JP2017134147A - 感光性樹脂組成物、それを用いた膜、タッチパネル、硬化パターン付き基板の製造方法、および積層パターン付き基板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、それを用いた膜、タッチパネル、硬化パターン付き基板の製造方法、および積層パターン付き基板の製造方法 Download PDF

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陽平 此島
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Mitsufumi Suwa
充史 諏訪
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Abstract

【課題】
パターン形成が可能であり、低温での加熱工程においても十分な耐溶剤性を有する感光性樹脂組成物及びそれを用いたタッチパネルを提供すること。
【解決手段】
(A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)ブロック化イソシアネート化合物、(D)光重合性モノマー、および(E)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた膜、タッチパネル、硬化パターン付き基板の製造方法、および積層パターン付き基板の製造方法に関する。
スマートフォンやタブレットPC等、静電容量式タッチパネルを用いたモバイル機器が近年、急速に普及している。静電容量式タッチパネルは、画像表示部領域にITO(Indium Tin Oxide)膜のパターンが形成され、その周辺部にさらにモリブデン等の金属配線が形成されていることが一般的である。このような金属配線がユーザーから視認されないようにするため、静電容量式タッチパネルの基板、すなわちカバーガラスの内表面の周辺部には、加飾パターンが形成されている。
静電容量式タッチパネルの方式としては、カバーガラスと液晶パネルとの間にタッチパネル層を形成するOut−cellタイプ、液晶パネル上にタッチパネル層を形成するOn−cellタイプ、又は、液晶パネルの内部にタッチパネル層を形成するIn−cellタイプ等、多様化が進んでおり、加飾パターンについては黒色又は白色のパターンが主流となっている。タッチパネル搭載端末の多様化とともに、これまで以上に高精細な遮光パターンが要求されており、従来の印刷方式に替わる、より高解像度の加工が可能な製造方法が必要とされている。このような製造方法としては、例えば、フォトリソグラフィと転写法との組み合わせが知られている(特許文献1)。
特開2015−024498号公報
特許文献1に記載されているようなフォトリソグラフィと転写法を組み合わせた加飾パターン付き基板の製造方法では、様々な加飾パターンを転写する際に、マージンを確保するため、光学透明接着剤を使用することが一般的である。ここで用いられる光学透明接着剤は一般的に耐熱性に乏しいため、加飾パターンを低温で加熱加工させ、膜を硬化させる必要がある。
しかしながら、低温での加熱工程では、膜を十分に硬化させることが困難であるため、耐溶剤性に乏しく、例えば、タッチセンサーとの貼り合せに用いる光学透明接着剤に溶解してしまうことや、その結果としてタッチセンサーと加飾パターンが形成された基板との位置ずれが生じると、再加工は不可能となって損失が生じること等が問題視されていた。
この問題を解決するために、低温での加熱工程においても十分に硬化が進行する材料の開発が行われているが、一般的に低温での硬化に有効であるエポキシ化合物を用いた材料では、材料に含まれる溶剤を乾燥させる、タッチパネルの製造工程中の加熱工程(プリベーク工程)で硬化が進行してしまい、現像工程での加飾パターンの形成が困難であった。
そこで本発明は、加飾パターンの形成が可能であり、低温での加熱工程においても十分な耐溶剤性を有する感光性樹脂組成物及びそれを用いたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明の感光性樹脂組成物とそれを用いた膜、タッチパネル、硬化パターン付き基板の製造方法、および積層パターン付き基板の製造方法は、以下[1]〜[16]に記載した構成からなる。
[1](A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)ブロック化イソシアネート化合物、(D)光重合性モノマー、および(E)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるブロック化剤でブロックされている、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2017134147
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
Figure 2017134147
(一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。Xは炭素原子または窒素原子を表す。)
Figure 2017134147
(一般式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
[3]前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体又はイソシアヌレート体のイソシアネート基がブロックされたブロック化イソシアネート化合物である、上記[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(B)アルカリ可溶性樹脂が側鎖に不飽和二重結合を有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(D)光重合性モノマーの酸価が1〜300(mgKOH/kg)である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(D)光重合性モノマーが不飽和二重結合を2〜8個有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7](F)下記一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤を含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2017134147
(一般式(4)中、Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
[8](G)沸点が180℃〜300℃である溶剤を含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9](H)硬化促進剤を含む、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[10]スクリーン印刷で使用される上記[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる膜。
[12]上記[11]に記載の膜を具備するタッチパネル。
[13](i)上記[1]〜[10]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を得る、塗布工程、
(ii)前記塗布膜を乾燥して乾燥膜を得る、乾燥工程、
(iii)前記乾燥膜を露光して露光膜を得る、露光工程、
(iv)前記露光膜を現像してパターンを得る、現像工程、及び、
(v)前記パターンを加熱して硬化パターンを得る、キュア工程
を備える、硬化パターン付き基板の製造方法。
[14](1)支持体の表面に、組成物Aを塗布して塗布膜Aを得る、第一の塗布工程と、
(2)前記塗布膜Aの表面に、組成物Bを塗布して塗布膜Bを得る、第二の塗布工程と、
(3)前記塗布膜A及び前記塗布膜Bを一括して、前記塗布膜B側から露光して、露光膜Aと露光膜Bとの積層露光膜を得る、第一の露光工程と、
(4)前記積層露光膜を現像して、パターンAとパターンBとの積層パターンを得る、現像工程と、
を備える、積層パターンを基板に結合する積層パターン付き基板の製造方法であり、組成物Aおよび/又は組成物Bが上記[1]〜[10]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である積層パターン付き基板の製造方法。
[15]さらに第二の露光工程と、前記第二の露光工程前に前記積層パターンを支持体から剥離する、剥離工程とを備える、上記[14]に記載の積層パターン付き基板の製造方法。
[16]さらに前記積層パターンを加熱して硬化された積層パターンを得る、加熱工程を備える、上記[14]または[15]に記載の積層パターン付き基板の製造方法。
本発明によれば、加飾パターン形成が可能であり、低温での加熱工程においても十分な耐溶剤性を有する膜を得ることができる。また、この膜を遮光材料として適用することで、高精細な遮光パターンを有するタッチパネルを製造することが可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)ブロック化イソシアネート化合物、(D)光重合性モノマー、および(E)光重合開始剤、を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる(A)顔料とは、白色顔料または黒色顔料を表す。
白色顔料としては、公知のものを使用することができ、例えば、二酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は鉛白が挙げられる。これらのうち、遮蔽性に優れ工業的利用が容易な二酸化チタンが好ましい。
二酸化チタンの結晶構造にはアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型がある。中でも、ルチル型二酸化チタンが、光触媒活性が無く、好ましい。また、感光性樹脂組成物中での分散性と、硬化膜の耐光性、耐熱性を向上させるため、表面処理された二酸化チタンがより好ましい。
二酸化チタンの表面処理剤としては、金属酸化物及び/又は金属酸化物の水和物が好ましく、Al、SiO及び/又はZrOがより好ましい。中でも、耐光性、耐熱性の観点からSiOを含有することが好ましい。
表面処理された二酸化チタンのうち、表面処理剤が占める質量は10質量%以下が遮蔽性の観点から好ましい。
二酸化チタンの平均一次粒子径は、遮蔽性および硬化膜の色特性を向上させるためには、100〜500nmが好ましい。平均一次粒子径が100nm未満であると遮蔽性が低下することがある。一方で500nmを超えると白色硬化膜が黄味を帯びることがある。また、二酸化チタンの平均一次粒子径は、硬化膜の色特性をより向上させるためには200〜300nmがより好ましく、反射率を高めるためには170〜310nmがより好ましく、遮光性を高めるためには350〜500nmがより好ましい。ここで平均一次粒子径とは、レーザー回折法により測定された粒度分布のメディアン径をいう。
白色顔料の含有量は、10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましく、35〜65質量部がさらに好ましい。白色顔料の量が10質量部未満であると、膜厚によっては十分な遮蔽性、意匠性が得られなくなる。一方で、80質量部を超えると、得られる硬化膜の耐薬品性の低下又はパターン加工性の低下等の問題が生じる。なお、本発明においては、(G)溶剤を除く感光性樹脂組成物の(A)〜(H)の各成分、及び多官能チオール化合物の質量の合計を100質量部とする。
黒色顔料としては、公知のものを使用することができ、例えば、カーボンブラック、ペリレンブラック、アニリンブラック、窒化チタン又は酸化コバルトが挙げられるが、工業的利用が容易で安価な、カーボンブラックが好ましく、分散性及び遮光性に優れる、酸性のカーボンブラックがより好ましい。
黒色顔料として用いるカーボンブラックの平均一次粒子径は、10〜50nmが好ましい。ここで平均一次粒子径とは、画像解析式粒度分布測定装置を用いた粒度測定法により算出した、一次粒子径の数平均をいう。画像の撮影には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることができ、カーボンブラックの一次粒子が100個以上撮影された画像から、平均一次粒子径を算出することができる。
黒色顔料の含有量は、10〜80質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。黒色顔料の割合が10質量部未満であると、得られたパターンの遮光性が不十分となる場合がある。一方で、黒色顔料の割合が80質量部を超えると、感光性樹脂組成物の保存安定性が低下する場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤を含有しても構わない。着色剤としては、例えば、染料、白色顔料および黒色顔料以外の有機顔料又は無機顔料が挙げられるが、耐熱性の観点から、フタロシアニン系の有機顔料又は無機顔料が好ましい。
白色顔料および黒色顔料以外の有機顔料の例としては、ピグメントイエロー12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168若しくは185等の黄色有機顔料、ピグメントオレンジ13、36、38、43、51、55、59、61、64、65若しくは71等のオレンジ色有機顔料、ピグメントレッド9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240若しくは254等の赤色有機顔料、ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40若しくは50等の紫色有機顔料、ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60若しくは64等の青色有機顔料、又はピグメントグリ−ン7、10若しくは36等の緑色有機顔料が挙げられるが(数値はいずれもカラーインデックス(CI)ナンバー)、汎用性と耐熱性の観点から、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36又はカーボンブラックが好ましい。
これらの有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理又は塩基性処理等の表面処理をされていても構わない。
白色顔料および黒色顔料以外の無機顔料としては、例えば、酸化鉄、硫化カドミウム、チタンニッケルアンチモン、チタンニッケルバリウム、クロム酸ストロンチウム、ビリジアン、酸化クロム、アルミン酸コバルト若しくは窒化チタン等の、金属微粒子、金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属窒化物又は金属酸窒化物が挙げられる。これらの無機顔料は、他の無機成分又は有機成分で表面処理されていても構わないが、耐熱性の観点から、他の無機成分で表面処理されていることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)アルカリ可溶性樹脂を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる(B)アルカリ可溶性樹脂は、樹脂1分子中に少なくとも1個のアルカリ可溶性基を有する樹脂である。本発明において、アルカリ可溶性基とは、−OHを含む基を表し、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などの酸基や水酸基が挙げられる。また、本発明において、樹脂とは、繰り返し構造を有する分子量10000以上の化合物を表す。
(B)アルカリ可溶性樹脂は、樹脂を構成する高分子の主鎖の末端にアルカリ可溶性基を有する樹脂であっても、樹脂の構成成分である重合性不飽和モノマーにアルカリ可溶性基を有する樹脂であってもよいが、樹脂のアルカリ現像性の観点から、重合性不飽和モノマーにアルカリ可溶性基を有する樹脂であることが好ましい。前記(B)アルカリ可溶性樹脂のうち、樹脂を構成する高分子の末端にアルカリ可溶性基を有する樹脂の例として、アルカリ可溶性基を有するポリエステル樹脂、アルカリ可溶性基を有するウレタン樹脂、アルカリ可溶性基を有するポリエーテル樹脂、アルカリ可溶性基を有するポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、樹脂の構成成分である重合性不飽和モノマーにアルカリ可溶性基を有する樹脂の例として、アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂が挙げられる。なかでも、高い顔料分散性を有することからアルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂は、アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマー成分を溶液重合など通常の条件で(共)重合せしめることによって製造することができる。
前記アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂は、アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーを構成成分としている。前記アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーは、1分子中にアルカリ可溶性基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、アルカリ可溶性基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記アルカリ可溶性基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;分子末端がアルカリ可溶性基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート、より具体的な例として、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどのヒドロキシベンゾフェノン類とグリシジル(メタ)アクリレートとの付加反応生成物;2−(2' −ヒドロキシ−5' −メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の水酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイロキシエチル-コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピル-コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピル-フタル酸等のカルボキシル基を有する重合性不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドスルホネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドスルホネート等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;等が挙げられる。また、アルカリ可溶性基を有する(メタ)アクリレート以外のアルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーの具体例として、アリルアルコール、アルカリ可溶性基で置換されたN−置換(メタ)アクリルアミドが挙げられる。これらのアルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記アルカリ可溶性基を有する重合性不飽和モノマーと共重合可能な重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製)、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定化性能を有する重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基を有する重合性不飽和モノマー化合物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、前記(B)アルカリ可溶性樹脂が側鎖に不飽和二重結合を有することが好ましい。樹脂の側鎖に不飽和二重結合があると、光により樹脂同士や(D)光重合性モノマーとの架橋反応が進行し、硬化させやすくなる。
不飽和二重結合の導入方法の例としては、樹脂中の水酸基またはカルボキシル基と、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートとの反応が挙げられる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリレートとして、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレートグリシジルエーテル、ヒドロキシメチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルメタクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルメタクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、などが挙げられる。
側鎖に不飽和二重結合を有する、(B)アルカリ可溶性樹脂として、例えば、AX3−BX−TR−101、AX3−BX−TR−102、AX3−BX−TR−106、AX3−BX−TR−107、AX3−BX−TR−108、AX3−BX−TR−109、AX3−BX−TR−110、AX3−RD−TR−501、AX3−RD−TR−502、AX3−RD−TR−503、AX3−RD−TR−504、AX3−RD−TR−103、AX3−RD−TR−104(商品名、日本触媒株式会社製)、SPCR−18X、SPCR−24X(商品名、昭和電工株式会社製)、X−4007(商品名、日油株式会社製)などが挙げられる。
前記(B)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、1〜50質量部が好ましい。前記(B)アルカリ可溶性樹脂の含有量をこの範囲とすることで、現像特性及び耐溶剤性を適当なものとできる。より好ましくは、3〜30質量部、さらに好ましくは、5〜20質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は(C)ブロック化イソシアネート化合物を含有する。
前記(C)ブロック化イソシアネート化合物は、前記(B)アルカリ可溶性基を有する樹脂の硬化剤として働く。前記(C)ブロック化イソシアネート化合物は、イソシアネート化合物をブロック化剤でブロック化したものである。
前記(C)ブロック化イソシアネート化合物に用いられるイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの様な脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの様な環状脂肪族ジイソシアネート類;トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの様な芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートの様な3個以上のイソシアネ−ト基を有するイソシアネート類;などの有機イソシアネートそれ自体、または各有機イソシアネート同士の環化重合体、更にはトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート体又はビウレット体等を挙げることができる。なかでも入手容易さの観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体又はイソシアヌレート体が好適に使用される。
本発明の感光性樹脂組成物においては、前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるブロック化剤でブロックされていることが好ましい。
Figure 2017134147
一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。
Figure 2017134147
一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。Xは炭素原子または窒素原子を表す。
Figure 2017134147
一般式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。
前記一般式(1)中、RおよびRは、上述のとおり、それぞれ独立に、炭素数1〜6の有機基を表す。これらのうち、ブロック化剤を加熱工程にて樹脂中から取り除きやすい点で好ましいのは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、入手容易さの点でより好ましいのは炭素数1〜3のアルコキシ基である。また、Rは、上述のとおり、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。これらのうち、ブロック化剤の安定性の点でより好ましいのは水素原子である。
前記一般式(2)中、RおよびRは、上述のとおり、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。これらのうち、ブロック化剤を加熱工程にて樹脂中から取り除く点で好ましいのは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
前記一般式(3)中、RおよびRは、上述の通り、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。これらのうち、ブロック化剤を加熱工程にて樹脂中から取り除きやすい点で好ましいのは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
前記一般式(1)で表されるブロック化剤、すなわち、β-ジケトン系ブロック化剤の例としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるブロック化剤、すなわち、ピラゾール系ブロック化剤およびトリアゾール系ブロック化剤のうち、ピラゾール系ブロック化剤の例として、ピラゾール、3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3-エチルピラゾール、3,5-ジエチルピラゾール、3-メチル-5-エチルピラゾール、3-エチル-5-メチルピラゾール、3-プロピルピラゾール、3,5-ジプロピルピラゾール、3,5-ジイソプロピルピラゾール、3-ブチルピラゾール、3,5-ジブチルピラゾール、3,5-ジイソブチルピラゾール、3-フェニルピラゾール、3,5-ジフェニルピラゾールなどが挙げられる。また、トリアゾール系ブロック化剤の例として、1,2,4-トリアゾール、3-メチル-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール、3-エチル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジエチル1,2,4-トリアゾール、3-メチル-5-エチル1,2,4-トリアゾール、3-エチル-5-メチル1,2,4-トリアゾール、3-プロピル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジプロピル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジイソプロピル1,2,4-トリアゾール、3-ブチル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジブチル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジイソブチル1,2,4-トリアゾール、3-フェニル1,2,4-トリアゾール、3,5-ジフェニル1,2,4-トリアゾールなどが挙げられる。
前記一般式(3)で表されるブロック化剤、すなわち、オキシム系ブロック剤の例としてホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるブロック化剤以外のブロック化剤を用いてもよい。そのようなブロック化剤として、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系ブロック化剤や、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系ブロック化剤、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系ブロック化剤などのブロック化剤を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体又はイソシアヌレート体のイソシアネート基がブロックされたブロック化イソシアネート化合物であることが好ましい。
前記(C)ブロック化イソシアネート化合物の含有量は、1〜30質量部が好ましい。前記(C)ブロック化イソシアネート化合物の含有量をこの範囲とすることで、現像特性及び耐溶剤性を適当なものとできる。より好ましくは、3〜20質量部、さらに好ましくは、5〜15質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は(D)光重合性モノマーを含有する。
前記(D)光重合性モノマーとは、不飽和二重結合を有する分子量10000未満の化合物のことであり、前記(B)アルカリ可溶性樹脂の硬化剤として働く。
前記(D)光重合性モノマーは、反応速度の観点から、不飽和二重結合を2〜8個有することが好ましい。不飽和二重結合数が1個だと架橋反応が進行せず、耐溶剤性に不具合が生じやすくなり、不飽和二重結合が8個以上だと、硬化膜としたときにクラックが生じやすくなる。
前記(D)光重合性モノマーは、前記(C)ブロック化イソシアネート化合物との架橋反応が進行し、架橋密度を向上させるため、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。さらに(C)硬化剤との反応性を向上させる観点から、前記(D)光重合性モノマーの酸価は1〜300(mgKOH/kg)であることが好ましく、10〜200(mgKOH/kg)であることがさらに好ましい。
前記(D)光重合性モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート若しくはアルキッド変性(メタ)アクリレート等オリゴマー、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート又はε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。アルカリ可溶性基を有する(D)光重合性モノマーの例としては、多塩基酸変性アクリルオリゴマーが挙げられる。
前記(D)光重合性モノマーの含有量は、1〜30質量部が好ましい。前記(D)光重合性モノマーの含有量をこの範囲とすることで、現像特性及び耐溶剤性を適当なものとできる。より好ましくは、3〜20質量部、さらに好ましくは、5〜15質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は(E)光重合開始剤を含有する。
前記(E)光重合開始剤とは、光(紫外線、電子線を含む)により分解及び/又は反応し、ラジカルを発生させるものをいう。
前記(E)光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン又は1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられるが、表面の硬化を促進させるため、酸素障害の影響の小さく、着色を抑制できる1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)などのオキシム・エステルを構造に持つ光重合開始剤や、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましい。
前記(E)光重合開始剤の含有量は、0.1〜10質量部が好ましい。光重合開始剤の含有量をこの範囲とすることで、感光特性を適当なものとできる。より好ましくは、1〜5質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(F)一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤を含有することが好ましい。
Figure 2017134147
一般式(4)中、Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。架橋反応の反応性の観点から、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基、エチル基がより好ましい。
前記(F)一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤を含有することで、低温での加熱工程において樹脂間の熱硬化を促進させることができ、耐溶剤性を向上させることができる。この前記(F)一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤としては、ML−26X、ML−24X、ML−236TMP、4−メチロール3M6C、ML−MC、ML−TBC、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、TriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、DM−BI25X−F、46DMOC、46DMOIPP、46DMOEP、TM−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、ニカラックMX−290、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270、MW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等が挙げられる。
前記(F)一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤の含有量は、0.01〜20質量部が好ましい。前記(F)一般式(4)で表される官能基を少なくとも1つ有する架橋剤の含有量をこの範囲とすることで、現像特性及び耐溶剤性を向上させることができる。より好ましくは、0.1〜15質量部、さらに好ましくは、1〜10質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(G)沸点が180℃〜300℃である溶剤を含むことが好ましい。(G)沸点が180℃〜300℃である溶剤は、感光性樹脂組成物の各成分を均一に溶解させるため、アルコール性化合物、エステル系化合物又はエーテル系化合物が好ましいが、顔料分散性の観点から、エステル系化合物又はエーテル系化合物がより好ましい。本発明の感光性樹脂組成物をスピンコーター、スリットコーター、スクリーン印刷、インクジェット又はバーコーター等の印刷方式での塗布に用いる場合、沸点が180℃未満であると溶剤の乾燥速度が早く、塗布均一性に不具合が生じる場合がある。一方で、沸点が300℃を超えると、得られる硬化膜に溶剤が残存し、硬化膜の耐熱性が低下する場合がある。
前記(G)沸点が180℃〜300℃である溶剤としては、例えば、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド又はγ―ブチロラクトンが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(B)アルカリ可溶性樹脂と前記(C)ブロック化イソシアネート化合物との反応を促進させるため、(H)硬化促進剤を含むことが好ましい。
前記(H)硬化促進剤としては、例えばビスマス系化合物、アルミニウム系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、スズ系化合物、亜鉛系化合物等が挙げられる。
前記ビスマス系化合物としては、例えばビス(アセチルアセトン)ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、サリチル酸ビスマス等が挙げられる。
前記アルミニウム系化合物としては、例えばアルミニウムエチルアセトアセテートイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムものアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
前記ジルコニウム系化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート、オクチル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム等が挙げられる。
前記チタン系化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート等が挙げられる。
前記スズ系化合物としては、例えばジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズクロリド、ジブチルスズクロリド、ジn−オクチルスズジラウレート等が挙げられる。
前記亜鉛系化合物としては、例えば亜鉛アセチルアセトナート、プロピオン酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛等が挙げられる。
前記(H)硬化促進剤の含有量は、0.01〜2質量部が好ましい。また、前記含有量は、0.02〜1質量部がより好ましく、0.2〜1質量部がさらに好ましい。前記含有量が0.01質量部未満であると、低温硬化性が低下するおそれがある。逆に、前記含有量が2質量部を超えると、塗膜の外観が悪化するおそれがある。
本発明の感光性樹脂組成物は、塗布性を向上させるため、界面活性剤を含有しても構わない。界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤又はポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、連鎖移動剤として多官能チオール化合物を含有しても構わない。多官能チオール化合物を含有することでパターンエッジのテーパー形状が緩やかになりやすくなる。また、ガラスとの密着性が向上し、現像剥がれを抑制しやすくなる。
多官能チオール化合物の含有量は、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。多官能チオール化合物の含有量が0.1質量部を下回ると耐薬品性の向上効果が十分に得られない可能性があり、5質量部を超えると、露光時にチオール化合物特有の臭気が強くなる場合がある。
多官能チオール化合物としては、組成物の保存安定性の観点から、多価アルコール化合物と2級又は3級メルカプト基を有するカルボン酸化合物とのエステル化合物が好ましい。
多価アルコール化合物としては、例えば、アルキレングリコール(ただし、アルキルレン基の炭素数は2〜10で、枝分かれしていても構わない。)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールが挙げられる。
2級又は3級メルカプト基を有するカルボン酸化合物としては、例えば、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトブタン酸、2−メルカプトイソブタン酸、4−メルカプトペンタン酸又は3−メルカプトペンタン酸が挙げられる。
多価アルコール化合物と2級又は3級メルカプト基を有するカルボン酸化合物とのエステル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリス(2−メルカプトプロピオネート)エトキシイソシアヌレート、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、1,2−プロピレングリコール(2−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブチレングリコール(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジプロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、グリセリントリス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチレート)エトキシイソシアヌレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,2−プロピレングリコール(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブチレングリコール(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジプロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトイソブチレート)、グリセリントリス(2−メルカプトイソブチレート)、トリス(2−メルカプトイソブチレート)エトキシイソシアヌレート、エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、1,2−プロピレングリコール(2−メルカプトイソブチレート)、1,4−ブチレングリコール(2−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)又はジプロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)が挙げられるが、臭気、保存安定性及び反応性のバランスに優れていることから、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、グリセリントリス(3−メルカプトブチレート)又はトリス(3−メルカプトブチレート)エトキシイソシアヌレートが好ましい。
前記多価アルコール化合物と2級又は3級メルカプト基を有するカルボン酸化合物とのエステル化合物以外の多官能チオール化合物としては、例えば、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセリントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス(3−メルカプトプロピオネート)エトキシイソシアヌレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−プロピレングリコール(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブチレングリコール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)又はジプロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
多官能チオール化合物を本発明の感光性樹脂組成物に添加する際は、単独で使用してもよいし、混合しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、密着性を向上させるため、シランカップリング剤を含有しても構わない。シランカップリング剤の含有量は、0.1〜15質量部が好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.1質量部を下回ると密着性の向上効果が十分に得られない懸念があり、15質量部を超えると、硬化膜が黄変する懸念がある。
シランカップリング剤としては、例えば、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソプロピルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(イソプロピルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(イソプチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ペンチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ペンチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリエトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリエトキシシリル)ペンタン酸、6−(ジメトキシ(メチル)シリル)−3−(tert−ブチルカルバモイル)へキサン酸、5−(ジメトキシ(メチル)シリル−2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ブタン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−4−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンへキサンカルボン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−5−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンへキサンカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも特に3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソプロピルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、3−(tert−ペンチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ペンチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリエトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリエトキシシリル)ペンタン酸、6−(ジメトキシ(メチル)シリル)−3−(tert−ブチルカルバモイル)へキサン酸、5−(ジメトキシ(メチル)シリル−2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ブタン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−4−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンへキサンカルボン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−5−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンへキサンカルボン酸が、ITO接着性向上の効果が高くなるため好ましい。
シランカップリング剤を本発明の感光性樹脂組成物に添加する際は、単独で使用してもよいし、混合しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有しても構わない。紫外線吸収剤を含有することにより、パターンエッジ部のテーパー形状を維持したまま、解像度を向上させることが出来る。紫外線吸収剤の含有量は、0.005〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.005質量部を下回るとパターン形状制御の向上効果が十分に得られない懸念があり、10質量部を超えると、硬化膜黄変する懸念がある。紫外線吸収剤としては特に限定はなく公知のものが使用できるが、透明性、非着色性の面から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物が好ましく用いられる。なかでも、耐熱性の観点からトリアジン系化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベントリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−イル−メチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどが挙げられる。中でも耐熱性の観点から2−(2H−ベントリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−イル−メチル)フェノールが好ましい。
ベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン系化合物の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル−5−ヒドロキシフェニルとオキシラン[(C10−C16主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物、2−[2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−エチルヘキシル−2−(4−(4,6−ジ([1,1‘−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ヒドロキシフェノキシ)プロパノエート、トリオクチル−2,2’、2‘’−(((1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリル)トリス(3−ヒドロキシベンゼン−4,1−ジイル))トリス(オキシ))トリプロパノエートなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ラジカル補足剤を含有しても構わない。ラジカル補足剤の酸化防止効果により、後工程の加熱処理後の黄変が抑えられ、耐光性が向上する。ラジカル補足剤の含有量は、0.005〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。ラジカル補足剤の含有量が0.005質量部を下回るとパターン形状制御の向上効果が十分に得られない懸念があり、10質量部を超えると、硬化膜黄変する懸念がある。ラジカル補足剤としては、硬化膜の変色抑制効果に優れるため、ラジカル重合性基を有するヒンダードフェノール化合物およびヒンダードアミン化合物が好ましい。ラジカル重合性基を含有しない場合、熱硬化時に昇華してしまい、十分な酸化防止効果を得られない場合がある。また、1分子中のフェノール基またはアミノ基の量としては、ラジカル捕捉効果が得やすいことから2以上が好ましく、4以上がより好ましい。
ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、tert−ブチルピロカテコール、ジブチルヒドロキシトルエン、オクダデシル3−(3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、チオジエチレンビス[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス(3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール又は4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレートなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、安定剤または消泡剤等の添加剤が含まれていても構わない。
本発明の膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化してなる。
本発明の膜を形成するための感光性樹脂組成物において、全固形分濃度は、塗布方法等に応じて適宜決定すればよいが、10〜80質量%であることが好ましい。なお、全固形分とは、(G)溶媒を除く感光性樹脂組成物の全成分を表す。
本発明の膜の膜厚は、1〜70μmが好ましい。1μm以上とすることで、適度な遮光性・意匠性が得られ、70μm以下とすることで、テーパー角を低くしてなだらかなパターン加工を行った場合でも、高解像度を実現しやすくなる。1〜40μmがより好ましい。本発明の膜の膜厚は、サーフコム1400D(東京精密(株)製)等の触針型段差計で測定することができる。
本発明の膜は、パターン形成が可能であり低温での加熱工程後においても十分な耐溶剤性を有する。
以上のような特性を有する本発明の膜は、スマートフォンやタブレットPC等のモバイル機器において、タッチパネルに好適に用いることができる。タッチパネルにおいては、例えば遮光性加飾パターン等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の代表的な硬化パターン付き基板の製造方法および積層パターン付き基板の製造方法について、以下に説明する。
まず、顔料、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤の混合液を、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散させ、顔料分散液を得る。一方で、残りのアルカリ可溶性樹脂、ブロック化イソシアネート、光重合性モノマー、光重合開始剤、架橋剤、溶剤及び他の添加物を、撹拌して溶解させ、希釈液を得る。そして、顔料分散液と希釈液とを混合、撹拌、ろ過することで、感光性樹脂組成物が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化してなる膜を基板上にパターン形成することにより得られる硬化パターン付き基板の製造方法、および2層以上のパターンを有する積層パターン付き基板の製造方法について、例を挙げて説明する。
<硬化パターン付き基板の製造方法>
(i)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を得る、塗布工程
塗布方法としては、感光性樹脂組成物をスピンコーター、スリットコーター、スプレー塗布、スクリーン印刷、インクジェット又はバーコーター等の公知の方法によって基板上に塗布する方法が挙げられるが、部分塗布が容易で膜厚精度が高い、スクリーン印刷が好ましい。
(ii)前記塗布膜を乾燥して乾燥膜を得る、乾燥(プリベーク)工程
加熱方法としては、ホットプレート又はオーブン等の加熱装置が挙げられる。加熱条件としては、50〜150℃で30秒〜30分間が一般的である。また、乾燥(プリベーク)後の膜厚は、1〜60μmとすることが好ましい。膜厚が1μm未満であると、これをタッチパネル等における加飾パターンとして用いる場合に、十分な明度が得られない場合がある。一方で、硬化パターンの厚さが60μmを超えると、得られた積層パターンにクラックが生じたり、得られた硬化パターンが剥がれたりする場合がある。
(iii)前記乾燥膜を露光して露光膜を得る、露光工程
露光方法としては、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)又はパラレルライトマスクアライナー(以下、「PLA」)等の露光機が挙げられる。露光条件としては、露光強度10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)が一般的である。露光光源としては、例えば、i線、g線若しくはh線等の紫外線、KrF(波長248nm)レーザー又はArF(波長193nm)レーザーが挙げられる。
(iv)前記露光膜を現像してパターンを得る、現像工程
現像方法としては、シャワー、ディッピング又はパドル等の方法で、現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩若しくはホウ酸塩等の無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン若しくはジエタノールアミン等のアミン類又はテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド若しくはコリン等の4級アンモニウム塩の水溶液が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜140℃で乾燥ベークをしても構わない。
(v)前記パターンを加熱して硬化パターンを得る、キュア工程
加熱方法としてはホットプレート又はオーブン等の加熱装置が挙げられる。加熱条件としては120〜280℃で15分〜2時間が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物から、前記(i)〜(v)の5つの工程を経て硬化パターンを形成する方法は、パターン寸法およびパターン直線性に優れることから、One−Glass−Solution(以下、OGSとする)方式のタッチパネルの製造方法として好適であり、得られる硬化パターンは、遮光性および反射色特性に優れることからOGS方式のタッチパネルにおける遮光パターンとして好適である。遮光パターンのOD値(光学密度)としては、遮光パターンの上部に形成される配線を遮蔽出来るため0.6以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。
<積層パターン付き基板の製造方法>
(1)支持体の表面に、組成物Aを塗布して塗布膜Aを得る、第一の塗布工程、及び
(2)前記塗布膜Aの表面に、組成物Bを塗布して塗布膜Bを得る、第二の塗布工程
組成物A及び組成物Bを塗布して、塗布膜A及び塗布膜Bをそれぞれ得る方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法、スリットコート法、スピンコート法、グラビアコート法又はスプレーコート法等が挙げられるが、部分塗布が容易で膜厚精度が高い、スクリーン印刷法が好ましい。
塗布膜A及び塗布膜Bの厚さは、得られる積層パターンの厚さが1〜40μmになることが好ましく、1〜25μmであることがより好ましい。積層パターンの厚さが1μm未満であると、これをタッチパネル等における加飾パターンとして用いる場合に、十分な明度が得られない場合がある。一方で、積層パターンの厚さが40μmを超えると、得られた積層パターンにクラックが生じたり、得られた積層パターンが剥がれたりする場合がある。
また、スクリーンメッシュ詰まりに起因するピンホール等の欠陥を防ぐため、複数回の塗布により塗布膜Bを形成することが好ましい。この場合、塗布膜Aの溶解を防ぐため、組成物Bを塗布する都度、塗布膜Bを加熱乾燥することが好ましい。熱風オーブン又は遠赤外線加熱炉(以下、IRオーブンと記載する場合がある)等の加熱装置を用いる加熱乾燥の条件としては、80〜120℃で5〜30分間程度が一般的である。
(3)前記塗布膜A及び前記塗布膜Bを一括して、前記塗布膜B側から露光して、露光膜Aと露光膜Bとの積層露光膜を得る、第一の露光工程
本発明の積層パターン付き基板の製造方法が備える第一の露光工程は、塗布膜A及び塗布膜Bを一括して、塗布膜B側から露光して、露光膜Aと露光膜Bとの積層露光膜を得る工程である。
塗布膜A及び塗布膜Bを露光する方法としては、例えば、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)又はパラレルライトマスクアライナー(以下、「PLA」)による、マスクを介した露光光の照射が挙げられる。露光膜Aとは、塗布膜Aが露光された膜をいい、露光膜Bとは、塗布膜Bが露光された膜をいう。また、塗布膜A及び塗布膜Bを一括して露光とは、塗布膜A及び塗布膜Bの両方に対して同時に露光光を照射することをいう。
露光光の光源としては、例えば、i線、g線若しくはh線等を含む紫外線、KrF(波長248nm)レーザー又はArF(波長193nm)レーザーが挙げられるが、工業的に広く使用されている紫外線が好ましく、具体的には高圧水銀紫外線ランプが好ましい。i線露光量換算(波長365nm)での積算露光量(以下、単に「露光量」)は、10〜1000mJ/cmが好ましく、現像工程における露光部の剥がれ等の抑止のため、50〜500mJ/cmがより好ましい。
(4)前記積層露光膜を現像して、パターンAとパターンBとの積層パターンを得る、現像工程
本発明の積層パターン付き基板の製造方法が備える現像工程は、露光膜Aと露光膜Bとの積層露光膜を現像して、パターンAとパターンBとの積層パターンを得る工程である。パターンAとは、露光膜Aを現像して得られたパターンをいい、パターンBとは、露光膜Bを現像して得られたパターンをいう。現像方法としては、シャワー、ディッピング又はパドル等の方法で、現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩若しくはホウ酸塩等の無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン若しくはジエタノールアミン等のアミン類又はテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド若しくはコリン等の4級アンモニウム塩の水溶液が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜140℃で乾燥ベークをしても構わない。
また、本発明の積層パターン付き基板の製造方法として第二の露光工程を追加しても良い。第二の露光工程とは、積層パターンを一括して、パターンA側から露光する工程である。積層パターンを露光する方法としては、第一の露光工程と同様の、露光光の照射が挙げられる。
第一の露光工程とは逆側の、パターンA側から再び露光光を照射することで、パターンAを必要十分に硬化させて、その耐溶剤性を顕著に向上させることができる。また、パターンB側からのみの露光光の照射を避けることで、パターンAを効率的に硬化させることができ、パターンBを過度に硬化させて、その曲げクラック耐性を低下させることもなくなる。この第二の露光工程を実行する効果は、塗布膜Bの露光波長における光吸収性又は光反射性が高く、第一の露光工程での露光光が遮蔽されて塗布膜Aまで十分に到達しないので、露光膜Aが必要十分に硬化されず、得られるパターンAの耐溶剤性が不十分となるような場合において、特に顕著なものとなる。なお、積層パターンを一括して露光とは、積層パターンを構成するパターンA及びパターンBの両方に対して同時に露光光を照射することをいう。
露光光の光源としては、第一の露光工程と同様のものが挙げられるが、第一の露光工程と第二の露光工程とで、異なる光源を用いても構わない。第二の露光工程は、現像工程の後に、支持体を介してパターンA側から露光をしても構わないし、又は、後述する剥離工程の後に、パターンA側から露光をしても構わない。第二の露光工程が支持体を介して実施される場合には、支持体が光散乱性粒子又は紫外線吸収剤等を含有せず、露光波長における光透過率が高いことが好ましい。第二の露光工程における露光量は、100〜2000mJ/cmが好ましく、200〜1000mJ/cmがより好ましい。露光量が100mJ/cm以上であると、必要十分にパターンAを硬化させることができる。一方で、露光量が2000mJ/cm以下であると、パターンAの過度な光硬化収縮による引張応力の発生に起因する、曲げクラック耐性の低下を抑制することができる。また、現像工程の後に支持体を介して露光光を照射する場合は、パターンAと支持体との適度な密着性を保持することができ、剥離工程の後にパターンA側から露光光を照射する場合は、パターンAのクラック発生を抑止することができる。
本発明の積層パターン付き基板の製造方法は、さらに積層パターンを支持体から剥離する、剥離工程を備えても構わない。本発明の積層パターンの製造方法が剥離工程を備えることで、支持体から剥離され、露出したパターンAの表面に、第二の露光工程において直接に露光光を照射することが可能となる。剥離の方法としては、例えば、加圧と加熱とを同時に行なう、熱プレスが挙げられる。より具体的には、積層パターンを構成するパターンBの表面を、別途用意した基板の表面に接触させ、加圧及び加熱をすることで基板に積層パターンを結合して、その後支持体を剥離する方法が挙げられる。熱プレスに用いる装置は、連続式又は枚葉式のいずれでも構わないが、気泡混入による歩留まり低下を回避するため、枚葉式の真空熱プレス機を用いることが好ましい。熱プレスの構成としては、例えば、上から順に上部熱板、凹凸追従性を有するシート、支持体/積層パターン(パターンA/パターンB)、基板、下部熱板を載置する構成が挙げられる。この構成においては、上部及び下部熱板を温度80〜150℃にして、面圧10〜1000N/cmで、5〜300秒間熱プレスをすることが好ましい。なお、凹凸追従性を有するシートとしては、例えば、シリコーン系耐熱樹脂シート又は内部空隙を有するスポンジ状耐熱ゴムシートが挙げられる。なお、剥離工程を実施する場合においては、支持体が適度な凹凸追従性を有することが好ましく、その厚さは、30〜150μmが好ましい。
本発明の積層パターン付き基板の製造方法においては、第二の露光工程と、前記第二の露光工程前に前記積層パターンを支持体から剥離する、剥離工程とを備えることが好ましい。第二の露光工程前に積層パターンを支持体から剥離することにより、上述のとおり、露出したパターンAの表面に、第二の露光工程において直接に露光光を照射することが可能になる。そのため、パターンAを十分な露光量により硬化させることができ、パターンAの過度な光硬化収縮による引張応力の発生に起因する、曲げクラック耐性の低下をより抑制することができる。
積層パターンを結合する基板がタッチパネルのカバーガラスであり、パターンAが光学濃度の高い黒色の加飾パターン、パターンBが明度の高い白色の加飾パターンである場合には、基板の表面と、積層パターンのパターンB側の面とが結合していることから、ユーザー側からは意匠性の高い白色の加飾パターンが視認されながら、かつ、積層された黒色の加飾パターンによって十分な遮光性が担保されている、タッチパネルの構成要素として好適な積層パターン付き基板を得ることができる。
すなわち本発明の積層パターン付き基板の製造方法により得られる積層パターン付き基板は、基板と、積層パターンと、を備え、積層パターンが基板に結合された積層パターン付き基板であり、前記基板の表面と、前記積層基板のパターンB側の面とが結合していることを特徴とする。
本発明の積層パターン付き基板の製造方法により得られる積層パターン付き基板をタッチパネルの構成要素として用いる場合には、タッチパネルのカバーガラスとなる基板の材料としては、波長380〜800nmの可視光を透過する材料が好ましく、厚さ0.1mm当たりの全光線透過率(JIS K7361−1準拠)が80%以上である材料がより好ましく、屈折率が1.30〜2.10である材料がさらに好ましい。
そのような材料としては、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド又はシクロオレフィン樹脂が挙げられるが、可視光の透過性の高いガラス、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート又はシクロオレフィンポリマーが好ましく、耐久性の高いガラスがより好ましい。ガラスとしては、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、熱強化ガラス又は化学強化ガラスが挙げられるが、タッチパネルのカバーガラスとして広く用いられている、化学強化ガラスが好ましい。ここで化学強化ガラスとは、化学的な処理によってガラス表面のナトリウムイオンをカリウムイオンに置き換える等して、硬度等の機械的物性を向上させたガラスをいう。基板の厚さは、積層パターンの明度と、十分な強度とを両立できる点で、0.4〜10.0mmが好ましく、0.5〜0.7mmがより好ましい。
本発明の積層パターン付き基板の製造方法は、さらに積層パターンを加熱して硬化された積層パターンを得る、加熱工程を備えることが好ましい。積層パターンを加熱することで、さらにパターンA及びパターンBを硬化させて、耐溶剤性を至適なものとすることができる。加熱の方法としては、例えば、熱風オーブン又はIRオーブン等の加熱装置を用いて、130〜180℃で15〜90分間加熱する方法が挙げられる。
本発明の積層パターン付き基板の製造方法により得られる積層パターン付き基板におけるパターンBを、入射光に対する反射色度(L*,a*,b*)が、それぞれ70.00≦L*≦99.00、−5.00≦b*≦5.00、−5.00≦a*≦5.00である白色の加飾パターンとして、その積層パターン形成基板をタッチパネルの構成要素とする場合には、光学濃度が3.00以上であり、かつ、明度が80.00以上であることが好ましく、光学濃度が4.00以上であり、かつ、明度が85.00以上であることがより好ましい。光学濃度が3.00未満であると、画像表示部周辺の金属配線がユーザーから視認されてしまう場合がある。なお、パターンBがパターンAを十分に隠蔽し、透けを防止するため、パターンB単層の光学濃度は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。
用いた溶媒の略記は以下のとおりである。
BCA : ブチルカルビトールアセテート
各合成例、実施例、比較例で使用した製品として、X−4007(日油(株)製)、MW−100LM(三和ケミカル(株)製)、デュラネートTPA−B80E(旭化成ケミカルズ製)、デスモジュールBL−4265、BL−3175、BL−3575、BL−3475(以上、住化コベストロウレタン(株)製)、M−315、M−405、M−510、M−520(以上、東亞合成(株)製)、N−1919(ADEKA(株)製)、イルガキュアTPO(BASFジャパン(株)製)、アルミキレートM(川研ファインケミカル(株)製)、カレンズMT−PE1(昭和電工(株)製)、BYK−077(ビックケミージャパン(株)製)、VG−3101L(プリンテック(株)製)を用いた。
<合成例1> 黒色顔料分散液(A1)の調製
30.0gの黒色顔料(カーボンブラック;平均一次粒子径24nm;MA−100;三菱化学(株)製)、4.20gの高分子分散剤(LPN−21116;ビックケミー(株)製)、及び、64.7gのBCAを混合し、予備撹拌した後、ロールミルを用いて分散/混練処理をして、黒色顔料分散液(A1)を得た。
<合成例2> 白色顔料分散液(A2)の調製
65.0gの白色顔料(ルチル型酸化チタン;平均一次粒子径0.3μm;アルミナ/シリカ被覆;R960;デュポン(株)製)、2.0gのX−4007、及び、733.0gのBCAを混合し、予備撹拌した後、ロールミルを用いて分散/混練処理をして、白色顔料分散液(A2)を得た。
<実施例1> 感光性黒色樹脂組成物(a−1)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−1)を得た。
<実施例2> 感光性黒色樹脂組成物(a−2)の調製
2.59gのX−4007(B1)と0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−2)を得た。
<実施例3> 感光性黒色樹脂組成物(a−3)の調製
2.23gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−510(D1)、0.060gのアルミキレートM(H1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−3)を得た。
<実施例4> 感光性黒色樹脂組成物(a−4)の調製
2.23gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−510(D1)、0.060gのジブチルスズ(H2)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−4)を得た。
<実施例5> 感光性黒色樹脂組成物(a−5)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−520(D2)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−5)を得た。
<実施例6> 感光性黒色樹脂組成物(a−6)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−405(D3)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−6)を得た。
<実施例7> 感光性黒色樹脂組成物(a−7)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのBL−4265(C2)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−7)を得た。
<実施例8> 感光性黒色樹脂組成物(a−8)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのBL−3175(C3)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−8)を得た。
<実施例9> 感光性黒色樹脂組成物(a−9)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのBL−3575(C4)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−9)を得た。
<実施例10> 感光性黒色樹脂組成物(a−10)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのBL3475(C5)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−10)を得た。
<比較例1> 感光性黒色樹脂組成物(a−11)の調製
2.83gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.47gのBCA(G1)で希釈し、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−11)を得た。
<比較例2> 感光性黒色樹脂組成物(a−12)の調製
2.29gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.60gのVG−3101L、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.47gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−12)を得た。
<比較例3> 感光性黒色樹脂組成物(a−13)の調製
2.83gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)、0.18gのN−1919(E1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−13)を得た。
<比較例4> 感光性黒色樹脂組成物(a−14)の調製
2.41gのX−4007(B1)と0.30gのMW−100LM(F1)を5.32gのBCA(G1)で希釈し、0.75gのTPA−B80E(C1)、0.60gのM−510(D1)、0.18gのMT−PE1、0.0030gのBYK−077及び5.38gの黒色顔料分散液(A1)を加え、攪拌し、感光性黒色樹脂組成物(a−14)を得た。
<実施例11> 感光性白色樹脂組成物(b−1)の調製
1.78gのX−4007(B1)とMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E(C1)、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−1)を得た。
<実施例12> 感光性白色樹脂組成物(b−2)の調製
2.27gのX−4007(B1)と0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E(C1)、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−2)を得た。
<実施例13> 感光性白色樹脂組成物(b−3)の調製
1.69gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E(C1)、0.98gのM−315(D4)、0.098gのアルミキレートM(H1)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−3)を得た。
<実施例14> 感光性白色樹脂組成物(b−4)の調製
1.69gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E(C1)、0.98gのM−315(D4)、0.098gのジブチルスズ(H2)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−4)を得た。
<実施例15> 感光性白色樹脂組成物(b−5)の調製
1.78gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E(C1)、0.98gのM−405(D3)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−5)を得た。
<実施例16> 感光性白色樹脂組成物(b−6)の調製
1.78gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのBL−4265(C2)、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−6)を得た。
<実施例17> 感光性白色樹脂組成物(b−7)の調製
1.78gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのBL−3175(C3)、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−7)を得た。
<実施例18> 感光性白色樹脂組成物(b−8)の調製
1.78gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのBL−3175(C4)、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−8)を得た。
<比較例5> 感光性白色樹脂組成物(b−9)の調製
2.76gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.77gのBCA(G1)で希釈し、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−9)を得た。
<比較例6> 感光性白色樹脂組成物(b−10)の調製
1.78gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.77gのBCA(G1)で希釈し、0.98gのVG−3101L、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−10)を得た。
<比較例7> 感光性白色樹脂組成物(b−11)の調製
2.76gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)、0.49gのイルガキュアTPO(E2)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−11)を得た。
<比較例8> 感光性白色樹脂組成物(b−12)の調製
2.27gのX−4007(B1)と0.49gのMW−100LM(F1)を2.52gのBCA(G1)で希釈し、1.22gのTPA−B80E、0.98gのM−315(D4)、0.020gのBYK−077及び7.51gの白色顔料分散液(A2)を加え、攪拌し、感光性白色樹脂組成物(b−12)を得た。
<実施例19>
[現像性の評価]
感光性黒色樹脂組成物(a−1)を支持体(メラミン系離型層付き二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム;セラピール;フィルム幅50cm、巻きの長さ100m;東レ(株)製)の離型層が形成された面に、スクリーン印刷機とステンレス製のスクリーンメッシュとを用いて部分塗布した後、オーブンを用いて、100℃で10分間プリベークし、プリベーク膜(a−1)を作製した。得られたプリベーク膜(a−1)の表面に、感光性白色樹脂組成物(b−1)を塗布し、100℃で10分間プリベークする作業を二回繰り返して、プリベーク膜(b−1)を得た。得られたプリベーク膜について、PLAを用い、高圧水銀紫外線ランプを光源とし、露光量500mJ/cmで、塗布膜(b−1)側から一括露光して、露光膜(a−1)と露光膜(b−1)との積層露光膜を得た。得られた積層露光膜を、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて0.045質量%水酸化カリウム水溶液で150秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間シャワーリンスし、さらにエアーブローをして、パターン(a−1)とパターン(b−1)との積層パターンを得た。現像液をシャワーし始め、積層された露光膜の未露光部が溶解し、支持体が露出した時間を測定した。露出までに掛かった時間が短いほど現像性が良好であることを示し、この時間を現像性の指標とし、以下の基準に基づき、現像性が2以上を合格、すなわち、加飾パターン形成可能とした。用いた感光性樹脂組成物の組成及び評価結果を表1に示す。
現像性評価基準
3:1〜100秒
2:101〜130秒
1:131〜150秒
0:>150秒
[耐溶剤性の評価]
現像性の評価と同様の方法で、パターン(a−1)とパターン(b−1)との積層パターンを得た。PLAを用い、高圧水銀紫外線ランプを光源とし、露光量1000mJ/cmで、積層パターンを一括して、支持体を介してパターンa側から全面露光した。
支持体を個片状にカットし、積層パターンのパターン(b−1)側の面を、縦15cm、横15cm、厚さ0.5mmのカバーガラス用化学強化ガラス基板(DRAGON TRAIL X;旭硝子(株)製)上に重ねて置き、真空貼り合わせ装置(バキュームスター;ミカドテクノス(株)製)を用いて、上部熱板(105℃)、凹凸追従性を有するシートである耐熱ゴムシート(バキュームスター用シート;ミカドテクノス(株)製)、支持体/積層パターン(パターン(a−1)/パターン(b−1))、化学強化ガラス基板、下部熱板(105℃)を上から順に載置する構成において、面圧20N/cmで、真空下(50Pa)90秒間熱プレスをして、化学強化ガラス基板の表面に積層パターンを結合して、支持体を剥離した。
ガラス基板の表面に結合させた積層パターンはオーブンを用いて、150℃で30分間加熱乾燥して、積層パターンを備える、積層パターン付き基板を得た。得られた積層パターン付き基板について、積層パターンの耐溶剤性について評価した。
試験用溶剤として、イソプロピルアルコールとエタノール、アセトンを十分に染み込ませた綿製の白布(カナキン3号)を摩擦子として、積層パターン1のパターン(a−1)側の表面に接触するよう重ねて、学振型ラビングテスターを用いて、一定荷重条件下(300g/cm)でラビング試験(10回往復)を行なった後、白布への黒色付着の有無を観察し、以下の判定基準に基づいて耐溶剤性を評価した。評価結果については表1に示す。
○ : 黒色付着が観られない
× : 黒色付着が観られる
<実施例20〜28>
感光性黒色樹脂組成物をa−2〜10へ変えて、実施例19と同様の評価を行った。用いた感光性樹脂組成物の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2017134147
<実施例29〜37>
感光性白色樹脂組成物をb−2〜9へ変えて、実施例19と同様の評価を行った。用いた感光性樹脂組成物の組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 2017134147
<比較例9〜12>
感光性黒色樹脂組成物をa−11〜14へ、感光性白色樹脂組成物をb−9へ変えて、実施例19と同様の評価を行った。用いた感光性樹脂組成物の組成及び評価結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、比較例9および比較例11〜12より得られる膜は、硬化が不十分であることによる耐溶剤性不足の点で、比較例10より得られる膜は、プリベークで硬化が進行してしまい、現像性不足の点で、いずれも満足する膜を形成することができなかった。
Figure 2017134147
<比較例13〜15>
感光性黒色樹脂組成物をa−11へ、感光性白色樹脂組成物をb−10〜12へ変えて、実施例19と同様の評価を行った。用いた感光性樹脂組成物の組成及び評価結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、比較例14〜15より得られる膜は、硬化が不十分であることによる耐溶剤性不足の点で、比較例13より得られる膜は、プリベークで硬化が進行してしまい、現像性不足の点で、いずれも満足する膜を形成することができなかった。

Claims (16)

  1. (A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)ブロック化イソシアネート化合物、(D)光重合性モノマー、および(E)光重合開始剤、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるブロック化剤でブロックされている、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2017134147
    (一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6の有機基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
    Figure 2017134147
    (一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。Xは炭素原子または窒素原子を表す。)
    Figure 2017134147
    (一般式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
  3. 前記(C)ブロック化イソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体又はイソシアヌレート体のイソシアネート基がブロックされたブロック化イソシアネート化合物である、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)アルカリ可溶性樹脂が側鎖に不飽和二重結合を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(D)光重合性モノマーの酸価が1〜300(mgKOH/kg)である、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(D)光重合性モノマーが不飽和二重結合を2〜8個有する、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. (F)下記一般式(4)で表される官能基を有する架橋剤を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2017134147
    (一般式(4)中、Rは水素原子または炭素数1〜6の有機基を表す。)
  8. (G)沸点が180℃〜300℃である溶剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  9. (H)硬化促進剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. スクリーン印刷で使用される請求項1〜9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる膜。
  12. 請求項11に記載の膜を具備するタッチパネル。
  13. (i)請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を得る、塗布工程、
    (ii)前記塗布膜を乾燥して乾燥膜を得る、乾燥工程、
    (iii)前記乾燥膜を露光して露光膜を得る、露光工程、
    (iv)前記露光膜を現像してパターンを得る、現像工程、及び、
    (v)前記パターンを加熱して硬化パターンを得る、キュア工程
    を備える、硬化パターン付き基板の製造方法。
  14. (1)支持体の表面に、組成物Aを塗布して塗布膜Aを得る、第一の塗布工程と、
    (2)前記塗布膜Aの表面に、組成物Bを塗布して塗布膜Bを得る、第二の塗布工程と、
    (3)前記塗布膜A及び前記塗布膜Bを一括して、前記塗布膜B側から露光して、露光膜Aと露光膜Bとの積層露光膜を得る、第一の露光工程と、
    (4)前記積層露光膜を現像して、パターンAとパターンBとの積層パターンを得る、現像工程と、
    を備える、積層パターンを基板に結合する積層パターン付き基板の製造方法であり、組成物Aおよび/又は組成物Bが請求項1〜10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である積層パターン付き基板の製造方法。
  15. さらに第二の露光工程と、前記第二の露光工程前に前記積層パターンを支持体から剥離する、剥離工程とを備える、請求項14に記載の積層パターン付き基板の製造方法。
  16. さらに前記積層パターンを加熱して硬化された積層パターンを得る、加熱工程を備える、請求項14または15に記載の積層パターン付き基板の製造方法。
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