JP2017088502A - 乳化型染毛剤組成物 - Google Patents
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前記欠点を克服するために、塩基性染料、及び色落ち防止剤(ヒスチジン、シトルリン、グリシン、グルタミン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン酸、リジン、グルタミン酸又はこれらの塩)を含有し、pHが6.0以上である染毛剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、前記提案は、洗髪に対する色落ちの抑制効果が高いが、皮膚への染着性が高いために従来の欠点を克服することはできなかった。したがって、毛髪を傷めることなく、染毛力が良好で、皮膚への染着性がない染毛剤組成物が望まれてきた。
前記毛髪のパサつきのなさとは、染毛した後に毛髪が傷むことなく、毛髪の補修効果があることを意味する。前記洗髪に対する色落ちの抑制効果が良好とは、染毛した後にシャンプーなどで毛髪を洗浄しても、色落ちがしにくいことを意味する。前記皮膚には、手指などの皮膚のほか、頭皮も含まれる。
<1> (A)アルギニン、(B)N−アシルアミノ酸ジエステル化合物、(C)塩基性染料、(D)カチオン性界面活性剤、及び(E)炭素数が12以上のアルコールを含有してなり、
前記(A)成分の含有量が、0.7質量%〜10質量%であり、
前記(A)成分の含有量(質量%)と前記(C)成分の含有量(質量%)との質量比(A/C)が、0.3〜40であり、
25℃におけるpHが、5〜9であることを特徴とする乳化型染毛剤組成物である。
<2> 前記(B)成分の含有量が、0.2質量%〜0.8質量%である前記<1>に記載の乳化型染毛剤組成物である。
<3> 更に(F)ヘアカラー染料を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の乳化型染毛剤組成物である。
本発明の乳化型染毛剤組成物は、(A)アルギニン、(B)N−アシルアミノ酸ジエステル化合物、(C)塩基性染料、(D)カチオン性界面活性剤、及び(E)炭素数が12以上のアルコールを含有し、(F)ヘアカラー染料を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(A)成分のアルギニンは、染毛力、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさを向上させるために含有される。
前記(A)成分のアルギニンとしては、L体であってもよいし、D体であってもよい。
前記(A)成分のアルギニンの含有量は、染毛力、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさの点から、乳化型染毛剤組成物全量に対して、0.7質量%〜10質量%であり、0.8質量%〜7質量%が好ましく、1質量%〜5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.7質量%未満であると、染毛力、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさが不十分となることがあり、10質量%を超えると、毛髪のパサつきのなさが不十分となることがある。
前記(B)成分のN−アシルアミノ酸ジエステル化合物は、毛髪のパサつきのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさを向上させるために含有される。
前記(B)成分のN−アシルアミノ酸ジエステル化合物を構成するアミノ酸としては、特に制限はないが、酸性アミノ酸が好ましく、グルタミン酸がより好ましい。
前記(B)成分のN−アシルアミノ酸ジエステル化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
また、前記一般式(1)におけるX及びYで表される炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基としては、直鎖であっても分岐であってもよく、炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。前記アルキル基又は前記アルケニル基としては、例えば、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクチルドデシル基、ベヘニル基などが挙げられる。
また、前記一般式(1)におけるR1で表される炭素数8〜24のアシル基としては、直鎖であっても分岐であってもよい。前記アシル基としては、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基などが挙げられる。
前記(C)成分の塩基性染料は、染毛力、及び皮膚への染着性の少なさを向上させるために含有される。
前記(C)成分の塩基性染料としては、特に制限はなく、通常、染毛剤に用いられる塩基性染料を使用することができ、例えば、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性オレンジ31、塩基性赤51、塩基性赤76、塩基性黄57、塩基性黄87などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、髪色をブラック、ダークブラウン、ブラウン、グレーにするのであれば、青系染料、赤系染料、黄系染料、及び茶系染料から選ばれる少なくとも3種以上組み合わせて用いる。前記青系染料としては、例えば、塩基性青99などが挙げられる。前記赤系染料としては、例えば、塩基性赤51、塩基性赤76などが挙げられる。前記黄系染料としては、例えば、塩基性黄57、塩基性黄87などが挙げられる。前記茶系染料としては、例えば、塩基性茶16などが挙げられる。
前記(A)成分の含有量(質量%)と前記(C)成分の含有量(質量%)との質量比(A/C)は、毛髪のパサつきのなさ、及び皮膚への染着性の少なさの点から、0.3〜40であり、0.5〜20が好ましい。前記質量比が、0.3未満であると、皮膚への染着性の少なさが不十分となることがあり、40を超えると、毛髪のパサつきのなさが不十分となることがある。
前記(D)成分のカチオン性界面活性剤は、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさを向上させるために含有される。
前記(D)成分のカチオン性界面活性剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミン塩、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさの点から、下記一般式(2)で表される第四級アンモニウム塩が好ましい。
前記対イオンは、ハロゲン化物イオン、又は水酸化物イオンが好ましく、これらの中でも、Cl‐、Br‐が好ましく、Cl‐がより好ましい。
前記ジアルキル(炭素数:8〜22)ジメチルアンモニウム塩としては、例えば、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(E)成分の炭素数が12以上のアルコールは、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさを向上させるために含有される。
前記(E)成分のアルコールは、炭素数12以上であり、炭素数12〜22が好ましく、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。これらの中でも、毛髪のパサつきのなさ、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさの点から、炭素数18〜22の直鎖のアルキル基を有する脂肪族アルコールが好ましい。
前記(E)成分の炭素数が12以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、毛髪のパサつきのなさの点から、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールが好ましい。
前記(F)成分のヘアカラー染料(Hair Color染料;以下、「HC染料」と称することがある)とは、非イオン性の直接染料の総称であり、日本ヘアカラー工業会自主基準リストに収載されている。前記HC染料としては、通常、染毛剤に用いられるHC染料であれば特に限定されるものでなく、例えば、HC青2;HCオレンジ1、HCオレンジ2;HC赤1、HC赤2(4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール)、HC赤3、HC赤7;HC黄2、HC黄4、HC黄9などが挙げられる。これらHC染料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、塩基性青99と併用することが好ましい。例えば、髪色をブラック、ダークブラウン、グレー、ブラウンにするのであれば、前記塩基性青99に加えて、HC青2等の青系染料から選ばれる少なくとも1種;HC赤1、HC赤2、HC赤3、HC赤7、HC赤13等の赤系染料から選ばれる少なくとも1種;HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄9等の黄系染料から選ばれる少なくとも1種を組み合わせて用いることが好ましい。
前記(F)成分の含有量は、乳化型染毛剤組成物全量に対して、0.02質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。
本発明の乳化型染毛剤組成物には、前記(A)成分〜前記(F)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、通常、乳化型染毛剤組成物に使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、多価アルコール、油分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、前記(C)成分及び前記(F)成分以外の直接染料、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノプロピオン酸系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性界面活性剤の含有量は、前記乳化型染毛剤組成物全量に対して、0.05質量%〜2質量%が好ましい。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール、ソルビトール、又は前記多価アルコールのエチレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコールが好ましく、グリセリン、プロピレングリコールがより好ましい。
前記の多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、グリセリンとプロピレングリコールとの併用が好ましい。
前記シリコーン油の含有量は、前記乳化型染毛剤組成物全量に対し、0.1質量%〜3質量%が好ましい。
前記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウムジナトリウム、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸などが挙げられる。
前記紫外線吸収・散乱剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。
前記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
前記アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン又はこれらの誘導体などが挙げられる。
本発明の乳化型染毛剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(B)成分、前記(D)成分、前記(E)成分、好ましくは前記(F)成分、及び必要に応じて油溶性の前記その他の成分を混合して油相を得る。前記油相に水を加えて転相乳化後、前記(A)成分、前記(C)成分、水溶性の前記その他の成分を添加し、撹拌してpHを調整することにより、乳化型染毛剤組成物が得られる。
前記乳化型染毛剤組成物のpHとしては、染毛力、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさの点から、25℃で5〜9であり、6〜8が好ましい。前記pHが5未満であると、染毛力、毛髪の色ムラのなさ、洗髪に対する色落ちの抑制効果、及び皮膚への染着性の少なさが不十分となることがあり、9を超えると、皮膚への染着性の少なさが不十分となることがある。
前記pHは、前記乳化型染毛剤組成物をpHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記乳化型染毛剤組成物のpHは、所望のpH調整剤を用いて調整することができる。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機酸、無機酸などが挙げられ、具体的には、クエン酸、塩酸、リン酸などが挙げられる。
前記乳化型染毛剤組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミニウムチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器などが挙げられる。これらの中でも、ラミネートフィルム容器及びボトル容器が好ましい。
前記ラミネートフィルム容器は、通常2層以上の多層を有し、前記ラミネートの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミニウム蒸着プラスチックなどが挙げられる。前記ラミネートフィルム容器は、強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2層〜5層のものを用いる。
前記ボトル容器の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等、又はガラスなどが挙げられ、これらを単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
本発明の乳化型染毛剤組成物は、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、リンスインシャンプーなどの洗い流すタイプの製品として好適である。
下記表1〜10に示す組成及び含有量の乳化型染毛剤組成物を以下の製造方法に基づいて製造した。
80℃の湯浴中で、(B)成分のN−アシルアミノ酸ジエステル化合物、(D)成分のカチオン性界面活性剤、(E)成分の炭素数が12以上のアルコール、及び必要に応じて、共通成分である多価アルコール(グリセリン、及びプロピレングリコール)、ノニオン性界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール、及びジイソステアリン酸ポリグリセリル)、安息香酸、ヒドロキシエチルセルロースを溶解混合した後、80℃の水を加え、液晶を形成させ均一化した。更に、80℃の水を加えて転相乳化後、(A)成分のアルギニン、(C)成分の塩基性染料、(F)成分のヘアカラー染料、及び必要に応じて、共通成分であるアミノエチルアミノプロピルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体エマルション、及び水を添加し、均一撹拌し、40℃に冷却後、塩酸でpHを調整して、乳化型染毛剤組成物を得た。なお、前記pHは、医薬部外品原料規格2006一般試験法のpH測定法に準拠して、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて25℃で測定した。
実施例1〜34、比較例1〜7、及び比較例9〜15は、仕上がりの髪色がダークブラウンになるように前記(C)成分の塩基性染料の配合量を調整した。また、実施例35〜38の仕上がりの色については、実施例35ではブラック、実施例36ではダークブラウン、実施例37ではグレー、実施例38ではブラウンになるように、前記(C)成分、及び前記(F)成分の配合量を調整した。
得られた各乳化型染毛剤組成物について、下記評価方法に基づいて、諸特性を評価した。評価結果を下記表1〜10に併記した。
人毛白髪BM−W−A(ビューラックス株式会社製)10cm(1.0g)を27質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O.、新日本理化株式会社製)1gで洗浄、水洗後、室温(25℃)にて風乾した。これをサンプル毛束とした。なお、前記E.O.とは、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数を表す。
前記サンプル毛束1.0gに対し、得られた各乳化型染毛剤組成物10gを、1回/秒間の速さで60回くし通しを行って均一に塗布し、25℃で20分間静置後、40℃の温水を流しながら(5L/分間)、1回/2秒間の速さで25回くし通しをしながらすすいだ。次いで、サンプル毛束1.0gに対し市販品シャンプー(植物物語シャンプー さっぱりさらさらヨーロピアンブレンド、ライオン株式会社製)0.1gを、1回/秒間の速さで60回くし通しを行いながら塗布し、40℃の温水を流しながら(5L/分間)、1回/2秒間の速さで25回くし通しをしながらすすいで、25℃で風乾した。
それぞれの毛束について、20名の専門パネル(男性10名、女性10名)によってそれぞれ以下の評価基準に基づき評価した。「染毛力」は、目視で、染毛処理を行っていないサンプル毛束と比較して評価した。また、「毛髪の色ムラのなさ」は目視によって、「毛髪のパサつきのなさ」は毛束を手で触ることによって評価した。
なお、3以上を合格とする。
[「染毛力」の評価基準]
5:染毛力が良好と答えた者が20名中16名以上
4:染毛力が良好と答えた者が20名中13名以上15名以下
3:染毛力が良好と答えた者が20名中10名以上12名以下
2:染毛力が悪いと答えた者が20名中11名以上14名以下
1:染毛力が悪いと答えた者が20名中15名以上
5:良好と答えた者が20名中16名以上
4:良好と答えた者が20名中13名以上15名以下
3:良好と答えた者が20名中10名以上12名以下
2:良好と答えた者が20名中6名以上9名以下
1:良好と答えた者が20名中5名以下
前記サンプル毛束1.0gに、各乳化型染毛剤組成物10gを、1回/秒間の速さで60回くし通しを行って均一塗布し、25℃で20分間静置後、40℃の温水を流しながら、1回/2秒間の速さで25回くし通しをしながらすすいだ。各乳化型染毛剤組成物につき2本ずつ、上記処理を施したサンプル毛束を作製した。
次に、前記2本のサンプル毛束のうち一方の毛束に、市販品シャンプー(植物物語シャンプー さっぱりさらさらヨーロピアンブレンド、ライオン株式会社製)0.1gを、1回/秒間の速さで60回くし通しを行って塗布し、40℃の温水を流しながら、1回/2秒間の速さで25回くし通しをしながらすすいで、25℃で風乾した。前記市販品シャンプーによる洗浄及び乾燥の操作(洗髪処理)を3回繰返し、洗髪処理毛束とした。20名の専門パネル(男性10名、女性10名)によって目視により、前記洗髪処理を行っていない毛束(対照毛束)と前記洗髪処理毛束を比較し、以下の評価基準に基づいて、「洗髪に対する色落ち抑制効果」を評価した。
なお、染毛力が悪い染毛剤組成物に関しては毛束がほぼ染まっていないため、洗髪に対する色落ちの抑制効果の評価結果が高い場合がある。また、3以上を合格とする。
[評価基準]
5:洗髪に対する色落ちの抑制効果が良好と答えた者が20名中16名以上
4:洗髪に対する色落ちの抑制効果が良好と答えた者が20名中13名以上15名以下
3:洗髪に対する色落ちの抑制効果が良好と答えた者が20名中10名以上12名以下
2:洗髪に対する色落ちの抑制効果が悪いと答えた者が20名中11名以上14名以下
1:洗髪に対する色落ちの抑制効果が悪いと答えた者が20名中15名以上
各乳化型染毛剤組成物(2g)を、20名の専門パネル(男性10名、女性10名)の腕の内側部に直径1.5cmくらいの円状に塗布した。20分間放置した後、40℃の温水で10秒間こすりながら洗い流し、次いで、ハンドソープ(キレイキレイ泡ハンドソープ、ライオン株式会社製)を1g塗布し、1分間こすり、40℃の温水で20秒間洗い流した(すべて1往復/秒間)。各専門パネルの皮膚への染着具合を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて、「皮膚への染着性の少なさ」を評価した。
なお、前記皮膚への染着の少なさが良好とは、目視した際に、皮膚に全く染着していないか、気にならない程度に染着していることを指す。また、3以上を合格とする。
[評価基準]
5:良好と答えた者が20名中16名以上
4:良好と答えた者が20名中13名以上15名以下
3:良好と答えた者が20名中10名以上12名以下
2:良好と答えた者が20名中6名以上9名以下
1:良好と答えた者が20名中5名以下
以下に乳化型染毛剤組成物の好適な配合実施例を示す。
ベントナイトを分散させた水溶液を80℃に加温し、温度を維持したまま両性界面活性剤、及びプロピレングリコール以外の多価アルコール等を添加し、均一になるまで撹拌して水相を得た。(D)成分のカチオン性界面活性剤、(E)成分の炭素数が12以上のアルコール、(B)成分のN−アシルアミノ酸ジエステル化合物、及び必要に応じてプロピレングリコール、ノニオン性界面活性剤を加温溶解し、油相を得た。前記水相を撹拌しながら、徐々に前記油相を添加して均一になるまで撹拌した。その後、(A)成分のアルギニン、(C)成分の塩基性染料、又は(F)成分のヘアカラー染料を添加し均一になるまで撹拌した後、温度を40℃に冷却後、塩酸でpHを調整した。なお、pHは、医薬部外品原料規格2006一般試験法のpH測定法に準拠して、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて25℃で測定した。
実施例39は仕上がりの髪色がダークブラウンになるよう前記(C)成分の配合量を調整した。実施例40では仕上がりの髪色がブラックになるように、実施例41では仕上がりの髪色がダークブラウンになるように、実施例42では仕上がりの髪色がグレーになるよう、実施例43では仕上がりの髪色がブラウンになるよう前記(C)成分、前記(F)成分の配合量を調整した。
得られた実施例39〜43の乳化型染毛剤組成物を、実施例1〜38と同様に評価し、得られた評価結果を下記表11に示した。
Claims (3)
- (A)アルギニン、
(B)N−アシルアミノ酸ジエステル化合物、
(C)塩基性染料、
(D)カチオン性界面活性剤、及び
(E)炭素数が12以上のアルコールを含有してなり、
前記(A)成分の含有量が、0.7質量%〜10質量%であり、
前記(A)成分の含有量(質量%)と前記(C)成分の含有量(質量%)との質量比(A/C)が、0.3〜40であり、
25℃におけるpHが、5〜9であることを特徴とする乳化型染毛剤組成物。 - 前記(B)成分の含有量が、0.2質量%〜0.8質量%である請求項1に記載の乳化型染毛剤組成物。
- 更に(F)ヘアカラー染料を含有する請求項1から2のいずれかに記載の乳化型染毛剤組成物。
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