JP2014096337A - 被覆炭素繊維線の接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、炭素繊維素線を束ねた炭素繊維線に効率良く通電することを課題とする。
【解決手段】 被覆炭素繊維線4の接続構造は、多数本の炭素繊維素線41Aの束を合成樹脂材料によって被覆した被覆炭素繊維線4Aの端末部分の被覆4Bを剥離し、被覆端末部分に導電層6を巻着し、上記被覆4Bを剥離した炭素繊維線4Aの端部から該炭素繊維線4Aの内部に、中間部にワッシャー5Aが取り付けられたピン5を挿入し、該ピン5のワッシャー5Aによって該炭素繊維素線4Aの束を放射状に拡散させると共に該炭素繊維素線4Aを上記導電層6上に折り返し、該ピン5のワッシャー5Aを該炭素繊維素線4Aの折り返し部分の先端に密着させた状態で、一端に電線3を接続した筒状接続子1の他端に挿入し、該筒状接続子1の接続部分2Aを圧着してなる。
【選択図】 図6
【解決手段】 被覆炭素繊維線4の接続構造は、多数本の炭素繊維素線41Aの束を合成樹脂材料によって被覆した被覆炭素繊維線4Aの端末部分の被覆4Bを剥離し、被覆端末部分に導電層6を巻着し、上記被覆4Bを剥離した炭素繊維線4Aの端部から該炭素繊維線4Aの内部に、中間部にワッシャー5Aが取り付けられたピン5を挿入し、該ピン5のワッシャー5Aによって該炭素繊維素線4Aの束を放射状に拡散させると共に該炭素繊維素線4Aを上記導電層6上に折り返し、該ピン5のワッシャー5Aを該炭素繊維素線4Aの折り返し部分の先端に密着させた状態で、一端に電線3を接続した筒状接続子1の他端に挿入し、該筒状接続子1の接続部分2Aを圧着してなる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、炭素繊維素線の束を合成樹脂材料によって被覆した被覆炭素繊維線を電源側の電線と接着する構造に関するものである。
炭素繊維素線を多数本束ねた炭素繊維線は、銅あるいはアルミニウム等の金属線と比べると機械的強度が高くかつ軽量であり、また耐化学薬品性にも富むことから、合成樹脂の補強繊維材料としての用途が広がっており、上記炭素繊維線で補強された合成樹脂は、最近では航空機の機体、主翼、尾翼等に使用されるようになっている。
一方、上記炭素繊維線は、半導体素子としての性質を有し、電圧を印加すると発熱するので、発熱材料としても使用される。上記炭素繊維線を発熱材料に使用した場合には、現在一般的に使用されているニクロム線系の発熱材料と比較して、遠赤外線放射効果が高いこと、昇温速度が速いこと、電力消費量がニクロム線の約半分ですむこと等の種々の利点がある。
しかし上記炭素繊維線は、直径が7〜10μmの極細の炭素繊維素線を3,000(3k)〜48,000(48k)本程度束ねて構成される半導体素子であるから、ニクロム線のような低抵抗の導体とは異なり、電源側の電線と接続するためには、電気的な接触を密にするための特別な配慮が必要である。
従来、被覆炭素繊維線と、銅やアルミニウム等の金属からなる被覆電線とを接続する方法としては、図9に示すような突合せ接続端子1(コネクタ)を使用し、被覆電線3および被覆炭素繊維線4の接続端部3C,4Cの被覆3B,4Bをそれぞれ剥離して電線3Aおよび炭素繊維線4Aを露わにし、上記コネクタ1の両端の筒状接続部2A,2B内に夫々挿入し、図10に示すように該コネクタ1の各接続部2A,2Bをカシメ加工する構成が採用されている。
あるいは図11に示すように被覆炭素繊維線4の接続端部4Cを内側(被覆4B側)に折り曲げ、図12に示すように該折り曲げ部分を接続部2Bに電線3を接続した接続子1の接続部2Aに挿入してカシメ加工する構成も採用されている。また更に上記被覆炭素繊維線4の接続端部4Cの被覆を除去し、更に図13に示すように、上記被覆電線3の接続端部4Cの被覆を除去して、上記被覆を除去した被覆炭素繊維線4の接続端部4C外周に上記被覆を除去した電線3Aの接続端部3Cを螺旋状に巻回する構成も提供されている。
一方、上記炭素繊維線は、半導体素子としての性質を有し、電圧を印加すると発熱するので、発熱材料としても使用される。上記炭素繊維線を発熱材料に使用した場合には、現在一般的に使用されているニクロム線系の発熱材料と比較して、遠赤外線放射効果が高いこと、昇温速度が速いこと、電力消費量がニクロム線の約半分ですむこと等の種々の利点がある。
しかし上記炭素繊維線は、直径が7〜10μmの極細の炭素繊維素線を3,000(3k)〜48,000(48k)本程度束ねて構成される半導体素子であるから、ニクロム線のような低抵抗の導体とは異なり、電源側の電線と接続するためには、電気的な接触を密にするための特別な配慮が必要である。
従来、被覆炭素繊維線と、銅やアルミニウム等の金属からなる被覆電線とを接続する方法としては、図9に示すような突合せ接続端子1(コネクタ)を使用し、被覆電線3および被覆炭素繊維線4の接続端部3C,4Cの被覆3B,4Bをそれぞれ剥離して電線3Aおよび炭素繊維線4Aを露わにし、上記コネクタ1の両端の筒状接続部2A,2B内に夫々挿入し、図10に示すように該コネクタ1の各接続部2A,2Bをカシメ加工する構成が採用されている。
あるいは図11に示すように被覆炭素繊維線4の接続端部4Cを内側(被覆4B側)に折り曲げ、図12に示すように該折り曲げ部分を接続部2Bに電線3を接続した接続子1の接続部2Aに挿入してカシメ加工する構成も採用されている。また更に上記被覆炭素繊維線4の接続端部4Cの被覆を除去し、更に図13に示すように、上記被覆電線3の接続端部4Cの被覆を除去して、上記被覆を除去した被覆炭素繊維線4の接続端部4C外周に上記被覆を除去した電線3Aの接続端部3Cを螺旋状に巻回する構成も提供されている。
上記従来の接続構造では、電線やニクロム線のような電気抵抗が低い導体を材料とする栓には問題なく採用出来る。しかし炭素繊維線4Aのような半導体を材料とする線では、電流が栓とコネクタ1の接続部2A、あるいは螺旋状に巻回された電線3Aと接触する外周部分に集中し、炭素繊維線4Aの内部に行くほど電流密度が低くなる傾向にある。そうすると、特にカーボンヒーターのような大電流が流れる場合には、炭素繊維線4Aの外周部分に電流が集中し、この部分が設定値を超える高温になって火災等の危険が大きくなる。
更にコネクタ1を使用する場合には、該コネクタ1の筒状接続部2,2の端末部分が刃状になって、該炭素繊維線4Aを切断してしまう場合が多々あり、その場合には通電されない炭素繊維素線が多くなって導電不良の原因となる。
更に炭素繊維を構成するフィラメント(素線)は、1本の直径が7〜10μmの炭化アクリル糸であり、断面(横)方向からの金属片の接触などで、破断が起るおそれもある。
本発明は、上記従来の問題を解決し、被覆炭素繊維線を電源側の電線と電気的に密接に接続して、効率の良い通電を行ない、もって上記炭素繊維線本来の特質を充分発揮出来るようにすることを課題とする。
更にコネクタ1を使用する場合には、該コネクタ1の筒状接続部2,2の端末部分が刃状になって、該炭素繊維線4Aを切断してしまう場合が多々あり、その場合には通電されない炭素繊維素線が多くなって導電不良の原因となる。
更に炭素繊維を構成するフィラメント(素線)は、1本の直径が7〜10μmの炭化アクリル糸であり、断面(横)方向からの金属片の接触などで、破断が起るおそれもある。
本発明は、上記従来の問題を解決し、被覆炭素繊維線を電源側の電線と電気的に密接に接続して、効率の良い通電を行ない、もって上記炭素繊維線本来の特質を充分発揮出来るようにすることを課題とする。
上記本発明の課題を解決する手段として、本発明は多数本の炭素繊維素線の束を合成樹脂材料によって被覆した被覆炭素繊維線の端末部分の被覆を剥離し、被覆端末部分に導電層を巻着し、上記被覆を剥離した炭素繊維線の端部から該炭素繊維線の内部に、中間部にワッシャーが取り付けられたピンを挿入し、該ピンのワッシャーによって該炭素繊維素線の束を放射状に拡散させると共に該炭素繊維素線を上記導電層上に折り返し、該ピンのワッシャーを該炭素繊維素線の折り返し部分の先端に密着させた状態で、一端に電線を接続した筒状接続子の他端に挿入し、該筒状接続子の接続部分を圧着した被覆炭素繊維線の接続構造を提供するものである。
一般に上記被覆炭素繊維線を構成する炭素繊維素線は直径7〜10μm、直流抵抗値が300kΩ/m〜500kΩ/mであり、所定の本数の炭素繊維素線が束ねられて上記被覆炭素繊維線を構成している。
上記被覆炭素繊維線の被覆は、絶縁性熱可塑性樹脂を材料とすることが望ましい。
更に上記被覆炭素繊維線の被覆は、内側が合成樹脂材料の被覆、外側がゴムまたはエラストマーを材料とする被覆の二重被覆であり、上記導電層は外側被覆を剥離して内側被覆表面に形成されていることが望ましい。
一般に上記被覆炭素繊維線を構成する炭素繊維素線は直径7〜10μm、直流抵抗値が300kΩ/m〜500kΩ/mであり、所定の本数の炭素繊維素線が束ねられて上記被覆炭素繊維線を構成している。
上記被覆炭素繊維線の被覆は、絶縁性熱可塑性樹脂を材料とすることが望ましい。
更に上記被覆炭素繊維線の被覆は、内側が合成樹脂材料の被覆、外側がゴムまたはエラストマーを材料とする被覆の二重被覆であり、上記導電層は外側被覆を剥離して内側被覆表面に形成されていることが望ましい。
本発明にあっては、接続部において、被覆4Bを剥離して露わにした炭素繊維線4Aの端部から内部にピン5を挿入していくと、該ピン5のワッシャー5Aによって該炭素繊維線4Aの素線41は放射状に拡散される。上記拡散された素線41は、更に該ワッシャー5Aによって被覆端末部分に巻着されている導電層5上に折り返される。該ワッシャー5Aを該折り返し部分の先端に密着させた状態で、一端に電線3を接続した筒状の接続子1の他端に挿入し、該接続子1の接続部分2を圧着する。そうすると上記放射状に拡散し導電層5上に折り返された素線4の殆んどは内側の導電層5と外側の接続子1の接続部分2に密着する。したがって接続子1、炭素繊維線4、導電層5間に密接な電気的接触が得られ、電源から電線3を介する電流は、接続子1から素線41に効率良く伝えられ、更に素線41から導電層5に伝えられ、導電層5によって全体に均一化される。
したがって本発明では炭素繊維線に伝達される電流密度が均一になり、電流集中による過熱、あるいは接続子の端面による炭素繊維線の切断、炭素繊維線の引張り力による破断等の不具合が解消され、電線から炭素繊維線に効率良く電流を流すことが出来る。
したがって本発明では炭素繊維線に伝達される電流密度が均一になり、電流集中による過熱、あるいは接続子の端面による炭素繊維線の切断、炭素繊維線の引張り力による破断等の不具合が解消され、電線から炭素繊維線に効率良く電流を流すことが出来る。
本発明を図1〜図7に示す一実施例によって以下に詳細に説明する。
図1に示す被覆炭素繊維線4は、炭素繊維線4Aと、該炭素繊維線4Aを被覆する被覆4Bとからなる。上記被覆4Bには、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、フッ素樹脂、シリコン樹脂、シリコンゴム、あるいはこれら合成樹脂にガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維を補強材として混合した繊維補強樹脂(FRP)等が材料として使用される。一般には設定発熱温度が80℃以下の場合にはPVCが被覆材料として使用され、それ以上の高温の設定発熱温度の場合には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、シリコンゴム、FRP等が被覆材料として使用される。
上記炭素繊維線4Aは多数の炭素繊維素線41A(以下、単に素線と云う)の束からなる。上記素線41Aは一般に直径が7〜10μmであり、一本の素線41Aの直流抵抗値は約400KΩ/mである。上記素線41Aは通常3000本(3K),6000本(6K)、24000本(24K)、36000本(36K)、48000本(48K)を束ねて炭素繊維線4Aとされる。束ね本数と直流抵抗値との関係を第1表に示す。
図1に示す被覆炭素繊維線4は、炭素繊維線4Aと、該炭素繊維線4Aを被覆する被覆4Bとからなる。上記被覆4Bには、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、フッ素樹脂、シリコン樹脂、シリコンゴム、あるいはこれら合成樹脂にガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維を補強材として混合した繊維補強樹脂(FRP)等が材料として使用される。一般には設定発熱温度が80℃以下の場合にはPVCが被覆材料として使用され、それ以上の高温の設定発熱温度の場合には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、シリコンゴム、FRP等が被覆材料として使用される。
上記炭素繊維線4Aは多数の炭素繊維素線41A(以下、単に素線と云う)の束からなる。上記素線41Aは一般に直径が7〜10μmであり、一本の素線41Aの直流抵抗値は約400KΩ/mである。上記素線41Aは通常3000本(3K),6000本(6K)、24000本(24K)、36000本(36K)、48000本(48K)を束ねて炭素繊維線4Aとされる。束ね本数と直流抵抗値との関係を第1表に示す。
〔第1表〕
束ね本数 直流抵抗値(Ω/m)
3K 133
6K 67
12K 33
18K 22
24K 17
36K 11
48K 8
なお上記直流抵抗値はメーカーによって多少変動する。
束ね本数 直流抵抗値(Ω/m)
3K 133
6K 67
12K 33
18K 22
24K 17
36K 11
48K 8
なお上記直流抵抗値はメーカーによって多少変動する。
第1表に示すように、素線一本では直流抵抗値は400KΩ/mであるが、これを束ねることによって単位長さ(m)当りの直流抵抗値が低下し、電圧を印加すれば発熱体として動作するレベルになる。例えば18Kの炭素繊維線4Aでは、全長10mでは抵抗値が220Ωとなり、両端に100Vの電圧を印加すれば、I=E/RからI=100V/220Ω≒0.45Aの電流が流れ、消費電力は単位時間当りV×I=100×0.45=45W、P=RI2から毎秒220×(0.45)2=44.55Wの発熱量となる。
上記被覆炭素繊維線4は電線3と接続するにあたって、図1に示すように接続端部4Cの被覆4Bを剥離して炭素繊維線4Aを露わにしておく。上記露わにされた接続端部(剥離部分)の長さは通常5〜15mm程度とする。
次いで、図2に示すように、被覆4Bの端末部分に銅箔、アルミニウム箔等の金属箔のテープの裏面に粘着層を形成した導電テープを巻着して導電層6を形成する。該導電層6の長さは該剥離部分の長さに等しいかまたはそれ以上に設定する。
その後、剥離部分である接続端部4Cの先端からピン5を挿入する。該ピン5は、図1に示すように、直径0.5〜0.9mm程度のピン5の中間部にワッシャー5Aをハンダ付けしたものである。
該ピン5を接続端部4Cの先端から挿入して行くと、該ピン5のワッシャー5Aによって炭素繊維線4Aの素線41Aが、図3に示すように360°方向に放射状に広がる。
上記ピン5においてワッシャー5Aは、上記のように炭素繊維線4Aの素線41Aを放射状に広げる機能の他に、上記被覆炭素繊維線4へのピン5の挿入量を適度なものとするストッパーとしての機能を有している。そして上記ピン5にこれら機能を付与できるのであれば、例えば上記ワッシャー5Aをピン5にハンダ付けすることに限らず、ワッシャー5Aをピン5に溶接したり、接着したりしてもよく、あるいは該ワッシャー5Aに代えて上記ピン5の中間部に曲げ加工や成形でストッパーを設けてもよい。
次いで、図2に示すように、被覆4Bの端末部分に銅箔、アルミニウム箔等の金属箔のテープの裏面に粘着層を形成した導電テープを巻着して導電層6を形成する。該導電層6の長さは該剥離部分の長さに等しいかまたはそれ以上に設定する。
その後、剥離部分である接続端部4Cの先端からピン5を挿入する。該ピン5は、図1に示すように、直径0.5〜0.9mm程度のピン5の中間部にワッシャー5Aをハンダ付けしたものである。
該ピン5を接続端部4Cの先端から挿入して行くと、該ピン5のワッシャー5Aによって炭素繊維線4Aの素線41Aが、図3に示すように360°方向に放射状に広がる。
上記ピン5においてワッシャー5Aは、上記のように炭素繊維線4Aの素線41Aを放射状に広げる機能の他に、上記被覆炭素繊維線4へのピン5の挿入量を適度なものとするストッパーとしての機能を有している。そして上記ピン5にこれら機能を付与できるのであれば、例えば上記ワッシャー5Aをピン5にハンダ付けすることに限らず、ワッシャー5Aをピン5に溶接したり、接着したりしてもよく、あるいは該ワッシャー5Aに代えて上記ピン5の中間部に曲げ加工や成形でストッパーを設けてもよい。
そして該ピン5のワッシャー5Aが外接続端部4Cの奥端に達した時点で、該放射状に広がった素線41A群に、図2、図4に示すように両端に筒状の接続部2A,2Bを有する接続子1の電源反対側の接続部2Aを外嵌することで、該素線41A群を上記導電層5上に折り返すと共に、該接続部2Aに対して圧着加工(カシメ)を行なう。
このようにして素線41A群は導電層5上に折り返され、該導電層5と接続子1の接続部2Aとの間で360°略均等にかつ密接に圧着される。
このようにして素線41A群は導電層5上に折り返され、該導電層5と接続子1の接続部2Aとの間で360°略均等にかつ密接に圧着される。
次いで被覆電線3の接続部3Cの被覆3Bを剥離して電線3Aを露わにし、図5に示すように上記接続子1の電線側接続部2内に挿入し、圧着加工(カシメ)を行なう。
すると、図6に示すように、接続子1を介して被覆電線3の電線3Aと、被覆炭素繊維線4の炭素繊維線4Aとが密接な電気的接触を確保されて接続される。また上記接続状態では、ピン5が電線3Aと接触しており、該ピン5を介した電線3Aと炭素繊維線4Aとの電気的接触が確保されている。
すると、図6に示すように、接続子1を介して被覆電線3の電線3Aと、被覆炭素繊維線4の炭素繊維線4Aとが密接な電気的接触を確保されて接続される。また上記接続状態では、ピン5が電線3Aと接触しており、該ピン5を介した電線3Aと炭素繊維線4Aとの電気的接触が確保されている。
上記実施例では被覆炭素繊維線4は単一被覆が施されていた。しかし本発明にあっては、被覆炭素繊維線4が図7に示すように、被覆4Bが外側被覆41Bと内側被覆42Bとからなる二重被覆構造を採用してもよい。この場合には外側被覆はスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマーのようなエラストマー、あるいはスチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム等のゴムが材料として使用され、内側被覆は前記単一被覆の場合と同様な樹脂材料が使用される。
上記二重被覆の場合は、被覆炭素繊維線4の接続端部4Cにおいて二重被覆41B,42Bを剥離して炭素繊維線4Aを露わにし、更に被覆端から所定長さ外側被覆41Bを剥離して、内側被覆42Bを露出させ、該内側被覆42Bの露出部分に導電テープを巻着して導電層5を形成する。
上記二重被覆の場合は、被覆炭素繊維線4の接続端部4Cにおいて二重被覆41B,42Bを剥離して炭素繊維線4Aを露わにし、更に被覆端から所定長さ外側被覆41Bを剥離して、内側被覆42Bを露出させ、該内側被覆42Bの露出部分に導電テープを巻着して導電層5を形成する。
上記本発明の接続構造(図6)と、従来の接続構造(図9および図11)、更に被覆を剥いだのみの状態の炭素繊維線の両端にワニ口クリップを介して直接的に電源を接続した比較構造について、通電実験を行なった。
実験に使用した被覆炭素繊維線4は二重被覆を施したものであり、外側被覆41Bはウレタンエラストマーを材料とし、内側被覆はPVCを材料としたものである。そして炭素繊維線4Aとしては、18,000本の素線からなる炭素繊維線4A(18K)を使用し、線長1.0m抵抗22.5Ωのものを用いた。
設定条件としては、印加電圧:AC18V、温度測定は各接続構造における炭素繊維線中央部を温度記録計によって測定した。
測定結果は図8に示される。図中、グラフAは本発明の接続構造、グラフBは図10に示す従来の接続構造、グラフCは図12に示す従来の折り曲げ接続構造、グラフDはワニ口クリップによる直接接続構造のグラフである。
図8を参照すると、本発明の接続構造では、従来の接続構造を採用したグラフB,Cに比べて発熱温度が高く(Bに比べて約4℃高い)、昇温速度も速いことが認められる。またワニ口クリップによる接続(グラフD)は、導電体では問題ないが、炭素繊維のような半導体では、採用出来ないことも立証された。
実験に使用した被覆炭素繊維線4は二重被覆を施したものであり、外側被覆41Bはウレタンエラストマーを材料とし、内側被覆はPVCを材料としたものである。そして炭素繊維線4Aとしては、18,000本の素線からなる炭素繊維線4A(18K)を使用し、線長1.0m抵抗22.5Ωのものを用いた。
設定条件としては、印加電圧:AC18V、温度測定は各接続構造における炭素繊維線中央部を温度記録計によって測定した。
測定結果は図8に示される。図中、グラフAは本発明の接続構造、グラフBは図10に示す従来の接続構造、グラフCは図12に示す従来の折り曲げ接続構造、グラフDはワニ口クリップによる直接接続構造のグラフである。
図8を参照すると、本発明の接続構造では、従来の接続構造を採用したグラフB,Cに比べて発熱温度が高く(Bに比べて約4℃高い)、昇温速度も速いことが認められる。またワニ口クリップによる接続(グラフD)は、導電体では問題ないが、炭素繊維のような半導体では、採用出来ないことも立証された。
本発明の接続構造によれば、炭素繊維線に効率良く通電出来るので、炭素繊維線による床暖房、屋根や道路用の融雪用ヒーター等に適用して有用であるから、産業上利用可能である。
1 接続子
2A,2B 接続部
3 電線
3A 電線
3B 被覆
3C 接続部
4 被覆炭素繊維線
4A 炭素繊維線
41A 炭素繊維素線
4B 被覆
4C 接続端部
5 ピン
6 導電層
2A,2B 接続部
3 電線
3A 電線
3B 被覆
3C 接続部
4 被覆炭素繊維線
4A 炭素繊維線
41A 炭素繊維素線
4B 被覆
4C 接続端部
5 ピン
6 導電層
Claims (4)
- 多数本の炭素繊維素線の束を合成樹脂材料によって被覆した被覆炭素繊維線の端末部分の被覆を剥離し、被覆端末部分に導電層を巻着し、上記被覆を剥離した炭素繊維線の端部から該炭素繊維線の内部に、中間部にワッシャーが取り付けられたピンを挿入し、該ピンのワッシャーによって該炭素繊維素線の束を放射状に拡散させると共に該炭素繊維素線を上記導電層上に折り返し、該ピンのワッシャーを該炭素繊維素線の折り返し部分の先端に密着させた状態で、一端に電線を接続した筒状接続子の他端に挿入し、該筒状接続子の接続部分を圧着したことを特徴とする被覆炭素繊維線の接続構造。
- 上記被覆炭素繊維線を構成する炭素繊維素線は直径7〜10μm、直流抵抗値が300kΩ/m〜500kΩ/mであり、所定の本数の炭素繊維素線が束ねられて上記被覆炭素繊維線を構成している請求項1記載の被覆炭素繊維線の接続構造。
- 上記被覆炭素繊維線の被覆は、絶縁性熱可塑性樹脂を材料とする請求項1または2記載の被覆炭素繊維線の接続構造。
- 上記被覆炭素繊維線の被覆は、内側が合成樹脂材料の被覆、外側がゴムまたはエラストマーを材料とする被覆の二重被覆であり、上記導電層は外側被覆を剥離して内側被覆表面に形成されている請求項1または2記載の被覆炭素繊維線の接続構造。
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