JP2016176876A - 電子時計 - Google Patents

電子時計 Download PDF

Info

Publication number
JP2016176876A
JP2016176876A JP2015058804A JP2015058804A JP2016176876A JP 2016176876 A JP2016176876 A JP 2016176876A JP 2015058804 A JP2015058804 A JP 2015058804A JP 2015058804 A JP2015058804 A JP 2015058804A JP 2016176876 A JP2016176876 A JP 2016176876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
pointer
step pulse
electronic timepiece
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015058804A
Other languages
English (en)
Inventor
伸一 小峰
Shinichi Komine
小峰  伸一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Citizen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Holdings Co Ltd filed Critical Citizen Holdings Co Ltd
Priority to JP2015058804A priority Critical patent/JP2016176876A/ja
Publication of JP2016176876A publication Critical patent/JP2016176876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electromechanical Clocks (AREA)

Abstract

【課題】姿勢を検出する専用の機構を必要としなくても消費電流を抑えて、また大きさを犠牲にすることなく姿勢を検出する電子時計を提供する。
【解決手段】一端側を中心として回動可能に設けられた指針106に連結されて所定角度ずつ回転することによって当該指針106を回動させるロータを備えたモータに対して、水晶振動子の発振周波数に基づいて出力される複数の連続する駆動パルスで形成されるステップパルスを出力し、これによるロータの回転にともなって回動される指針106の位置を検出し、その検出結果に基づいて、検出位置のそれぞれに指針106が位置する各状態において、ステップパルスの出力にともなってロータが所定角度回転したか否かを検出し、ロータが所定角度回転するために要したステップパルスの出力値を検出位置ごとに検出し、検出された検出位置ごとのステップパルスの出力値に基づいて、電子時計の姿勢を検出する。
【選択図】図6

Description

この発明は、水晶振動子の発振周波数に基づいて時刻を計時する電子時計に関する。
従来、水晶振動子の発振周波数に基づいて時刻を計時する電子時計においては、当該電子時計の姿勢によって水晶振動子にかかる重力が変化することによる発振周波数の変化に起因して計時精度が低下することがあった。このため、たとえば、年差時計などと称される、高い計時精度が要求される電子時計においては、電子時計の姿勢による計時精度の低下を抑制するために、電子時計の姿勢を検出する機構を備えたものがあった。
また、従来、腕時計などの小型化が要求される電子時計においては、消費電流を少なくするため、たとえば、モータに出力するステップパルスのパルス幅を電池電圧や負荷の変動に応じて調整することによって、常に最小のエネルギーで駆動できるように制御する技術があった。
関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、時計の姿勢を検出する機構やてんぷの振り角を検出する機構を備え、てんぷの振り角が設定角度以上である場合に、時計の姿勢が検出した姿勢に基づいててんぷの回転を抑制するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
また、関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、時計の姿勢を検出する機構を備え、消費電流の異なる複数の時刻を表示するモードを、検出された時計の姿勢に応じて切り換えるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
国際公開第01/79940号公報 特開2002−55177号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、姿勢を検出するために専用の機構を搭載するスペースが必要となり、時計本体が大きくなるという問題があった。また、当該機構を動作させるために電流が消費され、消費電流の低減を十分に図ることが難しいという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、時計本来の構成に別の機構を搭載することなくかつ消費電流を抑えて姿勢を検出することができる電子時計を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電子時計は、一端側を回転中心の中心として回動可能に設けられた指針の位置によって時刻を表示する電子時計であって、前記指針に連結され、前記指針が所定角度ずつ回転するように駆動する駆動機構部と、前記指針の位置を検出する指針位置検出手段と、前記駆動機構部に対してステップパルスを出力するステップパルス出力手段と、を有し、前記指針の回動範囲内に前記ステップパルスの出力値を検出する検出位置を複数定め、前記指針位置検出手段により検出されたそれぞれの前記検出位置にて、前記駆動機構部が前記指針を所定角度回転するために要した前記ステップパルスの出力値を記憶し、記憶した前記ステップパルスの出力値に基づいて、前記電子時計の姿勢を検出する姿勢検出手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる電子時計は、上記の発明において、前記姿勢検出手段は、前記検出位置と前記ステップパルスの出力値との変化パターンが記憶されたテーブルを参照して、実際の前記検出位置における前記ステップパルスの出力値から前記変化パターンを決定し、前記電子時計の姿勢として検出することを特徴とする。
また、この発明にかかる電子時計は、上記の発明において、前記ステップパルスは、通常ステップパルスと補正ステップパルスとを有し、前記通常ステップパルスの出力にともなって前記指針が所定角度回転したか否かを検出する回転検出手段を備え、前記回転検出手段が前記指針の回転を検出した場合は、前記通常ステップパルスの出力値を直前に出力した前記通常ステップパルスより小さく設定し、前記回転検出手段が前記指針の回転を検出しなかった場合は、直前に出力した前記通常ステップパルスより出力の大きい前記補正ステップパルスを出力し、前記通常ステップパルスの出力値を直前に出力した前記通常ステップパルスより大きく設定することを特徴とする。
また、この発明にかかる電子時計は、上記の発明において、複数の前記検出位置は、前記回転中心を中心として360/n°(nは2以上の整数)の間隔で配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる電子時計は、上記の発明において、前記ステップパルスは、発振回路の発振周波数に基づく連続する複数の駆動パルスであることを特徴とする。
この発明にかかる電子時計によれば、専用機器を設けることなく、時計が備え持つ機能を利用して姿勢を検出することができるという効果を奏する。
また、この発明にかかる電子時計によれば、時計本体の大きさを変更すること無く、消費電流を抑えて姿勢を検出することができるという効果を奏する。
この発明にかかる実施の形態の電子時計の外観を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる電子時計の駆動機構の構成を示す説明図である。 制御部の構成を示す説明図である。 モータ駆動回路から発生させる駆動パルスのパルス幅を示す説明図である。 ステップパルスを示す説明図である。 ステップパルスの発生周期を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計における、各検出位置における駆動パルスのパルス幅の一例を概略的に示す説明図である。 相関テーブルの一例を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計の処理手順を示すフローチャート(その1)である。 この発明にかかる実施の形態の電子時計の処理手順を示すフローチャート(その2)である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子時計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(電子時計の構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の電子時計の構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の電子時計の外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態の電子時計100は、電子時計100の外装をなすケース(外装ケース)101を備えている。ケース101は、たとえば、金属材料を用いて形成され、両端が開口した略円筒形状をなす。
略円筒形状をなすケース101の一端側(表側)には、当該表側の開口を閉塞する風防ガラス102と、当該風防ガラス102の周縁を支持するベゼル103と、が設けられている。風防ガラス102は、たとえば、透明なガラス材料を用いて形成され、略円板形状をなす。ベゼル103は、たとえば、金属材料を用いて形成され、風防ガラス102の直径と略同一の内径の環形状をなす。
ケース101の他端側(裏側)には、当該裏側の開口を閉塞する裏蓋部材(図示を省略する)が設けられている。裏蓋部材は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、裏蓋部材は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。裏蓋部材は、スクリューバック方式、はめ込み方式、ネジ蓋方式など、公知の各種の技術を用いることによってケース101に取り付けることができる。ケース101に対する裏蓋部材の取り付け方法については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
ケース101の形状は、上記に限るものではない。ケース101は、少なくとも軸心方向における表側に開口を備えていればよい。この発明にかかる実施の形態の電子時計100においては、ケース101と裏蓋部材とが一体とされた、いわゆるワンピース構造によってケース101の裏側を閉塞する構成であってもよい。ケース101には、操作部104が設けられている。操作部104は、たとえば、竜頭などによって実現することができる。
ケース101の内側には、文字盤105が設けられている。文字盤105には、時刻を示す指針106、当該指針106が指示する時刻を示すインデックス(指標)107が設けられている。指針106は、具体的には、たとえば、時針106a、分針106b、秒針106cなどによって実現することができる。この実施の形態においては、秒針106cによって、この発明にかかる指針を実現する。
指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。指針106は、金属材料を用いて形成されるものに限らず、たとえば、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成してもよい。
インデックス107は、文字盤105において、指針106の回転中心を中心とする円周上に配置されている。インデックス107は、たとえば、文字、数字、記号などによって実現することができる。インデックス107は、文字、数字、記号に限るものではなく、たとえば、文字盤105に設けられた突起によって実現してもよい。インデックス107は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、インデックス107は、文字盤105にプリントされたものであってもよいし、金属材料以外の別部材を設けることによって実現されるものであってもよい。
この発明にかかる実施の形態の電子時計100において、インデックス107は、指針106の回転中心を中心とする同一円周上に配置することができる。この場合、たとえば、各インデックス107は、指針106の回転範囲、すなわち、指針106が回転することによる当該指針106の先端の軌跡がなす円よりも、少なくとも一部が外周側に位置するように配置することができる。
インデックス107は、すべてのインデックス107が、指針106の回転中心を中心とする同一円周上に配置されるものに限らない。この発明にかかる実施の形態の電子時計100において、インデックス107は、たとえば、少なくとも一部のインデックス107が指針106の回転範囲内に配置され、別の一部のインデックス107が指針106の回転範囲よりも外周側に配置されるものであってもよい。
電子時計100において、指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)は、インデックス107が設けられた文字盤105とともに時刻表示部を構成する。時刻表示部は、駆動機構によって指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)を回動(運針)させることによって時刻を表示する。電子時計100においては、指針106として、時針106a、分針106b、秒針106cに加えて、日板を備えていてもよい。
(電子時計100の駆動機構の構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子時計100の駆動機構について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかる電子時計100の駆動機構の構成を示す説明図である。
図2において、この発明の実施の形態にかかる電子時計100の駆動機構200は、電源201と、駆動機構部202と、制御部203と、によって構成される。電源201は、たとえば、酸化銀電池などの一次電池によって実現することができる。電源201は、たとえば、リチウムイオン電池など、ソーラーセル(太陽電池)によって発電された電力を蓄積(蓄電)する二次電池によって実現してもよい。
電源201に二次電池を用いる場合、たとえば、文字盤105の裏蓋側にソーラーセルを配置し、風防ガラス102を介して文字盤105に入射する太陽光などの光によってソーラーセルを発電させ、発電された電力を二次電池に蓄積する。制御部203は電源201から出力される電力により動作し、所定のパルス波形に変換したパルス電流を出力する。
駆動機構部202は、モータ204と、輪列205と、を備えている。モータ204は、制御部203の制御によって電源201から供給されるパルス電流に応じて所定角度(たとえば180度)ずつ回転するロータ204aを備えている。モータ204は、具体的にはたとえばステップモータによって実現することができる。
輪列205は、複数の歯車を連結することによって構成されている。輪列205を構成する複数の歯車のうちの一つはロータ204aに連結されている。これにより、輪列205を構成する複数の歯車は、それぞれ、ロータ204aの回転にともなって回転する。指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)は、それぞれ、輪列205を構成する歯車に設けられており、当該指針106が取り付けられた歯車の回動にともなって回動する。指針106が取り付けられた歯車のロータ204aに対する回転比は、それぞれ、取り付けられている指針106(時針106a、分針106bあるいは秒針106c)に応じて調整されている。
上述した駆動機構部202の構成では、指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)が、一つの輪列内の歯車に設けられていると説明したが、時針106a、分針106b、秒針106cがそれぞれ別のモータ204と輪列205とに設けられ、独立して時針106a、分針106b、秒針106cを回転するようにしてもよい。
(制御部203の構成)
つぎに、制御部203の構成について説明する。図3は、制御部203の構成を示す説明図である。図3において、制御部203は、発振回路301と、分周回路302と、モータ駆動回路303と、回転検出回路304と、指針位置検出回路305と、姿勢検出回路306と、緩急調整回路307と、を備えている。ここで、駆動機構部202のモータ204はモータ駆動回路303からの信号を入力し、回転検出回路304に信号を出力できるようにそれぞれ接続されている。
発振回路301は、水晶振動子を有する回路(図示を省略する)を備え、当該水晶振動子の振動周波数に基づいて発振し基準クロックを生成する。水晶振動子は、電源201によって所定の電圧(たとえば、3V)が印加されると発振する。
分周回路302は、発振回路301によって生成された基準クロックを分周してモータ204が回転する周期である1Hzのクロックを生成する。
モータ駆動回路303は、ステップパルス出力手段であり、1Hzのクロックを基準にして駆動パルスを生成し、モータ204を駆動するためのステップパルスを出力する。
つまり、制御部203は、発振回路301、分周回路302、モータ駆動回路303によって水晶振動子の発振周波数に基づく任意の周期(たとえば、1sec)でモータ204を駆動させる、すなわち指針106を運針させることができる。
モータ駆動回路303が生成する駆動パルスは、1秒の間隔でステップパルスを生成する。モータ駆動回路303は、1周期分の駆動パルスにおけるONのパルス幅を調整(変更)することができる。ここで、ONとは、モータ204を駆動する電流を発生させる期間を指す。駆動パルスのパルス幅の制御については、詳細は後述する。
ステップパルスは、モータ204を駆動する通常駆動期間(図4Cにおける符号Aを参照)と、モータ204のロータ204aが回転したか否かを確認する回転検出期間(図4Cにおける符号Bを参照)と、回転検出期間によって回転が検出されなかった場合に確実にモータ204を駆動させるための補正駆動期間(図4Cにおける符号Cを参照)と、を有するパルスである。この実施の形態においては、通常駆動期間に出力されるパルスを通常ステップパルスとし、補正駆動期間に出力されるパルスを補正ステップパルスとする。この実施の形態においては、補正駆動期間に出力される補正ステップパルスによって、この発明にかかる補正ステップパルスを実現することができる。通常ステップパルスおよび補正ステップパルスの詳細については後述する。
モータ駆動回路303は、通常ステップパルスの出力にかかる駆動パルスのパルス幅を記憶するメモリ(図示を省略する)を備えている。モータ204は、モータ駆動回路303が発生させたステップパルスに応じてロータ204aを回転させる(図4Cを参照)。
回転検出手段である回転検出回路304は、モータ駆動回路303から出力された通常ステップパルスに応じてロータ204aが所定角度(たとえば、180度)回転したか否かを検出する。これは、毎ステップパルス行われる。具体的に、回転検出回路304は、たとえば、モータ駆動回路303から通常ステップパルスが出力された後に所定の期間、モータ駆動回路303の出力を停止する。モータ駆動回路303の出力を停止している期間にロータ204aが回転することで発生する誘起電圧を検出することにより、ロータ204aが所定角度回転したか否かを検出することができる。
つまり、モータ204に対して通常ステップパルスを出力した場合、ロータ204aは、出力されたステップパルスを停止したあと直ちに停止することはなく、実際には所定角度の位置をある程度オーバーランし、しだいに振幅が小さくなり停止する。このときのロータ204aの減衰振動はコイルへの磁束変化となり、電磁誘導によってコイルに電流が流れて誘起電圧が生じる。回転検出回路304は、その誘起電圧の値を検出することで正常に回転したのか、回転できずに元の位置に戻ったのかを検出することができる。
モータ駆動回路303は、所望の駆動間隔(ここでは1secとする)毎に、まず、通常ステップパルスを出力する。そして、通常駆動期間直後の回転検出期間によって、通常ステップパルスによってロータ204aが所定角度回転したことを検出した場合、補正ステップパルスを出力することなく、つぎの駆動期間が到来するまで待機する。そして、つぎの駆動(1sec後)において、また、通常ステップパルスを出力する。
一方、モータ駆動回路303は、ロータ204aが所定角度回転しなかった場合、すなわち、回転検出期間で回転が検出されなかった場合、直ちに、通常ステップパルスよりもパルス幅の長い補正ステップパルスを出力する。このように、通常ステップパルスに応じてロータ204aが回転しなかった場合でも、補正ステップパルスによって確実にロータ204aを回転させることができる。そして、つぎの駆動間隔(1sec後)では通常ステップパルスの各駆動パルスのパルス幅を長くなるように設定する。
モータ駆動回路303は、ロータ204aが通常ステップパルスによって所定角度回転したときは、通常ステップパルスの駆動パルスのパルス幅をメモリに記憶し、補正ステップパルスによって所定角度回転したときは、直前に出力した通常ステップパルスよりも所定だけ駆動パルスのパルス幅を大きくした値をメモリに記憶する。次回以降は記憶したパルス幅を用いた通常ステップパルスを出力する。
なお、モータ駆動回路303は、通常ステップパルスを出力した結果、ロータ204aが所定角度回転しなかった場合、モータ204を確実に駆動する補正ステップパルスを出力すると説明したが、これに限るものではない。モータ駆動回路303は、通常ステップパルスを出力した結果、ロータ204aが所定角度回転しなかった場合、通常ステップパルスの各駆動パルスのパルス幅を長くしたものを、補正ステップパルスに設定し出力してもよい。さらに、この補正ステップパルスに対しても回転検出期間を設け、回転を検出するまで各駆動パルスのパルス幅を長くするように制御してもよい。
たとえば、駆動パルスの周期を12分割し、最小のパルス幅を駆動パルスの周期の1/12とし、最大のパルス幅を駆動パルスの周期の12/12として、モータ駆動回路303が、1つの駆動間隔(1sec)において、最大11回の補正ステップパルスを出力することができるようにしておく。この場合、通常ステップパルスは、駆動パルスのパルス幅を駆動パルスの周期の1/12として出力し、ロータ204aが回転するまで駆動パルスのパルス幅を駆動パルスの周期の1/12ずつ増加させた補正ステップパルスを出力する。
この場合、モータ駆動回路303は、ロータ204aが所定角度回転したときの駆動パルスのパルス幅をメモリに記憶し、次回以降は記憶したパルス幅を用いた通常ステップパルスを出力する。
また、同一の駆動パルスのパルス幅による通常ステップパルスによって一定回数ロータ204aを回転させた場合、つぎの駆動期間においては、パルス幅を小さくした駆動パルスを用いた通常ステップパルスを出力してもよい。これにより、ロータ204aをより少ない消費電流で駆動させることが可能となる。なお上述の一定回数とは、1回でもよく、2回以上の任意の回数を連続した場合としてもよい。
パルス幅を小さくした駆動パルスを用いた通常ステップパルスによってロータ204aの回転が検出された場合は、そのつぎの駆動期間においてもこの小さいパルス幅の駆動パルスを用いた通常ステップパルスを発生させればよい。ステップパルス、駆動パルスの幅と消費電流は比例するため、駆動パルスのパルス幅を小さくすることにより、ロータ204aの回転すなわち秒針106cの運針にかかる電流(以降、「パルス電流」という)を小さくすることができる。
このように、モータ204に対してモータ駆動回路303が出力したステップパルスの駆動パルスのパルス幅を、当該ステップパルスの出力によるロータ204aの所定角度の回転の有無に基づいて変化させる制御をフィードバック制御と呼ぶ。
ここで、ロータ204aを回転させるために必要なパルス電流は、電源201の出力電圧や、指針106の自重、日板などを搭載している場合にはそれらの駆動に要するトルク増加分によって変化するため、パルス電流をひとつに決めるのは困難である。確実に回転させるためには大きいパルス電流を流すことでも解決するが、消費電流が大きくなってしまうという問題が発生する。この問題を解決するために上述したフィードバック制御を行うことにより指針106を確実に、かつ最低限の消費電流により回動(運針)させることができる。
また、ロータ204aの回転検出の有無を利用した上述のフィードバック制御により、駆動パルスのパルス幅の大きさを見れば、電源201の出力電圧や指針106の自重、日板の駆動期間が推測できることになる。このうち、電源201の電圧は上述した一次電池や二次電池であれば、短時間では変化せず、日板が搭載されていたとしても特定の期間でのみしか駆動しないので、日板の駆動期間を除く(またはその期間の出力増加分を考慮した上での)秒レベルの期間内での駆動パルスのパルス幅の大きさに変化があるとすれば、指針106の自重による出力の変化であると推測できる。
このフィードバック制御から得られる駆動パルスのパルス幅の変化と、後述する指針位置検出回路とを組み合わせることによって、重力の方向を算出することができ、さらには、定期的に重力方向を算出すれば重力方向の変化を算出できることを見出した。
指針位置検出回路305は、指針106の位置を検出する。指針位置検出回路305は、初期設定位置(たとえば、12時の位置)に位置付けられた指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)の初期設定位置に関する情報を記憶するメモリを備えている。初期設定は、たとえば、電子時計100の製造時や一次電池を交換した後の使用開始時などの任意のタイミングで行われる。初期設定については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
指針位置検出回路305は、メモリに記憶された初期設定位置に関する情報と、回転検出回路304の検出結果とに基づいて、指針106(時針106a、分針106b、秒針106c)の現在の位置を検出する。指針位置検出回路305は、たとえば、ロータ204aの回転にともない秒針106cが回動するごとに、または、回転検出回路304が回転を検出するごとに、初期設定位置からの指針106の回動量を更新することによって指針106の位置を検出することができる。
また、指針位置検出回路305は、光センサなどを用いて指針106の現在の位置を検出し、検出結果に基づいてメモリを更新してもよい。指針位置検出回路305が、光センサなどを用いて、当該光センサが備えるLEDなどの光源から発光された光を検出することによって指針106の現在の位置を検出する場合、回転検出回路304から指針位置検出回路305への信号の出力(図3における回転検出回路304から指針位置検出回路305に向かう矢印)は不要となる。
姿勢検出手段である姿勢検出回路306は、運針に要した駆動パルスのパルス幅と、指針106の位置関係とを利用して電子時計100の姿勢を検出する。電子時計100の姿勢は、たとえば、秒針106cが指示可能な時刻のうち鉛直方向最下位置に位置する時刻を指定することによって特定することができる。また、電子時計100の姿勢は、たとえば、秒針106cの回動面の方向(すなわち、文字盤105がなす面の方向)が水平方向に対してなす角度を、さらに指定することによって特定してもよい。
姿勢検出回路306は、メモリを備え、指針位置検出回路305に基づく指針106の位置と、モータ駆動回路303に基づく駆動パルスのパルス幅の大きさと、指針106の位置及びパルス幅に基づく重力方向の相関テーブル(図6を参照)を記憶する。たとえば、秒針106cが指示可能な時刻表示の鉛直方向における位置関係と、各位置関係においてロータ204aが所定角度回転するために要する駆動パルスのパルス幅の大きさとを所定の期間ごとに記憶する。また、あらかじめ指針106cの位置と、パルス幅の大きさの変化パターンに基づく重力方向の相関テーブルを記憶しておく。
これにより、各所定の期間における実際の駆動パルスの出力値の変化パターンと、相関テーブルの変化パターン(図6を参照)とを比較して、当該相関テーブルの変化パターンのうち、合致する変化パターンに対応する重力方向を電子時計100の姿勢として検出することができる。
姿勢を検出するため、駆動パルスの出力値を検出する検出位置は、2以上の複数の位置が設定されていればよく、たとえば、12時の位置、4時の位置および8時の位置の3箇所に定めてもよい。あるいは、駆動パルスの出力値の検出位置は、たとえば、0分(0sec)の位置、1分(1sec)の位置、2分(2sec)の位置、・・・、59分(59sec)の位置の60箇所に定めてもよい。つまり、検出位置は指針106の回転中心を中心として360/n°(nは2以上の整数)の間隔で均等に配置とすればよい。n=3であれば、回転中心を中心として120°となり、前述したように12時の位置、4時の位置および8時の位置となる。このように、検出位置を360/n°(nは2以上の整数)の間隔で均等に配置すれば、姿勢の検出バラツキを抑えることができる。
緩急調整回路307は、発振回路301の発振周波数や分周回路302の分周比を微調整し、計時の精度を調整し高精度な電子時計を実現するものである。発振回路301では例えば容量緩急調整といい、水晶振動子の共振回路の容量値を少なくとも2種用意し、切り替えることによって発振周波数を調整する(図示を省略する)。
また、分周回路302においては論理緩急調整といい、通常の分周動作の合間に分周出力の周期を変えることにより、結果的に分周出力の周波数を調整するものである。分周回路はフリップフロップ等の論理回路で構成され、デジタル的に動作が実現できる(図示を省略する)。容量緩急調整や論理緩急調整による電子時計の精度の調整方法については公知の技術を用いて実現可能であるため説明を省略する。
水晶振動子に代表される圧電振動子は重力の影響により振動周波数が変化するため、電子時計の姿勢によって精度に影響を及ぼす。このため、本発明による実施の形態では上述した姿勢検出回路306により算出された重力方向に基づいて緩急調整回路307に指示を出し、発振回路301の発振周波数または分周回路302の分周比を調整し、姿勢による電子時計の精度の影響を調整して高精度な電子時計を実現している。
(駆動パルスのパルス幅)
つぎに、モータ駆動回路303から発生させる駆動パルスのパルス幅について説明する。図4Aは、モータ駆動回路303から発生させる駆動パルスのパルス幅を示す説明図である。図4Bは、ステップパルスを示す説明図である。図4Cは、ステップパルスの発生周期を示す説明図である。
図3に示した制御部203は、モータ駆動回路303によってパルス幅調整を行うことにより、駆動パルスのパルス幅を変化させることができる。図4Aに示すように、駆動パルスは、所定の駆動パルス周期(たとえば1msec周期)ごとに出力される。たとえば、周期を1msecとして12分割する場合、駆動パルスにおけるONのパルス幅は、p/12msec(pは1から12までの整数)とすることができる。分割数は12に限らず、任意の整数Qで分割することができる。この場合、p/Qmsec(pは1からQまでの整数)となる。
パルス幅調整は、駆動パルスにおけるONのパルス幅を調整することによって実現することができる。このパルス幅調整により、各ステップパルス周期のパルス電流すなわちモータ204の駆動電流を調整することで、モータ204をなるべく小さい消費電流(たとえば、モータ204を駆動できるもっとも小さい消費電流)で駆動することができる。
また、図4Bに示すように、ステップパルスは、連続する複数の駆動パルスからなるため、各駆動パルスのパルス幅が大きくなると、ステップパルスすなわちモータ204に対して出力されるパルス電流の値も大きくなる。また、各駆動パルス周期におけるパルス幅が小さくなると、ステップパルスすなわちモータ204に対して出力されるパルス電流の値も小さくなる。
この実施の形態の電子時計100においては、フィードバック制御を利用し、駆動パルスのパルス幅を調整するだけでステップパルスによるパルス電流の出力値を調整することができる。これにより、ステップパルスの出力にかかる制御を複雑にすることなく、指針を運針させるパルス電流値を最小化することができる。
そして、図4Cに示すように、ステップパルスは、モータ204を駆動する通常駆動期間Aと、モータ204のロータ204aが回転したか否かを確認する回転検出期間Bと、回転検出期間によって回転が検出されなかった場合に確実にモータ204を駆動させるための補正駆動期間Cと、を有するパルスである。
通常駆動期間Aは、複数の連続する駆動パルスを出力する期間であり、たとえば、1msecの駆動パルスを連続して6回出力した場合は約6msecとなる。この通常駆動期間Aのパルスを通常ステップパルスとする。通常ステップパルスは、前述したとおりパルス幅の狭い、連続する複数の駆動パルスからなり、チョッパ制御などによって生成することができる。駆動パルスのパルス幅は、たとえば、上記のように、駆動パルスの周期を12分割し、最小のパルス幅は駆動パルスの周期の1/12、最大のパルス幅は駆動パルスの周期の12/12とすることができる。
また、回転検出期間Bは、上記の回転検出回路304の出力に基づき、モータ204が駆動してロータ204aが回転したか、すなわち、指針106が運針できたかを確認する期間であり、たとえば10〜20msec程度とすることができる。
そして、補正駆動期間Cは、前述した回転検出期間でロータ204aの回転が検出できなかった場合に、確実にロータ204aを回転させるために通常駆動期間における出力よりも出力が大きいパルスを出力する期間であり、回転が検出された場合にはパルスの出力は行わない。この補正駆動期間Cの出力パルスを補正ステップパルスとする。
補正ステップパルスは、通常ステップパルスと同様に連続する複数の駆動パルスからなり、チョッパ制御などによって生成することができる。この補正ステップパルスは、当該補正ステップパルスによってロータ204aを確実に駆動させるために、通常ステップパルスよりも出力が大きくなるように制御される。補正ステップパルスの出力を通常ステップパルスよりも大きくするためには、補正ステップパルスにおける各駆動パルスのパルス幅を大きくするか、または通常ステップパルスよりも多い数の駆動パルスを出力すればよい。
(各検出位置における駆動パルスのパルス幅)
つぎに、各検出位置における駆動パルスのパルス幅について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態の電子時計100における、各検出位置における駆動パルスのパルス幅の一例を概略的に示す説明図である。図5においては、3時(15sec)の位置、6時(30sec)の位置、9時(45sec)の位置および12時(0sec)の位置の4箇所が駆動パルスの出力値を検出する検出位置に定められている。また、電子時計100の姿勢が、12時方向(紙面上方向)が天頂方向に位置するように保たれているため、6時方向に重力Gがかかっている状態となり、各検出位置である12時、3時、6時、9時位置での駆動パルスのパルス幅は、順に矢印S,T,U,Vで示されるようになる。ここで、矢印S,T,U,Vの太さはパルス幅の大きさを示す。
図5に示すように、指針106の回動にかかる駆動パルスのパルス幅は、指針106の自重の影響によって検出位置に応じて異なっている。具体的に、図5の例では、指針106が3時の位置に位置する場合、当該指針106にかかる重力Gの方向と、当該指針106の運針方向とが同方向となる。また、図5の例では、指針106が9時の位置に位置する場合、当該指針106にかかる重力Gの方向と、当該指針106の運針方向とが相反する。
このような場合、3時の位置に位置する指針106を所定角度回動させるために要する駆動パルスのパルス幅(矢印T)は、9時の位置に位置する指針106の回動にかかる駆動パルスのパルス幅(矢印V)よりも小さくなる。すなわち、9時の位置に位置する指針106を回動させるためには、3時の位置に位置する指針106を回動させるために要する駆動パルスのパルス幅よりも大きいパルス電流が必要となる。
また、具体的に、図5の例では、指針106が12時の位置に位置する場合や6時の位置に位置する場合は、当該指針106にかかる重力Gの方向と、当該指針106の運針方向とが直交する。このような場合、12時の位置に位置する指針106の回動にかかる駆動パルスのパルス幅(矢印S)は、6時の位置に位置する指針106の回動にかかる駆動パルスのパルス幅(矢印U)と等しくなる。すなわち、12時の位置に位置する指針106を所定角度回動させるために要する駆動パルスのパルス幅は、6時の位置に位置する指針106を所定角度回動させるために要する駆動パルスのパルス幅と等しい。
このような、指針106の位置に応じた駆動パルスのパルス幅(矢印S,T,U,V)の違いは、文字盤105の盤面方向が鉛直方向に対して傾斜している場合に発生し、盤面方向が鉛直方向に対して平行に近づくほど顕著に発生する。ロータ204aを所定角度回転させるために要する駆動パルスのパルス幅は、文字盤105の盤面方向が鉛直方向に平行に近づくほど大きくなる。
(相関テーブルの一例)
つぎに、テーブルの一例について説明する。図6は、相関テーブルの一例を示す説明図である。図6において、相関テーブルの下側に、時刻表示の鉛直方向における位置関係を示す電子時計100の模式図を示し、相関テーブルには、電子時計100の模式図に対応する各位置関係においてロータ204aが所定角度回転するために要する駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンが示されている。
図6においては、3時、6時、9時および12時の4箇所に設定された各検出位置のうち地面に対して鉛直方向、すなわち重力Gがかかる方向が、それぞれ、6時(パターンA)、3時(パターンB)、12時(パターンC)および9時(パターンD)の方向となるような状態における、各検出位置におけるパルス幅の大きさを示している。また、文字盤105の盤面と重力Gとが互いに垂直になる状態、すなわち指針106がどの位置においても、重力Gが均等にかかる状態をパターンEとして示している。なお、パターンEは図1の矢印Wから見た電子時計100の側面図であり、パターンEに関しては時刻表示部を天頂方向としているが、裏蓋側が天頂方向の場合も同一である。各パターンの状態における駆動パルスのパルス幅(矢印S,T,U,V)と重力Gの関係については上述しているため、説明を省略する。
図6の相関テーブルにおいて、ロータ204aが所定角度回転するために要する駆動パルスのパルス幅は、駆動パルスの出力値を検出する検出位置としてあらかじめ設定された各検出位置において、ロータ204aを所定角度回転させるために要した通常ステップパルスの駆動パルスのパルス幅の大きさを示す。パルス幅の大きさは、具体的には、たとえば、上述したように一つの駆動パルスを12分割し、それぞれ駆動パルスの周期の「5/12」、「8/12」、「11/12」などのように示すことができる。
また、相関テーブルにおいて、出力値の変化パターンは、各検出位置における前述のパルス幅の大きさの組み合わせを示す。具体的には、たとえば、駆動パルスの出力値を検出する検出位置が3時、6時、9時および12時の位置の4箇所に定められている場合、パルス幅の大きさの組み合わせは、パターンAが「3時:5/12、6時:8/12、9時:11/12、12時:8/12」、パターンBが「3時:8/12、6時:11/12、9時:8/12、12時:5/12」などのように示すことができる。
図6に示すように、各検出位置における駆動パルスのパルス幅(矢印S,T,U,V)は、電子時計100の姿勢によって異なり、いずれの姿勢においても、4箇所に設定された各検出位置のうち、指針106にかかる重力の方向と運針方向とが相反する検出位置における駆動パルスのパルス幅がもっとも大きく、当該重力の方向と運針方向とが同方向となる検出位置における駆動パルスのパルス幅がもっとも小さくなる。
各検出位置における駆動パルスのパルス幅は、文字盤105の盤面方向が水平方向に対してなす角度に応じて異なる。具体的に、各検出位置における駆動パルスのパルス幅は、文字盤105の盤面方向が水平方向と平行になるような状態にあるとき、検出位置にかかわらず等しくなる。また、各検出位置における駆動パルスのパルス幅は、文字盤105の盤面方向が水平方向に対してなす角度が90度に近づくほど、すなわち、文字盤105の盤面方向が鉛直方向と平行な状態に近づくほど、検出位置ごとの差が大きくなる。
このため、相関テーブルにおいては、時刻表示の鉛直方向における位置関係(いずれの時刻表示が最下位置にあるか)と、文字盤105の盤面方向が水平方向に対してなす角度とを考慮して、当該位置関係および当該角度ごとに、駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンを関連付けて記憶してもよい。これにより、相関テーブルにおいては、検出位置が等しく、同じ時刻表示が最下端に位置するような姿勢とされた場合であっても、当該電子時計100の文字盤105が水平方向に対してなす角度に応じて、それぞれ異なった出力値の出力パターン(変化パターン)をなす駆動パルスのパルス幅を出力することができる。
また、図6の相関テーブルのパターンEにおいては、文字盤105の盤面方向が水平方向と平行になるような状態における、各検出位置における駆動パルスのパルス幅の大きさを示している。文字盤105の盤面方向が水平方向と平行になるような状態においては、3時、6時、9時および12時のいずれの検出位置においても、駆動パルスのパルス幅の大きさが等しくなる。
なお、図6においては、通常ステップパルスにおける一つの駆動パルスのパルス幅を12分割して、最小1/12、最大12/12のパルス幅を発生させることができる場合の駆動パルスのパルス幅を示している。図6によれば、文字盤105の盤面方向が水平方向と平行になるような状態においては、8/12のパルス電流を発生させることによって指針106である秒針106cが回動できることを示している。図5に示すように、電子時計100の姿勢は、各検出位置におけるパルス電流の大きさによって特定される、駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンに基づいて判断することができる。
上述の説明においては、検出位置は3時、6時、9時および12時の4箇所に設けたとして説明を行ったが、指針106の回転中心を中心として360/n°(nは2以上の整数)の間隔で均等に配置とすれば、4箇所に限らない。nの値を大きくすれば、一つのパターンにおける検出数が増えるため、より精度の高い検出ができるとともに、姿勢(重力方向)の分解能をあげることができる。
(電子時計100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子時計100の処理手順について説明する。図7および図8は、この発明にかかる実施の形態の電子時計100の処理手順を示すフローチャートである。電子時計100は、秒針106cを1回分駆動するごと、すなわち、1秒毎のモータ204の駆動が開始するごとに、図7のフローチャートに示した処理を実行する。
図7のフローチャートにおいて、まず、モータ204に対して通常ステップパルスを出力する(ステップS701)。通常ステップパルスにおける駆動パルスのパルス幅は、モータ駆動回路303が備えるメモリに記憶された駆動パルスのパルス幅に基づいて決定される。
ステップS701においてモータ204に対して通常ステップパルスを出力した結果、ロータ204aが所定角度回転したか否かを判断する(ステップS702)。ステップS702においては、上記のように、通常ステップパルスの出力後に発生する誘起電圧によってあらわされるロータ204aの自由振動のパターンに基づいて、ロータ204aが所定角度回転したか否かを検出する。ステップS702において、ロータ204aが所定角度回転した場合(ステップS702:Yes)、通常ステップパルスにおける駆動パルスのパルス幅を一段小さいパルス幅に設定(モータ駆動回路303のメモリを書き換え)し(ステップS705)、ステップS701に戻り、つぎの駆動期間の開始を待機する。
一方、ステップS702において、ロータ204aが所定角度回転しなかった場合(ステップS702:No)、確実に回転させることができる補正ステップパルスを出力する(ステップS703)。ステップS703において出力する補正ステップパルスは、通常ステップパルスよりも出力の大きなパルスである。その後、通常ステップパルスにおける駆動パルスのパルス幅を一段大きいパルスに設定して(ステップS704)、ステップS701に戻り、つぎの駆動期間の開始を待機する。
このようにして、ロータ204aの回転を検出し、通常ステップパルスにおける駆動パルスのパルス幅の設定にフィードバックをかけることで、現在の指針106の自重の状態でのロータ204aの駆動をするための最小限の駆動パルス幅を設定することができる。逆に駆動パルス幅の設定値を知ることで、指針106の自重の状態を知ることができる。
図8のフローチャートに示した処理は、たとえば、秒針106cが1回転(1周)するごとに行う。図8のフローチャートにおいて、まず、秒針106cが現在位置する位置が駆動パルスの出力値を検出する検出位置となるまで待機する(ステップS801:No)。ステップS801においては、たとえば、秒針106cが現在位置する位置が、3時の位置、6時の位置、9時の位置および12時の位置の4箇所のうちのいずれかに合致するか否かを判断する。
ステップS801において、秒針106cが現在位置する位置が駆動パルスの出力値を検出する検出位置である場合(ステップS801:Yes)、当該位置において行われた図7に示した処理結果に基づいて、検出位置における駆動パルスのパルス幅を検出する(ステップS802)。ステップS802においては、検出位置においてロータ204aを所定角度回転させるために要した駆動パルスのパルス幅を検出する。検出した駆動パルスのパルス幅は、検出位置と関連付けて記憶する(ステップS803)。
つぎに、すべての検出位置における駆動パルスのパルス幅を検出したか否かを判断する(ステップS804)。ステップS804においては、3時の位置、6時の位置、9時の位置および12時の位置の4箇所のすべての検出位置における駆動パルスのパルス幅を検出したか否かを判断する。ステップS804において、すべての検出位置における駆動パルスのパルス幅を検出していない場合(ステップS804:No)、ステップS801に戻る。
一方、ステップS804において、すべての検出位置における駆動パルスのパルス幅を検出した場合(ステップS804:Yes)、駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンを特定する(ステップS805)。ステップS805においては、検出したすべての検出位置におけるステップパルスの大きさに基づいて、各検出位置においてロータ204aを所定角度回転させるために要した実際の駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンを特定する。
そして、ステップS805において特定した出力値の変化パターンに基づいて、電子時計100の姿勢を検出する(ステップS806)。ステップS806においては、相関テーブルを参照して、ステップS805において特定された実際の駆動パルスのパルス幅の出力値の変化パターンに合致する出力値の変化パターンを特定し、当該相関テーブルにおいて合致するとされた出力値の相関パターンに関連付けられた位置関係を特定することによって、電子時計100の姿勢を検出する。
その後、ステップS806において検出された電子時計100の姿勢に基づいて、緩急調整回路307により、発振回路301の発振周波数、または分周回路302の分周比を調整することで電子時計100の出力周波数の調整(容量緩急、論理緩急)を行う(ステップS807)。
電子時計100においては、図7のフローチャートに示した処理を所定回数(たとえば3回)連続して行うことによって最終的に特定された通常駆動パルスのパルス幅の設定値に基づいて、容量緩急、または倫理緩急により電子時計100の出力周波数を調整してもよい。これにより、電子時計100の姿勢に応じてより高精度に調整することができる。
この発明にかかる実施の形態の電子時計100によれば、専用の機構を必要とすることなく、電子時計100の姿勢を検出することが可能となり、電子時計100を大きくすることなく、高い計時精度を確保しつつ、専用の機構によるものに比べて消費電流が抑えることができる。このため、小型化が要求される腕時計などによって、この発明にかかる実施の形態の電子時計100を実現することにより、たとえば姿勢が長期間固定される夜間において、姿勢差を検出し消費電流を抑えることができるため、この姿勢差に基づく緩急調製を行って高い計時精度を確保しつつ、電池の交換頻度を少なくすることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子時計100によれば、腕時計に限定することなく、指針106の自重の影響が大きい置き時計などは特に姿勢の検出がし易く、また長い期間同じ姿勢をとることが多いので、姿勢差の影響が累積されるのを防ぐことができ、高い計時精度を確保することができる。
上述した実施の形態においては、図8のステップS802において検出する駆動パルスのパルス幅を、秒針106cが1回転する間に検出された駆動パルスのパルス幅としたが、これに限るものではない。ステップS802においては、直前の所定数回転する間に各検出位置において検出された所定回数分の駆動パルスのパルス幅を検出してもよい。具体的には、たとえば、直前の3回転分について、3時の位置、6時の位置、9時の位置および12時の位置の各位置における駆動パルスのパルス幅を検出してもよい。この場合、図8のステップS805においては、3時の位置、6時の位置、9時の位置および12時の位置の各位置における3回分の駆動パルスのパルス幅の平均値に基づいて、出力値の変化パターンを特定する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の電子時計100は、一端側を回転中心の中心として回動可能に設けられた指針106の位置によって時刻を表示する電子時計100であって、指針106(秒針106c)に連結されて所定角度ずつ回転することによって当該指針106を回動させる駆動機構部202(ロータ204aを備えたモータ204)を備え、発振回路301の発振周波数に基づいてモータ駆動回路303から出力される複数の連続する駆動パルスからなるステップパルスを駆動機構部202(モータ204)に対して出力し、これにより回動される指針106の位置を指針位置検出回路305によって検出する。
そして、指針106の回動範囲内にステップパルスの出力値(駆動パルスのパルス幅)を検出する検出位置を複数定め、指針位置検出回路305により検出されたそれぞれの検出位置にて、駆動機構部202が指針106を所定角度回転するために要したステップパルスの出力値を記憶し、記憶したステップパルスの出力値の変化パターンに基づいて、電子時計100の姿勢を検出するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子時計100によれば、電子時計100の姿勢を検出する専用のセンサを設けることなく、検出位置ごとのステップパルスの出力値に基づいて電子時計100の姿勢を検出することができる。
これによって、たとえば、電子時計100の姿勢に応じて水晶振動子にかかる重力が変化することによって当該水晶振動子の発振周波数が変化したりして指針106の運針の精度が変化したりする状況においても、検出した電子時計100の姿勢に応じて発振周波数を調整することができるので、電子時計100の姿勢に左右されることなく、指針106を常に正確に運針することができる。
また、姿勢を検出するための専用機構を格納するスペースを設ける必要がなく、また消費電力を抑えることが可能となり、少ない電力で指針106を常に高精度に運針することができる。
以上のように、この発明にかかる電子時計は、水晶振動子に代表される圧電振動子の発振周波数に基づいて時刻を計時する電子時計に有用であり、特に、年差時計などと称される高精度の運針を要求される電子時計に適している。
100 電子時計
105 文字盤
106 指針
106a 時針
106b 分針
106c 秒針
107 インデックス
200 駆動機構
201 電源
202 駆動機構部
203 制御部
301 発振回路
302 分周回路
303 モータ駆動回路
304 回転検出回路
305 指針位置検出回路
306 姿勢検出回路
307 緩急調整回路

Claims (5)

  1. 一端側を回転中心の中心として回動可能に設けられた指針の位置によって時刻を表示する電子時計であって、
    前記指針に連結され、前記指針が所定角度ずつ回転するように駆動する駆動機構部と、
    前記指針の位置を検出する指針位置検出手段と、
    前記駆動機構部に対してステップパルスを出力するステップパルス出力手段と、を有し、
    前記指針の回動範囲内に前記ステップパルスの出力値を検出する検出位置を複数定め、前記指針位置検出手段により検出されたそれぞれの前記検出位置にて、前記駆動機構部が前記指針を所定角度回転するために要した前記ステップパルスの出力値を記憶し、記憶した前記ステップパルスの出力値に基づいて、前記電子時計の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
    を備えたことを特徴とする電子時計。
  2. 前記姿勢検出手段は、前記検出位置と前記ステップパルスの出力値との変化パターンが記憶されたテーブルを参照して、実際の前記検出位置における前記ステップパルスの出力値から前記変化パターンを決定し、前記電子時計の姿勢として検出することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記ステップパルスは、通常ステップパルスと補正ステップパルスとを有し、
    前記通常ステップパルスの出力にともなって前記指針が所定角度回転したか否かを検出する回転検出手段を備え、
    前記回転検出手段が前記指針の回転を検出した場合は、前記通常ステップパルスの出力値を直前に出力した前記通常ステップパルスより小さく設定し、
    前記回転検出手段が前記指針の回転を検出しなかった場合は、直前に出力した前記通常ステップパルスより出力の大きい前記補正ステップパルスを出力し、前記通常ステップパルスの出力値を直前に出力した前記通常ステップパルスより大きく設定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子時計。
  4. 複数の前記検出位置は、前記回転中心を中心として360/n°(nは2以上の整数)の間隔で配置されることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の電子時計。
  5. 前記ステップパルスは、発振回路の発振周波数に基づく連続する複数の駆動パルスであることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の電子時計。
JP2015058804A 2015-03-20 2015-03-20 電子時計 Pending JP2016176876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058804A JP2016176876A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 電子時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015058804A JP2016176876A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 電子時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016176876A true JP2016176876A (ja) 2016-10-06

Family

ID=57069918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015058804A Pending JP2016176876A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 電子時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016176876A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7306364B2 (en) Timepiece having a mechanical movement associated with an electronic regulator
US7016265B2 (en) Timepiece having a mechanical movement associated with an electronic regulator
JP5476445B2 (ja) 発振機械システムの振動数を自動調節するための回路およびこの回路を備えるデバイス
JP2017106753A (ja) 電子時計および電子時計の表示制御方法
JP2003255063A (ja) 日付表示機能付電子時計
EP1164441A1 (en) Mechanical timepiece having train wheel operation controller
US8721170B2 (en) Stepping motor control circuit, movement, and analogue electronic timepiece
US20100149924A1 (en) Stepping motor controller and analog electronic timepiece
US9442465B2 (en) Electronic timepiece and control method of electronic timepiece
JP6010886B2 (ja) 電子時計及び電子機器
JP2024028659A (ja) 時計
JP2016003877A (ja) モーター制御回路、電子時計、およびモーター制御方法
WO2001001204A1 (fr) Dispositif d'horlogerie mecanique dote d'un mecanisme de commande a balancier annulaire regle
JP2016176876A (ja) 電子時計
JP6558265B2 (ja) 電子時計および電子時計の制御方法
JP6546038B2 (ja) 電子時計および電子時計の制御方法
JP6094063B2 (ja) アナログ電子時計
US11669052B2 (en) Timepiece and control method of a timepiece
JP2005084038A (ja) 電子時計
CN212675374U (zh) 一种钟表机芯
JP2019138692A (ja) 電子時計
JP7192750B2 (ja) 指針駆動装置、電子時計、指針駆動方法およびプログラム
JP2017146117A (ja) 電子時計
US20240176300A1 (en) Information display mechanism, timepiece movement, and timepiece
CN111061144B (zh) 电子钟表、电子钟表的控制电路以及针位置检测方法