JP2007137283A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動舵角制御における追従性を損なうことなく、ステアリングの収束性の向上を図ることのできる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】舵角制御演算部24は、操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分ε_Lを演算する位置制御演算部25と、その舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分ε_Dを演算する減衰制御演算部26とを備え、減衰制御演算部26は、ステアリングの回転速度ωsに減衰ゲインKdを乗ずることにより、減衰制御成分ε_Dを演算する。また、減衰制御演算部26は、減衰ゲイン可変演算部35を有しており、同減衰制御演算部26は、この減衰ゲイン可変演算部35において演算された減衰ゲインKdに基づいて上記の減衰制御演算を実行する。そして、減衰ゲイン可変演算部35は、入力される目標舵角変化量ωs*が小となるほど大きな減衰ゲインKdを演算する。
【選択図】図2
【解決手段】舵角制御演算部24は、操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分ε_Lを演算する位置制御演算部25と、その舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分ε_Dを演算する減衰制御演算部26とを備え、減衰制御演算部26は、ステアリングの回転速度ωsに減衰ゲインKdを乗ずることにより、減衰制御成分ε_Dを演算する。また、減衰制御演算部26は、減衰ゲイン可変演算部35を有しており、同減衰制御演算部26は、この減衰ゲイン可変演算部35において演算された減衰ゲインKdに基づいて上記の減衰制御演算を実行する。そして、減衰ゲイン可変演算部35は、入力される目標舵角変化量ωs*が小となるほど大きな減衰ゲインKdを演算する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用操舵装置に関するものである。
近年、各種センサにより検出される車両状態量、或いは車間距離や白線検知信号等、車両周囲の状況信号に基づいて、ステアリング操作によらず操舵輪の舵角を自動制御、即ち車両の自動転舵を可能とする車両用操舵装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の車両用操舵装置では、ステアリングシャフトと同軸配置されたブラシレスモータの駆動力を、ステアリング操作により入力される操舵力と同様にステアリングシャフトを介して操舵輪に伝達する。そして、このような構成に限らず、例えば電動パワーステアリング装置(EPS)等、操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段を有するものであれば、その位置制御を通じて上記自動転舵機能を実現することが可能である。
特開平10−264837号公報
ところで、こうした自動転舵機能を有する車両用操舵装置には、操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、駆動手段の舵角制御指令を生成するものがある。即ち、こうした自動舵角制御の終了時には、操舵輪の舵角変更に伴い回転するステアリングもまた速やかに停止することが望ましい。そこで、上記のような減衰制御成分を位置制御成分に重畳することにより、その収束性の向上を図るのである。
しかしながら、本来、このようなステアリングの収束性と目標舵角に対する実舵角の追従性とは互いに背反する関係にあるため、その両立は極めて困難である。即ち、追従性を高めるべく位置制御演算においてそのゲイン(位置制御ゲイン)を大とすれば収束性が損なわれることとなり、反対に減衰制御演算においてそのゲイン(減衰ゲイン)を大とすれば追従性が損なわれることとなる。このため、従来は、追従性を重視して減衰ゲインを低めに設定せざるを得ず、これにより、例えば、目標舵角の変化の小さい比較的ゆっくりとした制御時、或いは舵角制御の一時的な停止により目標舵角が急に固定された場合等には、その収束性に課題の残るものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、自動舵角制御における追従性を損なうことなく、ステアリングの収束性の向上を図ることのできる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段と、該駆動手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、前記操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、前記駆動手段の舵角制御指令を生成する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記ステアリングの回転角速度に減衰ゲインを乗ずることにより前記減衰制御成分を演算するとともに、前記目標舵角の変化量、該変化量の微分値、及び前記目標舵角と前記実舵角との偏差の少なくとも一つが小となるほど、前記減衰ゲインを大とすること、を要旨とする。
即ち、ステアリング(の回転)の収束性が低下する比較的ゆっくりとした舵角制御時、或いは舵角制御の一時的な停止により目標舵角が急に固定された場合等に、これら各状態量は小となる。従って、上記構成によれば、こうした傾向の強い程、即ち、ステアリングの回転が停止する状態に近いほど、同ステアリングの収束性を高めることができ、併せて、これら各状態量の大きくなる通常時には、減衰ゲインを小とすることで、その高い追従性を確保することができる。そして、これら各状態量を組み合わせて用いることにより、より高い水準で追従性と収束性との両立を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記変化量、前記微分値及び前記偏差の少なくとも一つがこれら各状態量にそれぞれ対応する閾値よりも小さい場合には、該閾値判定に用いた状態量以外の状態量の少なくとも一つに基づいて前記減衰ゲインの変更を行うこと、を要旨とする。
上記構成によれば、より効果的に、高い追従性の確保とステアリングの収束性の向上との両立を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段と、該駆動手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、前記操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、前記駆動手段の舵角制御指令を生成する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記ステアリングの回転角速度に減衰ゲインを乗ずることにより前記減衰制御成分を演算するとともに、前記目標舵角の変化量、該変化量の微分値、及び前記目標舵角と前記実舵角との偏差のうち少なくとも一つがこれら各状態量にそれぞれ対応する閾値よりも小さい場合には、前記減衰ゲインを大とすること、を要旨とする。
請求項3に記載の発明は、操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段と、該駆動手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、前記操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、前記駆動手段の舵角制御指令を生成する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記ステアリングの回転角速度に減衰ゲインを乗ずることにより前記減衰制御成分を演算するとともに、前記目標舵角の変化量、該変化量の微分値、及び前記目標舵角と前記実舵角との偏差のうち少なくとも一つがこれら各状態量にそれぞれ対応する閾値よりも小さい場合には、前記減衰ゲインを大とすること、を要旨とする。
上記構成によれば、ステアリングの回転が停止する状態に近い場合にのみ、同ステアリングの収束性を高めることができる。従って、追従性を損なうことなくステアリングの収束性を高めることができる。
本発明によれば、自動舵角制御における追従性を損なうことなく、ステアリングの収束性の向上を図ることの可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の車両用操舵装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
図1は、本実施形態の車両用操舵装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
本実施形態の車両用操舵装置1は、モータ9を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのEPSECU11とを備えた電動パワーステアリング装置(EPS)である。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、モータ9とラック5とが同軸に配置された所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ9の発生するアシストトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ9は、ブラシレスモータであり、EPSECU11から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。一方、EPSECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されている。そして、EPSECU11は、これらトルクセンサ14及び車速センサ15によりそれぞれ検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、モータ9の発生するアシストトルク、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
また、本実施形態の車両用操舵装置1は、EPSアクチュエータ10が操舵系に付与する駆動力を用いて操舵輪6の舵角(転舵角)を自動的に制御する自動転舵機能を有している。ここで、本実施形態の車両用操舵装置1では、転舵角と操舵角θsとは所定のギヤ比を有しており、ステアリング2の回転に基づいて転舵角が変更されるとともに、ステアリング2もまた、操舵輪6の舵角変更に伴い回転する。従って、本実施形態では、ステアリング側(操舵角ベース)の位置制御により、操舵輪6の実舵角(転舵角)を目標舵角に追従させるべく、その自動舵角制御が行われるようになっている。
具体的には、本実施形態では、EPSECU11には、ステアリングセンサ16が接続されており、上記操舵トルクτ及び車速Vとともに、同ステアリングセンサ16により検出された操舵角θsが入力される。そして、EPSECU11は、この検出された操舵角θsを、上位ECU(図示略)から目標舵角を示す値として入力される目標操舵角θs*に追従させるべくEPSアクチュエータ10の作動を制御することにより上記の自動舵角制御を実行する。
次に、本実施形態の車両用操舵装置の制御態様について説明する。
図2は、本実施形態の車両用操舵装置の制御ブロック図である。尚、以下に示す各制御ブロックは、後述するマイコン21が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
図2は、本実施形態の車両用操舵装置の制御ブロック図である。尚、以下に示す各制御ブロックは、後述するマイコン21が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
同図に示すように、EPSECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、モータ制御信号に基づいてEPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ9に三相の駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
詳述すると、本実施形態のマイコン21は、パワーアシスト制御のためのアシスト力指令Iq_A*を演算するアシスト制御演算部23に加え、自動舵角制御のための舵角制御指令Iq_L*を演算する舵角制御演算部24とを備えている。本実施形態では、アシスト制御演算部23には、操舵トルクτ及び車速Vが、舵角制御演算部24には、操舵角θs及び目標操舵角θs*が入力され、各制御演算部は、その入力された状態量に基づいてアシスト力指令Iq_A*及び舵角制御指令Iq_L*を演算する。そして、マイコン21は、この演算されたアシスト力指令Iq_A*及び舵角制御指令Iq_L*を重畳することによりモータ9の目標電流値である電流指令Iq*を生成するようになっている。
さらに詳述すると、本実施形態では、舵角制御演算部24は、操舵輪6の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分ε_Lを演算する位置制御演算部25と、操舵輪6の舵角変更に伴うステアリング2の回転を減衰させるための減衰制御成分ε_Dを演算する減衰制御演算部26とを備えている。位置制御演算部25には、目標操舵角θs*と実際の操舵角θsとの偏差Δθsが入力されるようになっており、同位置制御演算部25は、その入力された偏差Δθsに基づくフィードバック制御により位置制御成分ε_Lを演算する。具体的には、本実施形態の位置制御演算部25は、比例制御演算部25a及び積分制御演算部25bを有しており、比例制御演算部25aは、偏差Δθsに比例項ゲインKpを乗ずることにより比例項制御成分εpを、積分制御演算部25bは、偏差Δθsの積分値に積分項ゲインKiを乗ずることにより積分項制御成分εiを演算する。そして、位置制御演算部25は、これら比例項制御成分εp及び積分項制御成分εiを重畳する、即ち比例・積分制御(PI制御)により位置制御成分ε_Lを演算する。一方、本実施形態では、減衰制御演算部26には、操舵角θsの微分値、即ちステアリング2の回転角速度ωsが入力される。そして、減衰制御演算部26は、この回転角速度ωsに減衰ゲインKdを乗ずることにより、減衰制御成分ε_Dを演算する。
本実施形態では、位置制御演算部25により演算された位置制御成分ε_L及び減衰制御演算部26により演算された減衰制御成分ε_Dは、減算器27に入力され、同減算器27において重畳(減算)される。そして、舵角制御演算部24は、この位置制御成分ε_Lから減衰制御成分ε_Dを減算した値を舵角制御指令Iq_L*として出力するようになっている。
本実施形態では、上記のように舵角制御演算部24によって演算された舵角制御指令Iq_L*及びアシスト制御演算部23により演算されたアシスト力指令Iq_A*は、加算器28に入力され、同加算器28において加算(重畳)された値が電流指令Iq*としてモータ制御信号出力部29に入力される。そして、モータ制御信号出力部29は、この電流指令Iq*及びモータ9に供給される実電流値に基づくフィードバックにより駆動回路22に出力するモータ制御信号を生成する。
具体的には、モータ制御信号出力部29には、電流指令Iq*とともに、実電流値として各電流センサ30u,30vにより検出された各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角センサ31により検出されたモータ回転角θmが入力される。そして、モータ制御信号出力部29は、これら電流指令Iq*、各相電流値Iu,Iv,Iw、及びモータ回転角θmに基づくd/q座標系における電流制御により、モータ9に供給する電流量(実電流値)を制御目標量である電流指令Iq*に追従させるべくモータ制御信号を生成する。そして、このモータ制御信号出力部29の出力するモータ制御信号に応答して駆動回路22がモータ9に対して三相の駆動電力を供給することにより、同モータ9、即ちEPSアクチュエータ10の作動が制御されるようになっている。
(減衰ゲイン可変制御)
次に、本実施形態の車両用操舵装置における減衰ゲイン可変制御について説明する。
上述のように、本来、互いに背反する関係にある位置制御成分ε_L及び減衰制御成分ε_Dを重畳することにより舵角制御指令Iq_L*を演算する構成では、その位置制御ゲイン(本実施形態では、比例項ゲインKp及び積分項ゲインKi)と減衰ゲインKdとを最適化するのが極めて困難である。このため、通常は、追従性を重視して減衰ゲインを低めに設定せざるを得ず、これにより、例えば、目標舵角の変化の小さい比較的ゆっくりとした舵角制御時、或いは舵角制御の一時的な停止により目標舵角が急に固定された場合等には、その収束性に課題の残るものとなっていた。
次に、本実施形態の車両用操舵装置における減衰ゲイン可変制御について説明する。
上述のように、本来、互いに背反する関係にある位置制御成分ε_L及び減衰制御成分ε_Dを重畳することにより舵角制御指令Iq_L*を演算する構成では、その位置制御ゲイン(本実施形態では、比例項ゲインKp及び積分項ゲインKi)と減衰ゲインKdとを最適化するのが極めて困難である。このため、通常は、追従性を重視して減衰ゲインを低めに設定せざるを得ず、これにより、例えば、目標舵角の変化の小さい比較的ゆっくりとした舵角制御時、或いは舵角制御の一時的な停止により目標舵角が急に固定された場合等には、その収束性に課題の残るものとなっていた。
この点を踏まえ、本実施形態の車両用操舵装置1では、自動舵角制御の状態に応じて減衰ゲインKdを変化させる。詳述すると、本実施形態では、減衰制御演算部26は、減衰ゲイン可変演算部35を有しており、同減衰制御演算部26は、この減衰ゲイン可変演算部35において演算された減衰ゲインKdに基づいて上記の減衰制御演算を実行する。そして、減衰ゲイン可変演算部35は、自動舵角制御の状態に応じてその演算する減衰ゲインKdを変化させる。
具体的には、本実施形態では、減衰ゲイン可変演算部35には、目標操舵角θs*の変化量である目標舵角変化量ωs*が入力される。そして、減衰ゲイン可変演算部35は、この入力される目標舵角変化量ωs*が小となるほど大きな減衰ゲインKdを演算する。尚、図3に示すように、本実施形態の減衰ゲイン可変演算部35は、目標舵角変化量ωs*と減衰ゲインKdとが関連付けられたマップ35aを有しており、同マップ35aにおいて、減衰ゲインKdは、目標舵角変化量ωs*が小となるほど大となるように設定されている。そして、減衰ゲイン可変演算部35は、入力された目標舵角変化量ωs*をこのマップ35aに参照することにより、減衰ゲインKdを演算する。
即ち、ステアリング(の回転)の収束性が低下する比較的ゆっくりとした舵角制御時、或いは舵角制御の一時的な停止により目標舵角が急に固定された場合等には、目標舵角変化量ωs*は小となる。従って、上記のような構成とすることで、こうした傾向の強い程、即ち、ステアリング2の回転が停止する状態に近いほど、その収束性を高めることができ、併せて、目標舵角変化量ωs*の大きい通常時には、減衰ゲインKdを小とすることで、その高い追従性を確保することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段としてEPSアクチュエータ10を用いることとした。しかし、これに限らず、操舵輪6の舵角変更に伴いステアリング2が回転する構成であれば、上記特許文献1に記載の車両用操舵装置のように、パワーステアリング装置と別体の駆動手段を備えた構成に具体化してもよい。そして、この場合、パワーステアリング装置は、電動式に限らず油圧式であってもよい。
・本実施形態では、操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段としてEPSアクチュエータ10を用いることとした。しかし、これに限らず、操舵輪6の舵角変更に伴いステアリング2が回転する構成であれば、上記特許文献1に記載の車両用操舵装置のように、パワーステアリング装置と別体の駆動手段を備えた構成に具体化してもよい。そして、この場合、パワーステアリング装置は、電動式に限らず油圧式であってもよい。
・本実施形態では、ステアリング側(操舵角ベース)の位置制御により、その自動舵角制御が行われることとしたが、これに限らず操舵輪側(転舵角ベース)で自動舵角制御を行う構成としてもよい。
・本実施形態では、減衰ゲイン可変演算部35は、目標舵角変化量ωs*と減衰ゲインKdとが関連付けられたマップ35aに基づいて減衰ゲインKdを演算することとした。しかし、これに限らず、目標舵角変化量ωs*が所定の閾値αよりも小さい場合に、減衰ゲインKdを大とする構成としてもよい。
即ち、図4のフローチャートに示すように、入力された目標舵角変化量ωs*が所定の閾値α以上である否かを判定し(ステップ101)、目標舵角変化量ωs*が閾値α以上である場合(ωs*≧α、ステップ101:YES)には、その減衰ゲインKdを通常値Kd0として演算する(Kd=Kd0、ステップ102)。そして、目標舵角変化量ωs*が閾値αよりも小さい場合(ωs*<α、ステップ101:NO)には、その減衰ゲインKdを通常値Kd0よりも大きい停止値Kd1(Kd1>Kd0)として演算する(Kd=Kd1、ステップ103)構成としてもよい。このような構成としても、高い追従性を確保しつつステアリングの収束性を高めることができる。
・本実施形態では、目標操舵角θs*の変化量である目標舵角変化量ωs*に基づいて減衰ゲインKdを変更することとした。しかし、これに限らず、この変化量(目標舵角変化量ωs*)の微分値、又は目標舵角と実舵角との偏差(Δθs)に基づいて、減衰ゲインKdの変更を行うこととしてもよい。そして、更には、これら各状態量の任意の組み合わせ、即ち少なくとも何れか一つに基づいて減衰ゲインKdの変更を行うこととしてもよい。
尚、この場合における「変更」の形態は、上記実施形態のようにこれら各状態量が小となるほど減衰ゲインKdを大とするものでも、これら各状態量が各々対応する閾値よりも小さい場合に減衰ゲインKdを大とするものであってもよい。そして、更には、これら各状態量の少なくとも一つが各々対応する閾値よりも小さい場合に、その状態量以外のものの少なくとも一つに基づいて、減衰ゲインKdを大とする構成としてもよい。具体的には、例えば、目標舵角変化量ωs*の微分値が所定の閾値よりも小さい場合に、目標舵角変化量ωs*小さいほど減衰ゲインを大とする等の構成としてもよい。
1…車両用操舵装置、2…ステアリング、6…操舵輪、10…EPSアクチュエータ、11…EPSECU、21…マイコン、25…位置制御演算部、26…減衰制御演算部、35…減衰ゲイン可変演算部、35a…マップ、Iq_L*…舵角制御指令、ε_L…位置制御成分、ε_D…減衰制御成分、Kd…減衰ゲイン、Kd0…通常値、Kd1…停止値、θs…操舵角、θs*…目標操舵角、Δθs…偏差、ωs…回転角速度、ωs*…目標舵角変化量、α…閾値。
Claims (3)
- 操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段と、該駆動手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、前記操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、前記駆動手段の舵角制御指令を生成する車両用操舵装置であって、
前記制御手段は、前記ステアリングの回転角速度に減衰ゲインを乗ずることにより前記減衰制御成分を演算するとともに、前記目標舵角の変化量、該変化量の微分値、及び前記目標舵角と前記実舵角との偏差の少なくとも一つが小となるほど、前記減衰ゲインを大とすること、を特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記制御手段は、前記変化量、前記微分値及び前記偏差の少なくとも一つがこれら各状態量にそれぞれ対応する閾値よりも小さい場合には、該閾値判定に用いた状態量以外の状態量の少なくとも一つに基づいて前記減衰ゲインの変更を行うこと、
を特徴とする車両用操舵装置。 - 操舵系に操舵輪の舵角を変更するための駆動力を付与可能な駆動手段と、該駆動手段の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操舵輪の実舵角を目標舵角に追従させるための位置制御成分と、前記操舵輪の舵角変更に伴うステアリングの回転を減衰させるための減衰制御成分とを重畳することにより、前記駆動手段の舵角制御指令を生成する車両用操舵装置であって、
前記制御手段は、前記ステアリングの回転角速度に減衰ゲインを乗ずることにより前記減衰制御成分を演算するとともに、前記目標舵角の変化量、該変化量の微分値、及び前記目標舵角と前記実舵角との偏差のうち少なくとも一つがこれら各状態量にそれぞれ対応する閾値よりも小さい場合には、前記減衰ゲインを大とすること、
を特徴とする車両用操舵装置。
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