JP2017153309A - 回転電動機の絶縁ボビン - Google Patents

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祐介 牧野
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Abstract

【課題】ステータコアの外径側から供給される冷却液によって、ステータコイルを効率良く冷却することができる回転電動機の絶縁ボビンを提供する。【解決手段】絶縁ボビン31は、導線巻回部31aと外径側鍔部34bと内径側鍔部34cとを有する。導線巻回部31aは、ステータコア20の歯部20bが挿入される歯部挿入孔33が形成され、外周面に導線32が積層状に巻かれる。外径側鍔部34bおよび内径側鍔部34cは、導線巻回部31aにおけるステータコア径方向の外径端および内径端からそれぞれ導線32の積層方向に沿って突出する。導線巻回部31aにおけるステータコア軸方向を向く外周面部分にステータコア径方向に延びる外周溝37が形成され、かつ外径側鍔部31bにステータコア径方向に貫通し外周溝37に連通する第1の貫通孔36が形成される。【選択図】図3

Description

この発明は、例えば車両、産業用機械等に搭載される回転電動機の絶縁ボビンに関し、特に回転電動機の発熱源であるステータコイルを効率良く冷却することを可能にする技術に関する。
近年、回転電動機の小型化、高出力化が進んでいる。それに伴い、回転電動機内部での発熱量の増加が課題となっている。回転電動機内部の発熱の主なものとしては、ステータコイルに通電することによるステータコイルの発熱(銅損)と、ステータコア、ロータコア等の磁性体に渦電流が発生することによる発熱(鉄損)とが挙げられる。これらの発熱によって温度上昇した回転電動機の内部、特にステータコイルおよびステータコアを効率良く冷却することが、回転電動機の出力を向上させる上で重要である。
回転電動機の内部を冷却する手法として、例えば以下の提案がなされている。
(1)特許文献1
インシュレータと称している絶縁ボビンのコイル外周側に、コイルエンドより突出したL字状の案内板を設け、コイルエンドの上方から噴出される冷却液をコイルエンドに流すことで、コイルエンドを均一に冷却することが提案されている。具体的には、絶縁ボビンのL字状の案内板に、径方向に貫通する孔が設けられており、コイルエンドの上方から噴出される冷却液を案内板が受け、この案内板で受けられた冷却液が前記孔を通ってコイルエンドに浸透することで、コイルエンドを冷却する。なお、絶縁ボビンは、ステータコアのティースに嵌合し外周にコイルが巻回される本体部と、この本体部の径方向外側に配置された前記L字状の案内板とを有する。本体部の径方向内側には、径方向外側のような案内板が設けられていない。
(2)特許文献2
コイルエンドをボビンにより密封構造とし、ボビン上部にコイルエンドに通じる貫通孔を設け、この貫通孔に冷却媒体を流すことで、コイルエンドに冷却媒体を行き渡らせることが提案されている。
特開2014−107874号公報 特開2010−239775号公報
特許文献1の手法は、コイルエンドの上方から放出された冷却液が、各絶縁ボビンの外径側に形成された流路を伝って下方に流れると共に、絶縁ボビンの孔からコイルエンドに流れることで、ステータの中心軸よりも上部のコイルエンドを冷却する。しかし、コイルエンドを流れる冷却液はコイル間の隙間を通るため、コイルが密に巻かれている場合、冷却液の流れが悪くなって、コイルエンドを十分に冷却ができない可能性がある。また、単にコイルエンドのコイル間の隙間に冷却液を流すだけでは、熱が籠り易いコイルエンドの内周側の部分を効率良く冷却できない。
特許文献2の手法は、ボビンを利用してコイルエンドを密閉し、コイルエンドの周囲を冷却媒体で満たして、コイルエンドを冷却するようにしている。しかし、コイルエンドを密閉すると、ボビンの構造が複雑となる。また、冷却媒体の供給口が片方のコイルエンドにのみ存在するため、供給口の無いコイルエンドは十分に冷却されない可能性がある。ステータコアの冷却については言及されていない。
この発明の目的は、ステータコアの外径側から供給される冷却液によって、ステータコイルを効率良く冷却することができる回転電動機の絶縁ボビンを提供することである。
この発明の回転電動機の絶縁ボビンは、回転電動機における環状のステータコアの内周部に並ぶ複数の歯部とこの歯部の外周に巻回状態で配置される導線とを絶縁する絶縁ボビンであって、
前記歯部が挿入される歯部挿入孔が形成され外周面に前記導線が積層状に巻かれる筒状の導線巻回部と、この導線巻回部における前記ステータコアの径方向の外径端および内径端からそれぞれ前記導線の積層方向に沿って突出する外径側鍔部および内径側鍔部とを有し、前記導線巻回部における前記ステータコアの軸方向を向く外周面部分に前記ステータコアの径方向に延びる外周溝が形成され、かつ前記外径側鍔部に前記ステータコアの径方向に貫通し前記外周溝に連通する第1の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
この構成によると、ステータコア径方向の外径側から冷却液が供給された場合、その冷却液が絶縁ボビンの外径側鍔部の外径面で受けられる。外径側鍔部の外径面で受けられた冷却液は、外径側鍔部の第1の貫通孔を通って、導線巻回部の外周面に形成された外周溝に浸入する。外周溝は、コイルエンドの内周面に接している。このため、冷却液が外周溝をステータコア径方向の内径側へ流れる間に、コイルエンドが熱の籠り易い内周側から冷却される。また、外周溝を流れる間に一部の冷却液はコイルエンドの導線間の隙間に浸透して、コイルエンドを内部からも冷却する。
この発明において、前記外径側鍔部における前記導線巻回部から前記ステータコアの軸方向に延びるコイルエンド外径側部位に、前記ステータコアの径方向に貫通する第2の貫通孔が形成されていてもよい。
この場合、絶縁ボビンの外径側鍔部の外径面で受けられた冷却油は、第1の貫通孔を通って外周溝に浸入する他に、第2の貫通孔を通ってコイルエンドの外径側から導線間の隙間に浸透する。これにより、コイルエンド全体に冷却液が良く行き渡り、コイルエンドをより一層効率良く冷却することができる。
前記第2の貫通孔を有する場合、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔は、前記ステータコアの軸心に対する円周方向の位置が互いにずれて配置されていると良い。
つまり、第1の貫通孔と第2の貫通孔は千鳥状の配置となる。このように、千鳥状の配置とすることにより、外径側鍔部のステータコア軸方向の幅を必要以上に広くすることなく、外径側鍔部に第1の貫通孔および第2の貫通孔を設けることができる。
この発明において、前記導線巻回部における前記ステータコアの軸方向を向く面に対向する内周面部分に前記ステータコアの径方向に延びる内周溝が形成されていてもよい。
この場合、外径側鍔部の外径面で受けられた冷却油の一部が、内周溝を通ってステータコアの歯部と絶縁ボビンの導線巻回部との間を流れる。これにより、ステータコアを効率良く冷却することができる。
前記内周溝および前記外周溝は、前記ステータコアの軸心に対する円周方向の位置が互いにずれて配置されていると良い。
つまり、内周溝と外周溝は千鳥状の配置となる。このように、千鳥状の配置とすることにより、導線巻回部の肉厚を必要以上に厚くすることなく、導線巻回部に内周溝および外周溝を設けることができる。
この発明において、前記外径側鍔部における前記コイルエンド外径側部位の先端に前記ステータコアの径方向の外径側に突出する突条が形成されていても良い。
突条が形成されていると、外径側鍔部で受けられた冷却液がコイルエンド外径側部位の先端から流れ出にくく、外径側鍔部の外径面上に冷却液を留めることができる。このため、第1の貫通孔に多くの冷却液を浸入させることができる。第2の貫通孔および内周溝を有する場合には、これら第2の貫通孔および内周溝にも多くの冷却液を浸入させることができる。
この発明の回転電動機の絶縁ボビンは、回転電動機における環状のステータコアの内周部に並ぶ複数の歯部とこの歯部の外周に巻回状態で配置される導線とを絶縁する絶縁ボビンであって、前記歯部が挿入される歯部挿入孔が形成され外周面に前記導線が積層状に巻かれる筒状の導線巻回部と、この導線巻回部における前記ステータコアの径方向の外径端および内径端からそれぞれ前記導線の積層方向に沿って突出する外径側鍔部および内径側鍔部とを有し、前記導線巻回部における前記ステータコアの軸方向を向く外周面部分に前記ステータコアの径方向に延びる外周溝が形成され、かつ前記外径側鍔部に前記ステータコアの径方向に貫通し前記外周溝に連通する第1の貫通孔が形成されているため、ステータコアの外径側から供給される冷却液によって、ステータコイルを効率良く冷却することができる。
この発明の一実施形態に係る絶縁ボビンを備えた回転電動機の縦断面図である。 同回転電動機のステータを中心軸方向から見た図である。 同回転電動機の一部の縦断面図である。 同回転電動機の異なる一部の縦断面図である。 同回転電動機のステータの絶縁ボビンを外径側から見た図である。 同絶縁ボビンを径方向と垂直な平面で切断した断面図である。 同絶縁ボビンの一方のボビン分割体をコイルエンド側から見た図である。 同ボビン分割体をステータコア側から見た図である。 同絶縁ボビンとステータコア用部品の斜視図である。 同絶縁ボビンとステータコア用部品を図9とは異なる方向から見た斜視図である。 同一対のボビン分割体を組み合わせる前の状態を示す絶縁ボビンとステータコア用部品の斜視図である。 異なる絶縁ボビンの片方のボビン分割体の斜視図である。 同ボビン分割体を他の方向から見た斜視図である。 同絶縁ボビンを備えた図1のものとは異なる回転電動機の断面図である。
この発明の一実施形態に係る絶縁ボビンを備えた回転電動機を図1ないし図11と共に説明する。
図1は回転電動機の縦断面図である。図1に示すように、この回転電動機は、横向きに配置された回転軸1と、この回転軸1に一体に固定されたロータ2と、このロータ2の外周に配置されたステータ3と、このステータ3を覆って固定するハウジング4とを備える。ロータ2とステータ3との間には、ラジアルギャップが設けられている。
ハウジング4は、一端面が開口したメインハウジング4aと、このメインハウジング4aの開口端面を塞ぐサイドハウジング4bとでなる。メインハウジング4aとサイドハウジング4bとはハウジング固定ボルト5で固定される。回転軸1は、メインハウジング4aおよびサイドハウジング4bにそれぞれ設けられた転がり軸受(玉軸受)6,7によって回転自在に支持されている。転がり軸受6の内輪と回転軸1の段部1aとの間に予圧ばね8が介在しており、この予圧ばね8によって転がり軸受6,7に所定の予圧を付与している。メインハウジング4aと回転軸1との間の隙間にはオイルシール9が設けられている。
ロータ2は、ロータコア10と、このロータコア10に内蔵された複数の永久磁石11とを有する。永久磁石11は、円周方向一定間隔おきに配列されている。回転軸1へのロータ2の固定は、回転軸1と一体に形成されたロータ固定用部材12の筒状部12aの外周にロータコア10を嵌合させると共に、ロータ固定用部材12のフランジ部12bと磁石押え部材13とでロータコア10および永久磁石11をモータ軸方向の両側から挟み付けて行う。磁石押え部材13は、ロータ固定ボルト14によってロータ固定用部材12の筒状部12aに固定される。この実施形態では、ロータ固定用部材12が回転軸1と一体に形成されているが、ロータ固定用部材12は回転軸1と別体であってもよい。なお、前記モータ軸方向は、回転軸1の軸心O方向のことである。
ステータ3は、ステータコア20とステータコイル21とからなる。ステータコア20は、例えば軟質磁性材料からなる。
図2はステータ3を中心軸方向から見た図である。同図に示すように、ステータコア20は、円環状部20aの内周に、複数の歯部20bが回転軸1(図1参照)の軸心O回りに放射状に並んで形成されている。歯部20bをモータ径方向と垂直な平面で切断した断面の形状(図示せず)は、例えば矩形である。円環状部20aの外周には、ステータ3の軸方向に延びる複数のステータ固定ボルト挿入用の切欠き22が設けられている。なお、前記モータ径方向は、回転軸1(図1)の軸心Oに直交する方向のことであり、組立状態におけるステータコア20の径方向と一致する。また、組立状態におけるステータコア20の軸方向は、モータ軸方向と一致する。
この実施形態のステータコア20は、同形をした複数個のステータコア用部品23を円周方向に並べて組み合わせて構成される。各ステータコア用部品23は、前記歯部20bおよびステータ固定ボルト挿入用の切欠き22をそれぞれ1つずつ有する。隣合うステータコア用部品23は、係合凸部23aと係合凹部23bとが互いに係合することで組み合わされる。
このように、ステータコア20は複数のステータコア用部品23で構成され、図1のようにハウジング4内に設置される。すなわち、円環部20aをメインハウジング4aの内周に嵌合させると共に、円環部20aの一端面をメインハウジング4aの段面24に当接させる。そして、複数のステータ固定ボルト挿入用の切欠き22のうち任意の複数箇所の切欠き22にステータ固定ボルト25を挿通し、そのステータ固定ボルト25を段面24のねじ孔26にねじ込むことで、ステータコア20をハウジング4に固定する。
図2において、ステータコイル21は、巻回形式が集中巻であって、ステータコア20の各歯部20bに設けられた複数の個別コイル30からなる。各個別コイル30は、歯部20bの外周を囲む絶縁ボビン31と、この絶縁ボビン31に積層状に巻かれた導線32とでなる。絶縁ボビン31は、歯部20bとその外周に巻回状態で配置される導線32とを絶縁する役割をする。
図3、図4は回転電動機の一部のそれぞれ異なる縦断面図であり、ステータコア20と絶縁ボビン31と導線32とが図示されている。これらの図に示すように、絶縁ボビン31は、ステータコア20の歯部20bが挿入される歯部挿入孔33が形成され外周面に導線32が積層状に巻かれる筒状の導線巻回部31aと、この導線巻回部31aのモータ径方向の外径端および内径端からそれぞれ導線32の積層方向に沿って突出する外径側鍔部31bおよび内径側鍔部31cとを有する。
図3、図4では、外径側鍔部31bとして、導線巻回部31aからモータ軸方向に延びるコイルエンド外径側部位31baが図示されている。同様に、内径側鍔部31cとして、導線巻回部31aからモータ軸方向に延びるコイルエンド内径側部位31caが図示されている。これらコイルエンド外径側部位31baとコイルエンド内径側部位31caとの間に、個別コイル30のコイルエンド30aが位置する。コイルエンド外径側部位31baおよびコイルエンド内径側部位31caは、導線巻回部31aに対してモータ軸方向の両側に配置されている。
外径側鍔部31bのコイルエンド外径側部位31baの先端には、外径側に突出する突条35が形成されている。また、絶縁ボビン31には、以下の第1の貫通孔36(図3)、外周溝37(図3)、第2の貫通孔38(図4)、および内周溝39(図4)がそれぞれ形成されている。
図3において、第1の貫通孔36は、外径側鍔部31bのコイルエンド外径側部位31baと導線巻回部31aとの境界部に位置し、モータ径方向(ステータコア20の径方向)に貫通している。第1の貫通孔36は、例えば円形孔である。外周溝37は、導線巻回部31aにおけるモータ軸方向(ステータコア20の軸方向)を向く外周面部分に形成されモータ径方向に延びる溝であり、外径端が第1の貫通孔36に連通している。外周溝37は、例えば角溝である。
図4において、第2の貫通孔38は、コイルエンド外径側部位31baのモータ軸方向中間部に位置し、モータ径方向に貫通している。第2の貫通孔31は、例えば円形孔である。内周溝39は、導線巻回部31aのモータ軸方向を向く内周面部分に形成され、モータ径方向に延びている。内周溝39は、例えば角溝である。
図5は絶縁ボビン31を外径側から見た図である。第1の貫通孔36は、コイルエンド外径側部位31baの周方向における導線巻回部31aと接する範囲に複数設けられている。第2の貫通孔38は、外径側鍔部31bのコイルエンド外径側部位31baの周方向における広い範囲に亘って複数設けられている。これら第1の貫通孔36と第2の貫通孔38とは、互いに千鳥状に配置されている。このように、第1の貫通孔36と第2の貫通孔38とを千鳥状に配置することにより、外径側鍔部31bのモータ軸方向の幅を必要以上に広くすることなく、外径側鍔部31bに第1の貫通孔36および第2の貫通孔38を設けることができる。
なお、図3に示される絶縁ボビン31は図5のIII−III断面であり、図4に示される絶縁ボビン31は図5のIV−IV断面である。
図6は絶縁ボビン31を径方向と垂直な平面で切断した断面図である。外周溝37は、導線巻回部31aの外周面に、外径側から見て第1の貫通孔36と同位置に複数設けられている。内周溝39は、導線巻回部31aの外周面における外周溝37と千鳥状の配置となる位置に複数設けられている。このように、内周溝39と外周溝37とを千鳥状に配置することにより、導線巻回部31aの肉厚を必要以上に厚くすることなく、導線巻回部31aに内周溝39および外周溝37を設けることができる。
図5、図6に示すように、絶縁ボビン31は、モータ軸方向に2分割された互いに対称形状の2つのボビン分割体31A,31Bからなる。2つのボビン分割体31A,31Bを組み合わせることで、導線巻回部31aが筒状に形成される。各ボビン分割体31A,31Bは、コイルエンド外径側部位31baおよびコイルエンド内径側部位31caを1つずつ有する。図6に示すように、各ボビン分割体31A,31Bの接合部は、ボビン分割体31A,31Bにそれぞれ設けられた内周側接合部41と外周側接合部42とが互いに重なった状態となる。このため、図2のようにステータ3として組み立てた場合に、ステータコア20と導線32との絶縁を確保することができる。
ステータ3の組立てに際しては、図9〜図11に示すように、先に各ステータコア用部品23の歯部20bに絶縁ボビン31を取り付けてから、絶縁ボビン31付きの各ステータコア用部品23を互いに組み合わせる。なお、図9は絶縁ボビン31とステータコア用部品23の斜視図、図10は絶縁ボビン31とステータコア用部品23を異なる方向から見た斜視図、図11は一対のボビン分割体31A,31Bを組み合わせる前の状態を示す絶縁ボビン31とステータコア用部品23の斜視図である。
図7、図8に示すように、内径側鍔部31cの内径面43は、回転軸1の軸心O(図1)を中心とする円弧状である。また、図8に示すように、外径側鍔部31bの外径面44は、導線巻回部31aと接する範囲の部分44aは平面状で、その両側部分44bは回転軸1の軸心Oを中心とする円弧状である。
外径側鍔部31bの円周方向の側面45および内径側鍔部31cの円周方向の側面46は回転軸1の軸心Oを通る平面であり、ステータコア20の各歯部20bに絶縁ボビン31を取り付けた状態では、図2に示すように、隣合う絶縁ボビン31の外径側鍔部31b同士および内径側鍔部31c同士がそれぞれ互いに隙間無く接する。
図の例では、すべての絶縁ボビン31について、隣合う絶縁ボビン31の外径側鍔部31b同士および内径側鍔部31c同士がそれぞれ互いに隙間無く接している。上部に位置する個別コイル30の絶縁ボビン31のみが隙間無く接するようにしてもよい。前記上部に位置する個別コイル30とは、必ずしも上側半周のすべての個別コイル30でなくてもよく、例えば上端を含む1/4〜1/3周の個別コイル30であってもよい。
図1において、ハウジング4には、上部の個別コイル30の絶縁ボビン31上に冷却液を供給する冷却液供給手段50が設けられている。冷却液としては、例えば油が使用される。冷却液供給手段50は、メインハウジング4aの上部に設けられた冷却液の供給口51と、この供給口51に連通してモータ軸方向に延びる流路52と、この流路52のモータ軸方向の両端付近とハウジング4の内部とを連通する滴下口53,54とを備える。滴下口53,54は、上部に位置する個別コイル30の絶縁ボビン31の上方に位置している。この実施形態の場合、最上位の個別コイル30の絶縁ボビン31における外径側鍔部31bのコイルエンド外径側部位31baの真上に、滴下口53,54が位置する。前記供給口51は、この回転電動機とは別設またはこの回転電動機に付属の冷却液供給装置(図示せず)を接続されている。
また、サイドハウジング4bの下部には、冷却液の排出口55が設けられている。この排出口55の上端位置は、ロータ2の下端位置よりも下位に位置している。排出口55は、油溜り(図示せず)を経由して前記冷却液供給装置に接続されている。
この回転電動機における冷却液の流れについて説明する。
冷却液供給装置から送られてくる冷却液が、供給口51および流路52を通り、滴下口53,54から滴下される。滴下された冷却液は、最上位の絶縁ボビン31の外径側鍔部31bのコイルエンド外径側部位31ba(図3、図4)で受けられる。コイルエンド外径側部位31baで受けられた冷却液は、第1の貫通孔36、第2の貫通孔38、および内周溝39に浸入して下方へ流れる。
コイルエンド外径側部位31baの先端に外径側に突出する突条35が形成されているため、受けられた冷却液がコイルエンド外径側部位31baの先端側へ流れ出にくく、外径側鍔部31bの上に冷却液を留めることができる。このため、第1の貫通孔36、第2の貫通孔38、および内周溝39に多くの冷却液を浸入させることができる。
隣合う絶縁ボビン31の外径側鍔部31b同士が互いに隙間無く接する状態で配置されているため、最上位の絶縁ボビン31の第1の貫通孔36、第2の貫通孔38、および内周溝39に浸入しなかった冷却液は、図2に矢印A1で示すように、外径側鍔部31bに外径面に沿って下位側の絶縁ボビン31へと流れる。そして、下位側の絶縁ボビン31の第1の貫通孔36、第2の貫通孔38、および内周溝39に浸入する。上半部のいずれの絶縁ボビン31の第1の貫通孔36、第2の貫通孔38、および内周溝39にも浸入しなかった冷却液は、上下中間位の絶縁ボビン31Mの外径側鍔部31bから落下する。
第1の貫通孔36に浸入した冷却液は、図3に矢印A2で示すように、外周溝37を通ってコイルエンド30aの内周に沿って流れる。この間に、コイルエンド30aが熱の籠り易い内周側から冷却される。また、外周溝37を流れる間に一部の冷却液は導線32間の隙間に浸透して、コイルエンド30aを内部からも冷却する。
第2の貫通孔38に浸入した冷却液は、図4に矢印A3で示すように、コイルエンド30aの上部側から導線32間の隙間に浸透する。これにより、コイルエンド30aの全体に冷却液が良く行き渡り、コイルエンド30aをより一層効率良く冷却することができる。
第1の貫通孔36および第2の貫通孔38に浸入した冷却液は、外周溝37またはコイルエンド30aを通過し、最終的に内径側鍔部31cで受けられる。隣合う絶縁ボビン31の内径側鍔部31c同士が互いに隙間無く接する状態で配置されているため、図2に矢印A4で示すように、内径側鍔部31cを伝って上位側の個別コイル30から下位側の個別コイル30へと冷却液が順に流れる。
上下中間位の絶縁ボビン31Mの内径側鍔部31cに達した冷却液は、矢印A4aで示すように、下半部の個別コイル30のコイルエンド30aを通過しながら下方へ流れる。その後、矢印A4bで示すように、外径側鍔部31bの内径面に沿って最下位の個別コイル30の絶縁ボビン31まで流れ、この最下位の絶縁ボビン31から落下、またはハウジング4の下部に溜まった冷却液に合流する。このように、冷却液が上位側から下位側へと伝っていくことで、下部に位置する個別コイル30のコイルエンド30aも効率良く冷却することができる。
図4に矢印A5で示すように、内周溝39に浸入した冷却液は、ステータコア20の歯部20bと導線巻回部30aとの間を流れる。これにより、ステータコア20の歯部20bを効率良く冷却することができる。上部の個別コイル30の隣合う個別コイル30の外径側鍔部31b同士が互いに隙間無く接する状態で配置されているため、最上位の個別ボビン30の外径側鍔部31bに受けられた冷却液が、各個別コイル30の外径側鍔部31bcを伝って下位側の個別コイル30へと順に流れる。そして、下位側の個別コイル30の内周溝39に浸入する。このため、下位に位置する歯部20bも効率良く冷却することができる。
ステータコイル21およびステータコア20の冷却に供された冷却液は、ハウジング4の底部に集められ、排出口55からハウジング4の外部に排出される。排出口55の上端位置がロータ2の下端位置よりも下位にあり、ハウジング4の底部に溜まった冷却液にロータ2の下端に浸ることがない。このため、高速で回転するロータ2が冷却液を掻き上げて撹拌することがない。なお、ステータ3の下部は、ハウジング4の底部に溜まった冷却液に浸っている。排出口55から排出された冷却液は、油溜りを経由して冷却液供給装置に戻され、再度、回転電動機内部の冷却に用いられる。
このように、この発明の絶縁ボビン31を用いることにより、ハウジング4の上部から供給される冷却液によってステータコイル21およびステータコア22を効率良く冷却することができる。その結果、回転電動機の出力を向上させることができる。
図12は異なる絶縁ボビンの片方のボビン分割体の斜視図、図13は同ボビン分割体を他の方向から見た斜視図である。この絶縁ボビンのボビン分割体31A(31B)は、外径側鍔部31bの内径面および内径側鍔部31cの外径面に、冷却液を一時的に留める凹部61,62がそれぞれ複数形成されている。外径側鍔部31bの内径面に形成された第1の凹部61(図13)、および内径側鍔部31cの外径面に形成された第2の凹部62(図12)は共に、各個別ボビン30の並び方向に延びる溝状である。図の例の場合、第1の凹部61の数は2本である。1本の第1の凹部61は第1の貫通孔36と第2の貫通孔38の間に位置し、もう1本の第1の凹部61は第2の貫通孔38のモータ軸方向外側に位置する。また、第2の凹部62の数も2本である。
このように外径側鍔部31bの内径面および内径側鍔部31cの外径面に凹部61,62が形成されていると、凹部61,62に冷却液を一時的に留めることで、冷却液がコイルエンド(図示せず)と接触する時間を長くして、冷却効果を向上させることができる。また、凹部61,62が上記溝状であると、上位側の個別コイル30から下位側の個別コイル30への冷却液の流れが円滑となる。
第1の凹部61および第2の凹部62の両方を設けずに、いずれか一方の凹部のみを設けても良い。その場合でも、凹部61,62を設けない場合と比べて、冷却効果を向上させることができる。
図14は回転電動機の他の実施形態を示す。この実施形態の回転電動機は、冷却液供給手段50が図1に示す回転電動機のものと異なり、ステータコア20の最上部に位置するステータ固定ボルト挿入用の切欠き22を冷却液の流路として利用している。すなわち、メインハウジング4aに流路52および滴下口53,54(図1)が設けられておらず、供給口51をステータ固定ボルト挿入用の切欠き22のモータ軸方向の中間部に連通させてある。供給口51に供給された冷却液は、ステータ固定ボルト挿入用の切欠き22を通ってモータ軸方向の両側に流れ、絶縁ボビン31の外径側鍔部31bに滴下される。その後の冷却液の流れは図1に示す回転電動機と同じである。
このようにステータ固定ボルト挿入用の切欠き22を冷却液の流路として利用することにより、図1に示す回転電動機のようにメインハウジング4aに流路52および滴下口53,54を設けずに済み、メインハウジング4aの加工が容易となる。これ以外は、図1に示す回転電動機と同じ構成であり、同じ構成の箇所については同一符号を付して表わし説明を省略する。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20…ステータコア
20b…歯部
31…絶縁ボビン
31a…導線巻回部
31b…外径側鍔部
31ba…コイルエンド外径側部位
31c…内径側鍔部
31ca…コイルエンド内径側部位
32…導線
33…歯部挿入孔
35…突条
36…第1の貫通孔
37…外周溝
38…第2の貫通孔
39…内周溝

Claims (6)

  1. 回転電動機における環状のステータコアの内周部に並ぶ複数の歯部とこの歯部の外周に巻回状態で配置される導線とを絶縁する絶縁ボビンであって、
    前記歯部が挿入される歯部挿入孔が形成され外周面に前記導線が積層状に巻かれる筒状の導線巻回部と、この導線巻回部における前記ステータコアの径方向の外径端および内径端からそれぞれ前記導線の積層方向に沿って突出する外径側鍔部および内径側鍔部とを有し、前記導線巻回部における前記ステータコアの軸方向を向く外周面部分に前記ステータコアの径方向に延びる外周溝が形成され、かつ前記外径側鍔部に前記ステータコアの径方向に貫通し前記外周溝に連通する第1の貫通孔が形成されていることを特徴とする回転電動機の絶縁ボビン。
  2. 請求項1に記載の回転電動機の絶縁ボビンにおいて、前記外径側鍔部における前記導線巻回部から前記ステータコアの軸方向に延びるコイルエンド外径側部位に、前記ステータコアの径方向に貫通する第2の貫通孔が形成されている回転電動機の絶縁ボビン。
  3. 請求項2に記載の回転電動機の絶縁ボビンにおいて、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔は、前記ステータコアの軸心に対する円周方向の位置が互いにずれて配置されている回転電動機の絶縁ボビン。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回転電動機の絶縁ボビンにおいて、前記導線巻回部における前記ステータコアの軸方向を向く面に対向する内周面部分に前記ステータコアの径方向に延びる内周溝が形成されている回転電動機の絶縁ボビン。
  5. 請求項4に記載の回転電動機の絶縁ボビンにおいて、前記内周溝および前記外周溝は、前記ステータコアの軸心に対する円周方向の位置が互いにずれて配置されている回転電動機の絶縁ボビン。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の回転電動機の絶縁ボビンにおいて、前記外径側鍔部における前記コイルエンド外径側部位の先端に前記ステータコアの径方向の外径側に突出する突条が形成されている回転電動機の絶縁ボビン。
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