JP2017101215A - 冷凍機油 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍機油の耐摩耗性を向上させるため、コンプレックスエステル、あるいは酸性の添加剤を用いた場合でも、安定性が改善された冷凍機油の提供。
【解決手段】炭素数4〜18の一価アルコール及び炭素数が4〜18の一価脂肪酸から選ばれる少なくとも1種とエステル中間体とのコンプレックスエステルを含有する潤滑油基油であって、エステル中間体が、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸から選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステルである、潤滑油基油と、式(A)で表されるエポキシ化合物と、式(B)で表されるエポキシ化合物と、を含有する冷凍機油。
Figure 2017101215

Figure 2017101215

(Rはアリール、アルキル又はアルケニル;Rはアリール又はアルキル)
【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍機油に関する。
冷蔵庫、カーエアコン、ルームエアコン、自動販売機などの冷凍機は、冷媒を冷凍サイクル内に循環させるためのコンプレッサを備える。そして、コンプレッサには、摺動部材を潤滑するための冷凍機油が充填される。冷凍機油においては、安定性を向上させる観点から、基油の精製度を向上させて基油の酸価及び水酸基価を小さくすることが一般的である(例えば特許文献1)。
特開2012−052135号公報
ところで、冷凍機油の耐摩耗性を向上させる観点から、基油としてコンプレックスエステルを用いることが検討されている。しかし、コンプレックスエステルの酸価、水酸基価は必ずしも小さくはなく、コンプレックスエステルを用いた場合の冷凍機油の安定性は必ずしも十分ではない。
また、冷凍機油には、耐摩耗性等を向上させる観点から、例えばリン系、硫黄系、リン−硫黄系の極圧剤が配合されることがある。これらの極圧剤のうち特に酸性の極圧剤は、活性が高いがゆえにそれ自体必ずしも安定ではなく、ひいては冷凍機油を劣化させてしまう要因となり得る。そのため、そのような酸性の添加剤を含有する冷凍機油の安定性を確保することは、必ずしも容易ではない。
すなわち、酸価や水酸基価が一定レベルを超える基油(例えばコンプレックスエステル)を用いる場合、さらには酸性の添加剤を併用する場合には、冷凍機油の安定性の点で克服すべき困難な課題が存在しているといえる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、例えばコンプレックスエステルを用いた場合、あるいは酸性の添加剤を用いた場合であっても、安定性が改善された冷凍機油を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の潤滑油基油と特定の2種類のエポキシ化合物とを組み合わせて用いると、例えば酸性の添加剤を用いた場合であっても、冷凍機油の安定性が確保されることを見出した。
すなわち、本発明は、炭素数4〜18の一価アルコール及び炭素数が4〜18の一価脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種とエステル中間体とのコンプレックスエステルを含有する潤滑油基油であって、エステル中間体が、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステルである、潤滑油基油と、下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物と、下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物と、を含有する冷凍機油を提供する。
Figure 2017101215

[式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
Figure 2017101215

[式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
冷凍機油は、酸性リン化合物を更に含有していてもよい。
本発明によれば、例えばコンプレックスエステルを用いた場合、あるいは酸性の添加剤を用いた場合であっても、安定性が改善された冷凍機油を提供することができる。
本実施形態に係る冷凍機油は、潤滑油基油と、下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物(以下、単に「グリシジルエステル型エポキシ化合物」ともいう)と、下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物(以下、単に「グリシジルエーテル型エポキシ化合物」ともいう)と、を含有する。
Figure 2017101215

[式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
Figure 2017101215

[式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
潤滑油基油は、炭素数4〜18の一価アルコール及び炭素数が4〜18の一価脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種とエステル中間体とのコンプレックスエステル(以下、単に「コンプレックスエステル」ともいう)を含有する。当該エステル中間体は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステルである。
コンプレックスエステルは、例えば以下の(a−1)又は(a−2)のエステルである。
(a−1)ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステル中間体であって、カルボキシル基を有するエステル中間体と、
炭素数4〜18の一価アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、のエステル
(a−2)ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステル中間体であって、水酸基を有するエステル中間体と、
炭素数が4〜18の一価脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と、のエステル
コンプレックスエステルは、例えば以下の(b−1)又は(b−2)の方法で合成されるエステルである。
(b−1)ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのモル比を調整して、多塩基酸のカルボキシル基の一部がエステル化されずに残存するようにエステル中間体を合成し、次いで、その残存するカルボキシル基を炭素数4〜18の一価アルコールでエステル化する方法
(b−2)ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのモル比を調整して、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されずに残存するようにエステル中間体を合成し、次いで、その残存する水酸基を炭素数4〜18の一価脂肪酸でエステル化する方法
上記(a−2)のコンプレックスエステル(上記(b−2)の方法により得られるコンプレックスエステル)は、冷凍機油としての使用時に加水分解すると比較的強い酸が生成するため、上記(a−1)のコンプレックスエステル(上記(b−1)の方法により得られるコンプレックスエステル)に比べて安定性が若干劣る傾向にある。かかる観点から、コンプレックスエステルとしては、安定性の点でより優れる上記(a−1)のコンプレックスエステル(上記(b−1)の方法により得られるコンプレックスエステル)が好ましく用いられる。
コンプレックスエステルを構成する多価アルコールは、好適な冷凍機油の粘度を確保し、良好な低温特性が得られる観点から、好ましくはネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンであり、幅広く粘度調整ができる観点から、より好ましくはネオペンチルグリコールである。
コンプレックスエステルを構成する多価アルコールは、潤滑性に優れる観点から、好ましくは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はペンタエリスリトールに加えて、ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールを更に含有する。ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらの中では、潤滑油基油の特性に優れる観点から、ブタンジオールが好ましく用いられる。ブタンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどが挙げられる。これらの中では、潤滑油基油の特性に優れる観点から、1,3−ブタンジオール又は1,4−ブタンジオールが好ましく用いられる。ネオペンチルグリコール以外の炭素数2〜10の二価アルコールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールの合計量1モルに対して、好ましくは1.2モル以下、より好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.4モル以下で用いられる。
炭素数6〜12の多塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。当該多塩基酸は、コンプレックスエステルの特性のバランスに優れ、入手が容易である観点から、好ましくはアジピン酸又はセバシン酸、より好ましくはアジピン酸である。炭素数6〜12の多塩基酸は、上記多価アルコール1モルに対して、好ましくは0.4モル〜4モル、より好ましくは0.5モル〜3モル、更に好ましくは0.6モル〜2.5モルで用いられる。
炭素数4〜18の一価アルコールとしては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコールが挙げられる。これらの一価アルコールは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数4〜18の一価アルコールは、コンプレックスエステルの特性のバランスに優れる観点から、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の一価アルコールである。これらの中でも、コンプレックスエステルの低温特性に優れる観点から、2−エチルヘキサノール又は3,5,5−トリメチルヘキサノールが好ましく用いられる。
炭素数4〜18の一価アルコールは、エステル中間体におけるカルボキシル基1モルに対して、好ましくは0.5モル〜4モル、より好ましくは0.8モル〜2モル、更に好ましくは1.0モル〜1.5モルで用いられる。当該一価アルコールは、エステル中間体におけるカルボキシル基を完全にエステル化することができる観点からは、好ましくは、エステル中間体におけるカルボキシル基1モルに対して1.0モル又は1.0モルを超える量で用いられる。エステル中間体と一価アルコールとの反応後には、残存する未反応の一価アルコールの一部又は全部を留去することが好ましい。
炭素数4〜18の一価脂肪酸としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸などが挙げられる。これらの一価脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数4〜18の一価脂肪酸は、好ましくは炭素数8〜10の一価脂肪酸であり、コンプレックスエステルの低温特性に優れる観点から、より好ましくは2−エチルヘキサン酸又は3,5,5−トリメチルヘキサン酸である。
炭素数4〜18の一価脂肪酸は、エステル中間体における水酸基1モルに対して、好ましくは0.5モル〜4モル、より好ましくは0.8モル〜2モル、更に好ましくは1.0モル〜1.5モルで用いられる。当該一価脂肪酸は、エステル中間体における水酸基を完全にエステル化することができる観点からは、好ましくは、エステル中間体における水酸基1モルに対し1.0モル又は1.0モルを超える量で用いられる。エステル中間体と一価脂肪酸との反応後には、残存する未反応の一価脂肪酸の一部又は全部を留去することが好ましい。
コンプレックスエステルの水酸基価は、摩擦低減効果が発揮されやすくなる観点から、好ましくは0.01mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上である。コンプレックスエステルの水酸基価は、好適な体積抵抗率を有する冷凍機油が得られる観点から、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下である。本発明における水酸基価は、JIS K0070−1992に準拠して測定された水酸基価を意味する。
コンプレックスエステルの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上であり、好ましくは10000以下であってよく、より好ましくは5000以下であってよく、更に好ましくは3000以下であってよい。
コンプレックスエステルの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上であり、好ましくは10000以下であってよく、より好ましくは5000以下であってよく、更に好ましくは3000以下であってよい。
コンプレックスエステルの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.5以上であり、好ましくは3以下であってよく、より好ましくは2.5以下であってよく、更に好ましくは2.0以下であってよい。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びMw/Mnの値を上記範囲内とすることで、冷媒溶解粘度を高め、耐摩耗性を向上できるとともに、冷媒との相溶性を望ましい範囲に維持することができる。
コンプレックスエステルの平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、例えば以下の方法により測定される。溶剤としてクロロホルムを使用し、希釈してコンプレックスエステル濃度を1質量%とした溶液を調製する。その溶液を、GPC装置(Waters Alliance2695)を用いて分析を行う。溶剤の流速は1ml/min、分析可能分子量100から10000のカラムを使用し、屈折率検出器を用いて分析を実施する。なお、分子量が明確なポリスチレン標準を用いてカラム保持時間と分子量との関係を求め、検量線を別途作成した上で、得られた保持時間から分子量を決定する。
コンプレックスエステルの40℃における動粘度は、好ましくは30mm/s以上、より好ましくは50mm/s以上、更に好ましくは80mm/s以上、特に好ましくは120mm/sであり、180mm/s以上であってもよい。コンプレックスエステルの40℃における動粘度は、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは300mm/s以下であり、180mm/s未満であってもよい。コンプレックスエステルの40℃における動粘度は、好ましくは30〜1000mm/s、より好ましくは50〜300mm/s、更に好ましくは80〜300mm/s、特に好ましくは120〜180mm/sであってよく、30〜120mm/s、50〜80mm/s、180〜500mm/s又は200〜300mm/sであってもよい。
コンプレックスエステルの100℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは5mm/s以上、更に好ましくは8mm/sであってよい。コンプレックスエステルの100℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下、更に好ましくは30mm/s以下であってよい。
コンプレックスエステルの粘度指数は、好ましくは80以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは120以上であってよく、好ましくは200以下、より好ましくは160以下、更に好ましくは150以下であってよい。本発明における動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定又は算出された動粘度及び粘度指数をそれぞれ意味する。
コンプレックスエステルの含有量は、基油全量基準で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。コンプレックスエステルの含有量を上記範囲とすることで、冷媒溶解粘度を高め、耐摩耗性を向上できるとともに、冷媒との相溶性を望ましい範囲に維持することができる。
潤滑油基油は、コンプレックスエステルに加えて、その他の基油を含有していてもよい。その他の基油としては、炭化水素油、含酸素油などが挙げられる。炭化水素油としては、鉱油系炭化水素油、合成系炭化水素油などが挙げられる。含酸素油としては、コンプレックスエステル以外のエステル、エーテル、カーボネート、ケトン、シリコーン、ポリシロキサンなどが挙げられる。潤滑油基油は、好ましくはコンプレックスエステル以外のエステル、より好ましくはポリオールエステルを更に含有する。
ポリオールエステルは、多価アルコールと脂肪酸とのエステルである。脂肪酸としては、飽和脂肪酸が好ましく用いられる。脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、更に好ましくは4〜9、特に好ましくは5〜9である。ポリオールエステルは、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されずに水酸基のまま残っている部分エステルであってもよく、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、また部分エステルと完全エステルとの混合物であってもよい。ポリオールエステルの水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは5mgKOH/g以下、更に好ましくは3mgKOH/g以下である。
ポリオールエステルを構成する脂肪酸に占める炭素数4〜20の脂肪酸の割合は、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。
炭素数4〜20の脂肪酸としては、具体的には、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸が挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。当該脂肪酸は、好ましくはα位及び/又はβ位に分岐を有する脂肪酸であり、より好ましくは、2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサデカン酸などがより好ましく、中でも2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸から選ばれる。
脂肪酸は、炭素数4〜20の脂肪酸以外の脂肪酸を更に含んでいてもよい。炭素数4〜20の脂肪酸以外の脂肪酸は、例えば炭素数21〜24の脂肪酸であってよく、具体的には、ヘンイコ酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等であってよい。これらの脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
ポリオールエステルを構成する多価アルコールとしては、2〜6個の水酸基を有する多価アルコールが好ましく用いられる。多価アルコールの炭素数は、好ましくは4〜12、より好ましくは5〜10である。多価アルコールは、好ましくは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのヒンダードアルコールであり、冷媒との相溶性及び加水分解安定性に特に優れることから、より好ましくは、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、又はペンタエリスリトールとジペンタエリスリトールとの混合エステルである。
ポリオールエステルの含有量は、コンプレックスエステルの含有量に応じて適宜調整されるが、基油全量基準で、例えば、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であってよく、また、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上であってよい。潤滑油基油の40℃における動粘度は、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下であってよい。潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上であってよい。潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下であってよい。
潤滑油基油の含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
グリシジルエステル型エポキシ化合物は、下記式(A)で表され、具体的には、例えばグリシジルベンゾエート、グリシジルステアレート、グリシジルネオデカノエート、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートであってよい。
Figure 2017101215

[式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
は、安定性の点で更に優れる観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは分岐状のアルキル基である。同様の観点から、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは18以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは12以下、特に好ましくは10以下である。当該アルキル基の炭素数は、エポキシ化合物の安定性の観点から、例えば5以上であってよい。
グリシジルエステル型エポキシ化合物の含有量は、安定性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上である。グリシジルエステル型エポキシ化合物の含有量は、潤滑性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
グリシジルエーテル型エポキシ化合物は、下記式(B)で表され、具体的には、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルであってよい。
Figure 2017101215

[式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
は、安定性の点で更に優れる観点から、好ましくはアルキル基、より好ましくは分岐状のアルキル基である。同様の観点から、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。当該アルキル基の炭素数は、エポキシ化合物の安定性の観点から、例えば5以上であってよい。
グリシジルエーテル型エポキシ化合物の含有量は、安定性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上である。グリシジルエーテル型エポキシ化合物の含有量は、潤滑性の向上の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
冷凍機油は、潤滑油基油、グリシジルエステル型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル型エポキシ化合物に加えて、その他の添加剤を更に含有していてもよい。添加剤としては、グリシジルエステル型エポキシ化合物及びグリシジルエーテル型エポキシ化合物以外の酸捕捉剤、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、消泡剤、金属不活性化剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、摩擦調整剤、防錆剤などが挙げられる。その他の添加剤の含有量は、冷凍機油全量基準で、5質量%以下であってよく、2質量%以下であってもよい。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは摩耗防止剤を更に含有する。好適な摩耗防止剤としては、例えばリン酸エステル、チオリン酸エステル、スルフィド化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛が挙げられる。リン酸エステルは、好ましくは、トリフェニルフォスフェート(TPP)又はトリクレジルフォスフェート(TCP)である。チオリン酸エステルは、好ましくはトリフェニルホスフォロチオネート(TPPT)である。スルフィド化合物としては、冷凍機油の安定性を確保し、冷凍機器内部に多く使用されている銅の変質を抑制できる点から、モノスルフィド化合物が好ましく用いられる。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは酸化防止剤を更に含有する。酸化防止剤としては、ジ−tert.ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物、アルキルジフェニルアミン等のアミン系化合物などが挙げられる。
冷凍機油は、その他の添加剤の中でも、好ましくは摩擦調整剤、極圧剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤を更に含有する。摩擦調整剤としては、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族イミド、アルコール、エステルなどが挙げられる。極圧剤としては、硫化オレフィン、硫化油脂などが挙げられる。防錆剤としては、アルケニルコハク酸のエステル又は部分エステルなどが挙げられる。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。消泡剤としては、シリコーン化合物、ポリエステル化合物などが挙げられる。
冷凍機油は、酸価が0.01mg/KOH以上、1mg/KOH以上、10mg/KOH以上、50mg/KOH以上、又は100mg/KOH以上である添加剤(酸性添加剤)を更に含有していてもよい。酸性添加剤の酸価は、例えば500mg/KOH以下、400mg/KOH以下、又は200mg/KOH以下であってよい。本発明における酸価は、JIS K2501:2003に準拠して測定された酸価を意味する。
酸性添加剤の含有量は、冷凍機油全量基準で、例えば0.001質量%以上、0.01質量%以上であってよく、5質量%以下、2質量%以下、又は1質量%以下であってよい。本実施形態に係る冷凍機油においては、酸性添加剤を含有する場合であっても、安定性の改善が図られている。
酸性添加剤は、例えば酸性リン化合物(酸性リン系摩耗防止剤)であってよく、具体的には、酸性リン酸エステル化合物、酸性亜リン酸エステル化合物等であってよい。酸性リン酸エステル化合物としては、酸性リン酸エステル、当該酸性リン酸エステルのアミン塩などが挙げられる。酸性亜リン酸エステル化合物としては、酸性亜リン酸エステル、当該酸性亜リン酸エステルのアミン塩などが挙げられる。
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
酸性リン酸エステルのアミン塩は、例えば、上記の酸性リン酸エステルと炭素数1〜24のアルキルアミンとの塩であってよい。アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどが挙げられる。
酸性亜リン酸エステルとしては、ジ−n−ブチルハイドロジェンホスファイト、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジェンホスファイト、ジデシルハイドロジェンホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジステアリルハイドロジェンホスファイト、ジオレイルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホスファイトなどが挙げられる。酸性亜リン酸エステルのアミン塩は、例えば、上記の酸性亜リン酸エステルと炭素数1〜24のアルキルアミンとの塩であってよく、当該アルキルアミンは上記のアルキルアミンであってよい。
冷凍機油の40℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上であってよい。冷凍機油の40℃における動粘度は、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下であってよい。冷凍機油の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上であってよい。冷凍機油の100℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下であってよい。
冷凍機油の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下であってよい。本発明における流動点は、JIS K2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
冷凍機油の体積抵抗率は、好ましくは1.0×10Ω・m以上、より好ましくは1.0×1010Ω・m以上、更に好ましくは1.0×1011Ω・m以上であってよい。特に、密閉型の冷凍機用に用いる場合には高い電気絶縁性であると好ましい。本発明における体積抵抗率は、JIS C2101:1999に準拠して測定した25℃での体積抵抗率を意味する。
冷凍機油の水分含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であってよい。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、冷凍機油の熱・化学的安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが好ましい。
冷凍機油の酸価(初期酸価)は、例えば0.02mgKOH/g以上、0.03mgKOH/g以上、又は0.05mgKOH/g以上であってよい。本実施形態に係る冷凍機油では、初期酸価が上記の範囲であるような酸価が上昇しやすい場合であっても、安定性の改善が図られている。冷凍機油の酸価(初期酸価)は、例えば0.2mgKOH/g以下、又は0.1mgKOH/g以下であってよい。なお、冷凍機油の酸価(初期酸価)は、0.02mgKOH/g未満(例えば0.00mgKOH/g)又は0.02mgKOH/g以下であってもよく、この場合も本実施形態に係る冷凍機油の処方を適用できることはいうまでもない。
冷凍機油の灰分は、冷凍機油の熱・化学的安定性を高めスラッジ等の発生を抑制する観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下であってよい。本発明における灰分は、JIS K2272:1998に準拠して測定された灰分を意味する。
本実施形態に係る冷凍機油は、冷媒と共に用いられる。本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物は、本実施形態に係る冷凍機油と、冷媒とを含有する。かかる冷媒としては、飽和フッ化炭化水素冷媒、不飽和フッ化炭化水素冷媒、炭化水素冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ビス(トリフルオロメチル)サルファイド冷媒、3フッ化ヨウ化メタン冷媒、及び、アンモニア、二酸化炭素等の自然系冷媒が例示される。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは1〜2の飽和フッ化炭化水素が挙げられる。具体的には、ジフルオロメタン(R32)、トリフルオロメタン(R23)、ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)、フルオロエタン(R161)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(R227ea)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、および1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(R365mfc)、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、ジフルオロメタン(R32)が好ましく用いられる。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、上記の中から用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばR32単独;R23単独;R134a単独;R125単独;R134a/R32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;R32/R125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;R125/R143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;R134a/R32/R125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;R134a/R32/R125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;R125/R134a/R143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物などが好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、R134a/R32=70/30質量%の混合物;R32/R125=60/40質量%の混合物;R32/R125=50/50質量%の混合物(R410A);R32/R125=45/55質量%の混合物(R410B);R125/R143a=50/50質量%の混合物(R507C);R32/R125/R134a=30/10/60質量%の混合物;R32/R125/R134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);R32/R125/R134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);R125/R134a/R143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)などを用いることができる。
不飽和フッ化炭化水素(HFO)冷媒は、好ましくはフッ素数が3〜5のフルオロプロペンであり、より好ましくは、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、及び3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)のいずれかの1種又は2種以上の混合物である。不飽和フッ化炭化水素冷媒は、冷媒物性の観点からは、好ましくは、HFO−1225ye、HFO−1234ze及びHFO−1234yfから選ばれる1種又は2種以上である。
炭化水素冷媒は、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素であり、具体的には、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン(R290)、シクロプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン、2−メチルブタン、ノルマルペンタン又はこれらの2種以上の混合物であってよい。炭化水素冷媒は、好ましくは、25℃、1気圧で気体の炭化水素冷媒であり、より好ましくは、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、2−メチルブタン又はこれらの混合物である。
冷凍機油は、通常、冷凍機において、冷媒と混合された冷凍機用作動流体組成物の形で存在している。冷凍機用作動流体組成物における冷凍機油の含有量は、冷媒100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは2〜400質量部であってよい。
本実施形態に係る冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有するエアコン、冷蔵庫、開放型又は密閉型のカーエアコン、除湿機、給湯器、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置、遠心式の圧縮機を有するもの等に好適に用いられる。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に示す基油を用いて、表1に示す組成(質量%、基油全量基準)を有する基油を調製した。
[基油]
基油a:ネオペンチルグリコール(1モル)、1,4−ブタンジオール(0.2モル)及びアジピン酸(2モル)のエステル中間体と、3,5,5−トリメチルヘキサノール(1モル)とのコンプレックスエステルで、残存する未反応物の多くを蒸留で除去したもの(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、Mn:1210、Mw:2140、Mw/Mn:1.7、40℃動粘度:150mm/s、100℃動粘度:18.4mm/s、粘度指数:138)
基油b:ペンタエリスリトールと2−メチルプロパン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸(モル比:0.4/0.6)とのポリオールエステル(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価<1mgKOH/g、40℃動粘度:68mm/s、100℃動粘度:8.2mm/s、粘度指数:84)
基油c:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸(モル比:0.5/0.5)とのポリオールエステル(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価<1mgKOH/g、40℃動粘度:68mm/s、100℃動粘度:8.3mm/s、粘度指数:88)
基油d:ペンタエリスリトールとn−ペンタン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸(モル比:0.4/0.6)とのポリオールエステル(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価<1mgKOH/g、40℃動粘度:51mm/s、100℃動粘度:7.4mm/s、粘度指数:105)
基油e:ネオペンチルグリコール(1モル)、1,4−ブタンジオール(0.3モル)及びアジピン酸(2.4モル)のエステル中間体と、3,5,5−トリメチルヘキサノール(2.5モル)とのコンプレックスエステルで、残存する未反応物の多くを蒸留で除去したもの(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価30mgKOH/g、Mn:980、Mw:1570、Mw/Mn:1.6、40℃動粘度:67.8mm/s、100℃動粘度:10.6mm/s、粘度指数:145)
基油f:ネオペンチルグリコール(1モル)、1,4−ブタンジオール(0.2モル)及びアジピン酸(1.7モル)のエステル中間体と、3,5,5−トリメチルヘキサノール(0.8モル)とのコンプレックスエステルで、残存する未反応物の多くを蒸留で除去したもの(酸価<0.01mgKOH/g、水酸基価25mgKOH/g、Mn:1340、Mw:2370、Mw/Mn:1.8、40℃動粘度:220mm/s、100℃動粘度:24.2mm/s、粘度指数:138)
Figure 2017101215
基油A〜D及び下記添加剤を用いて表2〜5に示す組成(質量%、冷凍機油全量基準)を有する冷凍機油を調製した。
[添加剤]
A1:グリシジル−ジメチルオクタノエート(下記式(A1))
B1:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(下記式(B1))
B2:4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(下記式(B2))
Figure 2017101215

Figure 2017101215

Figure 2017101215
なお、各冷凍機油に共通して、上記の基油及び添加剤に加えて、酸性リン酸エステルのアミン塩(酸価:140mgKOH/g)0.05質量%、トリクレジルホスフェート(酸価≦0.01mgKOH/g)0.5質量%及び2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール0.3質量%(いずれも冷凍機油全量基準)を添加した。
各冷凍機油について、まず、JIS K2501:2003に準拠して酸価(試験前酸価)を測定した。次いで、各冷凍機油について、JIS K2211:2009(オートクレーブテスト)に準拠して、冷媒混合時の安定性試験を実施した。すなわち、水分含有量を1000ppmに調整した冷凍機油30gをオートクレーブに秤取し、触媒(鉄、銅、アルミの線、いずれも外径1.6mm×長さ50mm)とジフルオロメタン(R32)冷媒30gとを封入し、温度175℃で168時間加熱した。試験後の各冷凍機油について、JIS K2501:2003に準拠して酸価(試験後酸価)を測定した。得られた試験前酸価及び試験後酸価から酸価増加を算出した。結果を表2〜5に示す。
Figure 2017101215
Figure 2017101215
Figure 2017101215
Figure 2017101215
表2〜5から明らかなように、特定の潤滑油基油と特定の2種類のエポキシ化合物とを組み合わせて用いると、冷凍機油の安定性の改善の点で優れた相乗効果が得られる。

Claims (2)

  1. 炭素数4〜18の一価アルコール及び炭素数が4〜18の一価脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種とエステル中間体とのコンプレックスエステルを含有する潤滑油基油であって、前記エステル中間体が、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコールと、炭素数6〜12の多塩基酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む多塩基酸とのエステルである、潤滑油基油と、
    下記式(A)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物と、
    下記式(B)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物と、
    を含有する冷凍機油。
    Figure 2017101215

    [式(A)中、Rはアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。]
    Figure 2017101215

    [式(B)中、Rはアリール基又はアルキル基を表す。]
  2. 酸性リン化合物を更に含有する、請求項1に記載の冷凍機油。
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