記所定金属の金属含有量が、前記カーボンナノチューブに対する前記他の金属部材の金属含有量よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載のカーボンナノチューブ線材。
  3. 前記所定金属含有部材が、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部を被覆する被覆層であり、
    前記被覆層が、前記接合部の全体に亘って形成されていることを特徴とする、請求項1記載のカーボンナノチューブ線材。
  4. 前記所定金属含有部材に含有される所定金属は、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  5. 前記所定金属は、遷移金属であることを特徴とする、請求項4記載のカーボンナノチューブ線材。
  6. 前記所定金属含有部材は、前記所定金属が含有された導電性接着剤を硬化した物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  7. 異種元素がドープされていることを特徴とする、請求項1又は2記載のカーボンナノチューブ線材。
  8. 前記カーボンナノチューブ線材を構成するカーボンナノチューブが、2層又は3層の層構造を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  9. 複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材に接続される端子とを備えるカーボンナノチューブ線材接続構造体であって、
    前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部と前記端子とが接合された接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部の側面と前記端子の内側面との間に介在する所定金属含有部材を備えることを特徴とする、カーボンナノチューブ線材接続構造体。
  10. 複数のカーボンナノチューブ束を撚り合わせてなるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材に接続される端子とを備えるカーボンナノチューブ線材接続構造体であって、
    前記カーボンナノチューブ線材の長手方向端部と前記端子とが接合された接合部に設けられ、前記カーボンナノチューブ線材の前記端部の側面と前記端子の内側面との間に介在する所定金属含有部材を備え、
    前記所定金属含有部材に含有される金属は、タンタル、チタン、ニッケル、パラジウム、銅、銀、金、鉄及びコバルトからなる群から選択される少なくとも1つの材料であることを特徴とする、カーボンナノチューブ線材接続構造体。
  11. 前記接合部において、前記カーボンナノチューブ線材の前記長手方向端部が、前記所定金属含有部材を介して前記端子に圧着されていることを特徴とする、請求項9又は10記載のカーボンナノチューブ線材接続構造体。
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