JP2017146117A - 電子時計 - Google Patents

電子時計 Download PDF

Info

Publication number
JP2017146117A
JP2017146117A JP2016025980A JP2016025980A JP2017146117A JP 2017146117 A JP2017146117 A JP 2017146117A JP 2016025980 A JP2016025980 A JP 2016025980A JP 2016025980 A JP2016025980 A JP 2016025980A JP 2017146117 A JP2017146117 A JP 2017146117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electronic timepiece
circuit
capacitance
pointer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016025980A
Other languages
English (en)
Inventor
智昭 武笠
Chiaki Mukasa
智昭 武笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2016025980A priority Critical patent/JP2017146117A/ja
Publication of JP2017146117A publication Critical patent/JP2017146117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)

Abstract

【課題】専用の機構を追加することなく、精度よく電子時計の傾きを検出することができる電子時計を提供する。【解決手段】電子時計100は、指針105に形成される第1の電極201と、文字板104上であって第1の電極201に対向する位置に形成される第2の電極202と、第1の電極201と第2の電極202との距離に応じて発生する静電容量の変化を位相変化として検出する容量位相変換回路203とを有する姿勢検出機構218を備え、電子時計100の姿勢を、第1の電極201と第2の電極202との電極間に発生する静電容量の変化に基づいて判別する。【選択図】図5

Description

この発明は、水晶振動子の発振周波数に基づいて時刻を計時する電子時計に関する。
従来、水晶振動子の発振周波数に基づいて時刻を計時する電子時計においては、水晶振動子の発振周波数は、当該水晶振動子にかかる重力の方向によって変化することが知られており、電子時計の姿勢によっては、発振周波数の変化に起因して計時精度が低下することがあった。このため、高い計時精度が要求される電子時計においては、水晶振動子の姿勢による計時精度の低下を抑制するために、電子時計の姿勢を検出する機構を備えたものがある。
たとえば、特許文献1に記載の電子時計は、当該電子時計の姿勢を検出するための姿勢センサを備えており、姿勢センサの出力信号に基づいて、電子時計の姿勢を判定し、姿勢検出信号に基づいて、モータの回転制御を行っている。この姿勢センサは、長円形上のケースに複数の検出用電極が形成されており、ケース内部に封止された導電性液体と複数の検出用電極との導通パターンによって姿勢を検出している。
国際公開第WO01/079940号パンフレット(第11頁、図6)
しかしながら、上述した従来の技術は、従来から知られている電子時計に、姿勢を検出するための専用の機構を追加する必要があり、そのため電子時計に新たに搭載するスペースを確保しなければならないため、時計本体が大きくなるという問題があった。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電子時計本来の構成とは別に専用の機構を搭載することなく姿勢を検出することができる電子時計を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電子時計は、軸を支点として回動する指針と、姿勢検出機構とを有する時計であって、姿勢検出機構は、指針に形成される第1の電極と、第1の電極と対向する位置に形成される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との距離に応じて発生する容量の変化を位相変化として検出する容量位相変換回路とを有することを特徴とする。
これにより、指針が重力の影響を受けて撓んだ際に第1の電極と第2の電極との間に発生する数〜数十fFという微少な静電容量値の変化を検出することができ、この検出信号から電子時計の姿勢を判別することができる。また、この姿勢検出機構は既存の電子時計の構成を用いているため、別途専用の検出機構を設けることなく小型化ができる。
また、第1の電極は、指針の先端に形成してもよい。
これにより、第1の電極と第2の電極の変位量を大きくすることができるため、検出感
度を高めることができる。
また、指針は、樹脂材料で形成してもよい。
これにより、電子時計の姿勢変化に伴う第1の電極を先端に有する指針における、片持ち梁状に撓む際の撓み量が、たとえば金属材料を用いた場合に比べて数倍大きく変化することから、電子時計の微小な姿勢変化に対する検出感度を高めることができる。
また、電子時計は、文字板を有し、第2の電極は、文字板上に配置される時字としてもよい。
これにより、文字板上に新たな電極部材を設ける必要がなく、電子時計の外観を損なうことなく電極を設けることが可能となる。また、第2の電極を形成する時字を任意に複数選択することで、中心に位置する軸に対し、該当する時字の向きにおける姿勢を複数方向に対して検出可能になることから、電子時計のより詳細な姿勢を検出することができる。
また、電子時計は、風防ガラスを有し、第2の電極は、風防ガラス上に配置してもよい。
これにより、第1の電極と第2の電極間距離が小さくなるため、検出感度を高めることができる。
また、第2の電極は、支点を中心とする円周方向に複数配置される分割電極を有し、姿勢検出機構は、複数の分割電極のうちのどの分割電極と第1の電極との間に容量が発生したのかを検出する指針位置検出回路を有していてもよい。
この構成によれば、第1の電極が対向する分割電極でのみ信号を検出できることから、第1の電極を有する指針の位置とそのときの姿勢情報を得ることができるため、より精度よく電子時計の姿勢を検出することができる。
また、電子時計は、振動子を有する発振回路と、発振回路の発振周波数を分周する分周回路と、振動子の発振周波数又は分周回路の分周比を調整する緩急調整回路と、を備え、緩急調整回路は、姿勢検出機構の出力に応じた姿勢差補整テーブルを有し、姿勢差補整テーブルの値に基づいて発振回路又は分周回路に補整信号を入力する構成としてもよい。
これにより、電子時計の姿勢検出の結果から、振動子の重力に起因する発振周波数の変化分を補整することができ、電子時計の計時精度を高めることができる。
上記の電子時計の構成によれば、指針が重力の影響を受けて撓んだ際に第1の電極と第2の電極との間に発生する数〜数十fFという微少な静電容量値の変化を検出することができ、この検出信号から電子時計の姿勢を判別することができる。また、この姿勢検出機構は既存の電子時計の構成を用いているため、別途専用の検出機構を設けることなく小型化ができる。
この発明にかかる実施の形態の電子時計の外観を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計の姿勢検出機構の構成を示す説明図である。 静電容量変化を検出する回路図である。 相関テーブルの一例を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計の計時精度調整機構の構成を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計の処理手順を示すフローチャートである。
本発明の電子時計の特徴は、軸を支点として回動する指針と、姿勢検出機構とを備え、姿勢検出機構は、指針に形成される第1の電極と、第1の電極と対向する位置に形成される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との距離に応じて発生する容量の変化を位相変化として検出する容量位相変換回路とを有しており、専用の機構を搭載するためのスペースを設けることなく姿勢を検出することができる点にある。以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施形態について図1を用いて詳細に説明を行う。図1は本発明の実施の形態における電子時計の外観平面図である。図1において、電子時計100は、電子時計100の外装をなすケース101を備えている。ケース101は、たとえば、両端が開口した略筒形状をなす。
図1に示すように、ケース101の一端側(表側)には、当該表側の開口を閉塞する風防ガラス102と、当該風防ガラス102の周縁を支持するベゼル103と、が設けられている。風防ガラス102は、たとえば、透明なガラス材料を用いて形成される。あるいは、風防ガラス102は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。ベゼル103は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、ベゼル103は、セラミックスを用いて形成されていてもよい。
ケース101の他端側(裏側)には、当該裏側の開口を閉塞する裏蓋部材(図示は省略する)が設けられている。裏蓋部材は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、裏蓋材料は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。
ケース101の内側には、文字板104が設けられている。文字板104には、指針軸108を軸として回転し時刻を示す指針105と、当該指針105が指示する時刻を示すインデックス106とが設けられている。指針105は、具体的には、たとえば、時針105a、分針105b、秒針105cなどによって実現することができる。
指針105は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、指針105は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。
インデックス106は、文字板104において、指針105の回転中心を中心とする円周上に配置されている。インデックス106は、たとえば文字板104に設けられた突起によって実現することができる。インデックス106は、文字板104に設けられた突起に限るものではなく、たとえば、文字、数字、記号などによって実現してもよい。インデックス106は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、インデックス106は、金属材料以外の別部材を設けることによって実現されるものであってもよい。
上述の指針105とインデックス106とに電極を設け、指針105にかかる重力による両電極間の静電容量変化を検出することで、電子時計100の姿勢を測定することができる。構成や動作の詳細については後述する。
また、電子時計100は、外部操作手段107を有しており、上述の指針105の操作や姿勢検出機構のON/OFFなどを切り替えることができる。外部操作手段107は、たとえばケース101の3時位置に設けられ、竜頭や押しボタン形状のスイッチなどによって実現される。
(電子時計100の姿勢検出機構の構成)
つぎに、電子時計100の姿勢検出機構について説明する。図2は、電子時計100の姿勢検出機構の構成を説明するための概略図であり、図1におけるA−A断面図である。姿勢検出機構は2つの電極間の静電容量変化を検出し、相関テーブルを用いて姿勢情報に変換することによって実現するものであり、以下では2つの電極のうち一方の電極(第1の電極)を指針105のうちの秒針105cに形成し、他方の電極(第2の電極)を文字板上のインデックス106として説明を行う。
図2に示すように、電子時計100の姿勢検出機構は、秒針105cの先端に形成される第1の電極201と、文字板104において第1の電極201に対向する位置に形成される第2の電極202であるインデックス106と、第1の電極201と第2の電極202との距離に応じて発生する容量の変化を位相変化として検出する容量位相変換回路203と、容量位相変換回路203の検出信号に基づいて電子時計100の姿勢を判別する姿勢検出回路214とを備え、それぞれ電気的に接続されている。
第1の電極201は、たとえば指針105の先端であって文字板104側の第2の電極202と対向するように形成される。第1の電極201は容量位相変換回路203と電気的に接続するため、指針105が樹脂材料である場合は、指針105上に金属などの導電性材料を用いたリード線204aが形成される。指針105について、金属などの導電性材料を用いた場合は、指針105と、第1の電極201及びリード線204aとの間に絶縁層を配置する構成としてもよいし、リード線204aを別途設けることなく、指針105全体を第1の電極201とみなしてもよい。そして、指針105は指針軸108、リード線204を介して容量位相変換回路203と電気的に接続されている。リード線204が指針軸108中を通って直接指針105と接続されていても良い。なお、本実施形態において第1の電極201を形成する指針105は、秒針105cとして説明を行うが、時針105aや分針105bとしてもよく、他の情報表示用の指針としてもよい。
第2の電極202は、文字板104上の、第1の電極201に対向する位置に形成される。第2の電極202の材料は、金属や導電性インクなどの導電性材料を用いて形成することができる。第2の電極は文字板104に形成した貫通電極204b、リード線204を介して容量位相変換回路203と電気的に接続されている。第2の電極202は、文字板104上に設けられたインデックス106に形成してもよい。さらにインデックス106に金属などの導電性材料を用いた場合、インデックス106そのものを第2の電極202とみなすことができる。第2の電極202は第1の電極201と対向する位置に配置できるのであれば、インデックス106とは別の部材として形成してもよい。
第2の電極202はたとえば12時位置のインデックス106の1つとしてもよいし、3時,6時,9時,12時位置のインデックス106に設けても良いし、全てのインデックス106に設けても良い。第2の電極202の数が多いほど、姿勢を検出するタイミングが増えるため応答性がよくなるとともに、第1の電極201に対向する第2の電極202がどの位置であるかを判別できるようにすることで、より精度よく姿勢を検出することができる。
また、第2の電極202は文字板104上に配置されることに限定されず、風防ガラス
102に配置されていても良い。風防ガラス102上の第2の電極202は導電性インクなどの導電性材料を印刷などの公知の技術で形成することができる。この場合も第2の電極202は、風防ガラス102に配置するインデックス106と兼ねるようにしてもよいし、都市情報などの他の情報を表示するための印刷部分に設けても良い。指針105のうち秒針105cは風防ガラス102に一番近い側に取り付けられることが多いため、このような構成にすることより、第1の電極201と第2の電極202との距離をより小さくすることができる。これにより、静電容量値を大きくすることができ検出感度を高めることができる。
この第1の電極201及び第2の電極202の2つの電極によって静電容量変化型の変位センサが構成され、姿勢検出機構として用いることができる。詳細には、第1の電極201が形成されている指針105が、重力の影響を受けて撓むことにより、第1の電極201と第2の電極202の電極間距離が変化することで、2つの電極間の静電容量が変化する。そのため、指針105の材料には金属よりも曲げヤング率の小さい樹脂材料を用いることが好ましい。また、第1の電極201を、指針105が撓んだときに最大量変位する先端部に設けることが好ましいが、後述する容量位相変換回路203で十分検出できるだけの変位が確保できるのであれば、指針105の先端よりも軸側に設けても良い。その場合は、第2の電極202を第1の電極201と対向するように配置する。
容量位相変換回路203は、第1の電極201と第2の電極202との間で発生する静電容量の変化を検出するものであり、詳細は後述する。容量位相変換回路203は文字板104と蓋109との間であってケース101の内部に配置されるムーブメント205の一部として配置することができる。容量位相変換回路203は上述した、第1の電極201及び第2の電極202とそれぞれ204を介して接続され、検出信号を姿勢検出回路214に出力する。
姿勢検出回路214は、容量位相変換回路203からの検出信号に基づいて、後述する検出信号と姿勢の相関テーブルを用いて電子時計100の姿勢を判別し、姿勢判別信号を出力する。これにより、姿勢判別信号の情報に基づいて、電子時計100は姿勢の影響による発振回路の発振周波数または分周回路の分周比を補償することができ、計時精度の高い電子時計を実現することができる。なお、容量位相変換回路203や姿勢検出回路214は、ムーブメント205と独立して配置されていてもよい。
ムーブメント205は他に、基準クロックを生成する発振回路と、基準クロックを分周する分周回路と、発振回路または分周回路の制御を行う緩急調整回路と、指針105を駆動させる駆動回路とを有する制御回路210が配置されるが、詳細は後述する。
上述した第1の電極201と第2の電極202との2つの電極間が重力の影響を受けて変化する静電容量が数〜数十fFと微少である場合、容量位相変換回路203のように、静電容量変化を位相変化に変換することが好ましい。この位相変化量から電極間距離の変位量を検出する。指針105の撓みとなる重力の影響は、電子時計100の傾きを起因して発生するため、変位量から電子時計100の傾きが推定できることにより、姿勢差の検出が可能となる。
(容量位相変換回路203の構成)
つぎに、容量位相変換回路203の一例について図3を用いて説明する。図3は、容量位相変換回路203aの回路図であり、fFレベルの微少な静電容量の変化を検出するのに適している。この容量位相変換回路203aは、微少な静電容量変化を位相変化量として検出することができる。
図3に示すように、容量位相変換回路203aは、静電容量Cと、参照静電容量Cと、オペアンプAと、オペアンプAの増幅率を決定するための、抵抗Rと、静電容量Cと、で構成される。静電容量Cには入力電圧Vが、参照静電容量Cには入力電圧Vが入力され、出力電圧Vによって位相変化量を求めることができる。静電容量Cは可変容量となっており、第1の電極201と第2の電極202との間で生じる静電容量に相当する。静的状態における基準静電容量をCm0、Cの基準静電容量Cm0からの微少静電容量変化量をΔC、CとCの容量比をα、出力電圧の位相変化をθ、角速度をω、時間をt、遅れ位相をφとし、ωR>>1とした場合、各部の電圧は、下記の式1〜式4で記載することができる。
=Cm0+ΔC ・・・式1
=−αC ・・・式2
=Vsinωt ・・・式3
=(V/α)×sin(ωt+π−φ) ・・・式4
式1〜式4より、第1入力電圧Vと、第2入力電圧Vとの間で、あらかじめπラジアン位相をずらした上で、さらに任意の遅れ位相φを設定することで、静電容量Cで発生した微少な静電容量変化を、位相変化として検出することができる。この場合、出力電圧の位相変化θは、下記の式5のように求められることが既に知られている。
θ=arctan{(0.5φm0+ΔC)/φCm0} ・・・式5
容量位相変換回路203aにおいて、静電容量Cの変化に対する、出力電圧の位相変化θの感度は、第2入力電圧Vで設定する遅れ位相φを変えることで、変化させることができる。
たとえば、図2における指針105(秒針105c)を、長さ18mm、幅0.3mm、厚み0.08mmのアルミニウム製として第1の電極201の表面積を0.6mmとし、第2の電極202аをアルミニウムで形成して電極202aの表面積を0.6mmとし、電極間距離を0.5mmとした場合、基準静電容量Cm0は10.63fFとなる。また、指針105が第2の電極202の配置方向に重力の影響を受けた場合、静電容量が変化し、その微少静電容量変化量ΔCは0.11fFとなる。このとき、遅れ位相φを12度とすると、出力電圧の位相変化θは10.9度となり、遅れ位相φを90度とすると、出力電圧の位相変化θは1.4度となる。このように、容量位相変換回路203aは遅れ位相φを変えることで微少静電容量変化量ΔCに対する、感度特性を変化させることができる。
(姿勢と静電容量との姿勢相関テーブルの一例)
つぎに、電子時計100の傾きと静電容量変化量との姿勢相関テーブルの一例について図4を用いて詳細に説明する。ここで、第2の電極202は電子時計100の12時位置に配置されているものとし、第1の電極201と対向したとき、すなわち変位センサとして機能するときとする。図4は、姿勢相関テーブル217の一例を示す説明図であり、電子時計100がそれぞれ重力に対して異なる傾きで配置されたときに対する指針105の撓みによる変位と、そのときに生じる静電容量変化と、その静電容量変化が容量位相変換回路を介して検出される位相について示している。電子時計100の傾きは、重力に対し垂直方向に保持し、文字板104の視認側が天頂方向を向いている状態を条件Aとし、12時位置を右に、6時を左としたときに反時計回りに45°回転させた状態を条件B、同様に90°回転させて重力方向と平行になった状態を条件C、135°回転させた状態を条件C、180°回転させて文字板104が重力G方向を向いている状態を条件Dとしている。
また図4は、容量位相変換回路203aの遅れ位相φは12度の場合を示している。
第1の電極201の寸法、第2の電極202の寸法、電極間距離は上述と同様であり、条件Cのときが両電極間の変位0μmとなる基準位置であり、このときの静電容量が基準静電容量Cm0に相当する。
図4に示すように、指針105は、重力Gがかかる方向に対して変位するため、条件Cのときは指針105と重力Gとのかかる向きが同方向となり、指針105は撓まず、変位は発生しない。また、条件A及び条件Eのときは指針103が重力Gのかかる向きと直行するため、指針103はもっとも撓み、変位は最大となる。
ここで、条件Aは電極間距離が小さくなるため静電容量変化は0.22fFに相当し、位相変化が21.1度の進みとなる一方、条件Eでは電極間距離が大きくなるため、静電容量変化は−0.21fFに相当し、位相変化は−20.7度(20.7度の遅れ)となる。条件Aと条件Eでは正負が逆転しているため条件Aの状態と条件Eの状態とを区別することができる。同様に条件Bは、条件Aと条件Cとの中間値となり静電容量変化は0.11fFに相当し、位相変化が10.9度の進みとなる一方、条件Dは条件Cと条件Eの中間値となり静電容量変化は−0.11fFに相当し、位相変化が−10.8度(10.8度の遅れ)となるため、区別することができる。
このような姿勢相関テーブル217を上述した姿勢検出回路214に記憶しておけば、容量位相変換回路203の検出信号に応じて電子時計100の姿勢を出力することができる。姿勢相関テーブル217は、別途用意したメモリに保存し、必要に応じて姿勢検出回路214がメモリの姿勢相関テーブル217を読み込むようにしてもよい。なお、説明のために図4の姿勢相関テーブル217には変位と静電容量変化を記載したが、位相変化とそれに対応する傾きの情報だけでもよい。
(電子時計100の発振周波数の調整の説明)
つぎに、上述の位相変化の値に基づいて電子時計100の発振回路の発振周波数の調整について図5を用いて詳細に説明する。図5は、この発明の実施の形態の電子時計100の構成を示すブロック図である。図5において、ムーブメント205は、発振回路211、分周回路212、駆動回路213、緩急調整回路215、姿勢検出回路214および容量位相変換回路203を備えている。ここで、図5に示すように、発振回路211と分周回路212と駆動回路213と緩急調整回路215とが、図2における制御回路210に相当し、第1の電極201と、第2の電極202と、容量位相変換回路203と、姿勢検出回路214とが姿勢検出機構218に相当する。
発振回路211は、水晶振動子を有する回路を備え、当該水晶振動子の振動周波数に基づいて発振し、基準クロックを生成し、分周回路212に出力する。分周回路212は、発振回路211によって生成された基準クロックを分周して、1Hzのクロックを生成し駆動回路へ出力する。駆動回路213は、ステップパルスを出力してモータ110を駆動させる。たとえば、分周回路から入力された1Hzのクロックを基準にして駆動パルスを生成し、モータ110を駆動するためのステップパルスを出力する。モータ110はステップパルスに応じて指針105を回転させる。これにより、水晶振動子の発振周波数に基づく任意の周期でモータ110を駆動させ、指針105を運針させることができる。
緩急調整回路215は、発振回路211の発振周波数や分周回路212の分周比を調整して所定の基準クロックになるように補償し、高精度な電子時計を実現するものである。緩急調整を行う方法として、たとえば、発振回路における可変容量を調整して水晶振動子の発振周波数を所定の基準発振周波数にする容量緩急調整や、分周回路212の通常の分周動作の合間に分周出力の周期を変えることにより、結果的に分周出力の周波数を調整す
る論理緩急調整が知られている。分周回路はフリップフロップなどの論理回路で構成され、デジタル的に動作が実現できる。容量緩急調整や論理緩急調整などの電子時計の精度の調整方法については公知の技術を用いて実現可能であるため説明を省略する。
緩急調整回路215は電子時計100の姿勢に基づく緩急調整量の姿勢差補整テーブル216を有し、姿勢検出回路214からの姿勢判別信号に基づいて、姿勢差補整テーブル216に応じて、発振回路211または分周回路212を制御する。
姿勢検出回路214は、上述したとおり容量位相変換回路203の検出信号から、現在の電子時計100の姿勢を検出し、姿勢判別信号を出力する。姿勢検出回路214は、検出信号に対する電子時計100の姿勢情報を示す姿勢相関テーブル217を備えている。また、姿勢の基準となる初期設定姿勢(たとえば中心軸に対し、6時位置が重力Gの向きと同じ向きの場合の姿勢:条件C)の記憶について、姿勢差補整テーブルへ初期設定姿勢に関する情報を記憶するタイミングは、電子時計100の製造時や使用開始などの任意で行われる。
電子時計100の姿勢検出は、たとえば、第1の電極201が形成された秒針105cが指針軸108を中心に回動し、文字板104に設けられた第2の電極202に対向するごとに行われる。上述したとおり、第2の電極202が複数設けられた分割電極とする場合は、どの分割電極であるかを判別できるようにしておき、分割電極の位置と検出信号とによる指針の位置を検出する指針位置検出回路を備え、姿勢を判別するようにしてもよい。
(電子時計100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子時計100の処理手順について図6を用いて詳細に説明する。図6は、電子時計100の姿勢を検出して発振回路または分周回路を補整するまでの処理手順であるステップS301〜S305を示すフローチャートである。電子時計100は、第1の電極201を有する指針105が、指針軸108を支点に1周回動して第2の電極202と対向するごとに図6のフローチャートに示した処理を実行する。指針105は時刻を表示する通常運針を行っているものとする。また、位相容量変換回路203は図3における位相容量変換回路203aを用いるものとする。また、初期設定姿勢に関する姿勢差補整テーブル216及び姿勢相関テーブル217は既に記憶されている。
ステップS301において、指針105が、文字板104に設けられた第2の電極202に対向する位置、すなわち姿勢検出位置の判別を行う。具体的には位相容量変換回路203aの可変容量Cが発生したか否か、または値が閾値以上であるか否かを判断する。当該姿勢検出位置ではない場合(判定:NO)には、指針105が姿勢検出位置に来るまで待機する。指針105が姿勢検出位置にある場合(判定:YES)は、ステップS302に進む。
ステップS302において、姿勢検出位置における第1の電極201と第2の電極202との間に発生する静電容量の検出を行う。具体的には上述した位相容量変換回路203aを用いて、基準となる静電容量からの変化量を位相の変化量として検出し、姿勢検出回路214に検出信号を出力する。たとえば、上述した姿勢相関テーブル217の値を参考に説明すると、第1の電極201と第2の電極202との間の距離の変位が基準に対して−5μmとなる位置であった場合、位相変化は10.9度進みであり、これが検出信号となる。
つぎに、ステップS303において、検出信号に基づいて電子時計の姿勢判別を行う。
具体的には、上述した姿勢検出回路214を用いて、位相容量変換回路203aから出力された検出信号(位相情報)について、姿勢相関テーブル217を参照し、電子時計100の姿勢を判別する。この姿勢判別信号は緩急調整回路215に出力される。上述した姿勢相関テーブル217の値を参考に説明すると、10.9度進みである検出信号の情報と図4の姿勢相関テーブル217との関係から電子時計100は条件Bに姿勢であると判別し、これを姿勢判別信号とする。
つぎに、ステップS304において、姿勢判別信号に基づいて緩急量の導出を行う。具体的には上述した緩急調整回路215を用いて、姿勢検出回路214から出力された姿勢判別信号について、姿勢差補整テーブル216を参照し、姿勢検出位置における電子時計100の姿勢に基づいて緩急量を求め発振回路211または分周回路212のいずれかを補整する補整信号を出力する。姿勢差補整テーブル216には、たとえば条件Aのときは論理緩急を所定の分周比になるように補整するという情報が記憶されており、条件Bのときは容量緩急における可変容量を所定量補正するという情報が記憶されている。これらの情報は、容量緩急の補整情報と論理緩急の補正情報との組合せでもよい。ステップS304において、求めた緩急量が直前の姿勢検出のときの緩急量と同じである場合は、ステップS305をスキップさせて終了としてもよい。
最後に、ステップS305において、補整信号に基づいて発振回路211の発振周波数または分周回路212の分周比の補整を行う。具体的にはS304において緩急調整回路215が姿勢差補整テーブル216に基づいて発振回路211を補整するべきか、分周回路212を補整するべきかを判別する。補整は、発振回路211と分周回路212の両方に行っても良い。補整信号は、発振回路211向けであれば発振回路211の可変容量を変更するための情報が含まれ、分周回路212向けであれば分周比を変えるタイミングなどの情報が含まれている。
これにより、電子時計100は、電子時計100の姿勢に起因する水晶振動子の発振周波数の影響を補償することができ、精度の高い計時を行うことができる。
なお、この電子時計100の処理手順は常に行っていても良いが、上述した外部操作手段107によって、この処理手順を行うか否かを判断するようにしてもよい。この処理手順を行わない期間は、位相容量変換回路203や姿勢検出回路214に電力を供給しないようにスイッチを設けておくことで、消費電力を抑えることができる。外部操作手段107によってこの処理手順に行う信号(ON信号)が入ったときは、上述の手順に従って氏電子時計100の姿勢を検出し補整をおこなう。
以上説明したとおり、この発明にかかる実施の形態の電子時計100によれば、特別に姿勢を検出する機構を必要とすることなく、電子時計100の姿勢を検出することが可能となり、電子時計100を大きくすることなく、高い計時精度を確保することができる。このため、小型化が求められる腕時計によって、この発明にかかる実施の形態の電子時計100を実現することにより、たとえば姿勢が長期間固定される夜間において、姿勢差を検出し、この姿勢差に基づく緩急調整を行うことで、高い計時精度を確保することができる。
なお、姿勢差検出機構218の姿勢判別信号を電子時計100のは発振回路211または分周回路212の補整に使うものとして説明を行ったが、これに限定されず、たとえば、複数の姿勢判別信号のパターンから特定の動作を行うスイッチ機能として使用してもよい。その場合、第1の電極や第2の電極を複数設けておくと、姿勢判別信号のパターンを検出するまでの期間を短くできるので好ましい。
100 電子時計
101 ケース
102 風防ガラス
103 ベゼル
104 文字板
105 指針
105a 時針
105b 分針
105c 秒針
106 インデックス
107 外部操作手段
108 指針軸
109 蓋
110 モータ
201 第1の電極
202 第2の電極
203 容量位相変換回路
203a 容量位相変換回路の一例
204 リード線
204a リード線(第1の電極と接続)
204b 貫通電極(第2の電極と接続)
205 ムーブメント
210 制御回路
211 発振回路
212 分周回路
213 駆動回路
214 姿勢検出回路
215 緩急調整回路
216 姿勢差補整テーブル
217 姿勢相関テーブル
218 姿勢検出機構


Claims (7)

  1. 軸を支点として回動する指針と、姿勢検出機構とを有する電子時計であって、
    前記姿勢検出機構は、前記指針に形成される第1の電極と、前記第1の電極と対向する位置に形成される第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との距離に応じて発生する容量の変化を位相変化として検出する容量位相変換回路とを有する
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 前記第1の電極は、前記指針の先端に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記指針は、樹脂材料で形成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子時計。
  4. 前記電子時計は、文字板を有し、
    前記第2の電極は、前記文字板上に配置される時字である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子時計。
  5. 前記電子時計は、風防ガラスを有し、
    前記第2の電極は、前記風防ガラス上に配置される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の電子時計。
  6. 前記第2の電極は、前記支点を中心とする円周方向に複数配置される分割電極を有し、
    前記姿勢検出機構は、複数の前記分割電極のうちのどの分割電極と前記第1の電極との間に容量が発生したのかを検出する指針位置検出回路を有する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の電子時計。
  7. 前記電子時計は、振動子を有する発振回路と、前記発振回路の発振周波数を分周する分周回路と、前記振動子の発振周波数又は前記分周回路の分周比を調整する緩急調整回路と、を備え、
    前記緩急調整回路は、前記姿勢検出機構の出力に応じた姿勢差補整テーブルを有し、該姿勢差補整テーブルの値に基づいて前記発振回路又は前記分周回路に補整信号を入力する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の電子時計。
JP2016025980A 2016-02-15 2016-02-15 電子時計 Pending JP2017146117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025980A JP2017146117A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電子時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025980A JP2017146117A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電子時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017146117A true JP2017146117A (ja) 2017-08-24

Family

ID=59681299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016025980A Pending JP2017146117A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電子時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017146117A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019128898A1 (zh) * 2017-12-26 2019-07-04 广东乐芯智能科技有限公司 一种基于电容的手表指针调节方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019128898A1 (zh) * 2017-12-26 2019-07-04 广东乐芯智能科技有限公司 一种基于电容的手表指针调节方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3653746B2 (ja) 電子時計
US6252825B1 (en) Timepiece comprising a capacitive sensing device
US8811121B2 (en) Watch with an integrated chromatic tuner
US9664534B2 (en) Electromechanical apparatus comprising a capacitive device for detection of the angular position of a wheel set, and method for detection of the angular position of a wheel set
US7167417B2 (en) Time correction system, time correction instruction device, pointer type timepiece, and time correction method
US4482255A (en) Timepiece for displaying both time and orientation of the timepiece relative to the terrestrial magnetic field
US10222760B2 (en) Electronic timepiece
JP5630510B2 (ja) アナログ電子時計
CN109425334A (zh) 物理量传感器及其制造方法、复合传感器及惯性计测单元
JP2017146117A (ja) 電子時計
JP2018119925A (ja) 電子時計
JP2007159291A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JPH08201537A (ja) 腕時計の指針位置検出装置
JP2004004129A (ja) 電子時計
JP4211728B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動装置、圧電アクチュエータの駆動方法、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムおよび記憶媒体
JPH03200072A (ja) 超音波モータを用いた指示計器
JPH07167661A (ja) 振動ジャイロ
JPH10170663A (ja) 磁界検出装置、およびそれを用いた磁界計測機能付き時計
CN111596540A (zh) 电子钟表
JP2016176876A (ja) 電子時計
JPH10309607A (ja) ボーリングバー
JPH06729Y2 (ja) 指示計
JP2011027516A (ja) 電子式方位計
JP2988171B2 (ja) 電子式アナログ時計及びアラーム付電子式アナログ時計
JPS6236552B2 (ja)