JP2017165117A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】EPS1(電動パワーステアリング装置)では、位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53が、車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、車両状態に応じて選択して行う。この結果、車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、電動パワーステアリング装置では、操舵トルクの位相進み補償や位相遅れ補償を行うことによりステアリングシステムの安定性を確保するようにしている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1では、路面μと車速に応じて位相補償の係数Kを変更するマップが開示され、路面μの大小に応じて係数Kを大小にすることが開示されている。また、特許文献2では、戻し操作時には切込操舵状態に比して設定周波数よりも高周波数帯域でゲインを小さくするようにトルクセンサの出力信号の位相を位相制御要素により変化させることが開示されている。
特開2006−117223号公報、図46、段落0168 特開2006−298040号公報
ところで、車両が高G旋回中にステアリングの速い追操舵をした場合、位相遅れ補償により、モータアシストの追従性が低下してアシスト不足が発生する。
上記アシスト不足を改善するためには、トルクの位相遅れ補償を少なくし、位相進み補償を多くする必要がある。ところが、トルクの位相進み補償が多すぎる場合、位相進み補償でのゲインの増加により通常操舵でのトルクセンサの検出信号のノイズが増加して該ノイズの悪化を来たすとともに、ロードインフォメーションの低下が問題となる。
なお、特許文献1、特許文献2では、上記の場合にどのようにするかの開示はされていない。
本発明の目的は、車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現する電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明の電動パワーステアリング装置は、車両の操舵系に作用する操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、前記操舵系に補助トルクを与える電動機と、前記操舵トルクに位相補償を行う位相補償部を有していて、前記位相補償が行われた信号に基づいて前記電動機を制御する制御部とを備える電動パワーステアリング装置であって、前記位相補償部は、前記車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記車両状態に応じて選択して行うものである。
上記構成によれば、位相補償部は、車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態とでは、車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を選択して行う。
また、前記位相補償部は、位相遅れ補償部と位相進み補償部とを含み、前記位相遅れ補償部と前記位相進み補償部の各部は、前記車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記操舵トルクに基づく操舵状態と前記車両状態に応じて選択して行うものが好ましい。
上記構成によれば、位相遅れ補償部と位相進み補償部の各部は、車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態とでは、車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を選択することにより、車両状態にあった位相補償を行う。
また、外力の作用の有無を、操舵速度、ヨーレート、横Gのうち、少なくとも横Gの情報に応じて判定する外力有無判定部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、外力有無判定部は、外力の作用の有無を、操舵速度、ヨーレート及び横Gのうち、少なくとも操舵速度及び横Gの情報に応じて判定する。
本発明によれば、車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現できる。
一実施形態の電動パワーステアリング装置の構成を示す構成図。 一実施形態の電動パワーステアリング装置における制御ブロックの概略構成を示すブロック図。 一実施形態の位相補償制御部の概略構成を示すブロック図。 電動パワーステアリング装置について、その位相遅れ補償制御部の概略構成を示すブロック図。 アシスト勾配に基づく位相遅れ補償制御の態様を示す説明図。 基本アシスト制御量とアシスト勾配との関係を示す説明図。 電動パワーステアリング装置について、その位相進み補償制御部の概略構成を示すブロック図。 旋回追操舵判定フラグが入力されたときの、アシスト勾配ゲイン演算部のアシスト勾配ゲインの演算手順を示すフローチャート。 アシスト勾配とアシスト勾配ゲインとの関係を示す説明図。 旋回追操舵判定フラグが入力されたときの、システム安定化制御部のシステム安定化制御量の演算手順を示すフローチャート。 旋回追操舵判定フラグのオンとオフを判定する手順を示すフローチャート。
以下、車両に設けられた電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)を具体化した一実施形態を図1〜図11を参照して説明する。
図1に示すように、EPS1は運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3、及びアシスト機構3を制御するECU(電子制御装置)30を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10及びステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11a、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、及びインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。
ピニオンシャフト11cの下端部はラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cの先端に設けられたピニオンギヤと、ラックシャフト12に形成されたラックからなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化する。ここで、操舵系は、運転者によって操舵されるステアリングホイール10から転舵輪15に至る系統である。
アシスト機構3は、アシスト力の発生源である電動機としてのモータ20を備えている。モータ20の回転軸21は、減速機構22を介してコラムシャフト11aに連結されている。減速機構22はモータ20の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト11aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト11にモータ20の回転力(トルク)がアシスト力として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。モータ20としては、たとえば、3相(U,V,W)の駆動電力に基づいて回転する3相ブラシレスモータが採用されているが、限定するものではない。
ECU30は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果に基づいてモータ20を制御する。各種のセンサとしては、たとえばトルクセンサ40、及び回転角センサ41がある。トルクセンサ40はコラムシャフト11aに設けられ、回転角センサ41はモータ20に設けられている。トルクセンサ40は、運転者のステアリング操作に伴いステアリングシャフト11に付与される操舵トルクTh0を検出する。トルクセンサ40は、操舵トルク検出部に相当する。回転角センサ41は、回転軸21の回転角θmを検出する。
また、図1に示すようにECU30には、横Gセンサ18及びヨーレートセンサ19が接続されている。ECU30は、横Gセンサ18及びヨーレートセンサ19の出力信号に基づいて、横G(横加速度)及びヨーレートδを検出する。
ECU30は、本実施形態では、トルクセンサ40の出力に基づいて、目標のアシスト力を設定し、実際のアシスト力が目標のアシスト力となるように、モータ20に供給される電流を制御する。
次に、ECUの構成を詳細に説明する。
図2に示すように、ECU30は、モータ制御信号を駆動回路32に出力するマイコン(マイクロコンピュータ)31と、そのモータ制御信号に基づいてモータ20に駆動電力を供給する駆動回路32とを備えている。マイコン31は、制御部に相当する。
マイコン31は、アシスト指令値演算部33と、電流指令値演算部34と、モータ制御信号生成部36と、外力有無判定部としての旋回追操舵判定部38とを備えている。
アシスト指令値演算部33は、トルクセンサ40から得られる操舵トルクTh0に基づいてモータ20に付与すべきアシストトルクに対応した基本アシスト制御量Tas*及びシステム安定化制御量Tdt*1、またはシステム安定化制御量Tdt*2を演算する。
電流指令値演算部34は、基本アシスト制御量Tas*及びシステム安定化制御量Tdt*に基づき電流指令値Ia*を演算する。モータ制御信号生成部36は、駆動回路32とアシスト機構3との間の給電経路に設けられた電流センサ37により検出される実電流値I、及び回転角センサ41により検出される回転角θmに基づいて、電流指令値I*に実電流値Iを追従させるように、モータ制御信号を生成する。
次に、アシスト指令値演算部33について具体的に説明する。
アシスト指令値演算部33は、トルクシフト制御部50と、位相遅れ補償制御部51と、基本アシスト制御部52と、位相進み補償制御部53とを備えている。位相遅れ補償制御部51は、位相遅れ補償部に相当し、位相進み補償制御部53は、位相進み補償部に相当する。また、位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53は、位相補償部に相当する。
トルクシフト制御部50は、操舵フィーリングを向上させるため、トルクセンサ40により検出される操舵トルクTh0をステアリングホイール10の操舵状態に基づいて補正することにより補正トルクThを演算する。具体的には、トルクシフト制御部50は、ステアリングホイール10が保舵状態や切り戻し状態の場合には操舵トルクTh0が増大するように補正し、切り込み状態の場合には操舵トルクTh0に対する補正量を「0」とすることで、補正トルクThを演算する。位相遅れ補償制御部51は、トルクシフト制御部50から出力される補正トルクThの位相を遅らせる。
基本アシスト制御部52は、位相遅れ補償制御部51による位相遅れ補償後の操舵トルクTh’に基づいて、電流指令値Ia*に対応したアシスト指令値の基礎成分として基本アシスト制御量Tas*を演算する。
一方、位相進み補償制御部53は、補正トルクThの微分値(補正トルク微分値dTh)に基づく補償成分として、その位相を進ませることによりシステム安定化制御量Tdt*を演算する。
図4に示すように、位相遅れ補償制御部51は、後述の旋回追操舵判定フラグ及びアシスト勾配Ragに基づいて、アシスト勾配ゲインKag1またはKag2を演算するアシスト勾配ゲイン演算部51aと、アシスト勾配Ragに基づいて位相遅れ補償の特性(フィルタの係数など)を変更するアシスト勾配感応フィルタ51bを有する。
アシスト勾配ゲイン演算部51aは、基本アシスト制御部52から取り込まれるアシスト勾配Ragの値の絶対値が大きいほど、より小さなアシスト勾配ゲインKag1、Kag2を演算する。
また、アシスト勾配Ragが同じ値の場合においては、旋回追操舵判定フラグがオン(高G旋回)のときにはアシスト勾配ゲインKag1が算出され、旋回追操舵判定フラグがオフ(非高G旋回)のときはアシスト勾配ゲインKag2(>Kag1)が算出される(図9参照)。アシスト勾配ゲインKag1、Kag2は、0〜1.0の範囲で設定される値である。
また、図5に示すように、アシスト勾配感応フィルタ51bは、アシスト勾配Rag(アシスト勾配ゲインKag1、Kag2)に応じて選択された周波数fごとにゲインG1の異なるフィルタを選択して位相遅れ補償を行う。ゲインG1とは、アシスト勾配感応フィルタ51bの入力と出力の比、すなわち、位相遅れ補償前の補正トルクThと位相遅れ補償後の補正トルクTh’の比のことである。位相遅れ補償制御部51は、アシスト勾配Ragの上昇に応じて(アシスト勾配ゲインKag1、Kag2の低下に応じて)、位相遅れ補償後の補正トルクTh’(第1の補償値)の位相が遅れるように(ゲインを低減するように)、その位相遅れ補償の特性(ゲインG1など)を変更する。
図6のグラフに示すように、基本アシスト制御部52は、位相遅れ補償後の操舵トルクTh’の絶対値が大きいほど、より大きな絶対値を有する基本アシスト制御量Tas*を演算する。位相遅れ補償後の補正トルクTh’の絶対値が大きいほど、アシスト勾配Ragの絶対値が大きくなるように設計されている。なお、アシスト勾配Ragとは、位相遅れ補償後の操舵トルクTh’の変化に対する基本アシスト制御量Tas*の変化の割合である。たとえば、アシスト勾配Ragは、図6で示される接線Lの傾きである。
図7に示すように、位相進み補償制御部53は、トルク微分値演算部53aと、ローパスフィルタ53bと、システム安定化制御部53cとを有している。
トルク微分値演算部53aは、入力される補正トルクThに基づいて、補正トルク微分値dThを演算する。ローパスフィルタ53bは、入力された補正トルク微分値dThをローパスフィルタ処理してフィルタ後の補正トルク微分値dTh’を位相進み補償後の補正トルクとして出力する。
システム安定化制御部53cは、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’、アシスト勾配Rag及び旋回追操舵判定フラグに基づいて、システム安定化制御量Tdt1*、またはシステム安定化制御量Tdt2*を演算する。
すなわち、システム安定化制御部53cからは、旋回追操舵判定フラグがオンの場合は、システム安定化制御量Tdt2*が出力され、旋回追操舵判定フラグがオフの場合は、システム安定化制御量Tdt1*(<Tdt2*)が出力される。
また、システム安定化制御部53cは、補正トルク微分値dTh’の絶対値が大きいほど、より絶対値の大きなシステム安定化制御量Tdt1*、システム安定化制御量Tdt2*を演算する。
図2に示す旋回追操舵判定部38は、検出した横G、及びヨーレートδに基づいて、高G旋回中か、非高G旋回中かの車両状態を把握するとともに、操舵速度に基づいて、操舵状態を把握し、両状態に応じて、旋回追操舵か否かを判定し、その判定結果である旋回追操舵判定フラグを位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53に出力する。
なお、図示はしないが、モータ20には、モータ回転角を検出する回転角センサが設けられている。また、ECU30には、前記回転角センサが検出したモータ回転角に基づいてステアリングホイール10の実際の操舵角を演算する操舵角演算部(図示しない)と、操舵速度を演算する操舵速度演算部(図示しない)が設けられている。前記操舵角演算部は、前記モータ回転角とステアリングシャフト11の回転角との相関関係を利用して操舵角を演算する。本実施形態では、ステアリングホイール10が中立位置であるとき、操舵角は「0°」となっている。また操舵角は、ステアリングホイール10が右操舵方向に操作されると増加し、左操舵方向に操作されると減少するように定義されている。前記操舵速度演算部は、前記操舵角を微分演算することにより操舵速度を算出する。
(実施形態の作用)
つぎに、アシスト勾配ゲイン演算部51aの動作を説明する。
図8に示すように、アシスト勾配ゲイン演算部51aは、入力された旋回追操舵判定フラグがオンか否かを判定する(S11)。旋回追操舵判定フラグがオフの場合には、アシスト勾配ゲインKag1を出力し(S12)、処理を終了する。アシスト勾配ゲインKag1は、入力されるアシスト勾配Ragの絶対値に応じて、変化する値である。これに対して、旋回追操舵判定フラグがオンの場合には、アシスト勾配ゲイン演算部51aはアシスト勾配ゲインKag2を出力し(S13)、処理を終了する。
ところで、アシスト勾配ゲインKag1、Kag2とアシスト勾配Ragとの間には、図9のグラフに示されるような関係がある。すなわち、アシスト勾配ゲインKag1、Kag2はアシスト勾配Ragに対して反比例するように、0〜1.0の範囲で設定される値である。また、アシスト勾配ゲインKag1、Kag2が「1」のとき、アシスト勾配Ragは「0」である。なお、図5に示すように、アシスト勾配Ragが「0」に近づくほど(アシスト勾配ゲインKag1、Kag2が「1」に近づくほど)、アシスト勾配感応フィルタ51bは、周波数fによらずにゲインG1がほとんど「1」になるようなフィルタを用いて位相遅れ補償を行う。
また、図9に示すように、アシスト勾配Ragが「0」でない場合においては、アシスト勾配Ragが同じ値の場合、アシスト勾配ゲインKag2>Kag1である。
この結果、旋回追操舵判定フラグがオンのときは、アシスト勾配ゲインKag2であるため、位相遅れ補償後の補正トルクTh’の位相が遅れることが抑制されて、補正トルクTh’の追従性が高められる。
逆に、旋回追操舵判定フラグがオフのときは、アシスト勾配ゲインKag1であるため、位相遅れ補償後の補正トルクTh’の位相が遅れることが促進されて、補正トルクTh’の追従性が抑制される。
つぎに、位相進み補償制御部53の動作を説明する。
図7に示すトルク微分値演算部53aは、入力した補正トルクThに基づいてフィルタ後の補正トルク微分値dThを演算してローパスフィルタ53bに出力する。ローパスフィルタ53bは、入力された補正トルク微分値dThをローパスフィルタ処理してフィルタ後の補正トルク微分値dTh’を位相進み補償後の補正トルクとしてシステム安定化制御部53cに出力する。
システム安定化制御部53cでは、下記のように処理を行う。
図10に示すようにシステム安定化制御部53cは、入力された旋回追操舵判定フラグがオンか否かを判定する(S21)。システム安定化制御部53cは、旋回追操舵判定フラグがオフの場合には、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’及びアシスト勾配Ragに基づいて、システム安定化制御量Tdt1*(<Tdt2*)を演算して、電流指令値演算部34に出力し(S22)、処理を終了する。これに対して、システム安定化制御部53cは、旋回追操舵判定フラグがオンの場合には、フィルタ後の補正トルク微分値dTh’及びアシスト勾配Ragに基づいて、システム安定化制御量Tdt2*を演算して、電流指令値演算部34に出力し(S23)、処理を終了する。
上記のようにして、旋回追操舵判定フラグがオンの場合は、システム安定化制御部53cから、電流指令値演算部34にシステム安定化制御量Tdt2*(>システム安定化制御量Tdt1*)が出力されるため、電流指令値演算部34では、基本アシスト制御量Tas*に位相進み補償が大となるシステム安定化制御量Tdt2*が加算される。
また、旋回追操舵判定フラグがオフの場合は、システム安定化制御部53cから、電流指令値演算部34にシステム安定化制御量Tdt1*(<システム安定化制御量Tdt2*)が出力されるため、電流指令値演算部34では、基本アシスト制御量Tas*に位相進み補償が小となるシステム安定化制御量Tdt2*が加算される。
つぎに、旋回追操舵判定フラグのオン及びオフの判定方法について説明する。図11は、ECU30が所定の制御周期毎に実行するプログラムのフローチャートである。
図11に示すように、旋回追操舵判定部38は、車両状態及び操舵状態に関して旋回追操舵判定条件が成立しているか否かを判定する(S31)。
旋回追操舵判定条件は、横Gが横G判定閾値Ga以上で、かつ、ヨーレートδがヨーレート判定閾値δa以上であることと、操舵速度が操舵速度判定閾値以上であることである。横Gが横G判定閾値Ga以上で、かつ、ヨーレートδがヨーレート判定閾値δa以上は、車両状態が高G旋回中の状態であることであり、操舵速度が操舵速度判定閾値以上の場合は、追操舵が行われていて車両に外力が働いていることを意味している。
また、上記旋回追操舵判定条件が成立しない場合、追操舵が行われずに外力が働いていない状態を意味している。前記横G判定閾値Ga、ヨーレート判定閾値δa及び操舵速度判定閾値は、試験等により得られた値であって、図示しないメモリに格納されている。
S31において、旋回追操舵判定条件が成立していない場合(S31の判定はNO)、S32に移行して、旋回追操舵判定フラグをオフに設定し、このフローチャートを一旦終了する。
S31において、旋回追操舵判定条件が成立している場合(S31の判定はYES)、S33へ移行する。S33では、前回値(1周期前の値)の旋回追操舵判定フラグがオンであったか否かを判定する。なお、初期状態の旋回追操舵判定フラグは、通常オフに設定されている。前回値の旋回追操舵判定フラグがオフのとき(S33でNO)、旋回追操舵判定フラグをオンに設定し(S34)、このフローチャートを一旦終了する。
S33において、前回値(1周期前の値)の旋回追操舵判定フラグがオンであった場合には、S35に移行して、旋回追操舵判定フラグをオンに保持してこのフローチャートを一旦終了する。
上記のように位相補償を行うことにより、車両が高G旋回中、操舵速度が操舵速度判定閾値以上の速い操舵がされている場合、位相遅れ補償制御部51は位相遅れ補償を小さくし、位相進み補償制御部53では位相進み補償を大きくする。この結果、車両が高G旋回中、操舵速度が操舵速度判定閾値以上の速い操舵がされている場合、モータ20のアシストの追従性を向上できる結果、アシスト不足が生ずることがなくなる。
また、車両が通常時、すなわち高G旋回中であって、操舵速度が操舵速度判定閾値未満の操舵がされている場合、或いは車両が非高G旋回の場合、位相遅れ補償制御部51は位相遅れ補償を大きくし、位相進み補償制御部53では位相進み補償を小さくする。この場合には、車両の通常時では位相進み補償でのゲインが増加しないため、トルクセンサの検出信号のノイズが悪化することがなく、また、ロードインフォメーションの低下が生ずることはなくなる。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態のEPS1(電動パワーステアリング装置)では、位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53(位相補償部)は、車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記車両状態に応じて選択して行う。この結果、本実施形態によれば、車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現できる。
(2)本実施形態のEPS1では、位相遅れ補償制御部51と位相進み補償制御部53の各部は、車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記操舵トルクに基づく操舵状態と車両状態に応じて選択して行う。この結果、本実施形態によれば、位相遅れ補償制御部51(位相遅れ補償部)と位相進み補償制御部53(位相進み補償部)の各部により、車両状態にあった位相補償を行うことができ、車両状態にあった操舵フィーリングを実現できる。
(3)本実施形態のEPS1(電動パワーステアリング装置)では、車両に働く外力の作用の有無を、操舵速度、ヨーレート、横Gの情報に応じて判定する旋回追操舵判定部38(外力有無判定部)を備える。この結果、本実施形態によれば、外力有無判定部は、外力の作用の有無を、操舵速度、ヨーレート及び横Gにより、容易に判定できる。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・前記実施形態では、操舵トルクに基づいて、目標のアシスト力を設定したが、操舵トルク0及び車速に基づいて目標のアシスト力を設定してもよい。
・前記実施形態では、モータ20として、ブラシレスモータを用いたが、ブラシ付きのモータを用いてもよい。
・前記実施形態では、コラム型の電動パワーステアリング装置に具体化して示したが、これに限らない。たとえば、ラックパラレル型の電動パワーステアリング装置であってもよい。
・前記実施形態では、外力の有無判定を、操舵速度、横G(横加速度)、及びヨーレートで判定したが、操舵速度及び横Gに基づく判定で行ってもよく、或いは、ヨーレートと横G(横加速度)、或いは横G(横加速度)のみの情報で行ってもよい。なお、前記実施形態のように外力の有無判定を、操舵速度、横G及びヨーレートの判定で行う場合には、操舵速度及び横Gの判定よりも判定精度を上げることができる。
・前記実施形態では、基本アシスト制御量Tas*に対して補償制御を行うために、位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53が設けられたが、いずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
・本実施形態では、トルクシフト制御部50から出力される補正トルクThが、位相遅れ補償制御部51及び位相進み補償制御部53に入力されたが、これに限らない。たとえば、位相進み補償制御部53に操舵トルクTh0が入力されて、操舵トルクTh0に基づいてシステム安定化制御量Tdt*を演算してもよい。また、トルクシフト制御部50を設けず、操舵トルクTh0を用いて位相遅れ補償及び位相進み補償をしてもよい。
・前記実施形態では、位相進み補償制御部53においてトルク微分値演算部53aを設けて、補正トルク微分値を用いて位相進み補償を行ったが、これに限らない。たとえば、補正トルクの差分値を用いて位相進み補償を行ってもよい。
・前記実施形態では、位相進み補償制御部53にローパスフィルタ53bが設けられたが、これに限らない。たとえば、必要に応じて、補正トルク微分値dThの低周波成分を除去するためのハイパスフィルタを設けてもよい。
・前記実施形態では、回転角センサ41はモータ20の回転軸21から、回転角θmを検出したが、これに限らない。たとえば、ピニオン角を検出するようにしてもよい。
1…EPS(電動パワーステアリング装置)、2…操舵機構、
3…アシスト機構、10…ステアリングホイール、
11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、
11b…インターミディエイトシャフト、11c…インターミディエイトシャフト、
12…ラックシャフト、13…ラックアンドピニオン機構、14…タイロッド、
15…転舵輪、18…横Gセンサ、19…ヨーレートセンサ、
20…モータ(電動機)、21…回転軸、22…減速機構、
30…ECU(電子制御装置)、31…マイコン(制御部)、
32…駆動回路、33…アシスト指令値演算部、34…電流指令値演算部、
36…モータ制御信号生成部、37…電流センサ、
38…旋回追操舵判定部(外力有無判定部)、
40…トルクセンサ(操舵トルク検出部)、41…回転角センサ、
50…トルクシフト制御部、
51…位相遅れ補償制御部(位相遅れ補償部、位相補償部)、
51a…アシスト勾配ゲイン演算部、51b…アシスト勾配感応フィルタ、
52…基本アシスト制御部、
53…位相進み補償制御部(位相進み補償部、位相補償部)、
53a…トルク微分値演算部、53b…ローパスフィルタ、
53c…システム安定化制御部、Th0…操舵トルク、Th…補正トルク、
Th’…位相遅れ補償後の補正トルク(第1の補償値)、Rag…アシスト勾配、
Kag…アシスト勾配ゲイン、G1…ゲイン、dTh…補正トルク微分値、
dTh’…フィルタ後の補正トルク微分値(第2の補償値)、
Tas*…基本アシスト制御量(基本制御量)、Tdt*…システム安定化制御量、
I*…電流指令値、Ilim…電流制限値、Ia*…電流指令値、
I…実電流値(電流値)、θm…回転角、δ…ヨーレート。

Claims (3)

  1. 車両の操舵系に作用する操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、前記操舵系に補助トルクを与える電動機と、前記操舵トルクに位相補償を行う位相補償部を有していて、前記位相補償が行われた信号に基づいて前記電動機を制御する制御部とを備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記位相補償部は、前記車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記車両状態に応じて選択して行う電動パワーステアリング装置。
  2. 前記位相補償部は、位相遅れ補償部と位相進み補償部とを含み、
    前記位相遅れ補償部と前記位相進み補償部の各部は、前記車両に外力が作用した場合の車両状態と、外力が作用しない場合の車両状態に対応する相互に異なる2つの位相補償制御を、前記操舵トルクに基づく操舵状態と前記車両状態に応じて選択して行う請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記外力の作用の有無を、操舵速度、ヨーレート、横Gのうち、少なくとも横Gの情報に応じて判定する外力有無判定部を備える請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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