JP2017163138A - 積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス基板と支持板との貼合の生産性を改善することができる積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】積層体は支持面と裏面とを有する支持板と、第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板と、支持面と第1主面との間に配置され、支持板と複数のデバイス基板とを剥離可能に貼合する接着層と、を有している。積層体は、支持面と裏面とを有する支持板の支持面に接着層を配置し、第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板の第1主面と支持面とを接着層により剥離可能に貼合することにより製造される。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法に関する。
表示パネル、太陽電池、薄膜二次電池、半導体機器等の電子デバイスの薄型化、軽量化、小型化が進められている。これらの電子デバイスに用いられる基板(以下、デバイス基板という)の薄型化、軽量化、小型化が要望されている。デバイス基板の厚さが薄く、サイズが小さくなると、デバイス基板のハンドリング性が低下する。
そこで、デバイス基板と支持板とを樹脂層により剥離可能に貼合し、次にデバイス基板に対し必要な処理を施した後、デバイス基板から支持板を剥離する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2011/090004号
一般的に、積層体を作製する際、デバイス基板、及び/又は支持板に接着層を形成し、デバイス基板と支持板とを、接着層を介して貼合する方法が用いられている。一方、半導体分野では、円形加工された支持板に対し、スピンコート等で接着層を形成し、接着層の形成された支持板とデバイス基板(例えば、円形のウエハ)とを、接着層を介して貼合する方法が用いられている。
デバイス基板と同程度のサイズ、形状に加工された支持板にスピンコート等で接着層を形成する方法は、枚葉式による塗布、硬化等を行う方法であるため、貼合工程の生産性が低くなる問題がある。また、支持板とデバイス基板との貼合においては、高い貼り合せ精度が求められるため、貼合工程の生産性が低くなる問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、デバイス基板と支持板との貼合工程における生産性を改善することができる積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によると、積層体は、支持面と裏面とを有する支持板と、第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板と、前記支持面と前記第1主面との間に配置され、前記支持板と前記複数のデバイス基板とを剥離可能に貼合する接着層と、を有する。
本発明の別の態様によると、積層体の製造方法は、支持面と裏面とを有する支持板の前記支持面に接着層を配置する工程と、第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板の前記第1主面を前記接着層により剥離可能に貼合する工程と、を有する。
本発明の別の態様によると、単位積層体の製造方法は、上述の積層体の製造方法により積層体を製造する工程と、前記積層体を前記デバイス基板ごとに個片化する工程と、を有する。
本発明の別の態様によると、デバイス基板の製造方法は、上述の積層体の製造方法により積層体を製造する工程と、前記積層体を前記デバイス基板ごとに個片化する工程と、前記個片化された積層体の少なくとも前記支持板を面取り加工する工程と、前記個片化され面取り加工された積層体から前記支持板を剥離する工程と、を有する。
本発明の積層体、積層体の製造方法、単位積層体の製造方法、及びデバイス基板の製造方法によれば、デバイス基板と支持板との貼合工程の生産性を改善することができる。
積層体の平面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 積層体の製造方法の工程図である。 積層体に切断線を加えた平面図である。 単位積層体の断面図である。 面取り加工がされた単位積層体の断面図である。 別の面取り加工がされた単位積層体の断面図である。 デバイス基板の製造方法のフローチャートである。 デバイス基板の製造方法の工程図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態により説明される。但し、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、基本的に、同様の機能を有する同様の要素である。
(積層体)
図1は、本実施形態の積層体の平面図であり、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。積層体10は、支持面21と裏面22とを有する支持板20と、第1主面31と第2主面32とを有する複数のデバイス基板30(30A、30B、30C)と、支持面21と第1主面31との間に配置された接着層40と、を備える。接着層40により、支持板20と複数のデバイス基板30とは剥離可能に貼合される。
本実施形態では、接着層40により、複数のデバイス基板30の第1主面31と支持板20の支持面21とを剥離可能に貼合するので、積層体10を効率的に製造することができる。
(支持板)
支持板20は、デバイス基板30と剥離可能に貼合され、デバイス基板30から剥離されるまでの間、デバイス基板30を支持して補強し、後工程におけるデバイス基板30の変形、傷付き、破損などを防止するための部材を意味する。
図2に示されるように、支持板20は、支持面21と、この支持面21に対向する裏面22と、支持面21と裏面22とをつなぐ端面23とを有している。複数のデバイス基板30と支持板20とが接着層40を介して支持面21の側で貼合されるので、支持面21は平坦面で構成されていることが好ましい。
支持板20の厚さは、デバイス基板30の種類、厚さ等に応じて適宜設定される。支持板20の厚さは、デバイス基板30よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。支持板20の厚さは、デバイス基板30を補強するため、400μm以上であることが好ましく、熱容量を小さくするため700μm以下であることが好ましい。
平面視において、支持板20は、直線で構成される三角形、矩形等を含む多角形の形状、曲線で構成される円形、楕円形等の曲線形状、又はこれらの組み合わせの形状にすることができる。支持板20が複数のデバイス基板30を貼合することができる大きさの支持面21を有している限り、支持板20の形状、及び大きさは、特に限定されない。
支持板20としては、例えば、ガラス板、セラミックス板、アクリル板、半導体板、化合物半導体板、金属板等であることが好ましい。半導体板としては、シリコンウエハ、シリコンカーバイドウエハ、サファイアウエハであることが好ましい。化合物半導体板としては、窒化ガリウムウエハ、ガリウムヒ素ウエハ、リン化インジウムウエハであることが好ましい。中でも、ガラス板が好ましい。ガラス板の材料は、特に限定されないが、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが好ましい。中でも、デバイス基板30との熱膨張差の小さい無アルカリガラスが好ましい。
支持板20は、デバイス基板30との線膨張係数の差の小さい材料で形成されることが好ましく、デバイス基板30と同一材料で形成されることがより好ましい。
デバイス基板30と支持板20との25℃以上300℃以下における平均線膨張係数(以下、単に「平均線膨張係数」という)の差は、好ましくは700×10−7/℃以下であり、より好ましくは500×10−7/℃以下であり、さらに好ましくは300×10−7/℃以下である。差が大き過ぎると、例えば、デバイス基板の製造工程における加熱冷却時に、デバイス基板30と支持板20とが剥離する可能性がある。デバイス基板30の材料と支持板20の材料とが同じ場合、このような問題を生じるおそれが少ない。
(デバイス基板)
デバイス基板30とは、表示パネル、太陽電池、薄膜二次電池、半導体機器等の電子デバイスに用いられる基板を意味する。表示パネルとしては、液晶ディスプレイパネル(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、及び有機ELディスプレイパネル(OELD:Organic Electro Luminescence Display)を例示できる。
図2に示されるように、デバイス基板30(30A、30B、30C)は、第1主面31と、この第1主面31に対向する第2主面32と、第1主面31と第2主面32とをつなぐ端面33とを有している。これらのデバイス基板の端面33を形成する方法は、一般的な方法であってよい。例えば、刃物で切断する方法、レーザ等の高エネルギー線で溶断する方法、デバイス基板の主面に刃物やレーザ等を用いてスクライブ線を形成し、スクライブ線に沿って割断する方法、ダイシングブレードを用いた切断方法等が挙げられる。これらの方法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。デバイス基板30は、その周縁部において、第1主面31と第2主面32の側に形成された面取り部34、35を有していることが好ましい。デバイス基板30の周縁部とは、デバイス基板30の外周の部分を意味する。
ここで面取り部34、35とは、第1主面31又は第2主面32と端面33との交差する領域が除去されている部分を意味する。面取り部34、35の形状としては、所定の面取り角度(例えば、45°等)で直線状に除去された形状、又は曲線状(円弧状、楕円状等)に除去された形状を含む。
デバイス基板30の厚さは、50μm以上1000μm以下であることが好ましく、100μm以上900μm以下であることがより好ましく、150μm以上800μm以下であることがさらに好ましい。上述の範囲にすることにより、デバイス基板30を支持板20に貼合する前において、デバイス基板30のハンドリング性が良好となる。また、上述の範囲にすることにより、後述するデバイス基板30の薄板化において、デバイス基板30を所望の厚さにすることができる。
平面視において、デバイス基板30は、直線で構成される三角形、矩形等を含む多角形の形状、曲線で構成される円形、楕円形等の曲線形状、又はこれらの組み合わせの形状にすることができる。
デバイス基板30としては、半導体基板、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、であることが好ましい。
半導体基板としては、特に限定されないが、シリコンウエハ、シリコンカーバイドウエハ、サファイアウエハ、又は化合物半導体ウエハであることが好ましい。化合物半導体ウエハとしては、窒化ガリウムウエハ、ガリウムヒ素ウエハ、リン化インジウムウエハであることが好ましい。
本実施形態では、平面視において、デバイス基板30は、曲線と直線とを組み合わせた形状を有している。曲線と直線の組み合わせ形状として、オリエンテーションフラット付きの半導体基板を例示することができる。オリエンテーションフラットとは、結晶方位を特定するため、円形の半導体基板の外周の一部を直線状に切り取った直線部のことを意味する。図1に示されるように、平面視において、デバイス基板30の直線部36がオリエンテーションフラットに相当する。結晶方位を特定するため、オリエンテーションフラットに代えて、V字型の切れ込みであるノッチをデバイス基板30の外周に形成することができる。
ガラス基板のガラスとしては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、石英ガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスを例示できる。酸化物系ガラスとしては、酸化物換算による酸化ケイ素の含有量が40質量%以上90質量%以下のガラスが好ましい。
ガラス基板のガラスは、製造する電子デバイスの種類に適したガラス、その製造工程に適したガラスを選択して採用することが好ましい。たとえば、液晶パネル用のガラス基板には、アルカリ金属成分を実質的に含まないガラス(無アルカリガラス)を採用することが好ましい。
樹脂基板の樹脂の種類は、特に限定されない。透明な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明フッ素樹脂、透明ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などが例示される。また、不透明な樹脂としては、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などが例示される。
デバイス基板30の第1主面31及び/又は第2主面32に、機能層が形成されていることが好ましい。図2には、機能層の有無に関して3種類のデバイス基板30A、30B、30Cが示されている。デバイス基板30Aは、第1主面31に第1機能層51が形成され、第2主面32には機能層は形成されていない。デバイス基板30Bは、第2主面32に第2機能層52が形成され、第1主面31に機能層は形成されていない。デバイス基板30Cは、第1主面31及び第2主面32には機能層が形成されていない。また、図示していないが、デバイス基板30において、第1主面31及び第2主面32の両方に機能層を設けることができる。
ここでは、デバイス基板30の種類を説明するため、デバイス基板30A、30B、30Cと表現したが、種類を限定する必要がない場合は、以下デバイス基板30として表現する。
ここで機能層(第1機能層51、及び第2機能層52を含む。)とは、デバイス基板30に所望の機能を付与する構成物を意味する。機能層は、デバイス基板30を利用する電子デバイスの要求に応じて作製される。機能層としては、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)、カラーフィルタ(Color Filter)、保護層等であることが好ましい。
機能層は、例えば、トランジスタ、配線(金属配線等)、電極、絶縁膜(シリコン窒化膜等)により構成される。機能層の作製方法は、例えば、フォトリソグラフィ法、エッチング法、イオン注入法、CVD法など公知の方法を適用することができる。また、デバイス基板30の第1主面31に凹凸を有する場合には、例えば、塗布平坦化材料などを用いて、平坦化しておくことが好ましい。これは、接着層40とデバイス基板30の密着性を向上させる、または、接着層40とデバイス基板30の界面に各種プロセス液などが浸入することを防止するためである。
第1機能層51は、デバイス基板30が支持板20に貼合される前にデバイス基板30の第1主面31に形成することができる。第2機能層52は、デバイス基板30が支持板20に貼合される前及び後にデバイス基板30の第2主面32に形成することができる。また、後述するように、第2機能層52は、積層体10から単位積層体に個片化された後に、第2主面32に形成することができる。
なお、支持板20に貼合される前に、第1機能層51、及び/または、第2機能層52がデバイス基板30に形成される場合、デバイス基板30よりサイズが大きいデバイス基板に機能膜を形成した後、下記の切断を行ってもよい。例えば、刃物で切断する方法、レーザ等の高エネルギー線で溶断する方法、デバイス基板の主面に刃物やレーザ等を用いてスクライブ線を形成し、スクライブ線に沿って割断する方法、ダイシングブレードを用いた切断方法等が挙げられる。これらの方法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
(接着層)
接着層40とは、複数のデバイス基板30と支持板20とを一時的にくっつけ、その後においてデバイス基板30と支持板20とを剥離することができる層を意味する。この接着層40としては、特に限定されることなく、樹脂層、無機膜、プラズマ重合膜等であることが好ましい。
本実施形態では、接着層40が支持板20の支持面21の全面に配置されている。支持面21の全面とは、支持面21の外周に沿って接着層40が一部配置されていない領域が形成される場合、または、支持面21の上に接着層40が一部配置されていない領域が形成されない場合も含む。支持面21の全面に配置することにより、各デバイス基板30と支持板20との間により確実に接着層40を配置することができる。
但し、接着層40を支持板20の支持面21の全面に配置させる必要はない。例えば、支持面21上のデバイス基板30が貼合される領域に対して、それより少し大きい領域に接着層40を支持面21の上に配置することもできる。接着層40をデバイス基板30の配列に合わせて、支持面21の上に格子状に配置することができる。また、支持面21上のデバイス基板30が貼合される領域に対してその領域より小さめで厚く接着層40を配置することもできる。デバイス基板30を支持板20に押圧しながら貼合することにより、接着層40をデバイス基板30と支持板20との間に押し広げることができる。
接着層40が樹脂層である場合、樹脂層を構成する樹脂は、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、及びポリイミドシリコーン樹脂を例示できる。いくつかの種類の樹脂を混合して用いることもできる。その中でも、耐熱性や剥離性の観点から、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。
接着層40が樹脂層である場合、接着層40の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上100μm以下に設定され、より好ましくは2μm以上50μm以下、さらに好ましくは3μm以上30μm以下に設定される。接着層40の厚さを1μm以上とすることにより、接着層40とデバイス基板30との間に気泡や異物が混入した場合であっても、接着層40の変形によって、気泡や異物の厚さを吸収できる。一方、接着層40の厚さを100μm以下とすることにより、接着層40の形成時間を短縮でき、更に接着層40の樹脂を必要以上に使用しないため経済的である。
接着層40が樹脂層である場合、樹脂層を構成する樹脂の熱伝導率は0.1(W/m・K)以上であることが好ましく、0.15(W/m・K)以上であることがより好ましい。熱伝導率が0.1(W/m・K)以上であると、後述する第2機能層を形成する際の加熱プロセスに時間がかかりすぎず、生産効率が低下することを抑えることができる。
また、図2では接着層40が1層で構成されているが、接着層40は2層以上で構成することもできる。この場合、接着層40を構成する全ての層の合計の厚さが、接着層40の厚さになる。また、接着層40が樹脂層である場合、各樹脂層を構成する樹脂の種類は異なっていてもよい。
接着層40が無機膜である場合、無機膜は、各種の無機化合物から形成される。具体的には、酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、炭窒化物、珪化物および弗化物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むのが好ましい。
酸化物、窒化物、酸窒化物としては、例えば、Si、Hf、Zr、Ta、Ti、Y、Nb、Na、Co、Al、Zn、Pb、Mg、Bi、La、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Dy、Er、Sr、Sn、In、CeおよびBaから選ばれる1種類以上の元素の酸化物、窒化物、酸窒化物が挙げられる。より具体的には、酸化チタン(TiO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛スズ(ZTO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)、酸化インジウムセリウム(ICO)、窒化硅素(Si)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)、窒化クロム(CrN)、窒化ホウ素(BN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ジルコニウム(ZrN)などが挙げられる。
炭化物、炭窒化物としては、例えば、Ti、W、Si、Zr、Nbから選ばれる1種以上の元素の炭化物、炭窒化物が挙げられる。より具体的には、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、炭化硅素(SiC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭窒化チタン(TiCN)、炭窒化タングステン(WCN)、炭窒化硅素(SiCN)、炭窒化ニオブ(NbCN)、炭窒化ジルコニウム(ZrCN)などが挙げられる。
珪化物としては、例えば、W、Fe、Mn、Mg、Mo、Cr、Ru、Re、Co、Ni、Ta、Ti、Zr、Baから選ばれる1種以上の元素の珪化物が挙げられる。
弗化物としては、例えば、Mg、Y、La、Baから選ばれる1種以上の元素の弗化物が挙げられる。
中でも、デバイス基板の製造工程等において、熱処理前の加工に耐えられる密着性を持ちながら、熱処理による膜特性の変化が少なく再利用が容易である、容易に入手できる等の点で、炭化硅素、酸化インジウムスズおよび酸化インジウムセリウムは、好適に例示される。
無機膜の平均線膨張係数は、支持板20等の形成材料に応じて、適宜、設定すればよい。例えば、支持板20としてガラス板を使用する場合は、その平均線膨張係数は10×10−7/℃以上200×10−7/℃以下が好ましい。この範囲であれば、デバイス基板30との平均線膨張係数の差が小さくなり、高温環境下におけるデバイス基板30と無機膜付き支持板20との位置ずれをより抑制することができる。
無機膜は、前述した無機化合物の少なくとも1種が主成分として含まれているのが好ましい。ここで、主成分とは、これらの総含有量が、無機膜の全量に対して、90質量%以上であることを意味し、98質量%以上であるのが好ましく、99質量%以上であるのがより好ましい。
無機膜の厚さとしては、耐擦傷性の観点からは、5nm以上5000nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましい。
図2では接着層40である無機膜が1層で構成されているが、無機膜は2層以上で構成することもできる。この場合、無機膜を構成する全ての層の合計の厚さが、無機膜の厚さになる。また、この場合、各無機膜が異なる組成であってもよい。
接着層40がプラズマ重合膜である場合、プラズマ重合膜を形成する材料は、CF、CHF、C、C、C、CHF、C等のフルオロカーボンモノマー、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン等のハイドロカーボンモノマー、水素、SF等があげられる。特に、フルオロカーボンモノマーまたは、ハイドロカーボンモノマーからなるプラズマ重合膜が好ましい。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
プラズマ重合膜の厚さとしては、耐擦傷性の観点からは、1nm以上100nm以下が好ましく、1nm以上50nm以下がより好ましく、1nm以上10nm以下がさらに好ましい。
(積層体の製造方法)
次に積層体の製造方法について、図3を参照して説明する。図3(A)に示されるように、支持面21と裏面22とを有する支持板20を準備する。必要に応じて、支持板20の支持面21が洗浄される。
次に、図3(B)に示されるように、支持面21の上に接着層40が配置される。接着層40が樹脂層である場合、接着層40を支持面21に配置する方法として、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法等が挙げられる。このような方法の中から、接着層40の種類に応じて適宜選択することができる。中でもダイコート法が大面積の支持面21に対して、樹脂層を平滑に配置可能であるので好ましい。
また、接着層40を、例えばシート状に形成し、シート状の接着層40を支持面21の上に配置することができる。また、接着層40がプラズマ重合膜である場合、プラズマ重合装置により支持面21に接着層40を配置することができる。プラズマ重合装置は、例えば、チャンバーと、支持板20の裏面22を支持する第1電極と、第1電極に対向する第2電極と、電極間に高周波を印加する電源回路と、チャンバーにガスを供給する供給装置と、チャンバー内のガスを排気する排気装置等から構成される。
次に、図3(C)に示されるように、第1主面31と第2主面32とを有する複数のデバイス基板30の第1主面31と支持板20の支持面21とが、接着層40により剥離可能に貼合される。本実施形態では第1主面31に第1機能層51が形成されたデバイス基板30を示した。しかし、デバイス基板30はこれに限定されない。
接着層40とデバイス基板30とを剥離可能に貼合させる方法は、公知の方法であってよい。例えば、常圧環境下で接着層40の剥離性表面にデバイス基板30を重ねた後、ロールやプレスを用いて接着層40とデバイス基板30とを圧着させる方法が挙げられる。ロールやプレスで圧着することにより接着層40とデバイス基板30とがより密着するので好ましい。また、ロールまたはプレスによる圧着により、接着層40とデバイス基板30との間に混入している気泡が比較的容易に除去されるので好ましい。
接着層40とデバイス基板30を真空ラミネート法や真空プレス法により圧着すると、気泡の混入の抑制や良好な密着の確保がより好ましく行われるのでより好ましい。真空下で圧着することにより、微小な気泡が残存した場合でも、加熱により気泡が成長することがなく、デバイス基板30のゆがみ欠陥につながりにくいという利点もある。
デバイス基板30を接着層40の上に剥離可能に貼合させる際には、接着層40、及びデバイス基板30の互いに接触する側の面を十分に洗浄し、クリーン度の高い環境で貼合することが好ましい。接着層40は変形するので、接着層40が厚い場合には、接着層40とデバイス基板30との間に異物が混入しても、接着層40が変形するのでデバイス基板30の表面の平坦性に影響を与えることはないが、クリーン度が高いほどその平坦性は良好となるので好ましい。
接着層40の上に複数のデバイス基板30を配列する場合、本実施形態では図1に示されるように、複数のデバイス基板30が格子状に配列されている。格子状の配列とは、複数のデバイス基板30が平行な複数の列をなして配列されるとともに、隣接する最も近いデバイス基板30同士が、平行する複数の列に直交する方向に配列されている状態をいう。但し、配列は特に限定されず、複数のデバイス基板30を千鳥状の配列とすることもできる。千鳥状の配列とは、複数のデバイス基板30が平行な複数の列をなして配列されるとともに、隣接する最も近いデバイス基板30同士が、平行する複数の列に直交する方向には配列されていない状態をいう。
配列は特に限定されないが、デバイス基板30が存在しない余白部分を、一番小さくできる観点で格子状の配列が好ましい。
また、図1に示されるように、デバイス基板30を直線状の直線部36(例えば、オリエンテーションフラット)を有している場合、デバイス基板30の直線部36を一直線状に位置させるように、複数のデバイス基板30を配列させることが好ましい。後述するように、積層体10はデバイス基板30ごとに個片化される。その際、円形に切断されることが好ましい。複数のデバイス基板30の直線部36が一直線状に配列されている場合、切断装置等を直線的に移動できるので、容易に切断できる。
なお、全てのデバイス基板30の直線部36が、同じ一直線状に配列される必要はない。例えば、図1に示されるように、デバイス基板30が縦4×横3(支持板20の長手方向を縦、短手方向を横とした場合)で配列される場合、横方向に3個のデバイス基板30の直線部36が同じ一直線状に配列される。直線部36が同じ一直線状に配列された3個のデバイス基板30を一単位とする列が、縦方向に4個配列されていてもよい。
デバイス基板30の直線部36を一直線状に位置させる態様において、図1に示される格子状の配列だけでなく、千鳥状の配列に適用することができる。
貼合前において、支持板20、及びデバイス基板30は、互いに非接触の状態で保管されることが好ましい。また、接触梱包を必要とする場合には、支持板20、及びデバイス基板30は、各々がフィルム包装、合紙包装等により包装されることが好ましい。合紙を使用する際には、原料パルプとしてバージンパルプを使用した合紙を使用することが好ましい。
複数のデバイス基板30を接着層40に貼合する際、複数のデバイス基板30は上述するように格子状の配列、千鳥状の配列等され、支持板20に対して位置合わせされ、貼合される。
その位置合わせを容易にするため、例えば、複数のデバイス基板30をホルダーに配置し、次いでホルダーと支持板20とを位置合わせし、最後に複数のデバイス基板30と支持板20とを貼合することができる。
次に、ホルダーを利用して位置合わせをし、複数のデバイス基板30と支持板20とを貼合する実施形態について説明する。以下に、本実施形態を具体的に説明するが、これらの例によって限定されるものではない。
支持板20としては、無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(縦880mm、横680mm、板厚0.5mm、線膨張係数38×10−7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を使用した。
初めに、板厚0.5mmの支持板20を純水洗浄した後、さらにUV洗浄して清浄化した。
次に、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン(数平均分子量:2000、アルケニル基の数:2個以上)(100質量部)と、ハイドロジェンポリシロキサン(数平均分子量:2000、ハイドロシリル基の数:2個以上)(15質量部)とを配合した。なお、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基と、ハイドロジェンポリシロキサン中のハイドロシリル基との混合モル比(ハイドロシリル基のモル数/アルケニル基のモル数)は、0.9/1であった。さらに、触媒(白金触媒)を、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンおよびハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対し、300ppm添加した。この液を、硬化性樹脂組成物Xとする。この硬化性樹脂組成物Xを、ダイコーターを用いて支持板20の支持面21に塗布して、未硬化のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンおよびハイドロジェンポリシロキサンを含む層を支持板20の上に設けた。
次に、230℃で、10分間、大気中で加熱硬化して、支持板20の支持面21に厚さ10μmのシリコーン樹脂層を接着層40として形成した。なお、シリコーン樹脂層の平坦性は、良好であった。
デバイス基板30は、円形に加工されたガラス板(板厚0.5mm、直径150mmのウエハーサイズ(オリフラ付き、JEITA規格)、線膨張係数38×10-7/℃、旭硝子社製商品名「AN100」)を用いた。
デバイス基板30のホルダーとして、制電塩化ビニル(縦900mm、横700mm、板厚1mm)に、上記JEITA規格のウエハが収まるように、ウエハーサイズより直径で1mm大きい深さ0.5mmの窪みを設けた。この窪みは、縦に5枚、横に4枚、格子配置に、合計20個を作成した。なお、このホルダーは、貫通穴を持つ板厚0.5mmの板と、板厚0.5mmの平板を接着させることで作製したが、板厚1mmの板から、深さ0.5mmの窪みを削ることで作成しても構わない。
このホルダーの上に、デバイス基板30の第1主面31をホルダーと非接触になる状態で置き、このホルダーと支持板20とを、室温下で真空プレスにより貼り合わせた。
貼合後に、ホルダーを支持板20から剥離し、支持板20とデバイス基板30からなる積層体を作成した。
(単位積層体の製造方法)
次に、単位積層体の製造方法について、図4を参照して説明する。図4は積層体に切断線を加えた平面図である。
図4に示されるように、支持板20と、支持板20の上に配置された接着層40と、接着層40により支持板20に剥離可能に貼合された複数のデバイス基板30と、を有する積層体10が製造され、準備される。
複数のデバイス基板30を支持板20に貼合する際、高精度な位置合わせが求められないので、積層体10の貼合工程の生産性を改善することができる。
次いで、デバイス基板30ごとに、切断線CLに沿って、支持板20が切断される。切断により積層体10が個片化され、後述する単位積層体60(図5参照)が製造される。
支持板20を切断する方法は、一般的な方法であってよい。例えば、刃物で切断する方法、レーザ等の高エネルギー線で溶断する方法、支持板20の支持面21に刃物やレーザ等を用いてスクライブ線を形成し、スクライブ線に沿って割断する方法等が挙げられる。これらの切断方法は、単独でまたは組み合わせて用いられる。このように、切断とは、溶断や割断を含む。スクライブ線に沿って割断する方法の場合には、容易に割断できるように図4に記載の切断線CL以外のスクライブ線を追加してもよい。
プログラミングされた切断装置を使用することにより、支持板20をデバイス基板30ごとに容易に切断することができる。
切断方法は、支持板20、接着層40の種類や厚さ等に応じても適宜選択される。例えば、支持板20がガラス板からなる場合、支持面21にスクライブ線を形成し、その後、支持板20を曲げ変形してスクライブ線に沿って割断する方法が好適である。支持面21には接着層40が配置されているが、接着層40の厚さが厚くないので容易に割断することができる。
図5は積層体を個片化することにより製造された単位積層体の断面図である。単位積層体60は、支持面21と裏面22とを有する個片化された支持板20と、第1主面31と第2主面32とを有するデバイス基板30と、支持面21と第1主面31との間に配置された接着層40と備えている。個片化された支持板20とデバイス基板30とが接着層40により剥離可能に貼合されている。
ここで単位積層体60とは、1個の支持板20に対し1個のデバイス基板30が接着層40により剥離可能に貼合されている構造物を意味する。なお、単位積層体60を構成する支持板20、デバイス基板30、及び接着層40は、積層体10を構成する支持板20、デバイス基板30、及び接着層40と基本的に同じである。
なお、図5に示されるデバイス基板30は第1機能層51を備えているが、特に限定されることはない。
図5に示されるように、個片化された支持板20は、支持面21、又は裏面22と端面23との交差する領域、いわゆる角部において、面取り部が形成されていない。単位積層体60の製造方法は、さらに面取り工程を有していることが好ましい。単位積層体60を面取り加工することにより、耐衝撃性、及び安全性を高めることができる。
次に面取工程を含む2種類の単位積層体の製造方法について説明する。第1の方法は、単位積層体60を構成する支持板20の角部を面取り加工する面取工程を有する単位積層体60の製造方法である。
図6に示されるように、単位積層体60の支持板20は、その角部において面取り加工され、面取り部24、25を有している。なお、デバイス基板30は、一般的には、支持板20に貼合される前に面取り加工が行われ、第1主面31と端面33、第2主面と端面33との交差領域に面取り部34,35を有している。
支持板20の角部を面取り加工する方法は、一般的な方法であってよい。例えば、グラインダー等の面取り機を用いる方法が挙げられる。面取り部24、25の形状としては、所定の面取り角度(例えば、45°等)で直線状に除去された形状、又は曲線状(円弧状、楕円状等)に除去された形状を含でいる。支持板20を面取り加工する際、接着層40を削る面取り加工であってもよいし、接着層40を削らない面取り加工であってもよい。面取り部24,25の寸法、及び形状は、支持板20の種類や厚さ等に応じて適宜選択される。
次に、第2の方法は、単位積層体60を構成する支持板20、及びデバイス基板30を面取り加工する面取工程を有する単位積層体60の製造方法である。
図7に示されるように、単位積層体60の支持板20、及びデバイス基板30が面取り加工され、単位積層体60に面取り部61、62が形成される。面取り部61、62の形状としては、所定の面取り角度(例えば、45°等)で直線状に除去された形状、又は曲線状(円弧状、楕円状等)に除去された形状を含む。
単位積層体60のデバイス基板30、及び支持板20の角部を面取り加工する方法は、一般的な方法であってよい。例えば、グラインダー等の面取り機を用いる方法が挙げられる。面取り部61、62の形状としては、所定の面取り角度(例えば、45°等)で直線状に除去された形状、又は曲線状(円弧状、楕円状等)に除去された形状を含でいる。面取り角度とは、面取り部の直線部分と、支持板20の裏面22、又はデバイス基板30の第2主面32とのなす角度を意味する。
単位積層体60の面取り部61、62の寸法、及び形状は、支持板20、デバイス基板30、接着層40の種類や厚さ等に応じて適宜選択される。例えば、面取り部61、62が円弧状である場合、支持板20の側の面取り部61の曲率半径と、デバイス基板30の面取り部62の曲率半径とが同一であってもよいし、異なっていてもよい。面取り部61、62の形状が直線状に除去された形状である場合、面取り部61の面取り角度と面取り部62の面取り角度とが、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
単位積層体60のデバイス基板30を面取り加工した後、デバイス基板30にノッチを形成することができる。
(デバイス基板の製造方法)
次に、デバイス基板の製造方法について、図8,9を参照して説明する。図8は、デバイス基板の製造方法のフローチャートであり、図9は、デバイス基板の製造方法の工程図の一部である。
図8に示されるように、本実施形態のデバイス基板の製造方法は、積層体を製造する積層体製造工程(ステップS11)と、積層体をデバイス基板ごとに個片化する個片化工程(ステップS12)と、個片化された単位積層体の少なくとも支持板を面取り加工する面取工程(ステップS13)と、デバイス基板を第2主面の側から薄板化する薄板化工程(ステップS14)と、デバイス基板の第2主面に第2機能層を形成する機能層形成工程(ステップS15)と、単位積層体から支持板を剥離する剥離工程(ステップS16)と、を有することが好ましい。デバイス基板の製造方法は、ステップS11からステップS16までの全てのステップを含む必要はなく、少なくとも積層体製造工程(ステップS11)と、個片化工程(ステップS12)と、面取工程(ステップS13)と、剥離工程(ステップS16)と、を含んでいればよい。
積層体製造工程(ステップS11)は、上述したように図3に示される工程図に従って実行され、積層体10が製造される。
次に、個片化工程(ステップS12)は、上述したように図4に示される切断線CLに沿って、デバイス基板30ごとに支持板20を切断することにより実行され、積層体10を個片化することにより、単位積層体60が製造される(図5参照)。
次に、面取工程(ステップS13)は、上述したように図6、7に示されるように少なくとも支持板20を面取り加工することにより実行され、面取り加工された単位積層体60を得ることができる。
図9は、デバイス基板の製造方法の工程図の一部であって、薄板化工程(ステップS14)と、機能層形成工程(ステップS15)と、剥離工程(ステップS16)と、を含んでいる。
図9(A)に示される薄板化工程(ステップS14)では、単位積層体60を構成するデバイス基板30の第2主面32の側から、デバイス基板30が薄板化される。薄板化とは、厚さを薄くすることを意味し、機械的作用、化学的作用、又はこれらの組み合わせにより厚さを薄くすることを含む。薄板化により形成された面を薄板化面と呼ぶ。本実施形態では、研磨後の第2主面32は、薄板化面に相当する。例えば、薄板化工程(ステップS14)においては、公知の研削加工よりデバイス基板30の第2主面32の側が研削され、デバイス基板30の厚さが薄くされる。より具体的には、単位積層体60の支持板20を吸着固定し、デバイス基板30の第2主面32を砥石により機械的に研削することにより、厚さが薄くされた所定の厚さのデバイス基板30を得ることができる。さらに、必要に応じて研削された第2主面32を公知の研磨加工を施すことにより、第2主面32を鏡面にすることができる。例えば、研磨剤を供給しながら、研磨クロスにより第2主面32を研磨することで、第2主面32を鏡面にすることができる。デバイス基板30に薄板化面を有する第2主面32が形成される。
薄板化工程(ステップS14)を経ることにより、デバイス基板30は50μm以上120μm以下の厚さに薄板化される。薄板化工程においては、デバイス基板30の面取り高さhが、薄板化後のデバイス基板30の厚さt未満になることが好ましい。面取り高さhとは、面取り部34における第1主面31と垂直な方向の長さであって、第1主面31からの端面33までの距離を意味する。面取り高さhは、薄板化後のデバイス基板30の厚さtの20%以上80%以下であることが好ましい。
面取り高さhをデバイス基板30の厚さt未満にすることにより、第2主面32の端部の角度、すなわち、薄板化面と端面33との角度を90°にすることができる。端部の角度が鋭角でないので機械的な強度の低下を回避することができる。なお、端部の角度が90°±10°の範囲においても、一般的な鋭角な端部の形状に比較して、機械的な強度の低下を回避できるので、割れ、欠けの発生を抑制できる。
図9(B)に示される機能層形成工程(ステップS15)では、薄板化されたデバイス基板30の第2主面32に第2機能層52が形成される。上述したように第2機能層52としては、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)、カラーフィルタ(Color Filter)、保護層等であることが好ましい。
第2機能層52は、例えば、トランジスタ、配線(アルミニウム配線等)、電極、により構成される。機能層の作製方法は、例えば、フォトリソグラフィ法、エッチング法、イオン注入法、CVD法など公知の方法を適用することができる。
なお、第2機能層52を形成する際、単位積層体60は190℃を超える温度条件下に置かれる場合がある。したがって、単位積層体60を構成する部材は、耐熱性を有することが好ましく、特に接着層40が耐熱性を有することが好ましい。
図9(C)に示される剥離工程(ステップS16)では、単位積層体60から支持板20が剥離される。単位積層体60が反転され、剥離装置(不図示)に装着される。剥離装置の吸着手段70により、単位積層体60のデバイス基板30の第2主面32の側が真空吸着される。剥離を開始する前に、支持板20とデバイス基板30との間にナイフ等を挿入し、剥離開始部を形成することが好ましい。剥離開始部を形成することにより、支持板20とデバイス基板30との剥離が容易になる。
剥離工程(ステップS16)において、剥離装置により、剥離開始部を起点に、第1主面31から離れる方向に、支持板20を順次撓ませながら、デバイス基板30から剥離される。
図9(D)に示されるように、デバイス基板30が製造される。さらに、デバイス基板30に対して、必要に応じて洗浄、検査、テストパターンにより第2機能層52の評価が行われる場合がある。加えて、デバイス基板30が切断され、チップ状に個片化されることがある。
10…積層体、20…支持板、21…支持面、22…裏面、23、33…端面、24、25、34、35、61、62…面取り部、30…デバイス基板、31…第1主面、32…第2主面、36…直線部、40…接着層、51…第1機能層、52…第2機能層、60…単位積層体、70…吸着手段、CL…切断線

Claims (15)

  1. 支持面と裏面とを有する支持板と、
    第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板と、
    前記支持面と前記第1主面との間に配置され、前記支持板と前記複数のデバイス基板とを剥離可能に貼合する接着層と、
    を有する積層体。
  2. 前記複数のデバイス基板のそれぞれの前記第1主面に形成された第1機能層を有する請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着層が前記支持面の全面に配置される請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記複数のデバイス基板が前記支持板の上で格子状に配列される請求項1から3の何れか一項に記載の積層体。
  5. 前記複数のデバイス基板のそれぞれが少なくとも一つ以上の直線部を有し、前記複数のデバイス基板が、前記直線部が一直線状になる位置に配列される請求項1から4の何れか一項に記載の積層体。
  6. 前記接着層がシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、無機膜、及びフルオロカーボンまたは、ハイドロカーボンからなるプラズマ重合膜の何れかを含む請求項1から5の何れか一項に記載の積層体。
  7. 支持面と裏面とを有する支持板の前記支持面に接着層を配置する工程と、
    第1主面と第2主面とを有する複数のデバイス基板の前記第1主面と前記支持面とを前記接着層により剥離可能に貼合する工程と、
    を有する積層体の製造方法。
  8. 前記貼合する工程において、前記複数のデバイス基板をホルダーに配置し、前記ホルダーと前記支持板とを位置合わせすることを含む請求項7に記載の積層体の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の積層体の製造方法により積層体を製造する工程と、
    前記積層体を前記デバイス基板ごとに個片化する工程と、
    を有する単位積層体の製造方法。
  10. 前記個片化された積層体の少なくとも前記支持板を面取り加工する面取工程を有する請求項9に記載の単位積層体の製造方法。
  11. 前記個片化された積層体の前記デバイス基板、及び前記支持板を面取り加工する面取工程を有する請求項9に記載の単位積層体の製造方法。
  12. 請求項7又は8に記載の積層体の製造方法により積層体を製造する工程と、
    前記積層体を前記デバイス基板ごとに個片化する工程と、
    前記個片化された単位積層体の少なくとも前記支持板を面取り加工する工程と、
    前記個片化され面取り加工された単位積層体から前記支持板を剥離する工程と、
    を有するデバイス基板の製造方法。
  13. 前記支持板を面取り加工する工程と前記支持板を剥離する工程との間に、前記デバイス基板を第2主面の側から薄板化する工程を有する請求項12に記載のデバイス基板の製造方法。
  14. 前記支持板を面取り加工する工程と前記支持板を剥離する工程との間に、前記デバイス基板の第2主面に第2機能層を形成する工程を有する請求項12に記載のデバイス基板の製造方法。
  15. 前記支持板を面取り加工する工程と前記支持板を剥離する工程との間に、前記デバイス基板を第2主面の側から薄板化する工程と、前記薄板化されたデバイス基板の第2主面に第2機能層を形成する工程と、を有する請求項12に記載のデバイス基板の製造方法。
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