JP2017147712A - Ad変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高次のノイズシェーピング特性を有する高分解能の逐次比較型AD変換器を提供する。【解決手段】AD変換器(100)は、アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、複数の容量素子(201〜205)を備えた容量DAC(2)と、前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器(3)と、比較器(3)の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路(4)と、残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器(8)とを有する。積分器(8)は、縦続接続された複数の積分器回路(12、14、16)と、残差電圧をサンプリングし、複数の積分回路のうち2段目以降のいずれか1つの積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパス(FF1、FF2)とを備える。【選択図】図4

Description

本開示はAD変換器に関するものである。
逐次比較型AD変換器の低消費電力性能を維持しながら、ΔΣ型AD変換器のような高分解能化を図る手法として、ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器は、通常の逐次比較型AD変換器に、積分回路を追加した構成をとる。逐次比較動作をLSBまで行った後の容量DACの残差電圧を積分し、次のサンプリングにフィードバックすることで、ノイズシェーピング特性を得ることができる。
J. A. Fredenburg, M. P. Flynn, "A 90−MS/s 11−MHz−Bandwidth 62−dB SNDR Noise−Shaping SAR ADC," IEEE J. Solid−State Circuits, vol. 47, no. 12, pp. 2898−2904, Dec, 2012.
本開示は、高分解能化を図ることができるAD変換器を提供する。
本開示の一態様におけるAD変換器は、
前記アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1及び第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
前記積分器は、
縦続接続された複数の積分回路と、
前記残差電圧をサンプリングし、前記複数の積分回路のうち2段目以降のいずれか1つの積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパスと備える。
本開示のAD変換器は、高分解能化を図ることができる。
本開示の比較例に係るAD変換器の構成の一例を示す図である。 逐次比較動作における、容量DACの出力電圧の変化の一例を示す波形図である。 図1に示すAD変換器の動作を示すシグナルフロー図である。 本開示の実施の形態1におけるAD変換器の構成の一例を示す図である。 図4に示す積分器のタイミングダイヤグラムの一例を示す図である。 図4に示すAD変換器の動作を示すシグナルフロー図である。 積分器を2次のノイズシェーピング特性を持つ積分器で構成した場合のAD変換器のシグナルフロー図である。 ノイズシェーピングを行わないとき、1次、2次、3次のノイズシェーピングを行ったときのAD変換出力スペクトルを示すグラフである。 1次、2次、3次のノイズシェーピングを行った際のNTF(ノイズ伝達関数)の周波数特性を示すグラフである。 1つのオペアンプで3次の積分を行う積分器の構成の一例を示す図である。 本開示の実施の形態2におけるAD変換器の構成の一例を示す図である。 スプリット型容量DACの動作の説明図である。 スプリット型容量DACからの出力電圧の遷移を示す波形図である。 DEMを採用しなかった場合のパワースペクトルの一例を示すグラフである。 本開示の実施の形態2におけるAD変換器のパワースペクトルの一例を示すグラフであり、DEMを採用した場合のグラフである。
(本開示に係る一態様を発明するに至った経緯)
生体信号などの微弱信号を扱うセンサーシステムのアナログフロントエンドにおいて、AD変換器の高分解能化は、AD変換器の前段に設けられたアナログ増幅器の増幅率の緩和や、アナログ増幅器そのものが不要になるといった利点を得ることができる。しかし、AD変換器の高分解能化は、一般的に低ノイズ化を図る必要があるため、消費電力の増加は避けられない。センサーシステムは今後よりいっそう小型化・低消費電力化が進むことが予想されるため、高分解能AD変換器においても低電力動作が求められている。
AD変換器には様々なアーキテクチャがあり、要求スペックによってそれらが使い分けられている。逐次比較型AD変換器は、アナログ入力電圧と、デジタルアナログコンバータ(以下、DACと称する)で生成した電圧との比較動作を、最上位ビットから逐次的に繰り返すことで、多ビットのデジタル信号を得る。そのため、比較器、DAC、及び簡単なデジタル回路のみで構成することができ、最も小型・低消費電力化が可能なアーキテクチャである。しかし、逐次比較型AD変換器は、分解能が上がるにつれて、比較対象電圧が小さくなっていくため、比較時に熱ノイズの影響を受けやすくなる。従って逐次比較型AD変換器は高分解能を必要とするセンサーシステムにおいては不向きとされていた。
一方、AD変換器のアーキテクチャの一つとしてとしてΔΣ型AD変換器がある。ΔΣ型AD変換器は、ノイズシェーピング技術とオーバーサンプリング技術とを組み合わせることで高分解能化を可能にしたアーキテクチャを持つ。ノイズシェーピング技術とは、ΔΣ変調により、量子化ノイズに対して低周波側が減衰する周波数特性を与える技術である。ΔΣ型AD変換器は、信号帯域よりも十分に高い周波数でアナログ入力電圧をサンプリング(オーバーサンプリング)し、低域通過フィルタ(LPF)で高周波ノイズを遮断することで、SN比を高めることが可能となる。しかし、より高分解能化を図るためには、ΔΣ変調の次数を高め、さらに、オーバーサンプリング比を高める必要がある。次数の増加はΔΣ変調器内の積分回路の増加等を引き起こし、また、オーバーサンプリング比の向上は更なる高速動作が求められる。通常、積分回路には、オペアンプを用いるため、積分器個数の増加や高速動作は大幅な電力増加を招いてしまう。
そこで、上述したように、非特許文献1に記載のノイズシェーピング型逐次比較AD変換器が提案されている。ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器は、逐次比較動作をLSBまで行った後の容量DACの残差電圧を積分し、次のサンプリングにフィードバックすることで、ノイズシェーピング特性を得ることができる。
しかし、非特許文献1記載のノイズシェーピング型逐次比較AD変換器では、ノイズシェーピングの次数が1次であるので、分解能の大幅な向上は期待できない。また、積分器にはオペアンプを使用するが、常時動作させる必要があるため、消費電力の増加を招く。
また、逐次比較型AD変換器の分解能向上は、熱ノイズだけでなく、DACの容量ミスマッチも重要な課題となる。従来は、容量をトリミングする手法を用いてミスマッチの改善が行われていた。しかし、トリミング手法の多くは離散的な解像度を有したものであるため、高分解能化が進むにつれて、トリミング精度が悪化する。
上記問題に鑑み、本開示は、量子化ノイズ及び熱ノイズ等のノイズを抑制して高分解能化を図る、或いは、DACの容量ミスマッチにより発生するスプリアスを抑制して高分解能化を図る逐次比較型AD変換器を提供する。また、本開示は、消費電力を低減できる逐次比較型AD変換器を提供する。
本開示の一態様におけるAD変換器は、
アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1及び第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
前記積分器は、
縦続接続された複数の積分回路と、
前記残差電圧をサンプリングし、前記複数の積分回路のうち2段目以降のいずれか1つの積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパスと備える。
この構成によれば、逐次比較動作をLSB(最下位ビット)まで行った後の容量DACの残差電圧が積分器で積分され、積分値が次のサンプリングの比較参照電圧としてフィードバックされている。
ここで、積分器は、縦続接続された複数の積分回路で構成されているので、残差電圧に対して2次以上の積分を行うことができる。更に、2段目以降の少なくとも1つの積分回路にはフィードフォワードパスを介して残差電圧が供給されるので、この積分回路は前段の積分回路の積分値と残差電圧とを積分することができる。
これにより、残差電圧は高次のノイズシェーピング特性が与えられて、次にサンプリングされるアナログ入力電圧に加算される。その結果、アナログ入力電圧に高次のノイズシェーピング特性を与えることができる。そのため、アナログ入力電圧をオーバーサンプリングすることで、高分解能な逐次比較型AD変換器を提供できる。
また、上記AD変換器において、前記積分器は、後段の積分回路の積分値を前段の積分回路にフィードバックする少なくとも1つのフィードバックパスを備えてもよい。
この構成によれば、フィードバックパスにより、後段の積分回路の積分値が前段の積分回路にフィードバックされるので、ノイズシェーピング特性におけるノイズ低減領域を高周波側へ拡張することができ、入力可能なアナログ入力電圧の周波数帯域を高周波側に伸ばすことが可能となる。
また、上記AD変換器において、各積分回路は、積分動作をしているときのみに起動されるオペアンプを備えてもよい。
この構成によれば、各積分回路を構成するオペアンプは積分動作を行うときのみ起動されるので、消費電力の低減を図ることができる。
また、本開示の別の一態様におけるAD変換器は、
アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1及び第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
前記積分器は、
オペアンプを含み、前記オペアンプを共用して複数段の積分動作を順次に行う積分回路と、
前記残差電圧をサンプリングし、前記積分回路が2段目以降の積分動作のうちの少なくとも1の積分動作を行う際に前記サンプリングした残差電圧を前記積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパスとを備える。
この構成によれば、逐次比較動作をLSB(最下位ビット)まで行った後の容量DACの残差電圧が積分器で積分され、積分値が次のサンプリングの比較参照電圧としてフィードバックされている。
ここで、積分器は、オペアンプを共用して複数段の積分動作を順次に行う積分回路で構成されているので、残差電圧に対して2次以上の積分を行うことができる。更に、2回目以降の積分動作のうち少なくとも1つの積分動作を積分回路が行う際には、フィードフォワードパスを介して積分回路に残差電圧が供給されるので、積分回路は前段の積分動作の積分値と残差電圧とを積分することができる。
これにより、残差電圧は高次のノイズシェーピング特性が与えられて、次にサンプリングされるアナログ入力電圧に加算される。その結果、アナログ入力電圧に高次のノイズシェーピング特性を与えることができる。そのため、アナログ入力電圧をオーバーサンプリングすることで、高分解能な逐次比較型AD変換器を提供できる。
更に、本態様では、積分回路はオペアンプを共用して複数段の積分動作を行うため、積分回路を1つのオペアンプで実現できる。
また、上記別のAD変換器において、前記積分器は、前記積分回路が1の積分動作の次の積分動作を行う際に、前記1の積分動作の積分値を前記積分回路にフィードバックするフィードバックパスを備えてもよい。
この構成によれば、1の積分動作の次の積分動作を積分回路が行う際に、1の積分動作の積分値がフィードバックパスによりフィードバックされるので、ノイズシェーピング特性におけるノイズ低減領域を高周波側へ拡張することができ、入力可能なアナログ入力電圧の周波数帯域を高周波側に伸ばすことが可能となる。
また、上記別の一態様のAD変換器において、前記オペアンプは、積分動作をしているときのみ起動してもよい。
この構成によれば、オペアンプは積分動作を行うときのみ起動されるので、消費電力の低減を図ることができる。
また、本開示の更に別の一態様のAD変換器は、
アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1電圧及び前記第1電圧よりも低い第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
前記容量DACは、前記容量DACの出力電圧を上げる複数の第1容量素子と、前記出力電圧を下げる複数の第2容量素子とを備えるスプリット型容量DACで構成され、
前記逐次比較制御回路は、
逐次比較の初期状態において、全ての第1容量素子を前記第2電圧に接続し、且つ、全ての第2容量素子を前記第1電圧に接続し、
次ビットの逐次比較において前記容量DACの出力電圧を上げる場合、第1ポインタを、前記複数の第1容量素子の配列方向に沿って仮想的に移動させ、前記第2電圧から前記第1電圧に接続を切り替える第1容量素子を決定し、
次ビットの逐次比較において前記容量DACの出力電圧を下げる場合、第2ポインタを、前記複数の第2容量素子の配列方向に沿って仮想的に移動させ、前記第1電圧から前記第2電圧に接続を切り替える第2容量素子を決定し、
最下位ビットの逐次比較が終了したとき、前記第1、第2ポインタの位置を維持した状態で、全ての第1容量素子を前記第2電圧に接続し、且つ、全ての第2容量素子を第1電圧に接続する。
この構成によれば、最下位ビットの逐次比較が終了したとき、第1、第2ポインタの位置を維持した状態で、容量DACがリセットされるので、次のサンプリング時にはこの位置から第1、第2ポインタの移動が開始されることになる。そのため、複数の第1、第2容量素子が偏り無く使用され、スプリット型容量DACの容量素子に容量ミスマッチが生じたとしても、固定パターンノイズを発生させず、スプリアスを抑制できる。その結果、高分解能のAD変換器を提供できる。
また、更に別の一態様のAD変換器において、前記逐次比較制御回路は、前記比較器の比較結果から前記容量DACの出力電圧を上げる必要があるか否かを決定してもよい。
また、更に別の一態様のAD変換器において、前記逐次比較制御回路は、前記第1ポインタと前記第2ポインタとを逆方向に移動させてもよい。
この構成によれば、第1ポインタと第2ポインタとは逆方向に移動されるので、第1、第2容量素子に容量ミスマッチがあったとしても、スプリアスの抑制効果をより高めることができる。
以下、図面に従って本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(比較例)
図1は、本開示の比較例に係るAD変換器1000の構成の一例を示す図である。AD変換器1000は、ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器である。AD変換器1000は、スイッチ1、容量DAC2、比較器3、逐次比較制御部4、及びシリアル−パラレル変換部(SP)5で構成される逐次比較型AD変換器を基本構成とする。そして、AD変換器1000は、この基本構成に対して、更に、低域通過フィルタ(LPF)6、積分器7、及び制御部900が付加されている。
スイッチ1は、アナログ入力電圧Vinをサンプリングする際に使用されるスイッチである。スイッチ1が導通状態になるとアナログ入力電圧Vinは共通ノードN10を介して容量DAC2に入力される。
容量DAC2は、バイナリー比率(2のべき乗の比率)で容量値が重み付けされた複数の容量素子201〜205を備える。以下、各容量素子201〜205は、特に区別されない場合、容量素子200と表される。容量素子200は、一端が共通ノードN10に接続され、他端が参照電圧VH又は参照電圧VLに接続される。ここでは、容量素子201〜205の容量値は、それぞれ、例えば、16C、8C、4C、2C、Cであるとする。なお、図1では、容量素子200の個数は5個にされたが、これは一例であり、N(Nは2以上の整数)個であってもよい。
更に、容量DAC2は、容量素子201〜205に対応するスイッチ211〜215を備える。以下、各スイッチ211〜215は、特に区別されない場合、スイッチ210と表される。なお、容量素子200の個数がN個の場合、スイッチ210の個数はN個とされる。
スイッチ210は、逐次比較制御部4から出力されるデジタル入力信号(逐次比較制御信号の一例)に応じて容量素子200に参照電圧VH(第1電圧の一例)又は参照電圧VL(第2電圧の一例)を接続する。例えば、「1」のデジタル入力信号が入力された場合、スイッチ210は、対応する容量素子200に参照電圧VHを接続し、「0」のデジタル入力信号が入力された場合、スイッチ210は、対応する容量素子200に参照電圧VLを接続すればよい。ここで、「容量素子200に参照電圧VHを接続する」とは容量素子200に参照電圧VHが与えられた信号線を接続させることを指す。また、「容量素子200に参照電圧VLを接続する」とは容量素子200に参照電圧VLが与えられた信号線を接続させることを指す。なお、参照電圧VHは参照電圧VLよりも大きいとする。
比較器3は、容量DAC2からの出力電圧と、積分器7から出力される比較参照電圧Vfbとを比較する。
逐次比較制御部4は、比較器3による対象ビットの比較結果に基づき、対象ビットの次ビットの比較対象電圧を容量DAC2に生成させるためのデジタル入力信号を決定する。
シリアル−パラレル変換部5は、比較器3による比較結果を多ビットの信号に変換する。低域通過フィルタ(LPF)6は、シリアル−パラレル変換部5から出力された多ビットの信号の低周波成分を透過させ、AD変換器1000をオーバーサンプリング型AD変換器として機能させる。
積分器7は、容量DAC2から出力された電圧を入力とし、入力された電圧を積分し、積分値を比較器3に出力する。
制御部900は、AD変換器1000を構成するスイッチのうち、容量DAC2に含まれるスイッチ210以外のスイッチ1、71、72等を導通状態(オン)又は開放状態(オフ)にさせる。
以下、AD変換器1000の動作が説明される。まず、制御部900は、スイッチ1を導通状態にして、一定時間後にスイッチ1を開放状態にする。これにより、アナログ入力電圧Vinは容量DAC2でサンプリングされる。このとき、容量DAC2のデジタル入力信号には、初期値としてデジタル出力コードの中間値が与えられている。
図1の例では、容量DAC2は5ビットの容量DACなので、デジタル出力コードの中間値は「1、0、0、0、0」となる。これにより、比較器3は、最初、アナログ入力電圧Vinを(VH−VL)/2の比較対象電圧と比較し、両電圧の大小関係を判定する。そして、Vin≧(VH−VL)/2であれば、比較器3はMSBを「1」とし、Vin<(VH−VL)/2であれば、比較器3はMSBを「0」とする。その後は、比較器3による比較結果を基に、逐次比較制御部4は、2分探索で容量DAC2を動作させながら、MSBからLSBまで、アナログ入力電圧Vinと比較対象電圧とを比較器3に比較させる。
例えば、MSBが「1」であれば、逐次比較制御部4は、MSBのデジタル入力信号を「1」に維持したまま、「1、1、0、0、0」のデジタル入力信号を容量DAC2に出力する。これにより、アナログ入力電圧Vinは、3(VH−VL)/4の比較対象電圧と比較され、Vin≧3(VH−VL)/4であればMSB−1ビットが「1」にされ、Vin<3(VH−VL)/4であればMSB−1ビットが「0」にされる。
一方、MSBが「0」であれば、逐次比較制御部4は、MSBを「0」にし、「0、1、0、0、0」のデジタル入力信号を容量DAC2に出力する。これにより、アナログ入力電圧Vinは、(VH−VL)/4の比較対象電圧と比較され、Vin≧(VH−VL)/4であれば次ビットが「1」にされ、Vin<(VH−VL)/4であれば次ビットが「0」にされる。このような動作がMSBからLSBまで繰り返され、各ビットの値が決定される。各ビットの比較結果は、シリアル−パラレル変換部5により、多ビットのAD変換値として出力される。
図2は、逐次比較動作における、容量DAC2の出力電圧の変化の一例を示す波形図である。逐次比較制御部4は、比較器3による比較結果に基づき、容量DAC2のデジタル入力信号を制御することで、次のビットの比較対象電圧を決定する。バイナリー比で重みづけされた容量DAC2を用いて2分探索していくため、MSBからLSBへ向かうほど容量DAC2からの出力信号と比較参照電圧Vfbとの差が小さくなる。ここで、通常の逐次比較型AD変換器は、LSBの比較処理の後、次ビットの比較を行わないため、容量DAC2の制御を行うことはない。
しかし、AD変換器1000は、LSBの逐次比較の終了後、その比較結果を基に再び容量制御を行う。このときの残差電圧Vresは、量子化した際の誤差(即ち、量子化ノイズ)に相当する。また、残差電圧Vresには、比較器3の動作時に発生するノイズ(即ち、コンパレータノイズ)も含まれている。これらのノイズ成分は、積分器7において、サンプリングされ、積分された後に、比較参照電圧Vfbとして比較器3の比較参照電圧端子に入力される。これにより、残差電圧Vresは、次のアナログ入力電圧Vinのサンプリング値に加算される。このように、量子化する際に発生するノイズ成分を積分し、次のアナログ入力電圧Vinにフィードバックすることにより、AD変換器1000にノイズシェーピング特性を与えることができる。
図3は、図1に示すAD変換器1000の動作を示すシグナルフロー図である。以下、図3を用いて、AD変換器1000の原理が説明される。残差電圧Vresは、AD変換により得られるデジタル出力Doutと、アナログ入力電圧Vinとの差分に等しい。この残差電圧Vresは、サンプリングされ、積分された後に、次サンプルのアナログ入力電圧Vinにフィードバックされる。
ここで、上述の量子化する際に発生するノイズ(即ち、量子化ノイズ及びコンパレータノイズ)をノイズ成分Q(z)とする。このとき、アナログ入力電圧Vin(z)とデジタル出力Dout(z)の伝達関数は以下のように表される。
Dout(z)=Vin(z)+(1−Z−1)Q(z) 式(1)
ここで、ノイズ成分Q(z)に着目した伝達関数(ノイズ伝達関数:NTF)は(1−Z−1)で表される。このNTFは、低周波領域のゲインが低くなるようなハイパスフィルタ特性を示している。従って、式(1)は、アナログ入力電圧Vin(z)をそのまま維持させつつ、量子化ノイズ及びコンパレータノイズ(即ち、ノイズ成分Q(z))を高周波領域側へ移動させる特性を示している。これにより、AD変換器1000は、ノイズシェーピング特性を実現する。高周波領域側へ移動したノイズ成分Q(z)は、後に低域通過フィルタ(LPF)6により除去される。つまり、AD変換器1000は、アナログ入力電圧Vinの周波数に対して十分に高い周波数でアナログ入力電圧Vinをサンプリングする(即ち、オーバーサンプリングする)ことで、SNR(Signal to Noise ratio)を向上させることができ、高分解能化を実現できる。ここで、アナログ入力電圧Vinよりも十分に高い周波数とは、アナログ入力電圧Vinに含まれる最大周波数の2倍よりも大きな周波数が該当する。したがって、制御部900がアナログ入力電圧Vinよりも十分に高い周波数でスイッチ1をスイッチングさせることでオーバーサンプリングは実現される。なお、オーバーサンプリングの周波数は、アナログ入力電圧Vinの最大周波数の少なくとも2倍の周波数であればよく、特に限定はされない。
しかし、図1に示すAD変換器1000におけるノイズシェーピング特性は1次のNTFであり、更なる高分解能化を図るためには、高次のノイズシェーピング特性が必要となる。また、積分器7に用いるオペアンプは、定常電流を流すため、電力の増加は避けられない。そこで、本発明者らは、実施の形態1に係るAD変換器を提案する。
(実施の形態1)
図4は、本開示の実施の形態1におけるAD変換器100の構成の一例を示す図である。AD変換器100は、AD変換器1000と同様、ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器である。以下、AD変換器100において、AD変換器1000と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
AD変換器100は、AD変換器1000において積分器7の代わりに、積分器8が設けられている。
積分器8は、縦続接続された複数段の積分回路12、14及び16と、2つのフィードフォワードパスFF1及びFF2と、フィードバックパスFB1とを備えている。
積分回路12は、一段目の積分回路であり、オペアンプOP1及び容量素子C12を備える。積分回路14は、二段目の積分回路であり、オペアンプOP2及び容量素子C14を備える。積分回路16は、三段目の積分回路であり、オペアンプOP3及び容量素子C16を備える。
積分回路12において、容量素子C12はオペアンプOP1の入力ノードN1及び出力ノード間に接続されている。オペアンプOP1の他方の入力ノードは接地されている。積分回路14及び16は積分回路12と同一構成なので、説明を省略する。
積分回路12の入力ノードN1はスイッチφ1_1を介して共通ノードN10に接続されている。また、積分回路12は、スイッチφ1_2及びスイッチφ2_3を介して積分回路14に接続されている。容量素子13は、一端がスイッチφ1_2及びスイッチφ2_3の接続点K1に接続され、他端が接地されている。
積分回路14は、スイッチφ2_4及びスイッチφ3_3を介して積分回路16と接続されている。容量素子15は、一端がスイッチφ2_4及びスイッチφ3_3の接続点K3に接続され、他端が接地されている。
フィードフォワードパスFF1は、共通ノードN10と2段目の積分回路14の入力ノードN2との間に設けられ、共通ノードN10から入力される残差電圧Vresを容量素子9でサンプリングし、サンプリングした残差電圧Vresを2段目の積分回路14に入力する。
詳細には、フィードフォワードパスFF1は、スイッチφs_2、スイッチφ2_1、及び容量素子9を備える。容量素子9の一端は、スイッチφs_2を介して共通ノードN10に接続されると共にスイッチφ2_1を介して入力ノードN2に接続されている。
フィードフォワードパスFF2は、共通ノードN10と3段目の積分回路16の入力ノードN3との間に設けられ、共通ノードN10から入力される残差電圧Vresを容量素子10でサンプリングし、サンプリングした残差電圧Vresを3段目の積分回路16に入力する。
詳細には、フィードフォワードパスFF2は、スイッチφs_1、スイッチφ3_1、及び容量素子10を備える。容量素子10の一端は、スイッチφs_1を介して共通ノードN10に接続されると共にスイッチφ3_1を介して入力ノードN3に接続されている。
フィードバックパスFB1は、3段目の積分回路16の出力ノードN4と2段目の積分回路14の入力ノードN2との間に設けられ、積分回路16からの出力電圧を容量素子11でサンプリングし、2段目の積分回路14にフィードバックする。
詳細には、フィードバックパスFB1は、スイッチφ2_2、スイッチφ3_2、及び容量素子11を備える。容量素子11の一端は、スイッチφ2_2を介して入力ノードN2に接続されると共に、スイッチφ3_2を介して出力ノードN4に接続されている。容量素子11の他端は、接地されている。
図4の例では、積分器8は3つの積分回路12、14及び16が縦続接続されているが、これは一例にすぎず、縦続接続されたM(2以上の整数)個の積分回路で構成されてもよい。この場合、2段目からM段目までの積分回路に接続されるフィードフォワードパスを設ければよい。
図5は、図4に示す積分器8のタイミングダイヤグラムの一例を示す図である。以下、図4及び図5を用いて積分器8により行われる高次のノイズシェーピングの動作が説明される。ここで、タイミングダイヤグラムにおいて、1行目に記載された「ADC state」はAD変換器100の動作状態を示す。「ADC state」は、サンプリングステートST1、AD変換ステートST2、エラーフィードバックステートST3、及びリセットステートST4の4つの動作状態がサイクリックに繰り返される。
制御信号Sφs、Sφ1、Sφ2及びSφ3はスイッチの制御信号であり、Hiのときにスイッチを導通状態(ON)にし、Lowのときにスイッチを開放状態(OFF)にする。
なお、制御信号Sφsは、先頭が「φs」の符号で表されるスイッチφs_1及びφs_2の制御信号であり、制御信号Sφ1は先頭が「φ1」の符号で表されるスイッチφ1_1及びφ1_2の制御信号であり、制御信号Sφ2は先頭が「φ2」で表されるスイッチφ2_1〜φ2_4の制御信号であり、制御信号Sφ3は先頭が「φ3」で表されるスイッチφ3_1〜φ3_4の制御信号である。制御信号Sφs及びSφ1〜Sφ3は、制御部900から出力される。
以下、制御信号Sφsにより制御されるスイッチは、特に区別されない場合、スイッチφsと表され、制御信号Sφ1により制御されるスイッチは、特に区別されない場合はスイッチφ1と表され、制御信号Sφ2により制御されるスイッチは、特に区別されない場合はスイッチφ2と表され、制御信号Sφ3により制御されるスイッチは、特に区別されない場合はスイッチφ3と表される。
まず、サンプリングステートST1では、スイッチ1が導通状態にされアナログ入力電圧Vinが容量DAC2に充電される。スイッチ1がオフされると、AD変換ステートST2が開始される。AD変換ステートST2では、逐次比較制御部4、容量DAC2、及び比較器3により、MSBからLSBまでの各ビットの値が決定され、アナログ入力電圧VinがAD変換される。
LSBの値が決定すると、エラーフィードバックステートST3が開始される。スイッチφsは、サンプリングステートST1からエラーフィードバックステートST3が開始されるまで、導通状態となっている。従って、エラーフィードバックステートST3の開始時点では、容量素子9及び10には、LSBまでの逐次比較終了後のDAC2の残差電圧Vresが充電されている。
エラーフィードバックステートST3では、スイッチφsがOFFにされた後、スイッチφ1がONにされ、容量DAC2に蓄えられている残差電圧Vresが、1段目の積分回路12で積分され、積分値が容量素子13に蓄積される。次に、スイッチφ1がOFFされて積分値が容量素子13でサンプルホールドされ、スイッチφ2がONされ、容量素子13でサンプルホールドされた積分値が2段目の積分回路14で積分される。このとき、容量素子9にサンプルホールドされていた残差電圧Vresも同時に2段目の積分回路14に入力される。これにより、フィードフォワードパスFF1が実現される。
同様に、スイッチφ2がOFFされた後、スイッチφ3がONされ、容量素子15でサンプルホールドされた2段目の積分回路14の積分値と容量素子10でサンプルホールドされた残差電圧Vresとが3段目の積分回路16に入力される。
最後に、スイッチφ3がOFFされ、3段目の積分回路16の積分値が容量素子17にサンプルホールドされる。以上により3次積分が実現される。容量素子17にサンプリングされた3次積分の積分値は、次サンプルのアナログ入力電圧VinをMSBからLSBまで変換する際の比較参照電圧Vfbとして比較器3にフィードバックされる。このようにして、3次のノイズシェーピング特性を有した逐次比較型AD変換器が実現される。
更に、スイッチφ3がONのときに、フィードバックパスFB1は、3段目の積分回路16の積分値を容量素子11にサンプリングさせる。そして、フィードバックパスFB1は、次のサンプルでスイッチφ2がONすると、容量素子11がサンプリングした積分値を、2段目の積分回路14の入力ノードN2にフィードバックさせる。これにより、低周波領域のノイズがより削減されたノイズシェーピングが実現できる。
リセットステートST4では、次サンプルでのAD変換に備えて、例えば、容量DAC2の容量素子201〜205のリセット等が行われる。
図6は、図4に示すAD変換器100の動作を示すシグナルフロー図である。AD変換器100では、3つの積分回路12、14及び16が縦続接続されている。また、AD変換器100では、フィードフォワードパスFF1により、2段目の積分回路14の入力に係数a1が乗じられ、フィードフォワードパスFF2により、3段目の積分回路16の入力に係数a2を乗じられる。本実施の形態では、係数a1及びa2は、それぞれ1である。このとき、AD変換器100の伝達関数は、以下のように表される。
Dout(z)=Vin(z)+(1−Z−1×Q(z) 式(2)
式(2)に示されるように、ノイズ成分Q(z)に着目したノイズ伝達関数は、(1−Z−1で表されており、3次のノイズシェーピング特性が実現されている。
また、AD変換器100では、フィードバックパスFB1により、3段目の積分回路16から出力された積分値に係数gが乗じられ、2段目の積分回路14に入力される。これにより、NTF(ノイズ伝達関数)はゼロ点を有することができ、係数gによって特定周波数の位置にノッチを作ることができる。ノッチを作ることにより、ノイズ低減領域を高周波側へ拡張することができるため、入力可能なアナログ入力電圧Vinの周波数帯域を高周波側に伸ばすことが可能となる。
図7は、積分器8を2次のノイズシェーピング特性を持つ積分器8で構成した場合のAD変換器100のシグナルフロー図である。2次のノイズシェーピング特性を持たせる場合、積分器8は、縦続接続された2つの積分回路12、14で構成される。また、フィードフォワードパスFF1により、2段目の積分回路14の入力に係数a1が乗じられている。また、フィードバックパスFB1により、2段目の積分回路14の積分値に係数gが乗じられ、1段目の積分回路12へ戻されている。
図8は、ノイズシェーピングを行わないとき、並びに1次、2次及び3次のノイズシェーピングを行ったときのAD変換出力スペクトルを示すグラフである。図8において、縦軸はパワースペクトル密度(PSD)をデシベル単位で示し、横軸は規格化周波数を示す。また、グラフ801、802、803及び804はそれぞれノイズシェーピングを行わない場合、並びに1次、2次及び3次のノイズシェーピングを行った場合のAD変換出力スペクトルを示している。また、縦軸と平行な点線805は、信号帯域の上限を示している。
ノイズシェーピングの次数が1次、2次、3次と増大するにつれて、低周波側のPSDが全体的に低下しており、低周波側のノイズの抑制効果が高いことが分かる。よって、ノイズシェーピングの次数が高いほど、より高いSNRを実現できることが分かる。
図9は、1次、2次及び3次のノイズシェーピングを行った際のNTF(ノイズ伝達関数)の周波数特性を示すグラフである。図9において、縦軸はゲインをdB単位で示し、横軸は規格化周波数を示している。AD変換器100は、フィードバックパスFB1によりゼロ点を移動させることで、ノイズの少ない低周波側の帯域を広げることができる。
このように、実施の形態1によるAD変換器100は、逐次比較動作をLSBまで行った後の容量DAC2の残差電圧Vresを積分器8で積分し、次のサンプリングの比較参照電圧Vfbとしてフィードバックさせている。
ここで、積分器8は、まず、残差電圧Vresを1段目の積分回路12で積分すると共にフィードフォワードパスFF1及びFF2でサンプリングする。次に、2段目の積分回路14は、1段目の積分結果とフィードフォワードパスFF1でサンプリングされた残差電圧Vresとを積分する。次に、3段目の積分回路16は、2段目の積分結果とフィードフォワードパスFF2でサンプリングされた残差電圧Vresとを積分する。これにより、残差電圧Vresは高次のノイズシェーピング特性が与えられて次にサンプリングされるアナログ入力電圧Vinに加算され、アナログ入力電圧Vinには高次のノイズシェーピング特性が与えられる。そのため、アナログ入力電圧Vinをオーバーサンプリングすることで、高分解能な逐次比較型AD変換器を提供できる。
なお、実施の形態1において積分回路12、14及び16を構成するオペアンプOP1、OP2及びOP3は常時動作させる必要はない。オペアンプOP1、OP2及びOP3は、積分動作を行っている期間のみ動作すればよい。従って、1段目、2段目及び3段目の積分回路12、14及び15で使用しているオペアンプOP1、OP2及びOP3は、それぞれ、制御信号Sφ1、Sφ2及びSφ3がONになっている期間のみ動作していればよい。10ビットの逐次比較動作の場合、積分期間はAD変換期間全体の約1/20程度なので、大幅な電力削減が可能となる。
具体的には、積分回路12のオペアンプOP1に制御信号Sφ1を入力し、積分回路14のオペアンプOP2に制御信号Sφ2を入力し、積分回路16のオペアンプOP3に制御信号Sφ3を入力する。そして、制御信号Sφ1がHiのときオペアンプOP1を動作させ、制御信号Sφ2がHiのときオペアンプOP2を動作させ、制御信号Sφ3がHiのときオペアンプOP3を動作させればよい。
また、一つのオペアンプのみで、3次の積分器8を実現することも可能である。前述のとおり、オペアンプはそれぞれの積分期間にのみ動作させればよいので、1段目、2段目、3段目の積分を1つのオペアンプを使用して実現できる。このようなオペアンプシェアリングの技術を適用することで、AD変換器100の更なる小型化を実現できる。
図10は、1つのオペアンプで3次の積分を行う積分器8Aの構成の一例を示す図である。なお、図10に示す積分器8Aにおいて、図4に示す積分器8と同じものには同じ符号を付し説明を省略する。積分器8Aは、1つのオペアンプOP1を含み、オペアンプOP1を共用して複数段(図10の例では3段)の積分動作を順次に行う積分回路を備えている。
図10の例では、積分回路は、1段目の積分動作に対応する容量素子C12、13及びスイッチφ1_1,φ1_2、φ1_3と、2段目の積分動作に対応する容量素子C14、15及びスイッチφ2_2、φ2_3、φ2_4、と、3段目の積分動作に対応する容量素子C16、17及びスイッチφ3_2、φ3_3、φ3_4で構成される。
また、積分器8Aは、2段目の積分動作に対応するフィードフォワードパスFF1と3段目の積分動作に対応するフィードフォワードパスFF2とを備えている。フィードフォワードパスFF1、FF2は、それぞれ、残差電圧Vresをサンプリングし、積分回路が2段目、3段目の積分動作を行う際にサンプリングした残差電圧Vresを積分回路のオペアンプOP1に入力する。
オペアンプOP1の入力ノードN20及び出力ノードN30間には、直列接続された容量素子C12及びスイッチφ1_2と、直列接続された容量素子C14及びスイッチφ2_4と、直列接続された容量素子C16及びスイッチφ3_4とが並列接続されている。
入力ノードN20は、フィードフォワードパスFF1を介して共通ノードN10と接続されると共に、フィードフォワードパスFF2を介して共通ノードN10と接続されている。更に入力ノードN20は、スイッチφ1_1を介して共通ノードN10と接続されている。
出力ノードN30は、スイッチφ1_3を介して容量素子13と接続され、スイッチφ2_3を介して容量素子15と接続され、スイッチφ3_3を介して容量素子17と接続されている。
容量素子13はスイッチφ2_2を介して入力ノードN20と接続され、容量素子15はスイッチφ3_2を介して入力ノードN20と接続されている。
次に、積分器8Aの動作を図5のタイミングダイヤグラムを用いて説明する。サンプリングステートST1及びAD変換ステートST2では、スイッチφsがONされている。そのため、スイッチφsがOFFされてエラーフィードバックステートST3が開始さると、残差電圧Vresが容量素子9及び10にサンプリングされる。
エラーフィードバックステートST3において、スイッチφ1がONすると、オペアンプOP1の入力ノードN20及び出力ノードN30間に容量素子C12が接続される。これにより、オペアンプOP1は、1段目の積分回路を構成し、1段目の積分動作を実行する。また、スイッチφ1がONすると、オペアンプOP1の入力ノードN20がスイッチφ1_1を介して共通ノードN10に接続され、出力ノードN30がスイッチφ1_3を介して容量素子13に接続される。これにより、残差電圧Vresが1段目の積分回路で積分され、1段目の積分動作の積分値が容量素子13に蓄えられる。
次に、スイッチφ1がOFFし、スイッチφ2がONすると、オペアンプOP1の入力ノードN20及び出力ノードN30間に容量素子C14が接続される。これにより、オペアンプOP1は、2段目の積分回路を構成し、2段目の積分動作を実行する。このとき、入力ノードN20がフィードフォワードパスFF1を介して容量素子9に接続され、入力ノードN20がスイッチφ2_2を介して容量素子13と接続され、出力ノードN30がスイッチφ2_3を介して容量素子15と接続される。そのため、容量素子13でサンプリングされた1段目の積分動作の積分値と、容量素子9でサンプリングされた残差電圧Vresとが2段目の積分動作により積分され、積分値が容量素子15に蓄えられる。
次に、スイッチφ2がOFFし、スイッチφ3がONすると、オペアンプOP1の入力ノードN20及び出力ノードN30間に容量素子C16が接続される。これにより、オペアンプOP1は、3段目の積分回路を構成し、3段目の積分動作を実行する。このとき、入力ノードN20がフィードフォワードパスFF2を介して容量素子10に接続され、入力ノードN20がスイッチφ3_2を介して容量素子15と接続され、出力ノードN30がスイッチφ3_3を介して容量素子17と接続される。そのため、容量素子15でサンプリングされた2段目の積分動作の積分値と、容量素子10でサンプリングされた残差電圧Vresとが3段目の積分動作により積分され、積分値が容量素子17に蓄えられる。
そして、容量素子17に蓄えられた積分値は、次サンプリングでの比較参照電圧Vfbとして比較器3に入力される。
このように、積分器8Aを採用すると、オペアンプOP1の個数が1個で済むので、回路規模の縮小を図ることができる。
(実施の形態2)
図11は、本開示の実施の形態2におけるAD変換器100Aの構成の一例を示す図である。AD変換器100Aは、AD変換器100と同様、ノイズシェーピング型逐次比較AD変換器である。以下、AD変換器100Aにおいて、AD変換器100と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
AD変換器100Aは、図1に示すAD変換器1000において、容量DAC2として、スプリット型容量DAC18を採用している。また、積分器7はスプリット型容量DAC18の右側に図示されているが、入力端子が共通ノードN10に接続されているので、電気的にはAD変換器1000の積分器7と同じである。
スプリット型容量DAC18は、スプリット型容量DAC18の出力電圧を上げるための容量素子301〜305と、出力電圧を下げるための容量素子401〜405とを備える。
容量素子301〜305の一端と容量素子401〜405の一端とは共通ノードN10を介して相互に接続されている。また、容量素子301〜305の他端は、参照電圧VH又は参照電圧VLと接続され、容量素子401〜405の他端は、参照電圧VH又は参照電圧VLと接続される。
さらに、スプリット型容量DAC18の制御にはDEM(Dynamic Element Matching)部19が用いられる。DEM部19はスプリット型容量DAC18を構成する容量素子にばらつきが生じたときに、ランダム、或いは、アナログ入力電圧Vinに応じて容量素子を動的に使い分けることにより、出力信号のスプリアスを抑制するものである。なお、DEM部19は、逐次比較制御部の一例である。
以下、容量素子301〜305は、特に区別されない場合、容量素子300と表される。また、容量素子401〜405は、特に区別されない場合、容量素子400と表される。ここで、容量素子301〜305及び401〜405はそれぞれ同じ容量値を持っているものとする。ここでは、容量素子300は5個、容量素子400も5個設けられているが、これは一例である。容量素子300がN(2以上の整数)個設けられ、容量素子400もN個設けられていてもよい。また、容量素子300は第2容量素子の一例であり、容量素子400は第1容量素子の一例である。
スイッチ501〜505は容量素子301〜305に対応し、スイッチ601〜605は容量素子401〜405に対応している。以下、スイッチ501〜505は、特に区別されない場合、スイッチ500と表され、スイッチ601〜605は、特に区別されない場合、スイッチ600と表される。
図12は、スプリット型容量DAC18の動作の説明図である。図13は、スプリット型容量DAC18からの出力電圧(即ち、アナログ入力電圧Vin)の遷移を示す波形図である。以下、図12及び図13に従って、スプリット型容量DAC18の動作が説明される。ここでは、図12の例では、容量素子が32個の場合のスプリット型容量DAC18の動作が示されている。
容量マップ1200は、容量素子300及び400の配列を概念的に示している。1行目には16個の容量素子300がマッピングされ、2行目には16個の容量素子400がマッピングされている。容量マップ1200において、例えば、1行1列目のマスは左から1番目に配置された容量素子300を示し、1行2列目のマスは左から2番目に配置された容量素子300を示すというように、容量素子300がマッピングされている。
また、容量マップ1200において、例えば、2行1列目のマスは左から1番目に配置された容量素子400を示し、2行2列目のマスは左から2番目に配置された容量素子400を示すというように、容量素子400がマッピングされている。
ポインタP1(第1ポインタの一例)は容量素子400内の位置を指定するものであり、ポインタP2(第2ポインタの一例)は容量素子300内の位置を指定するものである。逐次比較の初期状態において、ポインタP1は左端に位置し、ポインタP2は右端に位置している。
また、容量マップ1200において、容量素子300及び400のうち、グレー色のマスに対応する容量素子には参照電圧VHが接続されている。また、容量素子300及び400のうち、白色のマスに対応する容量素子には参照電圧VLが接続されている。
前述のとおり、アナログ入力電圧Vinをサンプリングする際の容量DAC2の初期値は、デジタル出力コードの中間値である。
従って、逐次比較の初期状態であるステップS1において、DEM部19は、上半分の16個の容量素子300の一端(共通ノードN10と反対の端子)に参照電圧VHを接続させ、下半分の16個の容量素子400の一端(共通ノードN10と反対の端子)に参照電圧VLを接続させる。
スイッチ1の開放後、DEM部19は、比較器3の比較結果に従ってスプリット型容量DAC18の出力電圧を遷移させる。この場合、DEM部19は、プラス方向に出力電圧(Vin)を変化させる場合、ポインタP1を右方向に移動させて、容量素子400の接続を参照電圧VLから参照電圧VHに切り替える。一方、DEM部19は、出力電圧(Vin)をマイナス方向に変化させる場合、ポインタP2を左方向に移動させ、容量素子300の接続を参照電圧VHから参照電圧VLに切り替える。
図13の例では、ステップS1において、出力電圧(Vin)が比較参照電圧Vfb以上なので、DEM部19はMSBに「1」を設定し、MSB−1ビットの逐次比較において出力電圧(Vin)を下げると判定する。そのため、DEM部19は、図12のステップS2に示すように、ポインタP2を左方向に8マス分移動させて右から9個目の容量素子300に位置決めする。そして、DEM部19はポインタP2が通過した8個の容量素子300の接続を参照電圧VHから参照電圧VLに切り替える。
これにより、−(VH−VL)/4だけ、出力電圧(Vin)が遷移する。ステップS2では、図13に示すように、出力電圧(Vin)が比較参照電圧Vfbより小さいので、DEM部19は、MSB−1ビットを「0」に設定し、MSB−2ビットの逐次比較において出力電圧(Vin)を上げると判定する。そのため、DEM部19は、図12のステップS3に示すように、ポインタP1を右方向に4マス分移動させて左から5個目の容量素子400に位置決めする。そして、DEM部19はポインタP1が通過した4個の容量素子400の接続を参照電圧VLから参照電圧VHに切り替える。これにより、+(VH−VL)/8だけ、出力電圧(Vin)が遷移する。
以降のS4、S5では、DEM部19は、同様の動作でポインタP1、P2を動かしながら、LSBの逐次比較が終了するまで出力電圧(Vin)の遷移を繰り返す。LSBの逐次比較が終了すると、DEM部19は、次のアナログ入力電圧Vinのサンプリングに備えてスプリット型容量DAC18の初期値をリセットする。このとき、DEM部19は、上半分の全ての容量素子300を参照電圧VHに接続し、下半分の全ての容量素子400を参照電圧VLに接続し、スプリット型容量DAC18をリセットするが、ポインタP1及びP2の位置はリセットしない。
図12のステップS5が、LSBの逐次比較の終了時を示しているとすると、次のサンプリング時には、この位置からポインタP1、P2の移動が開始される。
そのため、スイッチ1が開放された後、容量素子300、400に対するポインタP1、P2の動作は、前回のサンプリングのポインタP1、P2の最終位置からスタートされる。これにより、スプリット型容量DAC18の容量素子300及び400に容量のミスマッチが生じたとしても、固定パターンノイズを発生させず、スプリアスを抑制できる。さらに、アナログ入力電圧Vinに依存するポインタ動作により、容量ミスマッチによるノイズに1次のノイズシェーピング特性を与えることができる。
なお、容量マップ1200において、左端の容量素子300と右端の容量素子300とは連続しており、左端の容量素子400と右端の容量素子400とは連続している。したがって、ポインタP1は、右端の容量素子400に到達すると、左端の容量素子400から引き続き右方向に移動される。また、ポインタP2は、左端の容量素子300に到達すると、右端の容量素子300から引き続き左方向に移動される。
図14は、DEMを採用しなかった場合のパワースペクトルの一例を示すグラフ1401である。図15は、本開示の実施の形態2におけるAD変換器100Aのパワースペクトルの一例を示すグラフ1501であり、DEMを採用した場合のグラフ1501である。なお、図14及び図15において、縦軸はパワースペクトル密度(PSD)をデシベル単位で示し、横軸は周波数を示している。
このシミュレーションでは、容量ミスマッチは1σ=1%で与えられており、容量DACの出力信号のスペクトルが求められている。グラフ1401とグラフ1501との比較から、容量ミスマッチにより発生する複数のスプリアスが、DEMを用いることで抑制されていることが分かる。
(変形例)
(1)図4では、2つのフィードフォワードパスFF1、FF2が設けられていたが、少なくとも1つのフィードフォワードパスがあれば、高次のノイズシェーピング特性が得られるので、一方のフィードフォワードパスは省かれてもよい。また、積分器8をN(2以上の整数)個の積分回路で構成した場合、フィードフォワードパスは、2段目以降のN−1個の積分回路のうち少なくとも1個の積分回路に接続される。
(2)図4では、フィードバックパスFB1が設けられているが、フィードバックパスFB1は省かれても良い。また、図10ではフィードバックパスFB1が設けられていないが、フィードバックパスFB1が設けられていてもよい。この場合、フィードバックパスFB1は、一端が出力ノードN30に接続され、他端が入力ノードN20に接続されればよい。
(3)図11では一次の積分器7が用いられているが、積分器8、8Aが採用されてもよい。
(4)図10では、1つのオペアンプOP1を用いて積分器8Aが構成されたが、複数のオペアンプを用いて積分器が構成されてもよい。
本開示において、図4および図11に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、図4および図11に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウエアは、ソフトウエア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行させる。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は一つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
本開示に係るAD変換器は、低消費電力を維持しつつ高分解能なAD変換が可能であるため、モバイル用途のセンサーのアナログフロントエンドに用いられるAD変換器として有用である。
1 スイッチ
2 容量DAC
3 比較器
4 逐次比較制御部
5 シリアル−パラレル変換回路
6 デジタルフィルタ
7、8 積分器
9、10、11、13、15、17 容量素子
12、14、16 積分回路
18 スプリット型容量DAC
19 DEM部
FF1、FF2 フィードフォワードパス
FB フィードバックパス
Sφs、Sφ1、Sφ2、Sφ3 制御信号

Claims (9)

  1. アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
    複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1及び第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
    前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
    逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
    前記積分器は、
    縦続接続された複数の積分回路と、
    前記残差電圧をサンプリングし、前記複数の積分回路のうち2段目以降のいずれか1つの積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパスと備えるAD変換器。
  2. 前記積分器は、後段の積分回路の積分値を前段の積分回路にフィードバックする少なくとも1つのフィードバックパスを備える請求項1に記載のAD変換器。
  3. 各積分回路は、積分動作をしているときのみに起動されるオペアンプを備える請求項1又は2に記載のAD変換器。
  4. アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
    複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1及び第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
    前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
    逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
    前記積分器は、
    オペアンプを含み、前記オペアンプを共用して複数段の積分動作を順次に行う積分回路と、
    前記残差電圧をサンプリングし、前記積分回路が2段目以降の積分動作のうちの少なくとも1の積分動作を行う際に前記サンプリングした残差電圧を前記積分回路に入力する少なくとも1つのフィードフォワードパスとを備えるAD変換器。
  5. 前記積分器は、前記積分回路が1の積分動作の次の積分動作を行う際に、前記1の積分動作の積分値を前記積分回路にフィードバックするフィードバックパスを備える請求項4に記載のAD変換器。
  6. 前記オペアンプは、積分動作をしているときのみ起動する請求項4又は5に記載のAD変換器。
  7. アナログ入力電圧が入力される共通ノードと、
    複数の容量素子を備え、各容量素子の一端が前記共通ノードに接続され、他端が逐次比較制御信号に応じて、第1電圧及び前記第1電圧よりも低い第2電圧のいずれかに選択的に接続される容量DACと、
    前記共通ノードの電圧と比較参照電圧とを比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果から次ビットの逐次比較制御信号を決定する逐次比較制御回路と、
    逐次比較動作が最下位ビットまで行われた後の前記容量DACの残差電圧が前記共通ノードを介して入力され、前記入力された残差電圧を積分し、積分値を次サンプリングの比較参照電圧とする積分器とを備え、
    前記容量DACは、前記容量DACの出力電圧を上げるための複数の第1容量素子と、前記出力電圧を下げるための複数の第2容量素子とを備えるスプリット型容量DACで構成され、
    前記逐次比較制御回路は、
    逐次比較の初期状態において、全ての第1容量素子を前記第2電圧に接続し、且つ、全ての第2容量素子を前記第1電圧に接続し、
    次ビットの逐次比較において前記容量DACの出力電圧を上げる場合、第1ポインタを、前記複数の第1容量素子の配列方向に沿って仮想的に移動させ、前記第2電圧から前記第1電圧に接続を切り替える第1容量素子を決定し、
    次ビットの逐次比較において前記容量DACの出力電圧を下げる場合、第2ポインタを、前記複数の第2容量素子の配列方向に沿って仮想的に移動させ、前記第1電圧から前記第2電圧に接続を切り替える第2容量素子を決定し、
    最下位ビットの逐次比較が終了したとき、前記第1、第2ポインタの位置を維持した状態で、全ての第1容量素子を前記第2電圧に接続し、且つ、全ての第2容量素子を第1電圧に接続するAD変換器。
  8. 前記逐次比較制御回路は、前記比較器の比較結果から前記容量DACの出力電圧を上げる必要があるか否かを決定する請求項7に記載のAD変換器。
  9. 前記逐次比較制御回路は、前記第1ポインタと前記第2ポインタとを逆方向に移動させる請求項8に記載のAD変換器。
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