JP2017135154A - 活性炭およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、内部抵抗、低温特性等のキャパシタ特性に優れた電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る活性炭は、液体窒素温度での窒素ガス吸着量を相対圧が所定の範囲まで測定して求めた活性炭の吸着等温線に対するGCMC解析による細孔径分布曲線にて、前記活性炭の細孔直径が0.4〜1.0nmまで変化したときの吸着量をV(0.4−1.0)、1.0〜2.0nmまで変化したときの吸着量をV(1.4−2.0)および2.0〜5.0nmまで変化したときの吸着量をV(2.0−5.0)とし、α=V(1.0−2.0)/V(0.4−1.0)β=V(2.0−5.0)/V(1.0−2.0)とした場合、1.50≦α≦2.50、且つ、0.40≦β≦0.80の範囲を満たす。【選択図】 図1
Description
本発明は、活性炭およびその製造方法に関し、特に、電気二重層キャパシタ電極用の活性炭およびその製造方法に関する。
従来より、電気二重層キャパシタ(EDLC)は、一般的な二次電池に比べて、高出力、高耐久性等に優れるという利点を有していることから、この用途は拡大してきている。近年では、その用途の拡大に伴い、EDLCの容量の更なる増大や、低抵抗化や低温下での特性の向上が望まれている。このようなキャパシタ特性は、EDLCの電極として活性炭を用いた場合、活性炭に存在する細孔径が2nm以下のミクロ孔、2〜50nmのメソ孔および50nm以上のマクロ孔の分布に大きく影響することが知られている(例えば、特許文献1、2)。
EDLCの容量を増大するためには、活性炭の比表面積が大きいこと、すなわち活性炭に小さな細孔を多く存在させることが必要である。一方で、内部抵抗を下げると共に低温特性を向上するためには、活性炭に必要な大きさの細孔を存在させることも必要である。しかしながら、活性炭の細孔を必要以上に大きくすれば、その比表面積が低下し、活性炭粒子の密度が低下することとなる。このようにキャパシタ特性を向上するためには、相反した因子に対する綿密な解析が要求される。
このような細孔径の解析方法として、MP法、BJH法等がある。MP法は、細孔径が0〜2nmまでのミクロ孔について解析する方法であり、BJH法は、2〜50nmのメソ孔について解析する方法である。しかしながら、前記MP法とBJH法とを統一して得られる解析結果は、キャパシタ特性の評価に重要である細孔径の領域にて連続性に欠けており、綿密な解析を行うには不十分であった。
本発明は、前述した事情に照らして、内部抵抗、低温特性等のキャパシタ特性に優れた電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の末、細孔径領域での連続性に優れるグランドカノニカルモンテカルロ(GCMC)法に基づいた細孔径と比表面積に着目し、内部抵抗、低温特性等のキャパシタ特性に大きく影響するαおよびβというパラメータと、それらの有効な範囲とを見出すに至った。さらに、これらのパラメータは、易黒鉛化炭性素材とセルロース系化合物とから製造した活性炭に適用できることを見出した。
本発明は、一側面にて活性炭である。本発明に係る活性炭は、電気二重層キャパシタ電極用活性炭であって、液体窒素温度での窒素ガス吸着量を相対圧(p/p0)が1.0×10-8以上から0.99以下まで測定して求めた活性炭の吸着等温線に対するGCMC解析による細孔径分布曲線にて、下式(1)および(2)で表す値αおよびβが1.50≦α≦2.50且つ0.40≦β≦0.80の範囲を満たし、
(ここで、前記式中、V(0.4−1.0)は、前記活性炭の細孔直径が0.4nmから1.0nmまで変化したときの吸着量(cm3(STP)/g)であり、V(1.0−2.0)は、前記活性炭の細孔直径が1.0nmから2.0nmまで変化したときの吸着量(cm3(STP)/g)であり、V(2.0−5.0)は、前記活性炭の細孔直径が0.4nmから1.0nmまで変化したときの吸着量(cm3(STP)/g)である。)
前記活性炭の吸着量から算出した全細孔容積(cm3(STP)/g)が1.00≦Vp≦1.40であり、前記活性炭のBET法による比表面積が1600〜2600m2/gである。
前記活性炭の吸着量から算出した全細孔容積(cm3(STP)/g)が1.00≦Vp≦1.40であり、前記活性炭のBET法による比表面積が1600〜2600m2/gである。
また、好適には、前記活性炭は、レーザ回折法により求めたその平均粒子径を5〜10μmとすることができ、前記活性炭は、含有するアルカリ金属量を100質量ppm以下とすることができる。
また、本発明は、別の側面にて活性炭の製造方法である。本発明に係る活性炭の製造方法は、前記電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法であって、原料として易黒鉛化性炭素材を用い、前記原料または焼成処理した原料を、その平均粒子径を0.5〜3.0μmの範囲となるように粒度を調整して第1炭素材料を得る第1の炭素材料調整工程と、セルロース系化合物を25〜75質量%残存するように炭素化した後、前記得られた炭素化粉末の平均粒子径を3〜10μmの範囲に粒度を調整して第2炭素材料を得る第2の炭素材料調整工程と、前記第1炭素材料と第2炭素材料とアルカリ賦活剤とを混合して得られた混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活工程と、前記賦活工程の反応物から水洗浄によりアルカリ分を取り除く除去工程とを含む。
また、本発明に係る活性炭の製造方法は、電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法であって、原料として易黒鉛化性炭素材を用い、前記原料または焼成処理した原料を、その平均粒子径を5〜10μmの範囲となるように粒度を調整して第1炭素材料を得る第1の炭素材料調整工程と、前記第1炭素材料にセルロース系化合物を25〜75質量%で混合して炭素化した後、前記得られた炭素化粉末の平均粒子径を3〜10μmの範囲に粒度を調整して第2炭素材料を得る第2の炭素材料調整工程と、前記第2炭素材料とアルカリ賦活剤とを混合して得られた混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活工程と、前記賦活工程の反応物から水洗浄によりアルカリ分を取り除く除去工程とを含む形態とすることができる。
また、本発明は、別の側面にて電極である。本発明に係る電気二重層キャパシタ電極は、前記活性炭を少なくとも備える。さらに、本発明は、別の側面にて電気二重層キャパシタである。本発明に係る電気二重層キャパシタは、前記電極を少なくとも備える。
本発明によれば、内部抵抗、低温特性等のキャパシタ特性に優れた電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る活性炭およびその製造方法の実施の形態について、詳細に説明する。本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
[活性炭](第一実施の形態)
本発明に係る活性炭の第一実施の形態を詳述する。本実施の形態の活性炭は、下記手段i)〜iii)により算出した値αおよび値βが、1.50≦α≦2.50且つ0.40≦β≦0.80の範囲を満たし、1.50<α<1.90且つ0.45<β<0.80の範囲を満たすことが好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性として内部抵抗および低温特性を向上する活性炭を得ることができる。
値αが1.50未満であると、有効なミクロ孔が少なくなり、2.50を超えると、有効なミクロ孔が多くなるため好ましくない。また、値βが0.40未満であると、有効なメソ孔が少なくなり、0.80を超えると、有効なメソ孔が多くなるため好ましくない。
本発明に係る活性炭の第一実施の形態を詳述する。本実施の形態の活性炭は、下記手段i)〜iii)により算出した値αおよび値βが、1.50≦α≦2.50且つ0.40≦β≦0.80の範囲を満たし、1.50<α<1.90且つ0.45<β<0.80の範囲を満たすことが好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性として内部抵抗および低温特性を向上する活性炭を得ることができる。
値αが1.50未満であると、有効なミクロ孔が少なくなり、2.50を超えると、有効なミクロ孔が多くなるため好ましくない。また、値βが0.40未満であると、有効なメソ孔が少なくなり、0.80を超えると、有効なメソ孔が多くなるため好ましくない。
i)活性炭の吸着等温線を、物理ガス吸着法により、液体窒素温度での窒素ガス吸着量を相対圧(p/p0)が1.0×10-8以上から0.99以下まで測定することによって得る。得られた吸着等温線に対して、グランドカノニカルモンテカルロ(GCMC)解析に基づくコンピュータシミレーションによって、細孔分布曲線を得る(図1)。
GCMC解析は、コンピュータシミュレーションにより、日本工業規格Z 8831−3:2011(ISO 15901−3:2007)に準じて実施することができる。より具体的には、下記に示す吸着等温線の式(3)を用いて、コンピュータシミュレーションにて仮想吸着等温線を算出する。算出した仮想吸着等温線を物理吸着法により得られた実験吸着等温線と比較して、フィッティングさせ、吸着量のエラーが最小となるようにして細孔分布曲線を得る。
(ここで、
N(P/P0)は、物理吸着法により得られた実験吸着等温線のデータであり、
Wは、細孔直径(nm)であり、
N(P/P0,W)は、細孔直径Wの単一細孔についての等温線であり、
f(W)は、細孔径分布関数である。)
なお、図1の細孔分布曲線は、細孔直径に対する差分細孔容積dVp(cm3(STP)/g)(図中、L1)と積算細孔容積Vp(cm3(STP)/g)(図中、L2)とを示している。また、本明細書および特許請求の範囲にてSTP(standard temperature and pressure)は、標準状態の温度および圧力を意味する。
N(P/P0)は、物理吸着法により得られた実験吸着等温線のデータであり、
Wは、細孔直径(nm)であり、
N(P/P0,W)は、細孔直径Wの単一細孔についての等温線であり、
f(W)は、細孔径分布関数である。)
なお、図1の細孔分布曲線は、細孔直径に対する差分細孔容積dVp(cm3(STP)/g)(図中、L1)と積算細孔容積Vp(cm3(STP)/g)(図中、L2)とを示している。また、本明細書および特許請求の範囲にてSTP(standard temperature and pressure)は、標準状態の温度および圧力を意味する。
ii)図1に示すように、前記i)により得られた細孔径分布曲線にて、活性炭の細孔直径Wが0.4nmから1.0nmまで変化したときの吸着量の変化量(cm3(STP)/g)を、V(0.4−1.0)と定義する。
また、前記活性炭の細孔直径Wが1.0nmから2.0nmまで変化したときの吸着量の変化量(cm3(STP)/g)を、V(1.0−2.0)と定義する。
また、前記活性炭の細孔直径Wが2.0nmから5.0nmまで変化したときの吸着量の変化量(cm3(STP)/g)を、V(2.0−5.0)と定義する。すなわち、前記定義する各Vは、細孔直径の所定の範囲(nm)に対応する積算細孔容積Vpの範囲(cm3(STP)/g)である。
また、前記活性炭の細孔直径Wが1.0nmから2.0nmまで変化したときの吸着量の変化量(cm3(STP)/g)を、V(1.0−2.0)と定義する。
また、前記活性炭の細孔直径Wが2.0nmから5.0nmまで変化したときの吸着量の変化量(cm3(STP)/g)を、V(2.0−5.0)と定義する。すなわち、前記定義する各Vは、細孔直径の所定の範囲(nm)に対応する積算細孔容積Vpの範囲(cm3(STP)/g)である。
iii)前記ii)により得られたV(0.4−1.0)、V(1.0−2.0)およびV(2.0−5.0)の各値から、下記式(1)および(2)を用いて値αおよび値βを算出する。
以上のようにして、パラメータの値αおよび値βを、MP法とBJH法とから得た細孔分布曲線と比べて、0.4nm〜5.0nmの細孔直径の領域(細孔径の領域)において連続性の優れた細孔分布曲線から導き出すことができる。
また、活性炭の全細孔容積は、1.00≦Vp≦1.40を満たし、1.25<Vp<1.35を満たすことが好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性を向上する活性炭を得ることができる。全細孔容積は、前記吸着量から算出することができ、積算細孔容積に相当する。
活性炭の比表面積は、1600〜2600m2/gであり、2150〜2600m2/gであることが好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性を向上する活性炭を得ることができる。活性炭の比表面積は、BET法によって計算したBET比表面積である。
活性炭の平均粒子径は、5〜10μmであり、3μm以上7μm未満が好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性を向上する活性炭を得ることができる。活性炭の平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布計を用いたレーザ解析法によって測定できる。
また、活性炭に残存するアルカリ金属量は、100質量ppm以下であり、32質量ppm以下が好ましい。これらの範囲であれば、キャパシタ特性の低下要因となる物質を低減して、キャパシタ特性を向上する活性炭を得ることができる。
[活性炭の製造方法]
続いて、以上の構成を有する活性炭の製造方法の第一実施の形態について、以下に詳述する。本実施の形態の活性炭の製造方法は、第1の炭素材料調整工程と、第2の炭素材料調整工程と、賦活工程と、除去工程とを備えている。
続いて、以上の構成を有する活性炭の製造方法の第一実施の形態について、以下に詳述する。本実施の形態の活性炭の製造方法は、第1の炭素材料調整工程と、第2の炭素材料調整工程と、賦活工程と、除去工程とを備えている。
第1の炭素材料調整工程は、焼成工程と第1の粒度調整工程とを備えている。ここでの焼成工程は省略してもよい。
焼成工程は、第1原料となる易黒鉛化性炭素材を、例えば焼成炉にて、所定の温度および時間で焼成する工程である。
易黒鉛化性炭素材としては、石油コークス、石炭コークス等を用いることができる。これらのうち、石油コークスが好ましい。石油コークスは、石油の重質留分を、例えば500℃程度の高熱で熱分解(コーキング)し、得られた固形の炭素を主成分として含有する製品である。石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態である石油生コークスが好ましい。コーキング法としては、ディレード・コーキング法またはフルイド・コーキング法を用いることができる。例えば、ディレード・コーキング法により製造した石油生コークスの揮発分は通常6〜13質量%であり、フルイド・コーキング法により製造した石油生コークスの揮発分は通常4〜7質量%である。石油生コークスとしては、入手が容易であり、品質の安定したディレード・コーキング法により製造した石油生コークスがより好ましい。また、前記重質留分としては、特に限定されないが、石油類を減圧蒸留したときに残渣油として得られる重質油、石油類を流動接触分解した際に得られる重質油、石油類を水素化脱硫した際に得られる重質油およびこれらの混合物等が挙げられる。
焼成工程は、第1原料となる易黒鉛化性炭素材を、例えば焼成炉にて、所定の温度および時間で焼成する工程である。
易黒鉛化性炭素材としては、石油コークス、石炭コークス等を用いることができる。これらのうち、石油コークスが好ましい。石油コークスは、石油の重質留分を、例えば500℃程度の高熱で熱分解(コーキング)し、得られた固形の炭素を主成分として含有する製品である。石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態である石油生コークスが好ましい。コーキング法としては、ディレード・コーキング法またはフルイド・コーキング法を用いることができる。例えば、ディレード・コーキング法により製造した石油生コークスの揮発分は通常6〜13質量%であり、フルイド・コーキング法により製造した石油生コークスの揮発分は通常4〜7質量%である。石油生コークスとしては、入手が容易であり、品質の安定したディレード・コーキング法により製造した石油生コークスがより好ましい。また、前記重質留分としては、特に限定されないが、石油類を減圧蒸留したときに残渣油として得られる重質油、石油類を流動接触分解した際に得られる重質油、石油類を水素化脱硫した際に得られる重質油およびこれらの混合物等が挙げられる。
焼成工程は、その焼成温度を好ましくは500〜700℃、より好ましくは500〜650℃の温度範囲にて不活性雰囲気下で実施する。
焼成工程を不活性雰囲気下で行うための不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N2)およびアルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、キセノンガス(Xe)、ネオンガス(Ne)等の希ガス等を用いることができる。
焼成工程を不活性雰囲気下で行うための不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N2)およびアルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、キセノンガス(Xe)、ネオンガス(Ne)等の希ガス等を用いることができる。
焼成工程の際の昇温速度は、30〜600℃/時程度とすることができ、60〜300℃/時が好ましい。昇温速度が前記範囲であれば、急激な温度上昇を抑えることにより、揮発分の爆発的な揮散を防ぎ、粉末の結晶構造を破壊することを防ぐことができる。
また、本工程では、目標となる焼成温度に達した後に、例えば10分〜2時間程度の間、その温度を保持することが好ましい。
また、本工程では、目標となる焼成温度に達した後に、例えば10分〜2時間程度の間、その温度を保持することが好ましい。
第1の粒度調整工程は、焼成工程後の第1原料を、その平均粒子径が0.5〜3.0μmの範囲となるように粉砕して、第1炭素材料を得る工程である。本工程での粉砕方法は、第1原料が粉砕できればよい。粉砕方法としては、例えばジェットミル等を用いた方法を挙げることができる。本工程にて、第1炭素材料の平均粒子径を0.5〜3.0μmの範囲とすれば、製造後の活性炭の平均粒子径を目的の範囲内とすることができる。
次いで、第2の炭素材料調整工程は、炭素化工程と、第2の粒度調整工程とを備えている。
炭素化工程は、セルロース系化合物を含む第2原料を、例えば加熱炉にて、所定の温度および時間で加熱して炭素化し、炭素化物を得る工程である。セルロース系化合物としては、アセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテル、リグニン等が挙げられる。これらのうち、加熱により容易に溶解することから、アセチルセルロースが好ましく、工業的な入手の観点より、アセチル置換度が2〜3の範囲のものがより好ましい。また、第2原料は、セルロース系化合物に加えて、リン酸、リン酸塩、およびリン酸エステル等のリン化合物を可塑剤として含有することができる。第2原料中のセルロース系化合物の割合は、製造工程で得られる炭素化物中に不純物が混入することを考慮すれば、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
炭素化工程は、セルロース系化合物を含む第2原料を、例えば加熱炉にて、所定の温度および時間で加熱して炭素化し、炭素化物を得る工程である。セルロース系化合物としては、アセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテル、リグニン等が挙げられる。これらのうち、加熱により容易に溶解することから、アセチルセルロースが好ましく、工業的な入手の観点より、アセチル置換度が2〜3の範囲のものがより好ましい。また、第2原料は、セルロース系化合物に加えて、リン酸、リン酸塩、およびリン酸エステル等のリン化合物を可塑剤として含有することができる。第2原料中のセルロース系化合物の割合は、製造工程で得られる炭素化物中に不純物が混入することを考慮すれば、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
炭素化工程後の炭素化物中に残存する第2原料の量は、第1炭素材料との合計に対して、その下限値が25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、その上限値は80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。すなわち、炭素化工程は、第2原料となるセルロース系化合物が前記範囲の量で残存するように炭素化する工程である。
炭素化工程での加熱温度および加熱時間は、第2原料を溶解して炭素化できる温度および時間であればよく、適宜調整することができる。例えば、加熱時間は5〜600分の範囲とし、加熱温度が500℃程度であれば加熱時間を5〜30分とし、加熱温度が300℃程度であれば加熱時間を30〜500分とすることができる。加熱温度は、300〜500℃が好ましく、350〜450℃がより好ましい。このような範囲の加熱温度であれば、後述の賦活工程の際に、加熱温度が低すぎることに起因して混合物が膨張することを防ぐと共に、加熱温度が高すぎることに起因して混合物が容器から吹きこぼれることを防ぐことができる。
炭素化工程は、第2原料を静置した状態、例えば撹拌しない状態を維持して行うことが好ましい。これにより、見かけ密度の大きい第2原料の炭素化物を得ることができる。より具体的には、炭素化工程は、加熱炉として、炉内での加熱対象物の搬送方式がローラー式またはベルトコンベア式の連続式加熱炉を用いることが好ましく、ローラー式のローラーハースキルンを用いることがより好ましい。これにより、炉内の温度制御を容易として、製造効率を向上できる。
第2の粒度調整工程は、炭素化工程後の第2炭素化物を、その平均粒子径が3〜10μmの範囲となるように粉砕することにより粒度を調製して、第2炭素材料を得る工程である。本工程での粉砕方法は、第1の粒度調整工程と同様の方法を採用できる。本工程にて、第2炭素材料の平均粒子径を3〜10μmの範囲とすれば、製造後の活性炭の平均粒子径を目的の範囲内とすることができる。
なお、前述した第1炭素材料または第2炭素原料は、例えば、粉末状、ペレット状、チップ状の形状のものを使用することができる。このような形状とするためには、粒度調整工程または炭素化工程の前に、公知の処理方法を適用できる。また、第1または第2炭素原料は、焼成工程または炭素化工程の前に予めボールミル等で粉砕して用いることができる。このような処理により、焼成工程または炭素化工程後の粒子の均一化や処理時間の短縮を図ることができる。
次いで、賦活工程は、第1の炭素材料調整工程後の第1炭素材料と、第2の炭素材料調整工程後の第2炭素材料と、アルカリ賦活剤とを所定の割合で混合することにより混合物を得て(混合工程)、その混合物を賦活する工程である。混合工程での混合方法としては、ボールミル、ヘンシェルミキサー等により混合する方法を挙げることができる。
混合工程で用いるアルカリ賦活剤の量は、第1および第2炭素材料の合計に対する質量比で、2.0〜3.0が好ましく、2.0〜2.4がより好ましい。アルカリ賦活剤は、固体状であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびこれらの炭酸塩からなる群より選択される1種以上を用いることができる。前記アルカリ賦活剤としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム(MgOH)、水酸化カルシウム(CaOH)等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム(Na2CO3)および炭酸カリウム(K2CO3)からなる群より選択される1種以上が挙げられる。これらのうち、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが微細孔を効率よく形成できる点で好ましい。
混合工程で用いるアルカリ賦活剤の量は、第1および第2炭素材料の合計に対する質量比で、2.0〜3.0が好ましく、2.0〜2.4がより好ましい。アルカリ賦活剤は、固体状であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびこれらの炭酸塩からなる群より選択される1種以上を用いることができる。前記アルカリ賦活剤としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム(MgOH)、水酸化カルシウム(CaOH)等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム(Na2CO3)および炭酸カリウム(K2CO3)からなる群より選択される1種以上が挙げられる。これらのうち、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが微細孔を効率よく形成できる点で好ましい。
賦活工程は、アルカリ混合工程(混合工程)後の混合物を、不活性雰囲気下で賦活処理することにより、賦活物(反応物)を得る工程である。賦活工程は、混合物を不活性雰囲気下に密閉し、且つ加熱できる設備であれば、実施することができる。一例として、賦活処理は、ヒータを備えた管状炉等を用いることにより実施できる。賦活処理を不活性雰囲気下で行うための不活性ガスは、前述の焼成工程、炭素化工程および/または混合工程と同様の不活性ガスを適用できる。また、賦活処理では、賦活雰囲気の酸素濃度を0〜100ppmに保持できるような供給量として前記不活性ガスを導入することが好ましい。
賦活処理での賦活温度は、混合物を活性化できる温度であればよい。より具体的には、賦活処理での賦活温度は、500〜1200℃であり、600〜1000℃が好ましく、750〜850℃がより好ましい。賦活温度が前記範囲内であれば、充分な微細孔を有する活性炭を効率よく得ることができる。また、賦活処理での賦活時間は、前記温度条件等との関連において適宜選択することができ、例えば、3〜6時間程度とすることができる。
賦活処理での賦活温度は、混合物を活性化できる温度であればよい。より具体的には、賦活処理での賦活温度は、500〜1200℃であり、600〜1000℃が好ましく、750〜850℃がより好ましい。賦活温度が前記範囲内であれば、充分な微細孔を有する活性炭を効率よく得ることができる。また、賦活処理での賦活時間は、前記温度条件等との関連において適宜選択することができ、例えば、3〜6時間程度とすることができる。
次いで、除去工程は、賦活工程にて得られた賦活物を洗浄液により洗浄して、アルカリ分を取り除く工程である。このような除去方法としては、賦活物を洗浄液に浸漬し、必要に応じて攪拌、加熱等を行い、洗浄液と混合した後、洗浄液を除去する方法を挙げることができる。除去工程では、賦活工程後の活性炭に残存するアルカリ金属量を、活性炭の質量に対して100質量ppm以下、好ましくは32質量ppm以下とする。
除去工程で用いる洗浄液は、賦活物からアルカリ分を除去できるものであればよい。より具体的には、前記洗浄液として、水および/または酸水溶液を用いることが好ましい。このような方法としては、例えば、水による洗浄、酸水溶液による洗浄、さらに水による洗浄等、適宜組み合わせた洗浄方法用いることができる。これらの洗浄液による洗浄は必要に応じて複数回反復して行うこともできる。このような酸水溶液としては、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、炭酸等の無機酸またはこれらの混合物を挙げることができる。これらのうち、塩酸が好ましい。また、塩酸の濃度は、洗浄液のpHとの関連性により適宜選択することができ、例えば、0.01〜3mol/lの範囲内とすることができる。
[活性炭の製造方法](第二実施の形態)
続いて、本発明に係る活性炭の製造方法の第二実施の形態について、以下に詳述する。本実施の形態の活性炭の製造方法は、第2の炭素材料調整工程にて第一実施の形態と主に相違する。なお、第一実施の形態と同様の構成については、説明を省略する。また、本実施の形態の製造方法によっても、第一実施の形態の活性炭を得ることができる。
続いて、本発明に係る活性炭の製造方法の第二実施の形態について、以下に詳述する。本実施の形態の活性炭の製造方法は、第2の炭素材料調整工程にて第一実施の形態と主に相違する。なお、第一実施の形態と同様の構成については、説明を省略する。また、本実施の形態の製造方法によっても、第一実施の形態の活性炭を得ることができる。
本実施の形態の第2の炭素材料調整工程は、炭素材混合工程と、炭素化工程と、粒度調整工程とを備えている。
炭素材混合工程は、第1の炭素材料の平均粒子径を5〜10μmとなるように粒度を調整する調整工程後の第1炭素材料と、第2原料となるセルロース系化合物とを所定の割合で混合して、炭素材混合物を得る工程である。混合方法としては、第一実施の形態と同様の方法を採用できる。本工程での第2原料の量は、第1炭素材料との合計に対して、その下限値が次の炭素化工程後に25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、その上限値が次の炭素化工程後に80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。
炭素材混合工程は、第1の炭素材料の平均粒子径を5〜10μmとなるように粒度を調整する調整工程後の第1炭素材料と、第2原料となるセルロース系化合物とを所定の割合で混合して、炭素材混合物を得る工程である。混合方法としては、第一実施の形態と同様の方法を採用できる。本工程での第2原料の量は、第1炭素材料との合計に対して、その下限値が次の炭素化工程後に25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、その上限値が次の炭素化工程後に80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。
炭素化工程は、炭素材混合工程後の炭素材混合物を、例えば加熱炉にて、所定の温度および時間で加熱して炭素化し、炭素化物(炭素化粉末)を得る工程である。炭素化工程の条件については、第一実施の形態と同様の条件を採用できる。また、その後の粒度調整工程は、炭素化工程により得られた炭素化物について、第一実施の形態の第2の粒度調製工程と同様にして行う。賦活工程は粒度調整した炭素化物について、炭素化物にアルカリ賦活剤を所定の割合で混合してアルカリ混合物を得て、賦活処理する工程である。前記混合工程の混合方法、所定の割合およびアルカリ賦活剤については、第一実施の形態と同様のものを採用することができる。
[電極]
続いて、第一実施の形態または第二実施の形態の活性炭を含む電極の一実施の形態について、説明する。本実施の形態の電極は、電気二重層キャパシタ用の電極であり、前記活性炭に加えて、集電体と結着剤とを少なくとも含む。
続いて、第一実施の形態または第二実施の形態の活性炭を含む電極の一実施の形態について、説明する。本実施の形態の電極は、電気二重層キャパシタ用の電極であり、前記活性炭に加えて、集電体と結着剤とを少なくとも含む。
集電体として、公知の材質および形状の材料を使用できる。例えば、集電体として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)等の金属またはステンレス等の合金を挙げることができる。また、結着剤も公知の材料を使用できる。例えば、結着剤として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンおよび/またはビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。電極中の結着剤の量は、電極構成を互いに結着して電極を形成することができる量であればよい。例えば、結着剤の量は、活性炭との合計量に対して0.1〜30質量%程度の範囲内とすることができる。
電極は、好ましくは導電剤を加えて構成され、またさらに集電体と一体化した電極とすることができる。導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン、酸化ルテニウム等の粉末を用いることができる。電極中の導電剤の配合量は、一例として、活性炭、結着剤および導電剤の合計量に対して、1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%程度の範囲内とすることができる。
なお、活性炭、結着剤および導電剤を混合する方法には、公知の方法を適宜採用できる。また、電極の製造方法としては、例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を前記成分に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法、溶媒を加えないで前記成分を混練した後に常温または加熱下で加圧成形する方法等を採用することができる。
[電気二重層キャパシタ]
次いで、以上の構成の電極を含む電気二重層キャパシタの一実施の形態について、説明する。本実施の形態の電気二重層キャパシタは、前記電極を正極および負極として用い、これら一対の電極をセパレータを介して対向させて、電解液中に浸漬することにより形成する。セパレータとして、ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等を用いることができる。
次いで、以上の構成の電極を含む電気二重層キャパシタの一実施の形態について、説明する。本実施の形態の電気二重層キャパシタは、前記電極を正極および負極として用い、これら一対の電極をセパレータを介して対向させて、電解液中に浸漬することにより形成する。セパレータとして、ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等を用いることができる。
電解液としては、公知の水系電解液および/または有機系電解液を使用することができるが、有機系電解液を用いることがより好ましい。有機系電解液としては、電気化学の電解液の溶媒として使用されるものを用いることができる。このような有機系電解液として、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン誘導体、3−メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、グルタロニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルフォルメート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の電解液またはこれらのうちの2種以上の混合液を挙げることができる。
また、有機電解液中の支持電解質としては特に限定されないが、電気化学の分野または電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類等の各種のものが使用できる。このような支持電解質として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。より具体的には、(C2H5)4NBF4、(C2H5)3(CH3)NBF4、(C2H5)4PBF4、(C2H5)3(CH3)PBF4等が挙げられる。電解液中のこれらの塩の濃度は、電気二重層キャパシタの用途および/または要求性能に応じて適宜選択することができる。例えば、前記塩の濃度は、0.1〜5mol/l程度の範囲内をすることができる。
電気二重層キャパシタのより具体的な構成としては、例えば、厚さ10〜500μmの薄いシート状またはディスク状の一対の電極(正極と負極)の間にセパレータを介して金属ケースに収容したコイン型の構成、一対の電極をセパレータを介して捲回してなる捲回型の構成、セパレータを介して多数の電極群を積み重ねた積層型の構成等を採用することができる。
前述の実施の形態によれば、電気二重層キャパシタの高出力、高耐久性といった特徴を生かしながら、さらなる容量の増大と、高い耐久性に加えて低抵抗化や低温での性能を向上できる活性炭、電極および電気二重層キャパシタを得ることができる。
より具体的には、電気二重層キャパシタの充放電の原理は、充電は電荷を持つ電解質の活性炭への吸着であり、放電は脱着によって起こる。容量を大きくするためには電荷を持つ電解質を多く吸脱着できる場を有することであり、比表面積が大きいこと、すなわち活性炭に小さな細孔を多く存在させることである。
電解質は溶媒中に溶媒和して存在しており、それらが容易に移動するためには充分な細孔大きさが必要である。特に低温においては溶媒の粘性が低下するため、さらに充分な細孔大きさが確保されることが低抵抗化や低温性能の向上に重要となる。しかし必要以上に細孔径を大きくすることは比表面積の低下を招き、また、活性炭粒子の密度低下にもつながる。したがって、このような相反する因子に対して綿密な解析が重要となってくる。
MP法は細孔径が0〜2nmまでのミクロ孔についての解析法であり、BJH法は2〜50nmのメソ孔についての解析法である。しかしながら、電気二重層キャパシタの評価に重要である細孔径領域の0.4〜5.0nmでの連続性に欠けており、綿密な解析を行うには不十分と考えられる。
前述した実施の形態によれば、細孔径解析の連続性に優れるGCMC法に基づき、細孔径と比表面積から見出した値αおよび値βというパラメータによって、前述したキャパシタ特性に優れる活性炭、電極および電気二重層キャパシタを得ることができる。
より具体的には、電気二重層キャパシタの充放電の原理は、充電は電荷を持つ電解質の活性炭への吸着であり、放電は脱着によって起こる。容量を大きくするためには電荷を持つ電解質を多く吸脱着できる場を有することであり、比表面積が大きいこと、すなわち活性炭に小さな細孔を多く存在させることである。
電解質は溶媒中に溶媒和して存在しており、それらが容易に移動するためには充分な細孔大きさが必要である。特に低温においては溶媒の粘性が低下するため、さらに充分な細孔大きさが確保されることが低抵抗化や低温性能の向上に重要となる。しかし必要以上に細孔径を大きくすることは比表面積の低下を招き、また、活性炭粒子の密度低下にもつながる。したがって、このような相反する因子に対して綿密な解析が重要となってくる。
MP法は細孔径が0〜2nmまでのミクロ孔についての解析法であり、BJH法は2〜50nmのメソ孔についての解析法である。しかしながら、電気二重層キャパシタの評価に重要である細孔径領域の0.4〜5.0nmでの連続性に欠けており、綿密な解析を行うには不十分と考えられる。
前述した実施の形態によれば、細孔径解析の連続性に優れるGCMC法に基づき、細孔径と比表面積から見出した値αおよび値βというパラメータによって、前述したキャパシタ特性に優れる活性炭、電極および電気二重層キャパシタを得ることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が1.8μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素材料(炭素材料A1)を得た。また、アセチルセルロースを窒素ガス気流中で、400℃にて1時間炭素化した後、その平均粒子径が6.3μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素化物を得た(炭素材料B)。続いて、50質量部の炭素材料A1と50質量部の炭素材料Bとの計100質量部に対して、アルカリ賦活剤として水酸化カリウム240質量部を加え、ボールミルで混合した。得られた混合物を窒素ガス雰囲気中で750℃にて30分間処理して賦活反応を行った。賦活反応後、水洗および塩酸を用いた酸洗浄を繰り返して、反応物中に残存する金属カリウムを除去し、乾燥して賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例1の活性炭とした。
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が1.8μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素材料(炭素材料A1)を得た。また、アセチルセルロースを窒素ガス気流中で、400℃にて1時間炭素化した後、その平均粒子径が6.3μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素化物を得た(炭素材料B)。続いて、50質量部の炭素材料A1と50質量部の炭素材料Bとの計100質量部に対して、アルカリ賦活剤として水酸化カリウム240質量部を加え、ボールミルで混合した。得られた混合物を窒素ガス雰囲気中で750℃にて30分間処理して賦活反応を行った。賦活反応後、水洗および塩酸を用いた酸洗浄を繰り返して、反応物中に残存する金属カリウムを除去し、乾燥して賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例1の活性炭とした。
[実施例2]
実施例1と同様の原料生コークスを、窒素ガス雰囲気中、600℃にて1時間焼成した。焼成の際の昇温速度は200℃/時間とした。得られた焼成物をその平均粒子径が2.0μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素材料(炭素材料A2)を得た。50質量部の炭素材料A2と50質量部の炭素材料Bとの計100質量部に対して、アルカリ賦活剤として水酸化カリウム200質量部を加え、ボールミルで混合した。得られた混合物を窒素ガス雰囲気中で850℃にて30分間処理して賦活反応を行った。賦活反応後、実施例1と同様にして賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例2の活性炭とした。
実施例1と同様の原料生コークスを、窒素ガス雰囲気中、600℃にて1時間焼成した。焼成の際の昇温速度は200℃/時間とした。得られた焼成物をその平均粒子径が2.0μmとなるようにジェットミルで粉砕して粒度調整し、炭素材料(炭素材料A2)を得た。50質量部の炭素材料A2と50質量部の炭素材料Bとの計100質量部に対して、アルカリ賦活剤として水酸化カリウム200質量部を加え、ボールミルで混合した。得られた混合物を窒素ガス雰囲気中で850℃にて30分間処理して賦活反応を行った。賦活反応後、実施例1と同様にして賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例2の活性炭とした。
[実施例3]
実施例1と同様の原料生コークス粉砕物(炭素材料A1)20質量部および炭素材料B80質量部の計100質量部に対して、水酸化ナトリウム280質量部を加え、800℃および30分間の条件で賦活処理した以外は実施例1と同様にして賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例3の活性炭とした。
実施例1と同様の原料生コークス粉砕物(炭素材料A1)20質量部および炭素材料B80質量部の計100質量部に対して、水酸化ナトリウム280質量部を加え、800℃および30分間の条件で賦活処理した以外は実施例1と同様にして賦活物を得た。得られた賦活物を、実施例3の活性炭とした。
[実施例4]
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が7.0μmとなるようにジェットミルで粉砕した原料生コークス粉砕物とアセチルセルロースを炭素化後の質量比が50/50になるように混合して実施例1と同様にして炭素化した後、粉砕して平均粒子径8.5μmの炭素化物を得た。この100質量部に対して水酸化ナトリウム280質量部を加え賦活処理を行い、得られた賦活物を実施例4の活性炭とした。
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が7.0μmとなるようにジェットミルで粉砕した原料生コークス粉砕物とアセチルセルロースを炭素化後の質量比が50/50になるように混合して実施例1と同様にして炭素化した後、粉砕して平均粒子径8.5μmの炭素化物を得た。この100質量部に対して水酸化ナトリウム280質量部を加え賦活処理を行い、得られた賦活物を実施例4の活性炭とした。
[比較例1]
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が7.0μmとなるようにジェットミルで粉砕した以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例1の活性炭とした。
平均粒子径が2mm以下の石油生コークスを、その平均粒子径が7.0μmとなるようにジェットミルで粉砕した以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例1の活性炭とした。
[比較例2]
炭素材料Bを混合しない以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例2の活性炭とした。
炭素材料Bを混合しない以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例2の活性炭とした。
[比較例3]
炭素材料A1を混合しない以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例3の活性炭とした。
炭素材料A1を混合しない以外は、実施例1と同様にして、賦活物を得た。得られた賦活物を、比較例3の活性炭とした。
<平均粒子径>
調製の際および調整後の炭素材料および活性炭について、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−950型)を用い、水を分散媒として少量の界面活性剤を添加し超音波を照射した後、測定し、得られた体積基準の粒度積分曲線より、50%粒子径を平均粒子径として求めた。
調製の際および調整後の炭素材料および活性炭について、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−950型)を用い、水を分散媒として少量の界面活性剤を添加し超音波を照射した後、測定し、得られた体積基準の粒度積分曲線より、50%粒子径を平均粒子径として求めた。
<吸着等温線、比表面積>
各活性炭について、自動比表面積測定装置(日本ベル(株)製、BELSORP−miniII型)を用い、液体窒素温度での窒素ガス吸着を相対圧(p/p0)が1.0×10−8から0.99まで測定することにより吸着等温線を得た。また、得られた吸着等温線からBET法により比表面積を算出した。
各活性炭について、自動比表面積測定装置(日本ベル(株)製、BELSORP−miniII型)を用い、液体窒素温度での窒素ガス吸着を相対圧(p/p0)が1.0×10−8から0.99まで測定することにより吸着等温線を得た。また、得られた吸着等温線からBET法により比表面積を算出した。
<GCMC解析>
実施例1の吸着等温線に対して、BELMaster(マイクロトラック・ベル(株)製を用い、GCMC解析を行った。解析により、仮想吸着等温線と差分細孔容積dVpおよび積算細孔容積Vp(全細孔容積)からなる細孔径分布曲線を得、得られた細孔径分布曲線より値αおよび値βを求めた。図2(a)に、実施例1の活性炭の吸着等温線とGCMC解析結果を示し、図2(b)に、実施例1についてGCMC解析結果より得られた細孔径分布曲線を示す。なお、図2(b)では、図1と同様に値α、βの算出方法を示している。
実施例1の吸着等温線に対して、BELMaster(マイクロトラック・ベル(株)製を用い、GCMC解析を行った。解析により、仮想吸着等温線と差分細孔容積dVpおよび積算細孔容積Vp(全細孔容積)からなる細孔径分布曲線を得、得られた細孔径分布曲線より値αおよび値βを求めた。図2(a)に、実施例1の活性炭の吸着等温線とGCMC解析結果を示し、図2(b)に、実施例1についてGCMC解析結果より得られた細孔径分布曲線を示す。なお、図2(b)では、図1と同様に値α、βの算出方法を示している。
同様に、実施例2〜3および比較例1〜3についてもGCMC解析を実施して細孔径分布を算出し、これらから値αおよび値βを求めた。実施例1〜3および比較例1〜3の細孔径分布を、図4(a)および(b)に示す。以上のように実施例1〜3および比較例1〜3の活性炭について、炭素材料および活性炭(賦活物)の物性を表1に示す。
[ラミネートセルの作成]
実施例1〜4および比較例1〜3の活性炭86質量部に対して、導電助材としてカーボンブラック(ライオン(株)製、ECP600JD)7質量部と結着材として顆粒状のPTFE(ダイキン工業(株)製、PTFEポリフロンF−104)7質量部と水とを加え、メノウ乳鉢を用いて混合した。得られた混合物を、ロールプレス機を用いて厚みが150〜20μmになるまでプレスし、炭素電極シートを作製した。このシートを14mm×20mmの寸法に切り出し、アルミニウム集電体に貼りつけて電極とした。
実施例1〜4および比較例1〜3の活性炭86質量部に対して、導電助材としてカーボンブラック(ライオン(株)製、ECP600JD)7質量部と結着材として顆粒状のPTFE(ダイキン工業(株)製、PTFEポリフロンF−104)7質量部と水とを加え、メノウ乳鉢を用いて混合した。得られた混合物を、ロールプレス機を用いて厚みが150〜20μmになるまでプレスし、炭素電極シートを作製した。このシートを14mm×20mmの寸法に切り出し、アルミニウム集電体に貼りつけて電極とした。
図4に示すように、作製した2枚の電極を正極2、負極3とし、これら電極に集電体4を貼り付け、セルロースセパレータ5(ニッポン高度紙工業(株)製、TF40−50)を挟んで対向させて、その外側をラミネートフィルム6で被覆して電解液を注液し、ヒートシーラーで封口することにより、ラミネートセル1を作製した。なお、電解液として1.5Mのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA−BF4)のプロピレンカーボネート(PC)溶液を用いた。
<キャパシタ特性の評価>
実施例1〜4および比較例1〜3炭素材料から各々作製したラミネートセルについて、各ラミネートセルを用いてキャパシタの初期特性(静電容量、内部抵抗)を測定した。測定方法を図5に示す。
静電容量については、キャパシタに蓄えられる全エネルギー量を測定し、その値から静電容量を算出した(エネルギー換算法)。
静電容量:C=2U/Vc2
(ここで、Vc=Vm−ΔV
U:全放電エネルギー(満充電Vmから0Vまでの放電カーブの積分値)
Vc:満充電圧(Vm)から内部抵抗による電圧降下分(ΔV)を引いた実電圧)
内部抵抗については、放電開始直後のIRドロップより算出した。
内部抵抗:R(Ω)=ΔV/I(ここで、Iは放電電流(A))
さらに、キャパシタのレート特性として、定電流放電値を0.36mA/cm2〜72mA/cm2まで変化させたときの静電容量を測定した。
レート特性の結果は、定電流放電(0.36mA/cm2、20℃)時の体積当り静電容量を基準とした各定電流放電(72mA/cm2、20℃)時の静電容量の量維持率として求めた。また、フロート特性の結果は、2.8V、60℃で500時間保持した後の単位重量当りの静電容量の保持率(測定:36mA/cm2放電時、20℃)として求めた。結果を表2に示す。
実施例1〜4および比較例1〜3炭素材料から各々作製したラミネートセルについて、各ラミネートセルを用いてキャパシタの初期特性(静電容量、内部抵抗)を測定した。測定方法を図5に示す。
静電容量については、キャパシタに蓄えられる全エネルギー量を測定し、その値から静電容量を算出した(エネルギー換算法)。
静電容量:C=2U/Vc2
(ここで、Vc=Vm−ΔV
U:全放電エネルギー(満充電Vmから0Vまでの放電カーブの積分値)
Vc:満充電圧(Vm)から内部抵抗による電圧降下分(ΔV)を引いた実電圧)
内部抵抗については、放電開始直後のIRドロップより算出した。
内部抵抗:R(Ω)=ΔV/I(ここで、Iは放電電流(A))
さらに、キャパシタのレート特性として、定電流放電値を0.36mA/cm2〜72mA/cm2まで変化させたときの静電容量を測定した。
レート特性の結果は、定電流放電(0.36mA/cm2、20℃)時の体積当り静電容量を基準とした各定電流放電(72mA/cm2、20℃)時の静電容量の量維持率として求めた。また、フロート特性の結果は、2.8V、60℃で500時間保持した後の単位重量当りの静電容量の保持率(測定:36mA/cm2放電時、20℃)として求めた。結果を表2に示す。
表1および表2に示す結果より、実施例1〜4のキャパシタでは、比較例1〜3に比べて、内部抵抗、レート特性、フロート特性に優れていることがわかった。実施例1〜3の活性炭、電極およびキャパシタは、それらの値αおよび値βが1.50≦α≦2.50且つ0.40≦β≦0.80の範囲を満たし、それらのBET比表面積は1600〜2600m2/gの範囲であり、それらの全細孔容積Vp(cm3(STP)/g)が1.00≦Vp≦1.40の全てを満たした。一方で、比較例1〜3の活性炭、電極およびキャパシタは、前記した条件を満たさなかった。
結果より、前記した条件を満たすことにより、低温下(20℃)にて低抵抗化が可能となり、低温特性を向上できる電気二重層キャパシタ、電極および活性炭を得ることを確認した。また、大きな容量を維持しつつ、活性炭粒子の密度の低下を防げることを確認した。さらに、実施例1〜3のキャパシタでは、比較例1〜3に比べて、単位質量当りの静電容量をより向上できることを確認し、実施例1および実施例4のキャパシタでは、比較例1〜3に比べて、単位体積当りの静電容量をより向上できることを確認した。
結果より、前記した条件を満たすことにより、低温下(20℃)にて低抵抗化が可能となり、低温特性を向上できる電気二重層キャパシタ、電極および活性炭を得ることを確認した。また、大きな容量を維持しつつ、活性炭粒子の密度の低下を防げることを確認した。さらに、実施例1〜3のキャパシタでは、比較例1〜3に比べて、単位質量当りの静電容量をより向上できることを確認し、実施例1および実施例4のキャパシタでは、比較例1〜3に比べて、単位体積当りの静電容量をより向上できることを確認した。
また、実施例1〜4の結果より、活性炭の値αおよび値βが1.50<α<1.90且つ0.45<β<0.80の範囲を満たし、BET比表面積が2150〜2600m2/gの範囲であり、全細孔容積が1.25<Vp<1.35を満たすことが好適であることがわかった。
本発明によれば、内部抵抗、低温特性等のキャパシタ特性を向上した活性炭およびその製造方法を得ることができる。
1 ラミネートセル
2 正極
3 負極
4 集電体
5 セルロースセパレータ
6 ラミネートフィルム
2 正極
3 負極
4 集電体
5 セルロースセパレータ
6 ラミネートフィルム
Claims (7)
- 電気二重層キャパシタ電極用活性炭であって、
液体窒素温度での窒素ガス吸着量を相対圧(p/p0)が1.0×10-8以上から0.99以下まで測定して求めた活性炭の吸着等温線に対するグランドカノニカルモンテカルロ(GCMC)解析による細孔径分布曲線にて、
下式で表す値αおよびβが1.50≦α≦2.50且つ0.40≦β≦0.80の範囲を満たし、
V(1.0‐2.0)は、前記活性炭の細孔直径が1.0nmから2.0nmまで変化したときの吸着量(cm3(STP)/g)であり、
V(2.0‐5.0)は、前記活性炭の細孔直径が0.4nmから1.0nmまで変化したときの吸着量(cm3(STP)/g)である。)
前記活性炭の吸着量から算出した全細孔容積Vp(cm3(STP)/g)が1.00≦Vp≦1.40であり、
前記活性炭のBET法による比表面積が1600〜2600m2/gである電気二重層キャパシタ電極用活性炭。 - 前記活性炭のレーザ回折法により求めた平均粒子径が5〜10μmである請求項1に記載の電気二重層キャパシタ電極用活性炭。
- 前記活性炭のアルカリ金属量が、前記活性炭に対して100質量ppm以下である請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ電極用活性炭。
- 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法であって、
原料として易黒鉛化性炭素材を用い、前記原料または焼成処理した原料を、その平均粒子径を0.5〜3.0μmの範囲となるように粒度を調整して第1炭素材料を得る第1の炭素材料調整工程と、
セルロース系化合物を25〜75質量%残存するように炭素化した後、前記得られた炭素化粉末の平均粒子径を3〜10μmの範囲に粒度を調整して第2炭素材料を得る第2の炭素材料調整工程と、
前記第1炭素材料と第2炭素材料とアルカリ賦活剤とを混合して得られた混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活工程と、
前記賦活工程の反応物から水洗浄によりアルカリ分を取り除く除去工程と
を含む電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法。 - 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法であって、
原料として易黒鉛化性炭素材を用い、前記原料または焼成処理した原料を、その平均粒子径を5〜10μmの範囲となるように粒度を調整して第1炭素材料を得る第1の炭素材料調整工程と、
前記第1炭素材料にセルロース系化合物を炭素化後の割合が25〜75質量%となるように混合して炭素化した後、前記得られた炭素化粉末の平均粒子径を3〜10μmの範囲に粒度を調整して第2炭素材料を得る第2の炭素材料調整工程と、
前記第2炭素材料とアルカリ賦活剤とを混合して得られた混合物を不活性雰囲気下で賦活処理する賦活工程と、
前記賦活工程の反応物から水洗浄によりアルカリ分を取り除く除去工程と
を含む電気二重層キャパシタ電極用活性炭の製造方法。 - 請求項1に記載の活性炭を少なくとも備える電気二重層キャパシタ電極。
- 請求項6に記載の電極を少なくとも備える電気二重層キャパシタ。
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